JPH0912456A - 薬物中毒疹用皮膚外用剤 - Google Patents

薬物中毒疹用皮膚外用剤

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JPH0912456A
JPH0912456A JP15945095A JP15945095A JPH0912456A JP H0912456 A JPH0912456 A JP H0912456A JP 15945095 A JP15945095 A JP 15945095A JP 15945095 A JP15945095 A JP 15945095A JP H0912456 A JPH0912456 A JP H0912456A
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JP
Japan
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dha
drug
preparation
cells
skin
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Withdrawn
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JP15945095A
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Takeo Hirata
武夫 平田
Masaru Minami
勝 南
Shinichi Kimura
眞一 木村
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 4、7、10、13、16、19−ドコサヘ
キサエン酸(DHA)もしくはその塩又はその誘導体を
含有している薬物中毒疹用皮膚外用剤。 【効果】 本発明の薬物中毒疹用皮膚外用剤の細胞増殖
亢進活性化作用により、障害を受けた表皮細胞、角質細
胞の修復又は新陳代謝を促進することができ、炎症等に
よる細胞膜の脆弱化を防止して、細胞膜を安定化させる
ことができる。これらの作用より、薬物中毒疹に対する
治療効果が期待されるとともに、打ち身等による皮下出
血に対しても治療効果が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4、7、10、13、1
6、19−ドコサヘキサエン酸(以下、DHAと記す)
もしくはその塩又はその誘導体を含有してなる薬物中毒
疹用皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物の内用(例えば内服、注射、吸入
等)により惹起される望ましくない反応としての皮疹や
粘膜疹を薬疹と呼び、通常、外用により生じるものは除
外される。
【0003】この薬疹の発症機序には、薬剤の中毒作用
によるものと、薬剤に対するアレルギーによるものの二
種類があるが、前者を薬物中毒疹と、後者を薬物アレル
ギー疹とそれぞれ呼ぶことにする。
【0004】薬物中毒症とは、人が通常治療に使用して
いる薬物により、一時的もしくは持続的な障害を受け、
時には死亡に至る現象をいうが、薬物中毒疹とは、これ
らの症状の中で、皮膚や粘膜に変化が生じるものをい
う。
【0005】薬物中毒疹の成因を大きく分けると、体
内での薬物絶対量の増大による薬物中毒疹と、生体側
の薬物感受性の増大による薬物中毒疹の二つに分けられ
る。
【0006】に該当する薬物中毒疹については、薬物
の有する薬理作用が必要以上に大きくなって皮疹等が発
生する場合と、潜在的薬物毒性が量に応じて顕在化して
くることにより皮疹等が発生する場合とがあり、これら
の現象が発生する原因としては、一時的な薬物の過大投
与や年令、疾病等による薬物代謝や排泄機能の低下等が
挙げられる。
【0007】またに該当する薬物中毒疹については、
アレルギーによるもの(薬物アレルギー疹)を除くと、
ホルモン環境、電解質濃度等の変化により皮疹等が発生
する場合が挙げられる。
【0008】これらの薬物中毒疹に対する対症療法の一
つとして、原因となる薬物が分かっている場合には、拮
抗薬の反復投与や、吸収されて体内に入った薬物等の体
外への排泄を促進する措置が効果的である。
【0009】薬物の生体への作用については薬物と生体
との相互作用であるため、一方のみにその原因を求める
ことは適切とは言えない。しかし、薬物の絶対量が多い
場合等のように、薬物の量やその薬理作用に起因する場
合、薬物中毒疹を防止するためには、その薬物の服用等
の中止や摂取量の低減、又は薬物の変更等の方法を採れ
ばよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一度薬物中毒
疹が発生すると、皮下出血や浮腫等の様々な現象を伴
い、これらの現象により表皮細胞や角質細胞等が破壊さ
れる場合があり、前記した方法では直接傷ついた患部を
治療することはできないという課題があった。
【0011】ところで、リン脂質やそれらを構成する脂
肪酸は、生体の細胞膜の構成や機能にとって重要な役割
を果たしている。リン脂質は極性及び非極性溶媒の両者
に親和性を有するという、いわゆる両親媒性を有し、こ
のためリン脂質は水溶液中でリン脂質二重層を形成す
る。このような性質を有するリン脂質は、細胞膜中にお
いてもリン脂質二重層を基本とした配列構造を有し、細
胞膜自身の構造の維持や細胞膜を介した種々の物質の出
入等においても重要な役割を果たしていると考えられ
る。
【0012】従って、薬物中毒等により、この細胞膜に
必要な脂質の組成及びその比率が変化すると、例えば細
胞膜の脆弱化が起こり、その結果、種々の物質の移動が
生じ、これにより皮下組織の機能も低下する。また、こ
のような皮下組織の機能低下によりNa+ やCa2+等の
イオンが細胞内に入り易くなり、電解質濃度等の変化等
の現象が発生し、その結果生体内の薬物感受性に変化が
生じると、薬物中毒疹による症状がさらに治癒しにくく
なる。
【0013】本発明者らは、このような薬物中毒に起因
すると考えられる表皮細胞や角質細胞の破壊及びそれに
伴って起こる皮下出血等の治療や、薬物中毒に起因して
脆弱化した表皮細胞の機能を回復させる薬剤を得ること
を目的として種々の検討を行った結果、リン脂質等の脂
質を構成する脂肪酸、特に脂肪酸のなかでも種々の生体
の代謝やホルモン等の生理活性物質に関係していると言
われている多価不飽和脂肪酸であるDHAもしくはその
塩又はその誘導体を、薬物中毒により皮疹や粘膜疹が生
じた患部に塗布することにより治癒することが可能であ
り、また薬物中毒に起因して脆弱化した表皮細胞等の機
能を回復させることができることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明に係る薬
物中毒疹用皮膚外用剤は、4、7、10、13、16、
19−ドコサヘキサエン酸(DHA)もしくはその塩又
はその誘導体を含有してなることを特徴としている。
【0015】DHAは、カルボキシル基より数えて4、
7、10、13、16、19の位置に二重結合を有する
高度不飽和脂肪酸であり、カルボキシル基の反対側の末
端基より数えて3番目の位置に不飽和基を有するので、
ω−3(n−3)の不飽和脂肪酸とも言われるものであ
る。
【0016】DHAはニジマス等の魚油中に多く存在す
ることが知られており、これら天然物より公知の方法で
抽出することができる。また、有機合成化学に基づく化
学的合成方法もしくは微生物による生合成又はこれらの
組み合わせにより合成することもできる。
【0017】DHAはそれ自体で使用することもでき、
また薬理学的に許容される塩、あるいはエステル又はア
ミド等の誘導体としても使用することもできる。このた
めの有利な塩としては、ナトリウムあるいはカリウム等
の無機塩基との塩や、有機塩基との塩等が挙げられる。
また好ましいエステルとしては、脂肪酸トリグリセライ
ド等の多価アルコールとのエステル、あるいはメタノー
ル、エタノール等の低級アルコールとのエステル等が挙
げられ、さらに好ましいアミドとしてはメチルアミン、
エチルアミン等の低級アルキルアミンとのアミド等が挙
げられる。
【0018】本発明に係る薬物中毒疹用皮膚(本明細書
における皮膚には粘膜をも含むものとする)外用剤は、
薬学的に許容される坦体と配合し、懸濁剤、乳剤、チン
キ剤、硬膏剤、軟膏剤、リニメント剤等、液状製剤、半
液状製剤として、非経口的にヒトを含む哺乳動物に投与
される。また、口腔等に粘膜疹が発生した場合には、軟
硬剤、チンキ剤等として局所的に投与される。
【0019】薬学的に許容される坦体としては、製剤素
材として慣用の各種有機あるいは無機坦体物質が用いら
れ、液状製剤等における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、
等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また
必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤等の薬剤添加
物を用いることもできる。溶剤の好適な例としては、例
えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マ
クロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、
安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、
コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤の好
適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミ
ン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオ
ン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼト
ニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子
等が挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例えば
塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙
げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸
塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げら
れる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルア
ルコール等が挙げられる。防腐剤の好適な例としては、
例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒ
ドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。坑酸化剤の好適
な例としては、例えばトコフェロール類、亜硫酸塩、ア
スコルビン酸等が挙げられる。
【0020】DHAもしくはその塩又はその誘導体の患
部への投与量は特に限定されないが、薬剤中の含有量
は、DHAとして約0.5〜5.0重量%が好ましく、
0.5〜2.0重量%がより好ましく、また約5〜50
μg/cm2 が好ましく、5〜20μg/cm2 がより
好ましい。
【0021】
【作用】上記構成の薬物中毒疹用皮膚外用剤によれば、
4、7、10、13、16、19−ドコサヘキサエン酸
(DHA)もしくはその塩又はその誘導体を含有してい
るので、その作用により患部皮膚中の血管平滑筋細胞の
増殖が亢進され、また細胞膜の脆弱化が抑制されること
により、細胞膜が安定化される。
【0022】また、DHA自身では、細胞内カルシウム
イオン濃度を変化させないので、皮膚外用剤として安全
に用い得る。
【0023】すなわち、細胞増殖亢進活性により障害を
受けた表皮細胞、角質細胞の修復又は新陳代謝が促進さ
れ、患部が早く治癒する。また、オータコイド等の刺激
による細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が抑制される
ので、炎症等による細胞膜の脆弱化が防止され、細胞膜
が安定化し、このため症状の悪化が抑制されて早期の治
癒に貢献する。
【0024】これらより、薬物中毒疹による皮下出血に
対する治療効果が期待されるとともに、打ち身等による
皮下出血に対しても治療効果が期待される。
【0025】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る薬物中毒疹用
皮膚外用剤について、実施例を用いてさらに詳細に説明
する。
【0026】下記実験においては、前記薬物中毒疹用皮
膚外用剤の作用を観察するための細胞として、ウィスタ
ー系雄性ラットから採取した血管平滑筋細胞を使用し
た。
【0027】血管平滑筋の単離は酵素法により行った。
まず、このラットをエーテル麻酔した後、無菌的に胸部
大動脈を採取し、滅菌リン酸緩衝液(PBS)内で血管
壁の付着物を十分に除去した。次に、血管を縦方向に切
開し、内膜側を滅菌した濾紙で軽く擦過することにより
血管内皮細胞の除去を行った。さらに0.1%コラゲナ
ーゼ、0.05%エラスターゼ、及び2%BSA(ウシ
血清アルブミン)含有の酵素溶液中、37℃で90分間
インキュベートした。
【0028】次に、前記酵素溶液から取り出した血管の
血管外膜を慎重に剥離し、血管中膜のみにした後、約1
mm四方に細く切断した。この切片を新しい酵素溶液に
入れ、さらに37℃で90分間インキュベートした。
【0029】次に、酵素反応を10%FCS(ウシ胎仔
血清)及びペニシリンストレプトマイシン(PS)含有
のD−MEM(ダルベッコ改変イーグル培地)培地で停
止し、フィルター(70μm ナイロンメッシュ:Falc
on製)で濾過して未消化の組織片を除去し、さらに細胞
懸濁液を1000回転/分の速度で回転する遠心分離機
にかけ、5分間遠心分離を行った。その後、分離した細
胞に適量の培養液を加えて再懸濁し、トリパンブルー染
色法により生存細胞数のみを、改良型ノイバウエル細胞
係数板(Counting chamber:Erma製)を用いて計数し
た。
【0030】次に、8×16mmの滅菌カバーグラスを
敷き詰めた35mm培養皿に細胞数が4×104 cells/
cm2 となるように播種し、5容量%のCO2 を含有する
空気雰囲気に調整したCO2 インキュベータ内において
37℃で培養した。培養液の交換は、2日に一度行い、
顕微鏡により細胞の様子を観察した。
【0031】この顕微鏡観察で細胞がカバーグラス上で
均一になったのを確認した後、培養液を2%FCS含有
のD−MEMに交換し、さらに2日間培養した。なお、
血管平滑筋細胞の同定はα−スムースマッスルアクチン
染色により行った。
【0032】上述の方法により得られた血管平滑筋細胞
(初代培養細胞)を底面積2cm2の培養プレートに移
したものを3個用意して、下記の条件で培養を行い、D
HAの添加により血管平滑筋細胞の増殖の程度がどのよ
うに異なるかを比較した。
【0033】すなわち培養後2日目に、2つの培養プレ
ートにそれぞれDHAを30μM(実施例1)及び3μ
M(実施例2)添加し、残りの一つには溶媒としてジメ
チルスルホキシド(DMSO)を添加した(比較例
1)。
【0034】細胞数の計数は上記の場合と同様に、トリ
パンブルー染色法により行った。また、前記計数は2日
置きに行い、細胞数をcells/cm2 として表わし増殖曲線
を作成した。
【0035】下記の表1は前記実施例1、実施例2及び
比較例1により得られたデータを示した表である。
【0036】
【表1】
【0037】また、図1は上記表1に示した結果を図示
したグラフであり、縦軸に細胞数(cells/cm2 )を、横
軸に培養日数をとっている。
【0038】図1の結果より明らかなように、溶媒のみ
を添加した比較例の場合の細胞数の増加率に比べ、DH
Aを30μM添加した実施例1の場合には細胞数の増加
率が大きく、有意水準(p)0.01%で増殖効果があ
ることが確かめられた。また、DHAを3μM添加した
実施例2の場合には、実施例1の場合ほど大きくはない
が、やはり有意水準(p)0.05%で増殖効果がある
ことが確かめられた。
【0039】また、上記と同様の方法により血管平滑筋
の培養を行い、DHAを含む溶液と接触させることによ
り、細胞内のカルシウムイオン濃度([Ca2+]i)の変
化を測定した。また、セロトニンやアンジオテンシンII
を含む溶液と、前記溶液にDHAを添加した溶液とで、
細胞内のカルシウムイオン濃度([Ca2+]i)の変化が
どのように異なるかを測定した。測定方法を以下に説明
する。
【0040】培養した血管平滑筋細胞の[Ca2+]iの測
定はカルシウムの指示薬であるfura-2/AM を用いて行っ
た。まず、カバーグラス上に存在する培養8日目の血管
平滑筋細胞とfura-2/AM 5μMを、40分インキュベー
トした後、fura-2/AM を負荷した。この血管平滑筋細胞
を有するカバーグラスを光路長2mmの石英セル内に固
定し、さらにこの石英セルを蛍光光度計(F-4000: 日立
製作所)の試料室内のホルダーに装着した。そして、石
英セル内の細胞に38℃の恒温槽(SM-05:TAITEC製)で
温めた0.1%BSA含有のハンクス緩衝液(組成 Na
Cl:132mM,KCl:5mM, Na2HPO4:0.3mM, KH2PO4:0.4mM, MgS
O4:0.4mM, CaCl2:1.2mM, MgCl2:0.5mM,Glucose:5.2mM,H
EPES:10mM)を流速1ml/分で灌流し、340nm及
び380nmの二つの励起波長でfura-2/AM を励起し、
生じる505nmの蛍光波長を測定した。
【0041】まず、DHAによる細胞内カルシウムイオ
ン濃度の変化の様子を調べるために、前記ハンクス緩衝
液の灌流を続けることにより細胞内カルシウムイオン濃
度が安定した後、DHAを100μM含有するハンクス
緩衝液を灌流し、細胞内カルシウムイオン濃度を測定し
た。
【0042】また、セロトニンやアンジオテンシンIIに
よる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇に対するDHA
の影響を調べるため、前述した灌流を続けることにより
細胞内カルシウムイオン濃度が安定した後、下記の表2
に示す条件で灌流を行い、同様に細胞内カルシウムイオ
ン濃度を測定した。表中、実施例においては、に示
す条件で、、の順番に灌流を行い、比較例において
はに示す条件のみで灌流を行った。
【0043】
【表2】
【0044】図2はDHAを含む溶液と接触させた血管
平滑筋細胞内のカルシウムイオン濃度の時間による変化
を示したグラフであり、縦軸にカルシウムイオン濃度
([Ca2+]i)を、横軸に経過時間をとっている。
【0045】図2の結果より明らかなように、DHAを
含有する前記緩衝液を灌流させても、細胞内のカルシウ
ムイオン濃度は殆ど変化していない。この結果より、D
HAは細胞内カルシウムの動きに全く関与せず、細胞毒
性や細胞障害を与えないと言える。 通常は、細胞の近
くに脂肪酸が存在するとミセル化が起こり、細胞膜がと
ころどころ破壊されて、細胞外液やイオンの流入が起こ
り細胞が死滅する場合があり、このような場合は細胞内
カルシウムイオンの濃度に変化が起こるが、DHAはそ
のような現象を引き起こさないものと推定される。
【0046】また、図3及び図4はセロトニン含有緩衝
液のみと、セロトニンにさらにDHAを添加したときの
血管平滑筋の細胞内カルシウムイオン濃度の変化を示し
たグラフであり、図3は2日間測定を行った際の細胞内
カルシウムイオン濃度の最大値を、図4は灌流開始5分
後の細胞内カルシウムイオン濃度を示している。
【0047】さらに、図5及び図6はアンジオテンシン
II含有緩衝液のみと、アンジオテンシンIIにさらにDH
Aを添加したときの血管平滑筋の細胞内カルシウムイオ
ン濃度の変化を示したグラフであり、図5は2日間測定
を行った際の細胞内カルシウムイオン濃度の最大値を、
図6は灌流開始5分後の細胞内カルシウムイオン濃度を
示している。
【0048】図3〜図6のグラフに示された結果より、
細胞内カルシウムイオン濃度が増加しているものも一部
存在するが、ほぼセロトニンやアンジオテンシンIIによ
る細胞内カルシウムイオン濃度の上昇に対して、DHA
は抑制気味に働き、このことはオータコイドによる細胞
の脆弱化をDHAが抑えることを示している。すなわ
ち、DHAはオータコイド等により引き起こされる細胞
の脆弱化を防止し、細胞の安定化に関与する。
【0049】以上、上記実験における実施例及び比較例
の結果をまとめると、DHAは細胞に対して有害な反応
を全く示さず、局所におけるオータコイドに対する細胞
の反応を抑制し、細胞膜の脆弱化を抑制し、細胞の増殖
を促す働きを有している。従って、このようなDHAを
含有する薬物中毒疹用皮膚外用剤は、薬物中毒により炎
症や皮下出血を起こした皮膚患部の細胞の安定化及び増
殖を促し、症状を緩解する機能を有し、薬物中毒疹等に
対する治療において皮膚外用剤として極めて有用である
と考えられる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る薬物中
毒疹用皮膚外用剤にあっては、DHAもしくはその塩又
はその誘導体を含有しており、患部皮膚に外用すること
により、細胞増殖亢進活性により、障害を受けた表皮細
胞、角質細胞の修復又は新陳代謝を促進することができ
るとともに、炎症等による細胞膜の脆弱化を防止して症
状の悪化を抑えることができる。
【0051】これらの作用より、薬物中毒疹に対する治
療効果が期待されるとともに、打ち身等による皮下出血
に対しても治療効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るDHAを含有する緩衝液
及び比較例に係るDHAを含有しない緩衝液を用いて血
管平滑筋細胞を培養した結果を示したグラフである。
【図2】灌流によりDHAを含む溶液と接触させた血管
平滑筋細胞内のカルシウムイオン濃度の経時変化を示し
たグラフである。
【図3】セロトニン含有緩衝液のみ(比較例)、及びセ
ロトニン含有緩衝液にDHAを添加したとき(実施例)
の血管平滑筋細胞内のカルシウムイオン濃度につき、2
日間測定を行った際の細胞内カルシウムイオン濃度の最
大値を示したグラフである。
【図4】セロトニン含有緩衝液のみ(比較例)、及びセ
ロトニン含有緩衝液にDHAを添加したとき(実施例)
の血管平滑筋の細胞内カルシウムイオン濃度につき、灌
流開始5分後の細胞内カルシウムイオン濃度を示したグ
ラフである。
【図5】アンジオテンシンII含有緩衝液のみ(比較
例)、及びアンジオテンシンII含有緩衝液にDHAを添
加したとき(実施例)の血管平滑筋の細胞内カルシウム
イオン濃度につき、2日間測定を行った際の細胞内カル
シウムイオン濃度の最大値を示したグラフである。
【図6】アンジオテンシンII含有緩衝液のみ(比較
例)、及びアンジオテンシンII含有緩衝液にDHAを添
加したとき(実施例)の血管平滑筋の細胞内カルシウム
イオン濃度につき、灌流開始5分後の細胞内カルシウム
イオン濃度を示したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4、7、10、13、16、19−ドコ
    サヘキサエン酸もしくはその塩又はその誘導体を含有し
    てなる薬物中毒疹用皮膚外用剤。
JP15945095A 1995-06-26 1995-06-26 薬物中毒疹用皮膚外用剤 Withdrawn JPH0912456A (ja)

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