JPH09165644A - 低温で低降伏比を有する建築用鋼材 - Google Patents

低温で低降伏比を有する建築用鋼材

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JPH09165644A
JPH09165644A JP32582495A JP32582495A JPH09165644A JP H09165644 A JPH09165644 A JP H09165644A JP 32582495 A JP32582495 A JP 32582495A JP 32582495 A JP32582495 A JP 32582495A JP H09165644 A JPH09165644 A JP H09165644A
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JP
Japan
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low
yield ratio
steel
temperature
low temperature
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JP32582495A
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Ryuji Muraoka
隆二 村岡
Noriki Wada
典己 和田
Noboru Nishiyama
暢 西山
Saburo Tani
三郎 谷
Hiroshi Ishikawa
博 石川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温で低降伏比を示し、新耐震設計法に基づく
設計が可能な建築用鋼材を提供すること。 【解決手段】重量%で表した炭素当量Ceq=C+(M
n/6)+(Si/24)+(Ni/40)+(Cr/
5)+(Mo/4)+(V/14)が0.25〜0.4
7%の範囲であり、フェライトとベイナイトとの混合組
織である、低温で低降伏比を有する建築用鋼材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築分野におい
て、寒冷地における建築物、低温倉庫などの使用環境温
度が室温以下の建築物に用いられる低温で低降伏比を有
する建築用鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】昭和56年に改正施行された建築物の耐
震設計法は、それまでの構造各部に生ずる応力度を鋼材
の降伏点以内に止めるという弾性設計に代えて、鋼材が
降伏後、最大強さに達するまでの塑性域での変形能力を
活用して、地震入力エネルギーを吸収させ、建築物の耐
震安全性を確保しようとするものである。このことか
ら、新耐震設計法が適用される建築物の鋼材は、降伏後
の変形能を表わすパラメータである降伏比(YR値)が
低いこと、すなわち低降伏比が求められるようになって
いる。
【0003】オフィスや住宅用の建築物、いわゆるビル
は基本的に常温で使用されるため、上述の耐震設計法も
常温を前提に成り立っており、従来の低降伏比鋼も常温
(0〜30℃)でのYR値が80%以下あるいは75%
以下になるように製造されている。
【0004】ところが、建築物の中には、寒冷地におけ
る建築物、低温倉庫のように使用温度が低温(0℃以
下)であるような建築物がある。例えば、−55℃で使
用されるマグロ用の冷凍倉庫、寒冷地の地震多発地帯に
おける建築物等がある。このような低温で使用される建
築物にも新耐震設計法を適用し耐震安全性を確保するた
めには、低温で低降伏比を有する鋼材が必要となる。し
かし、従来、低降伏比鋼は常温での使用を前提としてお
り、低温での降伏比は考慮されていない。
【0005】本発明者らが従来の低降伏比鋼の低温での
引張特性及び靭性について検討した結果、多くの低降伏
比鋼は低降伏比を得るために粗粒であり、そのため低温
靭性が低く、例えば−55℃で使用の低温用倉庫では使
用できないことがわかった。
【0006】低温靭性に優れた低降伏比鋼に関しては、
特開平2−197522号公報や特開平5−21440
号公報に開示されているが、両公報に記載された発明に
沿って試作した鋼の低温引張特性について試験すると、
例えば−55℃ではYR値が80%以上になってしまう
ことが判明した。すなわち、このような低温でYR値を
低下させる技術は未だ開発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、低温で低降伏比を示し、
新耐震設計法に基づく設計が可能な建築用鋼材を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、重量%で表した炭素当量Ceq=C+
(Mn/6)+(Si/24)+(Ni/40)+(C
r/5)+(Mo/4)+(V/14)が0.25〜
0.47%の範囲であり、フェライトとベイナイトとの
混合組織であることを特徴とする低温で低降伏比を有す
る建築用鋼材を提供する。
【0009】本発明者らは、ミクロ組織と低温でのYR
値(降伏比)の関係を検討するために、後述する表2に
示すA1鋼板(フェライト+ベイナイト組織)、A2
(フェライト+パーライト組織)を用いて、室温以下の
温度でのYR値を測定した。その結果、引張試験温度が
低温になるほどYR値が上昇し、一様伸び特性が悪い
が、フェライト+ベイナイト混合組織がフェライト+パ
ーライト2相組織よりも低温でのYR値の上昇程度が低
い(すなわち、低温での伸び特性に優れている)ことを
新たに知見し、低温で新耐震設計法を満たすためにはフ
ェライトとベイナイトとの混合組織が適当であることを
把握した。
【0010】すなわち、低温で低YR値を示し、新耐震
設計を可能にする低温低降伏比建築鋼材を得るために
は、フェライトとベイナイトとの混合組織にすることが
有効であることを見出したのである。
【0011】本発明は、本発明者らの以上のような知見
に基づいてなされたものである。なお、フェライトとベ
イナイトとの混合組織中には、フェライトとベイナイト
との混合組織の持つ低温低降伏比の特徴を損なわない限
り、微量のパーライトが含まれていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の建築用鋼材は、重量%で表した炭素当量
Ceqが0.25〜0.47%の範囲であり、フェライ
トとベイナイトとの混合組織であることを要件とする。
【0013】ここで上記炭素当量Ceqは、Ceq=C
+(Mn/6)+(Si/24)+(Ni/40)+
(Cr/5)+(Mo/4)+(V/14)と定義さ
れ、溶接性の指標であるとともに、40〜60キロ鋼の
常温での強度との相関が深い。製造熱処理条件にもよる
が、圧延ままでCeqが0.25%よりも低いと建築用
鋼材としての強度が得られず、Ceqが0.47%より
大きいと強度が上がり過ぎ、延性、靭性および溶接性の
低下が懸念される。このため、Ceqを0.25〜0.
47%の範囲とし、この範囲を満たすようにMn、S
i、Ni、Cr、Mo、Vの量が規定される。
【0014】また、溶接構造用として所要の特性を得る
ためには、各元素は重量%で以下の範囲内であることが
望ましい。 C: Cは、最も安価な元素で強度向上に有効な元素で
あるが、0.04%では厚物で強度が不足し、多量の合
金元素が必要となってコスト高を招き、0.18%を超
えて添加すると溶接性が低下する。したがって、C量は
0.04〜0.18%の範囲が好ましい。
【0015】Si: Siは、鋼材の強度、溶鋼の予備
脱酸に必要な元素であるが、予備脱酸のためには0.0
5%以上の添加が必要である。一方、0.4%を超えて
添加した場合には鋼材の靭性、溶接HAZ靭性を劣化さ
せる。したがって、Si量は0.05〜0.4%の範囲
が好ましい。
【0016】Mn: Mnは母材強度を確保する上で必
要な元素である。しかし、0.6%未満では厚物で強度
が不足し、多量の合金元素の添加が必要となり、コスト
高を招く。また、Mnは中央偏析しやすい元素であるた
め、1.7%を超えて添加すると、板厚中央は著しく脆
化する。したがって、Mn量は0.6〜1.7%の範囲
が好ましい。
【0017】Al: Alは鋼の脱酸のために必要な元
素である。しかし、この量が0.001%未満では十分
な脱酸効果が期待できず、また、0.06%を超えて添
加すると連続鋳造スラブの表面に疵が発生しやすい。し
たがって、Al量は0.01〜0.06%の範囲が好ま
しい。
【0018】N: Nは、固体鋼中に固溶Nや窒化物系
介在物として存在する。固溶Nや粗大窒化物系介在物
は、鋼の低温靭性を劣化させる。N量が0.003%を
越えると、固溶Nが存在するようになり、また、最終凝
固部には粗大な窒化物(例えばTiNやNbN)が生成
しやすくなり、靭性を低下させるおそれがある。したが
って、N含有量は0.003%以下であることが好まし
い。
【0019】Nb,V: これらの元素は、Nb(C,
N)、VCを析出して高強度化に寄与するが、いずれも
0.005%未満では明瞭な強度上昇効果が見られず、
一方Nbが0.04%を超え、Vが0.1%を超える
と、降伏比を上昇させてしまう。したがってNb量は
0.005〜0.04%、V量は0.005〜0.1%
であることが好ましい。
【0020】Cu,Ni,Cr,Mo: これらの元素
は固溶強化や焼入性向上効果を通して高強度化に寄与す
る。しかし、Cu,Ni,Crが0.05%未満、Mo
が0.02%未満では明瞭な強度上昇が見られない。一
方Cuが0.6%を超えるとCu割れ発生の危険性を増
大させる。また、Niは高価な元素であるためコストの
観点からその上限を0.6%とする。さらに、Crが1
%を超え、Moが0.6%を超えると溶接性が著しく劣
化する。したがって、Cu:0.05〜0.6%、N
i:0.05〜0.6%、Cr:0.05〜1%、M
o:0.02〜0.6%が好ましい。
【0021】Ti: Tiは、TiNを形成して溶接H
AZ部の組織粗大化を抑制してHAZ靭性向上に寄与す
る元素である。しかし、0.005%未満ではHAZ靭
性向上の効果が発揮されず、0.015%を超えて添加
すると、溶接の冷却過程でTiCが析出し、HAZ靭性
の劣化を招く。したがって、Ti量は0.005〜0.
015%の範囲が好ましい。
【0022】S: Sは中央偏析し、その部分でMnS
を形成する。MnSは圧延により伸長するため、鋼板の
板厚中央部には伸長したMnSが他の部分より多く存在
する。本発明の鋼材は建築用であり、その多くは大入熱
サブマージアーク溶接(SAW)でボックス柱に組み立
てられ、建築物に使用される。大入熱サブマージアーク
溶接では、鉄粉入りのボンド型フラックスを多量に使用
するため、他の溶接法と比較すると鋼中に侵入する水素
量が高くなり、しばしばその熱影響部に割れが発生す
る。割れの発生起点は板厚中央の伸長化したMnSであ
る。伸長したMnSと地鉄との界面に溶接水素が集積
し、水素誘起割れを引き起こすのである。S量が0.0
02%を超えると、板厚中央のMnSが大型化し、ボッ
クス柱角継手部にHAZ割れが発生しやすくなる。した
がって、S含有量は0.002%以下が好ましい。
【0023】P: Pも非常に中央偏析しやすい元素で
あり、0.015%を超えて含有していると、板厚中央
部を著しく硬化させる。上述のMnSを起点としたHA
Z割れは、周囲が硬化しているほど、割れが伝播しやす
くなる。すなわち、大入熱サブマージアーク溶接で施工
したボックス柱角継手の水素割れを抑制するため、P量
は0.015%以下であることが好ましい。
【0024】本発明に係る鋼の組成としては、必須成分
であるC,Si,Mn,Alを含み、残部Feおよび不
可避不純物からなる基本組成、または、基本組成にさら
にCu,Ni,Cr,Mo,Nb,V,Tiのうち1種
または2種以上含有した組成であることが望ましい。
【0025】本発明の鋼は、フェライトとベイナイトと
の混合組織を有している。このような組織とすることに
より、上述したように低温での降伏比が低く、低温での
建築物に適している。この場合に、フェライトとベイナ
イトとの混合組織とは、フェライトとベイナイトの2相
からなり、かつベイナイト率が15〜70%である組織
を示す。
【0026】このような組成および組織を有する鋼は、
[低温加熱]+[高温仕上圧延]+[低温域ほど強冷却
となる強制冷却]により製造することができるが、これ
に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示す化学組成を有する鋼を溶製して鋳塊となし、
[低温加熱]+[高温仕上圧延]+[低温域ほど強冷却
となる強制冷却]により供試鋼板を得た。これらの供試
鋼板の組織および引張特性を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表2に示すように、Ceqが0.25〜
0.47%でフェライトとベイナイトとの混合組織を有
する本発明鋼板(A1,B1,C1,D1,E1,F
1,G1,H1,I1,J1,K1,L1)は−60℃
でもYR値が80%以下であることが確認された。これ
に対して、フェライトとパーライトとの2相組織である
比較鋼板(A2,B2,C2,D2,E2,F2,G
2,H2,I2,J2,K2,L2)は−60℃を超え
ることが確認された。
【0031】図1は表1のA鋼について、組織がフェラ
イト+パーライト(α+P)およびフェライト+ベイナ
イト(α+B)の場合における、温度と降伏比との関係
を示すグラフである。この図から同じ組成でもα+B組
織のほうが温度低下に対する降伏比の上昇が小さく、低
温での降伏比が低くなる傾向にあることがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低温で低降伏比を有する建築用鋼材が提供される。この
ため、低温で使用される建築構造物に新耐震設計を適用
し、建築物の安全性を確保することが可能となる。ま
た、本発明の鋼材は、所定のミクロ組織が得られればよ
く、成分組成、製造条件の制約が小さく、鋼材の大量生
産が可能で、しかも価格も安く、溶接施工が容易で建設
後期も短縮でき、全体としての建設費が低廉で済むとい
った効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】組織がフェライト+パーライト(α+P)およ
びフェライト+ベイナイト(α+B)の場合における、
温度と降伏比との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 三郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 石川 博 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表した炭素当量Ceq=C+
    (Mn/6)+(Si/24)+(Ni/40)+(C
    r/5)+(Mo/4)+(V/14)が0.25〜
    0.47%の範囲であり、フェライトとベイナイトとの
    混合組織であることを特徴とする低温で低降伏比を有す
    る建築用鋼材。
JP32582495A 1995-12-14 1995-12-14 低温で低降伏比を有する建築用鋼材 Pending JPH09165644A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003212038B2 (en) * 2002-07-10 2006-10-05 Nippon Steel Corporation Steel Pipe Having Low Yield Ratio
JP2024052561A (ja) * 2022-09-30 2024-04-11 Jfeスチール株式会社 溶接構造物用厚鋼板及びその製造方法、溶接部欠陥発生予測モデルの生成方法、並びに溶接構造物

Cited By (2)

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