JPH09151688A - 大深度の水理試験方法とその試験用掘削装置及びパッカー - Google Patents

大深度の水理試験方法とその試験用掘削装置及びパッカー

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JPH09151688A
JPH09151688A JP33620295A JP33620295A JPH09151688A JP H09151688 A JPH09151688 A JP H09151688A JP 33620295 A JP33620295 A JP 33620295A JP 33620295 A JP33620295 A JP 33620295A JP H09151688 A JPH09151688 A JP H09151688A
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Shuji Matsumura
修治 松村
Takayuki Iwai
孝幸 岩井
Masahiro Chigira
雅弘 千木良
Kazuhiro Tanaka
和広 田中
Keiji Iwasaki
慶次 岩崎
Shinichi Miyamoto
伸一 宮本
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Kumagai Gumi Co Ltd
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Y B M KK
Central Research Institute of Electric Power Industry
Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ベンナイト泥水を用いないで大深度のボーリン
グ掘削を行い、目標の大深度域の地下水の正確な水理特
性を把握し、低廉に採水する。 【構成】掘削機の最下端部に配置され開閉する掘削ビッ
ト3,77で掘削しつつ掘削された掘削孔にケーシング
11を挿入し、ケーシング11から掘削ビット3を除去
し、ケーシング11内に切断カッターを挿入しケーシン
グ11を切断し、切断されたケーシング位置にパッカー
を配置し、パッカーをその高さ位置の掘削孔の上下に2
個固定する工法であり、ケーシング11内に挿入される
アウターチューブ1は開閉自在なウイングビット8を備
え、パッカー内管はパッカーラバーと外周の円錐状カム
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深部の地下水を試
験するための水理試験装置に関する。更に詳しくは、地
下1,000m以上の深部で水理試験を行うためのボー
リング孔の掘削や水理試験方法とその掘削装置及びその
試験に用いるパッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】水の分析は鉱山開発に際して化学探査と
して行われており、また、地下構造物を建設する際の環
境アセスメントの一環としても近年行われている。一般
に、深部地下水の組成は地表近くと深部の地下水とでは
組成が異なる。近年水の組成を分析することにより、地
下水の起源や年齢などを推定する方法も行われている。
また、透水テスト、湧水テスト等目的に応じて各種の水
理試験が行われている。
【0003】このような調査は、掘削機で掘削した鉛直
孔にサンプラーを降ろして地下水を採取することにより
行われる。掘削機は、石油掘削などで知られるように、
公知である。目標深度の地下水を採取する採水方法も知
られている。
【0004】地下深部のボーリング掘削を行う場合、地
山応力が大きくなることなどから孔壁を保護するために
ベンナイト泥水を用いて孔を掘削し、掘削後は鋼製ケー
シングにより孔を保護する。この方法では、泥水を使用
するために孔壁にベンナイトが付着し、正確な水理試験
を行うことが難しく、地下水も泥水の影響を受けるため
地下水の化学的性質の把握も困難である。
【0005】公知の掘削機による孔掘削は、このように
大深度の場合に問題がある。目標の大深度域でその深度
域の地下水を確実に他の深度の地下水から区別する方法
であり、大深度でも簡単で低廉な方法が求められてい
る。水理試験は、地下水の成分分析に限られず、透水試
験、湧水試験を含む。このような試験をも行うことがで
きる掘削方法、シール方法が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成
する。
【0007】本発明の目的は、ベンナイト泥水を用いな
いで大深度のボーリング掘削を行うための大深度の水理
理試験方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、大深度域の正確な水
理特性を把握するための水理試験孔の削井を行う大深度
の水理試験方法及びその装置を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、目標の大深度域
の地下水を正確に採水するための大深度の水理試験方法
及びその装置を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、目標の大深度域
でその深度域の地下水を確実に採水する大深度の水理試
験用掘削装置を提供することにある。
【0011】本発明の別な目的は、目標の大深度域でそ
の深度域の地下水を確実に採水する場合に低廉に採水で
きる大深度の水理試験用掘削装置を提供することにあ
る。
【0012】本発明の更に別な目的は、前記方法及び前
記装置により特定深度域をシールするために好適なパッ
カーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、次の手段を採る。
【0014】本発明1の大深度の水理試験方法は、掘削
機により大深度まで掘削する掘削工程と、前記掘削工程
後、特定の深部を隣り合う深部からシールするためにパ
ッカーを配置するパッカー配置工程とを含む大深度水理
試験方法であって、前記掘削機の最下端部に配置された
掘削ビット(3,77)で掘削しつつ掘削された掘削孔
にケーシング(11)を挿入する掘削工程と、前記ケー
シング(11)から前記掘削ビット(3,77)を除去
する掘削ビット除去工程と、前記ケーシング(11)内
に切断カッターを挿入し前記ケーシング(11)を切断
するケーシング切断工程と、切断された前記ケーシング
位置に前記パッカー(17,27)を配置し、前記パッ
カー(17,27)を前記掘削孔に固定するパッカー配
置・固定工程とからなることを特徴としている。
【0015】本発明2の大深度の水理試験方法は、前記
発明1の大深度の水理試験方法において、前記パッカー
(17,27)が間隔をおいて2個配置されることを特
徴としている。
【0016】本発明3の大深度の水理試験方法は、前記
発明2の大深度水理試験方法において、前記パッカー
(17,27)間の前記ケーシング(11)が前記掘削
孔からの地下水を通すストレーナ(14)付きであるこ
とを特徴としている。
【0017】本発明4の大深度の水理試験方法は、前記
発明2の大深度の水理試験方法において、前記パッカー
(17,27)間が前記ケーシング(11)がない掘削
孔で裸孔であることを特徴としている。
【0018】本発明5の大深度の水理試験用掘削装置
は、大深部の水理試験を行うための掘削工程と、前記掘
削工程後、特定の深部のシールするパッカーを配置する
パッカー配置工程とを含む大深度水理試方法に用いる掘
削装置であって、前記掘削機の最下端部に配置され開閉
する掘削ビットで掘削しつつ掘削された掘削孔に挿入さ
れるケーシング(11)と、前記ケーシング(11)内
に挿入されるアウターチューブ(1)と、前記アウター
チューブ(1)に開閉自在に設けられたウイングビット
(8,8)とからなることを特徴としている。
【0019】本発明6の大深度の水理試験用掘削装置
は、前記発明5の大深度の水理試験用掘削装置であり、
前記ウイングビットは取換可能であり前記ウイングビッ
トによる拡大掘削孔の径が変更可能であることを特徴と
する大深度の水理試験用掘削装置。
【0020】本発明7の大深度の水理試験用パッカー
は、大深部の水理試験を行うために水理試験孔を掘削す
る掘削工程と、前記掘削工程後、特定の深部の水理試験
を行うために前記水理試験孔をシールするパッカーを配
置するパッカー配置工程とを含む大深度水理試験方法に
用いる水理試験装置であって、パッカーラバー(22,
32)が取り付けられたパッカー内管(21,31)
と、前記パッカー内管(21,31)の外周に配置され
前記パッカーラバー(22,32)の内周孔に挿入され
る円錐状カム(23,33)とからなることを特徴とし
ている。
【0021】本発明の大深度の水理試験用掘削装置は、
掘削ビットで孔を掘削しながら、孔壁を保護するための
ケーシングが挿入される。掘削ビットは、アウターチュ
ーブに固定されず上下動可能に形成することができる。
この場合、アウターチューブと掘削ビットの相対的上下
動を利用して、アウターチューブに取りつけられる拡径
用ビットの開閉を行うことができる。
【0022】ケーシングを切断して、切断部の上下位置
にパッカーを配置・固定する。上下パッカーの間にケー
シングを残す場合は、ケーシングの通水孔から特定深度
域の地下水が、上下パッカー間の掘削孔内に侵入する。
この場合、上下パッカー間の孔壁の崩れを防止できるの
で、長期間の水理検査が正確に行われる。
【0023】パッカーの固定・配置は、固定・配置装置
の2部材の相対的上下動により、シール用パッカーラバ
ーを孔壁に強力に圧接させて固定することができる。上
下パッカーにより形成される特定深度域は、複数箇所に
設けることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明の大深度の水理試験方法の実施形
態1で使用する公知の掘削手段を示す断面図である。こ
の掘削手段は、ワイヤーライン工法(WL工法と略称さ
れている)に用いる手段である。本発明の大深度の水理
試験方法の実施形態1は、掘削工程においてWL工法を
用いる。ただし、掘削手段の1部を改善している。
【0025】WL工法は、アウターチューブ1とインナ
ーチューブ2を用いる。アウターチューブ1の下端に掘
削用ビット3が取りつけられている。開閉連結具4が、
インナーチューブ2に開閉自在に取りつけられている。
アウターチューブ1とインナーチューブ2は、開閉連結
具4により回転方向に同体化される。開閉連結具4が閉
じたときは、アウターチューブ1とインナーチューブ2
の結合が解消される。インナーチューブ2の上端部に吊
下部5が設けられている。地上からワイヤーにより降ろ
される吊下手段(図示せず)が、吊下部5に嵌合する。
【0026】吊下手段と吊下部5との着脱及び開閉連結
具4の開閉をワイヤを用いて行う公知方法の説明は省略
する。インナーチューブ2はその下方部にコアチューブ
6を備えている。コアチューブ6に掘削された岩石コア
が満たされたならば、アウターチューブ1から開放した
インナーチューブ2を地上に引き上げ、コアチューブ6
の中の岩石コアを抜き出し、再びインナーチューブ2を
孔底まで降ろして掘削を継続する。掘削ビット3を交換
する時以外は、アウターチューブ1の引き抜きは行わな
い。
【0027】図2は、本発明の大深度水理試験方法の実
施形態1の掘削工程及びこの掘削工程で用いる本発明の
大深度水理試験用掘削装置の実施形態1を示す断面図で
ある。実施形態1の掘削機は、公知工法のWL工法に用
いる掘削機に改良が加えられている。アウターチューブ
1の下方部に開閉自在な複数体例えば5体のウイングビ
ット8が取りつけられている。5体のウイングビット8
は、アウターチューブ1の周囲に等間隔で配置されてい
る。
【0028】ウイングビット8は開いたときに、5体が
並ぶ円周の半径が拡大される。アウターチューブ1が回
転駆動されると、掘削用ビット3により掘削された掘削
孔の直径が拡大され、大径の拡大掘削孔が形成される。
この拡大された拡大掘削孔9に掘進ど同時に掘削に併行
してケーシング11が挿入される。ケーシング11の材
料として軽くて頑丈であるFRPが用いられている。
【0029】ウイングビット8を閉じてアウターチュー
ブ1をインナーチューブ2とともに引き抜いた状態が、
図3に示されている。図4は、図3の状態のケーシング
11の途中部分を示している。ケーシング11の途中部
分には、ストレーナ(通水孔)14が多数開けられてい
る。多数の通水孔14は、軸方向密度及び周方向密度が
等しくなるように分配されている。掘削ビット3、ウイ
ングビット8、ケーシングビット12はそれぞれに取換
可能であり、掘削ビット3による掘削孔の径、拡大掘削
孔9の径、最大径掘削孔13の径を変更することができ
る。なお、ウイングビット8の拡径時の直径は、ケーシ
ングビット12の直径より大きく設計する。
【0030】図4は、特定された深度位置でケーシング
11を上下に分断して、ケーシング11の第1上方部分
15を設計高さだけ第1下方部分16に対して吊り上げ
て第1上下部分15,16を切り離した切離し工程を示
している。図5は、ケーシング11の第1上方部分15
の下端とケーシング11の第1下方部分16の上端との
間に第1パッカー17を配置し、最大径掘削孔13の孔
壁に第1パッカー17を固定する第1パッカー配置・固
定工程を示している。
【0031】第1パッカー17は、地下水採取孔である
掘削孔即ち最大径掘削孔13の特定深度域をその上下域
からシールために用いられる。第1パッカー17は、詳
しくは後述するが、第1パッカー内管21と、第1パッ
カー内管21の外周に設けられる環状の第1パッカーラ
バー22と、第1パッカー内管21と同心に第1パッカ
ー内管21の外周に第1パッカー内管21に対して上下
方向に摺動し第1パッカーラバー22の内周孔に挿入さ
れる第1円錐状カム23とから構成されている。
【0032】第1パッカーラバー22は上下方向に3体
が用いられている。各第1パッカーラバー22に対応し
て第1円錐状カム23は第1パッカー内管21の上下方
向の3位置に形成されている。最下端の第1パッカーラ
バー22の下方部の内周面は第1パッカー内管21の外
周面に接着されている。この接着面は水を通さない。第
1パッカーラバー22の上方部の内周面側に第1円錐状
カム23の下方部が圧入されている。
【0033】第1円錐状カム23の下方部は下側に先細
りになるように形成されているので、第1パッカーラバ
ー22の上方部が拡径されて押し広げられ、第1パッカ
ーラバー22の上方部の外周面が最大径掘削孔13の孔
壁に圧接している。このような第1パッカーラバー22
により、第1パッカー内管21と最大径掘削孔13との
間の環状空間部を水が上下方向に通過することがない。
【0034】もし、第1パッカー内管21の内部が上下
に仕切られたならば、第1パッカー17は、ケーシング
11の第1上方部分15の内部とケーシング11の第1
下方部分16の内部は、第1パッカー17により上下に
遮断されたことになる。第1パッカー内管21の内部の
遮断については、後述する。
【0035】図6は、第1パッカー17により下方側を
シールした深度域の上方側を第2パッカー27によりシ
ールする第2パッカー配置・固定工程を示している。第
2パッカー配置・固定工程は、第1パッカー配置・固定
工程と同様である。即ち、第2パッカー27は、第2パ
ッカー内管31と、第2パッカー内管31の外周に設け
られる環状の第2パッカーラバー32と、第2パッカー
内管31と同心に第2パッカー内管31の外周に第2パ
ッカー内管31に対して上下方向に摺動し第2パッカー
ラバー32の内周孔に挿入される第2円錐状カム33と
から構成されている。
【0036】第2パッカーラバー32は上下方向に3体
が用いられている。各第2パッカーラバー32に対応し
て第2円錐状カム33は第2パッカー内管31の上下方
向の3位置に形成されている。最下端の第2パッカーラ
バー32の下方部の内周面は第2パッカー内管31の外
周面に接着されている。この接着面は水を通さない。
【0037】第2パッカーラバー32の上方部の内周面
側に第2円錐状カム33の下方部が圧入されている。第
2円錐状カム33の下方部は下側に先細りになるように
形成されているので、第2パッカーラバー32の上方部
が拡径されて押し広げられ、第2パッカーラバー32の
上方部の外周面が最大径掘削孔13の孔壁に圧接してい
る。
【0038】このような第2パッカーラバー32によ
り、第2パッカー内管31と最大径掘削孔13との間の
環状空間部を水が上下方向に通過することがない。も
し、第2パッカー内管31の内部が上下に仕切られたな
らば、ケーシング11の第2上方部分35の内部とケー
シング11の第2下方部分36(第1上方部分に相当)
の内部は、第2パッカー27により上下に遮断されたこ
とになる。第2パッカー内管31の内部の遮断について
は、第1パッカー内管21の内部の遮断とともに後述す
る。
【0039】図7は、第1パッカー17と第2パッカー
27の内部を遮断する遮断工程を示している。地上より
サンプラーと称される採水装置が吊り降ろされる。採水
装置は吊り部とサンプラー本体部42とシール部43と
からなる。吊り部の吊降しのために吊降用ワイヤ(図示
せず)が用いられる。サンプラー本体部42と地上間
は、サンプラー本体部42の水を採取するためのチュー
ブ(図示せず)により連結されている。
【0040】シール部43は、下方側シール部44と上
方側シール部45とを備えている。下方側シール部44
と上方側シール部45との上下間距離は、第1パッカー
17の中間と第2パッカー27の中間との間の距離に概
ね等しい。下方側シール部44と上方側シール部45と
には、それぞれに圧力空気が供給される。下方側シール
部44と上方側シール部45は、ゴム状材料で形成され
ている。圧力空気が供給されると、下方側シール部44
と上方側シール部45は、それぞれに膨張し第1パッカ
ー内管21及び第2パッカー内管31の内周面に圧接す
る。
【0041】このような下方側シール部44と上方側シ
ール部45の圧接により、第1パッカー内管21及び第
2パッカー内管31の内部は上下に遮断される。なお、
このようなサンプラーは、例えば特許出願公告平4−1
1717号に詳述されているように公知である。
【0042】図8(a),(b)は、パッカー17、2
7を孔壁に配置・固定するためのパッカー配置・固定手
段を示す断面図である。パッカー配置・固定手段は、ケ
ーシング11内に挿入され地上から吊り下げられる流体
圧シリンダ部51と流体圧シリンダ部51の下端に連結
されている前記パッカー17又はパッカー27とから構
成されている。図9に詳しく示すように、流体圧シリン
ダ部51は、上方部52とシリンダ蓋部53とシリンダ
54とピストン55とピストン案内用ロッド56とから
構成されている。ピストン55に下方に延びる円筒体6
0が取りつけられている。
【0043】ピストン案内用ロッド56は、シリンダ蓋
部53に固定されピストン55を貫通しシリンダ54の
中心軸心線上に位置づけられている。上方部52とシリ
ンダ蓋部53とピストン案内用ロッド56の上端部の内
側に流体供給路58が設けられている。流体供給路58
は、連通路61を介してシリンダ室59に通じている。
【0044】図10に示すように、ピストン案内用ロッ
ド56の下端部にパッカー連結用部材57が取りつけら
れている。パッカー連結用部材57を介して、ピストン
案内用ロッド56にパッカー17又はパッカー27が結
合している。第1パッカー内管21(31)とパッカー
連結用部材57との間に回転連結部材62が介設されて
いる。
【0045】回転連結部材62は、その下端部が第1パ
ッカー内管21に固定され上端部がパッカー連結用部材
57に螺合している。回転連結部材62とパッカー連結
用部材57は軸回りの回転方向に結合し、例えば左ネジ
結合により結合する。右回転により、パッカー連結用部
材57と回転連結部材62の結合が解消される。
【0046】第1パッカー17は、図5を参照して説明
した工程で用いられている。第1パッカー17と第2パ
ッカー27は同一構造であるから、第1パッカー17に
ついてのみ説明する。既述の通り、第1パッカー17
は、第1パッカー内管21と、第1パッカー内管21の
外周に設けられる環状の第1パッカーラバー22と、第
1パッカー内管21と同心に第1パッカー内管21の外
周に第1パッカー内管21と一体に形成され第1パッカ
ーラバー22の内周孔に挿入される第1円錐状カム23
とから構成されている。
【0047】第1パッカーラバー22は上下方向に3体
が用いられている。各第1パッカーラバー22に対応し
て第1円錐状カム23は第1パッカー内管21の上下方
向の3位置に形成されている。3体のパッカーラバー2
2と3体の円錐状カム23は、交互に配置されている。
第1パッカーラバー22及び第1円錐状カム23は、第
1パッカー内管21に対して摺動自在である。第1パッ
カーラバー22は、硬質のゴム材などで作られ耐用年数
は長期である。
【0048】各第1パッカーラバー22の下方部の内周
面は第1パッカー内管21の外周面に圧接している。図
8(a)に示されるピストン55が、流体供給路58に
供給される流体の圧力により押し下げられる。ピストン
55の降下により、円筒体60が降下する。図10に示
されるように、円筒体60の下端面により、最上段の第
1円錐状カム23が無理矢理に下方に押される。
【0049】第1円錐状カム23の円錐状下方部が、最
上段の第1パッカーラバー22の内側に進入する。その
第1パッカーラバー22の上方部が第1円錐状カム23
により押し広げられる。第1パッカーラバー22の上方
部は押し広げられ、その上方部の外周面が孔壁面に圧接
する。
【0050】流体供給路58に更に圧力水が供給され、
ピストン55は更に降下する。この降下により、円筒体
60を介して更に第1円錐状カム23が降下する。降下
する第1円錐状カム23は、進入している第1パッカー
ラバー22を押し下げる。最上段の第1パッカーラバー
22の降下により中断の第1円錐状カム23が押し下げ
られる。
【0051】このように、3体の第1パッカーラバー2
2と3体の第1円錐状カム23が、共に降下しながら、
3体の第1パッカーラバー22は3体の第1円錐状カム
23により押し広げられ、図8(a)に示すように、3
体の第1パッカーラバー22が孔壁に圧接する。流体圧
シリンダ部51を右回転させる。
【0052】この右回転により、パッカー連結用部材5
7は回転連結部材62から離脱する。パッカー内管21
は、流体圧シリンダ部51から切り離されても、第1パ
ッカーラバー22と孔壁との圧接力によりその位置で孔
壁に固定される。
【0053】図11は、本発明の大深度水理試験方法の
実施形態2を示す概念図である。ケーシング11が実施
形態1と同様に掘削孔に挿入される。ケーシング11が
途中で切断される点も実施形態1と同じであるが、切断
箇所は1箇所である。ケーシング11の下方部分61の
上端とケーシング11の上方部分の下端との間に、第1
パッカー17及び第2パッカー27がそれぞれに固定さ
れる。
【0054】第1パッカー17及び第2パッカー27
は、実施形態1のそれと同じものである。第1パッカー
17及び第2パッカー27を孔壁に固定する方法も、実
施形態1と同じである。実施形態2では、第1パッカー
17と第2パッカー27との間に、ケーシング11は配
置されていない。従って、実施形態2のケーシング11
には、実施形態1のケーシング11が有する通水孔は設
けられていない。
【0055】第1パッカー17及び第2パッカー27を
それぞれに構成する第1パッカー内管21、第2パッカ
ー内管31の中に、吊り部41とサンプラー本体部42
とシール部43(下方側シール部44と上方側シール部
45とからなる)とからなる採水装置が挿入される点
は、実施形態1に同じである(図7参照)。実施形態2
では、上下のパッカー17,27間にある特定深度の掘
削孔に孔壁から直接に地下水が侵入する。
【0056】実施形態1及び実施形態2において、掘削
孔は、アウターチューブ1の下端の掘削用ビット3によ
り掘削され、掘削された地盤構成材はインナーチューブ
2内でコアを形成する。このコアは、地上まで吊り上げ
られたインナーチューブ2から地上に排出される。
【0057】コア採取方法によるこのような掘削方法
は、掘削孔を痛めないし、掘削孔内に地盤構成材以外の
ものが侵入しない。このような掘削と同時に、ケーシン
グ11が掘削孔内に挿入される。大深度地盤の応力は大
きいが、ケーシング11により保護された孔壁の崩れが
防止されている。ケーシング11は、図2に示すよう
に、アウターチューブ1及びウイングビット8により形
成された孔壁の壁面を僅かに切削しながら、掘削孔に密
着的に容易に進入する。
【0058】このように形成された掘削孔からアウター
ケーシング11を残して他の掘削機部分を抜き取り、図
8で説明したパッカー配置・固定手段を特定深度付近に
降下させて、第1及び第2パッカーを固定し、図7で説
明したサンプラー本体部42から構成されている採水装
置をパッカー間に降下させて、第1及び第2パッカー間
の深度域の孔壁から浸出する水を採取する。
【0059】採取装置に代えて、各種の水理検査機器を
降下させることができる。水理検査機器は、水を採取す
ることなく水質検査を行う機器を含む。水理検査機器
は、半永久的に探査深度域に設置することができる。
【0060】図12、13は、図2で説明した掘削工程
で用いる拡径掘削を同時に行う掘削機の他の実施形態の
詳細を示している。アウターチューブ1とインナーチュ
ーブ2を用いるWL工法による掘削方法に改良が施され
ている。この改良された掘削工法は、掘削と同時にケー
シング11を掘削孔に挿入する点では、実施形態1と同
じである。
【0061】アウターチューブ1の下端部は、カム筒7
2に形成されている。カム筒72はアウターチューブ1
の本体部分に螺合されている。カム筒72の内周面側で
段部が設けられている。ビット形成体75は、頂部74
を備えている。頂部74は、段部の水平な上面に係合し
ている。ビット形成体75は、前記頂部と掘削ビット本
体77とからなる。頂部74と掘削ビット本体77は、
連結部を形成する連結円筒部76により連結されてい
る。
【0062】掘削ビット本体77は、部分円錐状面を有
している。ウイングビット8には、ダイアモンドの切削
用突起体(図示せず)が埋め込まれている。ビット形成
体75は、前記段部を介してアウターチューブ1に吊り
下げられている。ビット形成体75は、図示位置よりも
上方にアウターチューブ1に対して上動することができ
る。ビット形成体75に5体のウイングビット8が取り
つけられる。
【0063】図12,14に示すように、ウイングビッ
ト8は、5体が設けられている。各ウイングビット8
は、水平面上に配置される5角形の丸棒状の支軸79の
各辺に支持され、それぞれに回転可能である。支軸79
は、ビット形成体75に固定されて設けられている。各
ウイングビット8は、切削部81を備えている。
【0064】カム筒72は、カム筒部82を備えてい
る。カム筒部82の内周面は、連結円筒部76の外周面
を摺動する。カム筒部82は、下方部として5体のカム
部83を備えている。カム部83は、図15,16,1
7に示すように、カム形成斜面84を有している。カム
筒部82の内周面側に、10条のカム摺動溝85が形成
されている。
【0065】図18,19は、カム筒72の下方部分を
示している。連結円筒部76の外周面に10条の突起部
分86が、縦方向に摺動するように、カム筒部82の各
カム摺動溝85に入り込み、図12に示すように、組立
られている。図12は、カム筒72、ウイングビット8
等がケーシング11内に挿入されている状態を示してい
る。図12に示すように、ウイングビット8は、拡径用
ばね80により常時拡径方向に付勢されている。
【0066】アウターチューブ1が回転駆動されると、
図13に示すように、カム筒部82が回転駆動される。
カム摺動溝85及び突起部分86を介してカム筒部82
に回転方向に係合しているビット形成体75が回転す
る。掘削ビット本体77の下端面が孔底に着地している
状態でアウターチューブ1を降下させると、図13に示
すように、カム筒部82のカム部83が降下しウイング
ビット8の切削部81に進入する。
【0067】各切削部81への進入により、各ウイング
ビット8が支軸79を回転軸として回転し、各切削部8
1は拡径方向に開く。最大拡径は、ビット形成体75に
より形成された掘削孔の径である。このような拡径状態
でアウターチューブ1を回転駆動して、拡径掘削孔90
を形成する。拡径掘削孔90の形成の進行に併せて、ケ
ーシング11を降下させる。ケーシング11の下端部に
刃が形成されている点は、実施形態1に同じである。
【0068】掘削の途中でインナーチューブ2を地上ま
で引き上げて掘削材を廃棄するWL工法が適用されるこ
とも実施形態1に同じである。掘削を終了してアウター
チューブ1を引き上げるときの最初には、ビット形成体
75は孔底に放置される。この放置期間、ウイングビッ
ト8に対してカム部83が上昇しウイングビット8が縮
径して閉まる。
【0069】ウイングビット8が閉まったビット形成体
75は段部73を介してアウターチューブ1に吊り下げ
られた状態で吊り上げれ、地上へ送られる。掘削孔にケ
ーシング11が取り残される。パッカーの配置・固定方
法は、既述の工程に同じである。
【0070】
【その他の実施形態】パッカーラバーなどは上下方向に
3体が設けられている場合について説明したが、この個
数は任意である。掘削孔の径は、1工事中においても途
中で変更できる。ラバーの材質は、自由に選択できる。
その他、本発明の趣旨内で自由に設計変更が行われる。
【0071】
【発明の効果】本発明によると、次の効果が奏される。
ケーシング挿入工程が掘削工程と同時進行で行われるの
で、孔壁保護のために泥水を用いる必要がない。水理試
験に適した孔を掘削でき、また、工程時間が短縮され
る。パッカーの配置・固定が確実である。パッカー構造
が簡素である。WL工法の利点を活用し欠点を補うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1の掘削工程を示
す正面断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1の掘削工程で用
いる掘削機の実施形態2を示す正面断面図である。
【図3】図3は、ビット除去工程を示す正面断面図であ
る。
【図4】図4は、ケーシング挿入工程後ビットを除去し
た状態の途中工程を示す正面断面図である。
【図5】図5は、第1パッカー配置・固定工程を示す正
面断面図である。
【図6】図6は、第2パッカー配置・固定工程を示す正
面断面図である。
【図7】図7は、採水工程を示す正面断面図である。
【図8】図8(a),(b)は、パッカー配置・固定工
程に用いるパッカー装置を示す正面断面図である。
【図9】図9は、パッカー装置の上部の詳細を示す正面
断面図である。
【図10】図10は、パッカー装置の下部の詳細を示す
正面断面図である。
【図11】図11は、パッカー配置・固定工程の他の実
施形態を示す正面断面図である。正面断面図である。
【図12】図12は、本発明の掘削装置の他の実施形態
を示す正面断面図である。
【図13】図13は、図12のウイングビットが開いた
状態を示す正面断面図である。
【図14】図14は、拡径ビットを示す底面図である。
【図15】図15は、図12の1部のカム筒を示す底面
図である。
【図16】図16は、図15の正面図である。
【図17】図17は、図15の底面図である。
【図18】図18は、掘削ビット示す平面図である。
【図19】図19は、図18の正面図である。
【符号の説明】
1…アウターチューブ 2…インナーチューブ 3,77…掘削ビット 8…ウインググビット 11…ケーシング 12…ケーシングビット 13…最大径掘削孔 14…通水孔(ストレーナ) 17…第1パッカー 21…第1パッカー内管 22…第1パッカーラバー 23…第1円錐状カム 27…第2パッカー 31…第2パッカー内管 32…第2パッカーラバー 33…第2円錐状カム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 修治 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 岩井 孝幸 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 千木良 雅弘 千葉県我孫子市我孫子1646番地 財団法人 電力中央研究所内 (72)発明者 田中 和広 千葉県我孫子市我孫子1646番地 財団法人 電力中央研究所内 (72)発明者 岩崎 慶次 東京都港区芝大門1丁目3番6号 喜多ビ ル3階 株式会社吉田鉄工所東京支社内 (72)発明者 宮本 伸一 佐賀県唐津市原1534番地 株式会社吉田鉄 工所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掘削機により大深部まで掘削する掘削工程
    と、 前記掘削工程後、特定の深部を隣り合う深部からシール
    するためにパッカーを配置するパッカー配置工程とを含
    む大深度の水理試験方法であって、 前記掘削機の最下端部に配置された掘削ビットで掘削し
    つつ掘削された掘削孔にケーシングを挿入する掘削工程
    と、 前記ケーシングから前記掘削ビットを除去する掘削ビッ
    ト除去工程と、 前記ケーシング内に切断カッターを挿入し前記ケーシン
    グを切断するケーシング切断工程と、 切断された前記ケーシング位置に前記パッカーを配置
    し、前記パッカーを前記掘削孔に固定するパッカー配置
    ・固定工程とからなることを特徴とする大深度の水理試
    験方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記パッカーが間隔をおいて2個配置されることを特徴
    とする大深度の水理試験方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記パッカー間の前記ケーシングが前記掘削孔からの地
    下水を通すストレーナ付きであることを特徴とする大深
    度の水理試験方法。
  4. 【請求項4】請求項2において、 前記パッカー間が前記ケーシングがない掘削孔で裸孔で
    あることを特徴とする大深度の水理試験方法。
  5. 【請求項5】大深部の水理試験を行うための掘削工程
    と、前記掘削工程後、特定の深部のシールするパッカー
    を配置するパッカー配置工程とを含む大深部の水理試方
    法に用いる掘削装置であって、 前記掘削機の最下端部に配置され開閉する掘削ビットで
    掘削しつつ掘削された掘削孔に挿入されるケーシング
    と、 前記ケーシング内に挿入されるアウターチューブと、 前記アウターチューブに開閉自在に設けられたウイング
    ビットとからなることを特徴とする大深度の水理試験用
    掘削装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記ウイングビットは取換可能であり前記ウイングビッ
    トによる拡大掘削孔の径が変更可能であることを特徴と
    する大深度の水理試験用掘削装置。
  7. 【請求項7】大深部の水理試験を行うために水理試験孔
    を掘削する掘削工程と、前記掘削工程後、特定の深部の
    水理試験を行うために前記水理試験孔をシールするパッ
    カーを配置するパッカー配置工程とを含む大深度の水理
    試験方法に用いる大深度の水理試験用パッカーであっ
    て、 パッカーラバーが取り付けられたパッカー内管と、 前記パッカー内管の外周に配置され前記パッカーラバー
    の内周孔に挿入される円錐状カムとからなることを特徴
    とする大深度の水理試験用パッカー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109283063A (zh) * 2018-10-18 2019-01-29 中国石油化工股份有限公司 一种封隔器耐压试验装置
CN113073644A (zh) * 2021-03-22 2021-07-06 西南石油大学 一种海底自动钻进式打桩装置及方法

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