JPH09113488A - 電磁気的材質評価方法及び装置 - Google Patents

電磁気的材質評価方法及び装置

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JPH09113488A
JPH09113488A JP26715795A JP26715795A JPH09113488A JP H09113488 A JPH09113488 A JP H09113488A JP 26715795 A JP26715795 A JP 26715795A JP 26715795 A JP26715795 A JP 26715795A JP H09113488 A JPH09113488 A JP H09113488A
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JP
Japan
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coil
impedance
electromagnetic
subject
base material
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JP26715795A
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Chie Ogawa
川 智 恵 小
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 単一の被検体(試料)を用い導電率及び透磁
率を非破壊的に評価する電磁気的材質評価方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 被検体20の電磁気的材質を評価する電
磁気的材質評価方法であって、インピーダンスの既知の
コイル1を被検体に対し所定距離に近接させてコイルに
交流電流を流し、被検体に誘起される渦電流強度を測定
し、測定した渦電流強度から励磁状態にあるコイルのイ
ンピーダンスを求め、求めたコイルのインピーダンスを
予め電磁解析により求めておいた導電率及び透磁率とイ
ンピーダンスとの関係に関するデータベースと比較し、
被検体の導電率及び透磁率を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁気的材質評価
法及び装置に係り、特に電磁気的な非破壊手法により導
体の電磁気的性質を評価する電磁気的材質評価法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁気的材質の電磁気的な非破壊評価法
においては、その出力信号は被検体の電磁気的定数であ
る透磁率及び導電率によって変化するため、材質評価カ
ーブを作成するためには、材料の透磁率及び導電率相互
の評価をすることが極めて重要である。
【0003】しかし従来の計測技術では、材料の電磁気
的定数である透磁率及び導電率を計測するためにそれぞ
れ別の計測装置を用い、その装置特有のサンプルを必要
とするため作業性が悪かった。
【0004】各々の計測手法の例として、透磁率測定に
は磁気天秤や振動型磁化測定装置が用いられ、導電率の
測定には四端子法などが挙げられるが、いずれも特定サ
ンプルを用意する方法である。
【0005】また非磁性材料においては渦流探傷器の応
用技術により、プローブコイルの出力と装置内部に持つ
マスターカーブとにより任意の形状のサンプルの導電率
を計測できることが知られているが、この装置は磁性の
影響が考慮されていないため強磁性材については正確な
値が計測されなかった。そこで、材料の導電率及び透磁
率などの電磁気的性質を非破壊的に評価する手法が必要
である。
【0006】例えば、ガスタービン、蒸気タービンなど
の高温で長時間使用される機器の構造部材は、運転中の
燃焼ガスなどによる高温暴露により主に定常運転時に蓄
積されるクリープ損傷と、主に起動停止時に蓄積される
疲労損傷などを受け、材料中に劣化が蓄積される。これ
らの劣化が蓄積した構造部材には微視的な劣化相の出
現、微傷亀裂の発生などが起こり、つにいは大きな変形
から破断に進展することがある。
【0007】また、ガスタービンや蒸気タービンには、
需要者側の電力需要増減要求によって起動停止が頻繁に
なり、急激な運転変動にともなうガスあるいは蒸気の温
度や圧力の変化の影響を受けるようになった。このよう
な状況下で、上述の劣化は従来の経験測よりも短時間で
進行することが、定期点検あるいは実機材の劣化調査な
どから明らかとなってきた。
【0008】更にガスタービンにおいては、燃焼ガスの
タービン入り口温度を上昇させると熱効率が上昇するこ
とが知られており、地球環境保護(CO2 低減)の観点
からも入力温度は、ますます高温化する傾向にある。し
かし部品側からみれば、より過酷な環境に曝されること
を意味し、短寿命化にともなう部品あたりの材料コスト
の上昇は熱効率向上による利益を相殺しかねない状況に
ある。
【0009】以上に述べたような背景下で機器の安定運
用を図るために、高温構造材料の劣化診断技術の高精度
化、及び部品毎のきめ細かい保守管理が必要とされてい
る。
【0010】ところで、ガスタービン動翼には高温強度
の高いNi基超合金が多用されており、更に温度環境の
最も厳しい第1段動翼の燃焼ガス通路部には、動翼の酸
化・劣化に対する寿命を長期化するため耐酸化性コーテ
ィングが施されている。このコーティングは、ある組成
の金属粉末を、真空プラズマ溶射法により動翼に吹き付
けて翼全体を覆うもので、このコーティングの施工によ
る動翼の酸化及び腐食損傷の進行が抑えられる。
【0011】但し、このような耐酸化コーティングにつ
いても、上述の構造材料と同様に高温による損傷を受
け、運転中に材質が劣化する。翼全体の寿命を考えた場
合、コーティング寿命は基材寿命よりも短く、コーティ
ングだけが劣化している段階でリコーティングを行う必
要がある。コーティングだけの劣化を検出する方法とし
ては、コーティング表面の導電率変化から推定する方法
(特開平5−26054)などが提案されている。
【0012】しかし、基材まで劣化が進行した段階で
は、再コーティングしても寿命延長の効果が望めず、再
コーティング不可と診断された実機翼材は、そのままの
状態で本来の翼材が持つ寿命まで運転に供される。それ
らの再コーティング不可と診断された動翼の廃却基準と
しては、基材中の劣化進行度合いが目安となるが、コー
ティング上から基材の劣化を非破壊的に診断することは
難しく、ガスタービン第1段動翼の劣化損傷評価の重要
課題の1つとなっている。
【0013】また、ガスタービン動翼の製造段階でコー
ティング厚さを計測する有効な方法が従来知られておら
ず、同条件で製造した翼の抜き取り切断検査に頼ってい
る。
【0014】効率向上を念頭においた翼形状の多様化も
あって、現状の検出方法では多大なコストを要してい
る。
【0015】また、運転中に吹きつけられる燃焼ガスに
よる、コーティング肉厚の減少も劣化形態の1つとして
現れる。この減肉が生じた動翼では耐酸化コーテイング
の目的が失われ、基材の劣化が逸早く引き起こされるた
め、基材の材質劣化と同様に減肉の検出もコーティング
劣化損傷評価の重要課題となっている。
【0016】その他の例では、ある構造物中の一部材は
ガスを含浸させ使用するため多孔質材で生成されてい
る。この構造物の性能はガスの含浸量によって評価さ
れ、ガスの含浸量は上述した多孔質材の気孔率によって
左右される。このため、部材製造時の気孔率管理は大変
重要な意味を持っているのであるが、現在これを評価す
るための有効な非破壊評価手法がなく、上述したガスタ
ービン第1段動翼切断検査に頼っている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】電磁気的な非破壊評価
手法において重要な意味を持つ導体の電磁気的定数(導
電率及び透磁率)の評価は、それぞれ四端子法による導
電率計測と磁気天秤による透磁率測定のように別々の計
測試験を行わなければならず、それぞれの測定に個別に
独自のサンプルを要した。
【0018】ガスタービン動翼の耐酸化コーティング下
部の基材劣化を検出する方法及び耐酸化コーティングの
減肉量を評価する方法には、有力な非破壊的手段がな
く、定期点検中などに翼材料の一部を抜き取り、切断し
て組織観察を実施し、劣化状態及び減肉量を決定する方
法が実施されていた。
【0019】また金属組織を非破壊的に観察する方法と
して、フィルムに組織を転写して観察するレプリカ法と
呼ばれる方法があるが、本発明で対象としている基材劣
化及び減肉は、コーティング表面に現れない類のもので
あるため、表面の金属組織変化を検出するレプリカ法で
は検出不可能で、コーティング施工部にはこのレプリカ
法が採用できない。
【0020】多孔質材の非破壊的な気孔率評価法は、有
力な手法がなく、切断し、密度と体積の関係から平均気
孔率を求める手法がとられていた。
【0021】また、非破壊的な評価法としては、X線撮
影法や超音波法があるがいずれも管理区域の問題や作業
性から余り実施されていなかった。
【0022】そこで本発明の目的は、上述の従来技術の
有する問題を解消し、単一の被検体(試料)を用い、導
電率及び透磁率を非破壊的に評価する手法及び装置と、
ガスタービンを含む構造物のメンテナンスを効果的に実
施するための非破壊評価手法で膜厚計測及び異物含有率
計測の手法とその装置、多孔質材の気孔率評価手法及び
装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電磁気的材質評価方法は、被検体の電磁気
的材質を評価する電磁気的材質評価方法であって、イン
ピーダンスの既知のコイルを前記被検体に対し所定距離
に近接させて前記コイルに交流電流を流し、前記被検体
に誘起される渦電流強度を測定し、測定した渦電流強度
から励磁状態にある前記コイルのインピーダンスを求
め、求めた前記コイルのインピーダンスを予め電磁解析
により求めておいた導電率及び透磁率とインピーダンス
との関係に関するデータベースと比較し、前記被検体の
導電率及び透磁率を評価することを特徴とする。
【0024】また、基材とこの基材上に被覆されたコー
ティング材とからなる被検体の前記コーティング材の膜
厚を評価する電磁気的材質評価方法であって、インピー
ダンスの既知のコイルを前記被検体に対し所定距離に近
接させて前記コイルに交流電流を流し、前記被検体に誘
起される渦電流強度を測定し、測定した渦電流強度から
励磁状態にある前記コイルのインピーダンスを求め、求
めた前記コイルのインピーダンスを予め電磁解析により
求めておいた前記コーティング材の膜厚とインピーダン
スとの関係に関するデータベースと比較し、前記被検体
の前記コーティング材の膜厚を評価することを特徴とす
る。
【0025】また、好適には、前記基材または前記コー
ティング材の少なくとも一方の導電率及び透磁率が未知
の場合に、前記基材または前記コーティング材の導電率
及び透磁率を、請求項1に記載の電磁気的材質評価方法
で評価する。
【0026】また、基材とこの基材中に含有される異材
とからなる被検体の前記異材の体積率を評価する電磁気
的材質評価方法であって、インピーダンスの既知のコイ
ルを前記被検体に対し所定距離に近接させて前記コイル
に交流電流を流し、前記被検体に誘起される渦電流強度
を測定し、測定した渦電流強度から励磁状態にある前記
コイルのインピーダンスを求め、求めた前記コイルのイ
ンピーダンスを予め電磁解析により求めておいた前記異
材の体積率とインピーダンスとの関係に関するデータベ
ースと比較し、前記被検体の前記異材の体積率を評価す
ることを特徴とする。
【0027】また、好適には、前記基材または前記異材
の少なくとも一方の導電率及び透磁率が未知の場合に、
前記基材または前記異材の導電率及び透磁率を、請求項
1に記載の電磁気的材質評価方法で評価する。
【0028】また、基材とこの基材上に耐熱用あるいは
耐酸化用その他の目的で被覆されたコーティング材とか
らなる被検体の前記コーティング材の膜厚を請求項2に
記載の電磁気的材質評価方法で評価し、前記コーティン
グの厚さの減肉に関する情報から前記被検体の劣化程度
を把握することを特徴とする。
【0029】また、基材とこの基材中に含有される異材
とからなる高温使用される被検体に析出する劣化相の体
積率を請求項4に記載の電磁気的材質評価方法で評価
し、求めた前記劣化相の体積率を予め求めておいた前記
劣化相の体積率と劣化度の関係に関するデータベースと
比較し、前記被検体の劣化程度を検出することを特徴と
する。
【0030】また、基材中に多数の孔が形成された多孔
質材からなる被検体の気孔率を評価する電磁気的材質評
価方法であって、インピーダンスの既知のコイルを前記
被検体に対し所定距離に近接させて前記コイルに交流電
流を流し、前記被検体に誘起される渦電流強度を測定
し、測定した渦電流強度から励磁状態にある前記コイル
のインピーダンスを求め、求めた前記コイルのインピー
ダンスを予め電磁解析により求めておいた前記被検体の
気孔率とインピーダンスとの関係に関するデータベース
と比較し、前記被検体の前記基材中の気孔率を評価する
ことを特徴とする。
【0031】また、被検体の電磁気的材質を評価する電
磁気的材質評価装置であって、インピーダンスの既知の
コイルと、前記コイルを前記被検体に対し所定距離に近
接させて前記コイルに交流電流を流し前記被検体に誘起
される渦電流強度を測定し、測定した渦電流強度から励
磁状態にある前記コイルのインピーダンスを求めるイン
ピーダンス計測手段と、電磁解析により求めた導電率及
び透磁率とインピーダンスとの関係に関するデータベー
スと、を備えることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】上述の発明において、導電性被検
体に励磁したコイルを近接して導体中を流れる渦電流を
計測し、この値と導体の導電率、透磁率を変化させなが
ら電磁解析したシミュレーション結果を比較すること
で、シミュレーションにより計測値が再現されたときの
導電率及び透磁率を被検体の導電率、透磁率として材質
を評価する。
【0033】導電性被検体の電磁気的材料定数の計測
は、電磁誘導現象による被検体に流れる渦電流の計測に
よって行う。
【0034】この手法(以下渦電流法)とは、励磁コイ
ルを導体に近接し、導体中に流れる渦電流量をコイルイ
ンピーダンスの変化として捉えるもので、導体に流れる
渦電流の量は導体の透磁率及び導電率、導体を貫く磁束
密度などで決定される。非破壊検査便覧(日本非破壊検
査編:日刊工業出版)第5編電磁誘導試験から引用する
と励磁コイルインピーダンスは以下のように求められ
る。
【0035】空心コイル(インピーダンス:Z0 =R0
+jωL0 )を導体に近接したとき、導体の材質及びコ
イルと導体との相対的位置によって定まる実効透磁率μ
eff μeff =μ′−jμ″ (1) を用いて、コイルインピーダンスZをつぎのように表
す。
【0036】 Z=R+jωL=R0 +μeff ・jωL0 =(R0 +μ″)+jωμ′L0 (2) μ″=(R−R0 )/ωL0 は導体における熱的損失に
よる抵抗の変化、μ′=ωL/ωL0 は同じく導体がコ
イルが近接した時のインダクタンスの変化に対応する
(非破壊検査便覧、P655〜P656)。
【0037】ここに示す実効透磁率μeff は、導体を貫
く時速密度に依存するもので、時速密度はコイルに発生
する地場と導体の透磁率と、コイルと導体との一関係と
によって定まる。
【0038】またコイルインピーダンスZをZ=R+j
ωLとした時、抵抗Rはコイル及びそれに近接した導体
における熱的損失P=RI2 に対応するもので R=R0 +re +rh +rn (3) と表される。 但し、Z :コイルインピーダンス Z0 :空心コイルインピーダンス R :コイル抵抗 R0 :空心コイル抵抗 L :コイルインダクタンス L0 :空心コイルインダクタンス re :渦電流損失 rh :ヒステリシツ損失 rn :その他の損失 を示している。
【0039】熱的損失は主にコイル抵抗Rによる熱損失
と渦電流損失re によるものであり、コイルを導体に近
接することで変化する損失量は導体に発生する損失量で
ある。
【0040】コイルのインピーダンスは、導体を貫く磁
束密度及び導体に流れる渦電流損失によって表すことが
できる。この導体を貫く磁束密度及び導体に流れる渦電
流損失は、Maxwellの方程式を支配方程式とした磁気ポ
テンシャル法を用いて推定可能であり、励磁コイルを導
体に近接したときのコイルインピーダンスを渦電流解析
により求めた磁束密度及び渦電流損失によってシミュレ
ーション可能である。
【0041】ここで、Maxwellの方程式は、導体の導電
率及び透磁率を変数として磁束密度及び渦電流損失を計
算する方程式である。この方程式を支配方程式とする渦
電流解析(電磁解析)は、コイルを流れる電流及び交流
周波数と導体の導電率及び透磁率をパラメータとして有
限要素法解析により磁束密度と渦電流損失を計算する解
析手法である。
【0042】導体に近接したコイルのインピーダンス
は、この導体の導電率及び透磁率によって変化する磁束
密度と渦電流損失を知ることによって決定できる。この
磁束密度と渦電流損失は導体の導電率及び透磁率を用い
渦電流解析によって推定可能である。導電率及び透磁率
が未知の被検体に対して、渦電流法で被検体のコイルイ
ンピーダンスを計測し、この計測結果を導電率及び透磁
率を変化させながら渦電流解析によってシミュレーショ
ン結果と比較し、被検体の導電率及び透磁率を推定す
る。
【0043】渦電流法で計測されるプローブコイルイン
ピーダンスは被検査導体の導電率及び透磁率、形状また
コイル形状周波数により一意的に決定される値である。
またコイル形状、周波数、被検体形状を決定すれば、コ
イルインピーダンスは被検体の導電率及び透磁率に依存
して変化することから、逆にコイル形状、周波数、被検
体形状を特定できればコイルインピーダンスの値から、
被検体導電率及び透磁率を評価可能である。
【0044】つまり、仕様の確認されたコイルによって
被検体を励磁し、被検体中に流れる渦電流を計測するこ
とで、この被検体の導電率及び透磁率を評価することが
できる。
【0045】すなわち、本発明に係わる電磁気的材質評
価方法によれば、ある特定のコイル形状、周波数、被検
体形状を用いた場合、励磁コイルを被検体に接触させる
だけで、コイルインピーダンスと予め求めておいた例え
ば図2に示すようなマスターカーブとの比較により導電
率及び透磁率を同時に推定し、被検体の電磁気的材質を
評価できる。
【0046】また任意のコイル形状、周波数、被検体形
状においても、電磁気解析を用い、導電率及び透磁率を
変化させながらコイルインピーダンスをシミュレーショ
ンすることで被検体の導電率及び透磁率を推定し、電磁
気的材質を評価できる。
【0047】また、高温で使用される構造部材に耐熱、
耐酸化などの目的で被覆してあるコーティングの厚さ
を、コーティングと基材との電磁気定数の差を利用し
て、渦電流コイルインピーダンスを計測し、電磁解析に
よるコイルインピーダンスシミュレーション(または実
験により作成したデータベース)のコーティングの厚さ
とコイルインピーダンスとの関係と照らして、コーティ
ング厚さを推定することができる。
【0048】また、構造材料に含有された異材の体積率
を基材と含有物との電磁気定数の差を利用して、渦電流
コイルインピーダンスを計測し、電磁気解析によるコイ
ルインピーダンスシミュレーション(または実験による
データベース)の異材含有物の体積率とコイルインピー
ダンスの関係と照らして、異材含有物の体積率を推定す
ることができる。
【0049】また、高温構造部材の劣化程度を検出する
ことについて、高温で使用される構造部材に耐熱、耐酸
化などの目的で被覆してあるコーティングに、たとえば
燃焼ガスが吹き付けられることにより起こるコーティン
グ厚さの減肉量を評価し、部材の劣化状態を把握するこ
とができる。
【0050】また、高温構造部材の劣化程度を検出する
ことについて、高温で使用される構造部材について渦電
流コイルインピーダンスを計測することで、劣化相の体
積率とコイルインピーダンスの関係に照らし、劣化相の
発生状況を推定することができる。
【0051】また、多孔質部材の気孔率を評価すること
について、多孔質材について渦電流コイルインピーダン
スを計測することで、空気体積率とコイルインピーダン
スの関係に照らし、気孔率を推定することができる。
【0052】
【実施例】以下に図面を参照して、本発明による電磁気
材料の導電率及び透磁率による電磁気的材質評価方法及
び装置の実施例を説明する。
【0053】図1及び図2を参照して第1の実施例につ
いて説明する。図1は本実施例による電磁気定数の評価
手順を示している。まず初期情報として、励磁コイル形
状(仕様)、周波数を決定し、空気中でのコイルインピ
ーダンスを計測する(ステップS101)。
【0054】この時、被検体の寸法の小さいものに対し
ては被検体の寸法を計測しておく。つぎに励磁コイルを
被検体に接触(または近接)させ、この時のコイルイン
ピーダンスを計測する(ステップS102)。
【0055】初期情報として得られている励磁コイル形
状(仕様)と周波数及び被検体寸法の情報を用いて、導
電率及び透磁率をそれぞれ変化させた時のコイルインピ
ーダンスをシミュレーションし、導電率あるいは透磁率
に対するインピーダンスの関係を示すマトリックス(コ
イルインピーダンス平面)を作成する(ステップS10
3)。
【0056】図2にシミュレーションによって求めたコ
イルインピーダンスマトリックス(インピーダンス平
面)の例を示す。図2(a)はコイルの断面図と平面図
である。図2(b)は、横軸にωL0 で規格化したコイ
ル抵抗Rをとり、縦軸にωL0で規格化したωLの1か
らのずれの大きさをとって示したコイルインピーダンス
マトリックス(インピーダンス平面)である。コイルイ
ンピーダンスマトリックス(インピーダンス平面)で
は、導電率σをパラメータにした曲線と、透磁率μをパ
ラメータにした曲線が描かれている。
【0057】次に、ステップS102で計測したコイル
インピーダンスZからR/ωL0 とωL/ωL0 −1を
求め、この求めた値からステップS103で作成したコ
イルインピーダンスマトリックス(インピーダンス平
面)上の点(R/ωL0 、ωL/ωL0 −1)を特定
し、この特定した点に最も近い導電率σのパラメータ曲
線と透磁率μのパラメータ曲線より、最も確からしい導
電率σ及び透磁率μを選定し、被検体の導電率、透磁率
とする(ステップS104)。
【0058】また推定した導電率及び透磁率が確からし
い値であるかを確認するため、初期情報の位置設定のみ
を変えて、ステップ101〜104をくり返し、同じ導
電率、透磁率に収束するかを確認する(ステップS10
5)。
【0059】本実施例の電磁気的材質評価によれば、励
磁したコイルを導体に接触または近接させ、導体中に流
れる渦電流の量をコイルインピーダンスZの変化として
計測することで、シミュレーションにより求めたインピ
ーダンス平面との比較から導体の導電率及び透磁率が推
定できる。
【0060】この結果、励磁コイルを導体に接触または
近接するだけで、導体の導電率及び透磁率が推定できる
ため、これまで電磁気定数を計測する際に必要としてい
た導電率測定用または透磁率測定用のサンプルを用いず
に任意形状のサンプルで導電率、透磁率を推定し、非破
壊的に電磁気的材質を評価できる。また、非接触での計
測が可能であるため、特定の形状に加工された試験片に
限らず、実際の複雑形状を有する被検物に対しても容易
に適用できる。
【0061】次に、図3を参照して本発明の第2実施例
について説明する。図3は、電磁気的材質評価装置の概
念構成図を示す。電磁気定数計測装置は被検体である導
体20に渦電流を流しこれを計測するための交流角周波
数ωで励磁したコイル1と、このコイル1のインピーダ
ンスを読み取るためのインピーダンス計測器2と、導電
率及び透磁率の変化によるコイルインピーダンスを示し
たコイルインピーダンスマトリックス(インピーダンス
平面)を作成、記憶するデータベース領域3と、初期情
報/設定などの入力をする入力装置4と、計測されたコ
イルインピーダンスとコイルマトリックス及び初期情報
より導体の導電率及び透磁率を推定する演算装置5と、
電磁気装置に付加価値をつけるための記憶装置6と、計
測結果及び評価結果を出力するための出力装置7とから
構成される。
【0062】データベース領域3は、通常よく用いられ
るコイル形状や、周波数に関してのみコイルインピーダ
ンスマトリックスとしてシミュレーション結果を記憶し
ており、その他の場合は各条件でシミュレーションしマ
トリックスを作成する。また一度作成されたマトリック
スは記憶容量などの条件により、利用者の判断で保管、
廃却を可能にする。
【0063】本実施例の電磁気定数計測装置によれば、
励磁コイルを導体に近接するだけで、初期条件より適切
なコイルインピーダンスマトリックスをデータベース領
域より検索(もしくは作成)し、このマトリックスより
導電率、透磁率を評価することができる。またこの装置
は導電率、透磁率の違いにより、板圧計測、異材含有率
計測に利用できる。
【0064】この結果、励磁コイルを被検体に接触(ま
たは近接)するだけで材料の導電率、透磁率が推定でき
るため任意のサンプルの電磁気的材質評価が可能であ
る。また非接触での計測も可能であるため、複雑な形状
試験片への適用性が高く、また現場適用性も高い。
【0065】次に、図4を参照して本発明の第3実施例
について説明する。本実施例は、コーティング膜厚計測
方法及びその装置に係り、図2に示した電磁気的材質評
価装置を用い、基材とコーティング材の導電率または透
磁率の違いから起きるインピーダンスの変化を計測し、
コーティング膜厚を評価することに関する。
【0066】図4(a)は、電磁気的材質評価装置とし
てのコーティング厚さ計測装置8の概念構成図を示す。
図4(b)は図4(a)に示す装置を使用する場合の評
価フローを示す。コーティング厚さ計測装置8は励磁コ
イル1を被検体21に接触(または近接)することで被
検体中に流れる渦電流量を計測する。被検体21は基材
上にコーティング材が被覆されており、コーティング材
の膜厚が評価の対象である。
【0067】コーティング厚さ計測装置8の内部の記憶
装置8aにはコーティング厚さとインピーダンスの関係
を示したマスターカーブ8bが格納されている。マスタ
ーカーブ8bと渦電流量を計測により得たインピーダン
スの値とを比較して被検物21のコーティング材の膜厚
が推定される。
【0068】図4(b)において、マスターカーブ8b
の作成は次にようにして行われる。コーティング材と基
材の導電率及び透磁率が未知の場合には、図2に示した
電磁気的材質評価装置を用いて導電率及び透磁率の計測
(ステップS106)を行い、コーティング材と基材の
導電率及び透磁率を求める。次に、シミュレーションモ
デルでコーティング部の厚さを変化させながらコイルイ
ンピーダンスを電磁解析法でシミュレーションし、コー
ティング厚さに対するコイルインピーダンスの変化を求
め、マスターカーブ8bを作成する(ステップS10
7)。コーティング材と基材の導電率及び透磁率が既知
の場合には、ステップS106は省略される。
【0069】ただし、コーティング材と基材の導電率及
び透磁率を計測するためには、評価の対象となる試験片
それ自体ではなくともよく、コーティング材と基材の各
々は次のような組み合わせのいずれかであればよい。す
なわち、コーティング材と基材のそれぞれがバルク試験
片である場合、またはコーティング材のバルク試験片と
コーティング厚さのわかるコーティング試験片である場
合、基材のバルク試験片とコーティング厚さが既知のコ
ーティング試験片である場合、またはコーティング厚さ
の異なる2種類のコーティング試験片である場合の、い
ずれかであればよい。ここで、バルク試験片とは、コー
ティング材または基材のいずれかの単一な材料からなる
試験片をさし、コーティング試験片とは基材にコーティ
ング材がある試験片をさす。
【0070】本実施例によれば、導電率、透磁率が既知
のコーティング材及び基材でできたコーティング試験片
に対して励磁コイルを接触(または近接)するだけで、
コーティング厚さを評価できる。
【0071】また、評価の対象となる試験片それ自体で
はなく、コーティング材と基材のそれぞれがバルク試験
片、またはコーティング材のバルク試験片とコーティン
グ厚さのわかるコーティング試験片、または基材のバル
ク試験片とコーティング厚さが既知のコーティング試験
片、またはコーティング厚さの異なる2種類のコーティ
ング試験片のいずれかを用意し、これらのインピーダン
スを計測後、励磁したコイルを被検体に接触(または近
接)することでコーティング厚さを評価することができ
る。
【0072】この結果、これまで破壊調査を行ってきた
コーティング厚さの評価を非破壊で行うことができる。
また、このコーティング厚さの評価は完全な非破壊的手
法であるため、製造時のライン検査技術に適用すること
が可能である。
【0073】次に、図5を参照して本発明の第4実施例
について説明する。
【0074】本実施例は、構造材料に含有された異材の
体積率計測法及びその装置に係り、図2に示した電磁気
材料計測装置を用い、基材と含有物の導電率または透磁
率の違いから起きるインピーダンスの変化を計測し、異
材の体積率を評価することに関する。
【0075】図5(a)は、電磁気的材質評価装置とし
ての異材含有率の計測装置9の概念構成図を示す。図5
(b)は図5(a)に示す装置を使用し、異材含有率を
計測する場合の評価フローを示す。異材含有率の計測装
置9は励磁コイル1を被検体22に接触(または近接)
することで被検体中に流れる渦電流量を計測する。被検
体22の構造材料中には異材が含有されており、この異
材の体積率が評価の対象である。
【0076】異材含有率の計測装置9の内部の記憶装置
9aには異物含有率とインピーダンスの関係を示したマ
スターカーブ9bが格納されている。マスターカーブ9
bと渦電流量を計測により得たインピーダンスの値とを
比較して被検物22の異物含有率が推定される。
【0077】図5(b)において、マスターカーブ9b
の作成は、次のようにして行われる。
【0078】異材と基材の導電率及び透磁率が未知の場
合には、図2に示した電磁気的材質評価装置を用いて導
電率及び透磁率の計測(ステップS108)を行い、異
材と基材の導電率及び透磁率を求める。次に、シミュレ
ーションモデルで異材含有率を変化させながらコイルイ
ンピーダンスを電磁解析法でシミュレーションし、異材
含有率に対するコイルインピーダンスの変化を求め、マ
スターカーブ9bを作成する(ステップS109)。異
材と基材の導電率及び透磁率が既知の場合には、ステッ
プS108は省略される。
【0079】ただし、異材と基材の導電率及び透磁率を
計測するためには、評価の対象となる試験片それ自体で
はなくともよく、異材と基材の各々は次のような組み合
わせのいずれかであればよい。すなわち、異材と基材の
それぞれがバルク試験片である場合、または異材のバル
ク試験片と異材含有率が既知の試験片である場合、基材
のバルク試験片と含有率が既知の試験片である場合、ま
たは異材含有率の異なる2種類の試験片である場合の、
いずれかでよい。ここで、バルク試験片とは、異材また
は基材のいずれかの単一な材料からなる試験片をさし、
異材含有率の既知の試験片とは異材と基材とからなる試
験片をさす。
【0080】本実施例によれば、被検体22に含有した
異材の含有率は、異材と基材の導電率及び透磁率が既知
であれば励磁コイルを被検体に接触(または近接)する
だけで評価が可能となる。
【0081】また、評価の対象となる試験片それ自体で
はなく、異材と基材のそれぞれがバルク試験片、または
異材のバルク試験片と異材含有率の既知の試験片、また
は基材のバルク試験片と含有率の既知の試験片、または
異材含有率の異なる2種類の試験片のいずれかを用意
し、これらのインピーダンスを計測後、励磁したコイル
を被検体に接触(または近接)することで異材含有率を
評価することができる。
【0082】この結果、この異材含有率の評価は、高温
部材の使用時に析出される劣化相の体積率評価、また多
孔質材の気孔率評価にも利用できる。
【0083】また、これまで破壊調査を行ってきた異材
の含有率を非破壊的に評価することができる。
【0084】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。
【0085】本実施例は、高温部材の劣化検出手法及び
装置に係り、高温で使用される構造部材に耐熱用あるい
は耐酸化用その他の目的で被覆したコーティングについ
て、そのコーティング厚さの減肉量を、第3実施例のコ
ーティング厚さ推定方法を用いて評価し、部材の劣化状
態を把握することに関する。
【0086】例えばガスタービンの第1段動翼コーティ
ングは、実記運転中に、ガス流によって減肉する。した
がって、コーティングの減肉はガス流の多い部位によっ
て発生する。減肉が発生すると耐酸化性が低下し、更に
進めば基材に直接燃焼ガスが吹き付けられることになっ
て翼材の寿命が著しく低下する。減肉量を正確に見積も
って、再コーティングなどの的確な処理を施すことが翼
材補修管理に欠かせない。このため、減肉量評価は第1
段動翼コーティングの劣化の程度を評価することが、対
象課題に挙げられている。
【0087】本実施例は、減肉による劣化を非破壊的に
検出するものであり、このために、図4(a)の装置を
用い、定期点検時に計測した実記がスター便の第1段動
翼のコイルインピーダンスデータから、評価時のコーテ
ィング厚さを推定し、更に再コーティングの要、不要を
決定するものである。
【0088】本実施例によれば、例えばガスタービン第
1段動翼などの高温部材に励磁したコイルを接触(また
は近接)することで、運転中の高温暴露によるコーティ
ング相の減肉を非破壊的に推定することが可能で、この
減肉状態によりコーティングの劣化状態を把握し、交
換、補修に必要性あるいは時期を知ることができる。ま
たこれにより破壊を未然に防ぐことが可能となる。
【0089】この結果、これまで同部位の抜き取り破壊
調査により例えばガスタービン1段動翼などコーティン
グの減肉を評価し、リコーティングの要・不要またはリ
コーティング時期を判定してきたが、本実施例により全
く非破壊で評価可能となり、抜き取り調査による作業削
減が可能となった。また調査に用いたサンプルも再度利
用可能であるため、切断調査時に必要であった交換部品
も不要になる。
【0090】次に、本発明の第6実施例について説明す
る。
【0091】本実施例は、高温部材の劣化検出方法及び
装置に係り、第4実施例の体積率計測方法を適用し、高
温部で使用された構造部材に析出された劣化相の体積率
を推定し、これと予め求めておいた劣化相の体積率と劣
化度の関係から部材の劣化度を把握することに関する。
【0092】本実施例は、ガスタービンの第1段動翼の
コーティングの劣化検出を対象とする。この動翼はNi
超合金からなる基材の燃焼ガス通路部の腹側及び背側
に、Co、Cr、Al、Yなどを含む耐酸化コーティン
グを施した構成とされている。
【0093】ここで図6によってコーティング相劣化の
メカニズムを説明する。図6において、(メカニズム
1)は基材への健全なコーティング層を示しており、約
150〜200μmの膜厚で、最表面に約5μmのAl
2 O3 の酸化保護皮膜30が形成されている。(メカニ
ズム2)は酸化保護皮膜30が破壊し、コーティング層
のAlが窒化し(窒化物31を黒粒で示す)、内部酸化
相(帯状の白い部分)32も形成している状態を示す。
【0094】(メカニズム3)はコーティング層全てに
おいて窒化物31が生成し、高温暴露によってコーティ
ング層中のAlが基材33に拡散して、基材中にも針状
の劣化相(AIN:図中細長い黒色粒)34が発生した
状態を示す。(メカニズム4)はさらに劣化が進行し
て、基材33中の針状AINの劣化相34が成長し微小
亀裂35が発生した段階である。(メカニズム5)はコ
ーティング層に微小亀裂35が多数発生して、コーティ
ング層及び基材33の劣化が進行した段階を示す。
【0095】本実施例で対象とする取り上げる基材の劣
化とは、図6における(メカニズム3)以降のメカニズ
ムに関し、基材中に針状劣化相(AIN)が発生する現
象を指す。つまり、実機動翼のコーティング下部の基材
劣化を判断するには、基材中の針状劣化相の長さが重要
なポイントとなっている。基材の劣化判定は設計強度限
界より、図7に示すようにコーティング施工試料強度G
3が設計強度限界値A以下となる針状劣化相長さLcと
する。
【0096】本実施例では基材に発生した針状劣化相長
さを図8(a)に示すようにAINの体積率と対応付け
し、これを用いて図8(b)に示すシミュレーションモ
デルより、劣化検出のマスターカーブを作成する。また
第4実施例に係る図5に示した体積率計測装置9を用い
て、計測コイルインピーダンスと劣化検出のマスターカ
ーブ9bより基材の劣化を判定する。
【0097】本実施例によれば、ガスタービン1段動翼
などの高温部材に励磁したコイルを接触(または近接)
することで、基材中に発生する針状劣化相を検出するこ
とができる。
【0098】この結果、これまで、同部位の抜き取り調
査を行っていた基材劣化相の検出を励磁コイルを接触
(または近接)するだけで非破壊的に評価できる。また
これまで破壊調査で行っていたため、調査部位に対する
交換部品が必要であったが、非破壊で調査するために調
査部位も再度使用可能であり、コストの削減になる。
【0099】次に、本発明の第7実施例について説明す
る。
【0100】本実施例は、多孔質部材の気孔率評価方法
に係り、多孔質材について渦電流コイルインピーダンス
を計測することで、空気体積率とコイルインピーダンス
の関係に照らし、気孔率を推定することに関する。
【0101】多孔質材はその気孔率が使用する構造材の
性能を左右することが多く、製造時の気孔率管理が重要
なポイントを占めている。多孔質材の気孔率評価は、第
4実施例に係る図5に示す手法及び装置によって基材に
対する空気体積率として評価することが可能である。
【0102】またその他の手法として、その手順を図9
に示す。図9において、気孔率の違う供試材を数枚用意
し、予め気孔率に対する導電率、透磁率を計測する(ス
テップS110)。次にこの導電率、透磁率を用い気孔
率に対するコイルインピーダンスをシミュレーションし
マスターカーブを作成する(ステップS111)。この
マスターカーブと励磁コイルを供試材に接触(または近
接)して計測した(ステップS112)コイルインピー
ダンスを比較し、供試材の気孔率を評価する(ステップ
S113)。
【0103】本実施例によれば、励磁コイルを多孔質材
に接触(または近接)するだけで、このときのコイルイ
ンピーダンスと装置内部で作成された気孔率評価カーブ
により気孔率評価が可能である。
【0104】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明の構成に
よれば、被検体に誘起される渦電流強度から励磁状態に
あるコイルのインピーダンスを求め、求めたコイルのイ
ンピーダンスを予め電磁解析により求めておいた導電率
及び透磁率とインピーダンスとの関係に関するデータベ
ースと比較するようにしたので、コイルを被検体に近接
させるだけで電磁気材料の導電率及び透磁率を推定で
き、非破壊で電磁気的材質を評価できる。この結果、非
破壊かつ非接触の計測が可能になったことにより電磁気
的材質を評価する上の作業性も向上される。
【0105】また、コイルを被検体に近接させるだけ
で、基材上に被覆されたコーティング材の膜厚を評価す
ることができる。
【0106】また、コイルを被検体に近接させるだけ
で、基材中に含有される異材の体積率を評価することが
できる。
【0107】また、コイルを被検体に近接させるだけ
で、基材上に耐熱用あるいは耐酸化用その他の目的で被
覆された被覆されたコーティング材の膜厚を評価し、コ
ーティングの厚さの減肉に関する情報から被検体の劣化
程度を把握することができる。
【0108】また、コイルを被検体に近接させるだけ
で、高温使用される被検体に析出する劣化相の体積率を
評価し、被検体の劣化程度を検出することができる。
【0109】また、コイルを被検体に近接させるだけ
で、基材中に多数の孔が形成された多孔質材からなる被
検体の気孔率を評価することができる。
【0110】上述の効果により、いずれも従来は切断調
査にり実施してきた検査および評価方法を、渦電流法を
用いることで全く非破壊かつ非接触で計測及び評価が可
能となる。
【0111】さらに、これまで切断調査により行ってい
た劣化評価を渦電流法により非破壊で寿命予測や再コー
ティングの位置予測が可能になり、切断調査のために交
換する部品を必要としないだけでなく、メンテナンスも
容易となり、補修管理に要するコストが大幅に削減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、電磁気的定
数である導電率及び透磁率の評価手順を示す。
【図2】本発明の第1実施例において、使用するコイル
(a)と、シミュレーションより求めたコイルのインピ
ーダンスマトリックスの例(b)を示す。
【図3】本発明の第3実施例を示すもので、電磁気定数
計測器を実現するための概念構成図を示す。
【図4】本発明の第3実施例を示すもので、コーティン
グ厚計測装置を実現するための概念構成図(a)とフロ
ー図(b)を示す。
【図5】本発明の第4実施例を示すもので、異材含有率
計測装置を実現するための概念構成図(a)とフロー図
(b)を示す。
【図6】本発明の第5実施例におけるコーティング厚劣
化のメカニズムを示す図。
【図7】本発明の第6施例における劣化の定数を示す
図。
【図8】本発明の第6実施例における劣化検出評価カー
ブ(a)と劣化検出評価カーブ作成のシミュレーション
モデルを示す図(b)。
【図9】本発明の第6実施例を示すもので、多孔質材の
気孔率評価手順を示す図。
【符号の説明】
1 コイル 2 インピーダンス計測器 3 コイルのインピーダンスマトリックス(インピーダ
ンス平面) 4 入力装置 5 演算器 6 記憶装置 7 出力装置 8 コーティング厚さ計測装置 9 異材含有率の計測装置 20、21、22 被検体 30 酸化保護皮膜 31 窒化物 32 内部酸化層 33 基材 34 劣化相 35 亀裂

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体の電磁気的材質を評価する電磁気的
    材質評価方法であって、インピーダンスの既知のコイル
    を前記被検体に対し所定距離に近接させて前記コイルに
    交流電流を流し、前記被検体に誘起される渦電流強度を
    測定し、測定した渦電流強度から励磁状態にある前記コ
    イルのインピーダンスを求め、求めた前記コイルのイン
    ピーダンスを予め電磁解析により求めておいた導電率及
    び透磁率とインピーダンスとの関係に関するデータベー
    スと比較し、前記被検体の導電率及び透磁率を評価する
    ことを特徴とする電磁気的材質評価方法。
  2. 【請求項2】基材とこの基材上に被覆されたコーティン
    グ材とからなる被検体の前記コーティング材の膜厚を評
    価する電磁気的材質評価方法であって、インピーダンス
    の既知のコイルを前記被検体に対し所定距離に近接させ
    て前記コイルに交流電流を流し、前記被検体に誘起され
    る渦電流強度を測定し、測定した渦電流強度から励磁状
    態にある前記コイルのインピーダンスを求め、求めた前
    記コイルのインピーダンスを予め電磁解析により求めて
    おいた前記コーティング材の膜厚とインピーダンスとの
    関係に関するデータベースと比較し、前記被検体の前記
    コーティング材の膜厚を評価することを特徴とする電磁
    気的材質評価方法。
  3. 【請求項3】前記基材または前記コーティング材の少な
    くとも一方の導電率及び透磁率が未知の場合に、前記基
    材または前記コーティング材の導電率及び透磁率を、請
    求項1に記載の電磁気的材質評価方法で評価することを
    特徴とする請求項2に記載の電磁気的材質評価方法。
  4. 【請求項4】基材とこの基材中に含有される異材とから
    なる被検体の前記異材の体積率を評価する電磁気的材質
    評価方法であって、インピーダンスの既知のコイルを前
    記被検体に対し所定距離に近接させて前記コイルに交流
    電流を流し、前記被検体に誘起される渦電流強度を測定
    し、測定した渦電流強度から励磁状態にある前記コイル
    のインピーダンスを求め、求めた前記コイルのインピー
    ダンスを予め電磁解析により求めておいた前記異材の体
    積率とインピーダンスとの関係に関するデータベースと
    比較し、前記被検体の前記異材の体積率を評価すること
    を特徴とする電磁気的材質評価方法。
  5. 【請求項5】前記基材または前記異材の少なくとも一方
    の導電率及び透磁率が未知の場合に、前記基材または前
    記異材の導電率及び透磁率を、請求項1に記載の電磁気
    的材質評価方法で評価することを特徴とする請求項4に
    記載の電磁気的材質評価方法。
  6. 【請求項6】基材とこの基材上に耐熱用あるいは耐酸化
    用その他の目的で被覆されたコーティング材とからなる
    被検体の前記コーティング材の膜厚を請求項2に記載の
    電磁気的材質評価方法で評価し、前記コーティングの厚
    さの減肉に関する情報から前記被検体の劣化程度を把握
    することを特徴とする電磁気的材質評価方法。
  7. 【請求項7】基材とこの基材中に含有される異材とから
    なる高温使用される被検体に析出する劣化相の体積率を
    請求項4に記載の電磁気的材質評価方法で評価し、求め
    た前記劣化相の体積率を予め求めておいた前記劣化相の
    体積率と劣化度の関係に関するデータベースと比較し、
    前記被検体の劣化程度を検出することを特徴とする電磁
    気的材質評価方法。
  8. 【請求項8】基材中に多数の孔が形成された多孔質材か
    らなる被検体の気孔率を評価する電磁気的材質評価方法
    であって、インピーダンスの既知のコイルを前記被検体
    に対し所定距離に近接させて前記コイルに交流電流を流
    し、前記被検体に誘起される渦電流強度を測定し、測定
    した渦電流強度から励磁状態にある前記コイルのインピ
    ーダンスを求め、求めた前記コイルのインピーダンスを
    予め電磁解析により求めておいた前記被検体の気孔率と
    インピーダンスとの関係に関するデータベースと比較
    し、前記被検体の前記基材中の気孔率を評価することを
    特徴とする電磁気的材質評価方法。
  9. 【請求項9】被検体の電磁気的材質を評価する電磁気的
    材質評価装置であって、インピーダンスの既知のコイル
    と、前記コイルを前記被検体に対し所定距離に近接させ
    て前記コイルに交流電流を流し前記被検体に誘起される
    渦電流強度を測定し、測定した渦電流強度から励磁状態
    にある前記コイルのインピーダンスを求めるインピーダ
    ンス計測手段と、電磁解析により求めた導電率及び透磁
    率とインピーダンスとの関係に関するデータベースと、
    を備えることを特徴とする電磁気的材質評価装置。
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