JPH09148548A - 導波路型半導体集積回路とその製造方法 - Google Patents

導波路型半導体集積回路とその製造方法

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JPH09148548A
JPH09148548A JP7305717A JP30571795A JPH09148548A JP H09148548 A JPH09148548 A JP H09148548A JP 7305717 A JP7305717 A JP 7305717A JP 30571795 A JP30571795 A JP 30571795A JP H09148548 A JPH09148548 A JP H09148548A
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light
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JP7305717A
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Inventor
Mitsushi Yamada
光志 山田
Yukio Kato
幸雄 加藤
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 双方向光通信に用いられる光信号の送信・受
信機能を合わせ持った低価格の導波路型半導体集積回路
を提供する。 【解決手段】 基板(10)には、フォトダイオード領
域(150)、発光領域(170)が同一基板面上に縦
続接続され、それらの間の分離領域(160)が形成さ
れている。ΜQW活性層(40a)はフォトダイオード
領域と分離領域には設けられていない。フォトダイオー
ド領域(150)の吸収層(20a)と分離領域(16
0)のガイド層(20b)はともにバルク層である。発
光領域(170)は下側バルク光閉じ込め層(20
c)、MQW活性層(40a)、及び上側バルク光閉じ
込め層50aによって構成されている。なお、これらの
吸収層(20a)、ガイド層(20b)、及び発光領域
(170)の下側光閉じ込め層(20c)とは、共通の
バルク層を成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、同一基板上に受
光および発光機能を有する素子を集積化した導波路型半
導体集積回路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光ファイバ通信網が世界中に広が
り、多くの基幹系の情報伝送は光通信によって行われて
いる。今後、21世紀前半までに光ファイバが各家庭に
延長され、画像情報などの大容量の情報を双方向でやり
とり可能な家庭内端末を通して、ビデオ・オン・デマン
ドやテレビ・ショッピングなどを行なうという、いわゆ
るマルチメディア時代の到来が予測されている。
【0003】マルチメディア時代における双方向光通信
サービスでは、家庭内端末として用いられる光の送信・
受信機能を合わせ持った端末装置は低価格であることが
望まれる。そのために要求されるのは、光の受信および
発信機能を有する低価格の半導体素子を提供することで
ある。
【0004】最近になって、光の受発光機能を持ち、か
つ、光の出入射が1カ所の端面で行われる素子、及びそ
の製造方法において、結晶成長回数が少ないという特徴
を持った光デバイスの研究が行われている。下記の2つ
の文献に開示された技術は、その典型的なものである。
【0005】文献1:須崎他「送受LDの受光感度にお
ける波長特性の改善」応用物理学会予稿集29p-ZG-9、199
5年春 文献2:竹内他「選択ΜOVPEによる双方向WDM通
信用光集積素子[III]
〜バンドギャップ成長制御による送受信素子」電子情報
通信学会予稿集C-211、1995年秋 先ず、文献1に開示された従来技術(以下、第1の従来
例という)について説明する。
【0006】図5は、第1の従来例である送受信素子を
示す模式図である。チップ前側の機能領域では、チップ
の全体に形成されて活性層1となる多重量子井戸(ΜQ
W)層11の上に受光用のバルク吸収層2が設けられて
おり、レーザダイオード(LD)を構成している。この
例では、発光及び受光用の電極3は兼用されており、一
つしか形成されていない。
【0007】その製造工程を簡単に説明する。まずn-
InPの半導体基板10上に、1回目の結晶成長とし
て、SCH層12、ΜQW層11、SCH層13、In
Pのエッチングストップ層4、InGaAsPのバルク吸
収層2を順次成長させる。つぎに、フォトリソグラフィ
により、部分的にバルク吸収層2をエッチング除去す
る。つぎに、2回目の結晶成長として、p-InPのクラ
ッド層5、p+ -ΙnGaAsのコンタクト層6を順次成長
させる。つぎに、メサストライプを形成した後に、その
両脇をFeーInPの埋め込み層7で埋め込む。つぎに電
極3を形成し、また、必要に応じて基板の裏面を研磨あ
るいはエッチングして下側電極8を形成する。最後に、
しかるべき大きさにチップ化し、また、光導波路の端面
に、反射防止膜を設けて、図5の素子が完成する。
【0008】この製造プロセスでは、光導波路は一回の
結晶成長によって形成され、結晶成長回数を少なくでき
る。したがって、製造工程での時間短縮、原料ガスの節
約、及び歩留まりの向上によって、低価格な受発光導波
路型半導体素子を提供しようとするものであり、後述す
る本発明は、この第1の従来例と目的を共有するもので
ある。
【0009】つぎに、上記文献2に開示された従来技術
(以下、第2の従来例という)について説明する。図6
は、第2の従来例である送受信素子を示す模式図であ
る。この素子は、同一基板14上に半導体レーザ15、
フォトダイオード16、方向性結合器17、および光導
波路18を形成している。なお、レーザ領域の活性層、
フオトダイオード領域の吸収層、Y分岐領域や光導波路
領域のガイド層を総称して、以下では単に光導波層と略
すことがある。そして、各領域の光導波層は一回の結晶
成長で形成されるものである。
【0010】その製造工程を簡単に説明する。まず半導
体基板上に各素子領域に応じてそのマスク幅を変えて、
導波路方向に一対の結晶成長防止用のマスクを形成す
る。つぎに、1回目の結晶成長として、多重量子井戸
層、InPのクラッド層を順次成長させる。つぎに、フ
ォトリソグラフィにより一対のマスクの端をエッチング
する。つぎに、2回目の結晶成長として、p-InPのク
ラッド層、p+ -ΙnGaAsのコンタクト層を順次成長さ
せる。つぎに、電極を形成し、また、基板の裏面を研磨
あるいはエッチングしてその面の下側の電極を形成す
る。最後に、しかるべき大きさにチップ化し、また、光
導波路の端面に反射防止膜19を設けて、図6の素子が
完成する。ただし、コンタクト層は光導波路部分など必
要のないところでは、除去されている。
【0011】この製造プロセスにおいても、各領域の光
導波層は一回の結晶成長によって形成される。すなわ
ち、同一基板上に多種類の素子領域をもつ回路装置を作
成するには、従来から通常行われていたバットジョイン
ト(Butt joint:突き合せ接合)法による場合よりも、
結晶成長回数を少なくすることができる。したがって、
各製造工程での時間短縮、原料ガスの節約、及び歩留ま
りの向上によって、低価格な受発光導波路型半導体素子
を提供しようとする第2の従来例の製造プロセスは、後
述する本発明と同様の目的をもつものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1、第2の従来例の導波路型半導体集積回路やその製造
方法においては、以下に述べるような問題点があった。
【0013】まず、第1の従来例では、発光機能領域へ
の電流の注入と受光機能領域からのフォトカレントの取
り出しとは、同じ一つの電極により行なわれている。一
般に、電流を注入して発光素子として機能させる場合に
は、高周波のインピーダンス・マッチングをとるため
に、直列に終端抵抗を入れる必要がある。また、逆バイ
アス電圧を印加してフォトダイオードとして機能させる
場合にも、やはり高周波のインピーダンスマッチングを
とるために、並列に終端抵抗が使用される。したがっ
て、第1の問題として、導波路型半導体集積回路をそれ
ぞれの用途に使用するためには、終端抵抗を直列と並列
との間で切り替えるような選択手段が必要となる。
【0014】また、従来の導波路型半導体集積回路では
受光機能領域の光吸収層がバルク吸収層とMQW層の二
重構造になっているので、そこに印加される電界強度、
即ち印加電圧をトータルの非ドーピング(non-dope)層
の厚さで割った値が、MQW層の厚さ分だけ小さくな
る。したがって、第2の問題として、光吸収によって生
じるフォトキャリアの掃き出しに要する印加電圧が大き
くなる。
【0015】同様に、受光機能領域にMQW層が存在す
ることから、その井戸領域にキャリアがトラップされ、
キャリアの掃き出し時間が長くなるという第3の問題も
生じる。
【0016】第2の従来例の導波路型半導体集積回路の
製造方法では、光導波層にMQW構造を採用している。
この方法では、一対のマスクの幅を変えることによって
井戸層の幅を制御し、各領域の光導波層のバンドギャッ
プ波長を所望の波長に制御している。したがって、全領
域の光導波層はやはりΜQW構造であり、偏波に対する
伝送特性の差が大きい。しかも、光ファイバ内を伝搬し
た光は、その偏波状態がランダムに変化する。このた
め、この導波路型半導体集積回路まで到達した情報(以
下、光信号と略す)を、光導波路、方向性結合器を介し
て、フォトダイオードによって電気信号に変換した場
合、ΜQW構造を持つフォトダイオードの吸収の偏波依
存性を反映して、変換された電気信号の電流の大きさが
不規則に変化する。したがって、第4の問題として、光
信号の符号誤りが生じる。
【0017】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、第1の目的は、特に、双方向光
通信に用いられる光信号の送信・受信機能を合わせ持っ
た低価格の導波路型半導体集積回路を提供することであ
る。
【0018】また、この発明の第2の目的は、発光領域
の活性層をΜQW構造とし、且つ受光領域やそれらの間
の分離領域における光導波層をバルク層のみで構成でき
る低価格の導波路型半導体集積回路の製造方法を提供す
ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
受光部及び発光部を含む導波路型半導体集積回路におい
て、少なくとも下側にバルクの光閉じ込め層を持つ量子
井戸層からなる前記発光部の光導波層領域と、前記発光
部の光導波層領域の下側光閉じ込め層と共通のバルク層
として形成されている前記発光部以外の光導波層領域と
を備えている。
【0020】請求項2に係る導波路型半導体集積回路
は、請求項1において、前記共通のバルク層が各領域毎
にその厚さ、あるいは組成を異にすることを特徴とす
る。
【0021】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2のいずれかに記載の構造を有する集積回路の製造方
法において、前記各領域毎に選択的にマスクを形成し
て、前記共通のバルク層を結晶成長させたことを特徴と
する。
【0022】請求項4に係る導波路型半導体集積回路の
製造方法は、請求項3に記載の製造方法において、前記
発光部となる量子井戸層を、前記バルク層の上に一回の
結晶成長によって同時に形成し、前記発光部以外の領域
にも形成されている量子井戸層を選択的にエッチング除
去することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
この発明の実施の形態を説明する。
【0024】実施の形態1 図1は、本発明の第1の実施の形態である導波路型半導
体集積回路の層構造を示す図である。nーΙnPの半導体
基板10には、フォトダイオード領域(PD)150、
発光領域(LD)170が同一基板面上に縦続接続さ
れ、それらの間の分離領域160が形成され、それぞれ
の領域150、160及び170の長さは、順に50μ
m、30μm及び400μmとされる。ΜQW活性層40aは発
光領域170のみに設けられ、フォトダイオード領域と
分離領域には設けられていない。フォトダイオード領域
150の吸収層20aは組成波長1.28μm、厚さ0.25μm
のInGaAsP層、分離領域160のガイド層20bは
組成波長1.28μm、厚さ0.25μmのInGaAsP層であっ
て、ともにバルク層である。そして、発光領域170は
ΙnGaAsPの下側バルク光閉じ込め層(組成波長1.24
μm、厚さ0.14μm)20c、InGaAsPのMQW活性
層(組成波長1.35μm、層数5)40a、及びInGaAs
Pの上側バルク光閉じ込め層(組成波長1.15μm、厚さ
0.1μm)50aによって構成されている。なお、これら
の吸収層20a、ガイド層20b、及び発光領域170
の下側光閉じ込め層20cとは、共通のバルク層を成し
ている。
【0025】発光領域170のΜQW活性層40aと下
側光閉じ込め層20cとの間には、InPのエッチング
ストップ層30がある。そして、光導波層20a,20
b,20cの上部には、p-InPのクラッド層80及び
+ -ΙnGaAsのコンタクト層90a,90bが順次形
成されている。また、ここには図示しないが、光導波層
20a,20b,20cの、紙面に対して垂直な方向
(以下、横方向という)の両側には、光信号と電流の閉
じ込めを行う層(以下、ブロック層と略す)が形成され
ている。さらに、フォトダイオード領域150と発光領
域170には、それぞれ電流の注入や電界の印加を行う
ための電極110,120が形成されており、また、基
板10の下側には、共通電極130が形成されている。
そして、フォトダイオード領域150側の端面には、反
射防止膜140が形成されている。
【0026】つぎに、上記構成の導波路型半導体集積回
路の動作について説明する。
【0027】まず、光信号の受信に用いる場合を考え
る。光ファイバにより伝送された光信号がフォトダイオ
ード領域150側の端面に入射すると、その光信号はフ
ォトダイオード領域の吸収層20aに吸収される。この
とき、吸収層20aに数Vの逆バイアス電圧を印加させ
た状態にしておくと、電界吸収効果によつて吸収層のバ
ンドギャップ波長(組成波長)よりも長い波長の光も吸
収される。さらに、ここに電界がかかっているので、光
吸収によって生じたキャリアが効率的に掃き出される。
一般に、吸収層のバンドギャップ波長よりも短い波長の
入射光に対しては、光の吸収係数は1000[cmー1]以上とな
る。したがって、吸収層が光を99%以上吸収するなら
ば、十分吸収するには50[μm]程度の長さがあればよ
い。また、バンドギャップ波長よりも長い波長の入射光
に対しても、その差がおよそ100[nm]以下であれば、逆
バイアス電圧を数V印加させることによって吸収層での
光の吸収係数が1000[cmー1]程度になるために、同様に、
50[μm]程度の長さで十分な光の吸収を実現でき、確実
に電気信号に変換される。
【0028】つぎに、光信号の送信に用いる場合を考え
る。発光領域170に電流を注入すると、誘導放出作用
により活性層40aのバンドギャップ波長近傍かそれよ
りも短い波長で発光が生じる。このとき、電流注入によ
る誘導放出利得がフォトダイオード側端面と発光部側端
面での透過損失と素子内部での吸収や散乱による光損失
の和よりも大きくなると、レーザ発振が生じる。この実
施の形態1では、活性層40aのバンドギャップ波長が
下側光閉じ込め層20cのバンドギャップ波長より100
[nm]以上長いため、発光部での過剰な吸収損失はない。
また、活性層40aと吸収層20aとのバンドギャップ
波長の差、あるいは活性層40aとガイド層20bとの
バンドギャップ波長の差はいずれも100[nm]以下である
が、吸収層20aおよびガイド層20bの長さは50〜30
μmと極めて短いので、フォトダイオード領域150に
電圧を印加しないか、あるいは順方向バイアスを印加し
ておけば、発光部で生じる誘導放出光はほとんど吸収さ
れずに、光信号として出力される。
【0029】第1の実施の形態では、第1の従来例と比
較した場合に、以下の効果a,bを有する。
【0030】a.フォトダイオード領域150と発光領
域170とを別々の領域として形成しているので、高周
波インピーダンス・マッチング用の終端抵抗を、それぞ
れの領域に応じて並列あるいは直列に実装できる。
【0031】b.光吸収層はバルク層のみであるから、
印加した電圧が吸収層のみに印加され、したがって、光
吸収によって生じるフォトキャリアの掃き出しに要する
電圧を小さくすることができる。また、光吸収によって
生じるフォトキャリアはトラップされることなく掃き出
される。
【0032】実施の形態2 つぎに、図2に基づいて、第1の実施の形態で説明した
導波路型半導体集積回路の製造方法の一例を説明する。
【0033】まず、nーInPの半導体基板10上で、幅
20μmのフォトダイオード領域の吸収層を成長させるべ
き箇所(以下、吸収層成長領域200という)の両脇
に、幅40μmの第1のSiO2 マスク210を形成する
(図2(a))。この吸収層成長領域200の幅によっ
て光導波路の幅が決定され、通常は3〜30μm程度に決定
される。
【0034】つぎに、1回目の結晶成長として、有機金
属気相成長法(以下、MOVPEと略す)で基板10上
面の露出部分全体に、ΙnGaAsPバルク層20、InP
層30、InGaAsP/InGaAsのΜQW活性層40、
及びΙnGaAsPバルク層50を順つぎに形成する(図
2(b))。
【0035】つぎに、発光領域とすべき箇所に第2のS
iO2 マスク220を形成する。そして、この第2のマ
スク220によってマスクされていない領域を、選択エ
ッチャントを用いてエッチングストップ層30までエッ
チングする(図2(c))。
【0036】つぎに、第1のマスク210、第2のマス
ク220をともに除去した後に、ストライプ状の第3の
SiO2 マスク230を形成する。その後、ドライエッ
チングやウエットエッチングによって、第3のマスク2
30でマスクされていない箇所をエッチングして、メサ
ストライプを形成する(図2(d))。
【0037】つぎに、2回目の結晶成長として、ブロッ
ク層となる半絶縁性のΙnP層60とn-InP層70を
メサストライプの両脇に埋め込む。さらに、第3のマス
ク230を除去してから、3回目の結晶成長として全面
にp-InPのクラッド層80及びp+ -InGaAsのコン
タクト層90を再成長させる(図2(e))。
【0038】最後に、発光領域とフォトダイオード領域
の電気的絶縁を完全なものとするために、p+ -ΙnGaA
sのコンタクト層90を部分的にエッチングして、それ
ぞれの領域に電極110、120を形成する。また、劈
開によるチップ化ができる程度の厚さとなるまで基板裏
側をエッチングあるいは研磨によって除去し、その裏面
の全領域に共通電極130を形成する。その後、しかる
べき寸法にチップ化し、フォトダイオード領域には反射
防止膜140を形成して、導波路型半導体集積回路が完
成する(図2(f))。
【0039】このように製造された半導体装置では、1
回目の結晶成長におけるΙnGaAsPバルク層20のう
ち、第1のSiO2 マスク210がない発光領域及び分
離領域の光導波層は、第1のSiO2 マスク210によ
って形成されたフォトダイオード領域の光導波層とはそ
の厚さや組成が異なっている。
【0040】図3は、光導波層の成長する厚さ(成長
厚)とその組成波長について説明する図である。ここ
で、横軸にはSiO2 マスク幅Wm 、左側および右側の
縦軸にはそれぞれ、SiO2 マスクに挟まれた領域での
成長厚をマスクのない領域での成長厚で割った値(正規
化厚さ)、SiO2 マスクに挟まれた領域のバンドギャ
ップエネルギーからSiO2 マスクのない領域のバンド
ギャップエネルギーを差し引いた値(エネルギー差ΔE
[meV])を示している。ただし、この測定に際してはSi
2 マスク210に挟まれた吸収層成長領域200の幅
を20μmに固定した状態で、MOVPE法を用いてInG
aAsPを結晶成長した。なお、SiO2 マスクのない領
域のバンドギャップ波長は、約1.3μmであった。
【0041】図3から分かるように、SiO2 マスクに
挟まれた領域では、SiO2 マスク幅Wm を大きくする
と、成長厚は大きくなり、またバンドギャップエネルギ
ーは小さくなることが分かる。これは、SiO2 マスク
上で主にIn やGa の拡散(III族原子のマイグレーシ
ョン)の影響によるものである。したがって、この実施
形態のようにSiO2 マスク幅Wm を40μmに設定した場
合には、マスクに挟まれたフォトダイオード領域150
や分離領域160における光導波層に比べて、発光領域
170における下側光閉じ込め層20cの厚さを58%程
度に薄く形成することができる。また、発光領域170
における下側光閉じ込め層20cのバンドギャップエネ
ルギーは、フォトダイオード領域150や分離領域16
0における光導波層のバンドギャップエネルギーより約
30meV大きくなる。
【0042】第2の実施の形態の製造方法によれば、以
下の効果cを実現できる。
【0043】c.選択領域成長と選択的な活性層のエッ
チングを組み合わせた方法によって、第1の実施の形態
について指摘した効果a,bを実現することができる。
しかも、フォトダイオード領域150や分離領域160
の光導波層をバルク層とし、活性層にΜQW構造を採用
しつつ、それぞれを独立に設計できる。
【0044】すなわち、発光領域170の活性層の下の
下側光閉じ込め層20cはフォトダイオード領域150
や分離領域160の光導波層と共通の層として形成され
ているが、選択領域成長によって発光領域における光閉
じ込め層に適する薄さに制御して、下側光閉じ込め層を
成長させることができる。したがって、その層の上に成
長される活性層は、各領域で共通に形成されたバルク層
とは別の層となるため、独立した設計値を選択すること
が可能になる。これに対し、第1の従来例では、仮にバ
ルク吸収層のある部分とない部分とを電気的に分離し
て、従来技術の第2の問題を解決しえたとしても、な
お、バルク層の厚さを厚くし過ぎると、閾値近傍で過飽
和吸収特性が顕著になってくるし、また、薄くし過ぎる
とその層を設けた効果が無くなってしまうという問題が
残る。
【0045】実施の形態3 図4は、本発明の第3の実施の形態である導波路型半導
体集積回路の層構造を示す図である。nーInPの半導体
基板510には、光信号の入出射端面近傍を含めたY分
岐領域650と、分岐導波路の一方側のフォトダイオー
ド領域(PD)660及びその他方側の発光領域(L
D)670が、それらの領域を接続するとともに、電気
的分離を行う分離領域680を介して、同一基板上に構
成されている。
【0046】同図(b)乃至(e)には、同図(a)の
各断面B〜Eを示している。フォトダイオード領域66
0のInGaAsPの吸収層520aとY分岐領域650
および分離領域680のΙnGaAsPガイド層520b
は、ともにバルク層である。発光領域670では、基板
上にグレーティング加工が施され、その上に、InGaA
sPの下側バルク光閉じ込め層520c、InGaAsPの
ΜQW活性層540a、及びInGaAsPの上側バルク
光閉じ込め層550aが順次形成されている。さらに、
それら吸収層520aおよびガイド層520bと、発光
領域670の下側光閉じ込め層520cは、共通のバル
ク層を成している。
【0047】発光領域670のΜQW活性層540aと
下側光閉じ込め層520cとの間には、ΙnPのエッチ
ングストップ層530がある。そして、光導波層の上部
には、p-InPのクラッド層580およびp+ -ΙnGaA
sのコンタクト層590が順次形成されている。また、
第1の実施形態と同様に、光導波層の横方向位置にはブ
ロック層560,570が形成されている。フォトダイ
オード領域660と発光領域670には、電流の注入や
電界の印加を行うための電極610,620が形成され
ており、また、基板510の下側には、共通電極630
が形成されている。そして、Y分岐領域650側の端面
には、反射防止膜640が形成されている。
【0048】つぎに、上記構成の導波路型半導体集積回
路の動作について説明する。
【0049】まず、光信号の受信に用いる場合を考え
る。光ファイバを伝送してきた光信号がY分岐領域65
0側の端面より入射した場合に、その光信号はY分岐領
域650によって半分のパワーがフォトダイオード領域
660にガイドされ、その吸収層520aで吸収され
る。このとき、吸収層520aに数Vの逆バイアス電圧
を印加させた状態にしておくと、電界吸収効果によって
吸収層のバンドギャップ波長よりも長い波長の光も吸収
される。さらに、電界がかかっているので、光吸収によ
って生じたキャリアが効率的に掃き出される。これらの
動作は実施の形態1の装置の場合と同様である。
【0050】つぎに、光信号の送信に用いる場合を考え
る。発光領域670に電流を注入すると、誘導放出作用
により活性層540aのバンドギャップ波長近傍かそれ
よりも短い波長で発光が生じる。ここでは、基板上のグ
レーティング加工により光の帰還作用がおこり、ある電
流を越えるとレーザ発振するDFB(分布帰還型)レー
ザ構造をなしている。また、実施の形態1での動作の説
明と同様に、活性層540aと下側光閉じ込め層520
cとのバンドギャップ波長の差が100[nm](0.1μm)以
上であるために、発光部での過剰な吸収損失はない。発
振した光信号は、分離領域680とY分岐領域650を
導波して、端面より外部に取り出される。
【0051】第3の実施の形態によれば、以下の効果
d、eを実現できる。
【0052】d.第2の従来例と比較した場合に、光信
号の入出射する端面からフォトダイオード領域660ま
での経路上での光導波層には、ΜQW層が存在せず、バ
ルク層のみで形成されているので、光信号の受信動作に
要求される偏波無依存性を実現できる。また、実施の形
態1の効果a,bも同時に達成される。
【0053】なお、この実施の形態3で示した回路の製
造方法については、実施の形態2で示した製造方法の類
推から容易に理解されるので、詳細は省略するが、特に
重要なことは、次の点である。
【0054】e.活性層にΜQW構造を採用しつつ、フ
ォトダイオード領域660や分離領域680の光導波層
にバルク層を採用することができ、且つそれぞれ独立に
設計できる。独立設計の程度については、第1の従来例
に対してよりも第2の従来例のものに適用したほうが、
より大きな効果を有する。
【0055】なお、第1、第2、第3の実施形態の説明
では、この発明の実施が可能な程度に簡略的に示してあ
る。したがって、この発明は以上の説明の中で指摘する
具体的な数値、材料に限定されないし、また、横方向の
埋め込み構造のものに限定されるものではない。導波路
型半導体集積回路の光素子構造として、たとえば光導波
層のストライプにハイメサリッジ型の導波構造を採用す
れば、結晶成長の回数をさらに減らすこともできる。ま
た、InPの半導体基板を用いずに、たとえばGaAs基
板など、他の半導体結晶基板を用いる場合についても、
同様の効果を得ることが可能である。
【0056】すなわち、本発明は、少なくとも、複数の
光導波層を一度に成長する工程により形成可能な素子で
あって、光導波層の厚さあるいは組成が導波路方向によ
り異なっており、全領域に共通するものを含む素子であ
れば、いずれの種類のものにも適用可能である。
【0057】また、第1の実施の形態のものでは、発光
領域内あるいはその外部(特に分離領域側)などにグレ
ーティング構造を設けていない。すなわち、発光部がL
EDあるいはFP(Fabry-Perot)レーザとして機能す
る素子について説明した。しかし、発光部にグレーティ
ング構造を形成して、DFB(分布帰還型)レーザやD
BR(分布反射型)レーザとして動作させてもよいこと
は当然である。
【0058】同様に、第3の実施形態についても、発光
領域の外部、特に分離領域側などにグレーティング構造
を設けてDBRレーザ構造としてもよく、またグレーテ
ィング構造を設けないLEDあるいはFP型の共振モー
ドのレーザとして動作させてもよい。
【0059】また、第2の実施の形態の製造方法では、
第2のSiO2 マスクを形成し、マスクされていない領
域を選択エッチャントを用いてエッチングストップ層ま
でエッチングするとしているが、エッチングストップ層
のエッチングについては、エッチング除去してもよい
し、そのまま残してもよい。
【0060】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、双方向光通信に用いられる光信号の送
信・受信機能を合わせ持った低価格の優れた導波路型半
導体集積回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態である導波路型半
導体集積回路の層構造を示す図である。
【図2】 本発明の導波路型半導体集積回路の製造方法
の一例を示す工程説明図である。
【図3】 光導波層の成長厚とその組成波長について説
明する図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態である導波路型半
導体集積回路の層構造を示す図である。
【図5】 従来技術に係る送受信素子の一例を示す模式
図である。
【図6】 従来技術に係る送受信素子の他の例を示す模
式図である。
【符号の説明】
10 基板、20 光導波層、30 エッチングストッ
プ層、40a 活性層、50a 閉じ込め層、150
フォトダイオード領域、160 分離領域、170 発
光領域。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受光部及び発光部を含む導波路型半導体
    集積回路において、 少なくとも下側にバルクの光閉じ込め層を持つ量子井戸
    層からなる前記発光部の光導波層領域と、 前記発光部の光導波層領域の下側光閉じ込め層と共通の
    バルク層として形成される前記発光部以外の光導波層領
    域とを備えたことを特徴とする導波路型半導体集積回
    路。
  2. 【請求項2】 前記共通のバルク層が各領域毎にその厚
    さ、あるいは組成を異にすることを特徴とする請求項1
    に記載の導波路型半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の構造を有する集積回路の製造方法において、前記各領
    域毎に選択的にマスクを形成して、前記共通のバルク層
    を結晶成長させたことを特徴とする導波路型半導体集積
    回路の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記発光部となる量子井戸層を、前記バ
    ルク層の上に一回の結晶成長によって同時に形成し、前
    記発光部以外の領域に形成された量子井戸層を選択的に
    エッチング除去することを特徴とする請求項3に記載の
    導波路型半導体集積回路の製造方法。
JP7305717A 1995-11-24 1995-11-24 導波路型半導体集積回路とその製造方法 Withdrawn JPH09148548A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7110429B2 (en) 2003-02-13 2006-09-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Distributed feedback laser

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