JPH09157754A - オーステナイト系ステンレス冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
オーステナイト系ステンレス冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH09157754A JPH09157754A JP31993495A JP31993495A JPH09157754A JP H09157754 A JPH09157754 A JP H09157754A JP 31993495 A JP31993495 A JP 31993495A JP 31993495 A JP31993495 A JP 31993495A JP H09157754 A JPH09157754 A JP H09157754A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】連続鋳造法によって製造されたオーステナイト
系ステンレス鋼の薄鋳片から、鋳造組織の影響の残留し
ていない健全な金属組織、すなわちを縞状組織が認めら
れず、また、結晶粒が微細な金属組織を備えた冷延鋼板
の製造方法を提供する。 【解決手段】連続鋳造薄鋳片を、1100℃以上で、
かつ下記(1)式を満足する温度T(℃)で加熱する第
1の工程、および 第1の工程に引き続き、圧下率10%以上の冷間圧延
および加熱温度1100〜1200℃の熱処理を2回以
上繰り返す第2の工程を含むオーステナイト系ステンレ
ス冷延鋼板の製造方法。 (1132−3.5×t)≦T≦1250 (1) ここで、t:温度T(℃)における加熱時間(時間)
系ステンレス鋼の薄鋳片から、鋳造組織の影響の残留し
ていない健全な金属組織、すなわちを縞状組織が認めら
れず、また、結晶粒が微細な金属組織を備えた冷延鋼板
の製造方法を提供する。 【解決手段】連続鋳造薄鋳片を、1100℃以上で、
かつ下記(1)式を満足する温度T(℃)で加熱する第
1の工程、および 第1の工程に引き続き、圧下率10%以上の冷間圧延
および加熱温度1100〜1200℃の熱処理を2回以
上繰り返す第2の工程を含むオーステナイト系ステンレ
ス冷延鋼板の製造方法。 (1132−3.5×t)≦T≦1250 (1) ここで、t:温度T(℃)における加熱時間(時間)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造法によっ
て製造されたオーステナイト系ステンレス鋼の薄鋳片か
ら、機械的性質、耐孔食性などの諸特性の良好なオース
テナイト系ステンレス冷延鋼板を製造する方法に関す
る。
て製造されたオーステナイト系ステンレス鋼の薄鋳片か
ら、機械的性質、耐孔食性などの諸特性の良好なオース
テナイト系ステンレス冷延鋼板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、SUS304等のオーステナイト
系ステンレス鋼の冷延鋼板は、溶鋼を厚さ100〜25
0mmの連続鋳造鋳片(厚鋳片)に鋳造し、この鋳片を
熱間圧延して、熱延鋼板とした後、冷間圧延と焼鈍処理
を1ないし数回繰り返すことによって製造されている。
熱間圧延後および焼鈍処理後には、必要に応じて酸洗な
どによる洗浄が施される。この従来の製造方法の場合に
は、厚さ200mm前後の厚鋳片から厚さ1mmまたは
それ以下の冷延鋼板まで圧延されるので、その間の加工
度(圧下率)が大きい。そのため、冷延鋼板には鋳造状
態の鋳片に存在する組織あるいは特性はほとんど残って
おらず、品質としては一般的な使用には十分耐える冷延
鋼板が製造されている。
系ステンレス鋼の冷延鋼板は、溶鋼を厚さ100〜25
0mmの連続鋳造鋳片(厚鋳片)に鋳造し、この鋳片を
熱間圧延して、熱延鋼板とした後、冷間圧延と焼鈍処理
を1ないし数回繰り返すことによって製造されている。
熱間圧延後および焼鈍処理後には、必要に応じて酸洗な
どによる洗浄が施される。この従来の製造方法の場合に
は、厚さ200mm前後の厚鋳片から厚さ1mmまたは
それ以下の冷延鋼板まで圧延されるので、その間の加工
度(圧下率)が大きい。そのため、冷延鋼板には鋳造状
態の鋳片に存在する組織あるいは特性はほとんど残って
おらず、品質としては一般的な使用には十分耐える冷延
鋼板が製造されている。
【0003】これに対し、近年、製造コストの低減を目
的として、連続鋳造法によって厚さ1〜5mm程度の薄
鋳片を製造し、熱間圧延を省略して冷間圧延を行う方法
によって、厚さ1mmまたはそれ以下の冷延鋼板を製造
する技術の開発が進められてきた。このような連続鋳造
薄鋳片から、オーステナイト系ステンレス冷延鋼板を製
造する方法については、厚鋳片から冷延鋼板を製造する
場合に比べて圧下率が小さい。そのために、製品の冷延
鋼板においても、薄鋳片の鋳造組織等の影響が残り、品
質上問題になることがある。その解決策としていくつか
の方策が講じられている。
的として、連続鋳造法によって厚さ1〜5mm程度の薄
鋳片を製造し、熱間圧延を省略して冷間圧延を行う方法
によって、厚さ1mmまたはそれ以下の冷延鋼板を製造
する技術の開発が進められてきた。このような連続鋳造
薄鋳片から、オーステナイト系ステンレス冷延鋼板を製
造する方法については、厚鋳片から冷延鋼板を製造する
場合に比べて圧下率が小さい。そのために、製品の冷延
鋼板においても、薄鋳片の鋳造組織等の影響が残り、品
質上問題になることがある。その解決策としていくつか
の方策が講じられている。
【0004】特開平3−254336号公報には、表面
性状の良好なオーステナイト系ステンレス鋼板を製造す
ることを目的として、双ロール式連続鋳造法により各ロ
ールの表面に薄い凝固シェルを形成させ、2枚の凝固シ
ェルを圧着することにより薄鋳片を連続的に製造し、こ
の薄鋳片を1050〜1150℃で溶体化処理した後、
冷間圧延−中間焼鈍−冷間圧延−仕上焼鈍を施す工程に
より冷延鋼板を製造する方法が開示されている。この方
法によれば、鋳造時の粗大な結晶粒が消失し、微細な結
晶粒が得られるために、表面肌あれのない表面性状のよ
い冷延鋼板が製造できるとされている。
性状の良好なオーステナイト系ステンレス鋼板を製造す
ることを目的として、双ロール式連続鋳造法により各ロ
ールの表面に薄い凝固シェルを形成させ、2枚の凝固シ
ェルを圧着することにより薄鋳片を連続的に製造し、こ
の薄鋳片を1050〜1150℃で溶体化処理した後、
冷間圧延−中間焼鈍−冷間圧延−仕上焼鈍を施す工程に
より冷延鋼板を製造する方法が開示されている。この方
法によれば、鋳造時の粗大な結晶粒が消失し、微細な結
晶粒が得られるために、表面肌あれのない表面性状のよ
い冷延鋼板が製造できるとされている。
【0005】この他、薄鋳片から異方性のない冷延鋼板
を製造する方法(例えば、特公平4−24413号公
報)なども検討されている。しかし、連続鋳造薄鋳片か
ら冷延鋼板を製造する場合には、冷延鋼板に鋳造組織の
影響が残りやすい。例えば、連続鋳造薄鋳片を1050
℃に加熱した後冷間圧延し、冷延鋼板を製造した場合
と、従来の連続鋳造鋳片(厚鋳片)から、加熱、熱間圧
延、冷間圧延、焼鈍の工程によって冷延鋼板を製造した
場合について、冷延鋼板の金属組織を比較すると、次の
ような相違点がある。すなわち、薄鋳片から製造した冷
延鋼板では、厚鋳片から製造した冷延鋼板にはない縞状
組織が認められ、また、結晶粒も粗大な傾向がある。こ
の縞状組織および粗大な結晶粒の2点が、鋳造組織の影
響が消失していない証拠と考えられている。
を製造する方法(例えば、特公平4−24413号公
報)なども検討されている。しかし、連続鋳造薄鋳片か
ら冷延鋼板を製造する場合には、冷延鋼板に鋳造組織の
影響が残りやすい。例えば、連続鋳造薄鋳片を1050
℃に加熱した後冷間圧延し、冷延鋼板を製造した場合
と、従来の連続鋳造鋳片(厚鋳片)から、加熱、熱間圧
延、冷間圧延、焼鈍の工程によって冷延鋼板を製造した
場合について、冷延鋼板の金属組織を比較すると、次の
ような相違点がある。すなわち、薄鋳片から製造した冷
延鋼板では、厚鋳片から製造した冷延鋼板にはない縞状
組織が認められ、また、結晶粒も粗大な傾向がある。こ
の縞状組織および粗大な結晶粒の2点が、鋳造組織の影
響が消失していない証拠と考えられている。
【0006】上述のように、薄鋳片から冷延鋼板を製造
する方法については、いくつかの技術的な改善がなされ
ているにもかかわらず、従来の厚鋳片から製造された冷
延鋼板のような健全な金属組織が得られていないのが実
状である。したがって、薄鋳片から製造された冷延鋼板
については、金属組織が健全とはいえないため、一般的
な機械的性質が必ずしも十分とは言えず、また、耐孔食
性が問題になることがある。そのために、少なくとも従
来の連続鋳造鋳片(厚鋳片)から熱間圧延を含む工程で
製造された冷延鋼板と同程度の金属組織と性質を有する
冷延鋼板が要求されている。
する方法については、いくつかの技術的な改善がなされ
ているにもかかわらず、従来の厚鋳片から製造された冷
延鋼板のような健全な金属組織が得られていないのが実
状である。したがって、薄鋳片から製造された冷延鋼板
については、金属組織が健全とはいえないため、一般的
な機械的性質が必ずしも十分とは言えず、また、耐孔食
性が問題になることがある。そのために、少なくとも従
来の連続鋳造鋳片(厚鋳片)から熱間圧延を含む工程で
製造された冷延鋼板と同程度の金属組織と性質を有する
冷延鋼板が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたものであって、連続鋳造法によ
って製造されたオーステナイト系ステンレス鋼の薄鋳片
から、良好な性質を備えた冷延鋼板、すなわち、縞状組
織が認められず、また、結晶粒が微細な金属組織を有す
る冷延鋼板、言い替えれば鋳造組織の影響が残っていな
い健全な金属組織を備えた冷延鋼板の製造方法を提供す
ることを目的とする。
解決するためになされたものであって、連続鋳造法によ
って製造されたオーステナイト系ステンレス鋼の薄鋳片
から、良好な性質を備えた冷延鋼板、すなわち、縞状組
織が認められず、また、結晶粒が微細な金属組織を有す
る冷延鋼板、言い替えれば鋳造組織の影響が残っていな
い健全な金属組織を備えた冷延鋼板の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、オーステナイト系ステンレス鋼の
連続鋳造薄鋳片から製造された冷延鋼板に認められる縞
状組織の成因および縞状組織の残留防止対策ならびに結
晶粒の微細化対策について、研究開発を行った。その結
果、次のような知見を得た。
題を解決するために、オーステナイト系ステンレス鋼の
連続鋳造薄鋳片から製造された冷延鋼板に認められる縞
状組織の成因および縞状組織の残留防止対策ならびに結
晶粒の微細化対策について、研究開発を行った。その結
果、次のような知見を得た。
【0009】(縞状組織の成因)薄鋳片の鋳造組織すな
わち樹枝状晶とその樹間で構成される組織では、樹間
に、Ni、Cr、Feなどが偏析しており、その偏析
が、その後の冷間圧延と熱処理では解消されずに冷延鋼
板に残留する。これが縞状組織の原因になる。
わち樹枝状晶とその樹間で構成される組織では、樹間
に、Ni、Cr、Feなどが偏析しており、その偏析
が、その後の冷間圧延と熱処理では解消されずに冷延鋼
板に残留する。これが縞状組織の原因になる。
【0010】(縞状組織の残留防止および結晶粒の微細
化対策)下記およびを組み合わせた処理によって解
決できる。
化対策)下記およびを組み合わせた処理によって解
決できる。
【0011】 冷間圧延前の薄鋳片に対して、適正な
条件で合金成分の偏析の軽減処理を施す。
条件で合金成分の偏析の軽減処理を施す。
【0012】 に続き、再結晶を起こさせることお
よび偏析を完全に解消させることに必要な冷間圧延と熱
処理を複数回施す。
よび偏析を完全に解消させることに必要な冷間圧延と熱
処理を複数回施す。
【0013】本発明は、上記の知見を基になされたもの
であって、「オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造
薄鋳片から冷延鋼板を製造する方法において、 連続鋳造薄鋳片を、1100℃以上で、かつ下記
(1)式を満足する温度T(℃)で加熱する第1の工
程、および 第1の工程に引き続き、圧下率10%以上の冷間圧延
および加熱温度1100〜1200℃の熱処理を2回以
上繰り返す第2の工程を含むオーステナイト系ステンレ
ス冷延鋼板の製造方法。
であって、「オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造
薄鋳片から冷延鋼板を製造する方法において、 連続鋳造薄鋳片を、1100℃以上で、かつ下記
(1)式を満足する温度T(℃)で加熱する第1の工
程、および 第1の工程に引き続き、圧下率10%以上の冷間圧延
および加熱温度1100〜1200℃の熱処理を2回以
上繰り返す第2の工程を含むオーステナイト系ステンレ
ス冷延鋼板の製造方法。
【0014】 (1132−3.5×t)≦T≦1250 (1) ここで、t:温度T(℃)における加熱時間(時間)」
を要旨とする。
を要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】上記(第1の工程)および
(第2の工程)の条件および本発明の実施態様につい
て、以下具体的に説明する。なお、下記の試験、調査で
用いた供試材(薄鋳片)の製造方法および化学組成は次
のとおりである。
(第2の工程)の条件および本発明の実施態様につい
て、以下具体的に説明する。なお、下記の試験、調査で
用いた供試材(薄鋳片)の製造方法および化学組成は次
のとおりである。
【0016】薄鋳片(供試材)は、高周波誘導溶解炉で
溶解し、JIS SUS304の化学組成に調整された
溶鋼を、双ロール横注ぎ法で鋳造する方法によって製造
した。供試材の大きさは、厚さ1.4mm、幅300m
mのコイルである。
溶解し、JIS SUS304の化学組成に調整された
溶鋼を、双ロール横注ぎ法で鋳造する方法によって製造
した。供試材の大きさは、厚さ1.4mm、幅300m
mのコイルである。
【0017】表1に、供試材の化学組成を示す。
【0018】
【表1】
【0019】 第1の工程(薄鋳片の加熱処理) もっとも適正な条件を求めるために、次の試験を行っ
た。
た。
【0020】供試材から、厚さ1.4mm、幅150m
m、長さ250mmの試験片を切り出し、各試験片に対
して、大気雰囲気中で、温度900℃〜1200℃、保
持時間0.5〜20時間の条件で加熱処理を施した。加
熱処理後の各試験片について、光学顕微鏡による断面の
組織観察を行った。観察においては、鋳造組織(樹枝状
晶)が観察されるか否かを調査した。なお、本観察は、
合金成分の偏析の軽減度合いを調査したものであり、樹
枝状晶が観察されない場合でも、偏析が完全に解消され
ているとは限らない。
m、長さ250mmの試験片を切り出し、各試験片に対
して、大気雰囲気中で、温度900℃〜1200℃、保
持時間0.5〜20時間の条件で加熱処理を施した。加
熱処理後の各試験片について、光学顕微鏡による断面の
組織観察を行った。観察においては、鋳造組織(樹枝状
晶)が観察されるか否かを調査した。なお、本観察は、
合金成分の偏析の軽減度合いを調査したものであり、樹
枝状晶が観察されない場合でも、偏析が完全に解消され
ているとは限らない。
【0021】図1に、鋳造組織の観察結果について、
○:観察されず、△:多少残留、×:顕著に残留の3段
階に区分して評価した結果を示した。図1から、光学顕
微鏡的には、鋳造組織は、加熱時間が10時間以上と長
い場合には、1100℃以上の温度で観察されないよう
になり、1150℃以上では加熱時間が短時間の場合で
も、観察されないことが分かった。上記の試験結果か
ら、合金成分の偏析を極力軽減するための薄鋳片の加熱
条件の下限は、加熱時間が10時間未満の場合は110
0℃、加熱時間が10時間以上の場合は加熱温度と加熱
時間によって定まり、下記の条件を満足する必要がある
と言える。
○:観察されず、△:多少残留、×:顕著に残留の3段
階に区分して評価した結果を示した。図1から、光学顕
微鏡的には、鋳造組織は、加熱時間が10時間以上と長
い場合には、1100℃以上の温度で観察されないよう
になり、1150℃以上では加熱時間が短時間の場合で
も、観察されないことが分かった。上記の試験結果か
ら、合金成分の偏析を極力軽減するための薄鋳片の加熱
条件の下限は、加熱時間が10時間未満の場合は110
0℃、加熱時間が10時間以上の場合は加熱温度と加熱
時間によって定まり、下記の条件を満足する必要がある
と言える。
【0022】T≧(1132−3.5×t) ここで、t:温度T(℃)における加熱時間(時間) 加熱温度の上限は、1250℃程度が望ましい。125
0℃を超えると、偏析の軽減度合いは高まるが、薄鋳片
の表面の酸化が過剰に進行するので歩留まりの低下が起
こる。また、加熱能力の大きなバーナーを必要とし、炉
の耐火物についても高温に耐える耐火物が必要となるの
で、設備的、コスト的に好ましくない。
0℃を超えると、偏析の軽減度合いは高まるが、薄鋳片
の表面の酸化が過剰に進行するので歩留まりの低下が起
こる。また、加熱能力の大きなバーナーを必要とし、炉
の耐火物についても高温に耐える耐火物が必要となるの
で、設備的、コスト的に好ましくない。
【0023】したがって、本発明の第1の工程である工
業的な製造に適した薄鋳片の加熱温度は、1100℃以
上で、かつ、下記(1)式から求められる温度が望まし
い。
業的な製造に適した薄鋳片の加熱温度は、1100℃以
上で、かつ、下記(1)式から求められる温度が望まし
い。
【0024】 (1132−3.5×t)≦T≦1250 (1) 上記の加熱処理によって、薄鋳片の樹枝状晶の樹間の偏
析は軽減され、次の第2の工程との組み合わせによる処
理によって、完全に解消させることができる。
析は軽減され、次の第2の工程との組み合わせによる処
理によって、完全に解消させることができる。
【0025】上記の試験では、厚さ1.4mmの試験片
を用いた。薄鋳片としては、5mm程度のものもある
が、加熱温度の下限については、他の試験によって、
(1)式を満たせばよいことを確認した。
を用いた。薄鋳片としては、5mm程度のものもある
が、加熱温度の下限については、他の試験によって、
(1)式を満たせばよいことを確認した。
【0026】 第2の工程(薄鋳片の冷間圧延および
熱処理) 第2の工程に適した薄鋳片の冷間圧延と熱処理の条件を
把握するために、次の試験を行った。
熱処理) 第2の工程に適した薄鋳片の冷間圧延と熱処理の条件を
把握するために、次の試験を行った。
【0027】供試材から採取した試験片(厚さ1.4m
m、幅150mm、長さ250mm)に対して、まず、
大気雰囲気中で、温度1150℃に0.5時間、加熱処
理(第1の工程)を施した。この条件は、前述の試験で
確認した本発明の第1工程の範囲内の加熱処理条件であ
る。次に、加熱の際に試験片の表面に生じた酸化スケー
ルを、弗酸と硝酸の混酸(弗酸3重量%、硝酸6重量
%)を用いた酸洗によって除去した。その後、ワークロ
ール直径150mmの4段冷間圧延機によって、圧下率1
0〜80%の範囲で試験片を1回圧延した。さらに、こ
の試験片に対して、大気雰囲気中で900〜1200℃
の各温度に1分間保持する熱処理を施した。以上の処理
を行った試験片について、光学顕微鏡による断面の金属
組織観察および電子線プローブマイクロアナライザー
(EPMA)による合金成分の偏析調査を行った。光学
顕微鏡による観察では、鋳造組織の残留(縞状組織)の
有無を調べた。また、EPMAによる偏析調査では、元
素としてはNiを選び、分析については線分析を行うこ
とによって、偏析の程度を評価した。なお、EPMAに
よる偏析調査の際には、比較のために、従来の厚鋳片を
基に、熱間圧延を含む工程で製造された冷延鋼板(材
質:JIS SUS304)についての調査も行った。
調査結果については、表2に示す3段階に区分して評価
した。
m、幅150mm、長さ250mm)に対して、まず、
大気雰囲気中で、温度1150℃に0.5時間、加熱処
理(第1の工程)を施した。この条件は、前述の試験で
確認した本発明の第1工程の範囲内の加熱処理条件であ
る。次に、加熱の際に試験片の表面に生じた酸化スケー
ルを、弗酸と硝酸の混酸(弗酸3重量%、硝酸6重量
%)を用いた酸洗によって除去した。その後、ワークロ
ール直径150mmの4段冷間圧延機によって、圧下率1
0〜80%の範囲で試験片を1回圧延した。さらに、こ
の試験片に対して、大気雰囲気中で900〜1200℃
の各温度に1分間保持する熱処理を施した。以上の処理
を行った試験片について、光学顕微鏡による断面の金属
組織観察および電子線プローブマイクロアナライザー
(EPMA)による合金成分の偏析調査を行った。光学
顕微鏡による観察では、鋳造組織の残留(縞状組織)の
有無を調べた。また、EPMAによる偏析調査では、元
素としてはNiを選び、分析については線分析を行うこ
とによって、偏析の程度を評価した。なお、EPMAに
よる偏析調査の際には、比較のために、従来の厚鋳片を
基に、熱間圧延を含む工程で製造された冷延鋼板(材
質:JIS SUS304)についての調査も行った。
調査結果については、表2に示す3段階に区分して評価
した。
【0028】
【表2】
【0029】図2に、調査結果をまとめて示した。
【0030】図2から明らかなように、1回の冷間圧延
と熱処理では、試験片には鋳造組織に起因する縞状組織
が観察され、合金成分の偏析も消失していない。冷間圧
延の圧下率80%、加熱温度1200℃の条件での熱処
理によってさえ、表2の○に相当する健全な金属組織を
持った冷延鋼板は得られないことが分かった。
と熱処理では、試験片には鋳造組織に起因する縞状組織
が観察され、合金成分の偏析も消失していない。冷間圧
延の圧下率80%、加熱温度1200℃の条件での熱処
理によってさえ、表2の○に相当する健全な金属組織を
持った冷延鋼板は得られないことが分かった。
【0031】次に、冷間圧延とその後の熱処理を2回施
す試験を行った。冷間圧延前の試験片の加熱処理および
酸洗は、上記の試験と同様である。この試験片に対し
て、冷間圧延→熱処理→冷間圧延→熱処理の順で、圧下
および加熱処理を施した。冷間圧延は上記の試験と同じ
圧延機によった。また、1回目および2回目の冷間圧延
での総圧下率は、10〜80%とした。冷間圧延後の熱
処理条件は、1回目および2回目の冷間圧延後とも、大
気雰囲気中、温度900〜1200℃(同一試験片に対
しては1回目、2回目とも同一温度)、保持時間1分と
した。上記処理後の試験片については、光学顕微鏡によ
る断面の金属組織観察およびEPMAによる合金成分の
偏析調査を行った。また、結果については、前記試験と
同様な評価(表2の3段階区分)を行った。
す試験を行った。冷間圧延前の試験片の加熱処理および
酸洗は、上記の試験と同様である。この試験片に対し
て、冷間圧延→熱処理→冷間圧延→熱処理の順で、圧下
および加熱処理を施した。冷間圧延は上記の試験と同じ
圧延機によった。また、1回目および2回目の冷間圧延
での総圧下率は、10〜80%とした。冷間圧延後の熱
処理条件は、1回目および2回目の冷間圧延後とも、大
気雰囲気中、温度900〜1200℃(同一試験片に対
しては1回目、2回目とも同一温度)、保持時間1分と
した。上記処理後の試験片については、光学顕微鏡によ
る断面の金属組織観察およびEPMAによる合金成分の
偏析調査を行った。また、結果については、前記試験と
同様な評価(表2の3段階区分)を行った。
【0032】図3に、横軸に総圧下率、縦軸に熱処理温
度をとり、金属組織観察結果を整理して示した。
度をとり、金属組織観察結果を整理して示した。
【0033】図3から明らかなように、冷間圧延と熱処
理を2回繰り返した場合には、総圧下率19%以上(1
回の圧下率10%以上)、熱処理温度1100℃以上の
条件で、合金成分の偏析がなく、鋳造組織の残留(縞状
組織)もない健全な金属組織を備えた冷延鋼板が得られ
た。すなわち、従来の連続鋳造厚鋳片を基にして、熱間
圧延を含む工程で製造される冷延鋼板と同等の金属組
織、ひいては同等の品質の冷延鋼板を得ることができる
ことが確認された。
理を2回繰り返した場合には、総圧下率19%以上(1
回の圧下率10%以上)、熱処理温度1100℃以上の
条件で、合金成分の偏析がなく、鋳造組織の残留(縞状
組織)もない健全な金属組織を備えた冷延鋼板が得られ
た。すなわち、従来の連続鋳造厚鋳片を基にして、熱間
圧延を含む工程で製造される冷延鋼板と同等の金属組
織、ひいては同等の品質の冷延鋼板を得ることができる
ことが確認された。
【0034】本発明では、上記の冷間圧延と熱処理を少
なくとも2回行う処理を第2の工程とした。第2の工程
で必要な条件は、上記の結果から明かなように、冷間圧
延1回当たりの圧下率は10%以上、冷間圧延後の熱処
理温度は1100℃以上である。1回当たり圧下率は1
0%以上とする必要があるので、第2の工程における総
圧下率(第2の工程前後の厚さの差/第2の工程前の厚
さ×100)としては19%を必要とすることになる。
1回当たりの圧下率および総圧下率の上限は、特に制限
しないが、薄鋳片の厚さは1〜5mm程度であり、製品
の冷延鋼板の厚さは0.1〜1mm程度であるので、こ
の条件によって自ずと制限される。ここで、加熱温度の
上限は、1250℃とすることが望ましい。その理由
は、第1の工程での加熱処理における望ましい上限温度
1250℃の選定理由と同様である。
なくとも2回行う処理を第2の工程とした。第2の工程
で必要な条件は、上記の結果から明かなように、冷間圧
延1回当たりの圧下率は10%以上、冷間圧延後の熱処
理温度は1100℃以上である。1回当たり圧下率は1
0%以上とする必要があるので、第2の工程における総
圧下率(第2の工程前後の厚さの差/第2の工程前の厚
さ×100)としては19%を必要とすることになる。
1回当たりの圧下率および総圧下率の上限は、特に制限
しないが、薄鋳片の厚さは1〜5mm程度であり、製品
の冷延鋼板の厚さは0.1〜1mm程度であるので、こ
の条件によって自ずと制限される。ここで、加熱温度の
上限は、1250℃とすることが望ましい。その理由
は、第1の工程での加熱処理における望ましい上限温度
1250℃の選定理由と同様である。
【0035】第2の工程における冷間圧延と熱処理の繰
り返し回数は多い方が望ましいが、製造コストあるいは
生産性の観点からは、極力少ない繰り返し回数(2回)
の方がよい。そのためには、繰り返し2回で目標の特性
の製品を得ることができるような、適正な冷間圧延条件
と熱処理条件を選択する必要がある。また、第2の工程
における熱処理の際の保持時間は、上記実施例では1分
間とした。この工程の熱処理は、再結晶による結晶粒の
微細化を主目的としているので、短時間の加熱でその効
果を得ることができる。ただし、第2の工程において
も、合金成分の偏析を解消させることが必要であるの
で、必要に応じて保持時間を長くするのが効果的であ
る。
り返し回数は多い方が望ましいが、製造コストあるいは
生産性の観点からは、極力少ない繰り返し回数(2回)
の方がよい。そのためには、繰り返し2回で目標の特性
の製品を得ることができるような、適正な冷間圧延条件
と熱処理条件を選択する必要がある。また、第2の工程
における熱処理の際の保持時間は、上記実施例では1分
間とした。この工程の熱処理は、再結晶による結晶粒の
微細化を主目的としているので、短時間の加熱でその効
果を得ることができる。ただし、第2の工程において
も、合金成分の偏析を解消させることが必要であるの
で、必要に応じて保持時間を長くするのが効果的であ
る。
【0036】上記の試験では、第1の工程および第2の
工程ともに、オーステナイト系ステンレス鋼の材質とし
て、SUS304を対象に調査を行った。オーステナイ
ト系ステンレス鋼の中でも、材質により化学組成にある
程度の幅がある。しかし、本発明の方法の条件は、基本
的には、オーステナイト相中のNi、Cr等の偏析を解
消することを目的としているので、ほとんどのオーステ
ナイト系ステンレス鋼に適用可能である。
工程ともに、オーステナイト系ステンレス鋼の材質とし
て、SUS304を対象に調査を行った。オーステナイ
ト系ステンレス鋼の中でも、材質により化学組成にある
程度の幅がある。しかし、本発明の方法の条件は、基本
的には、オーステナイト相中のNi、Cr等の偏析を解
消することを目的としているので、ほとんどのオーステ
ナイト系ステンレス鋼に適用可能である。
【0037】
【実施例】高周波誘導溶解炉で溶解し、JIS G 4
305 SUS304の化学組成に調整された溶鋼を双
ロール横注ぎ法で鋳造し、薄鋳片を製造した。薄鋳片の
大きさは、厚さ1.4mm、幅300mmのコイルであ
る。この薄鋳片を本発明例および比較例の供試材として
用いた。また、従来例として、通常の連続鋳造法による
厚鋳片(厚さ150mm)から、熱間圧延を含む工程で
製造された冷延鋼板(厚さ0.5mm)を従来例の供試
材として使用した。
305 SUS304の化学組成に調整された溶鋼を双
ロール横注ぎ法で鋳造し、薄鋳片を製造した。薄鋳片の
大きさは、厚さ1.4mm、幅300mmのコイルであ
る。この薄鋳片を本発明例および比較例の供試材として
用いた。また、従来例として、通常の連続鋳造法による
厚鋳片(厚さ150mm)から、熱間圧延を含む工程で
製造された冷延鋼板(厚さ0.5mm)を従来例の供試
材として使用した。
【0038】表3に、本発明例および比較例の供試材の
化学組成ならびに従来例の冷延鋼板の化学組成を示し
た。
化学組成ならびに従来例の冷延鋼板の化学組成を示し
た。
【0039】
【表3】
【0040】本発明例については、薄鋳片から、厚さ
1.4mm、幅150mm、長さ250mmの試験片を
切り出し、大気雰囲気中で、温度1150℃、保持時間
0.5時間の条件で加熱処理を施した(第1の工程)。
次に、加熱の際に試験片の表面に生じた酸化スケール
を、弗酸と硝酸の混酸(弗酸3重量%、硝酸6重量%)
を用いた酸洗によって除去した。さらに、ワークロール
直径150mmの4段冷間圧延機によって、総圧下率61
%(1回目45%、2回目30%)、熱処理温度115
0℃(1回目、2回目とも同じ温度)で1分間保持の条
件で、冷間圧延と熱処理を2回繰り返した(第2の工
程)。熱処理後の試験片に対しては、弗酸と硝酸の混酸
(弗酸3重量%、硝酸6重量%)によって酸洗し、試験
片の表面を清浄化した。
1.4mm、幅150mm、長さ250mmの試験片を
切り出し、大気雰囲気中で、温度1150℃、保持時間
0.5時間の条件で加熱処理を施した(第1の工程)。
次に、加熱の際に試験片の表面に生じた酸化スケール
を、弗酸と硝酸の混酸(弗酸3重量%、硝酸6重量%)
を用いた酸洗によって除去した。さらに、ワークロール
直径150mmの4段冷間圧延機によって、総圧下率61
%(1回目45%、2回目30%)、熱処理温度115
0℃(1回目、2回目とも同じ温度)で1分間保持の条
件で、冷間圧延と熱処理を2回繰り返した(第2の工
程)。熱処理後の試験片に対しては、弗酸と硝酸の混酸
(弗酸3重量%、硝酸6重量%)によって酸洗し、試験
片の表面を清浄化した。
【0041】比較例については、本発明例の第2の工程
を1回の冷間圧延(圧下率45%)と1回の熱処理(1
150℃で1分間保持)だけとした。
を1回の冷間圧延(圧下率45%)と1回の熱処理(1
150℃で1分間保持)だけとした。
【0042】これらの試験片について、合金成分の偏
析、金属組織および耐孔食性について調査した。
析、金属組織および耐孔食性について調査した。
【0043】合金成分の偏析については、EPMAによ
ってNiの線分析を行うことによって評価した。また、
耐孔食性については、試験溶液を0.1モル塩化ナトリ
ウム溶液(温度 60℃)とした以外は、JIS G
0577の規定に従った試験によって、孔食電位
(VC '10 、VC '100)を測定することによって評価し
た。
ってNiの線分析を行うことによって評価した。また、
耐孔食性については、試験溶液を0.1モル塩化ナトリ
ウム溶液(温度 60℃)とした以外は、JIS G
0577の規定に従った試験によって、孔食電位
(VC '10 、VC '100)を測定することによって評価し
た。
【0044】図4に、EPMAによるNiの線分析結果
を示した。(a)の本発明例については、Niに偏析が
ほとんど認められない。したがって、本発明の条件で製
造された冷延鋼板については、合金成分の偏析がほとん
どなく、(c)の従来の厚鋳片から製造された冷延鋼板
並みであることが確認された。これに対して、(b)に
示す本発明の条件の範囲外で製造された比較例について
は、位置によるNi含有率の変動が大きく、偏析が十分
に軽減されていないことが裏付けられた。
を示した。(a)の本発明例については、Niに偏析が
ほとんど認められない。したがって、本発明の条件で製
造された冷延鋼板については、合金成分の偏析がほとん
どなく、(c)の従来の厚鋳片から製造された冷延鋼板
並みであることが確認された。これに対して、(b)に
示す本発明の条件の範囲外で製造された比較例について
は、位置によるNi含有率の変動が大きく、偏析が十分
に軽減されていないことが裏付けられた。
【0045】図5に、上記の合金成分の偏析調査(EP
MA線分析)を行った試験片について、光学顕微鏡によ
り金属組織を観察した結果を示した。(a)の本発明例
については、鋳造組織の残留に起因する縞状組織が認め
られず、(c)の従来の厚鋳片から製造された冷延鋼板
並みの金属組織が得られていることが分かる。一方、比
較例については、(b)に示した金属組織から明かなよ
うに、縞状組織が認められ、鋳造組織の影響が解消され
ていない。
MA線分析)を行った試験片について、光学顕微鏡によ
り金属組織を観察した結果を示した。(a)の本発明例
については、鋳造組織の残留に起因する縞状組織が認め
られず、(c)の従来の厚鋳片から製造された冷延鋼板
並みの金属組織が得られていることが分かる。一方、比
較例については、(b)に示した金属組織から明かなよ
うに、縞状組織が認められ、鋳造組織の影響が解消され
ていない。
【0046】表4に、耐孔食性試験における孔食電位の
測定結果を示す。
測定結果を示す。
【0047】
【表4】
【0048】表4から明かなように、本発明例について
は、従来例と同等の孔食電位となっており、耐孔食性に
ついては十分に改善されている。一方、比較例について
は、孔食電位が低く、耐孔食性に問題があることが確認
された。その原因としては、上記の合金成分の偏析調査
結果、あるいは前記の金属組織の調査結果からも推定さ
れるように、合金成分の偏析の解消、金属組織の微細化
等が不十分で、鋳造組織の影響が冷延鋼板にも残ってい
るためである。
は、従来例と同等の孔食電位となっており、耐孔食性に
ついては十分に改善されている。一方、比較例について
は、孔食電位が低く、耐孔食性に問題があることが確認
された。その原因としては、上記の合金成分の偏析調査
結果、あるいは前記の金属組織の調査結果からも推定さ
れるように、合金成分の偏析の解消、金属組織の微細化
等が不十分で、鋳造組織の影響が冷延鋼板にも残ってい
るためである。
【0049】このように、本発明の方法で製造された冷
延鋼板については、本発明の目標とする健全な金属組織
が得られ、合金成分の偏析もないので、もっとも問題で
あった耐孔食性についても、良好であることが確認され
た。
延鋼板については、本発明の目標とする健全な金属組織
が得られ、合金成分の偏析もないので、もっとも問題で
あった耐孔食性についても、良好であることが確認され
た。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法、すなわち、連続鋳造され
た薄鋳片に対して、加熱処理(第1の工程)と、冷間圧
延および熱処理を2回以上繰り返す処理(第2の工程)
を施す方法で製造されるオーステナイト系ステンレス冷
延鋼板には、縞状組織、合金成分の偏析等、鋳造組織の
残留に起因する欠陥がない健全な金属組織を備えた製品
が得られるので、一般的な機械的性質、加工性・成形
性、耐孔食性をはじめとする耐食性等、従来の連続鋳造
鋳片(厚鋳片)を基に、熱間圧延を含む工程で製造され
た冷延鋼板に匹敵する特性を備えた製品が得られる。
た薄鋳片に対して、加熱処理(第1の工程)と、冷間圧
延および熱処理を2回以上繰り返す処理(第2の工程)
を施す方法で製造されるオーステナイト系ステンレス冷
延鋼板には、縞状組織、合金成分の偏析等、鋳造組織の
残留に起因する欠陥がない健全な金属組織を備えた製品
が得られるので、一般的な機械的性質、加工性・成形
性、耐孔食性をはじめとする耐食性等、従来の連続鋳造
鋳片(厚鋳片)を基に、熱間圧延を含む工程で製造され
た冷延鋼板に匹敵する特性を備えた製品が得られる。
【0051】上記のように、本発明の方法によれば、熱
間圧延を行うことなく、品質に問題のない冷延鋼板を製
造することができる。したがって、低コストでオーステ
ナイト系ステンレス冷延鋼板を製造することが可能とな
り、産業上多大の効果を奏する。
間圧延を行うことなく、品質に問題のない冷延鋼板を製
造することができる。したがって、低コストでオーステ
ナイト系ステンレス冷延鋼板を製造することが可能とな
り、産業上多大の効果を奏する。
【図1】図1は、薄鋳片の加熱時間と加熱温度と加熱処
理後の断面の金属組織との関係を示す図である。
理後の断面の金属組織との関係を示す図である。
【図2】図2は、1150℃で0.5時間加熱処理した
試験片に対して、冷間圧延と熱処理を1回施した場合の
圧下率と熱処理温度と試験片断面の金属組織ならびに合
金成分の偏析との関係を示す図である。
試験片に対して、冷間圧延と熱処理を1回施した場合の
圧下率と熱処理温度と試験片断面の金属組織ならびに合
金成分の偏析との関係を示す図である。
【図3】図3は、1150℃で0.5時間加熱処理した
試験片に対して、冷間圧延と熱処理を2回施した場合の
総圧下率と熱処理温度と試験片断面の金属組織ならびに
合金成分の偏析との関係を示す図である。
試験片に対して、冷間圧延と熱処理を2回施した場合の
総圧下率と熱処理温度と試験片断面の金属組織ならびに
合金成分の偏析との関係を示す図である。
【図4】図4は、EPMAを用いてNiの線分析を行
い、合金成分の偏析を調査した結果であり、(a)は薄
鋳片を基に本発明の条件で製造された試験片、(b)は
薄鋳片を基に本発明の条件の範囲外で製造された試験
片、(c)は従来の厚鋳片から製造された冷延鋼板に関
する結果である。
い、合金成分の偏析を調査した結果であり、(a)は薄
鋳片を基に本発明の条件で製造された試験片、(b)は
薄鋳片を基に本発明の条件の範囲外で製造された試験
片、(c)は従来の厚鋳片から製造された冷延鋼板に関
する結果である。
【図5】図5は、EPMAを用いて合金成分の偏析を調
査した試験片について、光学顕微鏡により金属組織を観
察した結果であり、(a)は薄鋳片を基に本発明の条件
で製造された試験片、(b)は薄鋳片を基に本発明の条
件の範囲外で製造された試験片、(c)は従来の厚鋳片
から製造された冷延鋼板に関する結果である。
査した試験片について、光学顕微鏡により金属組織を観
察した結果であり、(a)は薄鋳片を基に本発明の条件
で製造された試験片、(b)は薄鋳片を基に本発明の条
件の範囲外で製造された試験片、(c)は従来の厚鋳片
から製造された冷延鋼板に関する結果である。
Claims (1)
- 【請求項1】オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造
薄鋳片から冷延鋼板を製造する方法において、 連続鋳造薄鋳片を、1100℃以上で、かつ下記
(1)式を満足する温度T(℃)で加熱する第1の工
程、および 第1の工程に引き続き、圧下率10%以上の冷間圧延
および加熱温度1100〜1200℃の熱処理を2回以
上繰り返す第2の工程を含むことを特徴とするオーステ
ナイト系ステンレス冷延鋼板の製造方法。 (1132−3.5×t)≦T≦1250 (1) ここで、t:温度T(℃)における加熱時間(時間)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31993495A JPH09157754A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | オーステナイト系ステンレス冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31993495A JPH09157754A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | オーステナイト系ステンレス冷延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09157754A true JPH09157754A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18115881
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31993495A Pending JPH09157754A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | オーステナイト系ステンレス冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09157754A (ja) |
-
1995
- 1995-12-08 JP JP31993495A patent/JPH09157754A/ja active Pending
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