JPH09108193A - 計測データに対する補正方法 - Google Patents

計測データに対する補正方法

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JPH09108193A
JPH09108193A JP7270395A JP27039595A JPH09108193A JP H09108193 A JPH09108193 A JP H09108193A JP 7270395 A JP7270395 A JP 7270395A JP 27039595 A JP27039595 A JP 27039595A JP H09108193 A JPH09108193 A JP H09108193A
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求 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 データ取り込み時間を延長せずに、脈拍数や
ピッチなどの状態値を高い精度で求めることができる計
測データに対する補正方法を実現すること。 【解決手段】 携帯用脈波計測装置1では、センサで検
出した脈波信号に対する周波数分析条件を、サンプリン
グ周波数を8Hz、サンプリング点数を128点に設定
してあるため、データ取り込み時間を16秒間としてあ
る代わりに分解能が低い。このため、周波数分析後のス
ペクトラムにおいて、対象スペクトルからそのまま脈拍
数を算出すると、脈拍数は、3.75拍/分毎の値であ
るが、対象スペクトルの両サイドに出現する2つの隣接
スペクトルの強度を比較して増減いずれかの方向に補正
をすべきかを求め、対象スペクトルの強度と隣接スペク
トルの強度とを比較して補正の量を求め、対象スペクト
ルからそのまま求めた脈拍数に対して「±1」または
「±2」の補正を行うと、脈拍数を1拍/分毎の値で求
めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサが検出した
脈波や体動などを表す状態信号に周波数分析を行って脈
拍数やピッチなどの状態値を求める際に行う計測データ
に対する補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脈波や体動などをセンサで計測し、この
計測データに基づいて脈拍数やピッチなどを求める際に
は、まず、計測データに周波数分析を行い、図6(a)
に示すスペクトラムを得る。このスペクトラムにおい
て、各線スペクトルは、周波数分析時の分解能に対応す
る間隔をもって離散的に出現する。次に、線スペクトル
群から対象スペクトルを特定し、対象スペクトルの周波
数に基づいて脈拍数やピッチなどを算出する。たとえ
ば、対象スペクトルが2Hzの位置に出現しておれば、
脈拍数は120拍/分となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、対象スペクトルの周波数からそのまま脈拍数を
算出すると、得られる値が不自然であり、精度が低いと
いう問題点がある。たとえば、周波数分析時のサンプリ
ング周波数が8Hz、サンプリング点数が128点であ
ればデータ取り込み時間は16秒となり、線スペクトル
の間隔は、データ取り込み時間の逆数である1/16H
zであり、得られる脈拍数は、1/16Hzを脈拍数の
換算した値、すなわち、3.75拍/分毎の値になって
しまう。一方、分解能を高めるには、サンプリング周波
数とサンプリング点数との積で表されるデータの取り込
み時間を延長すればよいが、脈拍数やピッチなどといっ
た周波数の低い状態値を計測するには、前記の条件でも
16秒間といった長いデータ取り込み時間が必要である
のに、それをさらに延長すると、現在表示されている脈
拍数は、かなり前の計測結果であるという不都合が生じ
る。
【0004】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
データ取り込み時間を延長せずに、脈拍数やピッチなど
の状態値を高い精度で求めることができる計測データに
対する補正方法を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る計測データに対する補正方法では、セ
ンサが検出した脈波や体動などを表す状態信号に周波数
分析を行い、該周波数分析の分解能に対応する間隔で離
散的に得られるスペクトル群から対象スペクトルを特定
し、該対象スペクトルの周波数または周期に基づいて脈
拍数やピッチなどの状態値を求めるにあたって、前記対
象スペクトルの両サイドに出現する2つの隣接スペクト
ルの強度を比較し、この比較結果に基づいて、前記対象
スペクトルから求めた補正前の状態値に対して増減いず
れかの方向に補正をすべきかを決定するとともに、前記
対象スペクトルの強度と前記隣接スペクトルの強度とを
比較し、この比較結果に基づいて前記補正の量を求め、
しかる後に、前記補正前の状態値に対して所定の方向に
所定の量の補正を行うことにより、前記補正前の状態値
を前記状態信号の原波形に対応する状態値に向けて補正
することを特徴とする。
【0006】本発明では、前記補正量を求めるにあたっ
て、たとえば、前記対象スペクトルの強度と、前記隣接
スペクトルのうち強度の大きいスペクトルの強度とを比
較し、これらのスペクトルの強度の相対的な差が、予め
設定された複数の範囲のうちいずれの範囲にあるかに基
づいて補正すべき量を決定する。
【0007】
【発明の実施の形態】図面に基づいて、本発明の一実施
例を説明する。
【0008】(全体構成)図1は、本例の携帯用脈波計
測装置の構成を示す説明図である。
【0009】図1において、本例の携帯用脈波計測装置
1は、腕時計構造を有する装置本体10と、この装置本
体10に接続されるケーブル20と、このケーブル20
の先端側に設けられた脈波検出用センサユニット30と
から大略構成されている。ケーブル20の先端側にはコ
ネクタピース80が構成されており、このコネクタピー
ス80は、装置本体10の6時の側に構成されているコ
ネクタ部70に対して着脱自在である。装置本体10に
は、腕時計における12時方向から腕に巻きついてその
6時方向で固定されるリストバンド12が設けられ、こ
のリストバンド12によって、装置本体10は、腕に着
脱自在である。脈波検出用センサユニット30は、セン
サ固定用バンド40によって遮光されながら人差し指の
根元から指関節までの間に装着されている。このよう
に、脈波検出用センサユニット30を指の根元に装着す
ると、ケーブル20が短くて済むので、ケーブル20
は、ランニング中に邪魔にならない。また、掌から指先
までの体温の分布を計測すると、寒いときには、指先の
温度が著しく低下するのに対し、指の根元の温度は比較
的低下しない。従って、指の根元に脈波検出用センサユ
ニット30を装着すれば、寒い日に屋外でランニングし
たときでも、脈拍数(状態値)などを正確に計測でき
る。
【0010】(装置本体の構成)図2は、本例の携帯用
脈波計測装置の装置本体を、リストバンドやケーブルな
どを外した状態で示す平面図、図3は、携帯用脈波計測
装置を3時の方向からみた側面図である。
【0011】図2において、装置本体10は、樹脂製の
時計ケース11(本体ケース)を備えており、この時計
ケース11の表面側には、現在時刻や日付に加えて、走
行時や歩行時のピッチ、及び脈拍数などの脈波情報など
を表示するELバックライト付きの液晶表示装置13
(表示装置)が構成されている。液晶表示装置13に
は、表示面の左上側に位置する第1のセグメント表示領
域131、右上側に位置する第2のセグメント表示領域
132、右下側に位置する第3のセグメント表示領域1
33、及び左下側に位置するドット表示領域134が構
成されており、ドット表示領域134では、各種の情報
をグラフィック表示可能である。
【0012】時計ケース11の内部には、脈波検出用セ
ンサユニット30が計測した脈波信号(状態信号)に基
づいて脈拍数の変化などを求めるとともに、それを液晶
表示装置13で表示するために、各種の制御やデータ処
理を行う制御部5が構成されている。制御部5には、計
時回路も構成されているため、通常時刻、ラップタイ
ム、スプリットタイムなども液晶表示装置13に表示可
能である。
【0013】時計ケース11の外周部には、時刻合わせ
や表示モードの切り換えなどの外部操作を行うためのボ
タンスイッチ111〜115が構成されている。また、
時計ケースの表面には、大きめのボタンスイッチ11
6、117が構成されている。
【0014】携帯用脈波計測装置1には、時計ケース1
1に内蔵されているボタン形の小型の電池59を搭載し
てあり、ケーブル20は、電池59から脈波検出用セン
サユニット30に電力を供給するとともに、脈波検出用
センサユニット30の検出結果を時計ケース11の制御
部5に入力している。
【0015】携帯用脈波計測装置1では、その機能を増
やすにともなって、装置本体10を大型化する必要があ
るが、装置本体10には、腕に装着されるという制約が
あるため、装置本体10を腕時計における6時及び12
時の方向に向けては拡大できない。そこで、装置本体1
0には、3時及び9時の方向における長さ寸法が6時及
び12時の方向における長さ寸法よりも長い横長の時計
ケース11を用いてある。但し、リストバンド12は、
3時の方向側に偏った位置で接続しているため、リスト
バンド12からみると、腕時計における9時の方向に大
きな張出部分101を有するが、かかる大きな張出部分
は3時の方向にはない。従って、横長の時計ケース11
を用いたわりには、手首を自由に曲げることができ、ま
た、転んでも手の甲を時計ケース11にぶつけることが
ない。
【0016】時計ケース11の内部において、電池59
に対して9時の方向には、ブザー用の偏平な圧電素子5
8が配置されている。電池59は、圧電素子58に比較
して重いため、装置本体10の重心位置は、3時の方向
に偏った位置にある。この重心が偏っている側にリスト
バンド12が接続しているので、装置本体10を腕に安
定した状態で装着できる。また、電池59と圧電素子5
8とを面方向に配置してあるため、装置本体10を薄型
化できるとともに、図3に示すように、裏面部119に
電池蓋118を設けることによって、ユーザーは、電池
59を簡単に交換できる。
【0017】(装置本体の腕への装着構造)図3におい
て、時計ケース11の12時の方向には、リストバンド
12の端部に取り付けられた止め軸121を保持するた
めの連結部105が形成されている。時計ケース11の
6時の方向には、腕に巻かれたリストバンド12が長さ
方向の途中位置で折り返されるとともに、この途中位置
を保持するための留め具122が取り付けられる受け部
106が形成されている。
【0018】装置本体10の6時の方向において、裏面
部119から受け部106に至る部分は、時計ケース1
1と一体に成形されて裏面部119に対して約115°
の角度をなす回転止め部108になっている。すなわ
ち、リストバンド12によって装置本体10を右の手首
L(腕)の上面部L1(手の甲の側)に位置するように
装着したとき、時計ケース11の裏面部119は、手首
Lの上面部L1に密着する一方、回転止め部108は、
橈骨Rのある側面部L2に当接する。この状態で、装置
本体10の裏面部119は、橈骨Rと尺骨Uを跨ぐ感じ
にある一方、回転止め部108と裏面部119との屈曲
部分109から回転止め部108にかけては、橈骨Rに
当接する感じになる。このように、回転止め部108と
裏面部119とは、約115°という解剖学的に理想的
な角度をなしているため、装置本体10を矢印Aまたは
矢印Bの方向に回そうとしても、装置本体10は、腕L
の周りを不必要にずれない。また、裏面部119及び回
転止め部108によって腕の回りの片側2ヵ所で装置本
体10の回転を規制するだけであるため、腕が細くて
も、裏面部119及び回転止め部108は確実に腕に接
するので、回転止め効果が確実に得られる一方、腕が太
くても窮屈な感じがない。
【0019】(脈波検出用センサユニットの構成)図4
は、本例の脈波検出用センサユニットの断面図である。
【0020】図4において、脈波検出用センサユニット
30は、そのケース体としてのセンサ枠36の裏側に裏
蓋302が被されることによって、内側に部品収納空間
300が構成されている。部品収納空間300の内部に
は、回路基板35が配置されている。回路基板35に
は、LED31、フォトトランジスタ32、その他の電
子部品が実装されている。脈波検出用センサユニット3
0には、ブッシュ393によってケーブル20の端部が
固定され、ケーブル20の各配線は、各回路基板35の
パターン上にはんだ付けされている。ここで、脈波検出
用センサユニット30は、ケーブル20が指の根元側か
ら装置本体10の側に引き出されるようにして指に取り
付けられる。従って、LED31及びフォトトランジス
タ32は、指の長さ方向に沿って配列されることにな
り、そのうち、LED31は指の先端側に位置し、フォ
トトランジスタ32は指の根元の方に位置する。このよ
うに配置すると、外光がフォトトランジスタ32に届き
にくいという効果がある。
【0021】脈波検出用センサユニット30では、セン
サ枠36の上面部分にガラス板からなる透光板34によ
って光透過窓が形成され、この透光板34に対して、L
ED31及びフォトトランジスタ32は、それぞれ発光
面及び受光面を透光板34の方に向けている。このた
め、透光板34の外側表面341に指表面を密着させる
と、LED31は、指表面の側に向けて光を発するとと
もに、フォトトランジスタ32は、LED31が発した
光のうち指の側から反射してくる光を受光可能である。
ここで、透光板34の外側表面341は、指表面との密
着性を高める目的に、周囲部分361から突出している
構造になっている。
【0022】本例では、LED31として、InGaN
系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDを用
いてあり、その発光スペクトルは、450nmに発光ピ
ークを有し、その発光波長領域は、350nmから60
0nmまでの範囲にある。かかる発光特性を有するLE
D31に対応させて、本例では、フォトトランジスタ3
2として、GaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)の
フォトトランジスタを用いてあり、その素子自身の受光
波長領域は、主要感度領域が300nmから600nm
までの範囲にあって、300nm以下にも感度領域があ
る。
【0023】このように構成した脈波検出用センサユニ
ット30を、センサ固定用バンド40によって指の根元
に装着し、この状態で、LED31から指に向けて光を
照射すると、この光が血管に届いて血液中のヘモグロビ
ンによって光の一部が吸収され、一部が反射する。指
(血管)から反射してきた光は、フォトトランジスタ3
2によって受光され、その受光量変化が血量変化(血液
の脈波)に対応する。すなわち、血量が多いときには、
反射光が弱くなる一方、血量が少なくなると、反射光が
強くなるので、反射光強度の変化を脈波信号として光学
的に検出すれば、の検出結果から脈拍数などを計測でき
る。
【0024】本例では、発光波長領域が350nmから
600nmまでの範囲にあるLED31と、受光波長領
域が300nmから600nmまでの範囲のフォトトラ
ンジスタ32とを用いてあり、その重なり領域である約
300nmから約600nmまでの波長領域、すなわ
ち、約700nm以下の波長領域における検出結果に基
づいて生体情報を表示する。かかる脈波検出用センサユ
ニット30を用いれば、外光が指の露出部分にあたって
も、外光に含まれる光のうち波長領域が700nm以下
の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受
光部)にまで到達しない。その理由は、外光に含まれる
波長領域が700nm以下の光は、指を透過しにくい傾
向にあるため、外光がセンサ固定用バンド40で覆われ
ていない指の部分に照射されても、指を通ってフォトト
ランジスタ32まで届かないからである。これに対し、
880nm付近に発光ピークを有するLEDと、シリコ
ン系のフォトトランジスタとを用いると、その受光波長
範囲は、350nmから1200nmまでの範囲に及
ぶ。この場合には、指を導光体として受光部にまで容易
に届いてしまうような1μmの波長の光による検出結果
に基づいて脈波を検出することになるので、外光の変動
に起因する誤検出が起こりやすい。
【0025】また、約700nm以下の波長領域の光を
利用して、脈波情報を得ているので、血量変化に基づく
脈波信号のS/N比が高い。その理由として、血液中の
ヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまで
の光に対する吸光係数が、従来の検出光である波長が8
80nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100
倍以上大きいため、血量変化に感度よく変化するので、
血量変化に基づく脈波の検出率(S/N比)が高いから
と考えられる。
【0026】(脈波データ処理部の構成)図5に示すよ
うに、制御部5には、脈波検出用センサユニット30か
らの入力結果に基づいて脈拍数を求める脈波データ処理
部55が構成されており、この脈波データ処理部55
は、脈拍数の算出結果を出力することによって、この値
を液晶表示装置13に表示可能としている。なお、脈波
データ処理部55の一部は、格納されているプログラム
によって動作するマイクロコンピュータで構成されてお
り、このマイクロコンピュータの機能については、図5
にブロック図で示してある。
【0027】まず、脈波データ処理部55では、脈波検
出用センサユニット30から入力されたアナログ信号を
オペアンプ551で増幅した後、サンプルホールド回路
552を介してA/Dコンバータ553に出力するよう
になっている。脈波データ記憶部554は、A/Dコン
バータ553によってデジタル信号に変換された脈波デ
ータを記憶しておくRAMである。CPU51には、脈
波データ記憶部554に記憶されている脈波データに周
波数分析としての高速フーリエ変換(FFT処理)を行
なうための周波数分析部52が構成されており、周波数
分析部52は、その周波数分析結果を脈波成分抽出部5
3に入力するようになっている。脈波成分抽出部53
は、周波数分析部52の出力信号から脈波成分を抽出し
て脈拍数演算部54に出力し、脈拍数演算部54は、入
力された脈波の周波数成分により脈拍数を演算するよう
になっている。
【0028】ここで、周波数分析部52における設定条
件が、たとえば、サンプリング周波数が8Hz、サンプ
リング点数が128点であると、得られる周波数情報
は、図6(a)に示すように、1/16Hzの間隔をも
って離散的に出現する64本の線スペクトルが得られ
る。但し、このスペクトルからそのまま算出した脈拍数
は、1/16Hzを脈拍数に換算した値毎の結果、すな
わち、3.75拍/分毎の値となり、精度が低く、表示
が不自然になってしまう。
【0029】そこで、本例では、図5に示すように、脈
拍数演算部54には、脈波成分抽出部53が線スペクト
ル群から対象スペクトル(図6(b)における線スペク
トルP1)を特定した以降、対象スペクトルの両サイド
に出現する2つの隣接スペクトル(図6(b)における
線スペクトルP2、P3)の強度を比較し、この比較結
果に基づいて、対象スペクトルから求めた補正前の脈拍
数に対して増減いずれかの方向に補正をすべきかを求め
る補正方向算出部541と、対象スペクトルの強度と隣
接スペクトルの強度とを比較し、この比較結果に基づい
て補正の量を求める補正量算出部542とが構成されて
いる。ここで、補正量算出部542は、補正量を求める
にあたって、対象スペクトルの強度と、前記隣接スペク
トルのうち強度の大きいスペクトルの強度とを比較する
一方、その差が、予め設定された複数の範囲のうちいず
れの範囲にあるかに基づいて補正すべき量を決定するよ
うに構成されている。従って、脈拍数演算部54は、対
象スペクトルから求めた補正前の脈拍数に対して、補正
方向算出部541が求めた補正方向に向かって補正量算
出部542が求めた補正量だけ加算または減算すること
によって、対象スペクトルから求めた脈拍数を状態信号
の原波形に対応する脈拍数に向けて補正することにな
る。
【0030】(脈波データに対して行う補正の原理)脈
拍数演算部54において行う具体的な処理を説明する前
に、対象スペクトルの両サイドに出現する隣接スペクト
ルを利用して補正できる原理を説明しておく。なお、以
下の説明では、内容を理解しやすいように、線スペクト
ルは、1Hzの間隔で離間的に出現するものとし、か
つ、原波形の周波数が9Hzから10Hzまでの間にあ
る場合を例に説明する。
【0031】図7(a)は、9.0Hzの信号の1秒間
分の波形を示す波形図、図7(b)は、この信号を周波
数分析したときのスペクトラムである。図8(a)は、
9.3Hzの信号の1秒間分の波形を示す波形図、図8
(b)は、この信号を周波数分析したときのスペクトラ
ムである。図9(a)は、9.5Hzの信号の1秒間分
の波形を示す波形図、図9(b)は、この信号を周波数
分析したときのスペクトラムである。図10(a)は、
9.8Hzの信号の1秒間分の波形を示す波形図、図1
0(b)は、この信号を周波数分析したときのスペクト
ラムである。図11(a)は、10.0Hzの信号の1
秒間分の波形を示す波形図、図11(b)は、この信号
を周波数分析したときのスペクトラムである。
【0032】これらの図において、図7に示すように、
9.0Hzの信号を周波数分析すると、9Hzの位置に
のみ線スペクトルP1が出現する。
【0033】これに対して、図8に示すように、9.3
Hzの信号を周波数分析すると、9Hzの位置に線スペ
クトルP1が出現するとともに、このスペクトルの両サ
イドには、10Hzの位置に線スペクトルP2が出現
し、8Hzの位置に線スペクトルP3が出現する。10
Hzの位置に出現した線スペクトルP2の強度は、8H
zの位置に出現した線スペクトルP3の強度よりも大き
くて、9Hzの位置に出現した線スペクトルP3の強度
よりも小さい。
【0034】図9に示すように、9.5Hzの信号を周
波数分析すると、9Hzの位置に線スペクトルP1が出
現するとともに、このスペクトルの両サイドには、10
Hzの位置に線スペクトルP2が出現し、8Hzの位置
に線スペクトルP3が出現する。10Hzの位置に出現
した線スペクトルP2の強度は、8Hzの位置に出現し
た線スペクトルP3の強度よりもかなり大きくて、9H
zの位置に出現した線スペクトルP1の強度と同等であ
る。
【0035】図10に示すように、9.8Hzの信号を
周波数分析すると、9Hzの位置に線スペクトルP1が
出現するとともに、このスペクトルの両サイドには、1
0Hzの位置に線スペクトルP2が出現し、8Hzの位
置に線スペクトルP3が出現する。10Hzの位置に出
現した線スペクトルP2の強度は、8Hzの位置に出現
した線スペクトルP3の強度よりもかなり大きくて、9
Hzの位置に出現した線スペクトルP1よりも大きい。
【0036】図11に示すように、10.0Hzの信号
を周波数分析すると、10Hzの位置に線スペクトルP
2のみが出現する。
【0037】従って、図12に示すように、信号の周波
数を9.0Hzから10Hzに変化させていくと、常
に、9Hzの位置に出現した線スペクトルP1は、徐々
に小さくなっていくのに対し、10Hzの位置に出現し
た線スペクトルP2は、徐々に大きくなっていく。それ
故、たとえば、図8(b)に示すスペクトラムが得られ
たとき、線スペクトルP1、P2、P3から、この信号
の周波数は、9.3Hzであることを求めることができ
る。すなわち、線スペクトルP1を対象スペクトルと
し、その両サイドに出現した線スペクトルP2、P3を
隣接スペクトルとして、2つの隣接スペクトル(線スペ
クトルP2、P3)の強度を比較すると、線スペクトル
P3の強度よりも線スペクトルP2の強度が大きいの
で、対象スペクトル(線スペクトルP1)の周波数9H
zに対して高周波側(10Hzの方向)に補正すれば、
原波形の周波数に近づくといえる。また、対象スペクト
ル(線スペクトルP1)と、大きな強度の隣接スペクト
ル(線スペクトルP2)の強度とを比較したとき、その
差が、たとえば比で表すと、1:0.4から1:0.6
までの範囲にあるので、補正すべき量を0.3Hzとす
れば、原波形の周波数に近づくといえる。
【0038】(脈拍数演算部の動作)かかる原理を利用
して脈拍数演算部54で行う補正のための処理を、図6
(b)、および図13に示すフローチャートを参照して
説明する。
【0039】図6(b)および図13において、周波数
分析によって求めたスペクトラムから対象スペクトル
(線スペクトルP1)を特定した後、ステップST10
1では、この対象スペクトルが線スペクトル群の何本目
の線スペクトルかを求め、その「アドレス値」に3.7
5を乗じて、対象スペクトルから脈拍数を求める。この
脈拍数は、対象スペクトルからそのまま求めた補正前の
値である。
【0040】ステップST102では、「アドレス値」
を「1」だけ加算した線スペクトルP2(高周波数側の
隣接スペクトル)の強度を変数「a」におく。ステップ
ST103では、「アドレス値」を「1」だけ減算した
線スペクトルP3(低周波数側の隣接スペクトル)の強
度を変数「b」におく。
【0041】ステップST104では、変数「a」と変
数「b」と比較し、その結果、変数「a」が変数「b」
よりも大きいと判断したときには、ステップST105
で「+1」を変数「delta」におく。後に、ステッ
プST101で求めた脈拍数に所定の値を加算する補正
を行うためである。次に、ステップST106では、変
数「c」に高周波数側の隣接スペクトルの強度(変数
「a」)をおく。これに対して、ステップST104
で、変数「b」が変数「a」よりも大きいと判断したと
きには、ステップST107で「−1」を変数「del
ta」におく。後に、ステップST101で求めた脈拍
数に所定の値を減算する補正を行うためである。次に、
ステップST108では、変数「c」に低周波数側の隣
接スペクトルの強度(変数「b」)をおく。以上の処理
は、図5に示す補正方向算出部541で行う処理に相当
する。
【0042】ステップST109では、補正量を表す変
数「d」を「0」に初期化する。ステップST110で
は、変数「High」に対象スペクトルの強度をおく。
【0043】ステップST111では、変数「c」と、
変数「High」を1/4倍した値とを比較する。ここ
で、変数「c」が変数「High」を1/4倍した値よ
りも小さい場合には、ステップST112では、変数
「c」と、変数「High」を1/2倍した値とを比較
するが、当然、変数「c」が変数「High」を1/2
倍した値よりも小さいから、補正量を表す変数「d」は
「0」に初期化されたままである。従って、ステップS
T113では、ステップST101で求めた補正前の脈
拍数に対して補正を施さない。
【0044】ステップST111において、変数「c」
が変数「High」を1/4倍した値よりも小さい場合
には、ステップST114では、補正量を表す変数
「d」に「1」をおく。
【0045】次に、ステップST112では、変数
「c」と、変数「High」を1/2倍した値とを比較
する。ここで、変数「c」が変数「High」を1/2
倍した値よりも小さい場合には、ステップST113に
おいて、補正量を表す変数「d」が「1」のままで、変
数「delta」の値に基づく演算、すなわち、ステッ
プST101で求めた補正前の脈拍数に対する「1」の
加算または減算を行う。すなわち、ステップST101
で求めた補正前の脈拍数に対して、「±1」の補正を行
う。
【0046】ステップST112において、変数「c」
が変数「High」を1/2倍した値よりも大きい場合
には、ステップST115において、補正量を表す変数
「d」に「2」をおいた後、ステップST113におい
て、変数「delta」の値に基づく演算、すなわち、
ステップST101で求めた補正前の脈拍数に対する
「2」の加算または減算を行う。すなわち、ステップS
T101で求めた補正前の脈拍数に対して、「±2」の
補正を行う。
【0047】このような処理のうち、対象スペクトルの
強度と隣接スペクトルの強度とを比較し、この比較結果
から対象スペクトルの周波数に対する補正の量(変数
「d」)を決定する処理が補正量算出部542で行う処
理に相当する。ここで、隣接スペクトルの強度が対象ス
ペクトルの強度の1/4以下であれば、補正を行わず、
隣接スペクトルの強度が対象スペクトルの強度の1/4
から1/2までの範囲にあれば、「±1」の補正を行
う。また、隣接スペクトルの強度が対象スペクトルの強
度の1/2を越える値であれば、「±2」の補正を行
う。
【0048】(実施例の主な効果)以上のように、本例
の携帯用脈波計測装置1では、脈波信号をできるだけ短
い時間で計測し、それを応答よく表示できるように、サ
ンプリング周波数を8Hz、サンプリング点数を128
点に設定して、データ取り込み時間を16秒間に設定
し、その分解能が低い分だけ、対象スペクトルの両サイ
ドに出現する2つの隣接スペクトルの強度を比較して増
減いずれかの方向に補正をすべきかを求めるとともに、
対象スペクトルの強度と隣接スペクトルの強度とを比較
して補正の量を求め、対象スペクトルからそのまま求め
た脈拍数に対して「±1」または「±2」の補正を行
う。従って、データ取り込み時間を延長しなくても、表
示する脈拍数の精度を1拍/分毎の値にまで高めること
ができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の計測デー
タの補正方法では、周波数分析後のスペクトラムにおい
て、特定した対象スペクトルからそのまま算出した状態
値に対して、2つの隣接スペクトルの強度の比較結果か
ら得られた増減いずれかの方向に、対象スペクトルの強
度と隣接スペクトルの強度との比較結果から得られた量
の補正を行うことに特徴を有する。従って、本発明によ
れば、対象スペクトルから求めた状態値を状態信号の原
波形に対応する状態値に向けて補正することができるの
で、データ取り込み時間を延長することなく、状態値の
精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る腕装着型脈波計測装置
の全体構成、及び使用状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す腕装着型脈波計測装置の装置本体の
平面図である。
【図3】図1に示す腕装着型脈波計測装置の装置本体を
腕時計の3時の方向からみたときの説明図である。
【図4】図1に示す腕装着型脈波計測装置に用いたセン
サユニットの断面図である。
【図5】図1に示す腕装着型脈波計測装置の制御部の機
能を示すブロック図である。
【図6】図1に示す腕装着型脈波計測装置の制御部にお
いて、脈波信号を周波数分析した後のスペクトラムを模
式的に示す説明図である。
【図7】(a)は、9.0Hzの信号の1秒間分の波形
を示す波形図、(b)は、この信号を周波数分析したと
きのスペクトラムである。
【図8】(a)は、9.3Hzの信号の1秒間分の波形
を示す波形図、(b)は、この信号を周波数分析したと
きのスペクトラムである。
【図9】(a)は、9.5Hzの信号の1秒間分の波形
を示す波形図、(b)は、この信号を周波数分析したと
きのスペクトラムである。
【図10】(a)は、9.8Hzの信号の1秒間分の波
形を示す波形図、(b)は、この信号を周波数分析した
ときのスペクトラムである。
【図11】(a)は、10.0Hzの信号の1秒間分の
波形を示す波形図、(b)は、この信号を周波数分析し
たときのスペクトラムである。
【図12】信号の周波数を9.0Hzから10Hzに変
化させたときの9Hzの位置に出現する線スペクトルの
強度、および10Hzの位置に出現する線スペクトルの
強度の変化を示すグラフである。
【図13】図5に示す腕装着型脈波計測装置の制御部の
うち、脈波データ処理部の脈拍数演算部で行う処理を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・腕装着型脈波計測装置(脈波計測装置) 5・・・制御部 10・・・装置本体 12・・・リストバンド 13・・・液晶表示装置(表示部) 20・・・ケーブル 30・・・センサユニット(脈波信号検出部) 31・・・LED 32・・・フォトトランジスタ 40・・・センサ固定用バンド(ユニット固定手段) 55・・・脈波データ処理部 52・・・周波数分析部 54・・・脈拍数演算部 541・・・補正方向算出部 542・・・補正量算出部 P1・・・線スペクトル(対象スペクトル) P2、P3・・・線スペクトル(隣接スペクトル)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサが検出した脈波や体動などを表す
    状態信号に周波数分析を行い、該周波数分析の分解能に
    対応する間隔で離散的に得られるスペクトル群から対象
    スペクトルを特定し、該対象スペクトルの周波数または
    周期に基づいて脈拍数やピッチなどの状態値を求めるに
    あたって、 前記対象スペクトルの両サイドに出現する2つの隣接ス
    ペクトルの強度を比較し、この比較結果に基づいて、前
    記対象スペクトルから求めた補正前の状態値に対して増
    減いずれかの方向に補正をすべきかを決定するととも
    に、 前記対象スペクトルの強度と前記隣接スペクトルの強度
    とを比較し、この比較結果に基づいて前記補正の量を求
    め、 しかる後に、前記補正前の状態値に対して所定の方向に
    所定の量の補正を行うことにより、前記補正前の状態値
    を前記状態信号の原波形に対応する状態値に向けて補正
    することを特徴とする計測データに対する補正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記補正量を求める
    にあたって、前記対象スペクトルの強度と、前記隣接ス
    ペクトルのうち強度の大きいスペクトルの強度とを比較
    し、これらのスペクトルの強度の相対的な差が、予め設
    定された複数の範囲のうちいずれの範囲にあるかに基づ
    いて補正すべき量を決定することを特徴とする計測デー
    タに対する補正方法。
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