JPH09125007A - 水性塗料組成物および塗膜形成方法 - Google Patents

水性塗料組成物および塗膜形成方法

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JPH09125007A
JPH09125007A JP30366195A JP30366195A JPH09125007A JP H09125007 A JPH09125007 A JP H09125007A JP 30366195 A JP30366195 A JP 30366195A JP 30366195 A JP30366195 A JP 30366195A JP H09125007 A JPH09125007 A JP H09125007A
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JP
Japan
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coating film
coating
black
weight
polymer
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Application number
JP30366195A
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English (en)
Inventor
Hajime Ishihara
肇 石原
Eizo Niimi
英造 新美
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた深み感と清澄感の高い漆黒性塗膜を形
成し得る水性塗料組成物と、該水性塗料組成物を用いて
色ぶれの少ない漆黒性塗膜を工業的に形成する塗膜形成
方法を提供する。 【解決手段】 黒漆の乳化重合体を、ビヒクル 100重量
部(固形分)に対し10〜70重量部(固形分)の割合で含
有する水性塗料組成物。漆黒塗膜層を形成する塗膜形成
方法は、 (1)被塗基材面に、明度N3以下の無彩色下地
塗膜を形成する工程、 (2)上記の黒漆乳化重合体を含む
水性塗料組成物を塗布してベース塗膜を形成する工程、
および (3)透明クリヤー塗膜を形成する工程を順次に施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電製品、什器、
建材、自動車内装品などの被塗物に対して優れた深み感
と清澄感の高い漆黒性塗膜の形成するために好適な黒漆
の乳化重合体を含む水性塗料組成物と該水性塗料組成物
を用いた塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗膜に曇りや底色に黄味または褐色味の
色味のない深み感ならびに清澄感を備える漆黒調塗膜を
形成する被覆組成物および塗膜形成法は、従来から知ら
れている。例えば特開昭60−106866号公報に
は、熱硬化性アクリル樹脂を重量百分率で少なくとも実
質的に25%含有するポリマー成分と、アミノ−フェノ
ールと置換され且2−ナフトーエルを結合されたモノ−
アゾ染料の1:1クロム錯体を重量百分率で少なくとも
実質的に5%含有する顔料成分とを含む超漆黒被覆組成
物が開示されている。しかし、この組成物は深暗青色の
漆黒性を形成する成分として染料が配合されている関係
で、分散安定性を図るために極性の強いアルコール溶剤
を多用しなければならない。このため、被覆組成物の抵
抗値が低下して放電スパークの発生を伴うので工業的に
有利な静電塗装手段が適用できない欠点がある。そのう
え、顔料成分としてカーボンブラックを使用した場合に
は、その分散により色ぶれの少ない状態で漆黒調を発現
させることはできない。
【0003】また、特開平3−12263号公報では、
電着塗料および中塗り塗料を塗装し、焼付けた塗膜上に
ベースコートおよび透明クリヤをウエットオンウエット
で塗装し焼付け、次いでカラークリヤおよび透明クリヤ
をウエットオンウエットで塗装し焼き付けることを特徴
とするうるし調塗膜の形成方法が提案されている。とこ
ろが、この形成方法で黒のカラークリヤーを用いると、
顔料濃度を低くするに従って赤味、黄味、褐色味等の底
色味が生じてしまい、清澄性のある黒漆性塗膜を得るこ
とは困難である。
【0004】一方、特開平3−127668号公報に
は、天然漆塗料を含有する光輝性塗料の塗装方法が開示
されている。すなわち、この塗装方法は、合成樹脂から
なる基材上に下塗り塗膜を形成し、下塗り塗膜上に天然
漆塗料などの遅乾性塗料を少なくとも1回塗布し、この
遅乾性塗料上に光輝性粉体を塗布し、さらに2液ウレタ
ン塗料にて変性した漆塗料を塗布して乾燥させ、この塗
膜上にクリヤー塗膜を形成するものである。したがっ
て、塗装の目的は光輝性粉体の干渉作用により木目調な
どの模様を形成するところにあり、漆黒性の塗膜を得る
ことについては意図されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ウルシオ
ールを含む天然漆成分を配合して工業的塗装が可能な漆
黒性塗料組成物を得る技術はこれまで開発されていな
い。本発明者らは、かかる実情に鑑み、黒漆を黒色源と
して工業的に漆黒性の塗膜形成が可能な水性塗料を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、黒漆の乳化重合体を特定
量比でビヒクルに配合すると優れた深み感と清澄感の高
い漆黒性塗膜が形成し得る水性塗料組成物が得られ、ま
た該水性塗料組成物をベース塗料として特定明度の無彩
色下地塗膜上に塗布し、最上面にクリヤー塗膜を形成す
ると色ぶれの少ない高品位の漆黒性塗膜が作業性よく形
成できることを確認して本発明の開発に至った。
【0006】したがって、本発明が目的とする解決課題
は、優れた深み感と清澄感の高い漆黒性塗膜を工業的に
形成し得る水性塗料組成物と、該水性塗料組成物をベー
ス塗料として色ぶれの少ない高品位の漆黒性塗膜を効率
よく形成することができる塗膜形成方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による水性塗料組成物は、黒漆の乳化重合体
を、ビヒクル(黒漆の乳化重合体を除く;以下特に明示
しない)100重量部(固形分)に対して10〜70重
量部(固形分)の割合で含有することを構成上の特徴と
する。
【0008】また、本発明に係る塗膜形成方法は、下記
(1)〜(3) の塗膜形成工程を順次に施して漆黒性塗膜層
を形成することを構成上の特徴とする。 (1) 被塗基材面に、無彩色下地塗料を塗布して明度N3
以下の無彩色塗膜を形成する下地塗膜形成工程、(2) 下
地塗膜面に、上記した水性塗料組成物を塗布して黒色塗
膜を形成するベース塗膜形成工程、および(3) ベース塗
膜面に、クリヤー塗料を塗布して透明塗膜を形成するク
リヤー塗膜形成工程。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水性塗料組成物を構成す
る黒漆の乳化重合体は、精製漆または黒漆などウルシオ
ールを含む漆成分をアルカリ水溶液中で酸化重合させた
漆の酸化重合体を、硬化剤が配合された水性フィルム形
成重合体からなるビヒクル(黒漆の乳化重合体を除く)
に懸濁乳化することにより調製されるものである。前記
漆の酸化重合体としては、例えば本州化学工業株式会社
製の“ウルシパール”(不揮発分29〜33%の黒色水懸濁
液)などが有効に用いられる。
【0010】ビヒクルとなる水性フィルム形成重合体と
しては、通常、水性塗料組成物に用いられるものを適宜
に使用することができ、例えば水性アクリル重合体また
はビニル重合体等の付加重合体、水性ポリエステル、ア
ルキド、ポリウレタン、アミン等の縮合重合体を挙げる
ことができる。また、硬化剤としては、例えばメラミン
樹脂、ブロック化ポリイソシアネート、またはエポキシ
樹脂等が使用できる。該水性塗料組成物には、添加剤と
して増粘剤や表面調整剤などを配合することができ、ま
た漆黒性を損なわない範囲でカーボンブラックのような
黒色顔料を添加してもよい。
【0011】具体的な水性フィルム形成重合体として
は、本出願人により開発された下記の水性重合体組成物
などが挙げられる。 (1) (A)酸性基を有するエチレン性モノマー、ヒドロキ
シル基を有するエチレン性モノマーおよびこれらと共重
合し得る他のエチレン性モノマーを共重合させて得られ
た酸価5〜100、ヒドロキシル価20〜100、溶解
度パラメータ−(δsp) 9.0〜12.0、数平均分子
量5,000〜50,000である共重合体95〜60
重量部、 (B)架橋成分5〜40重量部、 (C)酸性基を有
するエチレン性モノマー、ヒドロキシル基を有するエチ
レン性モノマーおよびこれらと共重合し得る他のエチレ
ン性モノマーを共重合させて得られた酸価5〜100、
ヒドロキシル価20〜100、溶解度パラメータ−(δ
sp) 9.0〜13.0で、かつ前記(A) の共重合体の溶
解度パラメーターとの差の絶対値が0.3以上である共
重合体95〜60重量部とからなる水性重合体組成物
(特開昭62−289267号公報)。
【0012】(2) (A)酸性基を有するエチレン性モノマ
ー、ヒドロキシル基を有するエチレン性モノマーおよび
これらと共重合し得る他のエチレン性モノマーを共重合
させて得られた酸価5〜100、ヒドロキシル価20〜
100、溶解度パラメータ−(δsp) 9.0〜13.
0、数平均分子量3,000〜50,000を有するビ
ニル重合体94〜30重量部と、 (B)架橋成分5〜40
重量部からなる水性重合体組成物(特開昭63−111976号
公報)。
【0013】(3) (A)共重合し得るエチレン性モノマー
のうちアミド基含有エチレン性モノマー5〜40重量
%、酸性基含有エチレン性モノマー3〜15重量%、水
酸基含有エチレン性モノマー10〜40重量%、及び残
る他のエチレン性モノマーより得られる数平均分子量が
6,000〜50,000の共重合体の酸性基の少なく
とも一部を中和して得られる被膜形成性重合体100重
量部、 (B)Cn 2n.1−もしくはCn 2n−基(但し、
nは1〜20の整数を示す。)を有し、かつ酸性基もし
くはその酸塩基を少なくとも1個以上有するフッ素含有
化合物0.01〜5重量部、 (C)前記(A) と加熱硬化し
うるアミノ化合物、イソシアネート化合物およびエポキ
シ化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の
架橋成分5〜120重量部、 (D)C11〜C24の有機化合
物のリン酸モノまたはジエステルおよびリン含有チタネ
ートカップリング剤からなる群から選択される化合物と
からなる水性重合体組成物(特開平3−47875 号公報)
【0014】(4) (A)化1の一般式(式中、Xは水素原
子もしくはメチル基、Yは炭素数2〜4のアルキレン
基、nは3〜30の整数を示す。)で表されるモノマー
と、(B)他のエチレン性モノマーとを共重合して得られ
る、数平均分子量1,000〜50,000、酸価15
〜200、水酸基価20〜200のアクリル樹脂からな
る水性重合体組成物(特開平4−25578 号公報)。
【0015】
【化1】
【0016】(5) (A)アミド基含有エチレン性モノマー
5〜40重量%、酸性基含有エチレン性モノマー3〜1
5重量%、水酸基含有エチレン性モノマー10〜40重
量%および他のエチレン性モノマー残量を共重合するこ
とにより得られる数平均分子量6,000〜50,00
0の共重合体の酸性基の少なくとも一部を中和して得ら
れる皮膜形成用重合体95〜10重量部(固形分)と、
(B)末端ヒドロキシル基を有する分子量1,000〜
5,000のジオール化合物、ジイソシアネート化合物
および分子内に少なくとも1個の活性水素を有し、かつ
親水性基を有する化合物をイソシアネートリッチの条件
下で反応することにより得られる親水性基含有オリゴマ
ーを第1級および/または第2級ポリアミンを含む水媒
体に分散して得られるウレタン含有水分散体5〜90重
量%(固形分)を含有する水性重合体組成物(特開平4
−25582 号公報)。
【0017】これら水性フィルム形成重合体からなるビ
ヒクルと黒漆の乳化重合体との配合割合は、ビヒクル1
00重量部(固形分)に対し黒漆の乳化重合体を10〜
70重量部(固形分)、好ましくは30〜50重量部
(固形分)の範囲に設定する。黒漆の乳化重合体が10
重量部(固形分)未満の配合組成では形成塗膜に優れた
深み感ならびに清澄感を有する漆黒性を発現することが
できず、他方、70重量部(固形分)を越えると形成塗
膜の強度が低下する。
【0018】上記成分系の水性塗料組成物を用いて漆黒
性塗膜を形成するには、以下の下地塗膜形成工程、ベー
ス塗膜形成工程およびクリヤー塗膜形成工程を順次に施
す塗装操作が適用される。
【0019】下地塗膜形成工程は、被塗基材面に無彩色
下地塗料を塗布して明度N3以下の無彩色塗膜を形成す
る工程である。明度とは、JIS Z8721「三属性
による色の表示方法」で示される色相、明度および彩度
のうち明度軸で表示される指標で、明度N3以下は暗色
域に属する領域である。形成する無彩色塗膜の明度がN
3を越えると、エナメルベースの隠蔽性が弱くなって着
色下地の色感が出ていまい、明度が高まって最終塗膜層
に漆黒性を発現させることができなくなる。
【0020】下地塗膜形成工程に用いられる無彩色下地
塗料は、着色顔料としてカーボンブラック、チタンブラ
ック、鉄黒などの黒色顔料および二酸化チタンなどの白
色顔料を用い、必要に応じてタルク、クレー、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム等の体質顔料を使用して明度がN
3以下になるように調色する。ビヒクル樹脂としては、
例えばポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹
脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの基本樹脂に、アミ
ノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物等の架
橋剤を混合した成分系が用いられる。このほか、常温乾
燥により硬化する2液性ポリウレタン樹脂やシリコン樹
脂などを使用することもできる。塗料には、通常、塗料
用に使用される各種の添加剤を配合してもよい。この工
程で形成する下地塗膜は、乾燥膜厚として25〜50μ
m の範囲とすることが好ましい。
【0021】ベース塗膜形成工程は、上述した黒漆の乳
化重合体を含む水性塗料組成物を下地塗膜面に塗布して
黒色塗膜を形成する段階で、形成塗膜の好ましい厚さは
乾燥膜厚として10〜30μm の範囲である。
【0022】クリヤー塗膜形成工程は、ベース塗膜面に
クリヤー塗料を塗布して透明塗膜を形成する最終塗装段
階である。クリヤー塗料としては、一般に常用される透
明性樹脂が使用されるが、透明性を損ねない範囲で各種
添加成分を配合してもよい。また、クリヤー塗料の形態
は有機溶剤型が一般的であるが、水性塗料、粉体塗料、
紫外線硬化型、常温硬化型であってもよい。なお、クリ
ヤー塗膜は前工程のベース塗膜と共に2コート1ベーク
方式により同時に乾燥硬化させることが好ましいが、2
コート2ベーク方式によって行なっても差し支えない。
本発明のベース塗膜およびクリヤー塗膜の形成は、樹脂
の選択により焼付けることなく、常温硬化によっても可
能である。形成するクリヤー塗膜の好ましい乾燥膜厚
は、30〜60μm の範囲である。
【0023】本発明による塗膜形成の対象となる被塗基
材には特に限定はなく、例えば鉄、アルミニウム、銅も
しくはこれらの合金を含む金属類を始めとして、ガラ
ス、セメント、コンクリートなどの無機材料、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリアミド、ポリアクリル、ポリエステル、エチレ
ン−ポリビニルアルコール共重合体、塩化ビニル樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、ポリカ−ボネート、ポリウレタン
等の樹脂成形品および各種FRPなどのプラスチック材
料、木材、繊維材料など多様な材質が挙げられる。な
お、これら被塗基材に予め適宜なアンダーコートやプレ
コート処理を施すことは任意である。
【0024】塗装は被塗基材に直接塗布することもでき
るが、例えば電機製品やその部品を対象とする際には、
表面化成処理後に下塗りとして電着塗料または下塗用防
錆プライマーを塗布し、その塗膜が硬化してから本発明
の方法を適用して漆黒性塗膜層を形成する。塗装方法と
しては、霧化式塗装やロールコーター塗装が使用され
る。特に霧化式塗装法によるエアスプレー塗装や静電塗
装などが工業的に有利である。
【0025】上記の塗膜形成方法によれば、下地塗膜形
成工程で形成される明度N3以下の黒さと、その塗膜上
に形成されたベース塗膜中の黒漆含有重合体による光の
透過吸収作用とが相俟って優れた深み感と清澄感の高い
漆黒性色調を発現する。更に、クリヤー塗膜を形成する
することにより、塗膜表面から発生する乱反射が抑制さ
れ、多様な角度から観察した場合にも色ぶれの少ない高
質の塗膜層を得ることが可能となる。したがって、黒色
顔料を分散した従来のエナメルベースの場合に生じる顔
料表面の散乱に伴う黄味や褐色味の発色が生じることな
く、常に高級感のある漆黒性塗膜として形成することが
できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれらの実施
例に制約されるものではない。
【0027】実施例1 (1) 無彩色下地塗料;ポリエステル/メラミン樹脂系の
カラー中塗塗料〔日本ペイント(株)製、“オルガS-90
シーラーN2ダークグレー”〕を用いた。該塗料の明度は
N2である。
【0028】(2) エナメルベース塗料(水性塗料組成
物)の調製;撹拌機、温度調節器、冷却管を備えた反応
容器(1l)にエチレングリコールモノブチルエーテル76
重量部を仕込み、これにスチレン45重量部、メチルメ
タクリレート63重量部、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート48重量部、n−ブチルアクリレート117重
量部、メタクリル酸27重量部、ラウリルメルカプタン
3重量部、アゾビスイソブチロニトリル3重量部からな
るモノマー溶液61重量部を添加し、撹拌しながら12
0℃の温度に保持した。ついで、上記モノマー溶液24
5重量部を3時間で滴下した後、1時間撹拌を継続し
た。さらにジメチルエタノールアミン28重量部と脱イ
オン水200重量部を添加して、揮発分50%、樹脂の
数平均分子量6,000のアクリル樹脂ワニスを得た。
この樹脂は、水酸基価70、酸価58、Sp値11.3
の性状を有していた。この水溶性アクリル酸ワニス14
0重量部に、架橋剤としてメトキシ化メチロールメラミ
ン〔三井東圧社製“サイメル303 ”〕30重量部を配合
してビヒクルとし、黒漆の乳化重合体〔本州化学工業
(株)製、“ウルシパール”;不揮発分30%の黒色水懸
濁液〕142重量部を撹拌混合した。この場合のビヒク
ル100重量部(固形分)に対する黒漆の乳化重合体の
配合割合は、42.6重量部(固形分)となる。次に、
混合液のNo.4フォードカップが25〜30秒/20
℃になるように脱イオン水で希釈して黒漆成分を含む水
性塗料組成物を調製した。
【0029】(3) クリヤー塗料;アクリル/メラミン樹
脂系クリヤー塗料〔日本ペイント(株)製、“スーパー
ラックO-100 クリヤー”〕を用いた。
【0030】(4) 塗膜の形成;上記の無彩色下地塗料、
エナメルベース塗料(水性塗料組成物)およびクリヤー
塗料を用い、以下の塗膜形成工程により鋼板基材面に順
次に塗装した。リン酸亜鉛で化成処理した厚さ0.8mm
のダル鋼板基材に、カチオン電着塗料〔日本ペイント
(株)製、“パワートップU-50”〕を乾燥膜厚が25μ
m になるように塗装したのち、160℃で30分間焼付
けた。この電着塗膜面に無彩色下地塗料を乾燥塗膜が4
0μm になるようにエアースプレー塗装し、140℃で
30分間焼付けして下地塗膜を形成した。ついで、エナ
メルベース塗料を乾燥膜厚が20μm になるようにエア
スプレー塗装し、80℃で5分間のプレヒートした後、
クリヤー塗料を乾燥膜厚が30μm になるように塗装
し、7分間セッティングしてから乾燥器中で140℃の
温度により30分間焼付けした。
【0031】(5) 塗膜の評価;上記の工程で形成した塗
膜につき、下記の基準でCIE(L* 、a* 、b* )表
示系における色相〔明度(L* ) 〕の光学測定および目
視観察による黒さ、深み感を判定評価した。その結果を
表1に示した。
【0032】CIE(L* 、a* 、b* )表示系にお
ける明度の測定;変角分光測色計〔村上色彩研究所製、
GCMS−3型、D65光源、2度視野〕を用い、図1に
示すように塗膜形成した測定試料に対し垂線から45°
の角度で光源を照明し、その照明角度の正反射方向から
光源側に15°(ハイライト方向の受光点;図符号
)、45°(図符号)および110°(シェード方
向の受光点:図符号)の角度で同時に受光した。これ
を明度一彩度のL* * * 表色系により測色し、明度
(L* )の測定値から漆黒性と深み感を評価した。
【0033】目視判定評価の基準;目視観察による評
定評価の基準は、下記によった。 漆黒性:○非常に強い、△若干あり、×弱い 深み感:○強い、×弱い
【0034】実施例2 (1) エナメルベース塗料(水性塗料組成物)の調製;水
性ウレタン樹脂〔旭電化工業(株)製、“アデカボンタ
イターHUX-232 ”(不揮発分30%)〕100重量部に架
橋剤〔旭電化工業(株)製、“アデカボンタイターHUX-
XW”(不揮発分55%) 〕6重量部を配合した水溶性樹脂
をビヒクルとし、黒漆の乳化重合体〔本州化学工業
(株)製、“ウルシパール”;不揮発分30%の黒色水懸
濁液〕47.6重量部を撹拌混合した。この場合のビヒ
クル100重量部(固形分)に対する黒漆の乳化重合体
の配合割合は、42.9重量部(固形分)となる。この
混合液を塗装に好適な粘度に脱イオン水で希釈して黒漆
成分を含む水性塗料組成物を調製した。
【0035】(2) 塗膜の形成;RIMウレタンバンパー
をトリクロルエタンで洗浄し、ウレタンプライマー〔日
本ビーケミカル(株)製、“RB110 プライマー”〕を塗
布硬化させた被塗基材面に、無彩色下地塗料〔日本ビー
ケミカル(株)製、ウレタン塗料“R-320 BKH-3 ”〕を
所定の硬化剤と混合して塗布硬化し、明度N1の下地塗
膜を形成した。ついで、上記(1) で調製した黒漆の乳化
重合体を含むエナメルベース塗料を乾燥膜厚が20μm
になるようにエアスプレー塗装した。80℃で5分間プ
レヒートした後、アクリル/ウレタン系のクリヤー塗料
〔日本ペイント(株)製、“NAXマイティラックG-II240
”2コート用クリヤー〕を所定の硬化剤と混合して乾
燥膜厚が30μm になるように稀釈塗装し、80℃で3
0分間乾燥硬化させて漆黒性の塗膜を形成した。この塗
膜につき、実施例1と同様に評価した結果を表1に併載
した。
【0036】比較例1 スチレン/メチルメタアクリレート/エチルメタアクリ
レート/エチルアクリレートとヒドロキシエチルメタア
クリレート/メタアクリル酸の共重合体で数平均分子量
20,000、水酸基価45、酸価15、固形分50%
のアクリル樹脂70重量部およびメラミン樹脂〔三井東
圧化学(株)製、“ユーバン20SE”固形分60%〕15重
量部に溶剤(キシレン/酢酸ブチル/ノルマルブタノー
ル=5/5/3)1.3重量部を混合したビヒクルに、
カーボンブラック顔料〔デグッサ社製、“FW-200”〕
2.0重量部を配合し、ボールミルで粒径が10μm 以
下(JIS K5400)になるまで分散処理した。こ
の黒色塗料をNo.4フォードカップで12〜15秒/
20℃になるように溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エ
チル/酢酸ブチル=70/15/10/5)で粘度調製
し、実施例1の下地塗膜面に乾燥塗膜が16〜20μm
になるように塗装した。塗装は静電塗装機〔ランズバー
グゲマ社製、“Auto REA〕を用いて霧化圧2.8kg/cm2
の条件で行い、塗装中のブースの雰囲気は温度25℃、
湿度75%に保持した。塗装後3分間セッテイングを施
したのち、アクリル樹脂系クリヤー塗料〔日本ペイント
(株)製、“スーパーラックO-100 ”〕を乾燥膜厚が約
35μm になるよう塗装した。ついで、約10分間室温
でセッテイングしたのち、140℃で30分間焼付け
た。このようにして形成した塗膜につき、実施例1と同
様に評価した結果を表1に併載した。
【0037】比較例2 比較例2と同様にして形成したベース塗膜上に、アクリ
ル樹脂系クリヤー塗料〔日本ペイント(株)製、“スー
パーラックO-100 ”〕100重量部にカーボンブラック
顔料〔デグッサ社製、“FW-200”〕0.1重量部を配合
してボールミルにより所定時間分散したカラークリヤー
塗料を乾燥膜厚が30μm になるように塗装し、140
℃で30分間焼付けた。このようにして形成した塗膜に
つき、実施例1と同様に評価した結果を表1に併載し
た。
【0038】比較例3 実施例1の下地塗膜を明度N4のポリエステル/メラミ
ン樹脂系塗料により形成し、その他は実施例1と同一の
塗膜形成工程で3層塗膜を形成した。形成された塗膜に
つき、実施例1と同様に評価した結果を表1に併載し
た。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から、本発明の要件を満たす実
施例の塗膜はあらゆる角度において明度が低く、色ぶれ
が少ないうえ、優れた深み感と清澄感のある漆黒性塗膜
であることが認められた。これに対し、カーボンブラッ
ク顔料を用いた比較例1、カーボンブラック含有カラー
クリヤーを用いた比較例2、および下地塗膜を明度がN
3を越える塗料で形成した比較例3では、共に明度が高
くなるため黒さが低下し、深み感にかける黒色塗膜とな
っていることが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば黒漆の乳
化重合体を特定量比でビヒクルに配合した組成からな
り、優れた深み感と清澄感の高い漆黒性塗膜が形成し得
る水性塗料組成物を提供することができる。また本発明
の塗膜形成工程によれば、前記水性塗料組成物をベース
塗料として明度N3以下の無彩色下地塗膜上に塗布し、
最上面にクリヤー塗膜を形成することにより色ぶれの少
ない高品位の漆黒塗膜を工業的に効率よく形成できるこ
とができる。したがって、特に高級感が要求される家電
製品、什器、建材、自動車内装品などを対象とする黒色
塗料および塗膜形成手段として有用性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における明度の測定角度を示した説明図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒漆の乳化重合体を、ビヒクル(黒漆の
    乳化重合体を除く)100重量部(固形分)に対して1
    0〜70重量部(固形分)の割合で含有することを特徴
    とする水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 下記 (1)〜(3) の塗膜形成工程を順次に
    施して漆黒性塗膜層を形成することを特徴とする塗膜形
    成方法。 (1) 被塗基材面に、無彩色下地塗料を塗布して明度N3
    以下の無彩色塗膜を形成する下地塗膜形成工程、(2) 下
    地塗膜面に、請求項1の水性塗料組成物を塗布して黒色
    塗膜を形成するベース塗膜形成工程、および(3) ベース
    塗膜面に、クリヤー塗料を塗布して透明塗膜を形成する
    クリヤー塗膜形成工程。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100657428B1 (ko) * 2005-03-09 2006-12-19 한종수 옻칠을 이용한 황옻칠의 제조방법
JP2009242731A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fukushima Prefecture 光重合性含漆共重合体、及びその製造方法
JP2018016697A (ja) * 2016-07-27 2018-02-01 三井・デュポンフロロケミカル株式会社 トップコート用フッ素樹脂塗料及びその塗膜

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