JPH09145665A - 酵素センサ - Google Patents
酵素センサInfo
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- JPH09145665A JPH09145665A JP7306080A JP30608095A JPH09145665A JP H09145665 A JPH09145665 A JP H09145665A JP 7306080 A JP7306080 A JP 7306080A JP 30608095 A JP30608095 A JP 30608095A JP H09145665 A JPH09145665 A JP H09145665A
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- electrode
- graphite
- enzyme
- sensor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、基質の濃度を迅速且つ再現性良
く、更に高精度に測定できる改良された酵素センサに関
する。 【解決手段】 酵素センサの作用極は黒鉛及びガラス状
炭素複合材料から成り、これに対極を準備して電極系と
し、この電極系に接触している反応層から構成された酵
素センサに関する。この作用極は、ガラス状炭素のマト
リックスの中に黒鉛結晶が黒鉛結晶固有の電極反応性を
有するように一方向に配向された組織であり、実質的に
ガラス状炭素と同様の電解液不浸透性を有する黒鉛及び
ガラス状炭素から成る複合材料である。
く、更に高精度に測定できる改良された酵素センサに関
する。 【解決手段】 酵素センサの作用極は黒鉛及びガラス状
炭素複合材料から成り、これに対極を準備して電極系と
し、この電極系に接触している反応層から構成された酵
素センサに関する。この作用極は、ガラス状炭素のマト
リックスの中に黒鉛結晶が黒鉛結晶固有の電極反応性を
有するように一方向に配向された組織であり、実質的に
ガラス状炭素と同様の電解液不浸透性を有する黒鉛及び
ガラス状炭素から成る複合材料である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酵素の働きにより、
試料中の特定の成分の濃度を測定する酵素センサに関す
る。更に詳しくは、本発明は作用極材料として黒鉛及び
ガラス状炭素複合材料を用いた酵素センサに関する。
試料中の特定の成分の濃度を測定する酵素センサに関す
る。更に詳しくは、本発明は作用極材料として黒鉛及び
ガラス状炭素複合材料を用いた酵素センサに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、酵素の優れた基質特異性を利用し
た分析法が、臨床分析化学、食品製造、環境化学等の分
野で広く用いられている。特に、臨床分析化学の分野で
は、生体基質を選択的に検出しうる酵素センサが多用さ
れている。
た分析法が、臨床分析化学、食品製造、環境化学等の分
野で広く用いられている。特に、臨床分析化学の分野で
は、生体基質を選択的に検出しうる酵素センサが多用さ
れている。
【0003】それらは、酵素反応により生成する過酸化
水素、水素イオン、または消費された酸素量を、過酸化
水素電極、水素イオン電極、または酸素電極によって電
気化学的に検出することにより被測定物質濃度を定量す
るものである。例えば、酸素電極を用いるグルコースセ
ンサの場合は、酸化酵素であるグルコースセンオキシダ
ーゼを膜中に固定化し、その酵素膜を酸素電極上に装着
することでセンサが構成されているが、このような酵素
センサは、グルコースオキシダーゼの触媒作用によって
基質であるグルコースが酸化されるときに消費される酸
素量を酸素電極で検出するものであり、それにより試料
中のグルコース濃度を測定できるようになっている。
水素、水素イオン、または消費された酸素量を、過酸化
水素電極、水素イオン電極、または酸素電極によって電
気化学的に検出することにより被測定物質濃度を定量す
るものである。例えば、酸素電極を用いるグルコースセ
ンサの場合は、酸化酵素であるグルコースセンオキシダ
ーゼを膜中に固定化し、その酵素膜を酸素電極上に装着
することでセンサが構成されているが、このような酵素
センサは、グルコースオキシダーゼの触媒作用によって
基質であるグルコースが酸化されるときに消費される酸
素量を酸素電極で検出するものであり、それにより試料
中のグルコース濃度を測定できるようになっている。
【0004】ところが、このような原理に基づく酵素セ
ンサは次のような問題点がある。つまり、基質が反応す
るためには酸素を必要とするが、実際の測定において、
例えば糖尿病患者の血中グルコース濃度を測定する場
合、体液中の溶存酸素量だけでは不足であり、何等かの
方法で酸素を補給することが必要なこと等である。
ンサは次のような問題点がある。つまり、基質が反応す
るためには酸素を必要とするが、実際の測定において、
例えば糖尿病患者の血中グルコース濃度を測定する場
合、体液中の溶存酸素量だけでは不足であり、何等かの
方法で酸素を補給することが必要なこと等である。
【0005】一方、これらの問題点を解決するため、酵
素反応に伴う電子移動を直接検知するための電子伝達体
(メディエーター)を利用した酵素センサが開発されて
いる。これは、酵素固定化層と電子伝達体とを測定電極
部に被覆するものであり、電子伝達体の被覆方法として
は、人工電子伝達体を電極表面に薄膜状に塗布しさらに
その上を半透明膜で被覆する方法、難水溶性の電子伝達
体を電極中に含有させる方法、水溶性の電子伝達体を予
め電極に含有させた後、その電極表面にイオン性高分子
と酵素とからなる組成物の薄膜を設け電子伝達体が溶出
しないようにする方法、酵素と電子伝達体をパラフィン
などに混ぜてペースト状にしたものを電極に擦り込む方
法などである。
素反応に伴う電子移動を直接検知するための電子伝達体
(メディエーター)を利用した酵素センサが開発されて
いる。これは、酵素固定化層と電子伝達体とを測定電極
部に被覆するものであり、電子伝達体の被覆方法として
は、人工電子伝達体を電極表面に薄膜状に塗布しさらに
その上を半透明膜で被覆する方法、難水溶性の電子伝達
体を電極中に含有させる方法、水溶性の電子伝達体を予
め電極に含有させた後、その電極表面にイオン性高分子
と酵素とからなる組成物の薄膜を設け電子伝達体が溶出
しないようにする方法、酵素と電子伝達体をパラフィン
などに混ぜてペースト状にしたものを電極に擦り込む方
法などである。
【0006】上述のような電子伝達体を用いる酵素セン
サの測定原理は次のようである。例えばグルコースセン
サの場合、基質であるグルコースが酸化酵素であるグル
コースオキシダーゼによって酸化されると、酵素の活性
中心が酸化型から還元型に変化し、これにより電子伝達
体を還元し酵素自身は再度酸化型に戻る。そして作用極
上での適当な印加電位によって電子伝達体は電解され、
その際に得られる酸化電流を測定することによりグルコ
ース濃度が測定できる。
サの測定原理は次のようである。例えばグルコースセン
サの場合、基質であるグルコースが酸化酵素であるグル
コースオキシダーゼによって酸化されると、酵素の活性
中心が酸化型から還元型に変化し、これにより電子伝達
体を還元し酵素自身は再度酸化型に戻る。そして作用極
上での適当な印加電位によって電子伝達体は電解され、
その際に得られる酸化電流を測定することによりグルコ
ース濃度が測定できる。
【0007】ところで、電子伝達体を利用した酵素セン
サの作用極材料として、どのような電極材料選択するか
は、センサの感度、再現性、安定性等の定量の可否に大
きく影響している。今までにその電極材料として、白
金、パラジウム、金等の貴金属材料、シリコン、インジ
ウムオキサイド、イリジウムオキサイド等の半導体材
料、ガラス状炭素(グラッシーカーボン)、炭素繊維、
HOPG(高配向性の熱分解黒鉛)等のカーボン材料、
カーボンペーストなどが検討されてきた。中でもカーボ
ン材料は、正負の広い領域での測定が可能であり、有機
溶媒・酸・アルカリに対する耐溶媒性、熱安定性機械強
度(曲げ強度、弾性率、密度)等が優れているうえ、表
面に種々の官能基、特にキノン、ヒドロキノン基を有す
るため、センサ作製時に高分子膜との物理的吸着や化学
的結合がしやすい等、酵素センサの電極材料として優れ
た特性を有しているため多用されている。しかしながら
ガラス状炭素や炭素繊維は、表面が平滑なため有機物の
被着性が劣り、比抵抗が大きいなどのため、感度が良
く、安定したデータは得にくい。HOPGは、そのエッ
ジ面上への有機物の被着性は優れているが、加工性が劣
り鱗片状にへき開しやすく、試料液が浸透しやすいなど
のため、再現性が良く、安定したデータを得にくい。ま
たカーボンペーストは、カーボン粉体とパラフィント等
との混合物であるため、比抵抗が大きく、特性の均一な
電極面を得にくいなどのため、感度が良く、安定したデ
ータを得にくい等の欠点を有している。そのため、これ
らの電極材料を用いた酵素センサでも、感度、再現性、
安定性の優れたものを得るのは困難である。
サの作用極材料として、どのような電極材料選択するか
は、センサの感度、再現性、安定性等の定量の可否に大
きく影響している。今までにその電極材料として、白
金、パラジウム、金等の貴金属材料、シリコン、インジ
ウムオキサイド、イリジウムオキサイド等の半導体材
料、ガラス状炭素(グラッシーカーボン)、炭素繊維、
HOPG(高配向性の熱分解黒鉛)等のカーボン材料、
カーボンペーストなどが検討されてきた。中でもカーボ
ン材料は、正負の広い領域での測定が可能であり、有機
溶媒・酸・アルカリに対する耐溶媒性、熱安定性機械強
度(曲げ強度、弾性率、密度)等が優れているうえ、表
面に種々の官能基、特にキノン、ヒドロキノン基を有す
るため、センサ作製時に高分子膜との物理的吸着や化学
的結合がしやすい等、酵素センサの電極材料として優れ
た特性を有しているため多用されている。しかしながら
ガラス状炭素や炭素繊維は、表面が平滑なため有機物の
被着性が劣り、比抵抗が大きいなどのため、感度が良
く、安定したデータは得にくい。HOPGは、そのエッ
ジ面上への有機物の被着性は優れているが、加工性が劣
り鱗片状にへき開しやすく、試料液が浸透しやすいなど
のため、再現性が良く、安定したデータを得にくい。ま
たカーボンペーストは、カーボン粉体とパラフィント等
との混合物であるため、比抵抗が大きく、特性の均一な
電極面を得にくいなどのため、感度が良く、安定したデ
ータを得にくい等の欠点を有している。そのため、これ
らの電極材料を用いた酵素センサでも、感度、再現性、
安定性の優れたものを得るのは困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の酵素センサでは、電極材料として感度、再現性、安定
性の優れたものが得られなかったため、酵素センサの作
製過程において、センサ特性の維持管理に細心の注意を
払わなければならなかった。
の酵素センサでは、電極材料として感度、再現性、安定
性の優れたものが得られなかったため、酵素センサの作
製過程において、センサ特性の維持管理に細心の注意を
払わなければならなかった。
【0009】したがって本発明は、電子伝達体を利用
し、作用極材料としてカーボン材料を使用する酵素セン
サにおいて、特殊な前処理をしなくても酵素センサの調
整が容易でかつ試料中の酵素の基質となりうる物質の濃
度を再現性良く、高感度かつ迅速に定量することのでき
る信頼性の高い酵素センサを提供することを目的として
いる。
し、作用極材料としてカーボン材料を使用する酵素セン
サにおいて、特殊な前処理をしなくても酵素センサの調
整が容易でかつ試料中の酵素の基質となりうる物質の濃
度を再現性良く、高感度かつ迅速に定量することのでき
る信頼性の高い酵素センサを提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酵素セン
サの作用極用材料として黒鉛及びガラス状炭素複合材料
を用い、これと対極とを含む電極系、並びに前記電極系
に接触していて酵素、電子伝達体および水溶性高分子を
含む反応層とから酵素センサを構成すると、試料中の酵
素の基質となりうる物質の濃度を再現性良く測定できる
うえセンサ調整が容易で、有機物との被着性が優れてい
るため高精度かつ迅速に定量することのできる、信頼性
の高い酵素センサとなることをここに新たに見い出し、
本願発明を完成させた。
サの作用極用材料として黒鉛及びガラス状炭素複合材料
を用い、これと対極とを含む電極系、並びに前記電極系
に接触していて酵素、電子伝達体および水溶性高分子を
含む反応層とから酵素センサを構成すると、試料中の酵
素の基質となりうる物質の濃度を再現性良く測定できる
うえセンサ調整が容易で、有機物との被着性が優れてい
るため高精度かつ迅速に定量することのできる、信頼性
の高い酵素センサとなることをここに新たに見い出し、
本願発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、再現性良く、高精度
かつ迅速に定量するために、作用極材料が、ガラス状炭
素のマトリックス中に黒鉛結晶を黒鉛結晶固有の電極反
応活性を持つように一方向に配向させた組織でなり、実
質的にガラス状炭素並の電解液不浸透性を有する黒鉛及
びガラス状炭素のみからなる複合材料であることを特徴
とし、反応層が、酵素、電子伝達体および水溶性高分子
を含み、少なくとも2層からなることを特徴とする酵素
センサを提供するものである。
かつ迅速に定量するために、作用極材料が、ガラス状炭
素のマトリックス中に黒鉛結晶を黒鉛結晶固有の電極反
応活性を持つように一方向に配向させた組織でなり、実
質的にガラス状炭素並の電解液不浸透性を有する黒鉛及
びガラス状炭素のみからなる複合材料であることを特徴
とし、反応層が、酵素、電子伝達体および水溶性高分子
を含み、少なくとも2層からなることを特徴とする酵素
センサを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の酵素センサを具体
的に説明する。本発明の酵素センサは、黒鉛及びガラス
状炭素複合材料からなる作用極並びに対極とを含む電極
系、更に前記電極系に接触していて、酵素、電子伝達体
および水溶性高分子を含む反応層から構成されてなる酵
素センサである。
的に説明する。本発明の酵素センサは、黒鉛及びガラス
状炭素複合材料からなる作用極並びに対極とを含む電極
系、更に前記電極系に接触していて、酵素、電子伝達体
および水溶性高分子を含む反応層から構成されてなる酵
素センサである。
【0013】本発明の、作用極に用いる黒鉛がガラス状
炭素複合材料は、材料構成の40%以上95%以下が不
浸透性を持つガラス状炭素マトリックスによって成り、
必要ならばより高密度化等に応じ、ピッチ等を乾留して
炭素残査を高め、かつ難黒鉛化性を付与した炭素残査収
率75%以上95%以下のメソフェースピッチを複合し
共炭化することを特徴としている。そしてマトリックス
炭素が全体の40%以下であると材料中に欠陥や空孔が
発生して本来の不浸透性が失われ電極特性が不安定にな
る恐れがあるので好ましくない。また、マトリックス炭
素が95%を越えると黒鉛結晶の持つ活性な電極反応特
性が失われるので好ましくない。
炭素複合材料は、材料構成の40%以上95%以下が不
浸透性を持つガラス状炭素マトリックスによって成り、
必要ならばより高密度化等に応じ、ピッチ等を乾留して
炭素残査を高め、かつ難黒鉛化性を付与した炭素残査収
率75%以上95%以下のメソフェースピッチを複合し
共炭化することを特徴としている。そしてマトリックス
炭素が全体の40%以下であると材料中に欠陥や空孔が
発生して本来の不浸透性が失われ電極特性が不安定にな
る恐れがあるので好ましくない。また、マトリックス炭
素が95%を越えると黒鉛結晶の持つ活性な電極反応特
性が失われるので好ましくない。
【0014】ここで黒鉛とは、黒鉛ウィスカ、高配向性
熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒鉛、天然黒鉛、人
造黒鉛により成る群より選ばれた少なくとも一種であ
る。本発明で電極反応を良好に行わせるには、黒鉛の結
晶端面(エッジ面)が電極の反応面に垂直に整列するよ
うに組織配向した複合炭素材料を作製することが重要で
ある。それゆえ、好ましくはキッシュ黒鉛、天然黒鉛等
の粉末が用いられ、粉末の粒度は目的とする電極の直径
によっても異なるが、最大径が数μmであることが好ま
しい。
熱分解黒鉛(HOPG)、キッシュ黒鉛、天然黒鉛、人
造黒鉛により成る群より選ばれた少なくとも一種であ
る。本発明で電極反応を良好に行わせるには、黒鉛の結
晶端面(エッジ面)が電極の反応面に垂直に整列するよ
うに組織配向した複合炭素材料を作製することが重要で
ある。それゆえ、好ましくはキッシュ黒鉛、天然黒鉛等
の粉末が用いられ、粉末の粒度は目的とする電極の直径
によっても異なるが、最大径が数μmであることが好ま
しい。
【0015】またガラス状炭素とは、有機物を不活性雰
囲気中または非酸化性雰囲気中で焼成することで得られ
るガラス状の難黒鉛化性炭素であり、三次元架橋を持つ
有機樹脂材料や、固相炭化する天然有機材料等の炭素化
物である。具体的には、有機高分子物質および、そのモ
ノマー・オリゴマー類、タール・ピッチ類、乾留ピッチ
類、熱過塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の初期
重合体類、等の一種または二種以上の混合物よりなる炭
素化物である。
囲気中または非酸化性雰囲気中で焼成することで得られ
るガラス状の難黒鉛化性炭素であり、三次元架橋を持つ
有機樹脂材料や、固相炭化する天然有機材料等の炭素化
物である。具体的には、有機高分子物質および、そのモ
ノマー・オリゴマー類、タール・ピッチ類、乾留ピッチ
類、熱過塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の初期
重合体類、等の一種または二種以上の混合物よりなる炭
素化物である。
【0016】本発明の反応層は、酵素、電子伝達体およ
び水溶性高分子を含む、少なくとも2層からなるもので
ある。水溶性高分子層と酵素及び電子伝達体を含む層と
の2層でもよいが、好ましくは、更に酵素を含む層と電
子伝達体を含む層とを分けると、酵素は電子伝達体によ
って活性を損なわれることがないので、保存によっても
性能の劣化しない高信頼性の酵素電極を得ることができ
るため好適である。また、酵素層と電子伝達体層との間
に、酵素を溶解しない溶媒に可溶な親水性高分子膜を設
ければ、酵素と電子伝達体との分離効果は、さらに大き
くなる。しかし、反応層は可能な限り少ない構成とする
ことも重要である。それは、少層構造のほうが多層構造
に比べて製造工程を簡素化することができるとともに、
試料液への溶解が容易であるため、応答速度が短縮さ
れ、応答値のばらつきを小さくすることができる利点が
あるためである。また、試料液のpHの影響を緩和し、安
定したセンサ応答を得るには、反応層があらかじめ緩衝
液またはその成分となる試薬を含んでいることが好まし
い。なお、緩衝液の成分となる試薬としては、リン酸塩
の他、リン酸塩−クエン酸あるいは酢酸−酢酸塩などを
使用することができる。
び水溶性高分子を含む、少なくとも2層からなるもので
ある。水溶性高分子層と酵素及び電子伝達体を含む層と
の2層でもよいが、好ましくは、更に酵素を含む層と電
子伝達体を含む層とを分けると、酵素は電子伝達体によ
って活性を損なわれることがないので、保存によっても
性能の劣化しない高信頼性の酵素電極を得ることができ
るため好適である。また、酵素層と電子伝達体層との間
に、酵素を溶解しない溶媒に可溶な親水性高分子膜を設
ければ、酵素と電子伝達体との分離効果は、さらに大き
くなる。しかし、反応層は可能な限り少ない構成とする
ことも重要である。それは、少層構造のほうが多層構造
に比べて製造工程を簡素化することができるとともに、
試料液への溶解が容易であるため、応答速度が短縮さ
れ、応答値のばらつきを小さくすることができる利点が
あるためである。また、試料液のpHの影響を緩和し、安
定したセンサ応答を得るには、反応層があらかじめ緩衝
液またはその成分となる試薬を含んでいることが好まし
い。なお、緩衝液の成分となる試薬としては、リン酸塩
の他、リン酸塩−クエン酸あるいは酢酸−酢酸塩などを
使用することができる。
【0017】ここで親水性高分子としては、実施例にお
いて一例として用いたカルボキシメチルセルロースに限
定されることはなく、他のセルロース系、ビニルアルコ
ール系、ビニルピロリドン系、ゼラチン系、アクリル酸
塩系、デンプン系、無水マレイン酸系、アクリルアミド
系などが使用される。
いて一例として用いたカルボキシメチルセルロースに限
定されることはなく、他のセルロース系、ビニルアルコ
ール系、ビニルピロリドン系、ゼラチン系、アクリル酸
塩系、デンプン系、無水マレイン酸系、アクリルアミド
系などが使用される。
【0018】また電子伝達体として使用できる材料とし
ては、従来から使用されているものはいづれも使用で
き、例えばフェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノ
ン、フェロセン、フェナジンメトサルファート、チオニ
ン、ピロロキノリンキノン、ナフトキノン、メチレンブ
ルー等を挙げることができる。
ては、従来から使用されているものはいづれも使用で
き、例えばフェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノ
ン、フェロセン、フェナジンメトサルファート、チオニ
ン、ピロロキノリンキノン、ナフトキノン、メチレンブ
ルー等を挙げることができる。
【0019】本発明において使用できる酵素は、特に限
定されるものではなく、従来の酵素センサにおいて使用
されている酵素を単独であるいは併用して使用できる。
具体的には、グルコースオキシダーゼ、コレステロール
オキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、ウリカーゼ、アルコ
ールオキシダーゼ、NADHオキシダーゼ、ガラクトー
スオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、アミンオキ
シダーゼなどのオキシダーゼ。グルコースデヒドロゲナ
ーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロ
ゲナーゼ、3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、フル
クトースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナー
ゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼなどのデヒドロゲナ
ーゼ、ジアホラーゼ、ウレアーゼ、などを使用できる。
本発明の酵素センサにより濃度を測定できる物質として
は、使用する上述の酵素から適当に選択することにより
種々の物質の濃度を測定できる。
定されるものではなく、従来の酵素センサにおいて使用
されている酵素を単独であるいは併用して使用できる。
具体的には、グルコースオキシダーゼ、コレステロール
オキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、ウリカーゼ、アルコ
ールオキシダーゼ、NADHオキシダーゼ、ガラクトー
スオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、アミンオキ
シダーゼなどのオキシダーゼ。グルコースデヒドロゲナ
ーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロ
ゲナーゼ、3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、フル
クトースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナー
ゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼなどのデヒドロゲナ
ーゼ、ジアホラーゼ、ウレアーゼ、などを使用できる。
本発明の酵素センサにより濃度を測定できる物質として
は、使用する上述の酵素から適当に選択することにより
種々の物質の濃度を測定できる。
【0020】例えば、酵素としてグルコースオキシダー
ゼを使用することによって血液などの試料中のグルコー
スを測定でき、コレステロールオキシダーゼを使用する
ことによりコレステロール濃度を、乳酸オキシダーゼを
使用することにより乳酸の濃度を測定できる。
ゼを使用することによって血液などの試料中のグルコー
スを測定でき、コレステロールオキシダーゼを使用する
ことによりコレステロール濃度を、乳酸オキシダーゼを
使用することにより乳酸の濃度を測定できる。
【0021】本発明において、センサの構造は特に限定
されるものではなく、従来の酵素センサにおいて採用さ
れている種々の構造を採用することができる。従って、
センサ用電極および作用電極の形状は、線状、ロッド
状、面状の形態であってよく、これらの電極は、電流値
を測定するために適当な回路(例えば電流測定回路)に
接続されるようになっている。本発明の特に好ましい態
様では、電極基材の構造としてロッド構造を採用でき
る。
されるものではなく、従来の酵素センサにおいて採用さ
れている種々の構造を採用することができる。従って、
センサ用電極および作用電極の形状は、線状、ロッド
状、面状の形態であってよく、これらの電極は、電流値
を測定するために適当な回路(例えば電流測定回路)に
接続されるようになっている。本発明の特に好ましい態
様では、電極基材の構造としてロッド構造を採用でき
る。
【0022】
【作用】本発明は前記したように、酵素センサの作用極
用材料として黒鉛及びガラス状炭素複合材料を用い、こ
れと対極とを含む電極系、並びに前記電極系に接触して
いて、酵素、電子伝達体及び水溶性高分子を含む反応層
から酵素センサを構成することを特徴としている。本発
明の酵素センサを用いて試料液中の酵素の基質となりう
る物質の濃度を定量するには、試料液を電極系に接触し
ている反応層に供給する。この試料液により反応層の親
水性高分子は溶解し、反応層に含まれている酵素および
電子伝達体と試料とが接触して、試料は酵素による酸化
を受ける。酸化反応で移動した電子によって電子伝達
体、例えばフェリシアン化カリウムはフェロシアン化カ
リウムに還元される。酸化酵素による酸化反応によって
生成した電子伝達体の還元体は、次に対極を基準として
作用極をアノードとする電圧印加によって酸化され、そ
の際電極特性の優れた黒鉛及びガラス状炭素複合材料よ
りなる作用極によって、その応答電流を迅速かつ高精
度、再現性良く計測することができる。また、反応層
は、親水性高分子を含み、この高分子が試料液に溶解し
て反応層に含まれる酵素や電子伝達体などと試料との反
応の場を提供することになるが、有機物との被着性が優
れている黒鉛及びガラス状炭素複合電極材料を用いてい
るため高分子は酵素や電子伝達体などが電極系表面に接
触するのを実質的に阻止することができることから、電
極系表面へのタンパク質の吸着や、電子受容体などの酸
化能力を有する物質の化学作用による電極系の特性変化
が起こり難くなる。その結果、より高精度に電流応答を
得ることができる。
用材料として黒鉛及びガラス状炭素複合材料を用い、こ
れと対極とを含む電極系、並びに前記電極系に接触して
いて、酵素、電子伝達体及び水溶性高分子を含む反応層
から酵素センサを構成することを特徴としている。本発
明の酵素センサを用いて試料液中の酵素の基質となりう
る物質の濃度を定量するには、試料液を電極系に接触し
ている反応層に供給する。この試料液により反応層の親
水性高分子は溶解し、反応層に含まれている酵素および
電子伝達体と試料とが接触して、試料は酵素による酸化
を受ける。酸化反応で移動した電子によって電子伝達
体、例えばフェリシアン化カリウムはフェロシアン化カ
リウムに還元される。酸化酵素による酸化反応によって
生成した電子伝達体の還元体は、次に対極を基準として
作用極をアノードとする電圧印加によって酸化され、そ
の際電極特性の優れた黒鉛及びガラス状炭素複合材料よ
りなる作用極によって、その応答電流を迅速かつ高精
度、再現性良く計測することができる。また、反応層
は、親水性高分子を含み、この高分子が試料液に溶解し
て反応層に含まれる酵素や電子伝達体などと試料との反
応の場を提供することになるが、有機物との被着性が優
れている黒鉛及びガラス状炭素複合電極材料を用いてい
るため高分子は酵素や電子伝達体などが電極系表面に接
触するのを実質的に阻止することができることから、電
極系表面へのタンパク質の吸着や、電子受容体などの酸
化能力を有する物質の化学作用による電極系の特性変化
が起こり難くなる。その結果、より高精度に電流応答を
得ることができる。
【0023】従って、本発明では、電極反応活性に富
み、電位窓が大きく、固有抵抗が低く、経時劣化せず安
定性が高いなど、優れた電極特性を有する黒鉛及びガラ
ス状炭素複合材料を用いるため、従来の炭素材料利用し
たものに比べ、精度高く、再現性、安定性の優れた酵素
センサが得られるようになった。また、それによりセン
サ特性の維持管理の簡易化が可能になった。
み、電位窓が大きく、固有抵抗が低く、経時劣化せず安
定性が高いなど、優れた電極特性を有する黒鉛及びガラ
ス状炭素複合材料を用いるため、従来の炭素材料利用し
たものに比べ、精度高く、再現性、安定性の優れた酵素
センサが得られるようになった。また、それによりセン
サ特性の維持管理の簡易化が可能になった。
【0024】
【実施例】以下実施に例によって、本発明を更に具体的
に説明する。
に説明する。
【0025】〔実施例1〕本実施例では、グリコースセ
ンサについて記述する。まず、作用極用の黒鉛及びガラ
ス状炭素複合材料の作製方法を説明する。黒鉛及びガラ
ス状炭素複合材料は、マトリックスカーボン(ガラス状
炭素)原料として、塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバ
イト社製 T−742)35重量%とフラン樹脂(日立
化成社製ヒタフランVF−302)50重量%、との混
合樹脂系を用い、これに天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製
CSSP−B平均粒度1μm)15重量%、可塑剤と
してのジアリルフタレートモノマー20重量%を、ヘン
シェル・ミキサーで混合・分散後、ミキシング用二本ロ
ールで混練し、この混練物をスクリュー型押し出し機で
直径1.25mmのダイスを用い脱気を行ないつつ押し出
し、これを枠に固定して、180℃に加熱されたエアー
・オーブン中で10時間処理してプリ・カーサー(炭素
前駆体)線材とした。次に、これを窒素ガス中で500
℃迄を50℃/時の昇温速度で昇温し、その後1500
℃迄を100℃/時で昇温し、1500℃で3時間保持
した後自然冷却して焼成を完了した。得られたロッド形
状の作用電極用炭素材は、黒鉛及びガラス状炭素=32
/68、直径1.0mmであった。電極特性は、柳本製ポ
ーラログラフィクアナライザー(YANACO P−1
100)を使用し、5×10-3M Fe(CN)6 4-と
1M KC1系中でのフェロ/フェリシアンイオンのレ
ドックス反応性を観察することで評価した。その結果、
特別な前処理を施さなくてもブランク電流は小さく、シ
ャープな酸化波、還元波のピークが得られ、ピーク電位
の差ΔEpも理論値に近似した。電解液の侵入に伴う電
流値の増加は見られず、実質的にガラス状炭素並の電解
液不浸透性を示した。また、この素材の固有抵抗は、5
×10-4Ωcmであった。これらより、この素材の電極特
性および固有抵抗は、既存の炭素系電極素材であるガラ
ス状炭素や炭素繊維・カーボンペースト材より優れてい
ることがわかった。
ンサについて記述する。まず、作用極用の黒鉛及びガラ
ス状炭素複合材料の作製方法を説明する。黒鉛及びガラ
ス状炭素複合材料は、マトリックスカーボン(ガラス状
炭素)原料として、塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバ
イト社製 T−742)35重量%とフラン樹脂(日立
化成社製ヒタフランVF−302)50重量%、との混
合樹脂系を用い、これに天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製
CSSP−B平均粒度1μm)15重量%、可塑剤と
してのジアリルフタレートモノマー20重量%を、ヘン
シェル・ミキサーで混合・分散後、ミキシング用二本ロ
ールで混練し、この混練物をスクリュー型押し出し機で
直径1.25mmのダイスを用い脱気を行ないつつ押し出
し、これを枠に固定して、180℃に加熱されたエアー
・オーブン中で10時間処理してプリ・カーサー(炭素
前駆体)線材とした。次に、これを窒素ガス中で500
℃迄を50℃/時の昇温速度で昇温し、その後1500
℃迄を100℃/時で昇温し、1500℃で3時間保持
した後自然冷却して焼成を完了した。得られたロッド形
状の作用電極用炭素材は、黒鉛及びガラス状炭素=32
/68、直径1.0mmであった。電極特性は、柳本製ポ
ーラログラフィクアナライザー(YANACO P−1
100)を使用し、5×10-3M Fe(CN)6 4-と
1M KC1系中でのフェロ/フェリシアンイオンのレ
ドックス反応性を観察することで評価した。その結果、
特別な前処理を施さなくてもブランク電流は小さく、シ
ャープな酸化波、還元波のピークが得られ、ピーク電位
の差ΔEpも理論値に近似した。電解液の侵入に伴う電
流値の増加は見られず、実質的にガラス状炭素並の電解
液不浸透性を示した。また、この素材の固有抵抗は、5
×10-4Ωcmであった。これらより、この素材の電極特
性および固有抵抗は、既存の炭素系電極素材であるガラ
ス状炭素や炭素繊維・カーボンペースト材より優れてい
ることがわかった。
【0026】次に、上記方法で作製した黒鉛及びガラス
状炭素材を作用極として用いた、グルコースセンサの作
製方法および構造について説明する。黒鉛及びガラス状
炭素材のうち、作用極として使用するロッド形状の断面
部分1およびリードとして使用する部分2をマスキング
した後、絶縁用樹脂(イミド樹脂)3を被覆した。ま
た、銀を真空蒸着したポリエチレンテレフタレート製
(厚み12μm)のフィルムの一部を1M塩化カリウム
水溶液に浸し、SCEを基準極として0.34V印加し
塩化銀を析出させ、これを上記イミド樹脂を被覆した作
用極の外側に試料溶液を保持できるよう対極4および対
極リード5を接合することで電極系を作製した。
状炭素材を作用極として用いた、グルコースセンサの作
製方法および構造について説明する。黒鉛及びガラス状
炭素材のうち、作用極として使用するロッド形状の断面
部分1およびリードとして使用する部分2をマスキング
した後、絶縁用樹脂(イミド樹脂)3を被覆した。ま
た、銀を真空蒸着したポリエチレンテレフタレート製
(厚み12μm)のフィルムの一部を1M塩化カリウム
水溶液に浸し、SCEを基準極として0.34V印加し
塩化銀を析出させ、これを上記イミド樹脂を被覆した作
用極の外側に試料溶液を保持できるよう対極4および対
極リード5を接合することで電極系を作製した。
【0027】得られた、前記電極系に親水性高分子とし
てカルボキシメチルセルロース(以下CMCと略す)の
0.5wt%水溶液5μlを滴下し、乾燥させてCMC
層形成する。一方、グルコースオキシダーゼ(シグマ社
製、TypeII-S,EC1.1.3.4,Aspergillus niger:以下GO
Dと略す)1000Uと電子受容体としてのフェリシア
ン化カリウム25mgを、リン酸緩衝液(0.1M:KH
2 PO4 −0.1M:Na2 HPO4 ;pH=7.0)
1mlに溶解させる。この混合溶液を前記CMC層上に5
μl滴下し、40℃の乾燥器中で20分間乾燥させて反
応層6を形成する。得られたグルコースセンサの反応層
部は直径3mmのほぼ円形であった。
てカルボキシメチルセルロース(以下CMCと略す)の
0.5wt%水溶液5μlを滴下し、乾燥させてCMC
層形成する。一方、グルコースオキシダーゼ(シグマ社
製、TypeII-S,EC1.1.3.4,Aspergillus niger:以下GO
Dと略す)1000Uと電子受容体としてのフェリシア
ン化カリウム25mgを、リン酸緩衝液(0.1M:KH
2 PO4 −0.1M:Na2 HPO4 ;pH=7.0)
1mlに溶解させる。この混合溶液を前記CMC層上に5
μl滴下し、40℃の乾燥器中で20分間乾燥させて反
応層6を形成する。得られたグルコースセンサの反応層
部は直径3mmのほぼ円形であった。
【0028】上記の反応層形成工程において、リン酸
塩、グルコースオキシダーゼおよびフェリシアン化カリ
ウムの混合溶液をCMC層上に滴下すると、親水性高分
子からなるCMC層は一度溶解し、その後の乾燥過程で
酵素などと混合された形で複合層を形成する。しかし、
黒鉛及びガラス状炭素材料のうち黒鉛エッジが集積した
断面部は親水性高分子との被着性が優れているため、完
全な混合状態とはならず、電極系表面はCMCのみによ
って被覆された状態となる。すなわち、酵素および電子
受容体などが電極表面に接触しないために、電極系表面
へのタンパク質の吸着や、フェリシアン化カリウム、K
H2 PO4 のような酸化能力を有する物質の化学的作用
による電極系の特性変化が起こり難くなる。その結果、
高精度なセンサ応答を有するバイオセンサを得ることが
できる。
塩、グルコースオキシダーゼおよびフェリシアン化カリ
ウムの混合溶液をCMC層上に滴下すると、親水性高分
子からなるCMC層は一度溶解し、その後の乾燥過程で
酵素などと混合された形で複合層を形成する。しかし、
黒鉛及びガラス状炭素材料のうち黒鉛エッジが集積した
断面部は親水性高分子との被着性が優れているため、完
全な混合状態とはならず、電極系表面はCMCのみによ
って被覆された状態となる。すなわち、酵素および電子
受容体などが電極表面に接触しないために、電極系表面
へのタンパク質の吸着や、フェリシアン化カリウム、K
H2 PO4 のような酸化能力を有する物質の化学的作用
による電極系の特性変化が起こり難くなる。その結果、
高精度なセンサ応答を有するバイオセンサを得ることが
できる。
【0029】次に測定に関して記す。上記のように作製
したグルコースセンサに、試料液としてグルコース水溶
液10μlを供給してから一定時間後に、電極系の対極
を基準にして作用極にアノード方向へ+0.4Vのパル
ス電圧を印加し、10秒後の電流値を測定したところ、
図2に示すように、試料液中のグルコース濃度に比例し
た応答電流値が得られた。
したグルコースセンサに、試料液としてグルコース水溶
液10μlを供給してから一定時間後に、電極系の対極
を基準にして作用極にアノード方向へ+0.4Vのパル
ス電圧を印加し、10秒後の電流値を測定したところ、
図2に示すように、試料液中のグルコース濃度に比例し
た応答電流値が得られた。
【0030】〔比較例1〕作用極用電極素材としてガラ
ス状炭素材を使用すること以外は実施例1と同様にして
グルコースセンサを作製し、同様にして測定した。その
結果を図2に示す。実施例1と作用極面積が同じである
のにもかかわらず応答電流値が小さい上、グルコース濃
度に比例した応答電流値を得られなかった。また、グル
コースセンサにグルコース水溶液を供給した際、反応層
の剥離が観察された。
ス状炭素材を使用すること以外は実施例1と同様にして
グルコースセンサを作製し、同様にして測定した。その
結果を図2に示す。実施例1と作用極面積が同じである
のにもかかわらず応答電流値が小さい上、グルコース濃
度に比例した応答電流値を得られなかった。また、グル
コースセンサにグルコース水溶液を供給した際、反応層
の剥離が観察された。
【0031】〔実施例2〕本実施例では乳酸センサにつ
いて記述する。黒鉛及びガラス状炭素複合材料は、マト
リックスカーボン(ガラス状炭素)原料としての、フラ
ン樹脂(日立化成社製 ヒタフランVF302)50重
量%、乾留ピッチ(呉羽化学工業社製 KH)30重量
%と、天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製 CSSP−B
平均粒度1μm)20重量%を、ヘンシェル・ミキサー
で混合・分散後、ミキシング用二本ロールで混練し、こ
の混練物をスクリュー型押し出し機で直径1.3mmのダ
イスを用い脱気を行ないつつ押し出した。以後実施例1
と同様な操作を行い目的とする電極用炭素材を得ると共
に電極特性の評価を行った。得られたロッド形状の作用
電極用炭素材は、黒鉛及びガラス状炭素=30/70、
直径1.0mmであった。また、特別な前処理を施さなく
てもブランク電流が小さく、シャープな酸化波、還元波
のピークが得られ、ピーク電位の差ΔEpも理論値に近
似した電極特性が得られた。電解液の侵入に伴う電流値
の増加は見られず、実質的にガラス状炭素並の電解液不
浸透性を示した。この素材の固有抵抗は、6×10-4Ω
cmであった。これらより、この素材の電極特性及び固有
抵抗も、既存の炭素系電極素材であるガラス状炭素や炭
素繊維・カーボンペースト材より優れていることがわか
った。
いて記述する。黒鉛及びガラス状炭素複合材料は、マト
リックスカーボン(ガラス状炭素)原料としての、フラ
ン樹脂(日立化成社製 ヒタフランVF302)50重
量%、乾留ピッチ(呉羽化学工業社製 KH)30重量
%と、天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製 CSSP−B
平均粒度1μm)20重量%を、ヘンシェル・ミキサー
で混合・分散後、ミキシング用二本ロールで混練し、こ
の混練物をスクリュー型押し出し機で直径1.3mmのダ
イスを用い脱気を行ないつつ押し出した。以後実施例1
と同様な操作を行い目的とする電極用炭素材を得ると共
に電極特性の評価を行った。得られたロッド形状の作用
電極用炭素材は、黒鉛及びガラス状炭素=30/70、
直径1.0mmであった。また、特別な前処理を施さなく
てもブランク電流が小さく、シャープな酸化波、還元波
のピークが得られ、ピーク電位の差ΔEpも理論値に近
似した電極特性が得られた。電解液の侵入に伴う電流値
の増加は見られず、実質的にガラス状炭素並の電解液不
浸透性を示した。この素材の固有抵抗は、6×10-4Ω
cmであった。これらより、この素材の電極特性及び固有
抵抗も、既存の炭素系電極素材であるガラス状炭素や炭
素繊維・カーボンペースト材より優れていることがわか
った。
【0032】次に、上記方法で作製した黒鉛及びガラス
状炭素材を作用極として用いた、乳酸センサの作製方法
および構造について説明する。実施例1と同様に黒鉛及
びガラス状炭素材のうち、作用極として使用するロッド
形状の断面部分1及びリードとして使用する部分2をマ
スキングした後、絶縁用樹脂(フラン樹脂)3を被覆し
た。また、銀を真空蒸着したポリエチレンテレフタレー
ト製フィルムの一部を塩化銀化し、これを上記フラン樹
脂を被覆した作用極の外側に試料溶液を保持できるよう
対極4および対極リード5を接合することで電極系を作
製した。
状炭素材を作用極として用いた、乳酸センサの作製方法
および構造について説明する。実施例1と同様に黒鉛及
びガラス状炭素材のうち、作用極として使用するロッド
形状の断面部分1及びリードとして使用する部分2をマ
スキングした後、絶縁用樹脂(フラン樹脂)3を被覆し
た。また、銀を真空蒸着したポリエチレンテレフタレー
ト製フィルムの一部を塩化銀化し、これを上記フラン樹
脂を被覆した作用極の外側に試料溶液を保持できるよう
対極4および対極リード5を接合することで電極系を作
製した。
【0033】得られた、前記電極系に親水性高分子とし
て以下CMCの0.5wt%水溶液5μlを滴下し、乾燥
させてCMC層を形成する。一方、乳酸オキシダーゼ
(ベーリンガー・マンハイム社製、Pediococcus sp. :
以下LODと略す)100Uと電子受容体としてのフェ
リシアン化カリウム25mgを含むリン酸緩衝液(0.1
M:KH2 PO4 −0.1M:Na2 HPO4 ;pH=
7.0)1mlに溶解させる。この混合溶液を前記CMC
層上に5μl滴下し、40℃の乾燥器中で20分間乾燥
させて反応層6を形成する。得られた乳酸センサの反応
層部は直径約3mmのほぼ円形であった。
て以下CMCの0.5wt%水溶液5μlを滴下し、乾燥
させてCMC層を形成する。一方、乳酸オキシダーゼ
(ベーリンガー・マンハイム社製、Pediococcus sp. :
以下LODと略す)100Uと電子受容体としてのフェ
リシアン化カリウム25mgを含むリン酸緩衝液(0.1
M:KH2 PO4 −0.1M:Na2 HPO4 ;pH=
7.0)1mlに溶解させる。この混合溶液を前記CMC
層上に5μl滴下し、40℃の乾燥器中で20分間乾燥
させて反応層6を形成する。得られた乳酸センサの反応
層部は直径約3mmのほぼ円形であった。
【0034】上記の反応層形成工程において、リン酸
塩、乳酸オキシダーゼおよびフェリシアン化カリウムの
混合溶液をCMC層上に滴下すると、親水性高分子から
なるCMC層は一度溶解し、その後の乾燥過程で酵素な
どと混合された形で複合層を形成する。しかし、黒鉛及
びガラス状炭素材料のうち黒鉛エッジが集積した断面部
は親水性高分子との被着性が優れているため、完全な混
合状態とはならず、電極系表面はCMCのみによって被
覆された状態となる。すなわち、酵素および電子受容体
などが電極表面に接触しないために、電極系表面へのタ
ンパク質の吸着や、フェリシアン化カリウム、KH2 P
O4 のような酸化能力を有する物質の化学的作用による
電極系の特性変化が起こり難くなる。その結果、高精度
なセンサ応答を有するバイオセンサを得ることができ
る。
塩、乳酸オキシダーゼおよびフェリシアン化カリウムの
混合溶液をCMC層上に滴下すると、親水性高分子から
なるCMC層は一度溶解し、その後の乾燥過程で酵素な
どと混合された形で複合層を形成する。しかし、黒鉛及
びガラス状炭素材料のうち黒鉛エッジが集積した断面部
は親水性高分子との被着性が優れているため、完全な混
合状態とはならず、電極系表面はCMCのみによって被
覆された状態となる。すなわち、酵素および電子受容体
などが電極表面に接触しないために、電極系表面へのタ
ンパク質の吸着や、フェリシアン化カリウム、KH2 P
O4 のような酸化能力を有する物質の化学的作用による
電極系の特性変化が起こり難くなる。その結果、高精度
なセンサ応答を有するバイオセンサを得ることができ
る。
【0035】次に測定に関して記す。上記のように作製
した乳酸センサに、試料液としてグルコース水溶液10
μlを供給してから一定時間後に、電極系の対極を基準
にして作用極にアノード方向へ+0.5Vのパルス電圧
を印加し、10秒後の電流値を測定したところ、図3に
示すように、試料液中の乳酸濃度に比例した応答電流値
が得られた。
した乳酸センサに、試料液としてグルコース水溶液10
μlを供給してから一定時間後に、電極系の対極を基準
にして作用極にアノード方向へ+0.5Vのパルス電圧
を印加し、10秒後の電流値を測定したところ、図3に
示すように、試料液中の乳酸濃度に比例した応答電流値
が得られた。
【0036】
【発明の効果】以上、本願発明の酵素センサは、作用極
材料として電極特性の優れた黒鉛及びガラス状炭素複合
材料を用いることにより、酵素センサ作製に際し特別な
前処理や製造管理を必要としなくとも、試料中に存在す
る基質の濃度を迅速かつ、再現性が良く、高精度に測定
することができるようになった。つまり、従来のカーボ
ン材料を使用した酵素センサが有していた欠点を克服し
たうえ、格段に優れた特性を有する酵素センサが得られ
た。
材料として電極特性の優れた黒鉛及びガラス状炭素複合
材料を用いることにより、酵素センサ作製に際し特別な
前処理や製造管理を必要としなくとも、試料中に存在す
る基質の濃度を迅速かつ、再現性が良く、高精度に測定
することができるようになった。つまり、従来のカーボ
ン材料を使用した酵素センサが有していた欠点を克服し
たうえ、格段に優れた特性を有する酵素センサが得られ
た。
【図1】本発明に係る酵素センサの断面図(構成模式
図)である。
図)である。
【図2】実施例1および比較例1のグルコースセンサに
より得られた、グルコース濃度と電流値との関係につい
て示したものである。
より得られた、グルコース濃度と電流値との関係につい
て示したものである。
【図3】実施例2の乳酸センサにより得られた、乳酸濃
度と電流値との関係について示したものである。
度と電流値との関係について示したものである。
1…作用極(端面) 2…作用極リード 3…絶縁樹脂層 4…対極 5…対極リード 6…反応層 7…ポリエチレンテレフタレートフィルム
フロントページの続き (72)発明者 関 真紀子 群馬県藤岡市立石1091 三菱鉛筆株式会社 群馬研究開発センター内
Claims (3)
- 【請求項1】 黒鉛及びガラス状炭素複合材料からなる
作用極と対極とを含む電極系、並びに該電極系に接触し
ている反応層から構成されてなることを特徴とする酵素
センサ。 - 【請求項2】 該作用極は、ガラス状炭素のマトリック
ス中に黒鉛結晶が一方向に配向した組織であり、実質的
にガラス状炭素並の電解液不浸透性を有する黒鉛及びガ
ラス状炭素のみからなる複合材料であることを特徴とす
る請求項1に記載の酵素センサ。 - 【請求項3】 該反応層は、酵素、電子伝達体および水
溶性高分子を含み、少なくとも2層からなることを特徴
とする請求項1に記載の酵素センサ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7306080A JPH09145665A (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 酵素センサ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7306080A JPH09145665A (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 酵素センサ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09145665A true JPH09145665A (ja) | 1997-06-06 |
Family
ID=17952798
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7306080A Pending JPH09145665A (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 酵素センサ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09145665A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002086189A (ja) * | 2000-09-13 | 2002-03-26 | Nicca Chemical Co Ltd | 生物電気化学的処理による排水中の窒素成分の除去方法および除去装置 |
| JP2002224998A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-13 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | マイクロカーボンロッドとその製造方法 |
| JP2005083873A (ja) * | 2003-09-08 | 2005-03-31 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | バイオセンサ |
| US7045046B2 (en) | 1997-03-21 | 2006-05-16 | Lifescan, Inc. | Sensor connection means |
| US7998337B2 (en) | 1997-10-16 | 2011-08-16 | Abbott Laboratories | Biosensor electrode mediators for regeneration of cofactors |
| JP2012507056A (ja) * | 2008-10-27 | 2012-03-22 | ライフスキャン・スコットランド・リミテッド | Esdイベントを低減するための方法及び装置 |
-
1995
- 1995-11-24 JP JP7306080A patent/JPH09145665A/ja active Pending
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| US8012341B2 (en) | 1997-10-16 | 2011-09-06 | Abbott Laboratories | Biosensor electrode mediators for regeneration of cofactors |
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| US8241485B2 (en) | 1997-10-16 | 2012-08-14 | Abbott Laboratories | Biosensor electrode mediators for regeneration of cofactors |
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