JPH09117806A - 複合多層被覆工具 - Google Patents
複合多層被覆工具Info
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- JPH09117806A JPH09117806A JP7302268A JP30226895A JPH09117806A JP H09117806 A JPH09117806 A JP H09117806A JP 7302268 A JP7302268 A JP 7302268A JP 30226895 A JP30226895 A JP 30226895A JP H09117806 A JPH09117806 A JP H09117806A
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Abstract
硬度硬質複合被膜の多層膜を形成することにより母材と
の密着性を高め、膜応力を緩和して工具切削中の欠損を
引き起こさないような高い靭性を有しかつ耐摩耗性に優
れる被膜を提供。 【構成】高速度工具鋼を母材とし、膜の多層構成が10
層以上の構造からなり、被覆膜の全体の膜厚が2.0μ
m〜6.0μmであり、膜厚が0.2μm〜0.9μm
のTiN又はTiCNの均一組織を前記母材に接する最
下層として第1層に成膜し、さらにその上にいずれも膜
厚が0.1μm〜0.5μmの第2層としてTiCN及
びその上に第3層としてTiN又はTiCNを積層し、
以後いずれも膜厚が0.1μm〜0.5μmの前記第2
層及び前記第3層の成分の膜を順次少なくとも3回以上
繰り返して積層し、そして最上層に膜厚が0.2μm〜
1.0μmのTiCNを積層して、全体の層数が10層
〜20層とする。
Description
上を目的として高速度工具鋼を母材とする工具本体に複
合多層被覆を施した複合多層被覆工具に関するものであ
る。
Nを中心に各種の切削工具に応用されている。物理蒸着
法ではイオンプレ−ティングやスパッタリングが用いら
れ、低温(〜600℃)での被覆が可能なため高速度工
具鋼やダイス鋼を母材にした工具に適用されている。T
iNは比較的靭性に富む被覆膜であるがTi系ではこの
他にTiC、TiCN膜が良く知られている。
優れているが炭素成分と窒素成分の比率により特性が変
化して、代表的な50%窒素50%炭素近傍のTiCN
を被覆した工具、特にフライス工具などは刃先に欠損を
生じるため使用されない場合があった。これは硬度が上
昇することにより耐摩耗性が向上する反面、強度が低く
衝撃に弱いため切削工具として適用するには高硬度とし
ての特性が欠点となるからである。この欠点を補うべく
例えば特公昭62−42995号公報では、最初に膜厚
が0.5μm〜1.0μmのTiN膜を被覆した後に少
なくとも膜厚が1.0μm以上のTiC膜又はTiCN
膜を被覆して2層構造としているが、このような膜厚が
1.0μm以上のTiC膜又はTiCN膜を積層する方
法では被膜強度が十分に確保できず層間剥離を生ずる場
合があった。また特開平6−101018号公報では、
最初に膜厚が0.1μm〜3.0μmのTiN膜を被覆
した後にTiN膜とTiCN膜を3層積層する方法によ
り被膜強度の改善を図っているが、膜厚が1.0μm以
上のTiC膜では被膜強度が十分に確保できず層間剥離
を生ずる場合があり、このような4層構造では多層効果
が発揮されず十分な靭性を得ることができなかった。
度工具鋼を母材とする工具の表面にTiCN系高硬度硬
質複合被膜の多層膜を形成することにより母材との密着
性を高め、膜応力を緩和して工具切削中の欠損を引き起
こさないような高い靭性を有し、かつ耐摩耗性に優れる
被膜を提供することにある。
度工具鋼を母材とする工具において次の(a)から
(c)の条件を満足させた; (a)被覆膜の成分がTi、C、Nよりなる複合膜であ
り、(b)膜の多層構成が10層以上の構造からなり、
被覆膜の全体の膜厚が2.0μm〜6.0μmであり、
その被覆膜の構成が原子比炭素比率=C/(C+N)=
tとして膜厚が0.2μm〜0.9μmのTiN又はT
iCN(0≦t≦0.2)の均一組織を前記母材に接す
る最下層として第1層に成膜し、さらにその上にいずれ
も膜厚が0.1〜0.5μmの第2層としてTiCN
(0.3≦t≦0.7)及びその上に第3層としてTi
N又はTiCN(0≦t≦0.2)を積層し、以後いず
れも膜厚が0.1〜0.5μmの前記第2層及び前記第
3層の成分の膜を順次少なくとも3回以上繰り返して積
層し、そして最上層に膜厚が0.2μm〜1.0μmの
TiCN(0.3≦t≦0.7)を積層して、全体の層
数が10層〜20層であることを特徴とし、(c)その
被覆工具もしくはそれと同時処理した同母材種のテスト
ピ−スが工具部材の機能要部と同等の被覆が施されてい
る部分の特性が、(1)母材は60HRC以上の硬度を
有し、50gのマイクロビッカ−ス硬度計で1900以
上、4000HV以下、Ry5μm以下の面粗さであ
り、(2)前記被覆膜に通常のCスケ−ルロックウェル
硬度計を押圧した場合に生じる圧痕を100倍の倍率で
観察した結果、圧痕の外側周囲1mm以上の範囲で膜の
剥離が認められない。高速度工具鋼を母材とする工具に
おいて次の(a)から(c)の条件を満足させた、こと
を特徴とする複合多層被覆工具を提供することで従来技
術の課題を解決した。
を第1層で0≦t≦0.2としたのは母材との密着性を
高め、膜応力の上昇を極力押えるためには高速度工具鋼
に対して密着力の高いTiN(t=0)または炭素濃度
の低いTiCN(0<t≦0.2)のが望ましいからで
あり、第2層でTiCN(0.3≦t≦0.7)とした
のは図2に示すTiCN被覆膜の炭素濃度と硬さの関係
から、耐摩耗性を確保するためにはTiCN被覆膜は最
も被膜が硬くかつ被膜組織が緻密であることが必要であ
り、t<0.3では被膜の硬さが十分ではなく、t>
0.7では被膜の硬さは高いが組織が緻密でなくなる欠
点を持っていることにより上記範囲に限定した。また積
層を図1に示すように10層以上にしたのは、10層以
下では耐欠損性に対する多層効果が顕著でなくなるから
であり、20層以上では1層あたりの膜自身のもつ強度
が不足するためである。そして最上層を第2層のTiC
N(0.3≦t≦0.7)としたのは、工具最表面を高
硬度被膜にすることで切削の切削抵抗を低減させること
ができるからである。また、この発明の複合多層膜工具
の各層の膜厚を0.1μm〜0.9μmとしたのは、膜
厚が0.1μm未満では優れた耐溶着性を確保すること
ができず、一方で膜厚が0.9μmを越えると被膜強度
が十分に確保できず層間剥離を生ずる場合があるからで
ある。さらに全体の膜厚を2.0μm〜6.0μmとし
たのは、膜厚が2.0μm未満では優れた耐摩耗性を確
保することができず、一方で膜厚が6.0μmを越える
と刃先が欠損しやすくなることによる。
工具に最大限利用しようとするために被膜の複合多層構
成を考案したものであり、上述した特公昭62−429
95号公報及び特開平6−101018号公報とは多層
膜の構成主旨から全く異るものである。すなわちTiC
Nはイオンプレ−ティング等で成膜される場合には組織
は微細となり、膜応力が大きいことが知見として得られ
ている。(日本機械学会発行『日本機械学会第70回通
常総会講演会講演論文集』〔1993.3.31〜4.2八王子〕33
1頁、332頁)。またTiCN膜の硬さも炭素濃度の増加
に伴って高硬度化することも図2に示した。したがって
TiCN膜を工具へ適用する場合は高硬度のTiCN層
を厚くすると膜応力が大きくなり母材との応力状態のギ
ャップから膜自体が破壊することが推定される。そこ
で、本発明では母材の表面に膜厚が0.2μm〜0.9
μmのTiNまたは炭素成分の低いTiCN層を配置す
ることによって密着性を高め、かつ膜厚が0.1μm〜
0.5μmの炭素を多く含んだ高硬度のTiCN層との
交互の積層により断続的に炭素成分を分配することで膜
応力の増加を極力押え、靭性を損なうことなくTiCN
膜を工具に被覆できた。
素材』Vol.4 NO.10 37頁〜41頁に記載するように経験
的であるが工具に被覆する膜については請求項1(c)
に示すロックウェルの圧痕法による剥離判定がひとつの
目安となる。図3は高速度工具鋼エンドミルについてそ
れぞれ膜構成で示す、本発明、単層及び2層の場合の各
膜の比較を示す。膜厚が3.0μmのTiCN単層及び
膜厚が3.0μmのTiN+TiCN積層膜の場合はロ
ックウェル圧子の進入により膜破壊が生じているが、膜
厚が3.0μmの12層の本発明品は剥離は生じておら
ず微小亀裂のみ発生するに留まっている。
高硬度のTiCN膜を、靭性の高いTiN又は炭素濃度
の低い複合膜TiCNとの組み合せで膜厚が0.1μm
〜0.5μmの多層膜にすることによつて高硬度でかつ
靭性の高い複合多層被膜を実現することにより、これを
切削工具に適用することによって、これまで困難とされ
ていた高硬度材料や高速条件での切削を可能にした。
材とするエンドミルをイオンプレ−ティングにより表1
に示す膜構成に成膜した。イオンプレ−ティング装置を
10-2Paまで排気し、処理物を電子照射加熱により4
00〜500℃まで加熱した。その後アルゴンイオンボ
ンバ−ドにより処理物表面のクリ−ニングを行ってから
コ−ティング処理をした。コ−ティングはTiの蒸発源
に対し窒素およびアセチレンを導入して行い、その際窒
素を導入してTiN層を形成し、その後窒素を減少させ
ながらアセチレンを増加させTiCN層を形成し、以後
所望の層数だけこれを繰り返し行い、これら2種類の反
応ガスの混合比率の切り替および2種類の反応ガスの開
閉の切り替の組み合せることにより各層を成膜した。こ
のようにこのようにして、本発明品のTiCNの複合多
層膜と、比較のための各種類似した膜構成のもの11種
類を、高速度工具鋼エンドミルと同母材種のテストピ−
スに成膜した。同時処理した同母材種のテストピ−スを
圧痕剥離法で調べたところ、No.10 はTiN層とTiC
N層で剥離が確認されたが、それ以外は圧痕の外周1m
m以上の範囲で膜の剥離は認められなかった。切削試験
の結果から本発明品は他の比較品と較べて逃げ面摩耗と
コ−ナ摩耗に著しい摩耗の減少が確認された。
リルの切削試験の結果を表2に示す。ドリルはいずれも
イオンプレ−ティングで実施例1と同様な方法で6種類
を成膜した。その結果本発明の10層以上のTiCN多
層膜被覆ドリルの穴明け数は比較品より著しく向上して
いることが確認できた。
切り工具ホブの実施例を示す。イオンプレ−ティングを
用いて、本発明品のTiCN複合多層膜と従来品である
TiN被覆とTiN+TiCN被覆を、それぞれ施した
ホブを作成して切削試験した結果を図4に示す。それぞ
れ膜厚が3.0μmの単層のTiNと1.5μmのTi
N+1.5μmのTiCN(ただし(C/C+N)=0.3 )2層
のを被覆したホブはいずれも早期に摩耗が増加するのに
対して、0.2μmのTiNと各膜厚が0.2μmの
(TiN+TiCN(ただし(C/C+N)=0.3 ))8層+
0.2μmのTiCN(ただし(C/C+N)=0.3 )を被覆し
た本発明品は1.5〜2.0倍の耐摩耗性の改善が見ら
れた。
る切削工具に対して、炭素を多く含んだ高硬度ではある
が反面靭性の低いTiCN膜の特性を効果的に利用する
ため、比較的靭性の高いTiNまたは炭素濃度の低いT
iCNとの組み合せで膜厚が0.1μm〜0.5μmの
複合多層の構成方法を提供することにより、母材との密
着性を確保するとともに皮膜の内部応力を押えてること
が可能となり、工具切削中の欠落および欠損現象を引き
起こさないで耐摩耗性を向上させることができた。
図。
ッカ−ス硬さとの関係を示すグラフ。
痕法による剥離判定結果を示す説明図で、高速度工具鋼
エンドミルについてそれぞれ膜構成で示す、本発明、単
層及び2層の場合の各膜の比較を示す。
TiN被覆とTiN+TiCN被覆を、それぞれ施した
ホブを作成した切削試験結果を示すグラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】高速度工具鋼を母材とする工具において次
の(a)から(c)の条件を満足させたことを特徴とす
る複合多層被覆工具; (a)被覆膜の成分がTi、C、Nよりなる複合膜であ
り、 (b)膜の多層構成が10層以上の構造からなり、被覆
膜の全体の膜厚が2.0μm〜6.0μmであり、その
被覆膜の構成が原子比炭素比率=C/(C+N)=tと
して膜厚が0.2μm〜0.9μmのTiN又はTiC
N(0≦t≦0.2)の均一組織を前記母材に接する最
下層として第1層に成膜し、さらにその上にいずれも膜
厚が0.1μm〜0.5μmの第2層としてTiCN
(0.3≦t≦0.7)及びその上に第3層としてTi
N又はTiCN(0≦t≦0.2)を積層し、以後いず
れも膜厚が0.1μm〜0.5μmの前記第2層及び前
記第3層の成分の膜を順次少なくとも3回以上繰り返し
て積層し、そして最上層に膜厚が0.2μm〜1.0μ
mのTiCN(0.3≦t≦0.7)を積層して、全体
の層数が10層〜20層であることを特徴とし、 (c)その被覆工具もしくはそれと同時処理した同母材
種のテストピ−スが工具部材の機能要部と同等の被覆が
施されている部分の特性が、 (1)母材は60HRC以上の硬度を有し、50gのマ
イクロビッカ−ス硬度計で1900以上、4000HV
以下、Ry5μm以下の面粗さであり、 (2)前記被覆膜に通常のCスケ−ルロックウェル硬度
計を押圧した場合に生じる圧痕を100倍の倍率で観察
した結果、圧痕の外側周囲1mm以上の範囲で膜の剥離
が認められない。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30226895A JP3705632B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 複合多層被覆工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30226895A JP3705632B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 複合多層被覆工具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09117806A true JPH09117806A (ja) | 1997-05-06 |
| JP3705632B2 JP3705632B2 (ja) | 2005-10-12 |
Family
ID=17906973
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30226895A Expired - Lifetime JP3705632B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 複合多層被覆工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3705632B2 (ja) |
Cited By (8)
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|---|---|---|---|---|
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| JP2019171546A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 表面被覆切削工具及びその製造方法 |
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| JP2023173288A (ja) * | 2022-05-25 | 2023-12-07 | トーヨーエイテック株式会社 | 硬質被膜及びプレス用金型並びに硬質被膜の製造方法 |
-
1995
- 1995-10-27 JP JP30226895A patent/JP3705632B2/ja not_active Expired - Lifetime
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|---|---|
| JP3705632B2 (ja) | 2005-10-12 |
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