JPH09125260A - 溶接缶用表面処理鋼板 - Google Patents
溶接缶用表面処理鋼板Info
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- JPH09125260A JPH09125260A JP28874495A JP28874495A JPH09125260A JP H09125260 A JPH09125260 A JP H09125260A JP 28874495 A JP28874495 A JP 28874495A JP 28874495 A JP28874495 A JP 28874495A JP H09125260 A JPH09125260 A JP H09125260A
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- chromium
- metal
- metal coating
- steel sheet
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶接性、塗料およびフィルム密着性に優れる
だけでなく、溶接接合部の補修塗装を低減し得る表面処
理鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼板の少なくとも片面に、帯状に延びる
金属被覆層を、その長手方向と直交する向きに間隔をも
つ複数配列の下に形成し、該金属被覆層が、Sn、N
i、ZnおよびPbの中から選ばれる1種または2種以
上の組成で、かつ多数の空隙を有して成るものとする。
だけでなく、溶接接合部の補修塗装を低減し得る表面処
理鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼板の少なくとも片面に、帯状に延びる
金属被覆層を、その長手方向と直交する向きに間隔をも
つ複数配列の下に形成し、該金属被覆層が、Sn、N
i、ZnおよびPbの中から選ばれる1種または2種以
上の組成で、かつ多数の空隙を有して成るものとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、缶用材料、中で
も食品、飲料その他の充填保存に適した溶接缶の材料と
して供する溶接性の優れた表面処理鋼板に関する。
も食品、飲料その他の充填保存に適した溶接缶の材料と
して供する溶接性の優れた表面処理鋼板に関する。
【0002】食品や飲料などの金属容器に供する原材料
としては、ぶりきおよびティンフリー鋼板がよく知られ
ている。まず、ぶりきは溶接性に優れているため、最近
普及が著しい電気抵抗シーム溶接法により製造される、
溶接缶に大量に使用されている。一方、ティンフリー鋼
板は、材料コスト、塗料密着性およびフィルム密着性、
さらに塗装後の耐食性の点において、ぶりきより優れて
いる反面、溶接性に劣るという欠点がある。従って、缶
胴の接合は、接着剤によって接着するか、もしくは鋼板
表面を研削後に溶接することにより行われているが、材
料歩留りや製造効率が悪い。
としては、ぶりきおよびティンフリー鋼板がよく知られ
ている。まず、ぶりきは溶接性に優れているため、最近
普及が著しい電気抵抗シーム溶接法により製造される、
溶接缶に大量に使用されている。一方、ティンフリー鋼
板は、材料コスト、塗料密着性およびフィルム密着性、
さらに塗装後の耐食性の点において、ぶりきより優れて
いる反面、溶接性に劣るという欠点がある。従って、缶
胴の接合は、接着剤によって接着するか、もしくは鋼板
表面を研削後に溶接することにより行われているが、材
料歩留りや製造効率が悪い。
【0003】
【従来の技術】そこで、ティンフリー鋼板については、
その溶接性を改善し、しかも鋼板への塗料やフィルムの
密着性をも確保するために、接合する際の溶接部となる
部分にのみ錫やニッケルを帯状にめっきした鋼板が、例
えば特開昭56−38492号、同60−262993
号および特開平7−156953号各公報等に提案され
ている。
その溶接性を改善し、しかも鋼板への塗料やフィルムの
密着性をも確保するために、接合する際の溶接部となる
部分にのみ錫やニッケルを帯状にめっきした鋼板が、例
えば特開昭56−38492号、同60−262993
号および特開平7−156953号各公報等に提案され
ている。
【0004】この種の鋼板では、溶接前に鋼板面に塗装
もしくはフィルム等を貼付けて耐食性や意匠性を付与す
るが、溶接接合部近傍では溶接による圧着や熱影響か
ら、塗膜やフィルムの剥離および損傷が生じるため、補
修塗装を行うのが通例である。この補修塗装は、塗膜や
フィルムの損傷部を被覆して錆の発生を防止するため、
溶接接合部の2〜3倍の幅を見込んで実施している。
もしくはフィルム等を貼付けて耐食性や意匠性を付与す
るが、溶接接合部近傍では溶接による圧着や熱影響か
ら、塗膜やフィルムの剥離および損傷が生じるため、補
修塗装を行うのが通例である。この補修塗装は、塗膜や
フィルムの損傷部を被覆して錆の発生を防止するため、
溶接接合部の2〜3倍の幅を見込んで実施している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、補修塗装に
要する面積が大きくなると、塗装時間や塗料原単位の増
大をまねく。また、補修塗装の色調と缶外面色調は一般
に異なるために、塗膜やフィルムの損傷が大きいと、缶
外面に占める補修部面積が増大して外観が悪化し、特に
缶の意匠性が阻害される。さらに、補修塗膜に欠陥が生
じると、缶に錆や穿孔等が発生する確率が高くなる。以
上の背景から、補修塗装を低減し得る溶接缶用鋼板の開
発が要望されているが、この要望を充足する鋼板は未だ
得られていない。
要する面積が大きくなると、塗装時間や塗料原単位の増
大をまねく。また、補修塗装の色調と缶外面色調は一般
に異なるために、塗膜やフィルムの損傷が大きいと、缶
外面に占める補修部面積が増大して外観が悪化し、特に
缶の意匠性が阻害される。さらに、補修塗膜に欠陥が生
じると、缶に錆や穿孔等が発生する確率が高くなる。以
上の背景から、補修塗装を低減し得る溶接缶用鋼板の開
発が要望されているが、この要望を充足する鋼板は未だ
得られていない。
【0006】この発明の目的は、溶接性、塗料およびフ
ィルム密着性に優れるだけでなく、溶接接合部の補修塗
装を低減し得る表面処理鋼板を提供することにある。
ィルム密着性に優れるだけでなく、溶接接合部の補修塗
装を低減し得る表面処理鋼板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、溶接の影響
が接合部近傍の塗膜やフィルムに及んで塗膜やフィルム
の剥離および損傷が生じるところから、鋼板の溶接接合
部について多角的に検討したところ、その物性を改善す
ることによって、溶接時に周囲に与える悪影響を抑制し
得ることを見出し、この発明を完成するに到った。
が接合部近傍の塗膜やフィルムに及んで塗膜やフィルム
の剥離および損傷が生じるところから、鋼板の溶接接合
部について多角的に検討したところ、その物性を改善す
ることによって、溶接時に周囲に与える悪影響を抑制し
得ることを見出し、この発明を完成するに到った。
【0008】すなわち、この発明は、 (1) 鋼板の少なくとも片面に、金属クロム層、クロム水
和酸化物層、または金属クロム層とクロム水和酸化物層
との複合層からなるクロム層を被成し、該クロム層上
に、帯状に延びる金属被覆層を、その長手方向と直交す
る向きに間隔をもつ複数配列の下に形成した溶接缶用表
面処理鋼板において、該金属被覆層は、Sn、Ni、Z
nおよびPbの中から選ばれる1種または2種以上の組
成で、かつ多数の空隙を有して成る溶接缶用表面処理鋼
板(第1発明) (2) 鋼板の少なくとも片面に、帯状に延びる金属被覆層
を、その長手方向と直交する向きに間隔をもつ複数配列
の下に形成し、該金属被覆層を含む鋼板表面上に、金属
クロム層、クロム水和酸化物層、または金属クロム層と
クロム水和酸化物層との複合層からなるクロム層を被成
した溶接缶用表面処理鋼板において、該金属被覆層は、
Sn、Ni、ZnおよびPbの中から選ばれる1種また
は2種以上の組成で、かつ多数の空隙を有して成る溶接
缶用表面処理鋼板(第2発明)および (3) 上記クロム層にかえて、化成処理層を形成して成る
溶接缶用表面処理鋼板(第3発明)である。
和酸化物層、または金属クロム層とクロム水和酸化物層
との複合層からなるクロム層を被成し、該クロム層上
に、帯状に延びる金属被覆層を、その長手方向と直交す
る向きに間隔をもつ複数配列の下に形成した溶接缶用表
面処理鋼板において、該金属被覆層は、Sn、Ni、Z
nおよびPbの中から選ばれる1種または2種以上の組
成で、かつ多数の空隙を有して成る溶接缶用表面処理鋼
板(第1発明) (2) 鋼板の少なくとも片面に、帯状に延びる金属被覆層
を、その長手方向と直交する向きに間隔をもつ複数配列
の下に形成し、該金属被覆層を含む鋼板表面上に、金属
クロム層、クロム水和酸化物層、または金属クロム層と
クロム水和酸化物層との複合層からなるクロム層を被成
した溶接缶用表面処理鋼板において、該金属被覆層は、
Sn、Ni、ZnおよびPbの中から選ばれる1種また
は2種以上の組成で、かつ多数の空隙を有して成る溶接
缶用表面処理鋼板(第2発明)および (3) 上記クロム層にかえて、化成処理層を形成して成る
溶接缶用表面処理鋼板(第3発明)である。
【0009】ここで、金属被覆層の空隙率が2〜60%で
あることが、接合部近傍の塗膜やフィルムの剥離や損傷
を回避するのに有利である。また、金属被覆層を鋼板の
片面に形成した場合は、その裏面に、金属クロム層、ク
ロム水和酸化物層、金属クロム層とクロム水和酸化物層
との複合層、そして化成処理層のいずれかを被成するこ
とが好ましい。さらに、金属クロム層の付着量は3〜2
00mg/m2 、クロム水和酸化物層の付着量は2〜5
0mg/m2 、金属被覆層の付着量は0.1〜10g/
m2 とすることが望ましい。
あることが、接合部近傍の塗膜やフィルムの剥離や損傷
を回避するのに有利である。また、金属被覆層を鋼板の
片面に形成した場合は、その裏面に、金属クロム層、ク
ロム水和酸化物層、金属クロム層とクロム水和酸化物層
との複合層、そして化成処理層のいずれかを被成するこ
とが好ましい。さらに、金属クロム層の付着量は3〜2
00mg/m2 、クロム水和酸化物層の付着量は2〜5
0mg/m2 、金属被覆層の付着量は0.1〜10g/
m2 とすることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の溶接缶用表面処理鋼板
(以下、単に鋼板という)は、図1に示すように、鋼板
1の少なくとも片面に、缶胴製作時の溶接接合部とな
る、帯状に延びる金属被覆層2を、その長手方向と直交
する向きに間隔をもつ複数配列の下に形成したことを基
本構成とする。この鋼板1は、末端を除く金属被覆層2
の幅中間部を長手方向に切断することによって、両端に
金属被覆層2を有する鋼板1aおよび1bに分割し、各鋼板
1aおよび1bを缶胴の製作に供するのである。ここで、図
1に示すように、金属被覆層2の形成間隔を変化するこ
とによって、金属被覆層2で切断後の鋼板1aと1bとの幅
長を変化することができ、それぞれ外周長の異なる缶の
缶胴用鋼板となる。
(以下、単に鋼板という)は、図1に示すように、鋼板
1の少なくとも片面に、缶胴製作時の溶接接合部とな
る、帯状に延びる金属被覆層2を、その長手方向と直交
する向きに間隔をもつ複数配列の下に形成したことを基
本構成とする。この鋼板1は、末端を除く金属被覆層2
の幅中間部を長手方向に切断することによって、両端に
金属被覆層2を有する鋼板1aおよび1bに分割し、各鋼板
1aおよび1bを缶胴の製作に供するのである。ここで、図
1に示すように、金属被覆層2の形成間隔を変化するこ
とによって、金属被覆層2で切断後の鋼板1aと1bとの幅
長を変化することができ、それぞれ外周長の異なる缶の
缶胴用鋼板となる。
【0011】なお、図1に例示した鋼板では、切断によ
って2枚の缶胴用鋼板が得られるが、さらに複数の金属
被覆層2を所定間隔で形成して各金属被覆層2にて切断
すれば、3枚以上の缶胴用鋼板が得られる。
って2枚の缶胴用鋼板が得られるが、さらに複数の金属
被覆層2を所定間隔で形成して各金属被覆層2にて切断
すれば、3枚以上の缶胴用鋼板が得られる。
【0012】ちなみに、切断後の缶胴用鋼板は、両端の
金属被覆層2を重ね合わせて円筒状にし、重ねた金属被
覆層2を円筒の表裏から、回転自在のローラーとこのロ
ーラー上を走行する銅ワイヤーとからなる電極で挟んで
溶接を行う、通常の加工工程にて缶胴が製作される。
金属被覆層2を重ね合わせて円筒状にし、重ねた金属被
覆層2を円筒の表裏から、回転自在のローラーとこのロ
ーラー上を走行する銅ワイヤーとからなる電極で挟んで
溶接を行う、通常の加工工程にて缶胴が製作される。
【0013】次に、第1発明の詳細を、図1のA−A線
に沿う断面を示す図2について説明する。すなわち、第
1発明に従う鋼板は、少なくとも片面に、金属クロム
層、クロム水和酸化物層、または金属クロム層とクロム
水和酸化物層との複合層からなるクロム層3を被成し、
該クロム層3上に、帯状に延びる金属被覆層2を、その
長手方向と直交する向きに間隔をもつ複数配列の下に形
成して成る。さらに、缶胴の製作に供するに先立って、
金属被覆層2に挟まれたクロム層3上に塗膜またはフィ
ルム(以下、塗膜と総称する)4を形成し、缶用材料と
するのが一般的である。なお、図2に示す例は、鋼板の
片面に金属被覆層2を形成したものであり、その裏面に
はクロム層3を被成してある。
に沿う断面を示す図2について説明する。すなわち、第
1発明に従う鋼板は、少なくとも片面に、金属クロム
層、クロム水和酸化物層、または金属クロム層とクロム
水和酸化物層との複合層からなるクロム層3を被成し、
該クロム層3上に、帯状に延びる金属被覆層2を、その
長手方向と直交する向きに間隔をもつ複数配列の下に形
成して成る。さらに、缶胴の製作に供するに先立って、
金属被覆層2に挟まれたクロム層3上に塗膜またはフィ
ルム(以下、塗膜と総称する)4を形成し、缶用材料と
するのが一般的である。なお、図2に示す例は、鋼板の
片面に金属被覆層2を形成したものであり、その裏面に
はクロム層3を被成してある。
【0014】クロム層3は、金属クロム層およびクロム
水和酸化物層は塗装後の耐食性、そして塗膜やフィルム
の密着性を向上させるため、少なくともどちらかの層を
鋼板上に形成することが望ましい。さらに、金属クロム
層とクロム水和酸化物層との複合層とすることがより好
ましく、この場合はいずれを下地にしてもよいが、鋼板
側から順に金属クロム層およびクロム水和酸化物層とす
るのが有効である。
水和酸化物層は塗装後の耐食性、そして塗膜やフィルム
の密着性を向上させるため、少なくともどちらかの層を
鋼板上に形成することが望ましい。さらに、金属クロム
層とクロム水和酸化物層との複合層とすることがより好
ましく、この場合はいずれを下地にしてもよいが、鋼板
側から順に金属クロム層およびクロム水和酸化物層とす
るのが有効である。
【0015】なお、これらの効果を発揮させるには、金
属クロム層で3mg/m2 以上、そしてクロム水和酸化
物層で2mg/m2 以上の付着量を確保することが好ま
しく、一方金属クロム層で200mg/m2 、そしてク
ロム水和酸化物層で50mg/m2 をこえると、上記効
果は飽和する上、溶接性が低下する。
属クロム層で3mg/m2 以上、そしてクロム水和酸化
物層で2mg/m2 以上の付着量を確保することが好ま
しく、一方金属クロム層で200mg/m2 、そしてク
ロム水和酸化物層で50mg/m2 をこえると、上記効
果は飽和する上、溶接性が低下する。
【0016】また、金属被覆層2は、Sn、Ni、Zn
およびPbの中から選ばれる1種または2種以上の組成
で、かつ多数の空隙を有して成ることが肝要である。具
体的には、Sn、NiおよびZnの中から選ばれる1種
または2種以上を、0.1〜10g/m2 で付着させる
ことが望ましい。なぜなら、付着量が下限未満では溶接
性が低下し、一方上限をこえると溶接性の効果が飽和す
るためである。そして、金属被覆層2の形成位置は、対
象とする缶胴の外周長をほぼ形成間隔として配列するこ
とによって、鋼板1を、図1に示したように金属被覆層
2で切断した場合、その各切断片の両端に金属被覆層2
が位置することになり、両端を重ね合わせて溶接接合す
れば缶胴が完成する。金属被覆層2の幅は、対象とする
溶接缶のサイズに適合させればよい。
およびPbの中から選ばれる1種または2種以上の組成
で、かつ多数の空隙を有して成ることが肝要である。具
体的には、Sn、NiおよびZnの中から選ばれる1種
または2種以上を、0.1〜10g/m2 で付着させる
ことが望ましい。なぜなら、付着量が下限未満では溶接
性が低下し、一方上限をこえると溶接性の効果が飽和す
るためである。そして、金属被覆層2の形成位置は、対
象とする缶胴の外周長をほぼ形成間隔として配列するこ
とによって、鋼板1を、図1に示したように金属被覆層
2で切断した場合、その各切断片の両端に金属被覆層2
が位置することになり、両端を重ね合わせて溶接接合す
れば缶胴が完成する。金属被覆層2の幅は、対象とする
溶接缶のサイズに適合させればよい。
【0017】ここで、金属被覆層2を構成する上記金属
は、溶接電極との接触抵抗値が地鉄より低いため、場合
によっては溶接時の電流によって融解し、接合部と溶接
電極との間の接触面積の増大、接合部および溶接電極の
接触面の清浄化等により、通電性が改善される結果、溶
接性の向上を期待できる。ところが、上記金属の融解や
溶接時の熱により、金属被覆層2近傍の塗膜4に剥離や
損傷が生じる。従来の缶用鋼板では、かような塗膜の損
傷を低減することができないため、補修塗装を溶接接合
部の2〜3倍の幅を見込んで実施せざるを得なかったの
は、既に述べたとおりである。そこで、発明者らが鋭意
研究した結果、金属被覆層の微視的形態が、溶接に伴う
塗膜の剥離や損傷の度合いに大きな影響を与えることが
判明した。すなわち、図3に示すように、金属被覆層2
に多数の空隙5を形成することによって、溶接に伴う塗
膜の剥離や損傷の発生を抑えることができるのである。
は、溶接電極との接触抵抗値が地鉄より低いため、場合
によっては溶接時の電流によって融解し、接合部と溶接
電極との間の接触面積の増大、接合部および溶接電極の
接触面の清浄化等により、通電性が改善される結果、溶
接性の向上を期待できる。ところが、上記金属の融解や
溶接時の熱により、金属被覆層2近傍の塗膜4に剥離や
損傷が生じる。従来の缶用鋼板では、かような塗膜の損
傷を低減することができないため、補修塗装を溶接接合
部の2〜3倍の幅を見込んで実施せざるを得なかったの
は、既に述べたとおりである。そこで、発明者らが鋭意
研究した結果、金属被覆層の微視的形態が、溶接に伴う
塗膜の剥離や損傷の度合いに大きな影響を与えることが
判明した。すなわち、図3に示すように、金属被覆層2
に多数の空隙5を形成することによって、溶接に伴う塗
膜の剥離や損傷の発生を抑えることができるのである。
【0018】上記作用の理由については必ずしも明白で
はないが、金属被覆層内に気孔などの空隙が存在するこ
とによって、金属の急激な融解が回避され、金属被覆層
に近接もしくは接触している塗膜の急加熱が抑制される
ためと推定される。また、金属被覆層内部に空隙がある
と、その影響で塗膜と接する金属被覆層表面は平坦では
なく凹凸になるため、塗膜が剥離しにくくなっているこ
とも考えられる。いずれにせよ、この発明に従う金属被
覆層をそなえる鋼板を溶接した場合、塗膜の剥離や損傷
はほとんど発生せず、従って溶接接合部にのみ補修塗装
を施せばよいから、塗装時間や塗料原単位の低減、ある
いは缶外面の溶接接合部の意匠性の向上、さらには補修
塗膜欠陥による錆や穿孔の発生を防止することが可能で
ある。
はないが、金属被覆層内に気孔などの空隙が存在するこ
とによって、金属の急激な融解が回避され、金属被覆層
に近接もしくは接触している塗膜の急加熱が抑制される
ためと推定される。また、金属被覆層内部に空隙がある
と、その影響で塗膜と接する金属被覆層表面は平坦では
なく凹凸になるため、塗膜が剥離しにくくなっているこ
とも考えられる。いずれにせよ、この発明に従う金属被
覆層をそなえる鋼板を溶接した場合、塗膜の剥離や損傷
はほとんど発生せず、従って溶接接合部にのみ補修塗装
を施せばよいから、塗装時間や塗料原単位の低減、ある
いは缶外面の溶接接合部の意匠性の向上、さらには補修
塗膜欠陥による錆や穿孔の発生を防止することが可能で
ある。
【0019】ここで、金属被覆層の空隙率は、塩酸中で
金属被覆層を含んだ部分を定電流溶解し、得られた溶液
を原子吸光法で分析し、実際の金属量を定量するととも
に、金属被覆層の断面写真から平均金属厚みを求めて、
(実際の金属量)/(平均厚みから算出したみかけの金
属量)にて表したものが適合し、この空隙率が2〜60
%、より好ましくは3〜40%とすることが有利であ
る。すなわち、空隙率が2%未満であると、金属被覆層
の近傍またはこれと接触する塗膜が溶接時に急加熱さ
れ、塗膜に剥離や損傷が発生し、一方60%をこえる
と、溶接に寄与する金属量が減少し溶接が低下し、また
金属被覆層が脆くなって剥離する等の問題が生じる。
金属被覆層を含んだ部分を定電流溶解し、得られた溶液
を原子吸光法で分析し、実際の金属量を定量するととも
に、金属被覆層の断面写真から平均金属厚みを求めて、
(実際の金属量)/(平均厚みから算出したみかけの金
属量)にて表したものが適合し、この空隙率が2〜60
%、より好ましくは3〜40%とすることが有利であ
る。すなわち、空隙率が2%未満であると、金属被覆層
の近傍またはこれと接触する塗膜が溶接時に急加熱さ
れ、塗膜に剥離や損傷が発生し、一方60%をこえる
と、溶接に寄与する金属量が減少し溶接が低下し、また
金属被覆層が脆くなって剥離する等の問題が生じる。
【0020】なお、金属被覆層の形成は、その空隙率を
所定の範囲に調整できれば、特に手段は問わないが、例
えば、溶融した金属または金属の混合物を気体とともに
鋼板表面に吹付ける、溶射方法、または金属粉末または
金属の混合粉末を鋼板表面に塗布したのち、乾燥または
焼結する手法、などが有利に適合する。そして、前者の
手法において空隙率を調整するには、吹付け気体への溶
融金属の送り量あるいは吹付け気体量を変化させればよ
い。すなわち、溶融金属の送り量が増加すれば、金属は
切れ目なく鋼板上に付着し空隙率は低下し、逆に送り量
が減少すると、溶融金属は霧状に鋼板に付着し、空隙率
は増大する。また、吹付け気体流量が増加すると溶融金
属は細かく分散され空隙率が増大し、流量が減少すると
空隙率は低下する。一方、後者の手法において空隙率を
調整するには、金属粉末または金属の混合粉末に、焼結
によって消失する物質の粉末を混合すればよい。すなわ
ち、この焼失物質が存在していた部分は、焼結後に空隙
となる。従って、この物質の金属への配合比を増加させ
ると空隙率は増大し、配合比を減少させると空隙率は低
下する。
所定の範囲に調整できれば、特に手段は問わないが、例
えば、溶融した金属または金属の混合物を気体とともに
鋼板表面に吹付ける、溶射方法、または金属粉末または
金属の混合粉末を鋼板表面に塗布したのち、乾燥または
焼結する手法、などが有利に適合する。そして、前者の
手法において空隙率を調整するには、吹付け気体への溶
融金属の送り量あるいは吹付け気体量を変化させればよ
い。すなわち、溶融金属の送り量が増加すれば、金属は
切れ目なく鋼板上に付着し空隙率は低下し、逆に送り量
が減少すると、溶融金属は霧状に鋼板に付着し、空隙率
は増大する。また、吹付け気体流量が増加すると溶融金
属は細かく分散され空隙率が増大し、流量が減少すると
空隙率は低下する。一方、後者の手法において空隙率を
調整するには、金属粉末または金属の混合粉末に、焼結
によって消失する物質の粉末を混合すればよい。すなわ
ち、この焼失物質が存在していた部分は、焼結後に空隙
となる。従って、この物質の金属への配合比を増加させ
ると空隙率は増大し、配合比を減少させると空隙率は低
下する。
【0021】さらに、第2発明の詳細を、同様に図1の
A−A線に沿う断面に適合する図4について説明する。
すなわち、第2発明に従う鋼板は、鋼板1の両面に、ま
ず金属被覆層2を形成し、次いでクロム層3を被成し、
さらにクロム層3上に塗膜4を被成したものである。な
お、各層の機能や好適付着量は、第1発明と同様であ
る。ここでは、溶接性に優れた金属被覆層2をクロム層
3で覆うことになるため、図2に示した鋼板に比べると
溶接性が若干劣るが、金属被覆層2上は表面に凹凸が形
成されるから、溶接加圧時には表層の塗膜4およびクロ
ム層3が容易に破断して確実な溶接が可能になる。この
点、第1発明に従う鋼板は、溶接性に優れた金属被覆層
が最表面に露出しているため、高速溶接等の溶接性が極
めて重要になる用途に適する。一方、第2発明に従う鋼
板は、金属被覆層の表面がクロム層に覆われて酸化が防
止されるから、鋼板を溶接前に長期保存するのに適し、
塗料やフィルムの密着性も若干優れている。従って、用
途に応じていずれかの態様を選択すればよい。
A−A線に沿う断面に適合する図4について説明する。
すなわち、第2発明に従う鋼板は、鋼板1の両面に、ま
ず金属被覆層2を形成し、次いでクロム層3を被成し、
さらにクロム層3上に塗膜4を被成したものである。な
お、各層の機能や好適付着量は、第1発明と同様であ
る。ここでは、溶接性に優れた金属被覆層2をクロム層
3で覆うことになるため、図2に示した鋼板に比べると
溶接性が若干劣るが、金属被覆層2上は表面に凹凸が形
成されるから、溶接加圧時には表層の塗膜4およびクロ
ム層3が容易に破断して確実な溶接が可能になる。この
点、第1発明に従う鋼板は、溶接性に優れた金属被覆層
が最表面に露出しているため、高速溶接等の溶接性が極
めて重要になる用途に適する。一方、第2発明に従う鋼
板は、金属被覆層の表面がクロム層に覆われて酸化が防
止されるから、鋼板を溶接前に長期保存するのに適し、
塗料やフィルムの密着性も若干優れている。従って、用
途に応じていずれかの態様を選択すればよい。
【0022】また、図5に示すように、クロム層3にか
えて化成処理層6を片面あるいは両面に被成してもよ
い。化成処理層としては、リン酸亜鉛(2g/m2 程
度)、リン酸鉄(0.3g/m2 程度)、リン酸亜鉛カ
ルシウム(2g/m2 程度)およびリン酸Sn(0.3
g/m2 )による膜が有利に適合するが、この限りでは
なく、他の化成処理等も利用できる。
えて化成処理層6を片面あるいは両面に被成してもよ
い。化成処理層としては、リン酸亜鉛(2g/m2 程
度)、リン酸鉄(0.3g/m2 程度)、リン酸亜鉛カ
ルシウム(2g/m2 程度)およびリン酸Sn(0.3
g/m2 )による膜が有利に適合するが、この限りでは
なく、他の化成処理等も利用できる。
【0023】なお、鋼板の片面にのみ金属被覆層を形成
した場合は、図2に示したように、裏面にはクロム層を
形成するか、あるいは各種の化成処理や塗装、印刷、ラ
ミネート等を施すことも可能であり、さらには鋼板素地
のままとしてもよい。その選択は缶の用途等によって適
宜行うことができる。
した場合は、図2に示したように、裏面にはクロム層を
形成するか、あるいは各種の化成処理や塗装、印刷、ラ
ミネート等を施すことも可能であり、さらには鋼板素地
のままとしてもよい。その選択は缶の用途等によって適
宜行うことができる。
【0024】さらに、金属被覆層2の形成を片面のみと
した場合、図6に示す缶胴の溶接接合処理において、接
触面積が小さい溶接電極7に金属被覆層2を向けること
で接触抵抗の低減を行なうことが好ましい。一般的に
は、缶内面側の溶接電極7は外面側の同電極8より小さ
いため、金属被覆層2を缶内面側とすることが有利であ
る。
した場合、図6に示す缶胴の溶接接合処理において、接
触面積が小さい溶接電極7に金属被覆層2を向けること
で接触抵抗の低減を行なうことが好ましい。一般的に
は、缶内面側の溶接電極7は外面側の同電極8より小さ
いため、金属被覆層2を缶内面側とすることが有利であ
る。
【0025】ちなみに、この発明で使用する鋼板は、特
に限定されないが、例えば板厚0.08〜0.5mmお
よび表面粗さ0.01〜5μmRa程度のものが好適で
ある。
に限定されないが、例えば板厚0.08〜0.5mmお
よび表面粗さ0.01〜5μmRa程度のものが好適で
ある。
【0026】
【実施例】次に、この発明に従う、種々の鋼板について
具体的に説明する。すなわち、Alキルド低炭素鋼板に
対して、クロム層および金属被覆層を種々の順列組み合
わせの下に形成し、各鋼板に関して、塗料密着性、フィ
ルム密着性、溶接性および溶接接合部の剥離、損傷度を
評価した。なお、クロム層は、高Cr濃度のクロム酸溶
液中で電解して金属クロム層を形成し、クロム酸溶液中
で電解後さらに低Cr濃度クロム酸溶液中で電解して金
属クロム層およびクロム水和酸化物層による複合層を形
成し、そして重クロム酸溶液中に鋼板を浸漬してクロム
水和酸化物層を形成した。同様に、金属被覆層は、溶射
により形成した。
具体的に説明する。すなわち、Alキルド低炭素鋼板に
対して、クロム層および金属被覆層を種々の順列組み合
わせの下に形成し、各鋼板に関して、塗料密着性、フィ
ルム密着性、溶接性および溶接接合部の剥離、損傷度を
評価した。なお、クロム層は、高Cr濃度のクロム酸溶
液中で電解して金属クロム層を形成し、クロム酸溶液中
で電解後さらに低Cr濃度クロム酸溶液中で電解して金
属クロム層およびクロム水和酸化物層による複合層を形
成し、そして重クロム酸溶液中に鋼板を浸漬してクロム
水和酸化物層を形成した。同様に、金属被覆層は、溶射
により形成した。
【0027】また、得られた鋼板の評価方法は次のとお
りである。 (1)塗料密着性(金属被覆層部分を除く) 得られた鋼板の金属被覆層部分を切り捨ててから、鋼板
表面にエポキシフェノール系塗料50mg/m2 を塗布
した後、210℃で10分間焼付けした。その後、2枚
の試料の塗料塗布面間にナイロンフィルムをはさみ、加
圧力を3kg/cm2 として190℃で90秒間圧着し
た。この試料を10mm×150mmに切断した後引張
り試験機で剥離強度を測定、8kgf/10mm以上の
ものを良好とした。 (2)フィルム密着性(金属被覆層部分を除く) 得られた鋼板の金属被覆層部分を切り捨て、次いで鋼板
を220℃に加熱してから、ヒートシール層を有する2
軸配向ポリエステルフィルム(アイ・シー・アイ・ジャ
パン製 Melinex 850厚さ20μm)を貼り付けた。
これをエリクセン試験機によりフィルム面が膨らむよう
に5mmの高さまで張り出した後、110℃で1時間の
レトルト処理を行いフィルムが剥離しないものを良好と
した。 (3)溶接性(金属被覆層部分) 得られた鋼板の金属被覆層部分を2mmの重ね代で合わ
せ、電極径1.7mmの電極間に挟み、電極間を60k
gfで加圧し3kAの電流を流し、溶接部にスプラッシ
ュ、散り、過度の焼けがなく、充分に接合しているもの
を良好とした。 (4)溶接後接合部の塗膜およびフィルムの剥離、損傷
度 得られた鋼板の金属被覆層以外の部分に、缶用塗料(エ
ポキシフェノール系)もしくはフィルム(ポエステル)
を被成した後、金属被覆層が重なるようにして上記と同
様の条件で溶接接合した。該溶接接合部を中心にして、
接合部長さが30mmとなるよう鋼板を30×30mm
に切り取り、硫酸銅水溶液に浸漬して、銅が析出した部
分の面積を画像回析して求め、缶内面側と外面側の値を
平均して剥離、損傷値とした。なお、実施例および比較
例のうち奇数で表されたものにフィルムを貼付け、その
他の例に塗装を施した。表1および2に、それぞれ第1
発明および第2発明に従う鋼板に関する評価結果を、各
鋼板の仕様に併せて示す。
りである。 (1)塗料密着性(金属被覆層部分を除く) 得られた鋼板の金属被覆層部分を切り捨ててから、鋼板
表面にエポキシフェノール系塗料50mg/m2 を塗布
した後、210℃で10分間焼付けした。その後、2枚
の試料の塗料塗布面間にナイロンフィルムをはさみ、加
圧力を3kg/cm2 として190℃で90秒間圧着し
た。この試料を10mm×150mmに切断した後引張
り試験機で剥離強度を測定、8kgf/10mm以上の
ものを良好とした。 (2)フィルム密着性(金属被覆層部分を除く) 得られた鋼板の金属被覆層部分を切り捨て、次いで鋼板
を220℃に加熱してから、ヒートシール層を有する2
軸配向ポリエステルフィルム(アイ・シー・アイ・ジャ
パン製 Melinex 850厚さ20μm)を貼り付けた。
これをエリクセン試験機によりフィルム面が膨らむよう
に5mmの高さまで張り出した後、110℃で1時間の
レトルト処理を行いフィルムが剥離しないものを良好と
した。 (3)溶接性(金属被覆層部分) 得られた鋼板の金属被覆層部分を2mmの重ね代で合わ
せ、電極径1.7mmの電極間に挟み、電極間を60k
gfで加圧し3kAの電流を流し、溶接部にスプラッシ
ュ、散り、過度の焼けがなく、充分に接合しているもの
を良好とした。 (4)溶接後接合部の塗膜およびフィルムの剥離、損傷
度 得られた鋼板の金属被覆層以外の部分に、缶用塗料(エ
ポキシフェノール系)もしくはフィルム(ポエステル)
を被成した後、金属被覆層が重なるようにして上記と同
様の条件で溶接接合した。該溶接接合部を中心にして、
接合部長さが30mmとなるよう鋼板を30×30mm
に切り取り、硫酸銅水溶液に浸漬して、銅が析出した部
分の面積を画像回析して求め、缶内面側と外面側の値を
平均して剥離、損傷値とした。なお、実施例および比較
例のうち奇数で表されたものにフィルムを貼付け、その
他の例に塗装を施した。表1および2に、それぞれ第1
発明および第2発明に従う鋼板に関する評価結果を、各
鋼板の仕様に併せて示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1および2から明らかなように、実施例
はいずれも鋼板への塗料およびフィルム密着性に優れ、
溶接性も良好であった。また、溶接接合部の剥離、損傷
値は、缶内面および外面の平均値が低く(剥離損傷が全
くない場合の損傷値は60mm2 となる)、従って補修
塗装を低減することができた。なお、実施例10〜1
2、20,22、32〜34および42〜44では、S
n、Ni、ZnそしてPbの混合物にて金属被覆層を形
成し、実施例18および40は、金属被覆層の下層もし
くは上層にリン酸錫皮膜を形成した例である。
はいずれも鋼板への塗料およびフィルム密着性に優れ、
溶接性も良好であった。また、溶接接合部の剥離、損傷
値は、缶内面および外面の平均値が低く(剥離損傷が全
くない場合の損傷値は60mm2 となる)、従って補修
塗装を低減することができた。なお、実施例10〜1
2、20,22、32〜34および42〜44では、S
n、Ni、ZnそしてPbの混合物にて金属被覆層を形
成し、実施例18および40は、金属被覆層の下層もし
くは上層にリン酸錫皮膜を形成した例である。
【0031】一方、比較例1、2、4および5は、金属
被覆層を電気めっきによって形成したものであり、その
空隙率がいずれも2%に満たない結果、溶接時に接合部
付近の塗膜が急加熱され、塗膜の剥離や損傷が発生し
た。比較例3および6は、金属被覆層を金属粉末の焼結
にて形成したものであるが、その空隙率がいずれも60
%をこえる結果、溶接性が悪化し、溶接時にスプラッシ
ュが発生し、溶接接合部から広範囲にわたってフィルム
や塗膜が剥離、損傷した。
被覆層を電気めっきによって形成したものであり、その
空隙率がいずれも2%に満たない結果、溶接時に接合部
付近の塗膜が急加熱され、塗膜の剥離や損傷が発生し
た。比較例3および6は、金属被覆層を金属粉末の焼結
にて形成したものであるが、その空隙率がいずれも60
%をこえる結果、溶接性が悪化し、溶接時にスプラッシ
ュが発生し、溶接接合部から広範囲にわたってフィルム
や塗膜が剥離、損傷した。
【0032】
【発明の効果】この発明によれば、溶接性、塗料および
フィルム密着性に優れるのは勿論、さらに溶接接合部周
辺での溶接による悪影響が抑制される結果、補修塗装を
大幅に低減することができる溶接接缶用表面処理鋼板を
提供し得る。
フィルム密着性に優れるのは勿論、さらに溶接接合部周
辺での溶接による悪影響が抑制される結果、補修塗装を
大幅に低減することができる溶接接缶用表面処理鋼板を
提供し得る。
【図1】溶接缶用表面処理鋼板を示す模式図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】鋼板の金属被覆層を示す模式図である。
【図4】図1のA−A線に沿う断面に適合する図であ
る。
る。
【図5】図1のA−A線に沿う断面に適合する図であ
る。
る。
【図6】表面処理鋼板を用いた缶胴の溶接接合時におけ
る溶接電極と金属被覆層との位置関係を例示する模式図
である。
る溶接電極と金属被覆層との位置関係を例示する模式図
である。
1 鋼板 2 金属被覆層 3 クロム層 4 塗膜 5 空隙 6 化成処理層 7 溶接電極 8 溶接電極
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面に、金属クロム
層、クロム水和酸化物層、または金属クロム層とクロム
水和酸化物層との複合層からなるクロム層を被成し、該
クロム層上に、帯状に延びる金属被覆層を、その長手方
向と直交する向きに間隔をもつ複数配列の下に形成した
溶接缶用表面処理鋼板において、該金属被覆層は、S
n、Ni、ZnおよびPbの中から選ばれる1種または
2種以上の組成で、かつ多数の空隙を有して成る溶接缶
用表面処理鋼板。 - 【請求項2】 鋼板の少なくとも片面に、帯状に延びる
金属被覆層を、その長手方向と直交する向きに間隔をも
つ複数配列の下に形成し、該金属被覆層を含む鋼板表面
上に、金属クロム層、クロム水和酸化物層、または金属
クロム層とクロム水和酸化物層との複合層からなるクロ
ム層を被成した溶接缶用表面処理鋼板において、該金属
被覆層は、Sn、Ni、ZnおよびPbの中から選ばれ
る1種または2種以上の組成で、かつ多数の空隙を有し
て成る溶接缶用表面処理鋼板。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の溶接缶用表面
処理鋼板において、クロム層にかえて、化成処理層を形
成して成る溶接缶用表面処理鋼板。 - 【請求項4】 金属被覆層の空隙率が2〜60%である請
求項1、2または3に記載の溶接缶用表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28874495A JPH09125260A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 溶接缶用表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28874495A JPH09125260A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 溶接缶用表面処理鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09125260A true JPH09125260A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17734142
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28874495A Pending JPH09125260A (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 溶接缶用表面処理鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09125260A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2765891A1 (fr) * | 1997-07-10 | 1999-01-15 | Lorraine Laminage | Procede de traitement de surface de toles d'acier revetu au trempe d'alliage comprenant essentiellement du zinc et du fer |
| JP2011012553A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Honda Access Corp | 排気管製造方法及び排気管製造装置 |
-
1995
- 1995-11-07 JP JP28874495A patent/JPH09125260A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2765891A1 (fr) * | 1997-07-10 | 1999-01-15 | Lorraine Laminage | Procede de traitement de surface de toles d'acier revetu au trempe d'alliage comprenant essentiellement du zinc et du fer |
| JP2011012553A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Honda Access Corp | 排気管製造方法及び排気管製造装置 |
| US8610023B2 (en) | 2009-06-30 | 2013-12-17 | Honda Motor Co., Ltd | Method and apparatus for manufacturing for fixing a mounting ring to an exhaust pipe assembly |
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