JPH09150286A - 脆弱性材料切断方法および装置 - Google Patents

脆弱性材料切断方法および装置

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JPH09150286A
JPH09150286A JP8166137A JP16613796A JPH09150286A JP H09150286 A JPH09150286 A JP H09150286A JP 8166137 A JP8166137 A JP 8166137A JP 16613796 A JP16613796 A JP 16613796A JP H09150286 A JPH09150286 A JP H09150286A
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glass sheet
glass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きなガラスシートを小さく分割するガラス
切断システムにおいて、切断速度を向上する。 【解決手段】 少なくとも20mm、より好ましくは少
なくとも30mm、さらには少なくとも40mmの最大
寸法を有する細長いビームスポット形状を有するレーザ
ビームを、部分的なクラック切り込みラインを生成する
ためガラスシートを横断して移送させる。そのガラスシ
ートはその後、部分的なクラックの領域に曲げモーメン
トを付加することにより切り込みラインに沿って分割さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、ガラスシートや他
の脆弱性材料の切断方法に関するものであり、特にフラ
ットパネルディスプレイ用ガラス基板作製のプロセスに
用いる際に効果的なレーザカッティングプロセスの速度
を増加させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス板を分割する際にレーザが
使用されてきた。KondratenkoのPCT特許
第WO93/20015号には、ガラスシートを2分割
するために、いわゆるブラインドクラックをガラスシー
トにわたって広げる際にレーザ光を使用することが述べ
られている。この部分的なクラックは、ガラスシートの
深さの途中まで広がっており、実質的には切り込みライ
ンとして作用する。シートはその後、切り込みラインに
沿って機械的に二分割される。
【0003】一つの具体的形態としては、小さな切り目
や切り込み目をガラスシートの片側につけ、その後レー
ザ光を使用して部分的なクラックを形成して、ガラスシ
ートを通じてこの切り目や切り込み目を広げる。その
後、レーザ光を切り目や切り込み目の領域内においてガ
ラスシートに接触させて、レーザとガラスシートを相対
的に動かし、切り込みラインの所望行路においてレーザ
光を伝搬させる。レーザより下流のガラスの加熱した表
面部分に流体冷却剤の流れを向けることが望ましく、そ
れによりレーザ光がガラスシートのある領域を加熱した
後に、その加熱領域はすばやく冷却される。このように
レーザによるガラスシートの加熱と水性冷却剤によるガ
ラスシートの冷却により、ガラスシートを歪ませ、レー
ザ光と冷却剤が通った方向にクラックを広げる。
【0004】Kondratenkoによれば、ガラス
シート上におけるビームの形状は楕円形であり、楕円形
状の短軸および長軸は以下の関係を満足する。
【0005】 a=0.2 to 2.0h b=1.0 to 10.0h ここで、aとbはそれぞれ楕円形状スポットの短軸およ
び長軸であり、hはレーザ光が切り込む材料の厚みであ
る。Kondratenkoによれば、bが10.0h
よりも大きいときは、カッティングの精度が低減する。
よって、厚み0.7mmのガラス基板では、Kondr
atenkoによれば、ビームスポットの長軸は7mm
以上にはなり得ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなレーザ光に
よる切り込みの技術の発達により、切断面の質において
はいくらかよい結果が得られており、その切断面の質が
非常に高いものが望まれる液晶や他のフラットパネルデ
ィスプレイのパネル基板を製造するためには、それらは
有効な手段ではある。しかしながら、そのプロセスの発
達に過去数年間かなりの努力が払われたにもかかわら
ず、現在に至るまで、フラットパネルディスプレイ(L
CDのような)基板の製造の際に使用するにあたって実
用的に十分な切り込み速度は達成されていない。実際、
Kondratenkoの特許の例で報告されている最
高切り込み速度は120mm/secであり、また他の
大半の例においても、この平凡な切り込み速度よりもず
っと劣るものである。
【0007】最近、1995年7月19−23日にドイ
ツのミュンヘンで行われた貿易展においてJenopt
ikが発行した文献には、30−150mm/secの
速度でレーザ切り込みをすることができたことが述べら
れている。Jenoptikは、Kondratenk
oの特許に述べられているものと同じレーザ切り込みプ
ロセスを用いている。
【0008】フラットパネルディスプレイ基板の製造に
おいて、これらのプロセスを実用的にする速い切り込み
速度、例えば少なくとも300mm/sec程度の、さ
らには少なくとも500mm/sec、さらには100
0mm/secの速度を可能にするレーザ切り込みプロ
セスを実施することが望ましい。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラスシート
(または他の脆弱性材料)の切断方法に関するものであ
り、レーザビームの行路に沿ってクラックを誘導するた
めに、ガラスシートを横断する所望の行路において極度
に細長いレーザビーム(および冷却剤は任意)を移動さ
せる。これにより生じた熱勾配により、ガラスの表面層
に引っ張り応力を発生させ、この応力がガラスの引っ張
り強さを超えると、ガラスはブラインドクラックや切り
込みラインが圧縮状態の領域へと下降して材料に入り込
むようになる。その後レーザ光がガラスを横断すると、
クラックがレーザ光に追従する。そのクラックの深さ、
形状、方向は、応力の分布により決定され、ビームスポ
ットのパワー密度、寸法、形状や、ビームスポットと材
料の相対速度、加熱領域へ供給される冷却剤の性質や特
性、クラックが入れられる材料の熱物理および機械的特
性やその厚みなど、複数の要素に依存する。ガラス上に
おいて極度に細長いビームスポットを有するレーザビー
ムを使用し、ガラスシート上の所望分割ラインの伝搬方
向にこの細長いビームスポットを配置することにより、
公知の技術による方法を使用するよりも速いレーザ切り
込み速度が達成できることがわかった。
【0010】このように本発明においては、レーザスポ
ットは極度に細長い形状、例えば楕円形状を有する。こ
の細長い形状の長軸は、20mm以上、より好ましくは
30mm以上、さらには40mm以上であることが望ま
しい。
【0011】そのビームの短軸は、直線切断面を形成す
る際に切断面の質を害しない程度に狭いことが望ましい
と思われる。
【0012】本発明において、レーザ光は非ガウシアン
の強度分布を有することが望ましい。一つの具体的形態
において、レーザビームの強度は2ピークモード、すな
わち一つ以上のレベルを含む、例えばTEM01*モード
とTEM00モードの両方を含んで動作するレーザのよう
なものが望ましい。切断ラインに沿って表面層の非常に
局所的な冷却を引き起こすために、ビームスポットの進
行方向に沿って適当な冷却剤の流れを材料の領域に向け
ることが望ましい。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、約0.4mmから3.
0mmの厚みのガラスにおいて、切断精度やガラスの切
断面を損なうことなく、300−700mm/secも
しくはそれ以上の切り込み速度が達成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、レーザ切断技術を使用
して所望切断ラインに沿ってガラスシートを切断するシ
ステムに関するものである。図1に示すように、本発明
のガラス切断システムにおいて、ガラスシート10は上
面および下面の主面11を有する。ガラスシート10は
まず、ガラスシート10の一端にクラック開始点19を
形成するため、ガラスシートの一端に沿って切り目や切
り込み目がいれられる。このクラック開始点19はその
後、所望切断ラインの行路でガラスシートを横切ってレ
ーザビーム16を移動してクラック20を形成するため
に用いられる。レーザ光は、所望切断ラインに沿った局
所領域においてガラスシートを効果的に熱する。その結
果生じた温度勾配が材料の表面層に引っ張り応力を引き
起こし、この応力が材料の引っ張り強さを超えると、そ
の材料においてブラインドクラックが圧縮状態の領域へ
と下降して材料に入り込む。応力分布を高めそれにより
クラックの伝搬を促進するため、水ジェット22により
水冷却剤を付加する。レーザビームがガラスを横切るに
つれ、クラックはレーザビームが伝搬する行路に追従す
るようになる。
【0015】ガラス10の表面温度はレーザビームにさ
らされる時間に直接依存するので、円形断面の代わりに
楕円形状のビームを使用することにより、同じ相対速度
においては、切断ラインに沿ったガラス表面の各点の加
熱時間を広げられる。このように、レーザビーム16の
規定のパワー密度で、ガラス10を熱するために必要な
深さを維持するために重要であるレーザビームスポット
から冷却スポットの前面端部までの距離が同じでありな
がら、レーザビームスポットがより移動方向に広がり、
そしてまたレーザビームスポットと材料との相対速度を
より許容可能なものとするであろう。
【0016】図2に図示するように、本発明において
は、レーザスポットは極度に細長い、例えば楕円形状
で、20mm以上の、より好ましくは30mm以上の、
さらには40−100mm以上の長軸を有することが望
ましい。レーザビームスポットの長軸は、ガラスシート
を横切る所望切断ラインの伝搬方向にする。ガラスが薄
いシート(1.1mmもしくはもっと薄い)に対して
は、レーザビームスポットの長軸の最適長が所望伝搬速
度に関係し、長軸bは一秒あたりの所望レーザ切り込み
速度の10%より大きいことが望ましい。このように、
0.7mmの厚みのガラスで所望レーザ切り込み速度5
00mmでは、レーザの長軸は少なくとも50mmの長
さであることが望ましい。
【0017】クラック20はガラスシート10の深さ方
向のみに拡がることが望ましく(距離d)、それにより
切り込みラインとして作用する。ガラスシートをさらに
小さいシートに最終的に分割するには、クラック20に
曲げモーメントを付与することによりなされる。その曲
げは、従来の機械的表面切り込み方法を使用する工程に
おいてガラスを切断するために使用されるような従来の
曲げ装置(図示していない)や技術により達成できる。
クラック20は機械的切り込みではなくレーザによる切
断技術を使用しているので、機械的切断工程中に生じる
ガラスのチップの形成を、従来の技術と比較して最小限
にできる。
【0018】ガラス切断工程に使用されるレーザビーム
はカットするガラス表面を熱しなければならない。結果
的に、レーザの放射光はガラスが吸収する波長であるこ
とが望ましい。このことが生じるためには、放射光は2
μm以上の波長の赤外線であることが望ましく、例えば
波長9−11μmのCO2レーザ、波長5−6μmのC
Oレーザ、波長2.6−3.0μmのHFレーザ、波長
約2.9μmのエルビウムYAGレーザなどのビームが
望ましい。本実験の大半においては、150〜300ワ
ットのパワーのCO2レーザを使用したが、より高いパ
ワーのレーザを使用すればより成功したと思われる。
【0019】クラック20は、最大熱勾配の領域である
加熱および冷却領域の界面に向かってガラス中に形成さ
れる。クラックの深さ、形状、方向は、熱弾性応力の分
布により決定され、主に以下の複数の要素に基づく。
【0020】−ビームスポットのパワー密度、寸法、形
状; −ビームスポットと材料の相対速度; −熱物理特性、質、加熱領域に対する冷却剤を供給する
条件; −クラックが入る材料の熱物理的および機械的特性、そ
の厚み、表面状態 異なる材料に対してカットサイクルを最適化するために
は、主なパラメータとカット工程の変数間の適当な関係
を確立することが必要である。国際特許第WO93/2
0015号に説明されているように、図2を再び参照し
て、ビームスポット18の寸法と冷却水が流れる領域か
らの間隔lに依存して、ガラス10を横切るビームスポ
ット18の相対変位の速度Vとクラック20の深さdは
次式で表される。
【0021】V=ka(b+l)/d ここで、Vはビームスポットと材料との相対速度で、k
は材料の熱物理特性とビームのパワー密度に依存する比
例係数であり、aはビームスポットの幅、bはビームス
ポットの長さ、lはビームスポットの近接端から冷却ゾ
ーンの前端までの距離、dはブラインドクラック4の深
さである。
【0022】レーザは各端部のミラーにより規定される
共振器内で生じるレーザ発振により動作する。安定な共
振器の概念は、共振器を通る光線の光路を追跡すること
により最も明確化することができる。安定性の閾値に
は、レーザ共振器の軸に平行な光線が二つのミラー間を
前後に永久にその間を損失なく反射した場合に達する。
【0023】安定基準に達しない共振器は光線が軸から
それるため不安定共振器と呼ばれる。不安定共振器には
多くの種類がある。一つの簡単な例としては平面ミラー
に対する凸面球面ミラーがある。異なる直径の凹面ミラ
ー(大きなミラーからの反射光が小さなミラーの端部周
辺から逃げてしまう)や、対の凸面ミラーなどが他に含
まれる。
【0024】共振器のその二つのタイプは異なる利点と
異なるモードパターンを有する。安定な共振器はレーザ
軸に沿って光を集中させ、その領域から効率よくエネル
ギーを抽出するが、軸から離れた外周領域からは抽出さ
れない。それにより生じるビームは中心に強度ピークを
有し、軸から離れるにつれ強度がガウシアン的に減衰す
る。これは低利得の持続波レーザとともに使用される標
準的なタイプである。
【0025】不安定共振器は、より大きな体積にわたっ
てレーザ共振器の内部の光を広げようとしてしまう。例
えば、出力ビームは、軸周りにリング状の強度ピークを
有する環状の形状を有したりする。
【0026】レーザの共振器には、横モードと縦モード
の二つのタイプの異なるモードがある。ビームの断面形
状すなわち強度パターンにおいて、横モードが存在す
る。縦モードは、レーザの利得帯域内の異なる周波数も
しくは波長で生じるレーザ共振器長による異なる共振モ
ードに相当する。単一縦モードで発振する単一横モード
レーザは単一周波数で発振し、二つの縦モードで発振す
るものは二つの独立した波長で(通常近接した間隔で)
同時に発振する。
【0027】レーザ共振器内の電磁界「形状」は、ミラ
ーの曲率、間隔、放電管の空洞直径に依存する。ミラー
の配列や間隔および波長がわずかに変化しても、レーザ
ビームの「形状」(電磁界)は大きく変化してしまう。
その「形状」やビームの空間エネルギー分布を述べる際
に特別な術語が展開されてきたが、ここでは横モードは
二方向のビーム断面に表れる極小値の数に従って分類さ
れる。最も低次モードすなわち基本モードは中心に強度
のピークがあり、TEM00モードとして知られる。これ
は図4に示されるようなガウシアン強度分布を有する従
来使用されてきたレーザである。一軸に沿っては極小値
が一つで、その垂直方向の軸に沿っては極小値のないモ
ードは、TEM01*またはTEM10であり、それらはそ
の方位によって決定される。TEM01*モードの強度分
布の例が図3に図示されている(ビームを横切る距離d
に対するビーム強度I)。ほとんどのレーザのアプリケ
ーションでは、TEM00モードが最も望ましいと考えら
れている。しかしながら非ガウシアンモード例えばTE
M01*モードやTEM10モードのビームが、ガラス表面
へより均一にレーザエネルギーを送り込むために使用で
きることがわかった。結果的に、レーザがガウシアン強
度分布を有する場合よりも低いパワーでより高いレーザ
切り込み速度が達成できることがわかった。さらに、レ
ーザ切り込み工程を拡大したその動作範囲により、レー
ザパワーをより広い範囲で使用することができる。これ
は非ガウシアンレーザビームにより、ビーム全体にわた
ってエネルギー分布の均一性をより向上することができ
るためだと思われる。
【0028】図3に示されるレーザビームはリング状か
らなる。このように、図3に示されるパワー分布はリン
グ状のレーザビームのパワー分布の断面である。少なく
とも一対の強度ピークが、それより低いパワー分布であ
る中心領域の外周部に位置するような非ガウシアンビー
ムが本発明において望ましい。このように、レーザビー
ムの中心がレーザビームの少なくとも複数の外周領域の
パワー強度よりも低いパワー強度を有することが望まし
い。この低いパワー中心領域は、0パワーレベルに完全
になってもよく、その場合レーザビームは100%のT
EM01*パワー分布となる。しかしながら、レーザビー
ムは2ピークモード、すなわち図3に示されるように、
中心領域のパワー分布が単に外周領域のパワー分布以下
に低下しているTEM01*モードとTEM00モードの組
み合わせといった一つ以上のモードのレベルを組み合わ
せたものでもよい。ビームが2ピークモードの場合、そ
のビームは、50%以上がTEM01*モード、さらに好
ましくは70%以上がTEM01*モードで、その残りが
TEM00モードとする組み合わせが望ましい。
【0029】本発明の好ましい具体的実施の形態とし
て、デジタルコンピュータのようなシステム制御装置
(図示していない)を、レーザやガラスシート、システ
ム上の他の可動部品などの移動を制御するシステムに接
続する。そのシステム制御装置はシステムの様々な部品
の移動を制御するために従来の機械制御技術を用いてい
る。システム制御装置はそのメモリ内に蓄積された様々
な製造作動プログラムを使用し、各プログラムは、特定
サイズのガラスシート用にレーザやガラスシート(さら
には必要ならば他の可動部品)の移動を適切に制御する
よう設計されることが望ましい。
【0030】以下の例では、本発明による方法を実証し
ている。
【0031】例1 この例では、ガウシアンパワー分布を有するCO2レー
ザの動作を示している。
【0032】レーザ16はPRCコーポレーションが製
造したモデル1200の軸流2ビームCO2レーザであ
った。ビームはTEM00モードで動作し、約12mmの
スポットサイズ(レーザの放出点でのレーザビームの直
径)でガラス表面から約2メートルの場所に配置した。
一対のシリンドリカルレンズを、レーザとガラス表面と
の間のレーザの光路内に配置し、レーザスポットを変形
した。これによりレーザをガラスにあてるレーザスポッ
トを、長さ約45−50mmで、その中間点で幅約0.
1−0.15cmの細長く楕円形のビームとした。この
レーザの共振器の基本モードはTEM00である。これが
共振器が発振可能な唯一のモードであるとき、共振する
00モードレーザは可能な限り小さな発散で伝搬し、最
も小さなスポットサイズで集光されるであろう。この例
では、レーザのパワー分布は、小さな内部開口とともに
レーザ前端面で「平面」光カップラを利用することでガ
ウシアン(TEM00モードで動作する)となった。
【0033】約500mm幅×500mm長×約1.1
mm厚のアルミノ珪酸塩のガラスシート10に、クラッ
クの開始点19を形成するため、ガラスシートの端部に
手動で切り込みをいれた。これにより、ガラスの上面の
一端に約8mm長で約0.1mmの深さの小さな切り込
みラインを形成してクラック開始点19をつくった。ガ
ラスシート10は、レーザ16がクラック開始点19に
接触するように配置され、ガラスシート10を、以下の
表1に記載されたパワーと速度で、レーザ16の行路が
ガラスシートを横切る直線行路に沿うように移動させ
た。
【0034】 表1 レーザ速度 ピークパワー(W) 成功確率(%) 400mm/sec 120 100 420mm/sec 120−165 100 465mm/sec 165−175 100 475mm/sec 165−179 100 480mm/sec 168−179 66 500mm/sec 183−188 33 成功確率の欄は、それに対応するパワー範囲において達
成された最もよいパフォーマンスを表す。100%の成
功率は、記述されたパワー範囲において、レーザがガラ
スシートを実質的に時間中100%成功した動作パラメ
ータがあったことを示している。
【0035】例2 例1に述べたものと同じ方法、装置およびレーザを使用
し、共振器をより高次のモードパワー分布でレーザを動
作するようにした。特に、レーザは2ピークモードで、
複数のサブビームからなり、その各々が強度分布を有す
る。これらのビームは独立であるので、その正味の分布
は個々の形状の代数和であり、各モードのパワーの率に
より重みづけされる。例として、TEM00モードの量は
光カップラの曲率を変えたり、開口部の直径を大きくす
ることにより低減できる。本例では、レーザのパワー分
布は約60対40のTEM01*モードとTEM00モード
の混合比に変化させ(約14mmのスポットサイズにな
る)、約50−60mmのビーム長にした。これは、2
0メートルの曲率半径の凹面光カップラを「平面」光カ
ップラに置き換え、より大きな開口部にすることにより
達成された。そのレーザのパワーと速度は表2に記載さ
れるように変化した。
【0036】 表2 レーザ速度 ピークパワー(W) 成功確率(%) 300mm/sec 90−145W 100 500mm/sec 155−195W 100 600mm/sec 200W 100 650mm/sec 200−220W 100 700mm/sec 250W 50 例1に使用したレーザがTEM01*モードを有した非ガ
ウシアンレーザへと変換されたとき、より低いレーザパ
ワーでより高いカット速度が達成された。さらにレーザ
パワーのより広い範囲が満足する切り込み端部をなすよ
う許容された。例1と例2の結果を比較するとわかるよ
うに、ガウシアンレーザは475mm/secまでのカ
ット速度で100%の切断(ほぼ全てのサンプルを刻む
ことに成功した)が達成できた。これらの速度以上で、
堅実に満足した結果を得ることは困難であった。しかし
ながら、1000または2000mm/secの速度が
本発明のビーム長を長くする方法を用いて達成されるこ
とが期待できる。
【0037】例3 この例では、レーザビームを生じるレーザは軸流CO2
レーザで、PRCコーポレーションが製造した、一管あ
たり600Wの2ビームレーザのモデルSS/200/
2である。そのビームはTEM00モードの約12mmの
スポットサイズであった。このレーザをガラス表面から
約2メートルに配置した。一対のシリンドリカルレンズ
をレーザとガラス表面との間のレーザビームの行路に配
置し、レーザスポットを変形した。これによりレーザス
ポットは、ガラスにあてたとき約40−50mm長でそ
の中間点において約1〜1.5mm幅の細長い楕円形に
なった。レーザのパワー分布はTEM01*モードおよび
TEM00モードの60対40の混合で、それはレーザ前
端面に20メートル曲率半径の凹面光カップラを使用す
ることにより達成された。レーザパワーは160−20
0Wの間を変化させ、ガラスシートを横切るレーザ速度
は約500mm/secであった。
【0038】ガラスシート10は約500mm幅×50
0mm長×約1.1mm厚のアルミナ珪酸塩ガラスシー
トで、第1の方向にシートの片側上を3回、第1のレー
ザ切り込みラインの方向に直交する第2の方向にシート
のもう片側上を3回の9回のレーザ切り込みをした。こ
のタイプの切り込み方法により、LCD基板ガラスの作
製において製造作業効率を2倍にでき、ここで最も外部
の切り込みラインはガラスシートの外端部を除去し、シ
ートの各側の中間の切り込みラインはガラスの残りを4
つの使用部材に連係して分離するものである。ガラスシ
ートの各側の3つの切り込みラインを使用することによ
り、シートの片側の切り込みラインの行路がシートのも
う片側の切り込みラインを交差する9つの交点を生じ
た。
【0039】これを達成するために、ガラスシート10
は、レーザ切り込みラインが所望される位置に3つのク
ラック開始点19を形成するため、ガラスシートの端部
に沿って各側に手動で切り込みをいれた。これにより、
ガラスの上面の一端に、約1−8mm長で約0.1mm
の深さの小さな切り込みラインの形で3つのクラック開
始点19を形成した。クラックは4−8mmである必要
はなく、むしろレーザが広げられるようなクラックであ
ればクラック開始点として作用するに十分なものであ
る。ガラスシート10はレーザ16がクラック開始点1
9の一つに接するように配置され、図1のように、レー
ザ16の行路が切り込みライン20を形成するガラスシ
ートを横断する直線行路に沿うようにガラスシート10
を動かした。ガラスシートの第1の片側の3つの切り込
みライン20の各々を形成するためにこの工程を繰り返
した。
【0040】その後、ガラスシート10の逆側をさらす
ためにガラスシート10をひっくり返した。シート10
は3つの他のクラック開始点10を形成するためガラス
シートの端部に沿って手動で切り込みをいれ、再び、レ
ーザ16の行路が3つの切り込みライン20を形成する
ためガラスシートを横断する直線行路に沿うようにガラ
スシート10を動かした。シートの第2の側に作られた
3つの切り込みラインはガラスシート10の第1の側に
形成した3つの切り込みラインの逆側で直交し、直角に
3つの各切り込みラインの行路と直交して形成した。
【0041】その後、各切り込みライン20に沿ってガ
ラスシート10を分離するため切り込みライン20に曲
げモーメントを付加した。この結果生じたシートはその
後ひっくり返し、これらのシートにそれぞれの切り込み
ライン20の領域に曲げモーメントを付加し、それによ
りそれらをさらに小さなシートに分割した。この工程を
100以上のガラスシートで繰り返し、それにより、切
り込みライン20の行路がガラスシートの逆側に位置す
る切り込みライン20の行路と交わる交点を900点以
上形成した。全ての場合、分割した端部は一貫して非常
に高品質なものであった。
【0042】例4 本例では、保護プラスチック層の部分を除去しガラスシ
ート10を小さなシートに分割するために、単一CO2
レーザ16を使用した。ガラスシートは約400mm幅
×400mm長×1.1mm厚で、Main Tape
Corporationが作製したLFC−3マスク
フィルムの保護層をコーティングしたものであった。L
FC−3はポリエチレンフィルム材料で、約0.002
インチ厚であり、ロール状で保存され、アクリル接着剤
が片側に施されている。そのフィルムを、接着剤がガラ
スシートの接するようにガラスに付加し、コートされた
ガラスはその後、ガラスとフィルムとの接着を促進する
ため一対のローラー間で圧迫した。
【0043】この例においては、レーザ16はPRCコ
ーポレーションが製造したモデル1200の軸流2ビー
ムCO2レーザであった。レーザビームはレーザの出射
端で約7mmの直径であり、したがってレーザから放出
されるスポットサイズは約38.5mm2であり、約7
0Wで動作し、ビームのパワー密度は約1.82W/m
m2となった。レーザをガラス表面の保護層から約2メ
ートルの位置に配置した。レーザスポットを形成するた
めレーザとガラス表面との間のレーザ光路に一対のシリ
ンドリカルレンズを配置した。これにより、保護層上の
レーザスポット形状は約33mm長でその中間で2mm
幅の細長い楕円状の形状となり、約1.35W/mm2
のパワー密度となった。ガラスシートをレーザ16の下
を約250mm/min.の速度で動かした。レーザ1
6はレーザが接する保護層を全て蒸発させ、それにより
選択的に保護層を除去し、除去したストライプ14の幅
は約2mm幅であった。保護層を除去した領域には残留
物はなく、完全に保護層の残留物を除去した。
【0044】ガラスシートの端部にクラック開始点19
を形成するため手動でガラスシート10に切り込みを入
れた。保護層を選択的に除去した領域14においてガラ
スに切り込みをいれた。これにより、ガラスの上面の一
端に、約8mm長で約0.1mm深さの小さな切り込み
ラインの形でクラック開始点19を形成した。ガラスシ
ート10はレーザ16がクラック開始点19に接するよ
うに配置され、レーザ16の行路がレーザ16の第1の
走査と同じ行路に沿うようにガラスシート10を動かし
た。結果的に、レーザ16は保護層の選択除去部14内
を伝搬した。約250mm/min.の速度でガラスシ
ート10を動かした。レーザによりレーザをガラス表面
にあてた領域においてガラスを効果的に熱した。レーザ
により局所的に熱することにより、クラックがガラス表
面を横切って伝搬し、クラック開始点19から始まり、
レーザ16が進む行路に沿ってクラックは伝搬した。こ
のクラックは約0.1mmの深さであった。レーザによ
り生じたクラックに曲げモーメントを付加するためガラ
スシートに手動で圧力を加え、それによりガラスシート
を二つのシートに分割した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガラス切断方法工程の斜視図。
【図2】図1で示した工程におけるガラス表面上のレー
ザビームスポットの拡大図。
【図3】図1および図2に示したレーザの所望強度形状
を示したグラフ図。
【図4】標準的なガウシアンレーザのパワー分布を示し
たグラフ図。
【符号の説明】
10 ガラスシート 11 ガラスシート主面 16 レーザビーム 18 レーザスポット 19 クラック開始点 20 クラック 22 水ジェット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】ガラスシートの端部にクラック開始点19
を形成するため手動でガラスシート10に切り込みを入
れた。保護層を選択的に除去した領域14においてガラ
スに切り込みをいれた。これにより、ガラスの上面の一
端に、約8mm長で約0.1mm深さの小さな切り込み
ラインの形でクラック開始点19を形成した。ガラスシ
ート10はレーザ16がクラック開始点19に接するよ
うに配置され、レーザ16の行路がレーザ16の第1の
走査と同じ行路に沿うようにガラスシート10を動かし
た。結果的に、レーザ16は保護層の選択除去部14内
を伝搬した。約250mm/min.の速度でガラスシ
ート10を動かした。レーザによりレーザをガラス表面
にあてた領域においてガラスを効果的に熱した。レーザ
により局所的に熱することにより、クラックがガラス表
面を横切って伝搬し、クラック開始点19から始まり、
レーザ16が進む行路に沿ってクラックは伝搬した。こ
のクラックは約0.1mmの深さであった。レーザによ
り生じたクラックに曲げモーメントを付加するためガラ
スシートに手動で圧力を加え、それによりガラスシート
を二つのシートに分割した。以下、本発明の好ましい実
施の形態を記載する。 (実施の形態1) ガラスシートを横断するクラックを
形成するためガラスシートを横断するレーザビームの移
動工程からなる平面ガラスシート製造方法において、該
レーザビームが該ガラスシート上において細長いビーム
スポットを有し、該ビームスポットが20mm以上の最
長寸法を有することを特徴とする平面ガラスシート製造
方法。 (実施の形態2) 前記移動工程が、約30mm以上の
最長寸法を有するビームスポットを有するレーザビーム
を移動する工程からなることを特徴とする実施の形態1
記載の方法。 (実施の形態3) 前記移動工程が、約40mm以上の
最長寸法を有するビームスポットを有するレーザビーム
を移動する工程からなることを特徴とする実施の形態1
記載の方法。 (実施の形態4) 前記移動工程が、前記ガラスシート
に対し、少なくとも300mm/secの速度で前記レ
ーザビームを移動する工程からなることを特徴とする実
施の形態1記載の方法。 (実施の形態5) 前記移動工程が、前記ガラスシート
に対し、少なくとも400mm/secの速度で前記レ
ーザビームを移動する工程からなることを特徴とする実
施の形態1記載の方法。 (実施の形態6) 前記移動工程が、前記ガラスシート
に対し、少なくとも500mm/secの速度で前記レ
ーザビームを移動する工程からなることを特徴とする実
施の形態1記載の方法。 (実施の形態7) 前記移動工程が、少なくとも300
mm/secの速度で、最長軸が該速度の約10%以上
の長さであるビームスポットを有する前記レーザビーム
を移動する工程からなることを特徴とする実施の形態1
記載の方法。 (実施の形態8) 前記移動工程におけるレーザビーム
が、非ガウシアン成分からなることを特徴とする実施の
形態1記載の方法。 (実施の形態9) 前記移動工程におけるレーザビーム
が、非ガウシアン成分からなることを特徴とする実施の
形態2記載の方法。 (実施の形態10) 前記移動工程におけるレーザビー
ムが、TEM01モードとTEM00モードの組合せからな
ることを特徴とする実施の形態9の方法。 (実施の形態11)前記移動工程におけるレーザビーム
が、少なくとも50%のTEM01モード成分からなり、
その残りがTEM00モードであることを特徴とする実施
の形態10の方法。 (実施の形態12) フラットパネルディスプレイに使
用される、0.4mmから3.0mmの厚みを有するガ
ラス基板分割方法において、該方法が、約0.4mmか
ら3.0mmの厚みの平面ガラスシートを用いる工程
と、少なくとも300mm/secの速度で前記ガラス
シート上においてレーザビームを移動させる移動工程か
らなり、該レーザビームが該ガラスシート上において細
長いビームスポットを有し、該ビームスポットが20m
m以上の最長寸法を有し、前記移動工程により該ガラス
シートを横断するクラックを十分に形成することを特徴
とするガラス基板分割方法。 (実施の形態13) 前記移動工程が、約30mm以上
の最長寸法のビームスポットを有するレーザビームを移
動させる工程からなることを特徴とする実施の形態12
記載の方法。 (実施の形態14) 前記移動工程が、約40mm以上
の最長寸法を有するビームスポットを有するレーザビー
ムを移動する工程からなることを特徴とする実施の形態
12記載の方法。 (実施の形態15) 前記移動工程が、前記ガラスシー
トに対し、少なくとも400mm/secの速度で前記
レーザビームを移動する工程からなることを特徴とする
実施の形態12記載の方法。 (実施の形態16) 前記移動工程が、前記ガラスシー
トに対し、少なくとも500mm/secの速度で前記
レーザビームを移動する工程からなることを特徴とする
実施の形態12記載の方法。 (実施の形態17) 前記移動工程が、最長軸が前記速
度の約10%以上の長さであるビームスポットを有する
前記レーザビームを移動する工程からなることを特徴と
する実施の形態12記載の方法。 (実施の形態18) 前記移動工程におけるレーザビー
ムが非ガウシアン成分からなることを特徴とする実施の
形態12記載の方法。 (実施の形態19) 前記移動工程におけるレーザビー
ムが非ガウシアン成分からなることを特徴とする実施の
形態13記載の方法。 (実施の形態20) 前記移動工程におけるレーザビー
ムが、TEM01モードとTEM00モードの組合せからな
ることを特徴とする実施の形態13の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロジャー アルフィー アレイル アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14814 ビッグ フラッツ オーウェン ハロウ ロード 3886 (72)発明者 ハリー メネガス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14812 ビーバー ダムズ ホーンビー ロード 1014 (72)発明者 ブルース ハーバート リーダー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14845 ホースヘッズ フリント ロード 3187 (72)発明者 ハリー ジェイ スティーブンス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14830 コーニング マーチン ヒル ロード 1512

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスシートを横断するクラックを形成
    するためガラスシートを横断するレーザビームの移動工
    程からなる平面ガラスシート製造方法において、 該レーザビームが該ガラスシート上において細長いビー
    ムスポットを有し、該ビームスポットが20mm以上の
    最長寸法を有することを特徴とする平面ガラスシート製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記移動工程が、前記ガラスシートに対
    し、少なくとも300mm/secの速度で前記レーザ
    ビームを移動する工程からなることを特徴とする請求項
    1記載の平面ガラスシート製造方法。
  3. 【請求項3】 前記移動工程が、少なくとも300mm
    /secの速度で、最長軸が該速度の約10%以上の長
    さであるビームスポットを有する前記レーザビームを移
    動する工程からなることを特徴とする請求項1記載の平
    面ガラスシート製造方法。
  4. 【請求項4】 前記移動工程におけるレーザビームが、
    非ガウシアン成分からなることを特徴とする請求項1記
    載の平面ガラスシート製造方法。
  5. 【請求項5】 フラットパネルディスプレイに使用され
    る、0.4mmから3.0mmの厚みを有するガラス基
    板分割方法において、 該方法が、約0.4mmから3.0mmの厚みの平面ガ
    ラスシートを用いる工程と、 少なくとも300mm/secの速度で前記ガラスシー
    ト上においてレーザビームを移動させる移動工程からな
    り、 該レーザビームが該ガラスシート上において細長いビー
    ムスポットを有し、 該ビームスポットが20mm以上の最長寸法を有し、 前記移動工程により該ガラスシートを横断するクラック
    を十分に形成することを特徴とするガラス基板分割方
    法。
  6. 【請求項6】 前記移動工程が、約30mm以上の最長
    寸法のビームスポットを有するレーザビームを移動させ
    る工程からなることを特徴とする請求項5記載のガラス
    基板分割方法。
  7. 【請求項7】 前記移動工程が、最長軸が前記速度の約
    10%以上の長さであるビームスポットを有する前記レ
    ーザビームを移動する工程からなることを特徴とする請
    求項5記載のガラス基板分割方法。
  8. 【請求項8】 前記移動工程におけるレーザビームが非
    ガウシアン成分からなることを特徴とする請求項5記載
    のガラス基板分割方法。
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