JPH09109886A - 列車の輪軸の支持方法と、これを用いた鉄道車両、列車及び操舵台車 - Google Patents

列車の輪軸の支持方法と、これを用いた鉄道車両、列車及び操舵台車

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JPH09109886A
JPH09109886A JP21466696A JP21466696A JPH09109886A JP H09109886 A JPH09109886 A JP H09109886A JP 21466696 A JP21466696 A JP 21466696A JP 21466696 A JP21466696 A JP 21466696A JP H09109886 A JPH09109886 A JP H09109886A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 列車がカーブ走行をするときの最大横圧又は
平均横圧を低下する。 【解決手段】 車体の前部と後部とを、それぞれ2軸の
ボルスタレス方式の操舵台車で支持した鉄道車両におい
て、前部の台車の前側の輪軸及び後部の台車の後側の輪
軸に対する前後方向支持剛性を相対的に柔とし、前部の
台車の後側の輪軸及び後部の台車の前側の輪軸に対する
前後方向支持剛性を相対的に剛とし、車両全体に見たと
き、「柔,剛,剛,柔」となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、列車の輪軸の支持
方法及びこれを実施するための鉄道車両、列車及び操舵
台車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、列車のカーブ走行をスムーズ
にするため、ボギー台車の輪軸を円錐ゴム等の軸バネ装
置で支持した操舵台車が用いられている。ところで、輪
軸をラジアル方向に自己操舵させるには、軸箱を前後方
向に柔支持するのが望ましいが、蛇行動に対しては、前
後方向支持力を剛にすることが望ましい。
【0003】現在は、蛇行動に対する対策が重視され、
軸箱の前後方向支持剛性を、すべて剛支持とするのが一
般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近の鉄道
の高速化に伴い、カーブ走行時の横圧の低下が強く要望
されるようになり、各操舵台車の軸箱の支持剛性を前側
の輪軸を柔支持とし、後側の輪軸を剛支持とし、車両で
見たときに、第1軸=柔,第2軸=剛,第3軸=柔,第
4軸=剛となるように輪軸毎に支持剛性を変える手法が
提案されるようになった。
【0005】しかしながら、列車は、上り/下りの両方
向に運行されるので、上記の様に柔,剛,柔,剛とした
のでは、上り/下りのどちらかしか効果がない。上り/
下りのいずれの場合にも上記の効果を得るには、特開平
4−300773号公報に記載の様な、軸箱支持剛性を
変更することのできる制御装置が必要となり、車両コス
トを上昇させると共に、車両重量を増加させるという問
題がある。
【0006】また、上記の様な支持方法でも横圧の低下
には限界がある。そこで、本発明は、横圧の低下、車輪
とレールの摩耗低減を目的とし、併せて車両コストや列
車重量の増加を防止することをも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】本発明
の列車の輪軸の支持方法は、少なくとも曲線を通過する
際に、各車両の先頭及び後尾の輪軸に対する前後方向支
持剛性が、これらの輪軸間の他の輪軸に対する前後方向
支持剛性に比べて柔となるように、各輪軸を支持するこ
とを特徴とする。
【0008】従来は、前後2台の2軸操舵台車で車体を
支持された車両について見た場合に、車両の各軸に対す
る軸箱前後方向支持剛性をすべて剛支持(つまり「剛,
剛,剛,剛」)とするか、あるいは、各台車の前側の輪
軸にて横圧が高くなると考えられるため、車両の第1軸
と第3軸に対する軸箱前後方向支持剛性を柔(つまり
「柔,剛,柔,剛」)としていたのであるが、本発明
は、車両全体として「柔,剛,剛,柔」となるようにし
たものである。
【0009】この方法によれば、第1軸の最大横圧又は
平均横圧が、従来の支持方法に比べて低下する。即ち、
従来の「剛,剛,剛,剛」の支持方法に比べて極めて顕
著に低下し、「柔,剛,柔,剛」の支持方法に比べてさ
らに低下する。最大横圧は、この第1軸において発生す
るので、レールに対する最大負荷が低減されることにな
る。また、平均横圧は、通常、第1軸が他の軸よりも大
きな値となるため、レールに対する負荷量が低減される
ことになる。よって、本発明によれば、レールが損傷し
難くなり、メンテナンスコストを低減することができ
る。
【0010】なお、第1軸に対する最大横圧又は平均横
圧が低下する原因については定かではないが、図1に示
す様に、本発明方法の方が、「柔,剛,柔,剛」の支持
方法に比べて、剛支持間のスパンが短くなることから、
本発明の方が、第1軸周りのモーメントが小さくなるこ
とが影響しているとも考えられる。
【0011】特に、各車両を、ボルスタレス方式の操舵
台車で支持する場合には、後述の実施例の如く、第1軸
〜第4軸の平均横圧が全体として舟形を呈する関係にあ
り、第3軸自体は横圧が多少上昇したとしても、最大横
圧には影響を与えない。なお、このような支持方法は曲
線通過時にだけ発揮されればよいのであるが、常時前記
の如く支持することができる。直線通過時にはそもそも
自己操舵能力は関係ないからである。そして、前から見
ても後ろから見ても支持剛性は「柔,剛,剛,柔」とな
るのであるから、上り/下りのいずれについても本発明
方法を適用でき、全く問題がないのである。この場合、
支持剛性の可変機構などを要しないので装置的にも有利
となる。また、車両重量を増加させないので、高速化・
省エネ化にも有利である。
【0012】また本発明による鉄道車両は、ボルスタレ
ス方式の操舵台車で車体を支持した鉄道車両において、
車体の前端と後端の輪軸の前後方向の支持剛性を、これ
らの間の輪軸の支持剛性に比べて柔としたことを特徴と
する。通常は、2軸の操舵台車2台で車体を支持するの
で、車体の前部と後部とを、それぞれ2軸のボルスタレ
ス方式の操舵台車で支持した鉄道車両において、前部の
台車の前側の輪軸及び後部の台車の後側の輪軸に対する
前後方向支持剛性を相対的に柔とし、前部の台車の後側
の輪軸及び後部の台車の前側の輪軸に対する前後方向支
持剛性を相対的に剛とすればよいこととなる。これによ
り、車体は、「柔,剛,剛,柔」に支持されることとな
る。
【0013】しかし、3軸の台車等で支持する場合もあ
るので、その場合には、「柔,剛,…,剛,柔」となる
ようにするとよい。「…」の部分は、「剛」にしておい
てもよいし、そうでなくてもよいが、ボルスタレス方式
の操舵台車で車体を支持する場合には、前述の如く平均
横圧が舟形となることから、最大横圧低下の観点から
は、先頭軸と後尾軸とを「柔」とすることが重要であ
り、その間は蛇行動の観点から、「剛」としておくのが
望ましい。
【0014】特に、これらの鉄道車両は、前記操舵台車
が振子台車である場合に適している。振子台車は、振子
方式ではない台車に比べて、速度が高い分、横圧が増加
する傾向にあるから、第1軸の最大横圧を低下させる効
果が重要となるからである。もちろん、振子台車でなく
てもよい。
【0015】本発明の列車は、上記のような鉄道車両に
て編成する。これにより、本発明方法を実現することが
できる。また、本発明の操舵台車は、各輪軸を、台車枠
に対して回転できるように軸バネ装置を介在させて台車
枠と連結した2軸の操舵台車において、一方の輪軸の軸
バネ装置と台車枠との間に前後方向に変形し易い弾性支
持手段を介在させて柔に結合し、他方の軸の軸バネ装置
と台車枠とを剛に結合したことを特徴とする。即ち、各
輪軸の前後方向支持剛性を「柔」と「剛」に固定してお
くのである。この場合、車体前部を支持する操舵台車で
は前側の輪軸の前後方向支持剛性を「柔」とすることと
なり、車体後部を支持する操舵台車では後側の輪軸の前
後方向支持剛性を「柔」とすることとなる。
【0016】この操舵台車において、前記弾性支持手段
として、台金の間にゴムを挟む様に積層した積層ゴムを
用いることができる。この場合、特に、前記積層ゴム
は、上層の台金にて台車枠と固定され、下層の台金にて
軸バネ装置と固定され、これらの台金は、ゴムを上下と
左右から挟み付け、前後には挟みつけていないこととす
ると、左右方向にはゴムは圧縮メンバーとなり、剛の支
持となり、前後方向にのみ剪断メンバーとなって柔支持
を達成する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、
下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の
技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはい
うまでもない。第1実施例は、図2に示す様な6両編成
の列車についてのものである。列車は、2号車M1,4
号車M2及び6号車Mcが電動車であり、1号車Ts
c,3号車T1及び5号車T2が付随車である。各車両
は、各2台の操舵台車で支持されている。
【0018】操舵台車10は、図3に示す様に、いわゆ
るボルスタレス方式を採用し、空気バネ11にて直接車
体に連結されるものである。また、振子バリ13を採用
した振子方式の台車である。そして、各輪軸を支える軸
箱体15は、軸箱支持装置20を介して台車枠(側バ
リ)17と連結されており、自己操舵可能なものであ
る。
【0019】軸箱支持装置20は、図4に示す様に、円
錐ゴム30と操舵装置40とから構成される。円錐ゴム
30は、3つの金属筒31〜33の間にゴム34,35
を積層したものである。そして、最大径の金属筒31に
て軸箱体15と固定され、最小径の金属筒33にて操舵
装置40と固定される。
【0020】操舵装置40は、図示の様に、台車枠17
内に内蔵された空気シリンダ41と、これによって上下
動されるピストン42と、このピストン42を上下に挿
通可能としたピストン受43とを有する。ピストン42
は、戻しバネ44によって上方へ付勢されている。ま
た、この戻しバネ44を受けるための鍔45が設けられ
ている。この鍔45は、台車枠17に固定された近接ス
イッチ46による被検出体の役割も果たしている。ま
た、ピストン42は、下端が末広がりのテーパ形状に構
成され、ピストン受43の挿通孔47はこのテーパと嵌
合する様に末広がりのテーパ孔とされている。そして、
ピストン受43と台車枠17との間には軸バネゴム48
が挟まれている。
【0021】この軸箱支持装置20は、図示(A)の様
に、空気シリンダ41を排気することにより、ピストン
42を上昇させ、ピストン42とピストン受43とを嵌
合状態にすることができる。これによって、操舵装置4
0と円錐ゴム30とが剛に結合され、前後方向の支持剛
性を高めることができる。
【0022】また、図示(B)の様に、空気シリンダ4
1に吸気することにより、ピストン42を下降させ、ピ
ストン42とピストン受43との結合を解く。すると、
円錐ゴム30と操舵装置40とは、軸バネゴム48を介
して柔に結合された状態となる。前述の鍔45は、この
柔結合が達成された状態にあることを近接スイッチ46
を介して検出する役割を果たしている。
【0023】この様に、実施例の軸箱支持装置20によ
れば、軸箱の前後方向支持剛性を柔と剛とで切り換える
ことができるのである。なお、本実施例の操舵台車10
は、ボルスタレス方式の自己操舵機能を有する振子台車
としては基本的には従来品と同様であるので、図3に各
部の名称を図示するに留め、これ以上の詳しい説明は省
略する。また、図3は電動車用のものであるが、付随車
用の操舵台車も同様の構成をなす。
【0024】上記の様な構成を有する操舵台車10を用
いて、本実施例では、各車両の第1軸〜第4軸の前後方
向支持剛性を、「柔,剛,剛,柔」となるように空気シ
リンダ41の吸気・排気の条件を設定する。即ち、第1
軸及び第4軸を「排気」とし、第2軸及び第3軸を「給
気」とする。これにより、各車両は図5に模式的に示す
様な前後方向支持剛性の状態になる。
【0025】次に、この列車による先頭車両の第1軸の
最大横圧の低下状態について実験を行った結果について
説明する。なお、この実験においては、比較例として、
「剛,剛,剛,剛」としたものと、「柔,剛,柔,剛」
としたものについても同じ実験を行った。なお、具体的
には、「柔」=310kgf/mm/輪軸、「剛」=1
320kgf/mm/輪軸と、柔:剛=約1:4の関係
にあった。また、先頭車両の車両重量はいずれも36,
500kgである。
【0026】実験は、R=300mのカーブを、90k
m/hで走行させて行った。実験では、図6(A)に示
す様に、先頭車両Tscの第1軸〜第4軸の各車輪Wの
ホイール面WHに歪ゲージを取り付け、この歪ゲージの
検出値に基づいて横圧を計算するという手法をとった。
計測は、図示(B)に示す様に、カーブ区間への入口か
ら出口の区間内全域に渡って行った。各列車とも、R=
300mの区間内のほぼ同じ箇所にて最大横圧が計測さ
れた。これは、レールの継目などの特異点において最大
横圧が生じるからである。また、平均横圧は、計測区間
全域に渡っての平均値として算出した。
【0027】その結果を図7,図8に示す。図7は、最
大横圧を比較したグラフである。グラフから分かる様
に、本実施例の列車では、第1軸の最大横圧が34.7
kNであり、第3軸の最大横圧が33.2kNであっ
て、第1軸に車両としての最大横圧が生じることが分か
る。また、「剛,剛,剛,剛」の列車(以下、「比較例
1」という。)では、第1軸の最大横圧が42kNとな
り、「柔,剛,柔,剛」の列車(以下、「比較例2」と
いう。)では、第1軸の最大横圧が39.5kNとなっ
ていた。
【0028】なお、この最大横圧は、実施例について1
0回の走行試験、比較例1について8回の走行試験、比
較例2について7回の走行試験を行って得た各最大横圧
を平均したものである。なお、本実施例における最大横
圧の実測値は、25.7kN〜41.4kNの範囲内に
あり、比較例1では32kN〜47kN、比較例2では
34kN〜43kNの範囲内にあった。
【0029】また、上述した最大横圧は、2つの異なる
試験区間について実施したものを平均した結果である
が、それぞれの試験区間についてまとめると表1,2の
ようになる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】上記表1,2は、各先頭車両の第1軸の最
大横圧の計測値(単位:kN)である。表1,2から明
かな様に、各試験区間について、実施例が最も好成績で
あることが分かる。特に、本実施例及び各比較例につい
てデータ数がほぼ同じとなっている表1によれば、本実
施例は20%以上も最大横圧を低減できるということが
分かる。また、状況によっては、約30%程度も低減で
き、きわめて顕著な効果が確認できる。さらに、上記表
を見れば、本実施例の優秀さは単なる偶然ではなく、計
測誤差等によるものでないことも明かである。
【0033】この実験結果より、本実施例によれば、先
頭車両における最大横圧が、比較例1に比べて約7kN
低下し、比較例2と比べても約5kN低下している。こ
のことから、「柔,剛,剛,柔」の支持方法によれば、
最大横圧を大幅に低下し得ることが判明した。
【0034】また、第1軸〜第4軸のそれぞれの平均横
圧を比較したのが図8である。このグラフによれば、実
施例は、第1軸の平均横圧について一番低くなっている
ことが分かる。なお、第3軸は「剛」支持とした関係か
ら、比較例2よりも高くなっているが、第1軸の平均横
圧を越えるものではない。
【0035】加えて、第1軸〜第4軸の平均横圧の幅に
着目すると、実施例は3.5kN(10.9kN〜1
4.6kN)であり、比較例1は6.4kN(10.7
kN〜17.1kN)であり、比較例2は6.2kN
(8.6kN〜14.8kN)であった。このことか
ら、実施例は各輪軸における横圧が平均化されていると
いうことができる。従って、各輪軸が受ける荷重はほぼ
等しいこととなり、車輪の摩耗等に差が出難い。よっ
て、操舵台車の設計に当り、耐久性等に対する配慮が簡
単になり、耐久性を考慮した限界設計を容易に行えると
いう利点もある。
【0036】なお、この平均横圧は、実施例、比較例共
に各2回の走行試験を行って得た平均横圧を、さらに平
均したものである。また、本実施例及び各比較例につい
て直線部を130km/hで走行して見たが、いずれも
走行安定性には何等問題がなかった。なお、130km
/hは、当該試験を行った線区における営業最高速度で
ある。
【0037】この様に、本実施例によれば、実車試験に
おいて何等問題がないばかりか、第1軸の最大横圧を大
幅に低減できるということが分かった。次に、本実施例
と比較例2に関して、1両編成にて走行安定性のシミュ
レーションを行った結果について図9に示す。
【0038】このシミュレーションは、車速条件を種々
に変え、柔支持とした輪軸についてのヨーイング及び左
右振動が正の減衰率となる条件を探索したものであり、
比較例1については第1軸と第3軸を対象とし、本実施
例については第1軸と第4軸を対象とした。この結果、
比較例2では180km/hまで安定走行が可能であ
り、実施例についても173km/hまで安定走行が可
能であることが分かった。そうして見ると、いずれも、
在来線における営業最高速度をさらに170km/h程
度までアップしても安定走行が可能であり、さらなる高
速化にも十分に対応し得ることが分かった。
【0039】以上説明した様に、本実施例によれば、実
際の営業運転において何等問題がないばかりか、最大横
圧の低減効果が著しく、レールに対する負荷が大幅に低
減できるということが分かる。この結果、レールのメン
テナンスコストを低減することができる。
【0040】次に、第2実施例について説明する。第2
実施例は、上述の実施例とは異なり、各輪軸の前後方向
支持剛性を固定方式とするものである。このため、操舵
台車10の一方の輪軸における軸箱体15と台車枠17
との連結構造に、図10(A)に示す様な連結構造を採
用する。
【0041】即ち、円錐ゴム30と台車枠17とを図示
の様に、積層ゴム50にて連結するのである。ここで、
積層ゴム50は、台金51,52の間にゴム53を積層
したものであり、下部の台金51を円錐ゴム30の最小
径の金属筒33に固定し、上部の台金52を台車枠17
に固定する。ゴム53は、両台金により、上下と左右を
挟まれた格好となる。ただし、前後方向は挟まれていな
い。このため、ゴム53は、上下及び左右方向の荷重に
対しては圧縮メンバーとして作用し、前後方向の荷重に
対しては剪断メンバーとして作用する。この結果、前後
方向支持剛性のみを柔支持とすることができる。
【0042】なお、他方の輪軸については、図示(B)
の如く、円錐ゴム30と台車枠17とを直接固定するこ
とで前後方向支持剛性を剛に保つ。この様な操舵台車を
用いて、図5に示した様な「柔,剛,剛,柔」の車両支
持を行うのである。
【0043】支持剛性を固定とする訳であるが、「柔,
剛,剛,柔」の関係であるから、上り/下りのいずれの
方向についても切り換える必要がない。従って、第1実
施例に比べたとき、支持剛性の可変機構が不要となり、
装置の単純化が図れるという効果がある。また、台車の
重量を低減することができるので、車両重量の低減につ
ながり、高速化や省エネ化に対する効果が期待できる。
【0044】次に、第3実施例について説明する。図1
1は第3実施例に使用する列車の編成の概略説明図、図
12は操舵台車(非振子台車)の斜視図、図13は第3
実施例と第3比較例の平均横圧の計測結果の一例を表す
グラフである。本実施例は、操舵台車60として非振子
台車を用い、列車を3両に編成した点以外は、第2実施
例(各輪軸の前後方向支持剛性を固定方式とするもの)
と同様である。
【0045】本実施例の操舵台車60は、図12に示す
ように、いわゆるボルスタレス方式を採用し、空気バネ
61にて直接車体に連結され、車体と一体化された非振
子台車である。そして、各輪軸を支える軸箱体65は、
軸箱支持装置70を介して台車枠(側バリ)67と連結
されており、自己操舵可能なものである。
【0046】尚、軸箱支持装置70を構成する円錐ゴム
80、積層ゴム90は、第2実施例の円錐ゴム30、積
層ゴム50と同様の構成のため詳しい説明は省略する。
また、本実施例の操舵台車60は、ボルスタレス方式の
自己操舵機能を有する非振子台車としては基本的には従
来品と同様であるので、図12に各部の名称を図示する
に留め、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0047】上記のような構成を有する操舵台車60を
用いて、本実施例では、図11に示すように、先頭車両
Tc’の第1軸〜第4軸の前後方向支持剛性を、「柔、
剛、剛、柔」となるようにし、また、2両目の車両T及
び3両目の車両Mcの各軸の支持剛性をすべて剛とし
た。
【0048】次に、この列車による先頭車両Tc’の第
1軸及び第4軸の平均横圧について実験を行った結果に
ついて説明する。なお、この実験においては第3比較例
として、先頭車両Tc’の各軸をすべて剛としてものに
ついても同じ実験を行った。実験は、R=200〜80
0mのカーブを、基本速度(各カーブのR値に応じて決
まる速度、例えばR300では基本速度は65km/
h)又は基本速度+10〜15km/hで走行させて行
った。実験では、第1実施例と同様にして、第1軸の横
圧を計算した。平均横圧は、計測区間全域に渡っての平
均値として算出した。また、同一半径の曲線につき複数
箇所で実験を行った場合にはその複数箇所の平均値を更
に平均した。その結果の一例を図13に示す。図13の
グラフは、身延線におけるR250mの曲線での計測結
果を表し、△印は第3比較例(4回計測)、○印は第3
実施例(3回計測)を表す。上記の実験結果を下記の表
3にまとめた。
【0049】
【表3】
【0050】この表3から、第3実施例の列車では、R
200〜800mのカーブを走行する際、第1軸の平均
横圧は第3比較例と比して基本速度前後において20〜
55%低減し、基本速度+10〜15km/hにおいて
35〜55%低減したことがわかる。なお、この実験に
おいて第4軸の平均横圧を求めたところ、第3実施例と
第3比較例とで差がなく、いずれも第3比較例の第1軸
の平均横圧以下であった。
【0051】また、曲線を通過する際の最大横圧値を調
べたところ、第3実施例は操舵なしの第3比較例と同等
の最大横圧値であり、走行安全上の問題はなかった。
尚、非振子台車の方が、振子台車に比して、速度が低い
分、1〜4軸を「剛剛剛剛」とした場合に最大横圧値は
低かった。
【0052】更に、走行安定性試験として、速度128
km/hにおける左右振動の波形を調べたところ、第3
実施例は操舵なしの第3比較例と同等の走行安定性を有
していた。このように第3実施例によれば、実車試験に
おいて何等問題がないばかりか、第1軸の平均横圧を大
幅に低減できるということがわかった。尚、第3実施例
では車両T,Mcの支持剛性をすべて剛支持としたが、
これらの支持剛性も車両Tc’と同様に「柔、剛、剛、
柔」としてもよく、この場合には上記効果が顕著に得ら
れると予測される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の説明図である。
【図2】 実施例で使用する列車の編成を示す正面図で
ある。
【図3】 実施例で使用する操舵台車の分解斜視図であ
る。
【図4】 実施例で使用する操舵台車の要部の断面図で
ある。
【図5】 実施例の鉄道車両の軸箱支持剛性の関係を示
す模式図である。
【図6】 実施例における計測方法の説明図である。
【図7】 実施例及び比較例の最大横圧の計測結果のグ
ラフである。
【図8】 実施例及び比較例の平均横圧の計測結果のグ
ラフである。
【図9】 実施例及び比較例の走行安定性のシミュレー
ション結果のグラフである。
【図10】 第2実施例での軸箱支持構造を示す断面図
である。
【図11】 第3実施例に使用する列車の編成の概略説
明図である。
【図12】 第3実施例の操舵台車(非振子台車)の斜
視図である。
【図13】 第3実施例と第3比較例の平均横圧の計測
結果の一例を表すグラフである。
【符号の説明】
10・・・操舵台車、11・・・空気バネ、13・・・
振子バリ、15・・・軸箱体、17・・・台車枠、20
・・・軸箱支持装置、30・・・円錐ゴム、31〜33
・・・金属筒、34,35・・・ゴム、40・・・操舵
装置、41・・・空気シリンダ、42・・・ピストン、
43・・・ピストン受、44・・・戻しバネ、45・・
・鍔、46・・・近接スイッチ、47・・・挿通孔、4
8・・・軸バネゴム、50・・・積層ゴム、51,52
・・・台金、53・・・ゴム、M1,M2,Mc・・・
電動車、T1,T2,Tsc・・・付随車。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 幸一 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 目時 哲郎 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも曲線を通過する際に、各車両
    の先頭及び後尾の輪軸に対する前後方向支持剛性が、こ
    れらの輪軸間の他の輪軸に対する前後方向支持剛性に比
    べて柔となるように、各輪軸を支持することを特徴とす
    る列車の輪軸の支持方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の列車の輪軸の支持方法に
    おいて、各車両を、ボルスタレス方式の操舵台車で支持
    することを特徴とする列車の輪軸の支持方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の列車の輪軸の支持
    方法において、常時前記の如く支持することを特徴とす
    る列車の輪軸の支持方法。
  4. 【請求項4】 ボルスタレス方式の操舵台車で車体を支
    持した鉄道車両において、車体の前端と後端の輪軸の前
    後方向の支持剛性を、これらの間の輪軸の支持剛性に比
    べて柔としたことを特徴とする鉄道車両。
  5. 【請求項5】 車体の前部と後部とを、それぞれ2軸の
    ボルスタレス方式の操舵台車で支持した鉄道車両におい
    て、 前部の台車の前側の輪軸及び後部の台車の後側の輪軸に
    対する前後方向支持剛性を相対的に柔とし、前部の台車
    の後側の輪軸及び後部の台車の前側の輪軸に対する前後
    方向支持剛性を相対的に剛としたことを特徴とする鉄道
    車両。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の鉄道車両におい
    て、前記操舵台車が振子台車であることを特徴とする鉄
    道車両。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか記載の鉄道車両
    にて編成した列車。
  8. 【請求項8】 各輪軸を、台車枠に対して回転できるよ
    うに軸バネ装置を介在させて台車枠と連結した2軸の操
    舵台車において、一方の輪軸の軸バネ装置と台車枠との
    間に前後方向に変形し易い弾性支持手段を介在させて柔
    に結合し、他方の軸の軸バネ装置と台車枠とを剛に結合
    したことを特徴とする操舵台車。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の操舵台車において、前記
    弾性支持手段として、台金の間にゴムを挟む様に積層し
    た積層ゴムを用いることを特徴とする操舵台車。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の操舵台車において、前
    記積層ゴムは、上層の台金にて台車枠と固定され、下層
    の台金にて軸バネ装置と固定され、これらの台金は、ゴ
    ムを上下と左右から挟み付け、前後には挟みつけていな
    いことを特徴とする操舵台車。
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