JPH09125211A - 耐摩耗性に優れる鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法 - Google Patents
耐摩耗性に優れる鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法Info
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- JPH09125211A JPH09125211A JP28349395A JP28349395A JPH09125211A JP H09125211 A JPH09125211 A JP H09125211A JP 28349395 A JP28349395 A JP 28349395A JP 28349395 A JP28349395 A JP 28349395A JP H09125211 A JPH09125211 A JP H09125211A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 異種材料を組み合わせて構成することなく、
単一材料の窒化処理によって、軟質磁気特性と耐摩耗性
の双方を満足する、鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 重量比で、Mo:1.0 〜2.0 %、P:0.3
〜0.8 %を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
り、焼結密度が7.3 g/cm3 以上である焼結体の表面に硬
質窒化層を形成し、硬質窒化層の、有効厚さが 200μm
以上、ビッカース硬さが 500以上である。
単一材料の窒化処理によって、軟質磁気特性と耐摩耗性
の双方を満足する、鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 重量比で、Mo:1.0 〜2.0 %、P:0.3
〜0.8 %を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
り、焼結密度が7.3 g/cm3 以上である焼結体の表面に硬
質窒化層を形成し、硬質窒化層の、有効厚さが 200μm
以上、ビッカース硬さが 500以上である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性に優れる
鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法に関するものであ
り、この材料は、主に産業機械構成部品、特に使用条件
の厳しい電磁弁のプランジャなどに用いるのが好適であ
る。
鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法に関するものであ
り、この材料は、主に産業機械構成部品、特に使用条件
の厳しい電磁弁のプランジャなどに用いるのが好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】電磁弁に用いるプランジャなどの産業機
械構成部品は、特に良好な軟質磁気特性を有すること、
及びハウジング等との摩擦摺動による摩耗が生じにくい
ことが必要とされる。
械構成部品は、特に良好な軟質磁気特性を有すること、
及びハウジング等との摩擦摺動による摩耗が生じにくい
ことが必要とされる。
【0003】従来の産業機械構成部品は、軟質磁気特性
と耐摩耗性の双方を満足させるため、S15Cなどの機械構
造用低炭素鋼鋼材、又は、純鉄系、Fe−P系、Fe−Ni系
等の焼結軟磁性材料からなる芯材の外側に、焼入れ鋼な
どの硬質材料を緊密嵌合させた構成からなるのが一般的
である。
と耐摩耗性の双方を満足させるため、S15Cなどの機械構
造用低炭素鋼鋼材、又は、純鉄系、Fe−P系、Fe−Ni系
等の焼結軟磁性材料からなる芯材の外側に、焼入れ鋼な
どの硬質材料を緊密嵌合させた構成からなるのが一般的
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成をもつ従来の
産業機械構成部品の場合、焼結軟磁性材料と硬質材料
は、これらを緊密に嵌め合わせるため、各嵌合面を、高
精度で機械加工する必要があり、これは、製造コストを
悪化させることになった。加えて、硬質材料は、焼結軟
磁性材料の形状によっては、嵌合が困難な場合があり、
この場合には、別の複雑な製造工程をとることになっ
て、作業性を悪化させた。
産業機械構成部品の場合、焼結軟磁性材料と硬質材料
は、これらを緊密に嵌め合わせるため、各嵌合面を、高
精度で機械加工する必要があり、これは、製造コストを
悪化させることになった。加えて、硬質材料は、焼結軟
磁性材料の形状によっては、嵌合が困難な場合があり、
この場合には、別の複雑な製造工程をとることになっ
て、作業性を悪化させた。
【0005】また、軟質磁気特性と耐摩耗性の双方を満
足させるための他の手段としては、低炭素鋼鋼材や焼結
軟磁性材料に、浸炭焼入れ等の表面硬化処理を施すこと
も考えられるが、この場合には、磁気特性の劣化が著し
く、前記両性能の両立が困難になり、所期の目的を達成
することができなかった。
足させるための他の手段としては、低炭素鋼鋼材や焼結
軟磁性材料に、浸炭焼入れ等の表面硬化処理を施すこと
も考えられるが、この場合には、磁気特性の劣化が著し
く、前記両性能の両立が困難になり、所期の目的を達成
することができなかった。
【0006】そこで本発明の目的は、従来のように異種
材料を組み合わせて構成することなく、単一材料の窒化
処理によって、軟質磁気特性と耐摩耗性の双方を満足す
る、鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法を提供するこ
とにある。
材料を組み合わせて構成することなく、単一材料の窒化
処理によって、軟質磁気特性と耐摩耗性の双方を満足す
る、鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の鉄系焼結軟磁性材料は、重量比で、Mo:
1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %を含有し、又は、Mo:
1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、V:0.5 %以下を含
有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、焼結密度
が7.3 g/cm3 以上である焼結体の表面に硬質窒化層を形
成し、硬質窒化層の、有効厚さが 200μm 以上、ビッカ
ース硬さが 500以上である。
めに、本発明の鉄系焼結軟磁性材料は、重量比で、Mo:
1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %を含有し、又は、Mo:
1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、V:0.5 %以下を含
有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、焼結密度
が7.3 g/cm3 以上である焼結体の表面に硬質窒化層を形
成し、硬質窒化層の、有効厚さが 200μm 以上、ビッカ
ース硬さが 500以上である。
【0008】また、本発明の鉄系焼結軟磁性材料の製造
方法は、重量比で、Fe−Mo合金粉、Fe−P合金粉、及び
Fe粉の3種類の粉末を配合した、又は、Fe−Mo合金粉及
びFe−P合金粉の2種類の粉末を配合した、Mo:1.0 〜
2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、残部がFe及び不可避的不純
物の成分組成になる混合粉末を、加圧成形して圧粉体に
した後、この圧粉体を、非浸炭・非酸化性雰囲気中、12
00℃以上の温度で焼結して、焼結密度が7.3 g/cm3 以上
の焼結体にし、次いで、この焼結体を、窒素含有雰囲気
中、500 ℃以上の温度で窒化処理を行うことにより、焼
結体の表面に硬質窒化層を形成する。このときの硬質窒
化層の、有効厚さは 200μm 以上、ビッカース硬さは 5
00以上である。
方法は、重量比で、Fe−Mo合金粉、Fe−P合金粉、及び
Fe粉の3種類の粉末を配合した、又は、Fe−Mo合金粉及
びFe−P合金粉の2種類の粉末を配合した、Mo:1.0 〜
2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、残部がFe及び不可避的不純
物の成分組成になる混合粉末を、加圧成形して圧粉体に
した後、この圧粉体を、非浸炭・非酸化性雰囲気中、12
00℃以上の温度で焼結して、焼結密度が7.3 g/cm3 以上
の焼結体にし、次いで、この焼結体を、窒素含有雰囲気
中、500 ℃以上の温度で窒化処理を行うことにより、焼
結体の表面に硬質窒化層を形成する。このときの硬質窒
化層の、有効厚さは 200μm 以上、ビッカース硬さは 5
00以上である。
【0009】尚、ここでいう硬質窒化層は、正確には表
層側の数μm 程度の窒素化合物層と、その下側に存在す
る数百μm 程度の窒素拡散層との双方を含めたものをい
うこととし、また、硬質窒化層の厚さの測定は、JIS G
0557に規定する鋼の浸炭硬化層深さ測定方法に準じて行
う。すなわち、試験品を、硬質窒化層に垂直に切断し、
この切断面を研磨仕上げして被検面とし、硬質窒化層の
表面から焼結体の芯部に向かってビッカース硬さの値を
測定し、前記表面からの位置に対してビッカース硬さの
値を図1に示すようにプロットし、前記表面から前記硬
さの値が500 になる位置までの距離を、硬質窒化層の有
効厚さとする。加えて、ビッカース硬さの数値は、JIS
Z 2251に規定される微小ビッカース硬さ試験法によって
測定・算出することによって求めたものである。試験条
件は、荷重を0.2kgf, 保持時間を15秒間とした。
層側の数μm 程度の窒素化合物層と、その下側に存在す
る数百μm 程度の窒素拡散層との双方を含めたものをい
うこととし、また、硬質窒化層の厚さの測定は、JIS G
0557に規定する鋼の浸炭硬化層深さ測定方法に準じて行
う。すなわち、試験品を、硬質窒化層に垂直に切断し、
この切断面を研磨仕上げして被検面とし、硬質窒化層の
表面から焼結体の芯部に向かってビッカース硬さの値を
測定し、前記表面からの位置に対してビッカース硬さの
値を図1に示すようにプロットし、前記表面から前記硬
さの値が500 になる位置までの距離を、硬質窒化層の有
効厚さとする。加えて、ビッカース硬さの数値は、JIS
Z 2251に規定される微小ビッカース硬さ試験法によって
測定・算出することによって求めたものである。試験条
件は、荷重を0.2kgf, 保持時間を15秒間とした。
【0010】加えて、硬質窒化層中の窒化物を安定化さ
せて硬質窒化層の硬さをより一層均一にする必要がある
場合には、上記混合粉末を、上記配合粉末に加えて、さ
らにV粉若しくはFe−V合金粉を配合したものとし、M
o:1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、V:0.5 %以
下、残部がFe及び不可避的不純物の成分組成にすること
が好ましい。
せて硬質窒化層の硬さをより一層均一にする必要がある
場合には、上記混合粉末を、上記配合粉末に加えて、さ
らにV粉若しくはFe−V合金粉を配合したものとし、M
o:1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、V:0.5 %以
下、残部がFe及び不可避的不純物の成分組成にすること
が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明において、成分組
成を限定した理由について述べる。 Mo:1.0 〜 2.0wt% Moは、フェライトの安定化を図り、焼結密度を高めると
ともに、窒化処理による硬質窒化層の硬化に大きく寄与
する。Moの含有量は、1.0 wt%未満の含有量では、フェ
ライトを安定化するという効果が小さくなる。一方、窒
化層の硬さは、2.0 wt%のMo含有量で最大になり、それ
を超えて含有させることは、コスト性だけを悪化させる
ことになる。従って、Moの含有量は1.0 〜 2.0wt%の範
囲とした。尚、Moは、Fe-Mo 合金粉の形で含有させるの
が好ましい。
成を限定した理由について述べる。 Mo:1.0 〜 2.0wt% Moは、フェライトの安定化を図り、焼結密度を高めると
ともに、窒化処理による硬質窒化層の硬化に大きく寄与
する。Moの含有量は、1.0 wt%未満の含有量では、フェ
ライトを安定化するという効果が小さくなる。一方、窒
化層の硬さは、2.0 wt%のMo含有量で最大になり、それ
を超えて含有させることは、コスト性だけを悪化させる
ことになる。従って、Moの含有量は1.0 〜 2.0wt%の範
囲とした。尚、Moは、Fe-Mo 合金粉の形で含有させるの
が好ましい。
【0012】P:0.3 〜 0.8wt% Pは、焼結温度が1050℃を超えると液相を形成し、焼結
体の気孔を球状化して、軟質磁気特性の向上に大きく寄
与する。P含有量は、0.3 wt%未満だとその効果が小さ
く、また、0.8 wt%を超えると、磁気特性の改善効果が
頭打ちになることから、0.3 〜 0.8wt%の範囲とした。
尚、Pは、Fe3P合金粉若しくはFe-P合金粉の形で含有さ
せるのが好ましい。
体の気孔を球状化して、軟質磁気特性の向上に大きく寄
与する。P含有量は、0.3 wt%未満だとその効果が小さ
く、また、0.8 wt%を超えると、磁気特性の改善効果が
頭打ちになることから、0.3 〜 0.8wt%の範囲とした。
尚、Pは、Fe3P合金粉若しくはFe-P合金粉の形で含有さ
せるのが好ましい。
【0013】V:0.5 wt%以下 Vは、窒化物の安定化をより一層促進することができる
ため、必要に応じて含有させることができる。このV含
有量は、0.5 wt%を超えると軟質磁気特性を劣化させる
ことになるので、0.5 wt%以下の範囲とした。
ため、必要に応じて含有させることができる。このV含
有量は、0.5 wt%を超えると軟質磁気特性を劣化させる
ことになるので、0.5 wt%以下の範囲とした。
【0014】焼結密度:7.3 g/cm3 以上 焼結密度は、7.3 g/cm3 未満だと、焼結体芯部に連通す
る気孔が存在する可能性が高く、この気孔を通じて窒素
が芯部にまで侵入して、磁気特性を著しく劣化させるお
それがあるため、7.3 g/cm3 以上とする。
る気孔が存在する可能性が高く、この気孔を通じて窒素
が芯部にまで侵入して、磁気特性を著しく劣化させるお
それがあるため、7.3 g/cm3 以上とする。
【0015】硬質窒化層の厚さ: 200μm 以上 硬質窒化層の厚さは、部品の耐久性の点から 200μm 以
上にする必要がある。
上にする必要がある。
【0016】ビッカース硬さ: 500以上 ビッカース硬さは、500 未満だと十分な耐摩耗性が得ら
れないので、500 以上にする必要がある。
れないので、500 以上にする必要がある。
【0017】次に、本発明に従う鉄系焼結軟磁性材料の
製造方法について説明する。
製造方法について説明する。
【0018】まず、重量比で、Fe−Mo合金粉、Fe−P合
金粉、及びFe粉の3種類の粉末を配合した混合粉末、又
は、Fe−Mo合金粉及びFe−P合金粉の2種類の粉末を配
合した混合粉末を、加圧成形して圧粉体にする。この圧
粉体の成分組成は、Mo:1.0〜2.0 %、P:0.3 〜0.8
%、残部がFe及び不可避的不純物からなっている。
金粉、及びFe粉の3種類の粉末を配合した混合粉末、又
は、Fe−Mo合金粉及びFe−P合金粉の2種類の粉末を配
合した混合粉末を、加圧成形して圧粉体にする。この圧
粉体の成分組成は、Mo:1.0〜2.0 %、P:0.3 〜0.8
%、残部がFe及び不可避的不純物からなっている。
【0019】混合粉末を、上記3種類の粉末を配合して
形成する場合には、Fe−Mo合金粉に、Moの組成比率が高
いFe−Mo合金粉を用い、一方、上記2種類の粉末を配合
して形成する場合には、Fe−Mo合金粉に、Moの組成比率
が低いFe−Mo合金粉を用いることが好ましい。各粉末の
粒径は、70〜150 μm 程度であることが好ましい。
形成する場合には、Fe−Mo合金粉に、Moの組成比率が高
いFe−Mo合金粉を用い、一方、上記2種類の粉末を配合
して形成する場合には、Fe−Mo合金粉に、Moの組成比率
が低いFe−Mo合金粉を用いることが好ましい。各粉末の
粒径は、70〜150 μm 程度であることが好ましい。
【0020】次いで、前記圧粉体は、非浸炭・非酸化性
雰囲気中、1200℃以上の温度で焼結する。非酸化性・非
浸炭性雰囲気は、真空にするか、又は、窒素ガス、水素
ガス、不活性ガス等で充填した雰囲気にすることが好ま
しい。焼結雰囲気を非浸炭・非酸化性雰囲気に限定した
のは、浸炭性雰囲気で焼結すると、組織中に炭素が固溶
したり、他の成分元素と反応して炭化物を生成したりし
て軟質磁気特性の劣化を引き起こすからであり、また、
酸化性雰囲気で焼結した場合には、磁気特性劣化の要因
となるからである。
雰囲気中、1200℃以上の温度で焼結する。非酸化性・非
浸炭性雰囲気は、真空にするか、又は、窒素ガス、水素
ガス、不活性ガス等で充填した雰囲気にすることが好ま
しい。焼結雰囲気を非浸炭・非酸化性雰囲気に限定した
のは、浸炭性雰囲気で焼結すると、組織中に炭素が固溶
したり、他の成分元素と反応して炭化物を生成したりし
て軟質磁気特性の劣化を引き起こすからであり、また、
酸化性雰囲気で焼結した場合には、磁気特性劣化の要因
となるからである。
【0021】また、焼結温度を1200℃以上に限定したの
は、いわゆる液相焼結を利用するため、焼結中、一部に
液相が生じるようにし、かつ、気孔の球状化を十分促進
して組織を強化するためであり、また、成分元素である
Pを十分に拡散させるためである。焼結時間は、特に限
定はしないが、 0.5〜1.0hの範囲に設定することが好ま
しく、焼結後は炉冷されることが好ましい。
は、いわゆる液相焼結を利用するため、焼結中、一部に
液相が生じるようにし、かつ、気孔の球状化を十分促進
して組織を強化するためであり、また、成分元素である
Pを十分に拡散させるためである。焼結時間は、特に限
定はしないが、 0.5〜1.0hの範囲に設定することが好ま
しく、焼結後は炉冷されることが好ましい。
【0022】その後、前記焼結体を、アンモニアガスな
どの窒素含有雰囲気中、500 ℃以上、好ましくは560 〜
580 ℃の温度で窒化処理を行うことによって、焼結体の
表面に、所定厚さ及び所定硬さの硬質窒化層を形成し、
これによって、軟質磁気特性と耐摩耗性をバランスよく
両立させた鉄系焼結軟磁性材料が製造される。
どの窒素含有雰囲気中、500 ℃以上、好ましくは560 〜
580 ℃の温度で窒化処理を行うことによって、焼結体の
表面に、所定厚さ及び所定硬さの硬質窒化層を形成し、
これによって、軟質磁気特性と耐摩耗性をバランスよく
両立させた鉄系焼結軟磁性材料が製造される。
【0023】窒化処理時間は、ガス圧や温度等の窒化処
理条件によって異なるが、硬質窒化層の厚さを 200μm
以上にするには少なくとも60分間程度は必要である。
理条件によって異なるが、硬質窒化層の厚さを 200μm
以上にするには少なくとも60分間程度は必要である。
【0024】尚、上述したところは、本発明の実施例の
一部を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々
の変更を加えることができる。
一部を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々
の変更を加えることができる。
【0025】
・実施例1 表1に示す種々の配合組成及び製造条件で焼結材料を製
造し、表2にこれらの表層硬さ及び直流磁気特性につい
て測定した結果を示し、これによって、各材料の耐摩耗
性及び軟質磁気特性を評価した。表1中のNo.1〜 8は、
本発明の配合組成及び製造条件に従って製造した発明材
であり、No.1〜 6は、純鉄粉、Fe-62%Mo合金粉、Fe3P合
金粉を配合した混合粉末から製造したものであり、No.7
は、これらにFe-50%V 合金粉をさらに配合した混合粉末
から製造したものであり、No.8は、Fe-1.5%Mo 合金粉及
びFe3P合金粉を配合した混合粉末から製造したものであ
る。また、No. 9 〜13は比較材であり、No.9〜12は、焼
結密度と窒化条件等のいずれかが適正外である以外はN
o.1と同様な方法で製造したものであり、No.13 は、S1
5Cの溶製材を、窒化処理の代わりに通常の浸炭焼入焼
戻し処理(C.P. 0.8%×2h) を行ったものである。
造し、表2にこれらの表層硬さ及び直流磁気特性につい
て測定した結果を示し、これによって、各材料の耐摩耗
性及び軟質磁気特性を評価した。表1中のNo.1〜 8は、
本発明の配合組成及び製造条件に従って製造した発明材
であり、No.1〜 6は、純鉄粉、Fe-62%Mo合金粉、Fe3P合
金粉を配合した混合粉末から製造したものであり、No.7
は、これらにFe-50%V 合金粉をさらに配合した混合粉末
から製造したものであり、No.8は、Fe-1.5%Mo 合金粉及
びFe3P合金粉を配合した混合粉末から製造したものであ
る。また、No. 9 〜13は比較材であり、No.9〜12は、焼
結密度と窒化条件等のいずれかが適正外である以外はN
o.1と同様な方法で製造したものであり、No.13 は、S1
5Cの溶製材を、窒化処理の代わりに通常の浸炭焼入焼
戻し処理(C.P. 0.8%×2h) を行ったものである。
【0026】表層硬さは、前述した測定法に従い、表面
より50μm の位置から50μm ごとの位置で測定し、この
ときの50μm, 100μm, 150μm, 200μm の位置で測定し
た硬さの値の平均値を算出することによって耐摩耗性を
評価した。耐摩耗性は、前記平均値が大きいほど優れて
いることを示している。なお、表1中に示す硬質窒化層
厚さの値は、この硬さのデータから求めたものであり、
すなわち、表面から前記硬さの値が500 になる位置まで
の距離を硬質窒化層の厚さとした。但し、この硬質窒化
層の厚さは50μm 単位で求めたものである。軟質磁気特
性は、磁束密度B25, 保持力Hc, 透磁率μ25の直流磁
気特性について測定し、これにより評価した。尚、B25
及びμ25は、それぞれ25Oe の磁界の強さにおける磁束
密度及び透磁率を意味し、軟質磁気特性としての合格レ
ベルは、B25>9kG, Hc<3Oe,μ25>1700とした。
より50μm の位置から50μm ごとの位置で測定し、この
ときの50μm, 100μm, 150μm, 200μm の位置で測定し
た硬さの値の平均値を算出することによって耐摩耗性を
評価した。耐摩耗性は、前記平均値が大きいほど優れて
いることを示している。なお、表1中に示す硬質窒化層
厚さの値は、この硬さのデータから求めたものであり、
すなわち、表面から前記硬さの値が500 になる位置まで
の距離を硬質窒化層の厚さとした。但し、この硬質窒化
層の厚さは50μm 単位で求めたものである。軟質磁気特
性は、磁束密度B25, 保持力Hc, 透磁率μ25の直流磁
気特性について測定し、これにより評価した。尚、B25
及びμ25は、それぞれ25Oe の磁界の強さにおける磁束
密度及び透磁率を意味し、軟質磁気特性としての合格レ
ベルは、B25>9kG, Hc<3Oe,μ25>1700とした。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表2の試験結果から明らかなように、本発
明材No.1〜 8は、いずれも耐摩耗性及び軟質磁気特性が
優れている。一方、比較材No.9と11は耐摩耗性に劣り、
比較材No.10,12,13 は軟質磁気特性が劣っている。
明材No.1〜 8は、いずれも耐摩耗性及び軟質磁気特性が
優れている。一方、比較材No.9と11は耐摩耗性に劣り、
比較材No.10,12,13 は軟質磁気特性が劣っている。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、実用上の使用に耐えう
る軟質磁気特性と耐摩耗性の双方を有する鉄系焼結軟磁
性材料を提供することが可能になった。この材料は、特
に使用条件の厳しい電磁弁のプランジャなどの産業機械
構成部品に使用するのに適している。また、浸炭等の表
面硬化処理に比べ、本発明の窒化処理は低温で行うこと
ができるので、熱変形による寸法変化が少なく寸法精度
の高い製品を製造することができる。さらに、異種部材
を嵌合することなく、単一材料で形成することができる
ので、コスト性にも優れている。
る軟質磁気特性と耐摩耗性の双方を有する鉄系焼結軟磁
性材料を提供することが可能になった。この材料は、特
に使用条件の厳しい電磁弁のプランジャなどの産業機械
構成部品に使用するのに適している。また、浸炭等の表
面硬化処理に比べ、本発明の窒化処理は低温で行うこと
ができるので、熱変形による寸法変化が少なく寸法精度
の高い製品を製造することができる。さらに、異種部材
を嵌合することなく、単一材料で形成することができる
ので、コスト性にも優れている。
【図1】本発明に従う鉄系焼結軟磁性材料の硬質窒化層
の表面から焼結体芯部に向かって50μmごとにビッカー
ス硬さの値を測定し、プロットした図である。
の表面から焼結体芯部に向かって50μmごとにビッカー
ス硬さの値を測定し、プロットした図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量比で、 Mo:1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %を含有し、残部が
Fe及び不可避的不純物からなり、焼結密度が7.3 g/cm3
以上である焼結体の表面に硬質窒化層を形成し、硬質窒
化層の、有効厚さが 200μm 以上、ビッカース硬さが 5
00以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れる鉄系焼
結軟磁性材料。 - 【請求項2】 重量比で、 Mo:1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、V:0.5 %以下
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、焼結
密度が7.3 g/cm3 以上である焼結体の表面に硬質窒化層
を形成し、硬質窒化層の、有効厚さが 200μm 以上、ビ
ッカース硬さが500以上であることを特徴とする耐摩耗
性に優れる鉄系焼結軟磁性材料。 - 【請求項3】 重量比で、 Fe−Mo合金粉、Fe−P合金粉、及びFe粉の3種類の粉末
を配合した、Mo:1.0〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、残
部がFe及び不可避的不純物の成分組成になる混合粉末
を、加圧成形して圧粉体にした後、この圧粉体を、非浸
炭・非酸化性雰囲気中、1200℃以上の温度で焼結して、
焼結密度が7.3 g/cm3 以上の焼結体にし、次いで、この
焼結体を、窒素含有雰囲気中、500 ℃以上の温度で窒化
処理を行うことにより、焼結体の表面に硬質窒化層を形
成し、硬質窒化層の、有効厚さが 200μm 以上、ビッカ
ース硬さが 500以上であることを特徴とする耐摩耗性に
優れる鉄系焼結軟磁性材料の製造方法。 - 【請求項4】 重量比で、 Fe−Mo合金粉及びFe−P合金粉の2種類の粉末を配合し
た、Mo:1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、残部がFe及
び不可避的不純物の成分組成になる混合粉末を、加圧成
形して圧粉体にした後、この圧粉体を、非浸炭・非酸化
性雰囲気中、1200℃以上の温度で焼結して、焼結密度が
7.3 g/cm3 以上の焼結体にし、次いで、この焼結体を、
窒素含有雰囲気中、500 ℃以上の温度で窒化処理を行う
ことにより、焼結体の表面に硬質窒化層を形成し、硬質
窒化層の、有効厚さが 200μm 以上、ビッカース硬さが
500以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れる鉄系
焼結軟磁性材料の製造方法。 - 【請求項5】 混合粉末が、上記配合粉末に加えて、さ
らにV粉若しくはFe−V合金粉を配合したものであり、
Mo:1.0 〜2.0 %、P:0.3 〜0.8 %、V:0.5 %以
下、残部がFe及び不可避的不純物の成分組成になる請求
項3又は4に記載の鉄系焼結軟磁性材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28349395A JPH09125211A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 耐摩耗性に優れる鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28349395A JPH09125211A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 耐摩耗性に優れる鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09125211A true JPH09125211A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17666271
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28349395A Pending JPH09125211A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 耐摩耗性に優れる鉄系焼結軟磁性材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09125211A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20140010026A (ko) * | 2010-12-30 | 2014-01-23 | 회가내스 아베 | 분말 사출 성형용 철계 분말 |
| JP2015034343A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-19 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 軟磁性金属粉末複合材料およびかかる材料の製造方法 |
| CN115595530A (zh) * | 2017-11-10 | 2023-01-13 | 昭和电工材料株式会社(Jp) | 铁基烧结合金材料的表面硬化材料及包含其的链轮齿、齿轮和轴 |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP28349395A patent/JPH09125211A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20140010026A (ko) * | 2010-12-30 | 2014-01-23 | 회가내스 아베 | 분말 사출 성형용 철계 분말 |
| KR20180061396A (ko) * | 2010-12-30 | 2018-06-07 | 회가내스 아베 (피유비엘) | 분말 사출 성형용 철계 분말 |
| KR101867843B1 (ko) * | 2010-12-30 | 2018-06-18 | 회가내스 아베 (피유비엘) | 분말 사출 성형용 철계 분말 |
| JP2015034343A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-19 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 軟磁性金属粉末複合材料およびかかる材料の製造方法 |
| CN115595530A (zh) * | 2017-11-10 | 2023-01-13 | 昭和电工材料株式会社(Jp) | 铁基烧结合金材料的表面硬化材料及包含其的链轮齿、齿轮和轴 |
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