JPH09164912A - プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター - Google Patents

プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター

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Publication number
JPH09164912A
JPH09164912A JP7348267A JP34826795A JPH09164912A JP H09164912 A JPH09164912 A JP H09164912A JP 7348267 A JP7348267 A JP 7348267A JP 34826795 A JP34826795 A JP 34826795A JP H09164912 A JPH09164912 A JP H09164912A
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JP
Japan
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clutch
pretensioner
outer ring
roller pin
ring
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Application number
JP7348267A
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English (en)
Inventor
Katsuyasu Ono
勝康 小野
Shinobu Mogi
忍 茂木
Kenichi Morisane
賢一 森實
Shu Ichikawa
周 市川
Yoshiharu Komatsu
佳治 小松
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリテンショナー始動時における駆動手段の
巻締め駆動力の衝撃を緩和し、巻取り軸を効率良くスム
ーズにウェビング巻取り方向へ回転させる。 【解決手段】 巻取り軸4に配設されたクラッチリング
14と軸心周りに相対回転可能に支持されるクラッチ外輪
12は、該クラッチリング外周面との間に略くさび状の空
間を構成するカム面12b と、該くさび状空間内に配設さ
れてクラッチリング係合方向に移動可能なローラピン10
とを備える。回転円板17とクラッチ外輪12との間には、
該回転円板17の回転によりクラッチ外輪12を増速回転す
べく遊星歯車装置35が配設される。該ローラーピン10の
移動を阻止するホルダー8は、細い接続部8dを介して回
転円板17に係止される。クラッチ外輪12が車両衝突時に
回転円板17に対し増速回転されると、クラッチリング14
とカム面12b にローラーピン10が噛み込まされた後、ホ
ルダー8の細い接続部8dが破断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緊急時にリトラク
ターの巻取り軸にウェビングを巻き込むことにより、シ
ートベルトの緩みを除去するプリテンショナーを備えた
シートベルト用リトラクターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト装置は、乗員のウェビング装着
感を低減するためにリトラクターによるウェビングの巻
取り力を低くする傾向があるため、衝突時に大きな力が
加わると、どうしてもウェビングの遊びが増え、このよ
うなウェビングの遊びにより拘束が遅れ、乗員の効果的
及び安全な拘束が行えないおそれがあった。
【0003】そこで、緊急時にウェビングを引き込んで
緊張することによってウェビングの弛みを除去すべく、
リトラクターの巻取り軸を巻取り方向へ瞬時に回転させ
るプリテンショナーをシートベルト装置に組み込んだも
のがある。このようなプリテンショナーをリトラクター
に組み込む場合、駆動手段の駆動力を巻取り軸に伝達し
て回転駆動するための回転駆動部材が通常使用時に巻取
り軸の回転に干渉することがないように、プリテンショ
ナー非作動時には回転駆動部材を巻取り軸に非係合と
し、プリテンショナー作動時には回転駆動部材を巻取り
軸に接続して回転トルクを巻取り軸に伝達する為に、回
転駆動部材と巻取り軸との間には様々な構成のクラッチ
機構が設けられている。
【0004】例えば特開昭57−128169号公報等
に開示されているプリテンショナーは、係留装置(クラ
ッチ機構)によってベルト軸(巻取り軸)と非係合な状
態でケーシングに取付けられた引き部材ローラ(回転駆
動部材)を有し、車両衝突等の緊急時に蓄力器(駆動手
段)が作動すると、該引き部材ローラが前記係留装置の
係留力を克服してベルト軸と連結され、該ベルト軸を引
き締め回転運動させるようにしたものである。
【0005】即ち、通常使用時においては回転駆動部材
がクラッチ機構によって巻取り軸と非係合な状態に取付
けられているので、巻取り軸の回転に干渉することはな
い。そして、車両衝突等の緊急時に駆動手段が作動して
回転駆動部材が回転駆動されると、該回転駆動部材がク
ラッチ機構を介して巻取り軸と連結され、該巻取り軸を
一体的に巻取り回転させるのでウェビングが巻締められ
て弛みが除去される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭57−128169号公報等に開示されたプリテン
ショナーの如きクラッチ機構の構成では、プリテンショ
ナーが始動する際に、回転駆動部材を支持するせん断ピ
ン等の剪断部材を変形・剪断させなければならないが、
始動抵抗が大きく、静止状態の引き部材ローラで剪断部
材を変形・剪断させるには大きな駆動力を必要とする。
【0007】そこで、駆動力の大きな駆動手段により回
転駆動部材を回転駆動すると、前記剪断部材の剪断が一
瞬時に行われるが、該剪断部材は前記クラッチ機構が接
続される前に剪断されるので、衝撃によるリバウンドや
ベルト張力の変動によってクラッチ機構の係合が一定し
ない可能性がある。又、前記駆動手段が火薬等の燃焼ガ
ス圧力により駆動される場合は、回転駆動部材の動きが
高速の為、瞬時にクラッチ機構が接続される。この為、
ほぼ静止状態で慣性重量も大きい巻取り軸を回転させる
際、各機構部分には過大な衝撃荷重が加わることとなる
ので、各部の強度を十分に大きくしなければならず、製
造コストが高くなり易い。
【0008】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、プリテンショナー始動時における駆動手
段の巻締め駆動力の衝撃を緩和し、巻取り軸を効率良く
スムーズにウェビング巻取り方向へ回転させることがで
きる良好なクラッチ機構を備えたプリテンショナー付き
シートベルト用リトラクターを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、回
転部材を介してリトラクターの巻取り軸に回転トルクを
伝達可能な駆動手段により、巻取り軸をシートベルトの
弛みが除去される方向に回転させるプリテンショナーを
備えたシートベルト用リトラクターであって、前記巻取
り軸に配設されたクラッチリングと軸心周りに相対回転
可能に支持される回転駆動部材は、該クラッチリング外
周面との間に略くさび状の空間を構成するカム面と、該
くさび状空間内に配設されてクラッチリング係合方向に
移動可能な噛み合い要素とを備えると共に、前記回転部
材との間には該回転部材の回転により増速回転すべく増
速歯車伝動装置が配設されており、前記回転部材に係止
されて前記噛み合い要素のクラッチリング係合方向への
移動を阻止する保持手段は、車両衝突時に回転駆動され
る回転部材と回転駆動部材との回転角度差に応じてクラ
ッチリング外周面とカム面に噛み合い要素を係合させた
後、回転部材に対する係止状態が解除されるように構成
されていることを特徴とするプリテンショナー付きシー
トベルト用リトラクターにより達成される。
【0010】尚、前記増速歯車伝動装置としては、前記
回転駆動部材の外周に外歯を形成して成る太陽歯車と、
リトラクターベースに固定された内歯歯車と、これら太
陽歯車と内歯歯車との間に配設された遊星歯車を支持す
ると共に前記回転部材としてのキャリア部材とからなる
遊星歯車装置が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施例を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施
例に基づくプリテンショナー付きシートベルト用リトラ
クター1の正面図であり、図2乃至図4は図1に示した
プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター1の
要部分解斜視図であり、図5及び図6は図1に示したプ
リテンショナー付きシートベルト用リトラクター1のA
−A断面矢視図及びB−B断面矢視図であり、図7は図
5に示したプリテンショナーのC−C断面矢視図であ
る。
【0012】前記プリテンショナー付きシートベルト用
リトラクター1は、ウェビング20を巻取り又は引き出
し自在に巻回した巻取りリール7を備えており、従来の
リトラクターと同様に、巻取りリール7はその巻取り軸
4に連結された巻取りバネ装置5により、ウェビング2
0が巻取られる方向に常時付勢されている。又、ウェビ
ング20が所定大きさ以上の加速度で引き出されようと
すると、緊急ロック機構2により巻取り軸4の回転が阻
止され、それ以上ウェビング20が引き出されないよう
になっている。
【0013】更に、前記プリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクター1は、略コ字形状に形成されたリト
ラクターベース11の一方のベース側壁11aに、巻取
り軸4をシートベルトの弛みが除去される方向に回転さ
せる駆動手段を備えたプリテンショナー3が配設されて
いる。該プリテンショナー3は、ベース側壁11aを貫
通した巻取り軸4の一端部に嵌着されたクラッチリング
14の周りを回動可能に配設された回転駆動部材である
クラッチ外輪12と、ガス発生器29が発生するガス圧
力で押圧駆動されるラック25と常時噛み合わされたピ
ニオンギヤ21により前記クラッチ外輪12を回転駆動
する駆動手段6と、前記ピニオンギヤ21の回転により
前記クラッチ外輪12を増速回転させるべくピニオンギ
ヤ21とクラッチ外輪12の間に配設された増速歯車伝
動装置である遊星歯車装置35と、車両衝突時に前記ガ
ス発生器29を作動させる図示しない制御装置とを備え
ている。
【0014】前記クラッチ外輪12は、後述する遊星歯
車装置35を介して駆動手段6により回転駆動される円
筒状部材であり、外周面には遊星歯車装置35の遊星歯
車15と噛み合う太陽歯車を構成するための外歯12a
が形成されると共に、肉抜きされた内周面には前記クラ
ッチリング14の外周面との間にくさび状の空間を構成
する4つのカム面12bが周方向に沿って等間隔に形成
されている。そして、各くさび状空間内には、クラッチ
外輪12とクラッチリング14の間でトルク伝達を可能
とすべくクラッチリング係合方向に移動可能な噛み合い
要素である円筒状のローラーピン10と、該ローラーピ
ン10のクラッチリング係合方向への移動を阻止すべく
前記ピニオンギヤ21と一体的に回転する回転部材とし
ての回転円板17に係止された保持手段であるホルダー
8のローラーピン保持片9a,9bとがそれぞれ配設さ
れている。
【0015】ポリアセタール及びナイロン等の合成樹脂
材料や、アルミニウム及び亜鉛等の金属材料からなる前
記ホルダー8は、図3及び図8に示したように、巻取り
軸4が挿通される円孔と一対の固定部8b,8bをを備
えた略円板状の基板部8aと、該基板部8aの軸線方向
に沿って垂設された四対のローラーピン保持片9a,9
bとを備えており、各固定部8bの取付け用穴8eと回
転円板17の係止孔17bに挿通されたリベット8fに
よって回転円板17の内側面に固定される。尚、回転円
板17へのホルダー8の固定は、該リベット8fによる
固定に限らず、パッチン止めダボ等の他の固定方法でも
良い。
【0016】そこで、前記ローラーピン保持片9a,9
bの先端部は、該ホルダー8の内側に配設された前記ク
ラッチ外輪12の各くさび状空間内に挿入され、ローラ
ーピン10をクラッチリング14の外周面と非係合な状
態に保持する。更に、前記ローラーピン保持片9a,9
bが垂設された基板部8aと前記取付け用穴8eが設け
られた各固定部8bとの間には、周方向に沿ってスリッ
ト8cが形成されており、スリット8cの端部には破断
可能な接続手段である細い接続部8dが構成されてい
る。そこで、前記ローラーピン保持片9a,9bが垂設
された前記スリット8cより内側の基板部8aは、前記
細い接続部8dが破断することにより回転円板17に対
する係止状態が解除されてクラッチ外輪12と一体的に
回転可能となる。そして、該基板部8aの回転円板17
側表面は、クラッチ外輪12が回転する際の摺動面とな
る。
【0017】即ち、前記ローラーピン保持片9a,9b
は、クラッチ外輪12が回転する際の摺動面である基板
部8aの回転円板17側表面以外の部分に破断部が配設
された細い接続部8dを介して回転円板17に係止され
ている。更に、前記クラッチ外輪12の内径は前記クラ
ッチリング14の外径よりも大きく、前記ホルダー8の
ローラーピン保持片9a,9bによって挟持されたロー
ラーピン10は、クラッチリング14の外周面に対して
クリアランスを有している。即ち、これらクラッチ外輪
12のカム面12b、ホルダー8及びローラーピン10
等により、前記クラッチリング14と前記クラッチ外輪
12との間にはクラッチ機構が構成されており、該ロー
ラーピン10はホルダー8によりトルク伝達不可能な状
態に確実に保持されている。
【0018】又、それぞれ対をなす前記ローラーピン保
持片9a,9bは、互いに基板部8aの周方向に沿って
対向するようにローラーピン10を挟持しており、ロー
ラーピン10がクラッチリング14及びクラッチ外輪1
2と対向するその半径方向部分は開放されている。従っ
て、回転円板17に回転駆動力が作用し、クラッチ外輪
12が遊星歯車装置35によってウェビング巻取り方向
に増速回転されることにより回転円板17とクラッチ外
輪12に回転角度差が生じた場合、確実にローラーピン
10を回転円板17に対して静止させる事ができる。そ
こで、ローラーピン保持片9a,9bは、ローラーピン
10が確実に噛み込まれるまでは回転円板17に対する
該ローラーピン10の周方向への移動を規制することが
できる。
【0019】その上、クラッチ外輪12が所定角度回転
し、ローラーピン10がカム面12bによって巻取り軸
中心方向へ付勢された際には、該ローラーピン10の食
い込み方向の移動を妨げることがないようにローラーピ
ン保持片9a,9bは容易に変形できる。又、増速回転
された前記クラッチ外輪12は急激にウェビング巻取り
方向へ回転駆動されるが、ローラーピン10の食い込み
方向の移動速度は回転円板17とクラッチ外輪12の回
転速度差に依存するので、ローラーピン10を緩やかに
噛み込ませてクラッチ接続の衝撃を緩和することができ
る。
【0020】そして、前記ローラーピン10がクラッチ
外輪12のカム面12bとクラッチリング14の外周面
との間に確実に噛み込まれた後、更にクラッチ外輪12
がウェビング巻取り方向へ回転駆動されると、ホルダー
8の細い接続部8dが破断して固定部8bから基板部8
aが分離されるので、クラッチリング14に食い込んだ
ローラーピン10は前記クラッチ外輪12及び前記基板
部8aと共に一体的にウェビング巻取り方向へ回転す
る。前記クラッチリング14は、前記ローラーピン10
よりも硬い材質であり、その外周面には食い込みを容易
とするローレット加工(ギザ目ローレット加工)や、シ
ョットピーニグ、スプライン加工等が施されている。
【0021】即ち、後述する駆動手段6によってクラッ
チ外輪12にウェビング巻取り方向(図2中、矢印X1
方向)の回転駆動力が生じた際には、ローラーピン10
がクラッチ外輪12のカム面12bとクラッチリング1
4の外周面との間に食い込むことによって、クラッチリ
ング14とクラッチ外輪12とを連結し、該クラッチ外
輪12の回転トルクが巻取り軸4に伝達されるようにな
っている。
【0022】前記遊星歯車装置35は、前記ベース側壁
11aの外側に固定された遊星歯車ケース16の内歯1
6aと前記クラッチ外輪12との間に配設された遊星歯
車15と、これら遊星歯車15をそれぞれ回転自在に支
持する回転部材としての前記回転円板17とからなる。
該回転円板17には、遊星歯車15を回転自在に軸支す
るピン19が圧入される貫通孔17aと、ピニオンギヤ
21が嵌合される中央孔18とが形成されており、遊星
歯車15は回転円板17により公転させられる。そこ
で、前記クラッチ外輪12は、ピニオンギヤ21の回転
により増速回転させられる。
【0023】前記駆動手段6は、図5及び図7に示すよ
うに、前記ピニオンギヤ21に噛み合わされるラック歯
25aを形成されたラック25と、該ラック25を移動
可能に受容するシリンダー24と、該シリンダー24の
先端部とガス発生器29のガス噴出部とを連通連結する
ガス発生器ケース28とを有している。前記シリンダー
24の基端部は前記遊星歯車ケース16の外側に固定さ
れたラックギヤケース22に連結されている。前記ラッ
クギヤケース22には、前記ピニオンギヤ21が回転自
在に収容される中央開口33と、該中央開口33と一部
連通して前記ラック25を摺動案内する案内凹部34と
が形成されている。該ラックギヤケース22の外側には
巻取り軸4の先端が貫通する開口23aを形成されたプ
レート23が前記ピニオンギヤ21及びラック25を覆
うように配設されている。
【0024】前記ラック25のガス発生器ケース28側
の端部には、緩衝材26と共にシリンダー24内を摺動
可能なピストン27が配設されており、ガス発生器29
が発生した高圧ガスはガス発生器ケース28を介して該
ピストン27に伝達される。前記ラック25の背面25
bに対向する側の前記案内凹部34の側壁部には、くさ
び状空間を構成するカム面32が形成されており、該く
さび状空間内にはラックギヤケース22の案内凹部34
の内側壁に対するラック25の戻り方向(図5中、矢印
2 方向)の相対移動を規制する円筒状のローラーピン
36と、該ローラピン36をラック係合方向へ付勢する
コイルスプリング31とが配設され、ラック25の戻り
防止機構が構成されている。そこで、ラック25がウェ
ビング巻取り駆動方向(図5中、矢印Y1 方向)に移動
する際には、ローラピン36がコイルスプリング31の
付勢力に抗して非噛み合い方向へ移動可能であり、該ラ
ック25の移動を妨げるものではない。
【0025】次に、上記プリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクター1の動作について説明する。車両の
通常走行時状態では、図6に示すように、クラッチ外輪
12及びローラーピン10はクラッチリング14と非係
合なので、巻取り軸4は自由に回転可能となっている。
従って、ウェビング20を巻取りバネ装置5の付勢力で
巻取り可能であると共に、バネ力に抗してウェビング2
0を引出し自在となっている。
【0026】急ブレーキ等のある程度の大きさの減速度
が車両に発生すると、乗員が前方に移動してウェビング
20をある程度の加速度で引き出そうとする。この時、
リトラクターの緊急ロック機構2が作動して巻取り軸4
の回転をロックする。これにより、ウェビングの伸び出
しは阻止されるが、図示しない制御装置がガス発生器2
9を作動させることはないので、ラック25は押圧駆動
されない。
【0027】一方、車両衝突時等におけるような極めて
大きな所定の減速度が生じると、図示しない制御装置が
この減速度を検知してガス発生器29を点火する。点火
されたガス発生器29は、駆動ガスをガス発生器ケース
28内へ噴出する。すると、ガス発生器ケース28より
シリンダー24内へ流入した駆動ガスの膨張圧力がピス
トン27に作用し、該ピストン27は緩衝材26を介し
てラック25をウェビング巻取り駆動方向へ押圧駆動す
る。
【0028】前記ラック25が図5に示す矢印Y1 方向
へ押圧駆動されると、該ラック25のラック歯25aに
噛み合わされているピニオンギヤ21はウェビング巻取
り方向(図5中、矢印X1 方向)へ回転駆動される。す
ると、ピニオンギヤ21と一体的に回転する回転円板1
7も矢印X1 方向に回転する。回転円板17が矢印X1
方向に回転することにより、矢印X1 方向に公転させら
れる遊星歯車15は、遊星歯車ケース16の内歯16a
に噛み合いながら自転してクラッチ外輪12を矢印X1
方向に増速回転させる。従って、ピニオンギヤ21の矢
印X1 方向の回転は、遊星歯車装置35により増速して
伝達される。
【0029】そして、クラッチ外輪12が回転円板17
に対して矢印X1 方向に増速回転させられると、回転円
板17に固定されているホルダー8はクラッチ外輪12
に対して相対回転する。従って、ホルダー8のローラー
ピン保持片9a,9bに保持されているローラーピン1
0はカム面12bによりクラッチリング係合方向に移動
し、クラッチリング14の外周面とカム面12bとの間
に確実に食い込むので、該ローラーピン10がクラッチ
外輪12とクラッチリング14とを連結し、該クラッチ
外輪12の回転トルクを巻取り軸4に伝達する。
【0030】本実施例では、ローラーピン10は4個と
され、径方向で互いに対向して配置されているので、ク
ラッチリング14はバランスを崩すことなくローラーピ
ン10からの力を受け止める。従って、ローラーピン1
0からの力が分散されないでクラッチリング14に噛み
込む。このように、ローラーピン10の数は偶数個(特
に4〜6個)とし、対向配置するのが好ましい。
【0031】回転駆動された直後のクラッチ外輪12に
は、回転円板17に固定されているホルダー8のローラ
ーピン保持片9a,9bの係止状態を解除するために前
記細い接続部8dを破断するだけの負荷が作用せず、プ
リテンショナー始動時の回転駆動部材の始動抵抗は小さ
くなる。そして、更にクラッチ外輪12が回転円板17
に対してウェビング巻取り方向に相対回転させられ、前
記ローラーピン10がクラッチリング14の外周面とカ
ム面12bとの間に確実に食い込む位置まで移動する
と、ローラーピン10を介してクラッチ外輪12の回転
駆動力がホルダー8に伝達される。この時、回転円板1
7に固定されているホルダー8のローラーピン保持片9
a,9bの係止状態を解除するために前記細い接続部8
dを破断するだけの負荷がクラッチ外輪12に作用する
が、該クラッチ外輪12は加速されて運動エネルギーが
高まっていると共に、ローラーピン10は確実に食い込
んでクラッチ機構の接続を完了している。
【0032】そこで、図9に示すように、クラッチ外輪
12は小さい損失で前記細い接続部8dを破断して該ロ
ーラーピン保持片9a,9bの回転円板17に対する係
止状態を解除することができると共に、一体的に基板部
8aを速やかに回転移動させることができる。また、増
速回転された前記クラッチ外輪12は、急激にウェビン
グ巻取り方向へ回転駆動されるが、ローラーピン10の
食い込み方向の移動速度は回転円板17とクラッチ外輪
12の回転速度差となるので、ローラーピン10を緩や
かに噛み込ませてクラッチ接続の衝撃を緩和することが
できる。
【0033】従って、プリテンショナー始動時からウェ
ビング巻き込み開始までの時間遅れを小さくすることが
できると共に、クラッチ接続の衝撃によるリバウンドや
ベルト張力の変動によってローラーピン10が噛み込み
不良を起こすことはない。更に、クラッチ機構が接続さ
れる際、各機構部分には過大な衝撃荷重が加わることも
ない。
【0034】そして更に、駆動ガスの膨張圧力により押
圧駆動されるラック25の駆動力によりピニオンギヤ2
1がウェビング巻取り方向に回転駆動されると、増速回
転させられたクラッチ外輪12はローラーピン10を介
してクラッチリング14を一体的に矢印X1 方向に回転
駆動し、ウェビング20を巻取る方向に巻取り軸4を回
転させるので、ウェビング20が締め付けられ、シート
ベルトの弛みが除去される。
【0035】回転円板17に固定されているホルダー8
のローラーピン保持片9a,9bの係止状態を解除する
ための前記細い接続部8dの破断部は、図9に示すよう
にクラッチ外輪12が回転する際の摺動面(分離した基
板部8aの回転円板側表面及び回転円板17の内側面)
以外の部分である前記基板部8aの外周面上に破断面が
位置し、その破断跡がクラッチ外輪12の摺動面上に残
ることはないので、該クラッチ外輪12が回転する際の
摺動面の平滑性を確保することができる。従って、クラ
ッチ外輪12の高速でスムーズな回転が保障される。
【0036】そして、駆動ガスの膨張圧力によるラック
25の押圧駆動が止まると、ウェビング20の張力によ
り巻取り軸4がウェビング引出し方向(図9中、矢印X
2 方向)へ回転し、クラッチ外輪12及びピニオンギヤ
21も逆回転を始める。すると、ラック25は案内凹部
34の内側壁に対して戻り方向(図5中、矢印Y2
向)へ相対移動しようとするが、前記ローラピン36が
ラック25の背面25bと案内凹部34のカム面32と
の間に食い込むことにより、ラック25は戻り方向への
相対移動が規制されるので、ピニオンギヤ21は逆回転
を防止される。そこで、プリテンショナー3によるベル
ト巻締め動作完了直後も、上記駆動手段6はベルト伸び
出しを抑えることができる。
【0037】尚、上記本発明の一実施例においては、回
転部材である回転円板17をウェビング巻取り方向へ回
転駆動する駆動手段として、該回転円板17に固定され
たピニオンギヤを介してリトラクターの巻取り軸に回転
トルクを伝達可能なラックをガス圧力で押圧駆動する形
式の駆動手段を用いたが、これに限定されるものではな
い。例えば、本発明におけるプリテンショナーの如きク
ラッチ機構の構成は、回転部材を駆動するプリテンショ
ナーの駆動手段として回転ピストンの羽根部に気体の膨
張圧力を直接付与して駆動するシリンダーレス形式の駆
動手段や、ねじりコイルばねの弾性力を用いたり、シリ
ンダー内に摺動可能に受容されたピストンに作用する気
体の膨張圧力によりケーブルの一端部を引張り駆動する
所謂シリンダー形式の駆動手段のいずれにも応用するこ
とができ、基本の構成部材を共通化しながらリトラクタ
ー取付け位置等の諸条件により駆動手段を適宜選択する
ことができるので汎用性が高い。
【0038】更に、本発明におけるプリテンショナー付
きシ−トベルト用リトラクターの構成は上記実施例に限
定されるものではなく、本発明の主旨に基づいて種々の
形態を採り得ることは勿論であり、回転駆動部材、クラ
ッチリング、噛み合い要素、カム面、保持手段、保持手
段の係止方法及び破断可能な接続手段等の形状や構成は
適宜変更可能である。例えば、プリテンショナー作動時
に保持手段であるローラーピン保持片9a,9bの回転
円板17に対する係止状態を解除する為の破断部を、リ
ベット8fやローラーピン保持片9a,9bの根元に設
けても良い。
【0039】
【発明の効果】本発明のプリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクターによれば、回転部材が車両衝突時に
回転駆動されると、増速歯車装置を介して該回転部材に
増速回転される回転駆動部材は、その内周面に形成され
たカム面により噛み合い要素はクラッチリング係合方向
へ移動させられ、該カム面とクラッチリングの外周面と
の間に食い込ませられるが、この時、保持手段は回転部
材に係止されたままであり、回転駆動された直後の回転
駆動部材に対して相対移動可能であるので、回転駆動さ
れた直後の該回転駆動部材には保持手段の回転部材に対
する係止状態を解除するための負荷が作用せず、プリテ
ンショナー始動時の回転駆動部材の始動抵抗は小さくな
る。
【0040】更に、回転駆動部材が回転部材に対して増
速回転させられ、前記保持手段の破断部を破断するのに
必要な負荷が該回転駆動部材に作用する際には、回転駆
動部材は加速されて運動エネルギーが高まっていると共
に、噛み合い要素は確実に食い込んでクラッチ機構の接
続を完了している。そこで、小さい損失で該保持手段の
係止状態を解除でき、回転駆動部材と一体的に保持手段
を速やかに移動させることができる。又、噛み合い要素
の食い込み方向の移動速度は回転部材と回転駆動部材の
回転速度差となるので、噛み合い要素を緩やかに噛み込
ませてクラッチ接続の衝撃を緩和することができる。
【0041】従って、プリテンショナー始動時からウェ
ビング巻き込み開始までの時間遅れを小さくすることが
できると共に、クラッチ接続の衝撃によるリバウンドや
ベルト張力の変動によって噛み合い要素が噛み込み不良
を起こすことはない。更に、クラッチ機構が接続される
際、各機構部分には過大な衝撃荷重が加わることもな
く、各機構部分の強度を必要以上に大きくして製造コス
トを上昇させることもない。
【0042】その上、本発明におけるクラッチ機構の構
成は、回転部材の駆動手段により制限されることがない
ので、基本の構成部材を共通化しながらリトラクター取
付け位置等の諸条件により駆動手段を適宜選択すること
ができる。従って、汎用性が高く、プリテンショナー始
動時における駆動手段の巻締め駆動力の衝撃を緩和し、
巻取り軸を効率良くスムーズにウェビング巻取り方向へ
回転させることができる良好なクラッチ機構を備えたプ
リテンショナー付きシートベルト用リトラクターを提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に基づくプリテンショナー付
きシートベルト用リトラクターの正面図である。
【図2】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解矢視図の一部分である。
【図3】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解矢視図の残り部分である。
【図4】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解矢視図の残り部分である。
【図5】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターのA−A断面矢視図である。
【図6】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターのB−B断面矢視図である。
【図7】図5に示したプリテンショナーのC−C断面矢
視図である。
【図8】図3に示したホルダーの取付け状態を示す要部
拡大斜視図である。
【図9】図6に示したクラッチ機構の作動状態を説明す
るための要部断面図である。
【符号の説明】
1 プリテンショナー付きシートベルト用リトラクタ
ー 3 プリテンショナー 4 巻取り軸 5 巻取りバネ装置 6 駆動手段 7 巻取りリール 8 ホルダー 9a ローラーピン保持片 9b ローラーピン保持片 10 ローラーピン 11 リトラクターベース 12 クラッチ外輪 14 クラッチリング 15 遊星歯車 16 遊星歯車ケース 17 回転円板 19 ピン 21 ピニオンギヤ 22 ラックギヤケース 24 シリンダー 25 ラック 27 ピストン 29 ガス発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 周 神奈川県藤沢市桐原町12番地 日本精工株 式会社内 (72)発明者 小松 佳治 神奈川県藤沢市桐原町12番地 日本精工株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部材を介してリトラクターの巻取り
    軸に回転トルクを伝達可能な駆動手段により、巻取り軸
    をシートベルトの弛みが除去される方向に回転させるプ
    リテンショナーを備えたシートベルト用リトラクターで
    あって、 前記巻取り軸に配設されたクラッチリングと軸心周りに
    相対回転可能に支持される回転駆動部材は、該クラッチ
    リング外周面との間に略くさび状の空間を構成するカム
    面と、該くさび状空間内に配設されてクラッチリング係
    合方向に移動可能な噛み合い要素とを備えると共に、前
    記回転部材との間には該回転部材の回転により増速回転
    すべく増速歯車伝動装置が配設されており、 前記回転部材に係止されて前記噛み合い要素のクラッチ
    リング係合方向への移動を阻止する保持手段は、車両衝
    突時に回転駆動される回転部材と回転駆動部材との回転
    角度差に応じてクラッチリング外周面とカム面に噛み合
    い要素を係合させた後、回転部材に対する係止状態が解
    除されるように構成されていることを特徴とするプリテ
    ンショナー付きシートベルト用リトラクター。
JP7348267A 1995-12-19 1995-12-19 プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター Pending JPH09164912A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000063051A1 (fr) * 1999-04-16 2000-10-26 Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho Dispositif de mise en tension
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KR100801603B1 (ko) * 2007-05-16 2008-02-11 델파이코리아 주식회사 안전벨트 리트랙터의 회전 구조체

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