JPH09159677A - カンチレバーチップ - Google Patents

カンチレバーチップ

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JPH09159677A
JPH09159677A JP31912495A JP31912495A JPH09159677A JP H09159677 A JPH09159677 A JP H09159677A JP 31912495 A JP31912495 A JP 31912495A JP 31912495 A JP31912495 A JP 31912495A JP H09159677 A JPH09159677 A JP H09159677A
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probe
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cantilevers
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JP31912495A
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Katsuhiro Matsuyama
克宏 松山
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料の電気的特性の測定の間、探針と試料の相
互間距離を一定に維持できる走査型プローブ顕微鏡を実
現するためのカンチレバーチップを提供する。 【解決手段】カンチレバーチップは、二個のカンチレバ
ー102と104がガラス製の支持部106の端から並
んで延出している。二個のカンチレバー102と104
は共に窒化シリコン膜製で、それぞれ自由端に探針12
2と124を備えており、その両面は金薄膜212と2
14でコートされている。二個のカンチレバー102と
104は大きさが異なり、例えば、カンチレバー102
の長さは200μm、カンチレバー104の長さは10
0μmである。カンチレバー102とカンチレバー10
4は、支持部106に形成された溝116によって互い
に分離されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体IC等の電
気的特性を検査する装置に用いられるプローブに関す
る。このような装置としては、例えば、プローバ装置や
走査型プローブ顕微鏡などがあり、いずれも片持ち梁形
状のプローブを用いている。
【0002】
【従来の技術】ビニッヒ(Binnig)とローラー(Roher
e)等により発明された走査型トンネル顕微鏡(Scannin
g Tunneling Microscope: STM)におけるサーボ技術を
始めとする要素技術を利用しながら、STMでは測定し
難かった絶縁性の試料を原子オーダーの精度で観察する
ことのできる顕微鏡として原子間力顕微鏡(Atomic For
ceMicroscope: AFM)が、例えば特開昭62−1303
02号において提案されている。
【0003】AFMの構造はSTMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡(SPM)の一つとして位置づけら
れる。AFMでは、カンチレバーを、その自由端の鋭い
突起部分(探針部)を試料に近づけて支持し、探針先端
と試料表面の原子間に働く相互作用力により変位するカ
ンチレバーの動きを電気的あるいは光学的にとらえて測
定しながら、試料をXY方向に走査してカンチレバーの
探針部との位置関係を相対的に変化させることによっ
て、試料の凹凸情報などを三次元的にとらえることがで
きる。
【0004】走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバー
は、アルブレヒト(T.R.Albrecht)等が半導体IC製造
プロセスを応用して作製するSiO2 (二酸化シリコ
ン)カンチレバーチップを提案して以来(Thomas R. Al
brecht, Calvin F. Quate: "Atomic resolution Imagin
g of a nonconductor by Atomic force Microscopy",
J.Appl. Phys., 62 (1987) 2599 )、この半導体IC製
造プロセスを応用して作製するカンチレバーチップが主
流となっている。半導体IC製造プロセスを応用する利
点の一つはマイクロメーター(μm)の高精度で非常に
再現性良く作製できることであり、また別の利点はバッ
チプロセスにより多数の製品を経済的に作製できること
である。
【0005】例えば、「J. Vac. Sci. Technol. A8(4)3
386 1990: T. Albrecht, S. Akamine, T. E. Caver and
C. F. Quate」で触れられているような、SiO2 膜の
代わりに窒化シリコン膜をカンチレバー構成材料に用い
たカンチレバーチップは既に市場に出回っている。この
カンチレバーの寸法は、長さ約50〜200μm、厚さ
約0.5〜1μm、形状は中抜きの三角形や長方形があ
る。
【0006】また、単結晶シリコンで形成された探針が
「Appl. Phys. Lett. 57(3)316 1990: Akamine, R. C.
Barrett and C. F. Quate 」で提案されており(U. S.
Patent 5021364)、全部が単結晶シリコンで形成された
カンチレバーがベイヤー(T.Bayer)等により提案され
ている(U. S. Patent 5051379)。
【0007】加えて、カンチレバー自体に変位を測定す
る機能を付加した集積型AFMセンサーが、トルトネー
ゼ(M. Tortonese)等により提案されている。この集積
型AFMセンサーは、例えば、「M. Tortonese, H. Yam
ada, R. C. Barrett and C.F. Quate, "Atomic force m
icroscopy using a piezolesistive cantilever", Tran
sducers and Sensors' 91」やPCT出願WO92/1
2398に開示されており、測定原理には歪み抵抗効果
を利用している。
【0008】ところで、走査型トンネル顕微鏡で検出さ
れるトンネル電流には、探針と試料の相互間距離や、試
料の局所的な電子の状態、試料の局所的な電位が反映さ
れている。このため、通常のSTM像には、試料表面の
微視的な粗さに関する凹凸情報と、試料表面の局所的な
電位分布に関する情報とが含まれている。この局所的な
電位情報を得る手段として試料表面の電流電圧特性(I
−V特性)を測定するトンネル分光法(Scanning Tunne
ling Spectroscopy: STS)や、試料表面の電位特性を測
定するトンネルポテンシオメトリー(Scanning Tunneli
ng Potentiometry: STP )等がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】STS測定やSTP測
定は、探針と試料の相互間距離が一定に保たれていると
いう前提の基に、STM測定用の探針を用いてSTM測
定後あるいはSTM測定中に行なわれる。具体的に説明
すると、STM測定後に行なう場合には、STMによる
形状測定から算出された試料の表面形状情報に基づい
て、探針と試料の相互間距離を一定値に保ちながら走査
を行ない、任意の場所の電気的特性を検出する。また、
STM測定中に行なう場合には、走査経路上の多数の点
において探針と試料の相対的移動を一時的に止め、探針
と試料の相互間距離を所定値に固定して、その位置にお
ける電気的特性を検出する。
【0010】ところで、STMによる形状情報には、試
料表面の電気的な物性や、試料を構成している材料の違
いによる表面電位の情報が混入している。従って、ST
Mによる形状情報と実際の表面形状は全く同じではな
い。
【0011】加えて、探針と試料の相互間距離の制御素
子には圧電体スキャナーを用いているが、圧電体スキャ
ナーはクリープやドリフトを示す性質を有している。こ
のような理由から、STS測定やSTP測定の間、探針
と試料の相互間距離は厳密には一定に保たれていない。
【0012】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的はSTS測定やSTP測定の間に探針と試
料の相互間距離を一定に保ち、精度の高い測定を行なう
ことができる走査型プローブ顕微鏡を実現するためのカ
ンチレバーチップを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
<手段>本発明のカンチレバーチップは、支持部と、支
持部から延びた複数の片持ち梁とを有し、各片持ち梁は
自由端に探針を備えており、複数の片持ち梁は互いの探
針が電気的に絶縁された少なくとも二つの片持ち梁を含
むことを特徴とする。
【0014】また、本発明のカンチレバーチップは、互
いの探針が電気的に絶縁された二つの片持ち梁の少なく
とも一方は、試料表面の電気的特性の測定に用いられる
ことを特徴とする。
【0015】さらに、本発明のカンチレバーチップは、
互いの探針が電気的に絶縁された二つの片持ち梁の各探
針を結ぶ直線が、片持ち梁の長手軸方向とほぼ一致する
ことを特徴とする。
【0016】<作用>測定の間、互いの探針が電気的に
絶縁された二つの片持ち梁の内の一方は、他方の片持ち
梁の探針と試料との相互間距離を一定に保つように作用
し、その状態で他方の片持ち梁は、試料の電気的特性を
測定する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。 <第一の実施の形態> (構成)本実施形態のSPM用カンチレバーチップにつ
いて図1を用いて説明する。
【0018】カンチレバーチップは、(A)と(B)に
示すように、二個のカンチレバー102と104がガラ
ス製の支持部106の端から並んで延出している。二個
のカンチレバー102と104は共に窒化シリコン膜製
で、それぞれ自由端に探針122と124を備えてお
り、その両面は金薄膜212と214でコートされてい
る。二個のカンチレバー102と104は大きさが異な
り、例えば、カンチレバー102の長さは200μm、
カンチレバー104の長さは100μmである。
【0019】(B)に示すように、カンチレバー102
とカンチレバー104は、支持部106に形成された溝
116によって互いに分離されている。このため、
(C)に示すように、探針側にコートされた金薄膜21
4は、窒化シリコン膜112上と溝116内と窒化シリ
コン膜114上の三つの金薄膜214a、214b、2
14cに分断されていることから、カンチレバー102
とカンチレバー104(すなわち探針122と探針12
4)は、電気的に絶縁されている。
【0020】(作製プロセス)次に、本実施形態のSP
M用カンチレバーチップの作製プロセスについて図2を
用いて説明する。
【0021】シリコンウェハー202に探針の穴204
を例えばドライエッチングにより形成する(A)。次
に、シリコンウェハー202の穴204を形成した面に
窒化シリコン膜(膜厚0.4〜1μm)をCVDで形成
し、窒化シリコン膜をフォトリソグラフィとドライエッ
チングによりパターニングする(B)。パターニング後
の窒化シリコン膜208は、図1(B)に示したカンチ
レバー102とカンチレバー104に対応した形状とな
っており、L字状の溝116に対応する部分は除去され
ている。
【0022】パターニング後の窒化シリコン膜208を
備えたシリコンウェハー202に対して、カンチレバー
208の形状パターンに合わせて加工したパイレックス
ガラス210を陽極接合する(C)。次に、シリコンウ
ェハー202をKOHの40%水溶液でエッチングした
後、フッ酸によりカンチレバーに付着しているゴミや酸
化シリコン膜を除去する。このとき、ガラス製の支持部
106は、窒化シリコン膜が形成されていないL字状の
部分がエッチングされて、溝116(図1参照)が形成
される。
【0023】最後に、カンチレバー208の両面に金薄
膜212と214を蒸着により形成する(D)。このと
き、金薄膜212と214のカンチレバーへの密着性を
高めるため、例えばクロムと金をカンチレバーに蒸着し
てもよい。
【0024】以上のプロセスにより窒化シリコンとパイ
レックスガラスからなるカンチレバーチップが作製され
る。 (作用)本実施形態のカンチレバーチップを使用する際
は、短い方のカンチレバー104をSTS測定やSTP
測定に用い、これと同時に長い方のカンチレバー102
を用いてAFM動作を行なわせる。つまり、窒化シリコ
ン膜114上の金薄膜214aに電極を接続し、カンチ
レバー104の探針124と試料表面の間にバイアス電
圧を印加して、試料表面の電気的特性を検出する。カン
チレバーチップは斜めに支持されるため、短い方のカン
チレバー104を試料表面の電気的特性の検出に用いる
状況では、長い方のカンチレバー102は探針122が
必然的に試料表面に接触するため変位を起こす。この変
位をカンチレバー102の背面の金薄膜212にレーザ
ー光を照射して光学的に検出し、その変位を一定に保つ
ように、試料に対してカンチレバーチップを上下方向に
移動させる。この制御により、探針124の先端と試料
表面の間の距離は、STS測定やSTP測定の間も常に
一定に保たれる。
【0025】探針122と探針124の間の電気的な接
触は溝116により分断されているため、探針124に
印加しているバイアス電圧がAFM動作させている探針
122に影響を及ぼすことはない。反対に、探針122
が試料表面から受けた電気的信号が探針124から検出
している電気的特性に混入することもない。
【0026】(効果)本実施形態のカンチレバーチップ
を用いると、試料表面の局所的な電気的特性を検出する
探針を有するカンチレバーと、探針と試料表面の距離を
一定に保つためのカンチレバーを個別に設けていること
から、探針と試料表面の距離がより正確に設定でき、よ
り正確な試料表面の局所的な電気的特性を検出できる。
【0027】また、本実施形態のカンチレバーチップ
は、ばね定数が小さい長い方のカンチレバーを探針と試
料表面の距離制御を行なうAFM動作に用い、ばね定数
が大きい短い方のカンチレバーを試料表面の電気的特性
の検出に用いているため、試料表面を傷つけることな
く、感度良く探針と試料表面の距離制御が行なえる。
【0028】さらに、本実施形態のカンチレバーチップ
は、従来のカンチレバー作製法に対して、窒化シリコン
膜のカンチレバー形状を変更するだけで作製できること
から、容易に安定して作製できる。
【0029】加えて、本実施形態のカンチレバーチップ
は、電気的特性検出のために、表面に酸化膜が形成され
ない金をコートして導電体を形成しているため、より高
精度な電気的特性の検出が行なえる。
【0030】また、本実施形態において、AFM動作に
用いるカンチレバーの金薄膜に電極を設けて、そのカン
チレバーの探針と試料との電位を同じにすれば、試料と
探針との間に発生する静電気力がキャンセルできる。従
って、上述の効果の中でも探針と試料表面との距離設定
がより一層正確になり、正確な試料表面の局所的な電気
特性を検出できる。
【0031】(変形例)なお、カンチレバーの形状は、
本実施形態では三角形であるが、矩形であっても構わな
い。同様に、AFM動作のための長い方のカンチレバー
の形状が矩形で、電気的特性検出のための短い方のカン
チレバーの形状が三角形でもよい。
【0032】また、本実施形態においては、ふたつのカ
ンチレバーのばね定数を使用方法により決定している
が、より明確にするため、距離制御に用いているカンチ
レバーの幅を狭くしてばね定数を小さく(より柔らか
く)し、電気的特性検出に用いるカンチレバーの幅を拡
くしてばね定数を大きく(より硬く)してもよい。
【0033】<第二の実施の形態>本実施形態のカンチ
レバーチップは、第一の実施の形態の作製プロセスに準
じて作製されており、図3に示されるように、長い方の
カンチレバー402の中抜きの部分に、短い方のカンチ
レバー404が設けられている。二つのカンチレバーの
探針412と414は、L字の溝406と408により
電気的に絶縁されている。
【0034】カンチレバー402を用いてAFM動作さ
せてカンチレバー404の探針414と試料間の距離を
制御し、探針414を用いて試料表面の電気的特性を検
出する。カンチレバー404がカンチレバー402の中
に設けられているため、カンチレバーを並列に並べた場
合に比べて、距離制御用の探針412と電気的特性検出
用の探針414の位置が近くなる。従って、より正確に
探針414と試料間の距離の制御が行なえる。
【0035】また、本実施形態の構成であれば、探針4
12と探針414とを結ぶ直線は、カンチレバー402
とカンチレバー404の中心を通る長手軸方向とほぼ一
致させることが好ましい。このようにすることで、探針
412と探針414との位置をより一層近づけることが
可能である。
【0036】さらに、この探針412と探針414との
距離は、数百μm以下であることが好ましく、このよう
に構成することで、双方の探針は測定試料表面のほぼ同
じ地点を測定することができる。よって、探針と試料表
面の距離を正確に設定でき、高精度な電気的特性を検出
することが可能になる。
【0037】従って、本実施形態では、第一の実施の形
態の効果に加えて、探針412と探針414との位置を
より一層近づけることができることから、探針と試料表
面の距離をさらに正確に設定でき、高精度な電気的特性
を検出することが可能になる。
【0038】なお、本実施形態において、電気的特性の
検出用のカンチレバーの形状が三角形であるが、矩形で
あってもよい。 <第三の実施の形態> (構成)本実施形態のSPM用カンチレバーチップにつ
いて図4を用いて説明する。
【0039】カンチレバーチップは、カンチレバー50
2を有するシリコン板512と、カンチレバー504を
有するシリコン板514とが、酸化シリコン521を介
してシリコン製の支持部506に設けてある。カンチレ
バー502は相対的に長く、自由端には探針522を有
し、カンチレバー504は相対的に短く、自由端には探
針524を有している。シリコン板512とシリコン板
514は共に探針側の極表面に導電層530が形成され
ている。シリコン板512とシリコン板514はL字状
の溝によって分断されており、従って探針522と探針
524は電気的に絶縁されている。カンチレバー504
側のシリコン板514は、支持部のカンチレバーの反対
側まで形成されている(図示せず)。
【0040】(作製プロセス)次に、本実施形態のSP
M用カンチレバーの作製プロセスについて図5を用いて
説明する。
【0041】スタート基板として、面方位(100)の
シリコン基板620の一面に中間酸化シリコン膜521
を形成した後、活性層となる同じく面方位(100)の
シリコン基板622を貼り合わせた、いわゆる貼り合わ
せSOI(Silicon On Insulator)基板を用いる
(A)。最初に活性層622にフォトリソグラフィーと
ドライエッチングもしくは湿式エッチングを組み合わせ
て探針624を形成する(B)。その後、探針624を
形成した活性層626をフォトリソグラフィーとエッチ
ングによりパターニングする(C)。パターニング後の
活性層628は、図4(B)に示したカンチレバー50
2とカンチレバー504を有する形状となっている。
【0042】次に、イオンインプラテーションにより、
パターニング後の活性層628の極表面にボロン(B)
等を注入して導電層530を形成する(D)。その後、
導電層530の上に、図4(B)に示したL字状の溝に
対応した部分を除いて、マスクを形成し、導電層530
と活性層628と酸化シリコン膜512をエッチングし
て溝を形成する。続いて、シリコン基板620裏面より
湿式異方性エッチングを行ない支持部506を形成し、
最後にフッ化水素水溶液等によりカンチレバー周辺の酸
化シリコン膜やプロセス中に付着したゴミを除去する
(E)。
【0043】以上のプロセスにより本実施形態のシリコ
ン製のカンチレバーチップが作製される。 (作用)本実施形態のカンチレバーチップを使用する際
は、短い方のカンチレバー504をSTS測定やSTP
測定に用いると同時に、長い方のカンチレバー502を
AFM動作を行なわせる。つまり、シリコン板514の
極表面の導電層に電極を接続し、カンチレバー504の
探針524と試料表面の間にバイアス電圧を印加して、
試料表面の電気的特性の検出を行なう。カンチレバーチ
ップは斜めに支持されるため、探針522は必然的に試
料表面に接触し、長い方のカンチレバー502は変位を
生じる。この変位を、例えば光学的手段を用いて検出
し、一定に保つように試料に対してカンチレバーチップ
を上下方向に移動させる。この制御により、探針524
の先端と試料表面の間の距離は、STS測定やSTP測
定の間も常に一定に保たれる。
【0044】ここで、AFM動作用の探針522と電気
的特性検出用の探針524は、電気的に絶縁されている
ため、探針524に印加しているバイアス電圧がAFM
動作させている探針522に影響を及ぼすことはなく、
探針522が試料表面から受けた電気的信号が探針52
4から検出している電気的特性に混入することはない。
【0045】(効果)本実施形態のカンチレバーチップ
を用いると、試料表面の局所的な電気的特性を検出する
探針を有するカンチレバーと、探針と試料表面の距離を
一定に保つためのカンチレバーを個別に設けていること
から、探針と試料表面の距離がより正確に設定でき、よ
り正確な試料表面の局所的な電気的特性を検出できる。
【0046】また、本実施形態のカンチレバーチップ
は、ばね定数が小さい長い方のカンチレバーを探針と試
料表面の距離制御を行なうAFM動作に用い、ばね定数
が大きい短い方のカンチレバーを試料表面の電気的特性
の検出に用いているため、試料表面を傷つけることな
く、感度良く探針と試料表面の距離制御が行なえる。
【0047】さらに、本実施形態のカンチレバーチップ
は、シリコンにイオンを注入して導電層を形成している
ため、探針先端の曲率半径が探針形成時に比べて鈍くな
ることがないことから、より局所的な電気的特性が検出
でき、探針と試料表面の距離設定もより高精度に行なえ
る。
【0048】また、本実施形態において、AFM動作に
用いるカンチレバーの導電層に電極を設けて、そのカン
チレバーの探針と試料との電位を同じにすれば、試料と
探針との間に発生する静電気力がキャンセルできる。従
って、上述の効果の中でも探針と試料表面との距離設定
がより一層正確になり、正確な試料表面の局所的な電気
特性を検出できる。
【0049】(変形例)なお、本実施形態においては、
探針の反対側のカンチレバー面に反射膜を形成していな
いが、金属膜等をコーティングして反射膜を形成しても
よい。
【0050】また、本実施形態において、カンチレバー
と導電層を有する支持部上のシリコン板の形状は図4
(B)に示した形状であるが、第一の実施の形態と同様
に図1(B)に示した形状や第二の実施の形態の同様に
図3(B)に示した形状でもよい。
【0051】さらに、本実施形態においては、カンチレ
バー形状のパターニングを行なってから導電層を形成す
るためのイオン注入を行なっているが、イオン注入を行
なった後、カンチレバー形状を形成してもよい。
【0052】また、本実施形態のカンチレバーを作製す
るプロセスは、図5の作製プロセスに限定されるもので
はなく、例えば、シリコンからなるカンチレバーを作製
する他のプロセスに基づいても、本実施形態と同様なカ
ンチレバーを作製することが可能である。なお、以下に
示す第四の実施の形態についても同様のことが言える。
【0053】<第四の実施の形態>本実施形態のカンチ
レバーチップは、第三の実施の形態の作製プロセスに準
じて作製されており、ボロン等をイオン注入する際に、
長い方のカンチレバー502を含めたシリコン板512
に対応した活性層628の一部の領域にフォトリソグラ
フィーによりレジストを形成し、これをマスクにイオン
注入を行なって作製している。このため、本実施形態の
カンチレバーチップは、図6に示されるように、短い方
のカンチレバー504を含めたシリコン板514は導電
層530を有しているが、長い方のカンチレバー502
を含めたシリコン板512は導電層を有していない。
【0054】長い方のカンチレバー502を用いてAF
M動作させて、短い方のカンチレバー504の探針52
4と試料間の距離を制御し、短い方のカンチレバー50
4の探針524で試料表面の電気的特性を検出する。こ
のとき、長い方のカンチレバー502は、通常のAFM
測定で使用されるカンチレバーと同様に、導電層を有し
ていないことから、通常行なわれているAFM測定と同
じ条件で、短い方のカンチレバー504の探針524と
試料間の距離制御が行なえる。従って、より正確に短い
方のカンチレバー504の探針524と試料間の距離の
制御が行なえる。
【0055】本実施形態のカンチレバーチップを用いる
ことにより、探針と試料表面の距離がより正確に設定で
きることから、より高精度な電気的特性を検出すること
が可能になる。
【0056】<第五の実施の形態>本実施形態のSPM
用カンチレバーチップについて図7を用いて説明する。
カンチレバーチップは、歪み抵抗効果を利用したセンサ
ー機能を備えたU字状のカンチレバー702を有し、そ
の内側に細長の矩形状のカンチレバー704を有してい
る。カンチレバー702は内部に歪み抵抗層を有してお
り、この歪み抵抗層は支持部706上においてアルミ電
極708と709に接続されている。カンチレバー70
4は探針側極表面に導電層が形成されており、この導電
層は支持部706上においてアルミ電極710に接続さ
れている。カンチレバー702の電極708には直流定
電圧電源732が接続され、電極709には電流計測用
のオペアンプ733が接続されている。また、カンチレ
バー704の電極710には試料の電気的特性検出用の
電流検出回路735が接続されている。
【0057】直流定電圧電源732よりカンチレバー7
02の電極708と電極709の間に数ボルト以下のD
C電圧を印加し、カンチレバー702の探針712と試
料表面の相互作用力により生じるカンチレバー702の
変位に対応した歪み抵抗層の抵抗値変化に基づいて探針
712の変位を検出する。歪み抵抗層の抵抗値の変化
は、電流計測用のオペアンプ733によって電流信号の
変化として検出される。このようにして、カンチレバー
702を用いてAFM動作させて、カンチレバー704
の探針714と試料表面の間の距離を一定に制御し、試
料の電気的特性を検出する。
【0058】本実施形態のカンチレバーチップを用いる
と、第三の実施の形態における効果に加えて、探針と試
料表面の距離制御にカンチレバーチップ内蔵のセンサー
が使用でき、カンチレバーチップ以外のセンサーを用い
ることなく、試料の電気的特性が検出できることから、
カンチレバーチップ自体を測定ポイントに移動させたり
走査することが可能になり、装置構成上の自由度が広く
なる。
【0059】また、本実施形態の構成であれば、探針7
12と探針714とを結ぶ直線は、カンチレバー702
とカンチレバー704の中心を通る長手軸方向とほぼ一
致させることが好ましい。このようにすることで、探針
712と探針714との位置をより一層近づけることが
可能である。
【0060】さらに、この探針712と探針714との
距離は、数百μm以下であることが好ましく、このよう
に構成することで、双方の探針は測定試料表面のほぼ同
じ地点を測定することができる。
【0061】従って、本実施形態のカンチレバーチップ
を用いることにより、探針と試料表面の距離がより正確
に設定でき、より高精度な電気的特性を検出することが
可能になる。
【0062】以上、第一ないし第五の実施の形態につい
て説明してきたが、このようなカンチレバーチップは、
試料表面とAFM測定用の探針とを近接もしくは接触さ
せた状態で両者を相対的に走査することで試料表面情報
を検出することになる。
【0063】このような測定の代表的な方法としては、
単に探針と試料とを相対的に走査する測定と、カンチレ
バーチップを所望の周波数で振動させ、AFM測定を行
ない試料表面上方を検出する励振モードAFM測定と呼
ばれるものがある。
【0064】この励振モードAFM測定について、図8
を用いて説明する。カンチレバーチップの支持部806
の上方には、探針812を有する長いカンチレバー80
2、および、探針814を有する短いカンチレバー80
4を振動させるための圧電体821が配置されている。
また、圧電体821は、カンチレバーの変位検出のため
のユニットや顕微鏡本体(図示せず)から延びる圧電体
保持部820に着脱自在に固定されている。
【0065】さらに、圧電体821には、圧電体に印加
するための配線822が施され、この配線は、電源(図
示せず)に接続されている。次に作用について説明す
る。電源からの交流電圧を圧電体821に印加し、カン
チレバー802、804を所望の周波数で励振する。こ
の所望の周波数は、測定者が任意に設定できるものであ
り、複数あるカンチレバーの中で測定者が選択的に選ん
だカンチレバーをこの周波数に合わせることができる。
この状態でカンチレバーを共振周波数のピーク値付近で
励振させてAFM測定および電気的特性の検出を行な
う。
【0066】ところで、長さや幅の異なるカンチレバー
802、804は、異なる振幅となることが知られてい
る。また、この振幅は、カンチレバー802、804の
長さに比例して大きくなり、幅に比例して小さくなる。
【0067】従って、本発明における、長いカンチレバ
ー802は、短いカンチレバー804と比較して振幅を
大きくしやすいことが分かる。そして、この長いカンチ
レバー802の振幅を所望の値とすれば、励振モードA
FM測定に適用可能であることが明かである。
【0068】また、励振モードAFM測定におけるカン
チレバーの振幅は、50ナノメーター程度であり、非常
に小さい。すなわち、短いカンチレバーは、この振幅と
比較してさらに小さい振幅となる。もしくは、長さによ
ってはほとんど振動しないと考えられる。よって、この
振幅は、短いカンチレバー804による電気的特性の検
出にほとんど影響がないと言える。
【0069】このようなことから、本発明は、励振モー
ドAFMを用いてもカンチレバーの探針と試料との距離
がより正確に設定でき、高精度な電気的特性を検出する
ことが可能である。
【0070】さらに、本発明における長いカンチレバー
802は、可能であれば200μm程度、もしくは、そ
れ以上であることが好ましい。このようにすることで、
長いカンチレバー802のばね定数を小さくし、AFM
測定時に試料と探針とが接触した場合、試料および探針
の双方の破損を防止できる。
【0071】以上、第一ないし第五の実施の形態につい
て説明してきたが、これらの実施の形態の特徴をまとめ
ると以下の様になる。 (1)支持部と、支持部から延びた複数の片持ち梁とを
有し、各片持ち梁は自由端に探針を備えており、複数の
片持ち梁は互いの探針が電気的に絶縁された少なくとも
二つの片持ち梁を含むことを特徴とするカンチレバーチ
ップ。
【0072】(2)上記(1)において、互いの探針が
電気的に絶縁された二つの片持ち梁の少なくとも一方
は、試料表面の電気的特性の測定に用いられることを特
徴とするカンチレバーチップ。
【0073】(3)上記(1)において、互いの探針が
電気的に絶縁された二つの片持ち梁の各探針を結ぶ直線
が、片持ち梁の長手軸とほぼ一致することを特徴とする
カンチレバーチップ。
【0074】(4)上記(2)において、互いの探針が
電気的に絶縁された二つの片持ち梁は長さが異なってい
ることを特徴とするカンチレバーチップ。 (5)上記(2)において、互いの探針が電気的に絶縁
された二つの片持ち梁はばね定数が異なっており、試料
表面の電気的特性の測定に用いられる片持ち梁の方がば
ね定数が大きいことを特徴とするカンチレバーチップ。
【0075】(6)上記(1)において、さらに、互い
の探針が電気的に絶縁された二つの片持ち梁の少なくと
も一方を励振する励振機構を有することを特徴とするカ
ンチレバーチップ。
【0076】
【発明の効果】本発明のカンチレバーチップによれば、
試料表面の局所的な電気的特性を検出するための探針を
備えたカンチレバーに加えて、このカンチレバーの探針
と試料の相互間距離を一定に保つためのカンチレバーを
更に有しているので、電気的特性検出用の探針先端と試
料表面の距離がより正確に設定でき、より正確な試料表
面の局所的な電気的特性を検出できる。また、本発明の
実施の形態ではSTS測定への適用を中心に説明した
が、本発明のカンチレバーチップはプローバ装置にも適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態のSPM用カンチレバーチッ
プを示す図であり、(A)はカンチレバー側から見た斜
視図、(B)は探針側から見た平面図、(C)は(B)
の1C−1C線における断面図である。
【図2】第一の実施の形態のSPM用カンチレバーチッ
プの作製プロセスを説明するための図である。
【図3】第二の実施の形態のSPM用カンチレバーチッ
プを示す図であり、(A)はカンチレバー側から見た斜
視図、(B)は探針側から見た平面図である。
【図4】第三の実施の形態のSPM用カンチレバーチッ
プを示す図であり、(A)はカンチレバー側から見た斜
視図、(B)は探針側から見た平面図、(C)は(B)
の4C−4C線における断面図である。
【図5】第三の実施の形態のSPM用カンチレバーチッ
プの作製プロセスを説明するための図である。
【図6】第四の実施の形態のSPM用カンチレバーチッ
プを示す図であり、(A)は探針側から見た平面図、
(B)は(A)の6B−6B線における断面図である。
【図7】第五の実施の形態のSPM用カンチレバーチッ
プを示す図であり、(A)はカンチレバー側から見た斜
視図、(B)は探針側から見た平面図であり、周辺回路
も示してある。
【図8】励振モードAFM測定について説明するための
図である。
【符号の説明】
102、104…カンチレバー、106…支持部、12
2、124…探針、116…溝、214…金薄膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持部と、支持部から延びた複数の片持ち
    梁とを有し、各片持ち梁は自由端に探針を備えており、
    複数の片持ち梁は互いの探針が電気的に絶縁された少な
    くとも二つの片持ち梁を含むことを特徴とするカンチレ
    バーチップ。
  2. 【請求項2】請求項1において、互いの探針が電気的に
    絶縁された二つの片持ち梁の少なくとも一方は、試料表
    面の電気的特性の測定に用いられることを特徴とするカ
    ンチレバーチップ。
  3. 【請求項3】請求項1において、互いの探針が電気的に
    絶縁された二つの片持ち梁の各探針を結ぶ直線が、片持
    ち梁の長手軸方向とほぼ一致することを特徴とするカン
    チレバーチップ。
JP31912495A 1995-12-07 1995-12-07 カンチレバーチップ Withdrawn JPH09159677A (ja)

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JP31912495A JPH09159677A (ja) 1995-12-07 1995-12-07 カンチレバーチップ
US08/757,131 US5929643A (en) 1995-12-07 1996-12-03 Scanning probe microscope for measuring the electrical properties of the surface of an electrically conductive sample

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002357527A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Seiko Instruments Inc 欠陥検査・評価複合方法、欠陥検査・評価複合システム及び欠陥検査・評価複合プログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002357527A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Seiko Instruments Inc 欠陥検査・評価複合方法、欠陥検査・評価複合システム及び欠陥検査・評価複合プログラム

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