JPH09121857A - アルカリプロテアーゼ、その製造方法、用途及びそのプロテアーゼを生産する微生物 - Google Patents
アルカリプロテアーゼ、その製造方法、用途及びそのプロテアーゼを生産する微生物Info
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Abstract
テアーゼ、その製造法、そのプロテアーゼの用途、及び
そのプロテアーゼを生産する微生物の提供。 【解決手段】 バチルスsp.の新菌株(受託番号FERM
P-15214号)、その菌株又はその変異株を培養し得られ
る以下の性質を有する洗剤: (1)タンパク質及びペプチ
ドを加水分解する、 (2)カゼインを基質とし30℃にて
10分間反応させた至適pHが12付近、 (3)カゼイン
を基質とし30℃で24時間インキュベートした安定p
Hが5〜11、 (4)カゼインを基質とし、pH10で1
0分間反応させた至適作用温度が60℃付近、 (5)SD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量が 290
00±2000、 (6)等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動
法による等電点が10.1±0.5、 (7)LAS 500ppm溶
液中での残存活性は40℃30分後60%以上、55℃
15分後20%以上。
Description
ロテアーゼに関する。さらに詳しく言えば、界面活性剤
と熱に対する安定性に優れたアルカリプロテアーゼ、そ
の製造方法、その洗浄剤等への用途、及びそのアルカリ
プロテアーゼを生産する微生物に関する。
してのリン酸塩の使用が規制されるに伴って、酵素を洗
剤に配合して、洗浄力を高めることが行なわれている。
現在では、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リ
パーゼ等を配合した酵素入り洗剤が上市されている。中
でもプロテアーゼは、衣類に付着する有機汚垢の10〜
40%を占め、従来の洗剤成分だけでは除去しきれない
タンパク質汚れを効率よく分解し、洗浄力を高めるため
の洗浄成分として不可欠になっている。洗剤用プロテア
ーゼとしては、アルカリ域で活性を示す微生物由来の酵
素が、従来数多く知られており、カズサーゼ(昭和電工
(株))、サビナーゼ(ノヴォ(NOVO)社製)、マキサカ
ル(ギスト(GIST)社製)、アルカラーゼ(ノヴォ(NOVO)
社製)、バイオサム(昭和電工(株))等が用いられて
いる。また、自動食器洗浄機の普及に伴って、自動食器
洗浄機用洗剤に配合可能な酵素が求められている。卵
黄、乳製品等のタンパク質性の食器汚れに対して、プロ
テアーゼが有効である。ただし、一般に酵素は高温水中
で使用すると失活が促進されるので優れた安定性が要求
される。現在この目的にはエスペラーゼ(ノヴォ(NOVO)
社製)等が用いられているが、十分な活性、安定性を兼
ね備えているとは言えない。これまでに知られているプ
ロテアーゼで界面活性剤に対して最も安定性の高いの
は、バチルスSD521株の産するプロテアーゼ(特開
平3-191781号)であるが、更に安定性の高いプロテアー
ゼが望まれている。
は、界面活性剤存在下においてより安定性の高いアルカ
リプロテアーゼ、そのアルカリプロテアーゼの製造方
法、そのプロテアーゼを含む洗剤組成物等の用途、及び
そのようなプロテアーゼを生産する微生物を提供するこ
とにある。
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、バチルス属の1
菌株である、バチルスsp.(Bacillus sp.)SD114
株が生産するプロテアーゼAPI−26が優れた安定性
を有し、また洗浄性にも優れていることを見出し、本発
明を完成するに至った。
充たすアルカリプロテアーゼ。 (a)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、40℃で30分後に60%以上の残存
活性を有する。 (b)緩衝液(50mM Atkins-Pantin ほう酸緩衝液
(pH10)、0.1mMEDTA)中、55℃で15分
後に40%以上の残存活性を有する。 (c)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、55℃で15分後に20%以上の残存
活性を有する;
のアルカリプロテアーゼ。 (1) 作用 タンパク質及びペプチドを加水分解する。 (2) 至適pH カゼインを基質とし30℃にて10分間反応させたとき
至適pHは12付近にある。 (3) 安定pH域 30℃で24時間インキュベートしたとき、pH5〜1
1で安定である。 (4) 至適温度 カゼインを基質とし、pH10で10分間反応させたと
き、至適温度が60℃付近にある。 (5) 分子量 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定した
分子量は29000±2000である。 (6) 等電点 等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による等電点
は10.1±0.5である;
生物が生産する前記1)乃至2)のいずれかに記載のア
ルカリプロテアーゼ; 4) バチルス(Bacillus)属に属する微生物がバチル
スsp.(Bacillus sp.)SD114株(受託番号FERM P-
15214)である前記3)に記載のアルカリプロテアー
ゼ; 5) 前記4に記載のプロテアーゼと免疫学的交差性を
示し、以下の(a)〜(c)の少なくとも1つの条件を
充たすアルカリプロテアーゼ。 (a)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、40℃で30分後に60%以上の残存
活性を有する。 (b)緩衝液(50mM Atkins-Pantin ほう酸緩衝液
(pH10)、0.1mMEDTA)中、55℃で15分
後に40%以上の残存活性を有する。 (c)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、55℃で15分後に20%以上の残存
活性を有する;
のプロテアーゼの生産能を有するバチルス(Bacillus)
属に属する微生物またはその変異株を培養し、その培養
物から該プロテアーゼを採取することを特徴とするアル
カリプロテアーゼの製造方法; 7) バチルス(Bacillus)属に属する微生物がバチル
スsp.(Bacillus sp.)SD114株(受託番号FERM P-
15214)である前記6)に記載のアルカリプロテアーゼ
の製造方法; 8) バチルスsp.(Bacillus sp.)SD114株(受
託番号FERM P-15214)及びその変異株; 9) 前記1)乃至5)のいずれかに記載のプロテアー
ゼを含む洗浄剤組成物; 10) 前記1)乃至5)のいずれかに記載のプロテア
ーゼを含む洗剤; 11) 前記1)乃至5)のいずれかに記載のプロテア
ーゼを含む自動食器洗浄機用洗剤; 12) 前記1)乃至5)のいずれかに記載のプロテア
ーゼを蛋白質またはペプチドに作用させることを特徴と
するペプチドまたはアミノ酸の製造方法を提供する。 以下本発明を詳細に説明する。
株の1つであるバチルスsp.(Bacillus sp.)SD11
4株は以下に述べる如く、菌学的性質からはBacillus f
irmusに近縁の菌株と判断されるが、いくつかの性質に
おいて他の公知の菌株と明らかに相違し、新規な菌と認
定された。
(Bacillus sp.)SD114株は、以下に示す菌学的性質
を示す。 (a)形態:桿菌、 (b)グラム染色性:+、 (c)胞子形成能:+、 (d)胞子形態:楕円形、 (e)運動性:+、 (f)酸素に対する態度:好気性、 (g)カタラーゼ生産:+、 (h)嫌気下での生育:−、 (i)VP反応:−、 (j)VPブロスのpH:6.2 、 (k)酸の生成: グルコース − アラビノース − キシロース − マンニトール − (l)グルコースからのガスの生成:−、 (m)ゼラチンの液化:+、 (n)デンプンの分解:+、 (o)クエン酸塩類の利用:−、 (p)プロピオン酸塩の利用:−、 (q)フェニルアラニンデアミネーション:−、 (r)卵黄反応:−、 (s)硝酸塩の還元:−、 (t)pH6.8 での生育:+、 (u)pH5.7 での生育:+、 (v)5%塩化ナトリウム存在下での生育:+、 (w)7%塩化ナトリウム存在下での生育:+、 (x)10℃での生育:+、 (y)30℃での生育:+、 (z)55℃での生育:+、 (aa)菌体内DNAのGC含量(モル%):45%。
の性質を“バージーズ・マニュアル・オブ・システマチ
ック・バクテリオロジー”VOL.2(1986) William & Wil
kinsを参考にして他の菌株と比較すると以下の通りであ
る。本発明に係るバチルスsp.(Bacillus sp.)SD1
14株は糖からの酸の生成や、50℃での生育において
バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)の典型的な
性状を示さなかった。一方、公知の菌株であるSD52
1株はグルコースから酸を生成し、硝酸塩を還元し、p
H6.8で生育せず、50℃で生育しない。NCIB10
309はグルコース、アラビノース、マンニトールから
酸を生成する。PB92はグルコース、キシロースから
酸を生成し、プロピオン酸塩を利用出来る。以上の菌学
的性質から明らかなように本菌株SD114株は中温菌
であり、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)と
近縁のバチルスsp.(Bacillussp.)と判断され、他の公
知菌株とも相違する。従って、本菌株はバチルス(Baci
llus)属に属する新菌株と認められた。本菌株は工業技
術院生命工学工業技術研究所にFERM P-15214として寄託
されている。
然または誘発突然変異により、上記菌株が生産する性質
を有するプロテアーゼを生産する変異株を得て、本発明
によるプロテアーゼ生産菌として用いることが出来る。
これらの変異株を調製する方法としては、従来知られて
いる慣用の方法、例えば元菌株を紫外線照射あるいはN
−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(N
TG)等の薬剤による人工突然変異処理を施して、スキ
ムミルク等を含む寒天培地に広げ、生育してくる菌株の
中からコロニーのまわりに形成されるクリアゾーンが、
より大きいコロニーを選抜し、生産性の優れた菌株を選
別する方法を用いることが出来る。また本発明の酵素を
生産する性質を有するプロテアーゼ遺伝子を適当な自己
複製するDNAと連結し、これを用いて適当な宿主細胞
を形質転換し、遺伝子増幅効果によって生産性を向上さ
せることもできる。
テアーゼを製造するに際して使用される培地は、本発明
のプロテアーゼ生産菌が増殖し、プロテアーゼを生産し
得るものならば任意のものでよい。例えば、炭素源とし
てはグルコース、マルトース、シュークロース、可溶性
デンプン等が用いられ、窒素源としては、大豆かす、ご
まかす、ふすまかす、コーンスティープリカー等の有機
窒素源が用いられる。また、この他にリン酸塩、カリウ
ム塩、マグネシウム塩等の無機塩類が添加される。本発
明においては、培養は好気的条件下で、例えば通気撹拌
法や振とう培養法で行う。培養温度は20〜40℃の範
囲で良いが、生育の最も良好な30〜37℃が望まし
い。初発pHは9〜10、培養中のpHは 8.5〜10が
それぞれ好ましい。培養時間は16〜60時間程度であ
り、プロテアーゼ活性が最高に達した時に培養を終了す
るのが望ましい。このように得られる培養液から目的と
するプロテアーゼの精製は一般の酵素の分離精製に準じ
て行うことが出来る。遠心分離、またはろ過等によって
菌体、培地固形物を除去し、上清またはろ液を得ること
が出来る。これらの分離液に可溶性塩類、親水性有機溶
媒を添加し、蛋白質を沈殿させる塩析法、溶媒沈殿法、
噴霧乾燥法、凍結乾燥法等により本発明のプロテアーゼ
を得る。さらにイオン交換クロマトグラフィー及びゲル
ろ過クロマトグラフィー等の精製法を組み合わせ、精製
することが出来る。かくして得られる本発明のプロテア
ーゼをAPI−26と命名した。API−26の活性は
以下に示す方法にて測定される。
Atkins-Pantinのほう酸緩衝液500μlに、適当に希
釈した酵素液50μlを加え、30℃で3〜5分プレイ
ンキュベートする。この溶液にpH10の2%ハマース
テインカゼイン溶液500μlを加え、10分後トリク
ロロ酢酸(TCA)溶液(0.132M TCA:酢酸緩衝
液でpH4に調整)2mlを加えて反応を停止させる。
30℃10分以上放置後、No.2のフィルターペーパー
(東洋ろ紙)を用いてろ過する。ろ液1mlに0.4 M炭
酸ソーダ5ml、水で6倍希釈のフェノール試薬1ml
を添加し、30℃で20分間放置して発色させた後、6
60nmにおける吸光度を測定する。酵素単位は30
℃、pH10でカゼインを基質として反応させたとき、
TCA画分中に1秒間にチロシン1モル相当の660n
mの発色を示す分解物を生成するプロテアーゼ活性を1
カタール(1katal)とする。
れるプロテアーゼ(API−26)の理化学的性質につ
いて述べる。 (1)作用及び基質特異性 タンパク質及びペプチド、例えばカゼイン、ヘモグロビ
ン、アルブミン、肉タンパク、魚肉タンパク、大豆タン
パクなどを分解する。
域緩衝液を使用した。また至適pHを調べるに当たって
は、1%カゼインを含む各pH緩衝液中に、酵素を約2
0nkatal/mlとるように加え、30℃で10分間反応
させ活性を測定し、pH11.7での活性を100とし表1
及び図1に示した。本酵素はpH12付近に至適pHを
有することが分かる。
atal/mlとなるように加え、30℃で24時間インキ
ュベートした後の活性を測定した。インキュベート前の
活性を100として、各pHでの残存活性を表2及び図
2に示した。本酵素の安定pH域は30℃で5〜11で
あることが分かる。
M EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid、エ
チレンジアミン四酢酸) を含むpH10の25mM Atk
ins-Pantinほう酸緩衝液を5分間各温度でプレインキュ
ベートした後、酵素を添加し10分間各温度で反応させ
た。60℃での活性を100として各温度での相対活性
を表3及び図3に示す。本酵素は60℃付近に至適温度
を有することが分かる。
影響を調べた。50mMほう酸緩衝液(pH10)で、
本酵素を約20nkatal/mlになるように調製し、ED
TA、PCMV(p−メルクリ安息香酸)、PMSF
(フェニルメタンスルホニルフルオリド)を表4に示し
た濃度で添加し、30℃30分間インキュベート後活性
を測定した。阻害剤無添加のものを100%とした相対
活性で表した結果を表4に示す。表4から明らかなよう
に本酵素はPMSFにより著しく阻害されることから、
セリンプロテアーゼであることがわかる。
本酵素の分子量は、29000±2000と算出された。 (7)等電点 等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により得られ
た等電点は10.1±0.5である。
緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)500pp
m)中、40℃で30分後に60%以上の残存活性を有
する。 (b) 緩衝液(50mM Atkins-Pantin ほう酸緩衝液
(pH10)、0.1mMEDTA)中、55℃で15分
後に40%以上の残存活性を有する。 (c) 界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう酸
緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS50
0ppm)中、55℃で15分後に20%以上の残存活
性を有する。
プロテアーゼは、以下の測定条件で好ましくは抗API
−26抗体と交差反応を示す。 交差反応測定条件:抗原であるAPI−26を2mg/
mlに調製し、等量のフロイント完全アジュバンド(Fr
eund's complete adjuvant)と混合し、完全に油中水滴
状(Waterin oil)にする。2羽の雌ウサギにこの試料
1mlを0日目、21日目、42日目、63日目の間隔
で注射する。70日目に全採血し、抗体を含む血清を調
製する。交差反応はオークタロニー(Ouchterlony)法
(Acta.Med.Scan.133, 76-79(1950))によって評価す
る。すなわち、中央の穴に1mg/mlのAPI26ま
たは同濃度の他プロテアーゼ10μl添加し、周りの穴
に2のn乗系列(n=1,2,3,4,5,6,7)で
希釈した抗血清を添加し、湿潤箱に入れて37℃で一晩
放置し沈降線を観察する。API26に対して沈降線を
形成する限界の濃度の少なくとも4倍以上の濃度で沈降
線を形成する場合、抗API−26抗体と交差性を有す
ると判断する。
アーゼをタンパク質やペプチドに作用させることにより
ペプチドやアミノ酸を製造することが出来る。また、タ
ンパク質やペプチドを成分に含む目的物質に作用させる
ことにより目的物質の加工に使用することが出来る。そ
の方法としては、従来用いられてきた方法において、従
来酵素の代わりに本発明のプロテアーゼを使用する形態
をとることが出来る。さらに従来酵素が失活してしまう
ような過酷な条件においても、本発明のプロテアーゼが
活性を保持する限りは使用可能である。例えば50pp
m以上500ppm以下のLAS存在下は勿論のこと、
500ppm以上のLAS存在下においても使用可能で
ある。ただし、好ましくは3000ppm以下、より好
ましくは300ppm以下で使用する。また、温度に関
しては48℃以上の高温においても使用可能である。た
だし、好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以
下にて使用する。
既存のアルカリプロテアーゼに比べて各種市販洗浄剤溶
液中や界面活性剤存在下で高い安定性を有する。また熱
に対しても安定であり、洗濯や食器洗浄で使用される温
水中においてタンパク質の汚れを効率的に分解するの
で、洗剤に配合して洗浄力の増強を図ることが出来る。
その他の用途としては、例えば、飼料加工、食品加工
(魚油加工、食肉加工等)、繊維加工、羊毛加工、皮革
加工、コンタクトレンズ洗浄、配管洗浄等があり、また
入浴剤や脱毛剤に配合することも出来る。
質を有するアルカリプロテアーゼを配合した洗浄剤組成
物が提供される。本発明の洗浄剤組成物に配合されるア
ルカリプロテアーゼの量には特に限定はないが、洗浄液
1リットル当たり、10〜1000nkatalに相当する量
を配合するのが適当である。この配合量が少なすぎると
十分な洗浄効果の向上が得られず、また逆に多過ぎた場
合には酵素配合量に比して洗浄効果の向上が大きくな
く、経済性の点で好ましくない。
ゼは従来公知の任意の洗浄剤組成物に洗剤組成物の組成
を何等変更することなく配合することができ、本発明の
洗浄剤組成物の成分については特に限定はない。そのよ
うな洗浄剤組成物の代表例をあげれば、洗浄剤組成物重
量当たり10〜50重量%の界面活性剤、0〜50重量
%のビルダー、1〜50重量%のアルカリ剤あるいは無
機電解質、0.1〜5重量%の再汚染防止剤、酵素、漂白
剤、蛍光染料、ケーキング防止剤及び酸化防止剤からな
る群より選ばれる少なくとも1種以上の配合成分からな
る洗浄剤組成物があげられる。
は分岐アルキルあるいはアルケニル硫酸塩、アミド硫酸
塩、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基
を有し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及
びブチレンオキサイドのうちの単独あるいは複数成分が
付加したアルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩のよ
うな脂肪族硫酸化物、アルキルスルホン酸塩、アミドス
ルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−オレフ
ィン、ビニリデン型オレフィン及び内部オレフィンの各
スルホン酸塩のような脂肪族スルホン酸塩、直鎖または
分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩のような芳香族
スルホン酸塩、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはア
ルケニル基を有し、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド及びブチレンオキサイドのうちの単独あるいは
複数成分が付加したアルキルまたはアルケニルエーテル
カルボン酸塩またはアミド、α−スルホ脂肪酸塩または
エステル、アミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアル
ケニル酸性リン酸エステル、アルキルまたはアルケニル
リン酸塩の如きリン酸エステル系界面活性剤、スルホン
酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、直鎖
または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有し、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレ
ンオキサイドのうちの単独あるいは複数成分が付加した
アルキルまたはアルケニルエーテルあるいはアルコー
ル、直鎖または分岐鎖のアルキル基を有し、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイ
ドのうちの単独あるいは複数成分が付加したポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカ
ノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、
ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンモノエステ
ル、アルキルまたはアルケニルアミンオキサイド、テト
ラアルキルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤など洗
剤組成物として通常配合される界面活性剤であればいず
れも使用可能であり、陰イオン性界面活性剤の場合の対
イオンとしてはナトリウムイオンまたはカリウムイオン
であることが好ましい。これらの界面活性剤は、単独ま
たは2種以上の混合物として使用される。
質としてはオルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリ酸
塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩
などのリン酸塩、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタ
ン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロ
キシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒ
ドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,
2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒド
ロキシホスホン酸などのホスホン酸塩、2−ホスホノブ
タン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−
2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハ
ク酸などのホスホノカルボン酸塩、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸などのアミノ酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチ
レンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩
などのアミノポリ酢酸塩、ポリアクリル酸、ポリイタコ
ン酸、ポリマレイン酸、無水マレイン酸共重合体、カル
ボキシメチルセルロース塩などの高分子電解質、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルアルコールなどの非解離
高分子、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキ
シメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シ
ョ糖、ラクトースなどのカルボキシメチル化物、ペンタ
エリスリトールのカルボキシメチル化物、グルコン酸の
カルボキシメチル化物、ベンゼンポリカルボン酸、シュ
ウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸などの
有機酸塩、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、炭酸
塩、セスキ炭酸塩、硫酸塩、メタケイ酸塩などの無機塩
をアルカリ金属塩として用いることができ、またデンプ
ン、尿素などの有機物質及び塩化ナトリウム、ベントナ
イトなどの無機化合物を用いることができ、更には有機
アルカリ剤としてトリエタノールアミン、ジエタノール
アミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミンなどを用いることができる。
面活性剤、本発明のアルカリプロテアーゼ、アルカリ剤
または無機電解質を必須の構成成分として含むが、その
他必要に応じて両性界面活性剤、例えば過炭酸ソーダ、
過ホウ酸ソーダなどの漂白剤、漂白活性剤、色素、ビル
ダー、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセル
ロースなどの再汚染防止剤、ケーキング防止剤、酸化防
止剤、耐食剤、蛍光増白剤、起泡増進剤、リパーゼなど
のその他の酵素を必要に応じて含ませることができる。
は如何なる方法をもって行ってもよいが、微粉末状で配
合することは、洗剤取扱い時の発塵による洗剤使用者や
洗剤工業における作業者の安全衛生上好ましいことでは
なく、溶液状態あるいはあらかじめ発塵性をおさえた形
状に賦形しておくことが好ましい。この賦形は通常良く
用いられるマルメ造粒、押し出し造粒、流動造粒、遠心
流動造粒やその他の方法のいずれによるものであっても
良く、本発明の洗浄剤組成物に配合する酵素の形状は特
にこれらの方法によって賦形されたものに限定されるも
のではない。なお、本発明のアルカリプロテアーゼは安
定性が高いため、通常、酵素の製剤(賦形)が行われる
温度以上の温度、例えば50℃以上での賦形も可能であ
る。
本発明のアルカリプロテアーゼを含む洗濯用洗剤や自動
食器洗浄機用洗剤等の洗剤が挙げられるが、その一例と
して市販の洗剤に本発明のアルカリプロテアーゼを添加
したものが挙げられる。
記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例に
記載の市販洗剤はすべて、予めそれに含まれる酵素粒剤
を選別除去する等して実質的に酵素を含まないものを調
製して使用した。 実施例1:バチルスsp.(Bacillus sp.)SD114株
の培養法 カゼイン1%、肉エキス1%及びポリペプトン1%を含
有し、かつ炭酸ナトリウムでpH 7.5に調整した培地3
00ml中で35℃、66時間振とう培養し、培養液中
に酵素を分泌生産させた。この培養液を、4℃、1000G
で遠心分離し、上清をとり、活性を測定したところ、約
50nkatal/mlであった。
し、ついで限外ろ過膜により酵素を濃縮した。この濃縮
液を30〜60%飽和の硫安塩析を行った。さらに得ら
れた沈殿を1mM CaCl2 を含む25mMトリス−
塩酸緩衝液pH 7.5に溶解し、同緩衝液で透析した。続
いて該溶液をpH 7.5でCMセルロファイン(CM-cel
lulofine)C−500カラム(生化学工業製)吸着さ
せ、1mMCaCl2 を含む0〜1M KCl濃度勾配
法により溶出し、比活性がイオン交換クロマトグラフィ
ー前の約8倍に上昇した酵素画分を回収した。このサン
プルを用いてSDSポリアクリルアミド電気泳動を行っ
たところ単一バンドとして検出された。
Pantin ほう酸緩衝液に約20nkatal/ml度になるように
本発明の酵素(API26)、Subtilisin10309 (NCIB
10309 株の産する酵素)、PB92(バチルスPB92
株の産する酵素)、SD521(バチルスSD521株
の産する酵素)を加え、55℃でインキュベートする。
経時的にサンプリングし、残存活性を30℃で測定し
た。熱処理なしの活性を100としたときの各時間での
残存活性を表5示す。但しSubtilisin 10309、PB9
2、SD521はそれぞれ特公昭51-8401号、特開昭51-
125407号、特開平3-191781号に記載の方法で調製した。
表5及び図4から分かるようにAPI26は優れた温度
安定性を有する。
ntinほう酸緩衝液pH10にLASを500ppmとな
るように溶解する。この溶液に約20nkatal/ml濃度
になるように酵素(API26、Subtilisin 10309、P
B92、SD521)を加え、40℃及び55℃でイン
キュベートし残存活性を30℃で経時的に測定した。時
間0での活性を100とした時の各時間での残存活性を
表6(40℃)及び表7(55℃)に示す。API26
は従来の酵素に比べて格段に優れた界面活性剤安定性を
有することが分かる。
での安定性 以下の条件及び方法により市販洗剤ウルトラアリエル
(Ultra Ariel)(P&G社製)、スーパーチアー(Sup
er Cheer)(P&G社製)、タイド・グリィース・リリ
ーシング(Tide Grease Releasing)(P&G社製)溶
液中での本酵素の安定性を調べた。50mM Atkins-Pa
ntinほう酸緩衝液pH10 50ppmCa2+洗剤濃度
1000ppmの溶液で本酵素API26及び他酵素Subtil
isin 10309、PB92、SDI521を約20nkatal/
mlになるように加え、55℃または40℃でインキュ
ベートし、残存活性を30℃で経時的に測定した。時間
0での活性を100とした時の各時間での残存活性を表
8〜10及び図5〜図7に示す。この結果からAPI2
6は他の酵素と比較して著しく洗剤溶液中で安定性が高
いことが分かる。
洗浄性試験 実施例1と同様にして得られた培養液の上清を除菌膜処
理し、ついで限外ろ過膜により酵素を濃縮した後、噴霧
乾燥法により粗酵素を調製した。これを用いて、市販の
液体洗剤タイド(Tide)(P&G)に添加した際の洗浄
効果を調べた。タイドに粗酵素を100nkatal/mlと
なるように加え、本酵素を配合した洗剤を調製し、それ
を40℃で4週間保存した。カルシウムイオン(C
a2+)濃度が40ppmの水1リットルに対し、この4
週間保存した洗剤を2g添加し汚染布を洗浄後、白度を
測定し、洗浄効率を求めた。なお、汚染布はEMPA−
1165cm×5cmのものを各10枚用いた。また、
洗浄効率は以下の式によって定義する。
染布の白度)/(非汚染布の白度−汚染布の白度)×1
00
結果を表11に示す。この結果から液体洗剤中にAPI
26を添加することは有効であることが分かる。
洗浄機用洗剤洗浄性試験 実施例6に記載のAPI−26粗酵素を用いて、自動食
器洗浄機での洗浄効果を調べた。まず、市販洗剤(商品
名ハイウォッシュS;株式会社エヌシーシー;成分はポ
リエチレンアルキレンエーテル、過炭酸ナトリウム、炭
酸塩、硫酸塩、有機酸塩)とAPI−26粗酵素を重量
比20:1の割合で混合して酵素含有自動食器洗浄機用
洗剤を調製し、これを洗浄時0.21%となるように使用し
て以下の条件により洗浄性を試験した。
0洗浄剤水溶液が回転ノズルから噴射され、その噴射軌
道上面に設置された食器類を洗浄する形式のもの。 洗浄温度:5℃〜55℃まで徐々に上昇する。 使用水:硬度 3.5°DHの水、 酵素濃度:0.01%、 洗浄時の循環水量: 2.5リットル、 汚染皿の調製:卵黄1gを直径25cmの磁性の皿に塗
布し、一昼夜風乾したもの2枚試験に供する。
ニッツ液反応により、皿上の紫色面積(P1 )を写真判
定によって測り、汚染面積から下記の式によって洗浄率
を求めた。
てSD521も同時に試験した。この結果より、本酵素
を含むサンプルは洗浄作用が強く、今回特別に設定した
強固な汚れに対しても効果的に作用して100%の洗浄
率を示し、自動洗浄機用洗剤の洗浄力の改善に大きく寄
与していることことが分かる。
アルカリプロテアーゼに比べて各種市販洗剤溶液中や界
面活性剤存在下で高い安定性を有し、また熱に対しても
安定であり、洗濯や食器洗浄においてタンパク質の汚れ
を効率的に分解するので、洗剤に配合して洗浄力の増強
を図ることが出来る。また、蛋白質やペプチドに作用さ
せて他のペプチドやアミノ酸を製造する際にその安定性
を利用して経済的なプロセスが可能となる。本発明のバ
チルスsp.(Bacillus sp.)SD114株及びその変異
株は、取扱い易い中温菌であり、本発明のアルカリプロ
テアーゼの生産等において有用である。また、バチルス
(Bacillus)属に属する微生物またはその変異株を培養
する本発明のプロテアーゼの製造方法により本発明のア
ルカリプロテアーゼを効率良く生産することが出来る。
る。
ある。
る。
ける安定性を示すグラフである。
アリエル中55℃における安定性を示すグラフである。
チアー中55℃における安定性を示すグラフである。
グリィース・リリーシング中40℃における安定性を示
すグラフである。
学工業技術研究所
号
学工業技術研究所
Claims (12)
- 【請求項1】 以下の(a)〜(c)の少なくとも1つ
の条件を充たすアルカリプロテアーゼ。 (a)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、40℃で30分後に60%以上の残存
活性を有する。 (b)緩衝液(50mM Atkins-Pantin ほう酸緩衝液
(pH10)、0.1mMEDTA)中、55℃で15分
後に40%以上の残存活性を有する。 (c)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、55℃で15分後に20%以上の残存
活性を有する。 - 【請求項2】 以下の性質を有する請求項1に記載のア
ルカリプロテアーゼ。 (1) 作用 タンパク質及びペプチドを加水分解する。 (2) 至適pH カゼインを基質とし30℃にて10分間反応させたとき
至適pHは12付近にある。 (3) 安定pH域 30℃で24時間インキュベートしたとき、pH5〜1
1で安定である。 (4) 至適温度 カゼインを基質とし、pH10で10分間反応させたと
き、至適温度が60℃付近にある。 (5) 分子量 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定した
分子量は29000±2000である。 (6) 等電点 等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による等電点
は10.1±0.5である。 - 【請求項3】 バチルス(Bacillus)属に属する微生物
が生産する請求項1乃至2のいずれかに記載のアルカリ
プロテアーゼ。 - 【請求項4】 バチルス(Bacillus)属に属する微生物
がバチルスsp.(Bacillus sp.)SD114株(受託番
号FERM P-15214)である請求項3に記載のアルカリプロ
テアーゼ。 - 【請求項5】 請求項4に記載のプロテアーゼと免疫学
的交差性を示し、以下の(a)〜(c)の少なくとも1
つの条件を充たすアルカリプロテアーゼ。 (a)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、40℃で30分後に60%以上の残存
活性を有する。 (b)緩衝液(50mM Atkins-Pantin ほう酸緩衝液
(pH10)、0.1mMEDTA)中、55℃で15分
後に40%以上の残存活性を有する。 (c)界面活性剤溶液(50mM Atkins-Pantin ほう
酸緩衝液(pH10)、0.1mM EDTA、LAS5
00ppm)中、55℃で15分後に20%以上の残存
活性を有する。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプロ
テアーゼの生産能を有するバチルス(Bacillus)属に属
する微生物またはその変異株を培養し、その培養物から
該プロテアーゼを採取することを特徴とするアルカリプ
ロテアーゼの製造方法。 - 【請求項7】 バチルス(Bacillus)属に属する微生物
がバチルスsp.(Bacillus sp.)SD114株(受託
番号FERM P-15214)である請求項6に記載のアルカリプ
ロテアーゼの製造方法。 - 【請求項8】 バチルスsp.(Bacillus sp.)SD11
4株(受託番号FERMP-15214)及びその変異株。 - 【請求項9】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプロ
テアーゼを含む洗浄剤組成物。 - 【請求項10】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプ
ロテアーゼを含む洗剤。 - 【請求項11】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプ
ロテアーゼを含む自動食器洗浄機用洗剤。 - 【請求項12】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプ
ロテアーゼを蛋白質またはペプチドに作用させることを
特徴とするペプチドまたはアミノ酸の製造方法。
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