JPH09132690A - フッ素樹脂組成物 - Google Patents

フッ素樹脂組成物

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JPH09132690A
JPH09132690A JP20490596A JP20490596A JPH09132690A JP H09132690 A JPH09132690 A JP H09132690A JP 20490596 A JP20490596 A JP 20490596A JP 20490596 A JP20490596 A JP 20490596A JP H09132690 A JPH09132690 A JP H09132690A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂組成物を、耐摩耗・摺動性シール
材、無潤滑シール材として高荷重条件で、しかも長時間
連続使用した場合にもシール特性に極めて優れたシール
材を提供する。 【解決手段】 四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂
50〜93重量%に、下記のA成分3〜35重量%、B
成分1〜20重量%および炭素繊維3〜25重量%を配
合してなるフッ素樹脂組成物とする。 A成分:銅−鉛共晶粉末もしくは銅−鉛−錫共晶粉末ま
たは両者の混合粉末 B成分:酸化錫、三酸化モリブデンおよびタングステン
化合物から選ばれる1種以上の粉末状化合物 また、上記のフッ素樹脂組成物からなるシール材または
冷凍機またはコンプレッサー用の無潤滑シール材とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機器類の摺
動部材またはシールリングなどのシール材に適用できる
フッ素樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、四フッ化エチレン樹脂(以下、
これをPTFEと略記する)は、耐熱性、耐薬品性に優
れているばかりでなく、摩擦係数が小さく自己潤滑性を
有するので、軸受、歯車のような摺動部用材料、管、バ
ルブその他の成形品などいわゆるエンジニアリングプラ
スチックとして各方面に広く利用されてきた。
【0003】しかしPTFEなどのフッ素樹脂は、耐摩
耗性が必ずしも満足できず、また荷重による変形(クリ
ープ)が大きいので、高荷重下または高温下においては
その使用が制限される。
【0004】このようなフッ素樹脂の耐摩耗性の欠点を
改善するために用いられる充填剤としては、たとえばガ
ラス繊維粉末、ガラスビーズ、炭素繊維、グラファイ
ト、二硫化モリブデン、青銅、黄銅、酸化鉛、モリブデ
ンなどの無機充填剤、または芳香族系ポリエステル、ポ
リイミド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族系ポリ
アミドなどの有機充填剤が挙げられる。
【0005】前記した無機充填剤のうち金属充填剤であ
る青銅(銅とスズの合金)や黄銅(銅と亜鉛の合金)
は、いずれも一液相を形成した固溶体であって、これら
はPTFEの耐クリープ性、放熱性(熱伝導性)を高め
るので、高荷重、高温条件で使用されるPTFE系摺動
材に添加されている。
【0006】また、油圧機器や空調機器の部品としての
シールリング材、または冷媒等を圧縮・膨張させるコン
プレッサーに用いる無潤滑シールリング材には、上記し
た充填剤入りのPTFEが用いられており、さらに補強
材としてガラス繊維粉末、炭素繊維などの繊維状強化剤
が添加されることも多い。
【0007】特開昭58−72770号公報に記載のあ
る無潤滑シールリング材は、PTFEに銅系または鉄系
の合金とカーボン繊維を添加して、ピストンシリンダへ
の攻撃性と自己摩耗性を抑制したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の充填剤入りのPTFEその他のフッ素樹脂は、いずれ
も潤滑性、シール特性の改善に加えて、耐摩耗性を充分
に改善することはできず、高荷重条件でシールリングと
して使用すると、摩耗が大きくなって長時間の使用でシ
ール機能が低下するという問題点がある。
【0009】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決し、高負荷の摺動条件で使用した場合に耐摩耗
性に優れ、所要の潤滑性を発揮し、さらにシール特性に
優れたフッ素樹脂組成物とすることである。または、上
記したような優れた耐摩耗性、潤滑性、シール性を発揮
するシール材、特に冷凍機・コンプレッサー用の無潤滑
シール材を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、フッ素樹脂を主要成分とし、
下記のA1 成分、B1 成分および炭素繊維を添加してな
るフッ素樹脂組成物としたのである。 記 A1 成分:銅および鉛を含み2以上の成分からなる共晶
粉末、 B1 成分:タングステン化合物、錫化合物および三酸化
された周期表6A族化合物から選ばれる1種以上の粉末
状化合物。
【0011】または、フッ素樹脂を主要成分とし、下記
のA成分、B成分および炭素繊維を添加したフッ素樹脂
組成物としたのである。 記 A成分:銅−鉛共晶粉末もしくは銅−鉛−錫共晶粉末ま
たは両者の混合粉末、 B成分:酸化錫、三酸化モリブデンおよびタングステン
化合物から選ばれる1種以上の粉末状化合物。
【0012】または、フッ素樹脂50〜93重量%に、
上記のA成分、B成分および炭素繊維をそれらの合計で
7〜50重量%配合したフッ素樹脂組成物としたのであ
る。
【0013】または、フッ素樹脂50〜93重量%に、
前記のA成分3〜35重量%、B成分1〜20重量%お
よび炭素繊維3〜25重量%を配合してなるフッ素樹脂
組成物としたのである。
【0014】または、前記のフッ素樹脂組成物からなる
シール材または冷凍機もしくはコンプレッサー用の無潤
滑シール材としたのである。
【0015】この発明に用いる銅と鉛との共晶体は、銅
粉末の上に鉛粉末が付着したような形態であって、単に
銅粒子と鉛粒子の混合物とは異なり、樹脂組成物に混合
した際に良く分散する。すなわち、銅と鉛との共晶体
は、フッ素樹脂に混合した際、銅と鉛との比重の差によ
る分散の偏りが生ぜず、フッ素樹脂に均一に分散する。
そして、フッ素樹脂組成物は、銅と鉛とが相乗的に良好
な摺動特性を発揮させると考えられる。
【0016】また、銅−鉛共晶粉末は、摺動時に相手材
に形成されるPTFEの転移膜の形成を促進するため、
シール材に耐摩耗性を安定して長時間発揮させると考え
られる。
【0017】炭素繊維は、PTFEの機械的強度を高め
ると共に耐摩耗性を改善し、タングステン含有物、なか
でも二硫化タングステンは、フッ素樹脂組成物の潤滑特
性を向上させる。
【0018】このように、この発明のフッ素樹脂組成物
は、複数の添加剤が相乗的に作用して、高負荷条件で長
時間安定した潤滑特性および耐摩耗性を発揮する。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明に用いるフッ素樹脂は、
摺動特性に優れた周知のフッ素樹脂を採用したものであ
り、テトラフルオロエチレン樹脂に限定されるものでは
ない。この発明に用いるフッ素樹脂を構成する重合体を
例示すれば、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(E
TFE)、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキル
ビニルエーテル−フルオロオレフィン共重合体(EP
E)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化
ビニル(PVF)、クロロトリフルオロエチレン−エチ
レン共重合体(ECTFE)などが挙げられる。上記し
たようなフッ素樹脂は、2種以上を混合して使用するこ
ともできる。
【0020】フッ素樹脂の中でも重合体の繰り返し分子
構造単位に−(CF2 −CF2 )−単位を含むPTFE
系フッ素樹脂は、耐熱性および摺動特性に優れている。
【0021】また、PTFE、PFA、FEPなどのパ
ーフルオロ系テトラフルオロエチレン樹脂は、繰り返し
単位中の炭素の周囲が全てフッ素原子で取り囲まれてい
るか、又は微量の酸素原子を介して全てフッ素原子で取
り囲まれたものであるから、フッ素原子によって炭素骨
格が完全に保護されており、またC−F間の強い結合に
より、耐熱性に優れ、低摩擦係数であると共に耐薬品
性、耐油性にも優れている。
【0022】PTFEは、パーフルオロ系で平均分子量
300万〜1000万の重合体であり、前記したフッ素
系樹脂の中でも最も融点が高く、溶融時の粘度も非常に
高いので、高温となるような摺動面部の摺動材として好
適である。市販のPTFEとしては、伊国モンテジソン
社製:アルゴフロン、デュポン社製:テフロン、英国ア
イ・シー・アイ社製:フルオン、ダイキン工業社製:ポ
リフロンなどが挙げられる。また、溶融時の粘度がPT
FEよりも低いPFAについてもこの発明に適用できる
ものである。
【0023】この発明に用いるA1 成分である銅および
鉛を含み2以上の成分からなる共晶粉末、またはA成分
の銅−鉛共晶粉末もしくは銅−鉛−錫共晶粉末は、銅と
鉛の混合粉末またはさらに他の金属粉末との混合粉末を
アトマイズ法で微粉化(平均粒径5〜200μm)した
ものである。
【0024】この方法によると、例えば銅−鉛共晶粉末
は、鉛が20〜45%、残部が実質的に銅である粉末を
混合した後、融解し、これを高速流体中に滴下またはノ
ズルで吹出し、流体によって冷却過程中に微粉化して製
造できる。また、銅−鉛−錫共晶粉末は、鉛5〜25
%、錫1〜15%、残部が実質的に銅である粉末を混合
した後、上記同様に微粉化して製造できる。
【0025】このようなA成分の銅−鉛共晶または銅−
鉛−錫共晶は、銅と鉛または銅と鉛と錫が偏晶反応によ
り凝固中に分離し易いため、溶融状態において一液相の
固溶体とはなっていない。そして、得られた粉末は、青
銅粉、黄銅粉といった従来の金属合金粉のような形態と
は異なり、銅粉末の上、または銅および錫粉末の上に鉛
粉末が付着したような形態であって、いわゆる共晶体で
ある。
【0026】このように銅と鉛および必要ならば錫との
共晶体とすることにより、単に銅粒子や鉛粒子また場合
により錫系粒子を混合した樹脂組成物よりも分散性が向
上する。すなわち、銅と鉛および必要ならば錫とが共晶
することにより、PTFE等のフッ素系樹脂と混合する
ときに、銅と鉛また場合により錫系粒子との比重の差に
よる分散の偏りが生ぜず、PTFE等のフッ素系樹脂に
均一に分散させることができる。そして、銅と鉛および
必要ならば錫とが共晶することで、銅と鉛および必要な
らば錫との摺動特性が相乗して高まることも期待でき
る。
【0027】この発明におけるA1 成分においては、銅
や鉛以外にも共晶成分をさらに1種以上配合してもよ
く、そのような他の共晶成分の具体例としては、銅−鉛
−錫共晶粉末等が挙げられる。
【0028】この発明のA1 成分またはA成分の共晶粉
末の形状は、球状、片状、針状、涙滴状、その他の周知
な粉末形状であってよいが、球状のものは、低摩擦係数
で耐摩耗性の点が良好であるので、特に好ましいもので
ある。
【0029】次に、この発明に用いるB1 成分は、タン
グステン化合物、錫化合物および三酸化された周期表6
A族化合物から選ばれる1種以上の粉末状化合物であ
る。このうち、タングステン含有物は、タングステンを
含有する化合物であれば、硫化物、酸化物、窒化物、ハ
ロゲン化物、水素化物、ホウ化物、炭化物などのいかな
る化合物であってもよく、例えば、二硫化タングステン
(WS2 )、三硫化タングステン(WS3 )、酸化タン
グステン(WO3 :三酸化タングステンとも呼ばれ
る。)、窒化二タングステン(W2 N)、タングステン
酸カルシウム(CaWO4 、Ca3 WO6 )、タングス
テンブロンズ(NaX WO3 :式中xは0<x≦1)等
のタングステン化合物が挙げられる。これらの中でも、
潤滑特性、耐摩耗性、安定性、量産性、価格等の点で総
合的に優れているのは、二硫化タングステン(WS2
である。タングステン化合物は、乾燥した空気中でも安
定しており、無潤滑シール材の添加物として優れている
ものである。
【0030】前記したB1 成分のうちの錫化合物は、錫
を含有し、酸化数2または4の化合物であり、酸化物、
水酸化物、ハロゲン化物、水素化物、硫化物などのいか
なる化合物であってもよく、そのような化合物として例
えば、酸化錫などが挙げられる。
【0031】前記したB1 成分のうちの三酸化された周
期表6A族化合物とは、三酸化クロム(CrO3 )、モ
リブデン(MoO3 )、タングステン(WO3 )であ
る。
【0032】また、この発明に用いるB成分は、酸化
錫、三酸化モリブデンおよびタングステン化合物から選
ばれる1種以上の粉末状化合物であり、三酸化モリブデ
ンおよびタングステン化合物は、前記B1 成分に使用し
たものと同じである。また、酸化錫は、酸化数2または
4の酸化物であり、SnOまたはSnO2 のいずれか又
はこれらの混合物である。
【0033】また、この発明に用いる炭素繊維は、その
材質を特に制限することなく、ピッチ系、PAN系、カ
ーボン質、グラファイト質のいずれのものでも使用でき
る。繊維径4〜18μm、繊維長10〜500μm のも
のであれば、PTFE組成物中に均一に分散し、これを
充分に補強するので適当である。なお、シリンダやピス
トン等の相手材への攻撃性を考慮すると、適度な弾性率
と引張強度等の機械的特性を備えている点で、炭素繊維
径は、平均約5〜10μmであることが好ましい。
【0034】この発明に用いる炭素繊維は、種々の有機
高分子繊維を平均1000〜3000℃程度に焼成して
生成されたものである。この炭素繊維の構造は、主に炭
素原子六角網平面から構成される。PAN系や液晶ピッ
チ系の炭素繊維は、このような網平面が繊維軸に平行に
近く配列したものであり、高配向、異方性を有する。一
方、この網平面が乱雑に集合したものとして、等方性を
有するピッチ系炭素繊維が挙げられる。
【0035】因みに、高配向で異方性の炭素繊維は、特
定の方向の弾性率が高く引張強度に対しても優れてお
り、等方性の炭素繊維は、全方向から受ける荷重に対し
ても比較的耐え得るものである。
【0036】ピッチ系炭素繊維としては、例えば、石油
精製で副生される石油ピッチなどのような構造上無定形
の等方性ピッチ系炭素繊維があり、また一定方向の構造
として、例えば光学異方性を有する異方性ピッチ系炭素
繊維がある。
【0037】等方性ピッチ系炭素繊維は、石油系、石炭
系、合成品系、液化石炭系等に分類され、それらの原料
を溶融紡糸でピッチ繊維にして、不融化処理をした後
に、炭素化することにより製造される。
【0038】また、液晶ピッチ系炭素繊維は、ピッチ類
を不活性化気相中で加熱し、350〜500℃で液晶状
態とした後、固化してコークスとし、これを溶融紡糸し
て酸化雰囲気で加熱すると酸化繊維として不溶不融の繊
維とし、更にこれを不活性気相中で1000℃以上に加
熱する方法等により製造されたものである。
【0039】これらは、例えば平均4000kgf/m
2 程度の低弾性率から平均24000〜50000k
gf/mm2 程度の中・高弾性率のものを要求により選
択することができ、選択された最適の弾性率に加えて引
張強度等の機械的特性も優れた上記炭素繊維を所定の樹
脂組成物に混合することにより、適切な機械的強度を有
するシール材を得ることができる。
【0040】また、PAN系炭素繊維は、ポリアクリト
ニトリル繊維等のアクリル系繊維を加熱して焼く方法で
製造できるものである。これは加熱温度によって所定の
弾性率に製造でき、例えば、1000〜1500℃で加
熱すると、その弾性率は平均20000〜30000k
gf/mm2 、強度は平均300〜600kgf/mm
2 となる。また、約2000℃で加熱して、弾性率を平
均40000〜50000kgf/mm2 とすることも
できる。
【0041】このように、PAN系炭素繊維は、高い引
張強度の繊維であり、加熱温度により強度は平均100
〜600kgf/mm2 の範囲のものが得られ、要求に
より、平均100〜300kgf/mm2 の範囲のもの
も製造することができる。PAN系炭素繊維の市販品と
しては、東レ社製:トレカミルドファイバーMLD30
などが挙げられる。
【0042】これらの炭素繊維は、酸、アルカリ等の薬
品類の影響を受けにくく、また、耐摩耗性も有してい
る。なお、これらの炭素繊維とフッ素樹脂との密着性を
高め、成形体の機械的特性等を向上させるために、これ
らの炭素繊維をシランカップリング剤等により表面処理
を施してもよい。
【0043】以上述べたA成分(銅−鉛共晶粉末もしく
は銅−鉛−錫共晶粉末または両者の混合粉末)と、B成
分(酸化錫、三酸化モリブデンおよびタングステン化合
物から選ばれる1種以上の粉末状化合物)と、炭素繊維
の配合割合は、フッ素樹脂50〜93重量%に、A成
分、B成分および炭素繊維をそれらの合計で7〜50重
量%であることが好ましい。
【0044】なぜなら、A成分、B成分および炭素繊維
の合計が、上記所定範囲未満の少量では、耐摩耗性およ
び潤滑特性が低下して好ましくなく、所定範囲を越える
多量では、PTFE中での均一分散が難しくなり、成形
性が悪化するので好ましくない。
【0045】また、A成分、B成分、炭素繊維の個々の
配合量については、フッ素樹脂50〜93重量%の条件
で、A成分3〜35重量%、B成分1〜20重量%、炭
素繊維3〜35重量%であることが好ましい。
【0046】なぜなら、A成分または炭素繊維の配合量
が上記所定範囲未満の少量では、組成物の耐摩耗性を改
善することはできず、所定範囲を越える多量では、フッ
素樹脂中での均一分散が難しくなり、成形性が悪化して
良好な成形体を得られなくなって好ましくないからであ
る。また、B成分が所定範囲未満の少量では、摩擦係数
が大きくなり、所定範囲を越える多量では、成形体の機
械的強度が低下するので好ましくないからである。
【0047】なお、A1 成分、B1 成分の配合割合およ
びその数値限定理由については、上記したA成分、B成
分の場合と全く同様である。
【0048】これら諸原料を混合しシールリングなどの
シール材に成形するには、上記のA成分(またはA1
分)、B成分(またはB1 成分)および炭素繊維を所定
の割合でフッ素樹脂に添加し、以下の混合・成形条件で
行えばよい。例えば、タンブラーミキサー、ヘンシェル
ミキサーなどの混合機で乾式混合し、これを金型に入れ
て100〜800kg/cm2 、好ましくは380〜6
00kg/cm2 の圧力を加えて予備成形した後、金型
から取り出した圧縮成形体をPTFEの融点327℃以
上で加熱すればよく、例えば、350〜400℃、好ま
しくは360〜380℃、平均して約370℃で焼結す
る方法、加熱加圧しながら回分式に前記条件で圧縮成形
する方法、効率的な圧縮・焼成法であるオートモールド
による方法または前記条件でラム押出機により連続成形
する方法などを採用できる。
【0049】圧縮焼結法は、比較的少量多品種の生産法
として優れている。一方、ラム押出成形法は、所定の成
形体を連続して成形できるので、圧縮焼結法に比べて大
量生産性に優れる。また、加熱加圧しながら回分式に圧
縮成形する方法は、これら2つの中間的な生産性を示
す。これらの成形方法の中でも、共通して以下のことが
推定される。
【0050】まず、圧縮時の圧力が低すぎると、例えば
シール材に要求される耐圧縮クリープ特性等の機械的強
度等を満足し難い。圧力が高すぎると、上記のA成分
(またはA1 成分)、B成分(またはB1 成分)および
炭素繊維の配合比、配合量、これらの分散状態等によ
り、例えばクラックが発生して生産性の歩留りが低下す
ることが予想される。
【0051】次に、加熱時の温度が低すぎると前記のA
成分(またはA1 成分)、B成分(またはB1 成分)お
よび炭素繊維の熱伝導率等により、成形体が充分に加熱
され難いので、フッ素樹脂の粒子が融着され難く成形が
困難になる。一方、加熱温度が高すぎると、急激にフッ
素樹脂の熱分解が進行し始め、また、成形体に過大な熱
負荷がかかる等の理由により好ましくない。
【0052】また、これら諸原料から成形するシールリ
ングなどのシール材の形状としては、組み込み性を重視
すれば、シールリングにストレートカット、アングルカ
ット、ステップカット等の切欠部を設けてもよく、ま
た、シール性を重視するのであれば、エンドレスリング
にしてもよい。ストレートカットは、切欠部を設けるこ
とが比較的容易であり、生産効率がよい。一方、ステッ
プカットは、シールの密封性に優れており、アングルカ
ットはこれら2つの中間的な特性を持っている。
【0053】以上のようなシールは、油潤滑を行う部位
のシール材としても使用可能であるばかりでなく、全く
油潤滑を行わない無給油シール部位に使用しても充分な
耐摩耗性、摺動性を示すシールとなる。
【0054】
【実施例】実施例および比較例に使用した原材料を一括
して示すと以下の通りである。なお、〔 〕内に略号ま
たは化学記号を示し、配合割合は全て重量%である。 フッ素樹脂: (1)四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕 三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロン7J A成分(A1 成分): (2)銅−鉛共晶粉末〔Cu−Pb〕 福田金属箔粉工業社製:CL−At−100−KJ4 (3)銅−鉛共晶粉末〔Cu−Pb〕 福田金属箔粉工業社製:CL−At−100−KJ1 (4)銅−鉛−錫共晶粉末〔Cu−Pb−Sn〕 福田金属箔粉工業社製:CLT−At−100−LBC
3 B成分(B1 成分): (5)酸化錫〔SnO〕 (6)三酸化モリブデン〔MoO3 〕 (7)三硫化タングステン〔WS3 〕 (8)二硫化タングステン〔WS2 〕 (9)青銅粉〔Cu−Sn〕 福田金属箔粉工業社製:Bro−At−100(ブロン
ズ) (10)黄銅粉〔Cu−Zn〕 福田金属箔粉工業社製:Bra−At−100(黄銅) (11)炭素繊維〔CF〕 東レ社製:トレカミルドファイバー MLD30
【0055】以上の原材料を表1に示した割合で配合し
乾式混合した後、これを金型に入れて500kg/cm
2 の圧力で予備成形し、その圧縮成形品を370℃で焼
成した。この成形体から以下に示す摩擦係数および摩耗
係数の測定試験に用いる所定の形状および寸法の試験片
を作成し、物性値を測定した。この結果は、表1中に併
記した。
【0056】摩擦係数および摩耗係数:スラスト型摩擦
摩耗試験機を用いて、滑り速度36m/分、荷重20k
gf/cm2 、相手材:ステンレス鋼(SUS304、
表面粗さ0.2Rz)、無潤滑の条件下における円筒型
試験片(内径17mm、外径21mm、長さ10mm)
の摩擦係数を試験開始1時間後、同100時間後につい
てそれぞれ求めた。また、前記試験機を100時間運転
した後と運転前の重量変化および材料の比重から摩耗係
数(×10-10 cm3 /kgf・m)を算出した。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果からも明らかなように、全ての
条件を満足する実施例1〜5は、一般的な摺動材の使用
状態を想定した摩擦係数および摩耗係数の測定試験にお
いて、長時間の低摩擦係数を示し、しかも耐摩耗性に極
めて優れたものである。
【0059】一方、フッ素樹脂を主要成分として、A成
分を添加してはいるが、炭素繊維を添加していない比較
例1および3の耐摩耗性は低く、B成分を添加していな
い比較例2では摩擦係数が高く、100時間経過後の摩
擦係数を充分に低く抑えることもできなかった。また、
A成分を添加しなかった比較例4、5は、100時間経
過後の摩擦係数および摩耗係数を充分に低下できなかっ
た。
【0060】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、フッ
素樹脂を主要成分として、銅および鉛を含む共晶粉末の
A成分(またはA1 成分)、酸化錫、三酸化モリブデン
およびタングステン化合物から選ばれる1種以上の粉末
状化合物であるB成分(またはB1 成分)および炭素繊
維を添加したフッ素樹脂組成物としたので、高荷重条件
で長時間摺動した条件でも耐摩耗性に優れ、しかもその
潤滑性を保有する成形材料となり、また、前記添加剤の
配合割合を所定範囲として前記効果がより顕著である。
【0061】また、このようなフッ素樹脂組成物を、油
圧機器用または空調機器用のピストンリング、ガスシー
ル等の耐摩耗・摺動性シール材、メンテナンスの必要の
ない冷凍機またはコンプレッサー用の無潤滑シール材と
して、高荷重条件で長時間連続使用した場合にもシール
特性に極めて優れたものとなる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/06 KJN C08K 7/06 KJN

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂を主要成分とし、下記のA1
    成分、B1 成分および炭素繊維を添加してなるフッ素樹
    脂組成物。 記 A1 成分:銅および鉛を含み2以上の成分からなる共晶
    粉末 B1 成分:タングステン化合物、錫化合物および三酸化
    された周期表6A族化合物から選ばれる1種以上の粉末
    状化合物
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂を主要成分とし、下記のA成
    分、B成分および炭素繊維を添加してなるフッ素樹脂組
    成物。 記 A成分:銅−鉛共晶粉末もしくは銅−鉛−錫共晶粉末ま
    たは両者の混合粉末 B成分:酸化錫、三酸化モリブデンおよびタングステン
    化合物から選ばれる1種以上の粉末状化合物
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂50〜93重量%に、下記の
    A成分、B成分および炭素繊維をそれらの合計で7〜5
    0重量%配合してなるフッ素樹脂組成物。 記 A成分:銅−鉛共晶粉末もしくは銅−鉛−錫共晶粉末ま
    たは両者の混合粉末 B成分:酸化錫、三酸化モリブデンおよびタングステン
    化合物から選ばれる1種以上の粉末状化合物
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂50〜93重量%に、下記の
    A成分3〜35重量%、B成分1〜20重量%および炭
    素繊維3〜25重量%を配合してなるフッ素樹脂組成
    物。 記 A成分:銅−鉛共晶粉末もしくは銅−鉛−錫共晶粉末ま
    たは両者の混合粉末 B成分:酸化錫、三酸化モリブデンおよびタングステン
    化合物から選ばれる1種以上の粉末状化合物
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂が、四フッ化エチレン樹脂で
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載のフッ素樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 タングステン化合物が二硫化タングステ
    ンまたは三硫化タングステンである請求項1〜5のいず
    れか1項に記載のフッ素樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフ
    ッ素樹脂組成物からなるシール材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフ
    ッ素樹脂組成物からなる冷凍機またはコンプレッサー用
    の無潤滑シール材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009019179A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Sakagami Seisakusho Ltd 摺動部材およびシール装置
JP2014516096A (ja) * 2011-05-13 2014-07-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 低摩耗フルオロポリマー複合材料
WO2024195879A1 (ja) * 2023-03-23 2024-09-26 Ntn株式会社 シール材、圧縮機用シール部材、往復動圧縮機用カップシール、およびスクロール型圧縮機用チップシール

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