JPH09111429A - 最終成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない熱処理型Al合金の製造方法 - Google Patents

最終成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない熱処理型Al合金の製造方法

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JPH09111429A
JPH09111429A JP27017895A JP27017895A JPH09111429A JP H09111429 A JPH09111429 A JP H09111429A JP 27017895 A JP27017895 A JP 27017895A JP 27017895 A JP27017895 A JP 27017895A JP H09111429 A JPH09111429 A JP H09111429A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Al−Cu系,Al−Cu−Mg系およびA
l−Mg−Si系の各熱処理型Al合金を製造する際
に、最終成形加工時におけるSSマークの発生を効果的
に防止することのできる方法を提供する。 【解決手段】 Cu:1〜8%を含有すると共に、M
n:0.05〜0.8%,Cr:0.05〜0.3%,
Zr:0.05〜0.15%,Sc:0.05〜1%お
よびV:0.05〜0.15%よりなる群から選ばれる
1種以上を含有するAl合金を素材とし、この素材を均
熱処理および熱間加工し、必要に応じて冷間加工した
後、溶体化処理および焼入れを行ない、その後最終成形
加工迄の任意の時期に、40〜120℃の熱処理を行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機,鉄道車
両,自動車等の輸送機器や一般機械部品等の各種用途で
使用される熱処理型Al合金を製造する方法に関するも
のであり、特に最終成形加工時にストレッチャー・スト
レインマークの発生しない様な、優れた成形性を有する
熱処理型Al合金を製造する為の有用な方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】Al−Cu系,Al−Cu−Mg系およ
びAl−Mg−Si系等のAl合金は、溶体化処理およ
び焼入れ後の時効硬化で高い強度が得られる析出型Al
合金として知られており、従って適当に熱処理を施して
(熱処理型Al合金)機械的性質を向上させ、上記した
各種用途に適した素材として使用されている。
【0003】代表的な熱処理型Al合金としては、Al
−Cu系合金では、2219(Al−6.3%Cu−
0.3%Mn−0.96%Si−0.18Zr−0.1
0V)等が知られている。またAl−Cu−Mg系合金
では、2014(Al−4.4%Cu−0.5%Mg−
0.8%Mn−0.8%Si),ジュラルミン2017
(Al−4.0%Cu−0.6%Mg−0.7%Mn−
0.5%Si),超ジュラルミン2024(Al−4.
4%Cu−1.56%Mg−0.6%Mn),2117
(Al−2.6%Cu−0.35%Mg),2018
(Al−4.0%Cu−0.27%Mg−2.0%N
i)等が知られている。更に、Al−Mg−Si系合金
では、6061(Al−1.0%Mg−0.6%Si−
0.25%Cu−0.2%Cr)等が知られている。
【0004】上記熱処理型Al合金の代表的な製造方法
は、板製品では例えば溶解鋳造にて鋳塊した後、均質化
熱処理および熱間圧延、必要に応じて冷間圧延を行った
後、溶体化処理および焼入れを行ない、更に必要に応じ
て冷間圧延や引張加工を行ない、材料メーカーから加工
メーカーに出荷され、加工メーカーで最終製品に成形加
工されるのが一般的である。尚最終的に行われる成形加
工としては、例えば引張,曲げ,剪断,張り出し,絞り
およびしごき等が挙げられる。
【0005】最終製品に成形加工される際、Al合金中
の結晶粒が大きいと、加工度の低い段階からオレンジピ
ールと称される肌荒れが生じて美観を損ねることがあ
る。このオレンジピールは、表面研磨・研削によりある
程度の手直しが可能であるが、製作工程数が増え、オレ
ンジピールの程度が大きければ大きいほど、手直しに要
する手間や時間は大きくなり、製作コストの増大を招く
ことになる。更に、オレンジピールの程度が顕著な場合
には、手直しもできず製品として使用できないことがあ
る。
【0006】オレンジピールの防止には結晶粒の微細化
が効果的であることは知られているが、結晶粒を微細化
するほどストレッチャー・ストレインマーク(以下、
「SSマーク」と略称することがある)と称される不均
一変形が生じ易くなるという問題がある。このSSマー
クには、引張試験時の応力歪み曲線形状で示したとき
に、降伏点伸びで表されるAタイプと、降伏後に鋸歯状
で表されるBタイプがある。このうちAタイプのSSマ
ークは、結晶粒の粗大化によりある程度軽減されるが、
BタイプのSSマークは加工量の増大に伴い、粗大結晶
粒を有する試料においても顕著に発生するようになる。
【0007】これらのSSマークの発生は、前記オレン
ジピールと同様に、製品表面に肌荒れをもたらし製品の
美観を損ねることになる。従って、SSマークが発生し
た場合においても、研磨・研削等の手直し工程が多くな
って製作コストの増大を招き、SSマークが顕著な場
合、手直しもできず製品として使用できないことがあ
る。
【0008】上述した様に、結晶粒の粗大化はオレンジ
ピールを、また逆に結晶粒の微細化はSSマークを発生
させることになる。結晶粒の微細化は、成形性向上の他
に、材料強度、靭性さらには疲労特性等の向上をもたら
し、最終製品の性能を著しく向上させることが予想され
るにも拘らず、成形法や加工程度によっては、SSマー
クの発生を防止するという観点から、結晶粒径をわざわ
ざ適切な中間サイズに調整して使用されているのが現状
である。
【0009】上記SSマークの発生は、非熱処理型Al
合金であるAl−Mg系合金においても見られ、このA
l合金においてSSマークの発生を防止する為の各種の
技術が提案されている。例えば特公昭59−39500
号には、Al−Mg系合金薄板を冷間加工・高温短時間
焼鈍および特定の冷却速度で冷却することによって、S
Sマークの発生を防止する技術が提案されている。また
特公昭59−39501号には、Al−Mg系合金に高
圧延率で最終冷延を施し、次に最終仕上げ熱処理の高温
短時間焼鈍、更にレベラー等の繰り返し曲げ変形を施す
ことにより、SSマークの発生しない薄板を製造可能で
あることが開示されている。更に、特開平2−1220
54号には、Al−Mg系合金熱延板に対して、特定の
中間圧延、中間焼鈍、仕上げ圧延および安定化焼鈍等を
行うことによって、SSマークの発生しないAl−Mg
系合金が製造可能であることが記載されている。
【0010】Al−Mg系合金においてSSマークの発
生を防止する為の技術としては、上記の他に、特開昭6
1−232006号、特開平2−290953号、同3
−173752号、同4−147952号、同5−76
772号、同4−276050号等、各種の技術が提案
されている。
【0011】一方、熱処理型Al合金であるAl−Cu
−Mg系合金においては、例えば特公平4−69220
号には、化学成分組成を特定したAl−Cu−Mg系合
金にZnを微量添加し、最終溶体化処理後に急冷し、そ
の後ロール矯正やスキンパス圧延等の弱加工を行なうこ
とによってSSマークの発生を防止する方法が提案され
ている。
【0012】また熱処理型Al合金であるAl−Mg−
Si系合金においては、例えば特開平5−112840
号には、化学成分組成を特定したAl−Mg−Si系合
金を、特定の条件で均質化熱処理、熱間圧延および冷間
圧延を施した後、急速加熱および冷却を含む高温短時間
焼鈍を行うことによって結晶粒径を40μm以下とし、
特に高温短時間焼鈍後に100℃まで30℃/秒以上の
冷却速度で冷却することで、Mg2 Siを固溶状態とす
るSSマークの発生を防止する方法が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭59−39
500号、同59−39501号、特開昭61−232
006号、特開平2−122054号、同2−2909
53号、同3−173752号、同4−147952
号、同5−78772および同4−276050号の各
技術は、非熱処理型Al合金であるAl−Mg系合金を
対象としたものであり、これらの手段では熱処理型Al
合金であるAl−Cu系,Al−Cu−Mg系およびA
l−Mg−Si系合金におけるSSマーク発生を効果的
に防止することはできない。
【0014】一方、熱処理型Al−Cu−Mg系合金を
対象にした前記特公平4−69220号の技術では、A
lマトリックス中に残存する溶質原子に転位が固着され
ているため、SSマーク発生の問題を根本的に解決する
ことはできない。また熱処理型Al−Mg−Si系合金
を対象にした前記特開平5−112840号の技術にお
いても、Alマトリックス中に残存する溶質原子に転位
が固着されることになり、SSマーク発生を根本的に解
決することはできない。
【0015】上記の通り、これまで提案されてい技術で
は、熱処理型Al合金の最終成形加工時におけるSSマ
ークの発生を防止できず、熱処理型Al合金におけるS
Sマークの発生を効果的に防止することのできる技術の
確立が望まれているのが実情である。
【0016】本発明はこうした状況の下になされたもの
であって、その目的は、Al−Cu系,Al−Cu−M
g系およびAl−Mg−Si系の各熱処理型Al合金を
製造する際に、最終成形加工時におけるSSマークの発
生を効果的に防止することのできる方法を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、Cu:1〜8%を含有すると共に、Mn:
0.05〜0.8%,Cr:0.05〜0.3%,Z
r:0.05〜0.15%,Sc:0.05〜1%およ
びV:0.05〜0.15%よりなる群から選ばれる1
種以上を含有するAl合金を素材とし、この素材を均熱
処理および熱間加工し、必要に応じて冷間加工した後、
溶体化処理および焼入れを行ない、その後最終成形加工
迄の任意の時期に、40〜120℃の熱処理を行なう点
に要旨を有する熱処理型Al合金の製造方法である。
【0018】上記方法は、Al−Cu系のAl合金を素
材とするものであるが、この素材として、上記化学成分
組成に、2.5%以下のMgを含有するAl−Cu−M
g系合金を素材としても、本発明の目的が達成される。
【0019】この方法においては、必要によりNi:
2.4%以下、Zn:1%以下等を更に含有した素材を
用いることや、Feの含有量を1.5%未満に抑制した
Al合金を素材とすることも有効である。
【0020】本発明の目的は、Mg:0.2〜2%およ
びSi:0.1〜1.5%を含有すると共に、Mn:
0.05〜0.8%,Cr:0.05〜0.3%,Z
r:0.05〜0.15%,Sc:0.05〜1.0%
およびV:0.05〜0.15%よりなる群から選ばれ
る1種以上を含有するAl合金を素材とし、この素材を
均熱処理および熱間加工し、必要に応じて冷間加工した
後、溶体化処理および焼入れを行ない、その後最終成形
加工迄の任意の時期に、40〜120℃の熱処理を行な
う様な構成を採用することによっても、即ちAl−Mg
−Si系のAl合金を対象にした場合においても達成さ
れる。
【0021】この方法においては、必要によりCu:1
%以下、Ni:2.4%以下、Zn:1%以下等を更に
含有するAl合金を素材を用いることや、Feの含有量
を1.5%未満に抑制したAl合金を素材とすることも
有効である。
【0022】
【発明の実施の形態】Al−Cu系,Al−Cu−Mg
系およびAl−Mg−Si系アルミニウム合金は析出硬
化型のAl合金であり、溶体化処理および焼入れで、室
温においても時効硬化により強度は増大する。溶体化処
理および焼入れ後、室温中で成形加工を行うと、結晶粒
が微細なほどSSマークが顕著に発生し易い。本発明者
は溶体化処理および焼入れ後の熱処理条件とSSマーク
発生状況との関係を鋭意研究した結果、溶体化処理およ
び焼入れした後、最終成形加工迄の任意の時期に、40
〜120℃の熱処理を行なえば、最終成形加工時のSS
マークの発生を防止できることを見出した。
【0023】溶体化処理および焼入れすることにより、
Al−Cu系、Al−Cu−Mg系およびAl−Mg−
Si−Cu系の各Al合金の主添加元素であるCu,M
gおよびSiの原子は、マトリックス中へ固溶する。そ
の後例えば室温中に放置する時間の経過に従いこれらの
主添加元素は拡散により移動し、多くの原子が転位に固
着される。この段階で加工等の変形を加えると固着原子
から転位は開放されるが、一度にこの現象が生じると同
一滑り面上で集中的に転位の運動が生じるので、肉眼で
も確認できる程度の滑り線が発生する。これがAタイプ
のSSマークであり、力学的に結晶粒が微細なほど顕著
に生じる。
【0024】また加工量が大きくなると固着と開放の現
象が交互に生じ、変形強度の増大および現象として現れ
る。このため、応力歪み曲線は鋸歯状を呈する。これが
BタイプのSSマークであり、結晶粒の大小にかかわら
ず加工量が大きくなると発生する。SSマークの発生を
防止して成形性に優れるAl合金を開発するため鋭意研
究を行った結果、上記の様な熱処理を行い、Al−Cu
系,Al−Cu−Mg系およびAl−Mg−Si系アル
ミニウム合金の主添加元素であるCu,MgおよびSi
等の溶質原子をG.P.ゾーン化させると、G.P.ゾ
ーンには転位の固着効果がないので、A,B両タイプの
SSマークの発生を効果的に防止できることを見出し、
本発明を完成した。本発明のよる上記効果は、特にCu
原子による寄与が大きいものと考えられる。
【0025】本発明によって得られるAl合金において
は、特に結晶粒径が50μm程度以下と微細な場合、オ
レンジピールの発生を防止できると共に、A,B両タイ
プのSSマークの発生をも防止できるため、極めて成形
加工性に優れる熱処理型Al合金を提供できるので好ま
しい。また、ある程度粗大な結晶粒を有する場合でも、
Aタイプは当然のことBタイプのSSマークの発生をも
防止できるので、成形加工性を向上させることができ
る。
【0026】本発明方法における熱処理は、溶体化処理
および焼入れ後に、最終成形加工迄の任意の時期に行え
ば良いが、例えば溶体化処理および焼入れ後に、必要に
応じて冷間圧延(例えば、冷間圧延、ロール矯正、スキ
ンパス圧延等)や引張加工(ストレッチ等)を行なう場
合には、この冷間圧延や引張加工を行なう前または後の
どちらか一方または両方で行なう様にすれば良い。また
溶体化処理および焼入れ後に、冷間圧延や引張加工を行
なわない場合には、溶体化処理および焼入れ後に本発明
の熱処理を行なう様にすれば良い。上記の様にして熱処
理を行なった後、最終成形加工を行なうことによって、
最終成形加工時におけるSSマークの発生を防止でき
る。尚溶体化処理および焼入れ後に、本発明による熱処
理を行った場合には、その後必要に応じて行われる冷間
圧延および引張加工時に生じるSSマークをも防止でき
ることになる。次に、本発明で対象とするAl合金の化
学成分組成について説明する。
【0027】本発明で対象とするAl合金におけるC
u,MgおよびSi等の化学成分は、固溶強化および析
出強化によって、Al合金の常温および高温強度を向上
させるため必要不可欠な元素である。これらは固溶強化
および析出強化の双方の作用によりAl合金の強度を向
上させる。
【0028】請求項1に記載したAl合金は、Al−C
u系のAl合金に相当するものであり、基本的にCuを
含有すると共に、Mn,Cr,Zr,Sc,およびVよ
りなる群から選ばれる1種以上を含むものである。まず
このAl−Cu系合金における化学成分限定理由につい
て説明する。
【0029】(Al−Cu系合金)Cu:1〜8% Cuは上記した様に、固溶強化および析出強化によっ
て、Al合金の常温および高温強度を向上させるため必
要不可欠な元素である。この系において、Cuの添加量
が1%未満では、固溶・析出硬化の程度が小さく、十分
な強度を得ることができない。一方、Cuの添加量が8
%を超えると、CuAl3 の組成を有する巨大な晶出物
が発生するため、押出性や鍛造性および常温での成形加
工性が低下する。このため、Cuの添加量は1〜8%と
する必要がある。
【0030】Mn:0.05〜0.8%,Cr:0.0
5〜0.3%,Zr:0.05〜0.15%,Sc:
0.05〜1%およびV:0.05〜0.15%よりな
る群から選ばれる1種以上 Mn,Cr,Zr,ScおよびVは、均質化熱処理時に
Al20Cu2 Mn3 ,Al12Mg2 Cr,ZrAl3
よびScAl3 等の分散粒子を生成する。これら分散粒
子は、再結晶後の粒界移動を妨げる効果があるため、微
細結晶粒の生成に必要である。これらの効果を得るに
は、Mn,Cr,Zr,ScおよびVの添加量は、いず
れも0.05%以上とする必要がある。しかしながら、
過剰な添加は、溶解鋳造時に粗大な不溶性金属間化合物
を生成し易く、成形不良原因となる。また特にZrの過
剰添加は、ミクロ組織をファイバー状にし易く、特定方
向の破壊靭性および疲労特性、さらには成形性を劣化さ
せる。こうした観点からして、Mn,Cr,Zr,Sc
およびVの添加量は、夫々0.8%以下,0.3%以
下,0.15%以下,1%以下および0.15%以下に
する必要がある。
【0031】Al−Cu−Mg系合金(請求項2に記載
したAl合金)は、基本的には、上記したAl−Cu系
合金の化学成分組成に、更に所定量のMgを含有させた
ものであるが、この系におけるMgの作用は下記の通り
である。
【0032】(Al−Cu−Mg系合金)Mg:2.5%以下 Mgは上記した様に、Cuと同様に、固溶強化および析
出強化によって、Al合金の常温および高温強度を向上
させるため必要不可欠な元素である。しかしながら、
2.5%を超えて過剰に含有させると、常温強度が高く
なり過ぎ成形性が低下する。従って、この系におけるM
gの含有量は、2.5%以下にする必要がある。但し、
Mg添加の効果を有効に発揮させる為には、その添加量
は0.1%以上であることが好ましい。
【0033】本発明で対象とするAl−Cu系合金およ
びAl−Cu−Mg系合金の基本的な化学成分組成は上
記の通りであるが、これらのAl合金には必要によっ
て、所定量のNiやZn等を含有させることや、Feの
含有量を抑制することも有効である。これらの成分の作
用は、下記の通りである。
【0034】Ni:2.4%以下 NiはAl中には殆ど固溶せず、凝固時にAlとの共晶
反応によってマトリックス中に硬い繊維状のNiAl3
として晶出する。このNiAl3 は高温での強度低下が
少なく、耐熱性を向上させる作用を発揮する。しかしな
がらNiの過剰な添加は、粗大なNiAl3 を晶出さ
せ、成形不良原因となる。従って、これらの系における
Niの含有量は、2.4%以下にする必要がある。但
し、Ni添加の効果を有効に発揮させる為には、その添
加量は0.8%以上であることが好ましい。
【0035】Zn:1%以下 Znは固溶強化および析出強化により、Al合金の常温
および高温強度を向上させるのに有効な元素である。但
し、ZnはCuと同様に、固溶状態では転位を固着して
SSマークを発生させる方向に作用するので、強度の増
大等を目的としてZnを添加した場合には、本発明によ
る熱処理を行うことによりSSマークの発生を防止する
ことができる。しかしながらZnの含有量が1%を超え
ると、耐食性が低下するので、その添加量は1%以下と
する必要がある。尚Znの添加による効果を有効に発揮
させる為には、その含有量は0.05%以上であること
が好ましい。
【0036】Fe:1.5%未満 Feの含有量が多くなると、不溶性金属間化合物を生成
し易いので、1.5%以下に規制されることが望まし
い。またFeはAl中には殆ど固溶せず、晶出物を形成
し、この晶出物は破壊の起点となるため、Feの含有量
は0.5%未満に抑制されることが好ましく、より好ま
しくは0.25%以下に抑制するのが良い。しかしなが
ら、特にNiと同時に含有される場合には、Al9 (F
e−Ni)を形成し、耐熱性を著しく向上させる方向に
作用する。
【0037】一方、請求項6〜10に記載したAl合金
は、Al−Mg−Si系のAl合金に相当するもので、
基本的にMgおよびSiを含有すると共に、Mn,C
r,Zr,Sc,およびVよりなる群から選ばれる1種
以上を含むものである。このAl−Mg−Si系Al−
Cu系合金における、Mn,Cr,Zr,Sc,および
V等の化学成分限定理由については、上記Al−Cu系
合金およびAl−Cu−Mg系合金と共通であるが、M
gおよびSiの化学成分限定理由は上記の通りである。
【0038】(Al−Mg−Si系合金)Mg:0.2〜2% Mgの含有量が0.2%未満では、固溶・析出硬化の程
度が小さく、十分な強度を得ることができない。一方、
2%を超えると、常温強度が高くなり過ぎ、成形性が低
下する。このため、Mgの添加量は0.2〜2%とする
必要がある。
【0039】Si:0.1〜1.5% Siの含有量が0.1%未満では、析出硬化の程度が小
さく、十分な強度を得ることができない。一方、1.5
%を超えると、Mg2 Siの組成を有する巨大な晶出物
が発生し易くなり、押出性および鍛造性および常温での
成形加工性が低下する。このためSiの添加量は0.1
〜1.5%とする必要がある。
【0040】本発明で対象とするAl−Mg−Si系合
金には、必要によって所定量のCuを含有させることも
有効である。Cuの添加作用は下記の通りである。Cu:1%以下 Cuを含有させると、Mg2 Siの微細粒子の析出を促
すため、強度は増大する。しかしながら、その含有量が
1%を超えると、常温強度が高くなり過ぎて成形性が低
下すると共に、耐食性が低下する。但し、上記の効果を
発揮させる為には、その含有量は0.05%以上である
ことが好ましい。
【0041】本発明で対象とするAl−Mg−Si系合
金においても、前記Al−Cu系合金やAl−Cu−M
g系合金と同様に、必要によって上記した量のNiやZ
n等を含有させることや、Feの含有量を抑制すること
も有効であり、上記と同様の作用を発揮する。
【0042】本発明で対象とする熱処理型Al合金に
は、その他必要に応じてTi,Hf,Sb,Sr等の元
素を含むことが許容される。これらの元素は、鋳塊組織
の微細化という作用を発揮するものであるが、成形性の
劣化という観点から、単独または合計で0.3%以下に
することが好ましい。
【0043】本発明では、上記した様な各種化学成分組
成を有する熱処理型Al合金を素材とし、この素材を、
例えば板製品では溶解鋳造にて鋳塊した後、均質化熱処
理および熱間圧延を行ない、必要に応じて冷間圧延を行
った後、溶体化処理および焼入れを行い、その後必要に
応じて行われる冷間加工および引張加工の前または後、
あるいは両方において、40〜120℃で熱処理を行な
うことにより製造される。
【0044】こうした製造工程において、上記溶解鋳
造、均質化熱処理、熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理お
よび焼入れ、必要に応じて行われる冷間圧延および引張
加工等における各製造条件は常法に従って行なわれれば
良く、例えば必要に応じて行われる溶解鋳造は半連続鋳
造法、連続鋳造圧延法のいずれかでも良く、また熱間圧
延後バッチ炉、連続焼鈍炉等で熱処理行なった後冷間圧
延を行ってもよい。
【0045】溶体化処理および焼入れ条件は、金属間化
合物を再固溶し且つ冷却中の再析出を十分に抑制するた
め、特に本発明で製造されたAl合金材を航空機材に適
用する場合は、JIS−W−1103,MIL−H−6
088Fに規定された条件内にて行うことが望ましい。
また溶体化処理および焼入れ処理後の結晶粒径は、熱間
圧延時のパス数、圧下率および圧延温度範囲等の圧延時
条件と、その後必要に応じて行われる冷間圧延での圧下
率、更には溶体化処理中の昇温速度との組合せにより任
意に調整できる。但し、成形加工時のオレンジピールを
避けるには、溶体化処理焼入れ時の結晶粒径は100μ
m以下に調整されることが望ましく、溶体化処理に使用
される熱処理炉は、バッチ炉、連続焼鈍炉、溶融塩浴炉
のいずれも適用できるが、結晶粒径を微細にするという
観点からすれば、5℃/分以上の昇温速度で加熱するこ
とがより望ましい。また焼入れは、水浸漬、水噴射、空
気噴射のいずれを採用しても良い。
【0046】本発明方法で行なわれる熱処理は、バッチ
炉、連続焼鈍炉、熱風ファン、オイルパス、温湯浴槽等
のいずれを採用しても良い。また本発明の熱処理におけ
る条件は、室温程度では溶質原子がG.P.ゾーン化し
SSマーク防止効果を得るまでに長時間を要し実用的で
ないが、例えば40℃まで加熱すれば30分の保持でS
Sマークの発生を防止することができる。また高温まで
加熱すると、時効硬化によって材料強度が高くなり過ぎ
て成形性が低下すると共に、破壊靭性が劣化する。例え
ば120℃で24hrを超える熱処理を行なうと、これ
らの現象が顕著に生じる。このため本発明による熱処理
条件は、40〜120℃で30分以上24時間以下で行
なうことが望ましい。但し、成形加工度の割合が小さ
く、ある程度材料強度が高くても成形ができる場合、あ
るいは破壊靭性が問題とならないような部位に使用され
る場合等には、40〜120℃で24hrを超える条件
で熱処理を行っても良いことは勿論である。
【0047】本発明方法は、熱処理型Al−Cu系,A
l−Cu−Mg系およびAl−Mg−Si系の各Al合
金を心材とし、純Alや7072合金を皮材とする合わ
せ材を製造する場合においても適用でき、本発明による
成形加工時のSSマーク防止効果が損なわれる訳ではな
い。こうした合わせ材を製造する際には、特にCuの心
材成分の皮材中への拡散を低減し耐食性の低下を防止す
るため、心材および皮材を別々に均質化熱処理後、心材
の両側あるいは片側を皮材で被覆後、熱間圧延で圧着し
合わせ材とすることがより望ましい。
【0048】ところで本発明者らは、熱処理型Al合金
に、ZrおよびScのいずれか一方あるいは両方を添加
する場合には、成形加工段階でのAl−Zr系分散粒子
およびAl−Sc系分散粒子のサイズを35〜450Å
に、間隔を0.005〜0.6μmになる様に、化学成
分組成や均質化熱処理を含む熱処理を制御すれば、耐熱
性を向上させることができることを見い出し、先に特許
出願しているが(平成7年9月30日付出願、発明の名
称:「耐熱性に優れたAl合金」)、こうした発明の構
成に、本発明による熱処理を付加すれば、上記効果と共
にSSマークの発生も防止できるので極めて有効であ
る。
【0049】また本発明者らは、熱処理型Al合金にお
いて晶出物間距離を85μm以上とし、且つAl−Mg
系分散粒子サイズ、Al−Cr系分散粒子サイズおよび
Al−Zr系分散粒子サイズを、夫々4000Å以上、
1000Å以上および300Å以上の少なくともいずれ
かを満足する様に、化学成分組成、均質化熱処理および
熱間圧延等を制御すれば、破壊靭性や疲労特性を向上さ
せることができることを見い出し、先に特許出願してい
るが(特願平7−89409号)、こうした発明の構成
に、本発明による熱処理を付加すれば、上記効果と共に
SSマークの発生も防止できるので極めて有効である。
【0050】尚本発明方法は、熱処理型Al合金展伸材
であればいずれでも適用できるものであり、対象とする
Al合金は、板材、形材および鍛造材を問わないことは
勿論である。また本発明による熱処理は、Alマトリッ
クス中の溶質原子の制御を目的に行うものであり、この
ため本発明に定める熱処理温度域に溶体化熱処理温度か
ら直接焼入れし、その後本発明に定める熱処理条件で処
理を行っても良く、こうした構成を採用しても本発明の
効果が得られる。更に、例えばAl合金がO材(焼まな
し材)であっても、SSマークが発生し易い場合には、
本発明による熱処理を追加して行なうことも有効であ
り、これによってSSマークの発生を防止することがで
きる。
【0051】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
でななく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0052】
【実施例】下記実施例においてはいずれも、結晶粒は溶
体化処理および焼入れ後、板表面から約0.05〜0.
1mmまで機械研磨した後、電解エッチングし光学顕微
鏡を用いて観察した。このとき粒径は、L方向でライン
インターセプト法にて測定した。また1測定のライン長
は500μmとし、1視野当たり各5本で計5視野観察
することにより全測定ライン長を500×25(μm)
とした。またSSマークの評価は、応力歪み曲線形状を
用いて行なった。引張試験は、JIS5号試験片を用い
てクロスヘッド速度5mm/分で圧延方向と直角方向に
引張を行なった。このときSSマークのAタイプの評価
には、降伏伸びを使用し、発生した場合を×、発生しな
い場合を○と評価した。一方Bタイプの評価には、応力
歪み曲線において鋸歯状曲線が発生した場合を×、発生
しない場合を○とした。
【0053】実施例1 Cu:4.4%,Mg:1.5%,Mn:0.6%,F
e:0.25%,Si:0.20%,Zn:0.06
%,Ti:0.06%を夫々含有し、残部が不純物とA
lとからなるAl合金を、溶解鋳造して440mm厚の
鋳塊とした。片面当たり30mm、両面で60mmの面
削を行った後、480℃で12hrの均質化熱処理を行
ない、熱間圧延を開始温度450℃、終了温度340℃
にて4.2mm厚まで行ない、その後冷間圧延にて2.
5mm厚の板とした。この冷間圧延材を、硝石炉で49
4℃×35分間の溶体化処理を行なった後、直ちに水焼
入れして供試材とし、下記表1に示す熱処理を行なっ
た。尚得られた供試材の結晶粒径dLは約25μmであ
った。熱処理を行なった後の供試材における引張特性
(引張強さσB ,0.2%耐力σ0.2 ,伸びδ)やSS
マーク発生状況を、熱処理条件と共に下記表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかな様に、本発明による熱処
理を行うことによって、良好な引張特性を維持したまま
SSマークの発生を防止できることが分かる。
【0056】実施例2 Cu:4.4%,Mg:1.5%,Mn:0.6%,F
e:0.25%,Si:0.20%,Zn:0.06
%,Ti:0.06%を夫々含有し、残部が不純物とA
lとからなるAl合金を、溶解鋳造して440mm厚の
鋳塊とした。片面当たり30mm、両面で60mmの面
削を行った後、480℃で12hrの均質化熱処理を行
ない、熱間圧延を開始温度450℃、終了温度340℃
にて4.2mm,3.3mm,2.8mmの3種類の板
厚まで行ない、その後冷間圧延にて2.5mm厚の板と
した。これらの冷間圧延材を、硝石炉で494℃×35
分間の溶体化処理を行なった後、直ちに水焼入れし供試
材とした後、下記表2に示す熱処理を行なった。尚得ら
れた供試材の結晶粒径dLは、熱間終了厚4.2mm材
は25μm、3.3mm材は50μm、2.8mm材は
80μmであった。熱処理を行なった後の供試材におけ
る引張特性(引張強さσB ,0.2%耐力σ0.2 ,伸び
δ)やSSマーク発生状況を、熱処理条件と共に下記表
1に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2から明らかな様に、本発明による熱処
理を行うことによって、良好な引張特性を維持したまま
SSマークの発生を防止できることが分かる。
【0059】実施例3 Cu:5.2%,Fe:0.35%,Si:0.30
%,Ti:0.06%を夫々含有し、残部が不純物とA
lとからなるAl合金を、溶解鋳造して50mm厚の鋳
塊とした。片面当たり3mm、両面で6mmの面削を行
った後、490℃×8hrの均質化熱処理を行ない、直
ちに5mm厚さまで熱間圧延を行い、その後冷間圧延を
行ない、2.5mm厚の板とした。冷間圧延を494℃
×35分間の溶体化処理後直ちに水焼入れし、2%のス
トレッチを行った後、下記表3に示す熱処理を行った。
なお、供試材の結晶粒径dLは約25μmであった。熱
処理を行なった後の供試材の引張特性(引張強さσB
0.2%耐力σ0.2 ,伸びδ)やSSマーク発生状況
を、熱処理条件と共に下記表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】表3から明らかな様に、本発明による熱処
理を行うことによって、良好な引張特性を維持したまま
SSマークの発生を防止できることが分かる。
【0062】実施例4 Mg:1.0%,Si:0.6%,Cu:0.2%,C
r:0.2%,Fe:0.25%,Zn:0.07%,
Ti:0.055%を夫々含有し、残部が不純物とAl
とからなるAl合金を、溶解鋳造して50mm厚の鋳塊
とした。片面当たり3mm、両面で6mmの面削を行っ
た後、450℃で6hrの均質化熱処理を行い、直ちに
3mm厚さまで熱間圧延を行い、続けて冷間圧延を行い
2.5mm厚の板とした。冷間圧延を520℃×30分
間の溶体化処理後直ちに水焼入れし、レベラーで焼入れ
歪を矯正後、下記表4に示す熱処理を行なった。尚得ら
れた供試材の結晶粒径dLは約35μmであった。熱処
理を行なった後の供試材における引張特性(引張強さσ
B ,0.2%耐力σ0.2 ,伸びδ)やSSマーク発生状
況を、熱処理条件と共に下記表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】表4から明らかな様に、本発明による熱処
理を行うことによって、良好な引張特性を維持したまま
SSマークの発生を防止できることが分かる。
【0065】実施例5 Mg:1.0%,Si:0.6%,Cu:0.2%,C
r:0.18%,Fe:0.20%,Zn:0.06
%,Ti:0.06%を夫々含有し、残部が不純物とA
lとからなるAl合金を溶解鋳造し50mm厚の鋳塊と
した。片面当たり3mm、両面で6mmの面削を行なっ
た後、450℃で6hrの均質化熱処理を行ない、直ち
に3mm厚さまで熱間圧延を行ない、続けて冷間圧延を
行ない2.5mm厚の板とした。冷間圧延を520℃×
30分間の溶体化処理後直ちに水焼入れし、レベラーで
焼入れ歪を矯正後、下記表5に示す熱処理を行なった。
このとき、2.5mm厚の冷間圧延板を415℃で2.
5hrの焼鈍後、30℃/hrの冷却速度で冷却したも
のを比較材(O材)とした。尚得られた供試材の結晶粒
径dLは、発明例および比較例で夫々約33μmおよび
37μmであった。熱処理を行なった後の供試材および
比較材における引張特性(引張強さσB ,0.2%耐力
σ0.2 ,伸びδ)やSSマーク発生状況を、供試材の熱
処理条件と共に下記表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】表5から明らかな様に、本発明による熱処
理を行うことによって、良好な引張特性を維持したまま
SSマークの発生を防止できることが分かる。
【0068】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、S
Sマークが発生しない熱処理型Al合金の製造方法が確
立できた。またこうした熱処理型Al合金が得られるこ
とによって、(1)成形加工後の美観を保ち、(2)成
形加工後の手直し等に要する工数を減らし加工コストを
低減し、(3)成形可能限界を拡大することができ、任
意の形状に成形が可能であるという効果も得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 友晴 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu:1〜8%(質量%の意味、以下同
    じ)を含有すると共に、Mn:0.05〜0.8%,C
    r:0.05〜0.3%,Zr:0.05〜0.15
    %,Sc:0.05〜1%およびV:0.05〜0.1
    5%よりなる群から選ばれる1種以上を含有するAl合
    金を素材とし、この素材を均熱処理および熱間加工し、
    必要に応じて冷間加工した後、溶体化処理および焼入れ
    を行ない、その後最終成形加工迄の任意の時期に、40
    〜120℃の熱処理を行なうことを特徴とする最終成形
    加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しな
    い熱処理型Al合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 更に、Mg:2.5%以下を含有するA
    l合金を素材とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 更に、Ni:2.4%以下を含有するA
    l合金を素材とする請求項1または2に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 更に、Zn:1%以下を含有するAl合
    金を素材とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 Feの含有量を1.5%未満に抑制した
    Al合金を素材とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 Mg:0.2〜2%およびSi:0.1
    〜1.5%を含有すると共に、Mn:0.05〜0.8
    %,Cr:0.05〜0.3%,Zr:0.05〜0.
    15%,Sc:0.05〜1%およびV:0.05〜
    0.15%よりなる群から選ばれる1種以上を含有する
    Al合金を素材とし、この素材を均熱処理および熱間加
    工し、必要に応じて冷間加工した後、溶体化処理および
    焼入れを行ない、その後最終成形加工迄の任意の時期
    に、40〜120℃の熱処理を行なうことを特徴とする
    最終成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの
    発生しない熱処理型Al合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 更に、Cu:1%以下を含有するAl合
    金を素材とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 更に、Ni:2.4%以下を含有するA
    l合金を素材とする請求項6または7に記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 更に、Zn:1%以下を含有するAl合
    金を素材とする請求項6〜8のいずれかに記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 Feの含有量を1.5%未満に抑制し
    たAl合金を素材とする請求項6〜9のいずれかに記載
    の製造方法。
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