JPH09110697A - 局所的使用のための安定したメサラジン水性懸濁液 - Google Patents

局所的使用のための安定したメサラジン水性懸濁液

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JPH09110697A
JPH09110697A JP8250402A JP25040296A JPH09110697A JP H09110697 A JPH09110697 A JP H09110697A JP 8250402 A JP8250402 A JP 8250402A JP 25040296 A JP25040296 A JP 25040296A JP H09110697 A JPH09110697 A JP H09110697A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来公知のメサラジン水性懸濁液よりも安定
している水性懸濁液の形のメサラジン組成物を提供す
る。 【解決手段】 メサラジンと、金属イオン封鎖剤や制菌
剤や酸化防止剤や追加の緩衝剤もしくは無機酸のような
通常の賦形剤とを含む水性チキソトロピー懸濁液の形態
の薬剤組成物であって、前記組成物が、1.2%w/v
から1.6%w/vのコロイドセルロースと、コロイド
セルロースに対する重量比率(パーセンテージ)が4%
から20%である(即ち、前記溶液の全体積を基準とし
て0.048重量%から0.32重量%である)量の1
つ以上の親水性増粘剤とを含み、且つ、そのpHが4.
5から5.1であることを特徴とする薬剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来技術によるメ
サラジン水性懸濁液よりも安定していることを特徴とす
る、水性懸濁液の形の新規のメサラジン組成物に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】メサラジン(D.C.I)、別名メサラ
ミン(USAN)は、5−アミノサリチル酸(即ち、5
−ASA)に対して国際的に使用されている名称であ
る。
【0003】上記化合物は、クローン病治療用の薬剤組
成物の有効成分である。
【0004】有効成分がその放出直後から腸粘膜に対し
て直接作用することが可能であるという理由から、より
迅速な治療効果を生じさせるために注腸剤の形で上記薬
剤組成物を直腸投与することが一般的である(A.B.
R.Thompson“New developmen
t in the use of 5−aminosa
licylic acid in patients
with inflammation bowel d
isease”Aliment.Pharmacol.
Therap.1991; 449−470)。
【0005】メサラジンは生理的pH又は弱酸性pHで
は水に殆んど溶解しないので、メサラジンを含む注腸剤
は水性懸濁液の形態である。従って、解決すべき主たる
課題は、上記組成物に特有の安定性の欠如である。
【0006】当該技術分野の文献に開示されている及び
/又は現在市販されている水性懸濁液の形のメサラジン
の薬剤は、下記に示すように上記組成物の安定性を十分
解決し得ない、当業界で公知の方法によって調製されて
いる。
【0007】上記薬剤は、増粘剤、場合によっては界面
活性剤、酸化防止剤(ナトリウム又はカリウムイオンを
陽イオンとして含むことが一般的であるメタ亜硫酸水素
塩)、及び、制菌剤、金属イオン封鎖剤(EDTA)を
含む。一般的に使用される他の賦形剤は無機塩又は酢酸
塩緩衝剤であり、この場合、その塩の陽イオンはナトリ
ウム又はカリウムである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題と課題を解決するための
手段】本発明による局所的使用のためのメサラジン懸濁
液は、従来技術によるメサラジン懸濁液よりも長期に亙
って均一(均質)な状態を維持するので、上記の安定性
の問題に対する有利な解決策を与える。従来のメサラジ
ン注腸剤の添付文書では特に患者自身が局所的使用の直
前に組成物をその場で均一化することが推奨されている
が、本発明によるメサラジン注腸剤が従来のものよりも
長期に亙って均一性を維持することは、こうして患者自
身が自ら局所的使用の直前に組成物を均一化する手間を
省くことができるという利点をもたらす。
【0009】本発明によって、上記の安定性の問題は、
選択した量のコロイドセルロースと選択した量の親水性
増粘剤とを使用して水性懸濁液の形にメサラジンを調合
することによって解決される。
【0010】上記賦形剤のために、この新たな液体組成
物はチキソトロピー的挙動を示す。従って、貯蔵を開始
してから一定の時間が経過した後に上記コロイド溶液に
対して低速度の剪断を加えることによって、こうした溶
液が数千mPa.sのオーダーの絶対粘度を示すことを
確認している。これに対して、上記コロイド溶液を撹拌
して中速度又は高速度の剪断を行う場合(例えば、組成
物を加圧容器又はプラスチック製スクィーズボトルから
投薬する時に、こうした中速度又は高速度の剪断が生じ
る)には、上記懸濁液が、数mPa.sの粘度を有する
非常に流動性が高い液体となる。
【0011】上記液体の高い流動性は、こうした液体が
大腸の内側に対して非常に良好な展着特性を持たなけれ
ばならず、実際に適切な展着特性を示すために、メサラ
ジン注腸剤にとって重要な特徴であると考えられる
(I.R.Wilding他,“Colonic sp
reading of a non−chlorofl
uorocarbon mesalazine rec
tal foam enema in patient
s with quiescent ulcerati
ve colitis”,Aliment.Pharm
acol.Ther.1995.9,161−166
と、R.A.Vitti他,“Quantitativ
e distribution of radiola
beled 5−aminosalicylic ac
id enemas in patients wit
h left−sided ulcerative c
olitis”,Digestive Disease
s and Sciences,vol.34,11,
1792−1797,1989と、M.Campier
i他,“Spread and distributi
on of 5−ASAcolonic foam a
nd 5−ASA enema in patient
s with ulcerative coliti
s”,Digestive Diseases and
Sciences 37 12 1890−1897
1992と、 M.M.C.van Buul “r
etrograde spread of thera
peutic enemas inpatients
with inflammatory bowel d
isease”,Hepato−Gastroente
rol,36(1989)199−201を参照された
い)。
【0012】本発明に到達するために、本出願人は、下
記の表Iに示す従来技術の組成物について物理的測定と
化学的分析を更に行うことによって、綿密な分析作業を
行った。この作業から、メサラジンの安定した水性懸濁
液を調製することが当業界では望ましいという結論を得
た。
【0013】表Iを詳細に見ると、組成物Aは特許出願
WO 92/12758(pp.18)から公知の組成
物である。この組成物の調製と、その後での加圧容器内
への充填とが、その実施例1に説明されている。
【0014】組成物Bと組成物Cは、イタリアで現在市
販されている薬剤である。
【0015】表IIには、次の物理的測定と化学的分析
とを行うことによって得た分析結果を示す。
【0016】A. 容器を開けてビーカー内に組成物を
回収することによって得たメサラジン懸濁液の体積又は
その対応する重量。組成物Aと組成物Cに関しては、容
器を空にする前と空にした後に容器の重量を測定するこ
とによって上記物理的測定を行った。組成物Bに関して
は、得た重量をその対応する体積に換算するために、懸
濁液の密度を測定した。
【0017】B. 組成物Aと組成物Bと組成物Cの各
々の活性成分含量のHPLC分析を、後で詳細に説明す
るように行った。この分析によって得た結果を表IIの
1)に示す。
【0018】C. 次の手順に従って容器から取り出し
た後に得た懸濁液の重量又は体積。
【0019】−組成物Aの場合には、容器頂部のバルブ
を押すことによって; −組成物Bと組成物Cの場合には、プラスチック製ボト
ルから絞り出すことによって。
【0020】組成物Bの体積を、かさ密度の分析の後に
測定した。
【0021】D. 容器から取り出した懸濁液中に含ま
れるメサラジンの量。この結果を表IIの2)に示す。
【0022】E. 容器内に残った組成物の残留体積
と、その中に含まれる活性成分の量(表IIの3)を参
照されたい)。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表IIのデータは、3つの異なるサンプル
の各々に対して同じ3種類の分析を繰り返すことによっ
て得た9つの測定値の平均を表す。
【0026】これらの測定の前に、懸濁液を入念に振と
うした。活性成分の分析を、25℃の恒温に維持し且つ
流量1mL/分で平衡化した、Whattmann(登
録商標)Partisil(登録商標)100 SCX
長さ25のカラムを使用した液体クロマトグラフ上での
HPLCによって行った。UV検出器を波長300nm
に設定した。1.9Lの2度蒸留したH2 O中に8.3
8gのNaH2 PO4を溶解し、その後で、透明な溶液
を得た時に、80mLのアセトニトリルを加えることに
よって、移動相(本明細書では溶媒溶液又は溶媒とも呼
ぶ)を調製した。濃リン酸を使用してpHを2.0±
0.1の値に調整した。その溶液を2度蒸留した水で体
積2Lにし、その後で脱気した。
【0027】既知の滴定値を有するメサラジン約46m
gを50mLメスフラスコ内で直接重量測定し、その後
で上記溶媒で所定の体積まで希釈することによって、メ
サラジンの標準溶液を調製した。
【0028】こうして得た懸濁液を、透明な液体を得る
まで音波処理した。上記溶媒と同じ溶媒で1mLを50
mLメスフラスコ内で所定の体積まで希釈した。サンプ
ル濃度は0.0184mg/mLであった。
【0029】組成物Aと組成物Cとに含まれるメサラジ
ンを分析するために、各々の組成物約700mg(活性
成分46mgを含む)を50mLメスフラスコ中で重量
測定し、移動相で所定の体積に希釈した。音波処理と撹
拌を交互に行うことによって、上記組成物を完全に溶解
した。この溶液1mLをピペットで取り出し、50mL
メスフラスコ中で上記溶媒で所定の体積に希釈した。
【0030】上記試料におけるメサラジン理論濃度は、
上記標準溶液の濃度とほぼ同一だった。その後で、標準
溶液と、上記の通りに希釈した上記注腸剤試料を、この
順番に液体クロマトグラフィーカラム中に注入した。組
成物Bに関しては、分析手順は幾らか異なっていた。予
めサンプルの密度を25mLピクノメーターで測定し
た。試料Aと試料Cとに関して、上記の通りに第1の希
釈ステップを行った。第2の希釈は、50mLメスフラ
スコ中ではなく30mLメスフラスコ中で行った。
【0031】表IIに示すデータは、従来技術のメサラ
ジン水性懸濁液が、1年から2年の範囲内の期間内に、
多量の活性成分を含む固体残渣の沈殿を伴って不安定に
なることを明らかに示している。更に、この表IIか
ら、この固体残渣の沈殿の後に、上清液中の活性成分の
濃度が、添付ラベルに記載されている濃度(表Iを参照
されたい)とは異なったものになったということも明ら
かである。
【0032】“Remington:The Scie
nce and Practiceof Pharma
cy−Nineteenth Edition”,vo
l.II,pp.1515−1516に示されている薬
剤用水性懸濁液の調製に関する従来技術の開示内容に関
しては、上記組成物の最も重要な賦形剤は増粘剤と界面
活性剤であり、界面活性剤は湿潤固体粒子に作用すると
いうことが記述されている。
【0033】上記刊行物には次の処方も示されており、
これらの処方は、水性懸濁液を即座にその場で調製する
ために使用可能である。
【0034】A. カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム2.5%、トラガカントガム1.25%、グアーガ
ム0.5%。
【0035】B. ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(増粘剤)で安定化させたAvicel(登録商標)
RC 591(コロイドセルロース、即ち、微晶質セル
ロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの共
沈物)、即ち、錠剤から調製したプロパノロール分散液
と塩酸オルフェナドリン分散液のための懸濁ビヒクルと
して使用される。
【0036】C. 0.3%以上の濃度のCarbop
ol(登録商標)934。スルファメタジン10%を水
中に懸濁させるためのビヒクルとして使用される。
【0037】上記の従来技術は、「即座にその場で調製
する懸濁液」とその中で定義されている懸濁液を調製す
るための情報を提供するが、これは、こうした懸濁液が
長期の貯蔵寿命を持たないということを意味する。
【0038】特に、増粘剤又はその混合物を使用して作
る懸濁液の調製に対応した上記A、Cの処方に関して
は、本出願人は、下記で説明する実験において、上記賦
形剤だけではメサラジン懸濁液を安定化させられないと
いうことを実証している。
【0039】更に、中性pHでは水に僅かしか溶解でき
ず且つこの点でメサラジンと同様の性質を有するスルフ
ァメタジンと共に増粘剤を含む組成物Cの場合には、安
定したメサラジン液体組成物を調製するための有用な情
報を得ることは不可能である。
【0040】上記組成物中に界面活性剤を含むことに関
しては、本出願人は、下記において、この賦形剤がメサ
ラジン懸濁液の安定性に対して何ら影響を与えないとい
うことを実証している。
【0041】上記Bに示した処方は本発明の組成物の賦
形剤と同じ賦形剤を開示するということが明白である。
【0042】上記問題に関し、次の事項が、上記の後者
の開示内容から見て本出願の新規性と進歩性とに関する
判断において重要であると考えられる。
【0043】− メサラジンとは違って、プロパノロー
ルと塩酸オルフェナドリンは両方とも水溶性である(I
ndex Merck 10a Edition,p
p.7743,7740,6749,6752を参照さ
れたい)。言い換えれば、上記処方によって懸濁させら
れるものは、錠剤組成物の賦形剤であって、その活性成
分ではない。上記賦形剤を、一般的な非水溶性又は僅か
に水溶性の錠剤賦形剤、即ち、カオリンやデンプン等の
ような希釈剤、ステアリン酸マグネシウム又はステアリ
ン酸カルシウムのような潤滑剤に特定することが十分可
能だろう。
【0044】− 上記従来技術の文献に示されている情
報は、特定量のコロイドセルロースとヒドロキシプロピ
ルセルロースを開示していない。従って、本発明の組成
物中の上記成分の変化量の範囲を上記従来技術の文献に
基づいて推定することは全く不可能だった。更に、後述
するように、こうした変化量の範囲が、懸濁液の安定性
とチキソトロピー効果(特に、上記で概説した高速度の
剪断を受ける場合の著しい粘度の低下)の両方を確実な
ものとするために決定的に重要であり、このチキソトロ
ピー効果については下記において定量的に明らかにす
る。
【0045】EP−A 0398207は、活性成分と
そのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩と、酸化防
止剤と、金属錯化剤とを含む5−ASA溶液を開示す
る。EP−A 0468555は、直腸投与時に泡を生
じさせることが可能な流体ビヒクルの形の組成物を開示
している。この懸濁液は、少なくとも1つの界面活性剤
と、発泡推進剤と、活性成分用の懸濁剤又は安定化剤
と、泡増粘剤とを含む。
【0046】USA 4,657,900は、プラスチ
ック袋内に気密的に封入された、概ね無酸素の雰囲気内
の単位用量ポリエチレンボトル中に収容した、亜硫酸水
素塩0.25%を含む5−ASA水性懸濁液を開示して
いる。この開示された組成物は、約0.1%から0.2
5%の濃度の天然ガム又は合成ガムも含み、更に、5−
ASAの固化を防ぐための凝集剤(例えば、水中ゲル化
性架橋ポリアクリル酸)を約0.05%から0.15%
の濃度で含む。
【0047】USA 4,664,256は、5−AS
Aと酸化防止剤とキレート化剤と緩衝剤とから成る、パ
ッケージングした注腸剤溶液又は懸濁液を開示してい
る。この組成物を不活性気体下でプラスチック製ボトル
の中に収容し、更に、実質的にプラスチック/アルミニ
ウムラミネートでできた、拡散が生じない非光透過性の
袋の中に封入する。
【0048】WO 91/01129は、使用直前に水
を加えることによって再構成することが可能な直腸投与
用の固体組成物を開示している。この固体組成物は、様
々な活性成分(例えばメサラジン)、消泡添加剤、増粘
剤(こうした増粘剤の中で、本明細書で取り上げるに値
するものはセルロース誘導体である)、他の賦形剤(例
えば、湿潤剤)、溶液の等張性と浸透圧モル濃度を調整
するための化合物、希釈剤、及び、低揮発性液体(例え
ば、グリセリン、ポリプロピレングリコール等)を含む
ことが可能である。上記文献の実施例3は、5−AS
A、ラウリル硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、及び、多分散シリカゲルを含む固体組成
物を開示している。その実施例4は、5−ASA、ビニ
ルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、及
び、消泡剤を含む固体組成物を開示している。
【0049】上記の従来技術の文献は何れも、メサラジ
ン懸濁液を安定させて均一なコロイド系を得ることを可
能にする、増粘剤とコロイドセルロースとの組合せを開
示していない。
【0050】この問題に関連して考察に値することは、
USA 4,657,900が、上記組合せの代わり
に、凝集剤(即ち、懸濁液の凝集を生じさせる物質)と
組み合わせた増粘剤(天然又は合成ガム)を開示してい
ることである(“Remington’s Pharm
aceutical Sciences−fiftee
nth edition”,pp.325を参照された
い)。言い換えれば、上記の従来技術の文献の開示内容
は、本発明とは反対の方向に向けられている。
【0051】再びWO 91/01129について述べ
ると、開始固体組成物を懸濁させるために実質的に任意
に水の添加を行うというこの文献に開示されている特徴
は、本発明に関連する従来技術としてのこの文献の妥当
性を無効且つ無意味なものにする。
【0052】本発明の組成物に到達するために、本出願
人は、表Iの組成物Aを部分変更することによって得た
組成物に対して安定性試験を行ったが、この試験のため
に組成物Aを選択したのは、この組成物Aが上記で取り
上げた組成物の中で調製が最も容易であると評価したか
らである。
【0053】この時に行った部分変更は、上記“Rem
ington:The Science and Pr
actice of Pharmacy,19th e
dition”の記載内容と概ね同じだった。
【0054】得られた結論は次の通りである。
【0055】− 実施例2に詳細に示すように、増粘剤
だけを使用する場合には安定したメサラジン水性懸濁液
を調製することが不可能である。実際に、ヒドロキシエ
チルセルロースの量を当初の組成物Aに含まれるヒドロ
キシエチルセルロースの量の約2倍(即ち、2.2%w
/w)にした時にさえ、こうして得た懸濁液が数千mP
a.sのオーダーの絶対粘度値を有する濃厚なゲルの形
態であったにもかかわらず、その懸濁液は依然として不
安定なままであった。1カ月に亙って暗所に置いた密閉
ガラス容器中で室温でコンディショニングした後に、沈
殿物が分離したことを観察した。
【0056】この安定性の欠如を、上清ゲル中の活性成
分を分析することによって更に確認した。この分析によ
って、活性成分の滴定値が、調製直後の組成物で測定し
た場合の滴定値に比較して92.9%に低下したことが
判明した。
【0057】− 実施例3で詳細に説明するように、界
面活性剤を組成物Aに添加することも、メサラジン懸濁
液の安定性を大きく改善するようには見えなかった。こ
の実施例では、組成物A中のヒドロキシエチルセルロー
スの量を2.0%までに増やし、0.25%w/wのT
ween(登録商標)20を加えることによって得た注
腸剤懸濁液の調製を説明している。
【0058】この場合に、懸濁液アリコートを4000
rpmで15分間遠心し、その後で試験管の底を調べる
ことによって、懸濁液に安定性を定性的に分析した。こ
うして沈殿物の存在を発見した。上清中の活性成分の滴
定値が、調製に使用したメサラジンの量に基づいて計算
した理論値の73.35%であることが判明した。
【0059】本出願人の知見によって、即ち、1.2%
から1.6%(組成物全体のw/v)の範囲内のコロイ
ドセルロースと、コロイドセルロースに対して0.04
から0.2の範囲内の重量比率(w/w)の量(即ち、
4%から20%の量)の1つ以上の親水性増粘剤と共
に、メサラジンの水性懸濁液を調製することによって、
従来技術によるメサラジン水性懸濁液に比較して向上し
た安定性を有するメサラジン水性懸濁液を得るという問
題が解決された。
【0060】コロイドセルロース量の範囲の上限と下限
に基づいて計算した増粘剤の重量を組成物の全体積で割
り算し、適切なパーセンテージを決定する場合には、上
記増粘剤の量の範囲は、0.048%から0.32%
(w/v)に相当する。
【0061】
【発明の実施の形態】水中分散性セルロースと定義され
ることもあるコロイドセルロースは、セルロースと、
8.3−18.8%(w/w)のカルボキシメチルセル
ロースとの混合物である(Handbook of P
harmaceutical Excipients
Second Edition,1994,pp.86
を参照されたい)。適切な例は、Avicel RC
591(登録商標)、Avicel RC 581(登
録商標)、及び、Avicel CL−61(登録商
標)である。
【0062】本発明の目的のために有効な増粘剤は、カ
ルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセル
ロース、カラゲーニンから成るグループから選択される
親水性ポリマーである。
【0063】本発明による懸濁液は更に、一般的な賦形
剤(例えば、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、制菌剤、
緩衝剤、無機塩)も含む。pHは4.5から5.1の範
囲内である。
【0064】コロイドセルロースの量の変化範囲と増粘
剤の量の変化範囲は、下記の実験と分析測定とから得た
結果から決定した。
【0065】実施例4に詳細に示す第1組の試験では、
様々な濃度でコロイドセルロースと親水性増粘剤とを含
む99種の水性懸濁液を各々1リットルずつ調製した。
これらの懸濁液を調製するために、最初に、各々に1
%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5
%、1.6%、1.8%、及び、2.0%の適切なパー
センテージw/v(1リットル中の最終濃度)でコロイ
ドセルロースを含む9種の懸濁液を調製した。これら9
種の懸濁液の各々から、コロイドセルロースを基準とし
て適切な重量%(即ち、2重量%、4重量%、6重量
%、8重量%、10重量%、12重量%、14重量%、
16重量%、18重量%、20重量%、25重量%)の
増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース)を含む更に別の
11種の組成物を調製した。メサラジンと他の賦形剤を
同じ実施例4で説明する通りに加えた。
【0066】99種の最終懸濁液を各々500mLずつ
蓋付きガラス容器(内側寸法;直径46mm、高さ56
mm)に移し、一方、各々の残りの500mLアリコー
トを、内径1.2mmで長さ38mmの注射針を備えた
20mL注射器(Steringa(登録商標) Ar
tsana,Casnate−Como)内に充填し
た。注射器の平らな底部と一体構造をなす注射針ホルダ
ーは、2.4mmの内径を有していた。
【0067】注射器とガラス容器の両方を、3℃、外界
温度、30℃、及び、40℃の温度で、1カ月に亙って
暗所内でコンディショニングした。
【0068】このコンディショニング期間の終了時点で
ガラス容器の内容物を検査した結果、1.2%w/v未
満のコロイドセルロースを含む組成物を入れたガラス容
器の底に、沈殿物が存在することが判明した。30℃と
40℃の温度でコンディショニングした懸濁液では、こ
うした沈殿物の量は多かった。
【0069】この現象が増粘剤の添加量とは無関係であ
ることも確認した。
【0070】更に、コロイドセルロースに対する増粘剤
の重量比率が4%未満である場合には、セルロース量が
1.2%w/vより多くても、それだけでは望ましい安
定性を得るには不十分であると判断した。セルロース量
が1.2%w/vである場合には、この賦形剤に対する
増粘剤の重量比率は、溶液の全体積を基準として0.0
48%w/vのパーセンテージに相当した。
【0071】更に、コロイドセルロースの濃度が1.6
%w/vより高い場合には、懸濁液は高い粘度を維持
し、その組成物は、手作業で注射器から押し出した後に
ゲル状の稠度を呈し、本発明の注腸剤のチキソトロピー
挙動を示さないことを観察した。
【0072】セルロースに対する増粘剤の重量比率を2
0%w/wより大きい値に増大させることによって、即
ち、コロイドセルロースの量が1.6%w/wである場
合に懸濁液全体を基準として計算した0.32%w/v
より大きい値に増大させることによって、注射器から押
し出した液体が、非常に高い値の粘度を急速に回復した
ことも判明した。
【0073】メサラジン注腸剤が一般的に低粘度の液体
であるという観点から見て、更には、本発明の組成物が
従来技術のメサラジン懸濁液と実質的に同一の性質を有
することを実証する実施例7で報告する臨床薬理学的検
査結果を考慮した場合に、このことは不適切であると考
えられた。本発明の組成物が従来技術のメサラジン懸濁
液と実質的に同一の性質を有するということは、本発明
の注腸剤が相当に長期間に亙ってさえ低粘度を維持する
可能性が極めて高いことを示唆した。従って、新たなメ
サラジンのチキソトロピー組成物がコロイドセルロース
と増粘剤とを上記範囲内の量で含むことが重要であると
結論付けた。
【0074】実施例4の組成物に対して本出願人が行っ
た実験に関して再び言及すると、ここで指摘しておくべ
きことは、1.2%から1.6%の間のコロイドセルロ
ースと(セルロースに対する重量比率%として)4%か
ら20%の間の増粘剤とを含むロットから採取した数個
の注射器は、注射針を取り除いた後に、約970mgか
ら1100mgの間の重さをプランジャーに加えること
によって注射器が4秒以下で空になったということであ
る。
【0075】上記懸濁液に対して行った絶対粘度測定に
よって、上記定性試験に合格する組成物が、温度20
℃、剪断速度37.6sec-1で測定した時に7mP
a.s以下の絶対粘度を有することが明らかになった。
使用した粘度計は、No.1測定回転子(寸法φ11×
8mm)を備えた回転粘度計Contraves Lo
wShear 30であった。この装置を、剪断応力
τPa 1% 0.01305に相当するレンジ3にセ
ットした。上記絶対粘度測定に使用した組成物の体積は
約700μLだった。
【0076】指摘しておくべきことは、同一条件下での
組成物Bと組成物Cの絶対粘度が上記限界の極めて近く
であったということである(表Iを参照されたい)。
【0077】本発明の組成物に対して行った更に別の調
査に関して言及すると、第2の組の実験では、注射器試
験で最善の挙動を示す懸濁液の組成がどれであるかを更
に詳細に調べた。
【0078】実施例4に示す処方と同じ処方に従って、
最初に、各々に1.2%w/v、1.3%w/v、1.
4%w/v、1.5%w/v、及び、1.6%w/vの
濃度のコロイドセルロースを含む5種の懸濁液を調製し
た。これらの懸濁液の各々から、上記の選択範囲の下半
分の量のヒドロキシエチルセルロースを含む、即ち、コ
ロイドセルロースに対する重量%として各々に4重量
%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量
%、10重量%のヒドロキシエチルセルロースを含む7
種の組成物を調製した。こうして全体で35種のサンプ
ルを調製した。
【0079】得られた結果から、非常に適切なチキソト
ロピー挙動と流動特性とを有する組成物は、1.4w/
vのコロイドセルロースと、このセルロースの量を基準
として6重量%から7重量%の範囲内の量(即ち、組成
物全体を基準としたパーセンテージw/vとして表す場
合に、(1.4%w/vのコロイドセルロースに基づい
て計算した)0.084%w/vから0.098%w/
vの範囲内の量)の増粘剤とを含むという結論に達し
た。
【0080】上記実験で得た結果を考慮して、本発明に
よる新規の組成物の実際の貯蔵寿命を調べるために、上
記の場合よりも長い期間に亙って室温で行う第2組の安
定性試験を行うことにした。
【0081】表IIIにその組成を示す3種類の注腸剤
組成物の3種のロットを、実施例4に示す指示に基づい
て、実施例5に従って調製した。
【0082】注腸剤を、実施例1の第2の部分で説明し
た手順と同じ手順で窒素気体下で加圧容器の中に充填し
た。各々の容器に、事前の密度測定による確認では注腸
剤組成物62gに相当する体積60mLの注腸剤を充填
した。
【0083】この場合、この62gという量は、懸濁液
の調製に使用する処方に基づいて算出した各容器の理論
的な組成物含量であった。注腸剤組成物を充填した容器
を室温でコンディショニングし、その後で、ゼロ時間後
と、1年後と、2年後の各々に、3つのサンプルを分析
用に採取した。容器のバルブ軸を押して懸濁液を容器か
ら放出させ、懸濁液の重量と活性成分含量を測定した。
容器内の残留懸濁液の重量も調べた。この容器内の残留
懸濁液の分析を行うために、アクチュエータを押して容
器を空にし、その後で慎重に重量を測定し、容器を開け
て水と水性エタノールとで洗浄した。更に、容器をオー
ブン内で30℃で乾燥させ、再び重量を測定した。表I
Vに示す安定性試験の結果は、本発明による新規のメサ
ラジン組成物が2年間安定していることを実証してい
る。
【0084】本発明の更に別の実施様態は、新規のメサ
ラジン水性懸濁液を製造するための方法である。
【0085】この方法は、実施例6に示すように、次の
段階、即ち、 − 調製に必要な蒸留水の全体積の60%と30%とに
各々のパーセンテージが相当する2つの別々の蒸留水ア
リコートの中に、コロイドセルロースと増粘剤とを別々
に溶解する段階、 − 得られた2つの水溶液を混合し、組成物の他の賦形
剤を添加する段階、 − 真空下で、撹拌しながら、上記混合液の中に活性成
分を加えて懸濁させる段階、及び、 − 所期の最終体積を得るために上記水性懸濁液に蒸留
水を加える段階から成る。
【0086】こうした新たな組成物は、体積60mL中
に2g又は4gのメサラジンを収容したスクィーズボト
ル、又は、窒素で加圧した容器の中に収容することが可
能である。こうした加圧容器としては、両面がプラスチ
ック被覆材で被覆されたアルミニウム箔で作られた懸濁
液収容用の小形の袋を内側に備えた、容器が適切であ
る。
【0087】こうすることによって懸濁液は推進剤から
密封隔離され、その結果、他の多くの面でも有利である
が、加圧容器からの懸濁液の放出の際に懸濁液と共に推
進剤が腸の中に送り込まれることが防止される。
【0088】図1を参照すると、この図に示されるよう
に、曲線A、曲線B、曲線Cは、3つの組成物の各々の
流動挙動を示す(縦座標はパスカル単位での剪断応力、
横座標はs-1単位での剪断速度を表す)。曲線Aは、実
施例8の組成を有する本発明による組成物を表し、曲線
Bと曲線Cは各々に表Iの組成物Bと組成物Cとを表
す。これらの図を、上記の回転粘度計と同一の回転粘度
計(Low Shear30)と測定カップ内の同体積
の溶液とを使用して得た。温度は20℃に固定した。回
転粘度計を設定したレンジ(レンジ5)は、剪断応力
τ Pa 1%0.0326に相当する。上記曲線の各
点は、15秒間隔で同一サンプルで測定した18個の個
々の測定値の平均である。最初に、溶液中に浸けた、特
定の剪断応力で回転する測定回転子を備えた測定カップ
内で、サンプルを約10分間平衡化した。この時間内で
は測定値は全く一定不変だった。曲線Aは、本発明によ
る懸濁液のチキソトロピー特性を示す。曲線Bと曲線C
は、メサラジンを含む従来技術の懸濁液がチキソトロピ
ー特性を全く持たないか、僅かしか持たないという点で
異なっていることを示す。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【実施例】実施例1 表Iの組成物Aの調製 窒素雰囲気下において、蒸留水4.8kg中に5gのE
DTAと41.0gの無水酢酸ナトリウムを溶解した。
その後で、氷酢酸19mLによってpHを4.8に調整
した。更にメタ亜硫酸水素ナトリウム25gを加えた。
溶液を反応容器に移した後、この反応容器を気密封止し
た。この容器内を減圧した(300−400mmH
g)。激しく撹拌しながらヒドロキシエチルセルロース
(Natrosol(登録商標)250HHR)60g
を溶解した。その後で、溶液を45℃まで温め、その温
度でゲル状の稠度を呈した。更に温度を25−35℃に
低下させた。メサラジン333.5gを加えた後に、再
び減圧し、激しい撹拌を開始した。
【0092】組成物Aによる懸濁液5148g(体積約
5040mL)を得、その懸濁液を、窒素気体で加圧
(9−10気圧)した容器(直径35mm、容積110
mL)50個の各々に配分した。各々の容器に60mL
の懸濁液を充填した。
【0093】実施例2 メサラジン6.67%w/w、増粘剤(ヒドロキシエチ
ルセルロース)2.2%w/w、EDTA二ナトリウム
0.1%w/w、メタ亜硫酸水素ナトリウム0.5%w
/w、及び、酢酸ナトリウム0.67%w/wを含む懸
濁液の調製 最初に、窒素雰囲気下で、6gのEDTA二ナトリウム
と40.35gの無水酢酸ナトリウムを蒸留水5.7k
g中に溶解し、氷酢酸約17mLによってpHを4.8
3に調整し、更にメタ亜硫酸水素ナトリウム30gを加
えた。その後で、激しく撹拌しながらヒドロキシエチル
セルロース(Natrosol(登録商標)250HH
R)120gを加え、ゲルが形成されるまで溶液を穏や
かに撹拌しながら50℃に温めた後に、反応容器に移
し、この反応容器を気密封止した。反応容器内を減圧
し、粘性溶液を撹拌しながら50℃に加熱した。得られ
た塊をゆっくりと冷却した後に、撹拌しながらメサラジ
ン400.2gを加えた。懸濁液をコロイドミルで磨砕
し、窒素下で容器内に回収した。生成物5.01kg
(約4910mL)を得た。活性成分の分析滴定値は理
論滴定値に一致した。
【0094】その組成物1リットルを100mLガラス
容器(内径4.6cm、外径6cm、高さ56mm)1
6個の各々に60mLアリコートずつ配分した。その後
で容器を気密封止し、暗所に25℃で貯蔵した。1カ月
後に3個のガラス容器を取り出し、内容物を慎重に別々
のビーカーにあけた。固体残留物がガラス容器の底部に
存在することを観察した。上清に対して行った活性成分
のHPLC分析によって、上清中のメサラジンの滴定値
はゼロ時間における滴定値の93.9%であることが判
明した。
【0095】実施例3 メサラジン6.67%w/w、増粘剤(ヒドロキシエチ
ルセルロース−Natrosol(登録商標)250H
HR)2%w/w、界面活性剤(Tween(登録商
標)20)0.25%w/w、EDTA二ナトリウム
0.1%w/w、酢酸ナトリウム0.67%w/w、及
び、メタ亜硫酸水素ナトリウム0.5%w/wを含む懸
濁液の調製 1.25gのTween(登録商標)20と、0.5g
のEDTA二ナトリウム塩と、3.36gの無水酢酸ナ
トリウムを蒸留水440g中に溶解した。氷酢酸約1.
4mLによってpHを4.8に調整し、更にメタ亜硫酸
水素ナトリウム2.5gを加えた。その後でヒドロキシ
エチルセルロース10gと活性成分33.33gとを混
和し、実施例1で説明した手順と同じ手順で溶液中に溶
解した。終了時に蒸留水を加え、500gの懸濁液を得
た。調製したばかりの懸濁液のアリコートを100mL
遠心分離管4個の各々に移し、15分間4000rpm
で遠心した。上清を慎重に取り除いた後に、試験管の底
部に固体残渣が存在することを発見した。分析(HPL
C)によって、上清中の活性成分の滴定値が、当該懸濁
液を調製するのに使用したメサラジンの量に基づいて予
測した滴定値の74.35%であることが判明したが、
このことから明らかなように、上記固体残渣は非常に多
量のメサラジンを含んでいた。
【0096】実施例4 各々に1%w/v、1.1%w/v、1.2%w/v、
1.3%w/v、1.4%w/v、1.5%w/v、
1.6%w/v、1.8%w/v、2.0%w/vの濃
度のコロイドセルロースと、コロイドセルロース量に対
する重量パーセントとして各々に2%、4%、6%、8
%、10%、12%、14%、16%、18%、20
%、25%の増粘剤と、6.67%w/vのメサラジン
と、0.8%w/vの酢酸ナトリウムと、0.1%w/
vのEDTA二ナトリウムと、0.5%w/vのメタ亜
硫酸水素ナトリウムとを含むメサラジン懸濁液の調製 各々の懸濁液を下記の手順で1リットルの標準量に調製
した。
【0097】最初に、各々に125g、137.5g、
150g、162.5g、175g、187.5g、2
00g、225g、250gのコロイドセルロース(A
vicel(登録商標)RC 591)を別々に加えた
9つの水の7.5Lアリコートを各々に10L反応容器
中に移すことによって、9つの異なるコロイドセルロー
ス懸濁液を調製した。コロイド溶液が得られるまで撹拌
を続けた。
【0098】従って、上記コロイドセルロース量に基づ
いて計算すると、上記9つの懸濁液の各々の600mL
アリコート中には、各々に10g、11g、12g、1
3g、14g、15g、16g、18g、20gのコロ
イドセルロースが含まれていたことになる。
【0099】本実施例の表題に示したコロイドセルロー
スに対する重量比率を得るように、適切な量のヒドロキ
シエチルセルロース(Natrosol(登録商標)2
50HHR)を蒸留水アリコート300mL中に溶解し
た。この増粘剤の透明な溶液が得られた後に、この溶液
を、ヒドロキシエチルセルロース量の算出の基礎となっ
た量のコロイドセルロースを含む対応する600mLア
リコートと混合した。その後で、こうして得た溶液の各
々に無水酢酸ナトリウム8gと氷酢酸2−3mLとを加
えた。最終pHは約4.8であった。更に、EDTA二
ナトリウム塩1gとメタ亜硫酸水素ナトリウム5gを加
えた。
【0100】窒素雰囲気下で撹拌しながら各々の溶液に
66.7gの5−ASAを混和し、均一な分散が得られ
るまで撹拌を続けた。その後で、蒸留水を加えて懸濁液
を体積1リットルにした。
【0101】各懸濁液を2つの部分に分けた。その一方
の半分を、実施例2で説明したのと同じ寸法を有する1
00mLガラス容器に入れた。他方の半分を、上記特徴
を有する注射器(Steringa(登録商標)注射
器、Artsana、Casnate Como)に入
れた。
【0102】同じ懸濁液を入れたガラス容器と注射器を
4つのグループに分け、個々のグループを、各々に3
℃、室温、30℃、及び、40℃の温度で1カ月間貯蔵
した。
【0103】最後に、沈殿物が最終的にガラス容器の底
部に集まったかどうかを確認するためにガラス容器を慎
重に上下反転させ、1.2%w/v未満のコロイドセル
ロース含量を有するサンプルの全てに固体残渣が存在す
ることを確認した。更に、30℃と40℃で貯蔵したサ
ンプルでは、沈殿物が特に多量に存在した。沈殿物が分
離しなかった懸濁液の粘度を後で検査した。注射針を取
り外した後で注射器の中身を空にすることによって、予
備的な定性試験を行った。これと同時に、絶対粘度測定
を上記サンプルの幾つかに対して行った。これらの試験
と検査は両方とも上記説明の通りである。
【0104】1.6%より多い量のコロイドセルロース
を含む組成物は粘度が非常に高く、注射器を空にする上
記定性試験では、所期の結果を得られなかった(上記説
明を参照されたい)。
【0105】一方、コロイドセルロースに対する重量比
率で表す場合に上限の20%より高い(即ち、25%)
の量の増粘剤を含む組成物は、高い粘度値を非常に早期
に回復したので、高いチキソトロピー性を示した。これ
は、上記説明の中で既に述べた理由から好ましくない特
徴であると考えられた。更に、コロイドセルロースに対
する増粘剤の重量比率が4%未満である場合には組成物
が不安定であることを確認した。
【0106】実施例5 組成物全体を基準として各々に1.2%w/v、1.4
%w/v、1.6%w/vの濃度のコロイドセルロース
と、コロイドセルロースの上記濃度の各々に基づいて算
出した各々に4%w/w、7%w/w、10%w/wの
量の増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース)と、メサラ
ジン6.67%と、酢酸ナトリウム0.8%と、EDT
A二ナトリウム0.1%と、メタ亜硫酸水素ナトリウム
0.5%とを含む9つのメサラジン懸濁液の調製 各々の懸濁液を下記の手順で1リットルの標準量に調製
した。12g、14g、及び、16gの量のコロイドセ
ルロース(Avicel(登録商標)RC 591)の
各々を、別々の蒸留水アリコート600mLの中に撹拌
しながら懸濁させた。コロイド状の懸濁液が得られるま
で撹拌を続けた。上記濃度の各々に関して600mLの
サンプルを3つ調製した。
【0107】ヒドロキシエチルセルロース(Natro
sol(登録商標)250HHR)を各々に下記の量で
含むヒドロキシエチルセルロース水溶液300mLを別
々に調製した。
【0108】A)480mg、840mg、1200m
g、 B)560mg、980mg、1400mg、 C)640mg、1120mg、1600mg。
【0109】グループAの溶液の各々を、コロイドセル
ロース1.2%w/vを含む懸濁液600mLと混合し
た。
【0110】グループBの溶液の各々を、コロイドセル
ロース1.4%w/vを含む懸濁液600mLと混合し
た。
【0111】グループCの溶液の各々を、コロイドセル
ロース1.6%w/vを含む懸濁液600mLと混合し
た。
【0112】その後で、こうして得た懸濁液に無水酢酸
ナトリウム8gと氷酢酸2−3mLを加えた。最終pH
は約4.8だった。更に、EDTA二ナトリウム塩1g
とメタ亜硫酸水素ナトリウム5gとを加えた。
【0113】窒素雰囲気下で撹拌しながら各々の溶液に
66.7gの5−ASAを混和し、均一な分散が得られ
るまで撹拌を続けた。その後で、蒸留水を加えて懸濁液
を体積1リットルにした。
【0114】外界温度で25mLピクノメーターを使っ
て行った密度測定で、1.03の平均値が得られた。
【0115】その後で、上記懸濁液を加圧容器に移し、
これらの容器の各々は組成物60mLを含んでいた。こ
れらの容器は実施例1で説明した容器と同じだった。
【0116】実施例6 最終生成物60mLに関して次の組成(特に示さない限
りパーセンテージw/vである)を有する本発明の組成
物の工業用バッチの調製:メサラジン6.67%、コロ
イドセルロース1.4%、コロイドセルロースに対して
7%w/wのヒドロキシエチルセルロース、酢酸ナトリ
ウム三水和物1.08%、メタ亜硫酸水素ナトリウム
0.5%、EDTA二ナトリウム0.1%、pH4.8
に調整するのに十分な量の氷酢酸 600Lステンレススチール製反応容器内で、激しく撹
拌しながらコロイドセルロース(Avicel(登録商
標)RC591)5.880kgを蒸留水252L中に
懸濁させた。この工程を、コロイドミルを付随的に使用
することによって促進した。200Lステンレススチー
ル製反応容器内で、別の温水(45℃)のアリコート1
26L中に、ヒドロキシエチルセルロース0.411k
gを撹拌しながら懸濁させた。その後で溶液を室温まで
冷却し、上記セルロース懸濁液に加え、十分に混合し
た。この結果得たコロイド状溶液に対して、EDTA二
ナトリウム塩0.420kg、酢酸ナトリウム三水和物
4.522kg、メタ亜硫酸水素ナトリウム2.100
kgを、この順番で加えた。その後で、反応容器を気密
封止し、減圧した(200mmHg)。更に、メサラジ
ン14kgを撹拌しながら加えた。氷酢酸約1Lを加
え、蒸留水で溶液を最終体積420Lにした。
【0117】上記量の材料を使用して、本発明の懸濁液
60mLを各々含む7000個の加圧容器を用意するこ
とが可能だった。
【0118】実施例7 新規の組成物を使用する薬理学的臨床検査と大腸内の移
動距離の評価 この臨床検査のために、活性成分5−ASAを100メ
ガベクレルのコロイド99mTcスルフィド(Techn
etiumアイソトープ99スルフィド)で標識してお
いた。この塩は6時間の半減期を有するにすぎないの
で、組成物を投与前2時間以内に標識した。
【0119】18歳から70歳までの12人の男女の患
者に対して臨床検査を行った。容認基準は次の通りだっ
た。
【0120】肛門から20cm以上まで進行しているが
膵変曲の上方には達していない遠位の潰瘍性結腸炎(検
査開始の少なくとも7日前に結腸内視鏡検査によって確
認)、軽微な又は中程度の炎症、少なくとも1回の排泄
において血液及び粘液を伴う1日当たり5回以上の下
痢、腹痛、頻拍、貧血、食欲不振、及び、嘔吐。
【0121】患者12人中の6人で、小腸のS状結腸部
分と結腸の他の部分とにおいて疾病が生じていることを
確認した。
【0122】臨床検査開始48時間前に、スルファサラ
ジン又は他の5−ASA関連活性成分を使用した治療を
中断した。
【0123】実施例8による組成物60mLを各々の患
者に直腸投与した。
【0124】その後で、注腸剤投与から5分、30分、
60分、120分、180分、240分の各時点で、腹
臥位の姿勢に保った患者の腹部に対してシンチグラム造
影撮影法による分析を行った。
【0125】こうして得た結果は、患者12人中11人
(92%)において注腸剤がS状結腸の上方にまで達
し、そのうち6人では注腸剤が横行結腸にまで到達して
いた。後者のグループでは、総放射能の約19%が横行
結腸内で確認できた。直腸から最も遠い位置に組成物が
到達するのに要した平均時間は4時間だった(患者6人
では3時間、他方の半分の患者では6時間だった)。
【0126】実施例8 (組成%w/v) メサラジン 6.67% コロイドセルロース 1.40% ヒドロキシエチルセルロース 0.07% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH4.6にするのに十分な量の氷酢酸 100mLにするのに十分な量の水実施例9 (組成%w/v) メサラジン 3.33% コロイドセルロース 1.20% カルボキシポリメチレン 0.20% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH4.9にするのに十分な量の氷酢酸 100mLにするのに十分な量の水実施例10 (組成%w/v) メサラジン 6.67% コロイドセルロース 1.60% カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.16% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH5.1にするのに十分な量の氷酢酸 100mLにするのに十分な量の水実施例11 (組成%w/v) メサラジン 3.33% コロイドセルロース 1.30% キサンタンガム 0.26% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH4.5にするのに十分な量の氷酢酸 100mLにするのに十分な量の水実施例12 (組成%w/v) メサラジン 6.67% コロイドセルロース 1.50% ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.06% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH4.8にするのに十分な量の氷酢酸 100mLにするのに十分な量の水実施例13 (組成%w/v) メサラジン 3.33% コロイドセルロース 1.30% メチルセルロース 0.10% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH4.7にするのに十分な量の氷酢酸 100mLにするのに十分な量の水実施例14 (組成%w/v) メサラジン 3.33% コロイドセルロース 1.40% キサンタンガム 0.21% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH4.6にするのに十分な量の氷酢酸 60mLにするのに十分な量の水実施例15 (組成%w/v) メサラジン 6.67% コロイドセルロース 1.60% カルボキシポリメチレン 0.32% 酢酸ナトリウム三水和物 1.08% メタ亜硫酸水素ナトリウム 0.50% EDTA二ナトリウム塩 0.10% pH4.8にするのに十分な量の氷酢酸 100mLにするのに十分な量の水実施例16 本発明の懸濁液を充填したアルミニウム製袋を内部に収
容した加圧容器の説明 容器の内側容積:110mL(外径:35mm) 内部(窒素)ガス圧:9気圧 アルミニウム箔で作った袋をアクチュエーターの垂直軸
線を中心として配置する。この袋は加圧容器の内側容積
全体の約60%を占め、本発明の懸濁液60mLが充填
されている。そのアルミニウム箔の外側をプロピレンで
被覆し、内側をポリエチレンテレフタラートで被覆す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメサラジン水性懸濁液(A)と従
来技術によるメサラジン水性懸濁液(B、C)の各々の
流動特性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/38 A61K 47/38 H (72)発明者 ラウラ・フエルロ イタリー国、20121・ミラノ、ビア・ブレ ーラ・24/6

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メサラジンと、金属イオン封鎖剤や制菌
    剤や酸化防止剤や追加の緩衝剤もしくは無機酸のような
    通常の賦形剤とを含む水性チキソトロピー懸濁液の形態
    の薬剤組成物であって、前記組成物が、1.2%w/v
    から1.6%w/vのコロイドセルロースと、コロイド
    セルロースに対する重量比率(パーセンテージ)が4%
    から20%である(即ち、前記溶液の全体積を基準とし
    て0.048重量%から0.32重量%である)量の1
    つ以上の親水性増粘剤とを含み、且つ、そのpHが4.
    5から5.1であることを特徴とする薬剤組成物。
  2. 【請求項2】 コロイドセルロースに対する前記親水性
    増粘剤の重量比率(%)が4%から10%であることを
    特徴とする請求項1に記載の薬剤組成物。
  3. 【請求項3】 コロイドセルロースのパーセンテージが
    1.4%w/wであることと、コロイドセルロースに対
    する前記親水性増粘剤の重量比率(%)が6%又は7%
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記親水性増粘剤が、カルボキシポリメ
    チレン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒド
    ロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒドロキシ
    プロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及び、
    カラゲーニンから成るグループから選択されることを特
    徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記親水性増粘剤がヒドロキシエチルセ
    ルロースであることを特徴とする請求項1から4のいず
    れかに記載の薬剤組成物。
  6. 【請求項6】 不活性ガスを推進剤として含む加圧容器
    内に収容された請求項1から5のいずれかに記載の薬剤
    組成物。
  7. 【請求項7】 前記加圧容器の内側に配置した気密的に
    密封の袋の中に収容された請求項1から6のいずれかに
    記載の薬剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の薬剤組成物を製造する
    ための方法であって、 a)各々に使用する蒸留水の全体積の60%v/vと3
    0%v/vに相当する2つの別々の蒸留水アリコートの
    中に、コロイドセルロースと前記増粘剤とを別々に溶解
    させる段階、 b)前記2つの蒸留水アリコートを混合し、更に前記組
    成物の他の賦形剤を加える段階、 c)真空下で活性成分を前記懸濁液に加え、十分に撹拌
    する段階、及び、 d)蒸留水を加えて前記懸濁液を最終体積にする段階を
    含むことを特徴とする前記方法。
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