JPH09124322A - 軟磁性六方晶フェライト粉末の製造方法、それを用いた焼結体および電波吸収体 - Google Patents

軟磁性六方晶フェライト粉末の製造方法、それを用いた焼結体および電波吸収体

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JPH09124322A
JPH09124322A JP7306853A JP30685395A JPH09124322A JP H09124322 A JPH09124322 A JP H09124322A JP 7306853 A JP7306853 A JP 7306853A JP 30685395 A JP30685395 A JP 30685395A JP H09124322 A JPH09124322 A JP H09124322A
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wave absorber
sintered body
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ferrite powder
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Tsutomu Iohara
勉 庵原
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Y型のフェロックスプレーナー型フェライト
の形状異方性に優れた六方晶の板状微結晶を狭い粒度範
囲で、しかも組成ずれなく得る粉末の製造方法と、得ら
れた粉末により、高配向焼結体と、高配向の電波吸収体
用の樹脂成形体を供すること。 【解決手段】 Y型フェロックスプレーナーを構成する
各金属イオンの硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を加熱
することにより、前述の特徴を有する優れた粉末を得
る。又、この粉末を使用して磁場成型、焼結という工程
を経ることにより、高配向の焼結体が得られ、又、前記
の粉末を目的にあった樹脂と混合し、押出成形等をする
ことにより、高配向の樹脂成形体からなる電波吸収体が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高性能な軟磁性六
方晶フェライト(通称、フェロックスプレーナー型フェ
ライト)粉末の製造方法、及びこの粉末を用いた焼結
体、及びこの粉末を熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂に
混合して作製した電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】電波吸収体は、フェライトの強磁性自然
共鳴分散を利用したもので、複素透磁率(μ=μ´−j
μ″)の実数分μ´が1に近く、虚数分μ″がμ´より
はるかに大きくて、しかも、これが周波数にほぼ逆比例
して変わるような分散の高周波側を利用すると、電波吸
収バンドが広くなることを利用している。
【0003】従来のスピネルフェライトを用いた電波吸
収体では、電波の吸収のおこる周波数の領域が限られて
いる。
【0004】フェロックスプレーナー型フェライトと
は、スピネルフェライトにおいて、周知のSnoekの
限界を破る高周波磁性材料である。従って、従来のスピ
ネルフェライトを用いた電波吸収体と比較して、高周波
帯域での使用が可能となる。
【0005】電波吸収体としての整合のための厚さを薄
くするためには、対象とする周波数帯域においてμ″が
大きいことが必要である。C面内に磁化容易方向を有す
る六方晶の結晶構造を持つフェロックスプレーナー型フ
ェライトの電波吸収体において、焼結体の結晶組織を一
定方向に配向することは、μ″の向上に効果的である。
焼結体で配向させるためには、粉末を磁場プレスで配向
させた成形体を作製し、焼結させる方法が行われてい
る。又、フェロックスプレーナー型フェライト粉末を熱
可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂と混合したものは、焼結
体よりも、より高周波帯域で使用される電波吸収体とし
て用いられる。
【0006】Ba2Me2Fe12O22(Meは二価の金属
イオン)で示されるいわゆるY型結晶構造(以下、Y型
と略す)を持つフェロックスプレーナー型フェライト粉
末の製造方法としては、構成する金属元素の酸化物、又
は炭酸塩の原料を秤量し、秤量した原料に水、分散剤を
一定量加え、ボールミル等にて混合し、濾過を行う。次
に、予焼し、この粉末を数μmまでボールミル等で解砕
することにより得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、予焼工程に
おいて、Y型フェロックスプレーナー型フェライトの単
相を得るための予焼温度は、1300℃程度と、高温が
必要になっている。このために、粉末の粒成長が著し
く、焼結体の状態に近くなっているため、解砕工程にお
いて、解砕時間の増加によるコストアップという問題が
ある。又、長時間混合によって解砕できても、ボールミ
ル等のボールからのコンタミネーションによる組成ずれ
が大きく、しかも、製造ロットによるばらつきが大き
く、工業的規模で安定した品質で製造することは困難で
あった。
【0008】又、長時間の解砕が必要なため、粉末の外
観形状は比較的等方的に近くなっている。そこで、配向
させた焼結体を得るために、磁場プレスを行っても、こ
の粉末を用いた場合、粉末に形状異方性がないため、高
い配向度が得られないという問題があった。又、一つの
粉末粒子の中に数個の結晶粒を含有することによって
も、磁場配向が困難で、高い配向度が得られないという
問題も存在している。
【0009】又、粉末を熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹
脂と混合させて電波吸収体を得る際に、混合物をシート
化するために、ロール加工や押出成形を行うが、粉末に
形状異方性がないため、高い配向度が得られないという
問題があった。
【0010】本発明の課題は、粉末の調整方法を改良
し、上述した問題点を解決したY型のフェロックスプレ
ーナー型フェライトの粉末製造方法、焼結体および電波
吸収体を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、Ba2
Me2Fe12O22(Meは二価の金属イオン)で示され
るY型結晶構造を持つフェロックスプレーナー型フェラ
イトにおいて、Fe,Baを必須とし、Zn,Co,N
i,Cu,Mnの少なくとも一種を主成分とし、前記金
属の硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を加熱してY型の
フェロックスプレーナー型フェライト粉末を得ることを
特徴とするフェライト粉末の製造方法が得られ、又、上
記の方法で得られた粉末を成形し、焼結することにより
Y型フェロックスプレーナー型フェライトの焼結体が得
られる。
【0012】更に、 本発明によれば、上記の方法で得
られる粉末を熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂と混合し
た電波吸収体が得られる。
【0013】本発明者は、上述したY型のフェロックス
プレーナー型フェライトの製造方法の欠点を解消すべ
く、粉末の調整方法について鋭意検討の結果、本発明を
なすにいたった。
【0014】本発明の場合、Y型のフェロックスプレー
ナー型フェライトを構成している各金属元素は、アミノ
酸の錯体の溶液状態で混合されるため、原子レベルで均
一な混合が可能となる。更に、この溶液を加熱、乾燥す
ることにより、溶液の溶媒を除去すると、残留物が自己
燃焼を起こす。この燃焼は、極めて狭い範囲で、かつ短
時間で燃焼し、終了するため、粉末粒径が非常に微細
で、しかも、狭い粒度分布で、かつ均一な組成である粉
末をえることが可能である。同時に、Y型の結晶構造は
六方晶であるため、板状のものが得られる。このため、
従来の技術で述べたような長時間解砕をせずに済み、か
つ組成ずれも起こすことなく、板状の粉末を得ることが
可能となる。この粉末で成形を行う際、粉末が板状で形
状異方性を持っているため、磁場プレスにおいて粉末の
配向性が向上する。同じように、熱可塑性樹脂、又は熱
硬化性樹脂に混合して練り込ませる方法においても、押
出成形もしくはロール加工をする際に、粉末が板状であ
るため、配向度が向上した製品を得ることができる。
【0015】なお、得られた粉末は、微細であるため、
必要ならば熱処理を行うことで粒成長を起こすことが可
能である。熱処理温度としては、600〜800℃程度
の温度が好ましく、その理由は、十分な粒成長が得ら
れ、かつ熱処理後の粉末は、ボールミル等にて容易に解
砕することが可能なので、板状の形状を保つことができ
るためである。
【0016】本発明で用いられる熱可塑性樹脂、又は熱
硬化性樹脂としては、電波吸収体として必要とされる物
体に応じ選択される。強度を必要とされる場合には、エ
ポキシ樹脂が、可撓性を必要とする場合には、ゴムやエ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましい。又、耐熱性
を必要とされる場合には、ポリイミド樹脂も良好な特性
を示す。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例を用いて詳述する。
【0018】(実施例1)高純度のFe(NO3)3,B
a(NO3)2,Zn(NO3)2をFe2O3,BaO,Z
nO換算として、60mol%,20mol%,20m
ol%となるように秤量し、純水中に溶解した。この溶
液中にアミノ酢酸をFe(NO3)3,Ba(NO3)2,
Zn(NO3)2の総重量に対し、15wt%添加し、混
合した。次に、この混合した溶液を300℃に加熱し、
水分を蒸発させた。この時、溶液の残留物は自己発火
し、Y型のフェロックスプレーナー型フェライト粉末が
得られた。次に、粒成長をさせるため、700℃の温度
を2時間保持して熱処理を行い、ボールミルにて解砕
し、粉末を得た。この粉末を水に分散させ、スラリー化
しておき、湿式磁場プレスにて20×15×12(m
m)の形状に成形し、この成形体を空気中にて1250
℃の温度に4時間保持して焼結した。この焼結体をC面
配向方向に2mm厚で切断し、研磨、加工を行い、φ1
0×φ6×t1(mm)のリング形状の試料を得た。こ
の試料により、μ″の周波数特性を測定し、μ″の最大
値とその時の周波数frを測定した。又、焼結体のX線
回析を行い、配向度を算出した。配向度の算出は、以下
の式で求めた。 配向度P=[I(0,0,15)/{I(1,1,0)
+(0,0,15)}]×100(%) による。ここで、I(0,0,15),I(1,1,
0)というのは、それぞれ(0,0,15),(1,
1,0)面のX線強度を示す。
【0019】先に得られた粉末85wt%とエチレン酢
酸ビニル共重合体樹脂15wt%を加圧ニーダで混練
し、押出成形機にて厚さ2mmのシートを得た。このシ
ートから、φ10×φ6×t1(mm)のリング形状の
試料を打ち抜いて焼結体の場合と同様に、μ″の最大値
と、その時の周波数frを測定した。又、X線回析を行
い、配向度を算出した。焼結品の配向度、μ″の最大
値、frと、樹脂混合品の配向度、μ″の最大値、fr
を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例2)実施例1のZn(NO3)
2を、Co(NO3)2,Ni(NO3)2,Cu(NO3)
2,Mn(NO3)2にそれぞれ替えて、実施例1と同様
に、粉末を作製し、評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0022】(実施例3)本実施例においては、式Ba
2(Me0.5Me′0.5)2Fe12O22で示される二価の金
属イオンMe−Me′の組み合せを、MeをZn、M
e′をMnとしたBa2ZnO0.5MnO0.5Fe12O22
となるフェライト粉末を作製する。
【0023】高純度のFe(NO3)3,Ba(N
O3)2,Zn(NO3)2,Mn(NO3)2をFe2O3,
BaO,ZnO,MnO換算として、60mol%,2
0mol%,10mol%,10mol%となるように
秤量し、純水中に溶解した。その後は、実施例1と同様
に粉末を作製し、評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0024】
【表2】
【0025】(実施例4)実施例3で示したZnとMn
の組合わせの替わりに、表2に示した組成項目(二価の
金属イオンの組み合せ;Me−Me′)で、実施例1と
同様に、粉末を作製し、評価を行った。その結果を表2
に示す。
【0026】(比較例1)Fe2O3,BaCO3,Zn
Oを、Fe2O3,BaO,ZnO換算として、60mo
l%,20mol%,20mol%となるように秤量
し、秤量した原料に、水、分散剤を一定量加えボールミ
ルにて混合し、濾過した。次に、この粉末を1300℃
で予焼を行い、ボールミルにて解砕し、粉末を得た。こ
の粉末を実施例1と同様に、評価を行った。その結果を
表1に実施例と対置して示す。
【0027】(比較例2)比較例1で示したZnOの替
わりに、Co2O3,NiO,CuO,Mn3O4に、それ
ぞれ替えて比較例1と同様に、粉末を作製し、評価を行
った。その結果を表1に実施例と対置して示す。
【0028】(比較例3)本比較例においては、Ba2
(Me0.5Me′0.5)2Fe12O22で示される二価の金
属イオンの組み合せを(ZnO0.5MnO0.5)となるフ
ェライト粉末を作製する。Fe2O3,BaCO3,Zn
O,Mn3O4を、Fe2O3,BaO,ZnO,MnO換
算として、60mol%,20mol%,10mol
%,10mol%となるように秤量した。その後は、比
較例1と同様に、粉末を作製し、評価を行った。その結
果を表1に実施例と対置して示す。
【0029】(比較例4)比較例3で示したZnO0.5
MnO0.5の替わりに、表2の組成項目のZnO0. 5Mn
O0.5以外のものについて、比較例1と同様に、粉末を
作製し、評価を行った。その結果を表2に実施例と対置
して示す。
【0030】表1、表2から、本発明により焼結品の配
向度が向上し、それに伴い、焼結体、樹脂混合品とも
に、配向度、及びμ″の最大値が向上したことがわか
る。
【0031】
【発明の効果】以上、述べたように、従来の製造方法に
おいて、粉末の作製が困難であり、又、配向度、及び
μ″が低いという問題があったが、本発明によれば、粉
末の調整方法の変更により、高特性で、かつ低コストで
得られ、工業上、極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/36 H01F 1/36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ba2Me2Fe12O22(Meは二価の金
    属イオン)で示される軟磁性六方晶フェライト粉末の製
    造方法において、Fe,Baを必須とし、Zn,Co,
    Ni,Cu,Mnの少なくとも一種を主成分とし、前記
    金属の硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を加熱して得る
    ことを特徴とする軟磁性六方晶フェライト粉末の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により得られた
    フェライト粉末を成形し、焼結することにより得たこと
    を特徴とする軟磁性六方晶フェライト焼結体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造方法により得られた
    フェライト粉末を熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂と混
    合して得たことを特徴とする電波吸収体。
JP7306853A 1995-10-30 1995-10-30 軟磁性六方晶フェライト粉末の製造方法、それを用いた焼結体および電波吸収体 Withdrawn JPH09124322A (ja)

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