JPH09143521A - 高炉の短期改修・建設方法 - Google Patents

高炉の短期改修・建設方法

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JPH09143521A
JPH09143521A JP30898395A JP30898395A JPH09143521A JP H09143521 A JPH09143521 A JP H09143521A JP 30898395 A JP30898395 A JP 30898395A JP 30898395 A JP30898395 A JP 30898395A JP H09143521 A JPH09143521 A JP H09143521A
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惠嗣 松田
Hirotaka Kojima
啓孝 小島
Masao Fujita
昌男 藤田
Takeshi Takano
武 高野
Hiroya Marushima
弘也 丸島
Fumio Sudo
文夫 数土
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  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な分割ブロックの搬送、組み立てる時にお
ける、レンガ積み部の反りやひずみの発生を効果的に防
止すると共に真円度も有利に確保する。また、改修・建
設工期の著しい短縮を、改修・建設施工の簡便化および
改修・建設経費の削減に併せて実現する。 【解決手段】炉体を複数のリング状ブロックに分割し、
それぞれ高炉基礎以外の場所で建造した後、順次横送り
で高炉基礎上に搬送し、リフトアップ工法により炉頂部
から順次リフトアップしつつ互いに接合することによっ
て、高炉を改修・建設するに際し、各ブロックについ
て、レンガ積み部の反りやひずみを防止すると共に真円
度を確保する処置を講じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉の短期改修
・建設方法に関し、特に改修工期または建設工期の著し
い短縮を、改修・建設施工の簡便化および改修・建設経
費の削減に併せて実現しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高炉の改修に際しては、高炉近傍
に据え付けた炉頂クレーンを用い、炉体の上部から炉底
部まで順次解体したのち、全く逆の手順で炉底部から上
部まで順次組み立てることにより、行われていた。しか
しながら、炉頂クレーンの吊り上げ能力は60〜100 トン
程度にすぎないため、解体、組み立てに際しては、炉体
の鉄皮や耐火レンガ等を数多くの小ブロックに分けて行
わなければならず、改修終了までには相当の期間(120〜
150 日)を要していた。また、炉内での高所作業が必要
なことから、安全保安上の問題もあった。さらに、高炉
を新設する場合にも、上記と同様の問題が残されてい
た。
【0003】そこで、上記の問題を解決するものとし
て、これまでにも種々の改修または建設方法が提案され
ている。例えば、特公昭53-39322号公報では、高炉を炉
頂部から炉底部まで数個のブロックに分けて、高炉の基
礎以外の場所で建造しておき、炉体支持柱の上に設けた
高炉建設用の付設櫓を利用して、各分割ブロックをいわ
ゆるリフトアップ工法により炉頂部から順次組み立て、
最後に炉底部を炉底定盤ごと高炉の基礎上に固定する方
法を提案している。
【0004】また、特公昭60-43404号公報には、高炉の
支持柱上に設けた炉体櫓に張り出しデッキを付設すると
共にこのデッキ上に進退移動可能な搬送台車を配置し、
まず解体に際しては、高炉を炉頂部から炉底部まで数個
の輪状ブロックに分けて、該張り出しデッキよりも上の
部分については順次吊り下げつつ搬送台車を利用して炉
外に運び出す一方、該デッキよりも下のブロックについ
ては順次吊り上げつつ同じく搬送台車により炉外に運び
出し、ついで改修に際しては、解体とは全く逆の順序で
やはり張り出しデッキの搬送台車を利用して組み立てる
いわゆる中抜き施工方法が提案されている。
【0005】さらに、特開昭53-87907号公報には、上記
した特公昭60-43404号公報と同様、炉体支持柱上の炉体
櫓に設けた操業床を利用し、解体時にあっては、羽口部
よりも上の部分については順次吊り下げつつ搬送台車を
利用して炉外に運び出す一方、羽口部より下の部分につ
いてはブルドーザー等で別途に解体し、他方改修に際し
ては、羽口部より下の部分については操業床から吊り下
げて設置し、羽口部より上の部分については順次吊り上
げつつ接合する方法が提案されている。ただしこの場合
は、鉄皮のみの組み立てである。
【0006】またさらに、特開昭5−222420号公報に
は、炉底部の改修のみについてであるが、炉本体から分
離した炉底部を流体膜を利用して横送りにより交換改修
する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来法はいずれも、新規の分割ブロックを新たに搬
送、組み立てる際における、レンガ積み部の反りやひず
みの発生さらには真円度の確保について、なんら考慮が
払われていないことから、搬送、組み立て時に、反りや
ひずみさらには真円度のくずれに起因して、積みレンガ
の目地部におけるひび割れの発生や甚だしい場合は積み
レンガそのものの崩壊、さらには付設計器や配管の故
障、破損などのおそれが懸念される。また、その他に
も、特公昭53-39322号公報および特開昭5−222420号公
報では、炉底組み立て時や搬送時に炉底定盤に設置した
油圧ジャッキによるジャッキアップが不可欠なことか
ら、設備面のみならず操作が煩雑なところに問題を残し
ていた。さらに、特公昭60-43404号公報および特開昭53
-87907号公報では、炉体支持柱上の炉体櫓に設けた操業
床を利用して、各ブロックの撤去、搬送を行う必要があ
ることから、作業が煩雑なだけでなく、この操業床まで
の搬送にクレーン等の搬送手段を別途必要とするところ
にも問題を残していた。
【0008】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、新規の分割ブロックの搬送、組み立てる時にお
ける、レンガ積み部の反りやひずみの発生を効果的に防
止すると共に真円度も有利に確保し、また炉底の搬送時
や組み立て時にジャッキアップ等の必要がなく、さらに
各ブロックの搬送、吊り上げは全て炉体基礎レベルで行
うので操業床やクレーン等の必要が全くない、新規な方
式になる高炉の短期改修・建設方法を提案するものであ
る。さらに、この発明は、炉壁のレンガ積みや付帯設備
の設置、レンガ乾燥などを各ブロックの建造時に併せて
行うことにより、高所での作業は勿論のこと、炉内での
作業を最小限に制限することができる高炉の短期改修・
建設方法を提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の要
旨構成は次のとおりである。 1.既存炉体を解体した後その基礎上に高炉を再建する
か、または全く新たに高炉を建設するに当たり、(a) 炉
体を、その炉頂部から炉底部まで数個のリング状ブロッ
クに分割し、それぞれ高炉基礎以外の場所で建造するこ
と、(b) 上記のリング状ブロックのうち、最下段の炉底
部ブロックを除くブロックにそれぞれ、レンガ積み部の
反りやひずみの防止手段および真円度の確保手段を付与
すること、(c) 他方、炉底部ブロックは、その下端に設
置される炉底板の上にレンガを積んでおくこと、(d) 炉
底部ブロックを除くリング状ブロックは、横送りで高炉
基礎上に搬送した後、リフトアップ工法により炉頂部か
ら順次リフトアップしつつ互いに接合すること、(e) 炉
底部ブロックは、高炉基礎レベルを横送りで該基礎上に
搬送設置した後、上部ブロックと接合すること、の結合
になる高炉の短期改修・建設方法。
【0010】2.上記1において、 (b)工程におけるレ
ンガ積み部の反りやひずみの防止手段および真円度の確
保手段が、リング状ブロックの少なくとも下端に設けた
レンガ支持および/またはその上端に設けたレンガ押さ
えであることを特徴とする高炉の短期改修・建設方法。
【0011】3.上記1において、 (b)工程におけるレ
ンガ積み部の反りやひずみの防止手段および真円度の確
保手段が、リング状ブロックの少なくとも下端に設けた
レンガ支持および/またはその上端に設けたレンガ押さ
えならびに該ブロックの上下端または内部のいずれかに
設置した変形防止材であることを特徴とする高炉の短期
改修・建設方法。
【0012】4.上記3において、レンガ押さえを兼ね
る変形防止材として、各ブロックの上端にドーナツ状の
金物を設置したことを特徴とする高炉の短期改修・建設
方法。
【0013】5.上記1において、 (b)工程におけるレ
ンガ積み部の反りやひずみの防止手段および真円度の確
保手段が、ステーブを利用したものであることを特徴と
する高炉の短期改修・建設方法。
【0014】6.上記1,2,3,4または5におい
て、炉底部ブロックの高炉基礎上への横送りが摺動移動
であり、該摺動移動後、そのまま基礎上に設置すること
を特徴とする高炉の短期改修・建設方法。
【0015】7.上記1,2,3,4,5または6にお
いて、各ブロックが、耐火施工、電気計装、配管および
塗装を施したものである高炉の短期改修・建設方法。
【0016】8.上記1,2,3,4,5,6または7
において、各ブロックの接合部を、不定形耐火物の介在
下に行うことを特徴とする高炉の短期改修・建設方法。
【0017】9.上記1,2,3,4,5,6,7また
は8において、各ブロック間の接合が、炉外から行う鉄
皮の片面溶接であることを特徴とする高炉の短期改修・
建設方法。
【0018】
【発明の実施の形態】さて、この発明では、モジュール
工法とリフトアップ工法との効果的組み合わせを基本と
する。ここに、モジュール工法と必要な各ブロックを別
な場所でほぼ完全に組み立てることであり、またリフト
アップ工法とは各ブロックを最短の工程で順次吊り上げ
接合することである。以下、この発明に従う改修方法に
ついて各工程順に具体的に説明する。
【0019】まず、高炉の改修に先立ち、既設高炉の解
体を行う必要があるが、この解体法については特に制限
はなく、従来から行われてきた解体法いずれもが使用で
きる。しかしながら、高所作業を伴うものは、前述した
とおり安全保安上の問題があるので、高所での作業は極
力行わないような方法が推奨されるのは言うまでもな
い。
【0020】ちなみに、図1に示す高炉の好適解体方法
について述べると次のとおりである。図中番号1は炉
体、2は環状管、3は炉体支持柱である。 (1) まず、炉体1を水平方向に切断し、垂直方向の複数
個(この例では、A′〜E′の5個)に分割して、炉内
レンガ、冷却設備、鉄皮をリング状一体構造のまま解体
搬送する。この時、炉底部ブロックE′とその直上のブ
ロックD′とは、縁切りした場合にブロックD′のレン
ガが崩壊しない場所で分割する必要がある。 (2) 上記分割ブロックのうち、炉底レンガを含む最下段
ブロックE′の解体に際しては、鉄皮に複数個の垂直方
向の切断線を入れ、複数個に分割して、花びら状に解
体、撤去する(図2)。この時、上部ブロックA′〜
D′は、炉体支持柱3に取り付けた適当数の油圧ジャッ
キ等の昇降設備4により、昇降可能に吊下支持してお
く。 (3) 最下段ブロックの炉底レンガ壁部は、鉄皮解体後、
外部に露出するので、外部から、大型の解体機によって
解体撤去する。 (4) 炉底部の残銑を含む炉底中心部の底板上の炉底レン
ガ5は、高炉基礎面まで解体することなく、一体のまま
炉底基礎面と油圧ジャッキまたは発破等の手段により地
切りした後、基礎面上を一体のまま摺動させ、炉外に搬
送する。 (5) 最下段ブロックE′を解体撤去した後、上段のブロ
ックA′〜D′を順次、昇降設備によって降下させ、鉄
皮、冷却設備、レンガをリング状のまま、基礎面上に降
ろし、直上のブロックと縁切りしたのち、基礎面上を横
送りして搬出する。搬出に当たっては、基礎上面と同レ
ベルになる移動設備6を基礎隣接位置まで移動させ、各
ブロックをリング状のまま移動設備上に摺動上架させ、
搬出する。また、基礎面上にレールを敷設し、台車によ
って搬送することもできる(図3)。 (6) 上段のブロックの切断に当たっては、昇降の事前
に、下段ブロックの重量に耐えるだけの鉄皮切断線を残
し、基礎面上に上架したのち最終切断して、各ブロック
を順次切り離す。 (7) 上記手順を順次繰り返し、上段のブロックを解体、
搬出する。この場合、炉頂部鉄皮部分等が再利用可能な
場合には、その部分は搬出せず、再利用することもでき
る。
【0021】上記のようにして、既存炉体を解体したの
ち、その基礎上に新たに高炉を再建する。以下、その要
領を、ステーブ冷却を主とする高炉を例に、図面を参照
しつつ、具体的に説明する。 (a) 炉体を、その炉頂部から炉底部まで上下方向の複数
個のブロックに分割し、予め高炉基礎以外の工場内で各
ブロック毎にリング状に組み立てる。この例では、A〜
Eの5ブロックに分割した場合について説明する。各ブ
ロックの組み立てに際しては、鉄皮にステ−ブ、冷却板
等の冷却設備を取り付け、レンガ積みを実施し、また鉄
皮、ステ−ブ間に不定形耐火物の流し込みまたは圧入を
実施する。好ましくは、この段階で炉内乾燥を終えてお
く。そして、各ブロックは移動設備が下部に入り込める
だけ空間を保って支持する。この時、鉄皮の分割ブロッ
クはステーブ間の分割線と一致させる。なお、ブロック
形状については、リング状とするのが最適であるが、必
要に応じてその他の形状とするのを妨げるものではな
い。
【0022】(b) ついで、各ブロックA〜Eを、順次高
炉基礎まで搬送したのち、昇降設備4によりリフトアッ
プし、互いに接合するのであるが、かかる搬送、吊り上
げ、接合時に、レンガ積み部の反りやひずみの発生さら
には真円度のくずれ等を有利に回避することが、この発
明の特徴である。このため、この発明では、各リング状
ブロックについて、レンガ積み部の反りやひずみを防止
すると共に真円度を確保する手段を付与するのである。
その好適実施態様について説明すると、リング状ブロッ
クのうち炉底部ブロックEを除くブロックA〜Dについ
ては、少なくともその下端にレンガ支持および/または
その上端にレンガ押さえを設け、さらに好ましくは、該
ブロックの上下端または内部のいずれかに変形防止材を
設置する。さらに、かようなレンガ積み部における反り
やひずみの防止手段および/または真円度の確保手段と
してステーブが利用できる場合には、かかるステーブを
活用することは有利である。
【0023】図4に、レンガ支持、レンガ押さえおよび
変形防止材を装着したブロックの好適例を示す。図中、
番号7は鉄皮、8はステーブ、9は鉄皮7とステーブ8
間に注入された不定形耐火物、10は耐火レンガ、11は冷
却板、12は冷却板配管、13はステーブ配管、14はレンガ
押さえ金物、15は各ブロック間の接合部に介挿された不
定形耐火物である。この例では、冷却板11がブロックの
中央部と下端に設けられていて、下端の冷却板11にレン
ガ支持を兼ねさせている。また、レンガ押さえ金物14
は、形状がドーナツ形なので高い曲げ剛性をそなえてお
り、従ってこのようなドーナツ板をブロックの上端に設
置することにより、レンガ押さえとしてだけでなく、変
形防止材としても機能する。なお、上記の例では、下端
の冷却板11にレンガ支持を、またレンガ押さえ14に変形
防止材を兼用させた場合について述べたけれども、それ
ぞれ個別に設けて良いのは言うまでもない。かかるレン
ガ支持、レンガ押さえおよび変形防止材を、各ブロック
毎に設置することにより、搬送、吊り上げ、接合時にお
ける、レンガ積み部の反りやひずみの発生が効果的に防
止されると共にブロックの真円度も有利に確保されるの
である。
【0024】(c) 炉底部ブロックEについては、その底
に炉底板が設置されているので、反りやひずみの発生さ
らには真円度のくずれ等のおそれは少ない。従って、特
にレンガ支持やレンガ抑え、変形防止材等を設ける必要
はない。また、この炉底板は、剛性が高いので、必要に
応じて適宜、炉底レンガを積んでおくことができる。
【0025】(d) ついで、炉底部ブロックEを除く各ブ
ロックについては、横送りで高炉基礎上に搬送した後、
リフトアップ工法で炉頂部から順次リフトアップしつつ
互いに接合する。図5に示すように、まず最上段ブロッ
クAを一体のまま、移設設備上に上架し、炉体基礎隣接
位置まで移動した後、基礎面上に移動させ、基礎上の所
定の位置に上架する。ついで、油圧ジャッキ等の昇降設
備4により、最上段ブロックAを次のブロックBが入る
高さまで上昇させる。次のブロックを同様の手段で基礎
上に上架させ、上のブロックと一体接合し、同様に次の
ブロックが入る高さまで上昇させる。同様の手段を繰り
返し、順次、組み立てていく。
【0026】各ブロックの接合に際しては、前掲図4に
示したように、ブロック間に予め不定形耐火物15を介在
させておくと、接合時に不定形耐火物15が圧着充填され
ることによって、両ブロック間の隙間が完全に閉塞さ
れ、かかる隙間に起因した裏風による鉄皮の赤熱等の問
題を有利に解決することができる。なお、ブロック間へ
の不定形耐火物15の挿入は、鉄皮の外側から圧入、充填
することによって行うこともできる。また、この発明で
は、各ブロックの接合が、炉外からの鉄皮の片面溶接で
済むので、炉内作業が不要となる。なおこの時、ステー
ブ間の接合面を鉄皮の現地接合面と一致させておくこと
が重要である。ここに、鉄皮の片面溶接とは、図6に示
すように、上部ブロックの鉄皮7の下端と下部ブロック
の鉄皮7の上端に、片面溶接用の開先を設け、外側から
溶接することである。このように、この発明では、ブロ
ック間の隙間の充填および鉄皮の接合が炉外で行えるの
で、従来のような炉内での処理を大幅に削減することが
できる。
【0027】(e) 最下段ブロックEは、少なくとも炉底
板上に、スタンプ材および炉底レンガの一部を事前に施
工しておく。ところで、高炉の解体に際しては、炉底部
の冷却設備を配設したいわゆる炉底定盤を基礎に残して
再利用する場合と、この炉底定盤をも撤去廃棄する場合
の二通りがある。炉底定盤を再利用する場合は、新たに
建造する炉底ブロックの下端には炉底板しかないので、
炉底レンガについてはその一部しか予め積んでおくこと
ができないが、炉底定盤も新たに建造する場合は、炉底
ブロックの下端には極めて頑丈な炉底定盤が存在するの
で、全部の炉底レンガを積んでおくこともできる。さ
て、最下段ブロックEの搬送に際しては、この最下段ブ
ロックEを移動設備6上に上架し、炉体基礎隣接位置ま
で、搬送し、基礎面上に上架させ、所定の位置にセット
する(図7)。最下段ブロックEを搬送する横送り手段
としては、従来のような台車を利用することもできる
が、迅速化および簡便化の面からは摺動移動とすること
が有利である。
【0028】最下段ブロックの摺動移動要領を、炉底定
盤を基礎に残して再利用する場合を例として、図8に基
づき説明する。最下段ブロックEの下端に摺動板16を取
り付けたブラッケット17を設置する。基礎上および移動
台車上に直線状に連結したレール18,19を設け、その上
面レベルを一致させる。この時レール18は基礎上に埋め
込んでおくことが好ましい。ついで、油圧ジャッキ等で
移動台車上の最下段ブロックEをレール18,19上に沿っ
て牽引し、基礎上に設置する。その後、上部ブロックを
吊下し、最下段ブロックEと接合する。かくして、従来
に比べ、迅速かつ簡便に炉底部(最下段ブロックE)を
炉底基礎上に設置することが可能になったのである。な
お、据え付け後の炉底部と基礎との間の隙間について
は、炉底定盤内に不定形耐火物の装入配管(図示省略)
を設けておき、据え付け後、この配管から不定形耐火物
を圧入することによって、上記隙間を埋めれば良い。な
お、図中番号20は炉底板、21は炉底定盤である。
【0029】従来、最下段ブロックは、炉底カーボンレ
ンガ 700〜800 個をレンガ積みする必要があり、通常40
〜50日を要し、改修期間短縮を律する最大の要因となっ
ていた。また、このカーボンレンガは炉底面より自立し
ているため、最下段ブロックは鉄皮を据え付けた後、カ
ーボンレンガのレンガ積みが必要とされ、出銑口開孔(1
000×1000mm)からカーボンレンガ(500×600 ×3500mm)
を1個ずつ取り込み、炉内に設置した揚重機でレンガ
を精度良く(±0.5 mm)所定の位置に設置していた。
【0030】この発明では、最下段の炉底部ブロックの
下端に炉底板または炉底定盤付き炉底板が設置されてい
るので、少なくとも一部または全部のレンガを予め積ん
でおくことができ、この場合は、従来に比べ改修期間が
大幅に短縮される。また、従来同様、炉底部ブロックを
据え付け後、レンガ積みを行う場合には、羽口部または
羽口部上部の鉄皮に幅3m、高さ2m程度の開孔を設
け、カーボンレンガ2〜3個を目地材で予め接着して大
型化しておいた大ブロックを上記の開口から炉内に取り
込んで、レンガ積みを行うようにすれば、レンガ積みの
工期を有利に短縮することができる。なお、レンガ取り
込み用の開孔については、ステーブと鉄皮一体のまま蓋
をし、炉外から片面溶接で固定してやれば良い。以上、
高炉を改修する場合について説明したが、この方法は、
新たに高炉を建設する場合にも、同様にして適用できる
のはいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、搬送、吊り
上げ、接合時における、レンガ積み部の反りやひずみの
発生を効果的に防止できるだけでなく、真円度も有利に
確保することができる。また、この発明に従い、各ブロ
ックの組み立てに際し、全ての耐火施工、電気計装、配
管、炉体乾燥および塗装等を施しておけば、改修・建設
期間を約70〜90日と大幅に短縮できるだけでなく、改修
・建設施工の簡便化および改修・建設費用の削減も併せ
て達成でき、しかもブロック間の隙間の充填および鉄皮
の接合を炉外から行うようにすれば、高所作業および炉
内作業を最小限に抑制することができる。さらに、炉底
部ブロックの搬送に、摺動移動を利用することにより、
改修・建設期間を約50〜70日と一層短縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】解体前の既設高炉を示した図である。
【図2】炉底部の解体要領の説明図である。
【図3】炉底部を除く各分割ブロックの解体要領の説明
図である。
【図4】レンガ支持、レンガ押さえおよび変形防止材を
装着した好適ブロックの説明図である。
【図5】分割ブロックの搬送、組み立て要領の説明図で
ある。
【図6】分割ブロック間の接合要領の説明図である。
【図7】炉底ブロックの搬送、設置要領の説明図であ
る。
【図8】炉底ブロックの摺動移動要領を示した図であ
る。
【符号の説明】
1 炉体 2 環状管 3 炉体支持柱 4 昇降設備 5 残銑を含む炉底レンガ 6 移動設備 7 鉄皮 8 ステーブ 9 不定形耐火物 10 耐火レンガ 11 冷却板 12 冷却板配管 13 ステーブ配管 14 レンガ押さえ金物 15 不定形耐火物 16 摺動板 17 ブラッケット 18 基礎上のレール 19 移動台車上のレール 20 炉底板 21 炉底定盤
フロントページの続き (72)発明者 藤田 昌男 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 高野 武 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 丸島 弘也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 数土 文夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存炉体を解体した後その基礎上に高炉
    を再建するか、または全く新たに高炉を建設するに当た
    り、 (a) 炉体を、その炉頂部から炉底部まで数個のリング状
    ブロックに分割し、それぞれ高炉基礎以外の場所で建造
    すること、 (b) 上記のリング状ブロックのうち、最下段の炉底部ブ
    ロックを除くブロックにそれぞれ、レンガ積み部の反り
    やひずみの防止手段および真円度の確保手段を付与する
    こと、 (c) 他方、炉底部ブロックは、その下端に設置される炉
    底板の上にレンガを積んでおくこと、 (d) 炉底部ブロックを除くリング状ブロックは、横送り
    で高炉基礎上に搬送した後、リフトアップ工法により炉
    頂部から順次リフトアップしつつ互いに接合すること、 (e) 炉底部ブロックは、高炉基礎レベルを横送りで該基
    礎上に搬送設置した後、上部ブロックと接合すること、 の結合になる高炉の短期改修・建設方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 (b)工程におけるレ
    ンガ積み部の反りやひずみの防止手段および真円度の確
    保手段が、リング状ブロックの少なくとも下端に設けた
    レンガ支持および/またはその上端に設けたレンガ押さ
    えであることを特徴とする高炉の短期改修・建設方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 (b)工程におけるレ
    ンガ積み部の反りやひずみの防止手段および真円度の確
    保手段が、リング状ブロックの少なくとも下端に設けた
    レンガ支持および/またはその上端に設けたレンガ押さ
    えならびに該ブロックの上下端または内部のいずれかに
    設置した変形防止材であることを特徴とする高炉の短期
    改修・建設方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、レンガ押さえを兼ね
    る変形防止材として、各ブロックの上端にドーナツ状の
    金物を設置したことを特徴とする高炉の短期改修・建設
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 (b)工程におけるレ
    ンガ積み部の反りやひずみの防止手段および真円度の確
    保手段が、ステーブを利用したものであることを特徴と
    する高炉の短期改修・建設方法。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5におい
    て、炉底部ブロックの高炉基礎上への横送りが摺動移動
    であり、該摺動移動後、そのまま基礎上に設置すること
    を特徴とする高炉の短期改修・建設方法。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4、5または6にお
    いて、各ブロックが、耐火施工、電気計装、配管および
    塗装を施したものである高炉の短期改修・建設方法。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6または7
    において、各ブロックの接合部を、不定形耐火物の介在
    下に行うことを特徴とする高炉の短期改修・建設方法。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7また
    は8において、各ブロック間の接合が、炉外から行う鉄
    皮の片面溶接であることを特徴とする高炉の短期改修・
    建設方法。
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