JPH09155396A - 汚泥処理におけるアルミニウム回収方法 - Google Patents

汚泥処理におけるアルミニウム回収方法

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JPH09155396A
JPH09155396A JP7317658A JP31765895A JPH09155396A JP H09155396 A JPH09155396 A JP H09155396A JP 7317658 A JP7317658 A JP 7317658A JP 31765895 A JP31765895 A JP 31765895A JP H09155396 A JPH09155396 A JP H09155396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】浄水場で生じた沈澱汚泥からアルミニウムを効
率よく回収し、併せてアルミニウム回収後の脱水汚泥を
低含水率にケーキ化できるようにする。 【解決手段】浄水場の処理過程で生じたアルミニウム含
有の沈澱汚泥を沈降濃縮槽1,ろ過濃縮装置2にて濃
縮,減容し、さらに汚泥にアルミニウム溶解性薬品とし
て硫酸を添加して混和機4で分散させた後に、汚泥を電
気浸透式脱水機5に導入してその陽極板5aと陰極板5
bとの間に直流電圧を印加し、電気浸透作用により汚泥
の含有水と一緒にアルミニウム液を陰極板側に集めた上
で、ろ過部材5cを通して効率よく回収するとともに、
汚泥を低含水率にケーキ化された脱水汚泥に変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水場などで発生
する沈澱汚泥に含まれているアルミニウムを、沈澱汚泥
の処理過程で汚泥から分離回収するアルミニウム回収方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水場では、河川,湖沼から取水した粘
土系懸濁質を含む水を図9のようなプロセスで浄化して
おり、取水中の懸濁質の凝集剤として硫酸アルミニウ
ム,あるいはアルミン酸ナトリウムなどをアルミニウム
凝集剤添加し、続く撹拌,沈澱工程でアルミニウム成分
の混入している沈澱汚泥をアルミニウム回収設備へ移し
て処理するようにしている。
【0003】また、図10は水道協会雑誌(日本水道協
会発行)の第59巻9号(1990年)「浄水スラッジ
処理におけるアルミニウム回収」(執筆者:小林 三
樹)で紹介されている、硫酸アルミニウム回収を伴う汚
泥処理のプロセスフロー図であり、図9のプロセス過程
で生じたた沈澱汚泥を予備濃縮した後、pH3.3以下に
なるようにアルミニウム溶解性薬品である硫酸を添加し
て沈降濃縮槽に導入し、ここで水酸化アルミニウムが溶
解している上澄水と沈降濃縮汚泥とに分離した上で、上
澄水は回収アルミニウム液貯槽に回収し、一方の沈降濃
縮汚泥は消石灰を加えて混和槽に導入して汚泥を中和,
凝集させた後に、脱水機により真空,ないし加圧脱水し
て含水率の低い脱水汚泥に変える。なお、回収した上澄
液はアルミニウム凝集剤として再利用され、残った脱水
汚泥は例えば埋め立て処分される。
【0004】ここで、予備濃縮後の汚泥濃度を2%とし
て、前記した従来のプロセスにより沈澱汚泥汚泥から回
収したアルミニウム回収率,アルミニウム濃度,硫酸添
加量などについて試算すると、次記のようになる。すな
わち、1000Kgの濃縮汚泥を処理する場合に、汚泥
中に含まれている汚泥固形分は20Kgで、この汚泥固
形分には図9の浄水プロセスでのアルミニウム凝集剤の
注入により生じた水酸化アルミニウムを含んでおり、そ
の含有率を20%とすると水酸化アルミニウムの量は4
Kgであり、かつ1Kgの水酸化アルミニウムを溶解す
る硫酸所要量(汚泥中の水酸化アルミニウムと反応する
当量の硫酸量)は1.9Kgであることから、1000K
gの沈澱汚泥に対する硫酸の必要添加量は7.6Kgとな
る。なお、水酸化アルミニウムの硫酸による溶解は次式
で表される。
【0005】
【化1】 2Al (OH)3+3H2 SO4 →Al(SO4 )3+6H2 O また、この硫酸添加汚泥を次の沈降濃縮工程で汚泥濃度
が8%まで濃縮されるとして、上澄水のアルミニウム濃
度,アルミニウム回収率を算出すると、アルミニウム濃
度は0.264%,アルミニウム回収率は80.2%であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来のアルミ
ニウム回収方法で、回収アルミニウム液のアルミニウム
濃度を高めるには、予備濃縮汚泥の含有水率をできるだ
け低めることが、またアルミニウム回収率を高めるには
濃縮汚泥の濃度を高めることが必要である。しかして、
従来方式では沈澱汚泥の濃縮に沈降濃縮法を採用してい
るために、汚泥濃度は高々8%程度でそれ以上の濃度増
大は期待できないことからアルミニウム回収率が低く、
また、アルミニウム液を上澄液として固液分離した後の
濃縮汚泥についても、汚泥中には間隙水として未回収の
アルミニウム液を多く含んでいるために、これを脱水処
理するには汚泥の10〜20重量%の消石灰を多量に加
える必要があるほか、脱水汚泥の埋め立て処分先では汚
泥からアルカリ成分が溶出するなどの環境上での問題も
ある。
【0007】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は前記課題を解決し、アルミニウム回
収効率が高く、しかもアルミニウム回収後の汚泥に対し
ては、消石灰などを加えることなく低含水率にケーキ化
された脱水汚泥が得られるようにし、併せてアルミニウ
ム回収に使用するアルミニウム溶解性薬品を外部から供
給せずに系内で生成できるようにした汚泥処理における
アルミニウム回収方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアルミニウム回収方法は次記のように行う
ものとする。 1)濃縮工程を経て減容化した汚泥にアルミニウム溶解
性薬品を添加した後に、汚泥を電気浸透式脱水機に導入
してその電極間に直流電圧を印加し、電気浸透作用によ
り汚泥の含有水と一緒にアルミニウム液を一方の電極側
に集めた上でろ過部材を通して回収するものし、ここで
使用するアルミニウム溶解性薬品は、硫酸などの酸性薬
品、あるいは水酸化ナトリウムなどのアルカリ性薬品を
用いることができる。
【0009】2)汚泥を電気浸透式脱水機に導入してそ
の電極間に直流電圧を印加するとともに、一方の電極側
からアルミニウム溶解性薬品を汚泥に供給し、電気浸透
作用により汚泥中に浸透するアルミニウム溶解性薬品で
アルミニウム成分を溶解させつつ、汚泥の含有水と一緒
にアルミニウム液を他方の電極側に集めた上でろ過部材
を通して回収する。
【0010】3)当初に汚泥に硫酸ソーダなどの電解質
を添加した後に、汚泥を電気浸透式脱水機に導入してそ
の電極間に直流電圧を印加し、電気浸透作用により電離
した電解質の成分を汚泥の含有水と一緒にろ液として回
収するとともに、このろ液をアルミニウム溶解性薬品と
して電気浸透式脱水機へ導入する汚泥に添加してアルミ
ニウム回収を行う。
【0011】上記のように、汚泥に含まれているアルミ
ニウムの回収処理に電気浸透脱水法を採用することによ
り、アルミニウム溶解性薬品との反応で生じたアルミニ
ウム液は、電気浸透作用の下で汚泥の含有水と一緒に電
気浸透式脱水機の一方の電極側に集められて汚泥から効
率よく分離回収される。また、この場合にアルミニウム
溶解性薬品として水酸化ナトリウムなどのアルカリ性薬
品を採用すれば、電気浸透脱水作用で電離したアルカリ
イオンの働きで脱水汚泥が中和されてほぼ中性の脱水汚
泥が得られる。
【0012】また、2)項のようにアルミニウム溶解性
薬品を電気浸透式脱水機の電極を通じて汚泥に供給する
方法では、混和機など使わずに電気浸透作用を生かして
薬品を直接汚泥の中に浸透させてアルミニウムを効果的
に溶解できる。さらに、3)項の方法によれば、硫酸な
どの価格の高いアルミニウム溶解性薬品を用意せずに、
安価に入手できる硫酸ソーダなどの電解質を運転当初に
供給するだけで、電気浸透作用を利用してアルミニウム
溶解性薬品を系内で生成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 〔実施例1〕図1は本発明の請求項1,2に対応する実
施例のフロー図である。この実施例では、浄水場で発生
した沈澱汚泥(図9の浄水工程で得たアルミニウム凝集
剤を含む沈澱汚泥)を予備濃縮し、これにアルミニウム
溶解性薬品として硫酸を添加した後、電気浸透脱水機に
導入して溶解したアルミニウムをろ液とともに分離回収
し、低含水率の脱水汚泥を得るようにしたものであり、
図示のようにアルミニウム回収処理設備は、沈降濃縮槽
1,ろ過濃縮装置2,酸性硫酸貯留槽3,混和機4,電
気浸透式脱水機5,回収アルミニウム液貯留槽6,脱水
汚泥置き場7などから構成されている。なお、図中にお
けるろ過濃縮装置2は例えば特公昭60−59002号
公報,特公昭61−57043号公報に記載の濃縮装置
が、また電気浸透式脱水機5としては特公昭60−25
597号公報に記載の装置が採用できる。
【0014】かかる回収処理設備に対して、まず沈澱汚
泥が沈降濃縮槽1に供給される。なお、沈降汚泥の組成
は図2で表すように不溶性汚泥粒子,水酸化アルミニウ
ム,水分からなり、沈降濃縮槽1に導入された沈澱汚泥
は重力沈降作用により上澄水と沈降濃縮汚泥とに分離さ
れ、沈降濃縮汚泥は次段のろ過濃縮装置2に導入され
る。このろ過濃縮装置2では、負圧を受けたろ過材によ
り沈降濃縮汚泥が分離水と高濃度のろ過濃縮汚泥とに分
離される。次いで、ろ過濃縮汚泥には硫酸貯留槽3から
硫酸を添加して混和機4に導入し、ろ過濃縮汚泥の中に
硫酸を均一に分散させてpH2〜3程度に調整し、汚泥
に含まれていた水酸化アルミニウムが硫酸により溶解し
た状態の硫酸添加汚泥を得る。この硫酸添加汚泥は、次
に電気浸透式脱水機5の陽極板5aと陰極板(穴明き
板)5bに重ね合わせたろ過部材(濾布)5cとの間の
通路に供給し、加圧装置5dで機械的な圧搾力を加えつ
つ直流電源5eから陽極板5aと陰極板5bとの間に直
流電圧を印加して電気浸透脱水を行う。これにより、ア
ルミニウム液は汚泥の含有水とともに、電気浸透作用に
よりろ過部材5cを透過して陰極板5bに集められ、ろ
液として回収アルミニウム液貯留槽6に回収される。な
お、このろ液は図9に示したアルミニウム凝集剤として
再利用される。また、脱水してケーキ化された脱水汚泥
は電極間から外部に排出して脱水汚泥置き場7に保管さ
れる。
【0015】次に、前記の電気浸透式脱水機5における
電気浸透作用の状況を図3に示す。すなわち、直流電圧
印加により硫酸添加汚泥の不溶性汚泥粒子(粘土,砂,
植物質など)はマイナスに帯電し、その周囲の水分 (H
2 O)はプラスに帯電し、水分は陰極板5bに引き寄せ
られてろ過部材5cを透過して系外にろ液として排出さ
れる。また、前記水分中には硫酸の添加により生じたS
4 2-,水酸化アルミニウムが溶解して生じたAl3+,当
初より沈澱汚泥に含まれていたNa+ ,Cl- ,Fe 3+などの
イオンが含まれており、このうちSO4 2-,Cl- の陰イ
オンは陽極板5aへ移動し、Al3+,Na+ Fe3+などの陽イ
オンは陰極板5bに移動して水分H2 Oとともにろ液と
して排出される。
【0016】これにより、沈澱汚泥に含まれている水酸
化アルミニウムを、電気浸透作用により高濃度のアルミ
ニウム液(ろ液)として効率よく分離回収できるととも
に、一方では沈澱汚泥を低含水率に脱水して処分し易い
脱水ケーキに変えることができる。また、発明者等が前
記回収方法の効果を確かめるために行った評価テストに
ついて述べると、汚泥固形分の濃度1.0%,水酸化アル
ミニウムの含有濃度20%である沈澱汚泥2000Kg
を図1のフローにしたがって処理したところ、沈降濃縮
により汚泥固形分2%に濃縮されて沈降濃縮汚泥が10
00Kgに減容され、続くろ過濃縮により汚泥固定分が
8.5%まで濃縮されて235Kgのろ過濃縮汚泥が得ら
れた。次に、このろ過濃縮汚泥に硫酸を7.6Kg添加
し、さらに混和してpH3.3に調整した硫酸添加汚泥を
電気浸透脱水したところ、55.5Kgの脱水汚泥と20
7.1Kgのろ液が別々に分離,回収された。そして、こ
のろ液,脱水汚泥についてその性状を調べた結果、ろ液
中のアルミニウム濃度は1.2%(Al2 3 として)であ
り、一方のケーキ化された脱水汚泥はpH3.0,含水率
は55%であった。
【0017】〔実施例2〕図4は本発明の請求項1,3
に対応する実施例のフロー図である。この実施例では、
基本的には実施例1と同様であるが、アルミニウム溶解
性薬品としてアルカリ性の水酸化ナトリウム(NaOH)
を添加した汚泥を電気浸透脱水機に導入してアルミニウ
ム成分を分離回収し、低含水率の脱水汚泥を得るように
したものである。この実施例においては、沈澱汚泥を沈
降濃縮,ろ過濃縮した後に水酸化ナ%リウム貯留槽8か
ら供給した水酸化ナトリウムをアルミニウム溶解性薬品
として添加して汚泥をpH9〜14に調整し、混和機4
により水酸化ナトリウムが汚泥内に均一に分散するよう
に混和して得た水酸化ナトリウム添加汚泥を次段の電気
浸透式脱水機に導入して実施例1と同様に汚泥を脱水処
理してアルミニウム液を分離回収する。
【0018】この電気浸透脱水工程では、図5で示すよ
うに不溶性汚泥粒子の表面はマイナスに帯電し、これに
接する水分はプラスに帯電して陰極板5b側へ移動し、
ろ過部材5cを透過して系外に排出される。ここで、汚
泥に含まれているアルミニウムは水酸化ナトリウムとの
反応により溶解し、アルミン酸としてその大半が汚泥の
含有水とともにろ液として陰極側から回収される。この
場合に、水酸化ナトリウムとアルミニウム反応で生じた
AlO2 - (アルミン酸イオン)には陽極へ引き寄せられ
る力が働くが、その力は電気浸透による液の移動に較べ
て弱く、汚泥の含有水,Na+ イオンとともに陰極側か
ら回収されるようになる。なお、脱水汚泥の残留水には
当初より沈澱汚泥に含まれていたSO4 2-,Cl- などの
濃度が多少増すようになる。しかも、アルミニウム溶解
性薬品としてアルカリ性薬品である水酸化ナトリウムを
用いることにより、電気浸透に伴って陽極側に移動する
陰イオンにより脱水汚泥のpHが低下するのを抑えるの
で、脱水汚泥は中性に近い低含水率となり、その後の埋
め立て処分にも有利である。
【0019】本発明者等は、固形分濃度1.0%,水酸化
アルミニウムの含有量が20%の沈澱汚泥2000Kg
を試料としてテストを行ったところ、次記のような結果
を得た。すなわち、沈降濃縮槽1で沈澱汚泥を濃度2%
の濃縮汚泥1000Kgとし、これをろ過濃縮装置2に
より濃度8.5%まで濃縮して減容化した後、このろ過濃
縮汚泥に水酸化ナトリウムを2.2Kg添加し、さらに混
和機4により混和してpH12.7の水酸化ナトリウム添
加汚泥に調整して電気浸透式脱水機5に導入して脱水を
行ったとところ、200Kgのろ液が回収され、37.5
Kgの脱水汚泥が得られた。また、このろ液,脱水汚泥
についてその性状を調べた結果、ろ液には濃度1.35%
のアルミニウム(Al2 3 として)が含まれており、こ
の値からアルミニウム回収率は90.4%であることが判
った。一方、ケーキ化された脱水汚泥の含水率は57%
であって21.4Kgの残留水を含んでいたが、そのpH
7.3でほぼ中性であることが確認された。
【0020】〔実施例3〕図6は本発明の請求項4に対
応する実施例を示すものであり、この実施例ではアルミ
ニウム溶解性薬品を電気浸透式脱水機5にて、機内に導
入された汚泥に直接供給し、電気浸透作用により汚泥中
に含まれているアルミニウムを溶解し、ろ液として回収
するようにしたものである。
【0021】すなわち、図示のように電気浸透式脱水機
5の陽極板5aを穴開き板としてその上面側に薬品供給
槽5fを設け、ここにアルミニウム溶解性薬品(硫酸,
あるいは水酸化ナトリウム)が収容されている。かかる
構成で、先記実施例と同様に沈降濃縮,ろ過濃縮工程を
経て濃縮したろ過濃縮汚泥を電気浸透式脱水機5に導入
して電極間に直流電圧を印加すると、不溶性汚泥粒子は
マイナスに帯電し、周囲の水分はプラスに帯電して電気
浸透作用により陰極側に引き寄せられ、ろ過部材5cを
透過してろ液として回収される。また、同時に汚泥の不
溶性汚泥粒子間の間隙水に入れ替わるようなかたちで薬
品供給槽5fから陽極板5aに明けた穴5gを通してア
ルミニウム溶解性薬品が汚泥内に浸透し、汚泥中に含ま
れている水酸化アルミニウムを溶解しつつ、含有水とと
も陰極側に移動して排出,回収される。この操作の繰り
返しにより、ろ過濃縮汚泥に含まれているアルミニウム
は殆ど全てろ液として回収することができる。なお、こ
のアルミニウム回収操作が終了した後に、薬品供給槽5
fに通常の水を満たして再び電極間に直流電圧を印加す
れば、電気浸透作用により汚泥中に残存しているアルミ
ニウム溶解性薬品を外部から供給した水と一緒に排出し
て脱水汚泥の薬品残留を低減できる。しかも、この実施
例によれば、実施例1の図1に示した混和機4を省略で
きる。
【0022】なお、この実施例について発明者等は固定
分濃度9%のろ過濃縮汚泥を試料としてテストを行った
ところ、アルミニウム溶解性薬品を濃度10%の硫酸液
として場合に、99%の回収率でアルミニウム液を回収
できた。また、脱水汚泥は含水率が59%,pH3であ
った。 〔実施例4〕図7,図8は本発明の請求項5に対応する
実施例を示すもので、沈澱汚泥を処理する運転当初にろ
過濃縮汚泥に電解質を添加した上で、汚泥を電気浸透式
脱水機5に導入し、電気浸透作用により電解質を電離さ
せてアルミニウム溶解性薬品を系内で生成するようにし
たものである。
【0023】すなわち、図7のように沈澱汚泥を沈降濃
縮,ろ過濃縮したろ過濃縮汚泥に対し、処理運転開始当
初に混和機4へ硫酸ソーダ貯留槽9から電解質として硫
酸ソーダを供給し、ついで汚泥を電気浸透式脱水機5に
導入して電極間に直流電圧を印加する。これにより、硫
酸ソーダが電解作用により電離し、電気浸透作用により
Na+ イオンがろ液として貯留槽6に回収されるととも
に、Na+ イオンと水分とで苛性ソーダが生成される。そ
して、貯留槽6に苛性ソーダが十分に貯えられた状態に
なれば、硫酸ソーダの供給を停止した上で、貯留槽6に
貯えておいた苛性ソーダを返送ポンプ10により混和機
4を通じてろ過濃縮汚泥に供給し、強アルカリ性のアル
ミニウム溶解性薬品として使用する。これにより、実施
例2で述べたと同様に操作で沈澱汚泥に含まれていたア
ルミニウム成分が高い回収率で回収されるようになる。
【0024】図8は、電気浸透式脱水機5に導入した硫
酸ソーダ添加汚泥の電気浸透作用による挙動を表す説明
図であり、硫酸ソーダはNa+ イオンとSO4 2-とに電
離して汚泥の間隙水中に存在しており、電極間の直流電
界によりNa+ イオンは陰極板5bに、SO4 2-は陽極
板5aに移動するとともに、このイオン移動と並行して
陰極板側からは電気浸透作用によりろ液が排出されるの
で、Na+ イオン濃度の高い強アルカリ性の苛性ソーダ
がろ液として回収される。
【0025】したがって、沈澱汚泥の処理に当たって
は、アルミニウム溶解性薬品として硫酸,水酸化ナトリ
ウムなどの高価な劇薬を用意することなく、安価に入手
できる硫酸ソーダを原料にアルミニウム溶解性薬品を系
内で生成することができる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のアルミニウ
ム回収方法によれば、電気浸透式脱水機を使用し、その
電気浸透作用を巧みに利用して沈澱汚泥の脱水と汚泥中
に含まれているアルミニウムの回収を並行して行うよう
にしたので、高濃度のアルミニウム液をろ液として効率
よく脱水機から分離,回収することができる。しかも、
アルミニウム回収後の脱水汚泥は低含水率に脱水ケーキ
されるので、埋め立て処分などに好都合である。
【0027】また、特に請求項4の方法を採用すれば、
アルミニウム溶解性薬品を電気浸透式脱水機にて導入汚
泥中に直接添加,浸透させることができ、脱水機の前段
側に混和機を設置する必要がない。さらに、請求項5の
方法を採用することにより、沈澱汚泥の処理に当たり、
アルミニウム溶解性薬品として硫酸,水酸化ナトリウム
などの高価な劇薬を購入することなく、安価に入手でき
る硫酸ソーダを原料に系内でアルミニウム溶解性薬品を
生成することができて経済的を運転が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に対応するアルミニウム回収
方法の処理工程図
【図2】沈澱汚泥の組成を表す図
【図3】図1の電気浸透式脱水機における電気浸透作用
の説明図
【図4】本発明の実施例2に対応するアルミニウム回収
方法の処理工程図
【図5】図4の電気浸透式脱水機における電気浸透作用
の説明図
【図6】本発明の実施例3に対応するアルミニウム回収
方法を電気浸透式脱水機の構成,および電気浸透作用と
ともに表した説明図
【図7】本発明の実施例4に対応するアルミニウム回収
方法の処理工程図
【図8】図7の電気浸透式脱水機における電気浸透作用
の説明図
【図9】本発明の実施対象となる浄水場における河川,
湖沼水の取水浄化処理工程を表す図
【図10】従来技術による沈澱汚泥のアルミニウム回収
方法の処理工程図
【符号の説明】
1 沈降濃縮槽 2 ろ過濃縮装置 3 硫酸貯留槽 4 混和機 5 電気浸透式脱水機 5a 陽極板 5b 陰極板 5c ろ過部材 5d 加圧装置 5e 直流電源 5f 薬品供給槽 6 回収アルミニウム液貯留槽 7 脱水汚泥置き場 8 水酸化ナトリウム貯留槽 9 硫酸ソーダ(電解質)貯留槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚泥に含まれているアルミニウムを、アル
    ミニウム溶解性薬品を用いて分離回収するアルミニウム
    回収方法において、濃縮工程を経て減容化した汚泥にア
    ルミニウム溶解性薬品を添加した後に、汚泥を電気浸透
    式脱水機に導入してその電極間に直流電圧を印加し、電
    気浸透作用によりアルミニウム液を汚泥の含有水と一緒
    に一方の電極側に集めた上でろ過部材を通して回収する
    ようにしたことを特徴とする汚泥処理におけるアルミニ
    ウム回収方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のアルミニウム回収方法にお
    いて、アルミニウム溶解性薬品が硫酸などの酸性薬品で
    あることを特徴とする汚泥処理におけるアルミニウム回
    収方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のアルミニウム回収方法にお
    いて、アルミニウム溶解性薬品が水酸化ナトリウムなど
    のアルカリ性薬品であることを特徴とする汚泥処理にお
    けるアルミニウム回収方法。
  4. 【請求項4】汚泥に含まれているアルミニウムを、アル
    ミニウム溶解性薬品を用いて分離回収するアルミニウム
    回収方法において、汚泥を電気浸透式脱水機に導入して
    その電極間に直流電圧を印加するとともに、一方の電極
    側からアルミニウム溶解性薬品を汚泥に供給し、電気浸
    透作用により汚泥中に浸透するアルミニウム溶解性薬品
    でアルミニウム成分を溶解させつつ、汚泥の含有水と一
    緒にアルミニウム液を他方の電極側に集めた上でろ過部
    材を通して回収するようにしたことを特徴とする汚泥処
    理おけるアルミニウム回収方法。
  5. 【請求項5】汚泥に含まれているアルミニウムを、アル
    ミニウム溶解性薬品を用いて分離回収するアルミニウム
    回収方法において、当初に汚泥に硫酸ソーダなどの電解
    質を添加した後に、汚泥を電気浸透式脱水機に導入して
    その電極間に直流電圧を印加し、電気浸透作用により電
    離した電解質の成分を汚泥の含有水と一緒にろ液として
    回収するとともに、このろ液をアルミニウム溶解性薬品
    として電気浸透式脱水機へ導入する汚泥に添加するよう
    にしたことを特徴とする汚泥処理におけるアルミニウム
    回収方法。
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