JPH09165648A - 耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管およびその製造方法 - Google Patents
耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管およびその製造方法Info
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- JPH09165648A JPH09165648A JP7325876A JP32587695A JPH09165648A JP H09165648 A JPH09165648 A JP H09165648A JP 7325876 A JP7325876 A JP 7325876A JP 32587695 A JP32587695 A JP 32587695A JP H09165648 A JPH09165648 A JP H09165648A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管を効率よ
く製造する。 【解決手段】 C :0.01〜0.2%, Si: 0.5%以下, Mn: 2.
0%以下, S: 0.02%以下,Al: 0.07% 以下, N: 0.01%以下,
残りFeからなり、電縫溶接部の硫化物含有量が0.20%
以下であり、且つ、前記電縫溶接部は溶融凝固組織を有
している電縫溶接鋼管。上記成分組成の熱間圧延鋼帯を
オープンパイプに成形し、その両エッジ部をレーザー照
射により溶融すると共にアプセットし溶接することによ
って電縫溶接鋼管を製造する。
く製造する。 【解決手段】 C :0.01〜0.2%, Si: 0.5%以下, Mn: 2.
0%以下, S: 0.02%以下,Al: 0.07% 以下, N: 0.01%以下,
残りFeからなり、電縫溶接部の硫化物含有量が0.20%
以下であり、且つ、前記電縫溶接部は溶融凝固組織を有
している電縫溶接鋼管。上記成分組成の熱間圧延鋼帯を
オープンパイプに成形し、その両エッジ部をレーザー照
射により溶融すると共にアプセットし溶接することによ
って電縫溶接鋼管を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種の配管やパイプ
ライン等の、管の内外面が水に触れ、または露点になる
環境で使用される電縫溶接鋼管に関する。
ライン等の、管の内外面が水に触れ、または露点になる
環境で使用される電縫溶接鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の鋼管が、上下水道の配管、冷凍機
の冷却水の配管等のように、水(通常は腐食性成分を含
む)を流すことを目的とした用途や、石油または天然ガ
スを輸送するパイプライン等の露点になり、管の内外面
が水に触れる環境で使用されている。
の冷却水の配管等のように、水(通常は腐食性成分を含
む)を流すことを目的とした用途や、石油または天然ガ
スを輸送するパイプライン等の露点になり、管の内外面
が水に触れる環境で使用されている。
【0003】これらの用途に使用される鋼管は、製造方
法の上から、継目無鋼管と溶接鋼管とに大別することが
できるが、さらに目的とする鋼管の用途等を加味して、
その製造方法が決定される。
法の上から、継目無鋼管と溶接鋼管とに大別することが
できるが、さらに目的とする鋼管の用途等を加味して、
その製造方法が決定される。
【0004】例えば、マンネスマン圧延法は、鋼管の外
径に対して肉厚の厚い鋼管の製造に適しており、UOE
法は外径が大きく、肉厚/外径が小さい鋼管の製造に適
した方法である。また、UOE鋼管よりも小径で、継目
無鋼管よりも肉厚/外径が小さい鋼管の製造方法として
は、電縫溶接法がある。
径に対して肉厚の厚い鋼管の製造に適しており、UOE
法は外径が大きく、肉厚/外径が小さい鋼管の製造に適
した方法である。また、UOE鋼管よりも小径で、継目
無鋼管よりも肉厚/外径が小さい鋼管の製造方法として
は、電縫溶接法がある。
【0005】電縫溶接法は、鋼帯を連続的に成形してオ
ープンパイプとし、その相対するエッジ部を加熱しそし
て溶接して製管する方法である。この方法は他の溶接鋼
管の製造方法に比較して、高能率であるという長所を有
しているため、各種の配管用として、また機械構造用と
して多用されている。なお、溶接部の加熱は高周波加熱
または抵抗加熱によって行われる。
ープンパイプとし、その相対するエッジ部を加熱しそし
て溶接して製管する方法である。この方法は他の溶接鋼
管の製造方法に比較して、高能率であるという長所を有
しているため、各種の配管用として、また機械構造用と
して多用されている。なお、溶接部の加熱は高周波加熱
または抵抗加熱によって行われる。
【0006】しかしながら、電縫溶接鋼管を上述したよ
うな、水に触れる環境で使用すると、しばしば溝状腐食
(以後溝食と略す)と呼ばれている、この鋼管に特有の
腐食が進行することが知られている。その原因の1つと
して、電縫溶接法は、通常の溶融溶接と圧接の中間とも
言える溶接であり、接合部に明瞭な溶融プールが形成さ
れず、従って、溶接時に酸化によって形成される介在物
が、鋼の内部からは排出されにくく、連続して残存する
ことがあげられている。この対策としては、溶接時にオ
ープンパイプにアプセットを施し、上記介在物等を外部
に排出することが一般的である。
うな、水に触れる環境で使用すると、しばしば溝状腐食
(以後溝食と略す)と呼ばれている、この鋼管に特有の
腐食が進行することが知られている。その原因の1つと
して、電縫溶接法は、通常の溶融溶接と圧接の中間とも
言える溶接であり、接合部に明瞭な溶融プールが形成さ
れず、従って、溶接時に酸化によって形成される介在物
が、鋼の内部からは排出されにくく、連続して残存する
ことがあげられている。この対策としては、溶接時にオ
ープンパイプにアプセットを施し、上記介在物等を外部
に排出することが一般的である。
【0007】しかしながら、アプセットの結果として、
図4(a)に示すように、鋼管20の電縫溶接部近傍の
メタルフロー21が立ち上がる。さらに、鋼管20の内
部には硫化物(MnS、FeS、CaS等)が圧延方向
に延ばされた形で、または、粒状の硫化物が連続した形
で存在し、硫化物含有量の高いゾーン22が生ずるが、
これらがアプセットによって外側に押し出される。
図4(a)に示すように、鋼管20の電縫溶接部近傍の
メタルフロー21が立ち上がる。さらに、鋼管20の内
部には硫化物(MnS、FeS、CaS等)が圧延方向
に延ばされた形で、または、粒状の硫化物が連続した形
で存在し、硫化物含有量の高いゾーン22が生ずるが、
これらがアプセットによって外側に押し出される。
【0008】さらに、図4(b)に示したように、形状
を整える研削が施されることにより、言わば、鋼の圧延
時の断面(圧延時の表面に比較して耐食性が劣る)が鋼
管2の内外表面に現れることになる。また図からも明ら
かなように、研削によって除去される部分においては、
鋼管20の表面近くの比較的、硫化物量の少ない部分の
割合が大きい。その結果、残存部分における硫化物の鋼
中に占める割合は、溶接部から外れた部分に比較して大
になるため、メタルフローの立ち上がり部を含んだ電縫
溶接部23の硫化物量(S量、MnS量)は当然多くな
る。なお、接合面にはさらに高密度に硫化物が連続して
残存することは言うまでもない。
を整える研削が施されることにより、言わば、鋼の圧延
時の断面(圧延時の表面に比較して耐食性が劣る)が鋼
管2の内外表面に現れることになる。また図からも明ら
かなように、研削によって除去される部分においては、
鋼管20の表面近くの比較的、硫化物量の少ない部分の
割合が大きい。その結果、残存部分における硫化物の鋼
中に占める割合は、溶接部から外れた部分に比較して大
になるため、メタルフローの立ち上がり部を含んだ電縫
溶接部23の硫化物量(S量、MnS量)は当然多くな
る。なお、接合面にはさらに高密度に硫化物が連続して
残存することは言うまでもない。
【0009】電縫溶接部近傍におけるメタルの立ち上が
り部に、Sを主原因とする腐食が進行する。この部分の
腐食は、起点がMnSやFeSと言ったA系介在物であ
ることが多く、腐食は、その初期段階では介在物に沿っ
て進行する。なお、母材部ではこれらの介在物は、圧延
方向に平行(L方向)に伸び、板の表面には露出してい
ない。
り部に、Sを主原因とする腐食が進行する。この部分の
腐食は、起点がMnSやFeSと言ったA系介在物であ
ることが多く、腐食は、その初期段階では介在物に沿っ
て進行する。なお、母材部ではこれらの介在物は、圧延
方向に平行(L方向)に伸び、板の表面には露出してい
ない。
【0010】さらに、電縫溶接法は、入熱が小さい溶接
方法であるために、接合部の冷却速度が速く、数〜10
秒で400℃以下まで冷却される。このため、加熱時に
一度固溶した硫化物は、FeSまたはMnS等として完
全には再析出できず、大部分は過飽和に固溶したままと
なる。その結果、電縫溶接部の固溶Sの濃度は、母材部
に比較して高くなり、浸漬電位が母材部より卑になる。
これも電縫溶接部の耐食性を下げる理由となる。
方法であるために、接合部の冷却速度が速く、数〜10
秒で400℃以下まで冷却される。このため、加熱時に
一度固溶した硫化物は、FeSまたはMnS等として完
全には再析出できず、大部分は過飽和に固溶したままと
なる。その結果、電縫溶接部の固溶Sの濃度は、母材部
に比較して高くなり、浸漬電位が母材部より卑になる。
これも電縫溶接部の耐食性を下げる理由となる。
【0011】上述した理由により、電縫溶接鋼管におい
ては溶接部が選択的に腐食されることがあり、この腐食
は、その形態もV字形に深いことが多く、溝食と呼ばれ
ている。
ては溶接部が選択的に腐食されることがあり、この腐食
は、その形態もV字形に深いことが多く、溝食と呼ばれ
ている。
【0012】このような腐食環境における耐食性の向上
手段として、鋼の組成面からのアプローチしたものと、
熱処理面からアプローチしたものと、そして、溶接方法
の面からアプローチしたものとがある。
手段として、鋼の組成面からのアプローチしたものと、
熱処理面からアプローチしたものと、そして、溶接方法
の面からアプローチしたものとがある。
【0013】耐溝食性の向上手段として、例えば、特開
昭56−123349号公報には、S量を下げ、Caを
添加した鋼を用いた電縫溶接鋼管(以下、先行技術1と
いう)が開示され、特開平2−156039号公報に
は、C量を0.65〜1.25%以上に高めた鋼を用い
た電縫溶接鋼管(以下、先行技術2という)が開示さ
れ、そして、特開平2−156041号公報には、C量
を0.65〜1.25%に高め、Mn量を0.20%未
満に下げた鋼を用いた電縫溶接鋼管(以下、先行技術3
という)が開示されている。
昭56−123349号公報には、S量を下げ、Caを
添加した鋼を用いた電縫溶接鋼管(以下、先行技術1と
いう)が開示され、特開平2−156039号公報に
は、C量を0.65〜1.25%以上に高めた鋼を用い
た電縫溶接鋼管(以下、先行技術2という)が開示さ
れ、そして、特開平2−156041号公報には、C量
を0.65〜1.25%に高め、Mn量を0.20%未
満に下げた鋼を用いた電縫溶接鋼管(以下、先行技術3
という)が開示されている。
【0014】熱処理についても、特開昭56−1343
6号公報には、730〜780℃の温度範囲で熱処理を
行うこと(以下、先行技術4という)により、耐溝食性
が向上する旨が開示されており、一方、溶接方法の面か
らのアプローチとして、たとえば、特開昭63−241
116号公報には、非酸化性ガスで溶接部をシールドし
て、電縫溶接を行い、電縫部の欠陥を減少させる方法
(以下、先行技術5という)が開示されている。
6号公報には、730〜780℃の温度範囲で熱処理を
行うこと(以下、先行技術4という)により、耐溝食性
が向上する旨が開示されており、一方、溶接方法の面か
らのアプローチとして、たとえば、特開昭63−241
116号公報には、非酸化性ガスで溶接部をシールドし
て、電縫溶接を行い、電縫部の欠陥を減少させる方法
(以下、先行技術5という)が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
技術は、耐溝食性に優れた電縫溶接鋼管を得ると言う目
的には必ずしも合致したものではない。まず、鋼の成分
組成を規定する方法のうち、S量を制限しCaを添加す
る先行技術1によれば、たしかに、劣化原因の1部が軽
減される。しかしながら、酸化物系の介在物について
は、全く対策が採られていないため、これを除去するた
めのアプセットが必要であり、その結果、メタルフロー
は立ち上がりが少なくなったとは言え、残存するMnS
やFeSが内外表面近くに濃化することになる。
技術は、耐溝食性に優れた電縫溶接鋼管を得ると言う目
的には必ずしも合致したものではない。まず、鋼の成分
組成を規定する方法のうち、S量を制限しCaを添加す
る先行技術1によれば、たしかに、劣化原因の1部が軽
減される。しかしながら、酸化物系の介在物について
は、全く対策が採られていないため、これを除去するた
めのアプセットが必要であり、その結果、メタルフロー
は立ち上がりが少なくなったとは言え、残存するMnS
やFeSが内外表面近くに濃化することになる。
【0016】C量を増加させた先行技術2、および、C
量を増加しMn量を減らした先行技術3は、何れも熱間
加工性が悪く、溶接性も劣っていると予想されることか
ら、製造しにくく、且つ、汎用性に乏しい。
量を増加しMn量を減らした先行技術3は、何れも熱間
加工性が悪く、溶接性も劣っていると予想されることか
ら、製造しにくく、且つ、汎用性に乏しい。
【0017】先行技術4のように、熱処理を行うこと
は、電縫溶接部の組織を母材部に近づけることにはな
る。しかし、熱処理による改善は、固溶したMnS等を
析出させることのみであり、MnS等の形態を変えるこ
とや、メタルフローの形態を変えることは不可能であ
り、その効果が小さいことは明らかである。そして、先
行技術5のように、酸化物系の介在物を形成させないた
めに、シールドを行う技術も、アプセットが不要になる
わけではなく、先の、S量を制限しCaを添加する方法
と同様に、根本的な解決方法ではない。これは、酸化物
の形成が無視できる程度までシールド性に優れ、かつ連
続操業に耐え得る、コスト的にも満足の行くシールド装
置がいまだ開発されていないことによる。
は、電縫溶接部の組織を母材部に近づけることにはな
る。しかし、熱処理による改善は、固溶したMnS等を
析出させることのみであり、MnS等の形態を変えるこ
とや、メタルフローの形態を変えることは不可能であ
り、その効果が小さいことは明らかである。そして、先
行技術5のように、酸化物系の介在物を形成させないた
めに、シールドを行う技術も、アプセットが不要になる
わけではなく、先の、S量を制限しCaを添加する方法
と同様に、根本的な解決方法ではない。これは、酸化物
の形成が無視できる程度までシールド性に優れ、かつ連
続操業に耐え得る、コスト的にも満足の行くシールド装
置がいまだ開発されていないことによる。
【0018】上述したことから、十分な耐溝食性を備え
た電縫溶接鋼管は、従来製造し得ないものとされてき
た。従って、この発明の目的は、上述した問題を解決
し、耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管およびその製造
方法を提供することにある。
た電縫溶接鋼管は、従来製造し得ないものとされてき
た。従って、この発明の目的は、上述した問題を解決
し、耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管およびその製造
方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溝食特性
に影響を与える要因を、 1)鋼の組織 2)鋼の清浄度 3)鋼の組成 の面から検討、研究を重ねて本発明を完成させたもので
ある。
に影響を与える要因を、 1)鋼の組織 2)鋼の清浄度 3)鋼の組成 の面から検討、研究を重ねて本発明を完成させたもので
ある。
【0020】本発明の特徴は、電縫溶接部の耐食性に影
響を与える鋼の組織と清浄度を、レーザー溶接を行うこ
とにより改良したものであり、溶接部の固溶Sを減少さ
せ、アプセット量を制限しメタルフローの立ち上がりを
小さくして、鋼内部の不純物の含有量が多い部分が鋼管
の溶接部に占める割合を小さくし、さらに、従来の電縫
溶接鋼管に見られる、接合面の連続した介在物の存在を
無くしたことにある。その結果、優れた耐溝食性を持っ
た電縫溶接鋼管が得ることが可能となった。
響を与える鋼の組織と清浄度を、レーザー溶接を行うこ
とにより改良したものであり、溶接部の固溶Sを減少さ
せ、アプセット量を制限しメタルフローの立ち上がりを
小さくして、鋼内部の不純物の含有量が多い部分が鋼管
の溶接部に占める割合を小さくし、さらに、従来の電縫
溶接鋼管に見られる、接合面の連続した介在物の存在を
無くしたことにある。その結果、優れた耐溝食性を持っ
た電縫溶接鋼管が得ることが可能となった。
【0021】請求項1の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管は、重量%で、 C :0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 残り、Feからなり、そして電縫溶接部の硫化物含有量
が0.20%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶融
凝固組織を有していることに特徴を有するものである。
電縫溶接鋼管は、重量%で、 C :0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 残り、Feからなり、そして電縫溶接部の硫化物含有量
が0.20%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶融
凝固組織を有していることに特徴を有するものである。
【0022】請求項2の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管は、 C:0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 残り、Feからなり、そして、電縫溶接部の中心面から
両側の100μmの範囲における硫化物量の含有量が
0.20%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶融凝
固組織を有していることに特徴を有するものである。
電縫溶接鋼管は、 C:0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 残り、Feからなり、そして、電縫溶接部の中心面から
両側の100μmの範囲における硫化物量の含有量が
0.20%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶融凝
固組織を有していることに特徴を有するものである。
【0023】請求項3の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管は、 C:0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 を含有し、更に、下記からなる群から選んだ少なくとも
1つの元素を下記の範囲(いずれも0を含む)で含有
し、 Ni:1%以下、 Cr:3%以下、 Co:1%以下、 Cu:1%以下、 Mo:1%以下、 W:1%以下、 Ti:0.1%以下、 Nb:0.2%以下、 V:0.2%以下、 Zr:0.1%以下、 REM:0.1%以下 Yt:0.1%以下、 Ca:0.01%以下 Mg:0.01%以下、 As:0.1%以下、 Pb:0.1%以下、 Sb:0.1%以下、 Sn:0.1%以下、 残り、Feからなり、そして、電縫溶接部の硫化物含有
量は0.20%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶
融凝固組織を有していることに特徴を有するものであ
る。
電縫溶接鋼管は、 C:0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 を含有し、更に、下記からなる群から選んだ少なくとも
1つの元素を下記の範囲(いずれも0を含む)で含有
し、 Ni:1%以下、 Cr:3%以下、 Co:1%以下、 Cu:1%以下、 Mo:1%以下、 W:1%以下、 Ti:0.1%以下、 Nb:0.2%以下、 V:0.2%以下、 Zr:0.1%以下、 REM:0.1%以下 Yt:0.1%以下、 Ca:0.01%以下 Mg:0.01%以下、 As:0.1%以下、 Pb:0.1%以下、 Sb:0.1%以下、 Sn:0.1%以下、 残り、Feからなり、そして、電縫溶接部の硫化物含有
量は0.20%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶
融凝固組織を有していることに特徴を有するものであ
る。
【0024】請求項4の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管は、 C:0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 を含有し、更に、下記からなる群から選んだ少なくとも
1つの元素を下記の範囲(いずれも0を含む)で含有
し、 Ni:1%以下、 Cr:3%以下、 Co:1%以下、 Cu:1%以下、 Mo:1%以下、 W:1%以下、 Ti:0.1%以下、 Nb:0.2%以下、 V:0.2%以下、 Zr:0.1%以下、 REM:0.1%以下 Yt:0.1%以下、 Ca:0.01%以下 Mg:0.01%以下、 As:0.1%以下、 Pb:0.1%以下、 Sb:0.1%以下、 Sn:0.1%以下、 残り、Feからなり、そして、電縫溶接部の中心面から
両側の100μmの範囲における硫化物量の含有量が
0.10%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶融凝
固組織を有していることに特徴を有するものである。
電縫溶接鋼管は、 C:0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 を含有し、更に、下記からなる群から選んだ少なくとも
1つの元素を下記の範囲(いずれも0を含む)で含有
し、 Ni:1%以下、 Cr:3%以下、 Co:1%以下、 Cu:1%以下、 Mo:1%以下、 W:1%以下、 Ti:0.1%以下、 Nb:0.2%以下、 V:0.2%以下、 Zr:0.1%以下、 REM:0.1%以下 Yt:0.1%以下、 Ca:0.01%以下 Mg:0.01%以下、 As:0.1%以下、 Pb:0.1%以下、 Sb:0.1%以下、 Sn:0.1%以下、 残り、Feからなり、そして、電縫溶接部の中心面から
両側の100μmの範囲における硫化物量の含有量が
0.10%以下であり、かつ、前記電縫溶接部は溶融凝
固組織を有していることに特徴を有するものである。
【0025】請求項5の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4に記載の成分組成を有する
熱間圧延鋼帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼
帯を多段の成形ロールで連続的にオープンパイプに成形
する工程と、そして、(c)前記オープンパイプの相対
する両エッジ部を、レーザー照射により溶融すると共
に、スクイズロールでアプセットして溶接する工程、と
からなることに特徴を有するものである。
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4に記載の成分組成を有する
熱間圧延鋼帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼
帯を多段の成形ロールで連続的にオープンパイプに成形
する工程と、そして、(c)前記オープンパイプの相対
する両エッジ部を、レーザー照射により溶融すると共
に、スクイズロールでアプセットして溶接する工程、と
からなることに特徴を有するものである。
【0026】請求項6の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4に記載の成分組成の熱間圧
延鋼帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼帯を多
段の成形ロールで連続的にオープンパイプに成形する工
程と、(c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部
を、1200℃以下に加熱する工程と、(d)前記加熱
された両エッジ部を、レーザー照射して溶融すると共
に、スクイズロールでアプセットして溶接する工程、と
からなることに特徴を有するものである。
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4に記載の成分組成の熱間圧
延鋼帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼帯を多
段の成形ロールで連続的にオープンパイプに成形する工
程と、(c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部
を、1200℃以下に加熱する工程と、(d)前記加熱
された両エッジ部を、レーザー照射して溶融すると共
に、スクイズロールでアプセットして溶接する工程、と
からなることに特徴を有するものである。
【0027】請求項7の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4に記載の組成の熱間圧延鋼
帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼帯を多段の
成形ロールで連続的にオープンパイプに成形する工程
と、(c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部
を、レーザー照射により溶融すると共に、スクイズロー
ルでアプセットして溶接し、電縫溶接鋼管とする工程
と、(d)前記鋼管を熱処理する工程、とからなること
に特徴を有するものである。
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4に記載の組成の熱間圧延鋼
帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼帯を多段の
成形ロールで連続的にオープンパイプに成形する工程
と、(c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部
を、レーザー照射により溶融すると共に、スクイズロー
ルでアプセットして溶接し、電縫溶接鋼管とする工程
と、(d)前記鋼管を熱処理する工程、とからなること
に特徴を有するものである。
【0028】請求項8の発明の、耐溝状腐食性に優れた
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)第1発明、第2発
明、第3発明、または第4発明に記載の組成の熱間圧延
鋼帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼帯を多段
の成形ロールで連続的にオープンパイプに成形する工程
と、(c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部
を、1200℃以下に加熱する工程と、(d)前記オー
プンパイプの相対する両エッジ部を、レーザー照射によ
り溶融すると共に、スクイズロールでアプセットして溶
接し、電縫溶接鋼管とする工程と、(e)前記鋼管を熱
処理する工程、とからなることに特徴を有するものであ
る。
電縫溶接鋼管の製造方法は、(a)第1発明、第2発
明、第3発明、または第4発明に記載の組成の熱間圧延
鋼帯を調製する工程と、(b)前記熱間圧延鋼帯を多段
の成形ロールで連続的にオープンパイプに成形する工程
と、(c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部
を、1200℃以下に加熱する工程と、(d)前記オー
プンパイプの相対する両エッジ部を、レーザー照射によ
り溶融すると共に、スクイズロールでアプセットして溶
接し、電縫溶接鋼管とする工程と、(e)前記鋼管を熱
処理する工程、とからなることに特徴を有するものであ
る。
【0029】請求項9の発明は、請求項1、請求項2、
請求項3または請求項4に記載の成分組成の鋼塊または
スラブを、1200℃以上の温度に加熱し、次いで、前
記温度に加熱された鋼塊またはスラブを、圧延終了温度
680℃以上で圧延して熱間圧延鋼帯となし、次いで、
これを3〜40℃/sec.の冷却速度で300〜65
0℃の温度まで水冷した後、放冷することによって熱間
圧延鋼帯を製造することに特徴を有するものである。
請求項3または請求項4に記載の成分組成の鋼塊または
スラブを、1200℃以上の温度に加熱し、次いで、前
記温度に加熱された鋼塊またはスラブを、圧延終了温度
680℃以上で圧延して熱間圧延鋼帯となし、次いで、
これを3〜40℃/sec.の冷却速度で300〜65
0℃の温度まで水冷した後、放冷することによって熱間
圧延鋼帯を製造することに特徴を有するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明の電縫溶接鋼管によれ
ば、上述したように、鋼管の成分組成および電縫溶接部
における硫化物の量が特定の範囲に限定され、且つ、電
縫溶接部が溶融凝固組織を有していることにより、優れ
た耐溝食性が発揮される。そして、このような電縫溶接
鋼管は、その成分組成が一定の範囲にコントロールされ
た熱間圧延鋼帯を、オープンパイプに成形した上、その
両エッジ部をレーザー照射により溶融すると共にアプセ
ットして溶接し、必要に応じてレーザー照射の前にオー
プンパイプの両エッジ部を予熱し、また、溶接後に鋼管
に熱処理することにより、容易に製造することができ
る。
ば、上述したように、鋼管の成分組成および電縫溶接部
における硫化物の量が特定の範囲に限定され、且つ、電
縫溶接部が溶融凝固組織を有していることにより、優れ
た耐溝食性が発揮される。そして、このような電縫溶接
鋼管は、その成分組成が一定の範囲にコントロールされ
た熱間圧延鋼帯を、オープンパイプに成形した上、その
両エッジ部をレーザー照射により溶融すると共にアプセ
ットして溶接し、必要に応じてレーザー照射の前にオー
プンパイプの両エッジ部を予熱し、また、溶接後に鋼管
に熱処理することにより、容易に製造することができ
る。
【0031】図1は、この発明の方法を実施するための
装置の一例を示す概略説明図、図2は図1のA−A線矢
視図である。図面に示すように、オープンパイプ(管状
体)1の移動方向に沿って、コンタクトチップ2、トッ
プロール4およびサイドロール5、第1高周波加熱装置
6、水冷ゾーン7および第2高周波加熱装置8が、この
順序で配置されている。
装置の一例を示す概略説明図、図2は図1のA−A線矢
視図である。図面に示すように、オープンパイプ(管状
体)1の移動方向に沿って、コンタクトチップ2、トッ
プロール4およびサイドロール5、第1高周波加熱装置
6、水冷ゾーン7および第2高周波加熱装置8が、この
順序で配置されている。
【0032】鋼帯を、図示しない従来の電縫管製造設備
の多段ロールによって、オープンパイプ(管状体)1に
成形し、次いで、高周波誘導加熱装置またはコンタクト
チップ2によって、オープンパイプ1の両エッジ部すな
わち鋼帯の突き合わせ部を適当な温度に予熱する。次い
で、突き合わせ部にレーザー光線3を照射して、これを
溶融し溶接する。なお、溶接時にトップロール4によ
り、突き合わせ部の形状をI型に形成し、サイドロール
5によりアプセットを与える。
の多段ロールによって、オープンパイプ(管状体)1に
成形し、次いで、高周波誘導加熱装置またはコンタクト
チップ2によって、オープンパイプ1の両エッジ部すな
わち鋼帯の突き合わせ部を適当な温度に予熱する。次い
で、突き合わせ部にレーザー光線3を照射して、これを
溶融し溶接する。なお、溶接時にトップロール4によ
り、突き合わせ部の形状をI型に形成し、サイドロール
5によりアプセットを与える。
【0033】トップロール4とレーザービーム3との位
置関係は、図2に示したように、複数個のトップロール
4が斜め上方からオープンパイプ1を抑えるように配置
されており、対になったロールの間をレーザー光線3が
通過し、溶接部を加熱して溶融し溶接する。
置関係は、図2に示したように、複数個のトップロール
4が斜め上方からオープンパイプ1を抑えるように配置
されており、対になったロールの間をレーザー光線3が
通過し、溶接部を加熱して溶融し溶接する。
【0034】このようにして溶接されたオープンパイプ
1は、第1高周波加熱装置6において、溶接部または鋼
管全体に、焼き鈍し、焼きならし、焼入れ等の熱処理が
施され、次いで、その下流側の水冷ゾーン7において焼
入れされた後、第2高周波加熱装置8において、焼き鈍
しおよび焼き戻しのための加熱が施される。
1は、第1高周波加熱装置6において、溶接部または鋼
管全体に、焼き鈍し、焼きならし、焼入れ等の熱処理が
施され、次いで、その下流側の水冷ゾーン7において焼
入れされた後、第2高周波加熱装置8において、焼き鈍
しおよび焼き戻しのための加熱が施される。
【0035】本発明の基本は、レーザー照射によって溶
接を行なうことである。レーザー照射による電縫管の製
造は、ステンレス鋼管では行なわれているが、本発明の
ように炭素鋼または低合金鋼に対して、耐食性の向上の
ために行なわれた例はない。
接を行なうことである。レーザー照射による電縫管の製
造は、ステンレス鋼管では行なわれているが、本発明の
ように炭素鋼または低合金鋼に対して、耐食性の向上の
ために行なわれた例はない。
【0036】本発明において、溶接のためにレーザー照
射を使用した最も大きな理由は、局部的に鋼を溶融する
上でレーザー照射が最適な手段であると判断したからで
ある。即ち、鋼は、レーザー照射が有するエネルギーに
より溶融されるので、従来の電縫溶接法に比較して入熱
が大きく、従って、レーザー照射によれば、冷却速度は
通常の電縫溶接鋼管に比較して遅く、MnS等が冷却時
に析出しやすく、溶接部が母材部に比較して卑となる程
度が少ない。なお、再析出したMnS等の硫化物は、当
然圧延方向に延ばされておらず、形状的にも耐溝食性を
下げる程度が少ない。
射を使用した最も大きな理由は、局部的に鋼を溶融する
上でレーザー照射が最適な手段であると判断したからで
ある。即ち、鋼は、レーザー照射が有するエネルギーに
より溶融されるので、従来の電縫溶接法に比較して入熱
が大きく、従って、レーザー照射によれば、冷却速度は
通常の電縫溶接鋼管に比較して遅く、MnS等が冷却時
に析出しやすく、溶接部が母材部に比較して卑となる程
度が少ない。なお、再析出したMnS等の硫化物は、当
然圧延方向に延ばされておらず、形状的にも耐溝食性を
下げる程度が少ない。
【0037】さらに、レーザー照射によって、溶接部に
生成する、耐食性に有害な酸化物を細かく砕き、微細に
分散させ、溶融凝固組織から排出することもできる。な
お、ここで溶融凝固組織とは、レーザー照射によって鋼
が溶解され、再度凝固した組織を指す。この場合の凝固
は、従来の電縫溶接鋼管の製造方法に比較して少ない
が、アプセットがかけられつつある状態で生ずるため、
変形を受けた物もこの凝固組織の中に当然含まれる。こ
の発明においては、電縫溶接部は、上述した溶融凝固組
織を有していることが必要である。
生成する、耐食性に有害な酸化物を細かく砕き、微細に
分散させ、溶融凝固組織から排出することもできる。な
お、ここで溶融凝固組織とは、レーザー照射によって鋼
が溶解され、再度凝固した組織を指す。この場合の凝固
は、従来の電縫溶接鋼管の製造方法に比較して少ない
が、アプセットがかけられつつある状態で生ずるため、
変形を受けた物もこの凝固組織の中に当然含まれる。こ
の発明においては、電縫溶接部は、上述した溶融凝固組
織を有していることが必要である。
【0038】従来の電縫溶接鋼管の製造においては、溶
接部の健全性を確保するために、強度のアプセットが必
要であったが、本発明によれば、アプセット量を少なく
しても、溶接部の健全性を確保することができる。その
理由は、レーザー照射によって溶融プールが生成される
ため、溶接部からの酸化物の排出が容易になって、メタ
ルフローの立上り角度を最小にすることが可能になり、
溝食が生ずる腐食環境において、耐食性を劣化させる硫
化物の濃縮を低減し得るからである。上述したように、
この発明によれば、溶接方法の改善により、溶接部の耐
食性が母材部と遜色のない電縫溶接鋼管が得られる。
接部の健全性を確保するために、強度のアプセットが必
要であったが、本発明によれば、アプセット量を少なく
しても、溶接部の健全性を確保することができる。その
理由は、レーザー照射によって溶融プールが生成される
ため、溶接部からの酸化物の排出が容易になって、メタ
ルフローの立上り角度を最小にすることが可能になり、
溝食が生ずる腐食環境において、耐食性を劣化させる硫
化物の濃縮を低減し得るからである。上述したように、
この発明によれば、溶接方法の改善により、溶接部の耐
食性が母材部と遜色のない電縫溶接鋼管が得られる。
【0039】この発明の電縫溶接鋼管において、その化
学成分組成を上述した範囲に限定した理由について、以
下に述べる。Cは鋼の強度を高める作用を有している。
しかしながら、C含有量が0.2%を超えると、レーザ
ー照射溶接部に欠陥が増加して溶接性が劣化し、且つ、
靱性も劣化する。一方、C含有量が0.01%未満で
は、所望の強度が得られない。従って、C含有量は0.
01〜0.2%の範囲内に限定すべきである。
学成分組成を上述した範囲に限定した理由について、以
下に述べる。Cは鋼の強度を高める作用を有している。
しかしながら、C含有量が0.2%を超えると、レーザ
ー照射溶接部に欠陥が増加して溶接性が劣化し、且つ、
靱性も劣化する。一方、C含有量が0.01%未満で
は、所望の強度が得られない。従って、C含有量は0.
01〜0.2%の範囲内に限定すべきである。
【0040】Mnも、鋼の強度を高める作用を有してい
る。しかしながら、Mn含有量が2.0%を超えると、
溶接性および靱性が劣化する。従って、Mn含有量は
2.0%以下に限定すべきである。
る。しかしながら、Mn含有量が2.0%を超えると、
溶接性および靱性が劣化する。従って、Mn含有量は
2.0%以下に限定すべきである。
【0041】Siは脱酸元素である。しかしながら、S
i含有量が0.5%を超えると、靱性が劣化する等の悪
影響が生ずる。従って、Si含有量は0.5%以下に限
定すべきである。なお、Al,Ti等の他の脱酸元素の
何れかが、0.005%程度以上含有されている場合に
は、その下限を限定する必要はない。上記他の脱酸元素
が含有されていない場合には、Si含有量の下限を0.
05%とする。
i含有量が0.5%を超えると、靱性が劣化する等の悪
影響が生ずる。従って、Si含有量は0.5%以下に限
定すべきである。なお、Al,Ti等の他の脱酸元素の
何れかが、0.005%程度以上含有されている場合に
は、その下限を限定する必要はない。上記他の脱酸元素
が含有されていない場合には、Si含有量の下限を0.
05%とする。
【0042】Alも脱酸元素である。しかしながら、A
l含有量が0.07%を超えると、靱性が劣化する等の
悪影響が生ずる。従って、Al含有量は0.07%以下
に限定すべきである。なお、他の脱酸元素が含有されて
いない場合には、Al含有量の下限を0.005%とす
る。
l含有量が0.07%を超えると、靱性が劣化する等の
悪影響が生ずる。従って、Al含有量は0.07%以下
に限定すべきである。なお、他の脱酸元素が含有されて
いない場合には、Al含有量の下限を0.005%とす
る。
【0043】Nは、溶解時に不純物として鋼中に入り込
む元素であるが、鋼の強化元素でもある。通常、大気か
ら鋼中に入り込む量は0.005%程度であるが、0.
01%までは鋼中に含有されていても良い。N含有量が
0.01%を超えると、加工性、溶接性および靱性が劣
化する。N含有量の下限値は特に限定する必要はない
が、0.001%以下にすることは非経済的であり、ま
たメリットもない。
む元素であるが、鋼の強化元素でもある。通常、大気か
ら鋼中に入り込む量は0.005%程度であるが、0.
01%までは鋼中に含有されていても良い。N含有量が
0.01%を超えると、加工性、溶接性および靱性が劣
化する。N含有量の下限値は特に限定する必要はない
が、0.001%以下にすることは非経済的であり、ま
たメリットもない。
【0044】Sは不可避的不純物であって、通常、鋼に
含まれる0.02%程度までは含有していてもよい。勿
論、本発明においても、S量は低い方が好ましく、例え
ば、S量を0.015%以下にすることにより、更に優
れた性能が得られる。なお耐HIC性、耐SSCC性を
合わせて持たせるためには、S量の上限値を0.005
%とすることが好ましい。
含まれる0.02%程度までは含有していてもよい。勿
論、本発明においても、S量は低い方が好ましく、例え
ば、S量を0.015%以下にすることにより、更に優
れた性能が得られる。なお耐HIC性、耐SSCC性を
合わせて持たせるためには、S量の上限値を0.005
%とすることが好ましい。
【0045】これに対して、Pの耐食性に与える影響は
無視し得る程度であり、従って、P含有量の上限を定め
る必要はないが、製造性等より0.04%程度が常識的
である。
無視し得る程度であり、従って、P含有量の上限を定め
る必要はないが、製造性等より0.04%程度が常識的
である。
【0046】以下に述べる元素は選択元素であって、そ
の少なくとも1つを含有させることにより、更に優れた
耐溝食性を有し、またその他の特性も兼ね備えた電縫溶
接鋼管が得られる。
の少なくとも1つを含有させることにより、更に優れた
耐溝食性を有し、またその他の特性も兼ね備えた電縫溶
接鋼管が得られる。
【0047】Cuは、水素の鋼中への拡散を防止し、耐
HIC性を改善する作用を有している。このような作用
は、Cuを0.01%程度以上含有させることにより生
ずる。しかしながら、Cu含有量が1.0%を超えると
鋼の熱間加工性が劣化する。従って、Cuを含有させる
場合には、その含有量を1.0%以下に限定すべきであ
る。
HIC性を改善する作用を有している。このような作用
は、Cuを0.01%程度以上含有させることにより生
ずる。しかしながら、Cu含有量が1.0%を超えると
鋼の熱間加工性が劣化する。従って、Cuを含有させる
場合には、その含有量を1.0%以下に限定すべきであ
る。
【0048】NiおよびCoは、耐HIC性を改善し、
また、Cuの熱間加工性に対する悪影響を低下させる作
用を有している。このような作用は、NiまたはCoを
0.01%程度以上含有させることにより生ずる。しか
しながら、NiまたはCoは高価な元素であり、且つそ
の含有量が1.0%を超えると、熱処理特性が変化す
る。従って、NiまたはCoを含有させる場合には、そ
の含有量を1.0%以下に限定すべきである。なお、
0.5%を超えて含有させると、耐SSCC性が劣化す
る。従って、耐SSCC性を必要とする場合には、Ni
またはCoの含有量の上限を0.5%とすることが好ま
しい。
また、Cuの熱間加工性に対する悪影響を低下させる作
用を有している。このような作用は、NiまたはCoを
0.01%程度以上含有させることにより生ずる。しか
しながら、NiまたはCoは高価な元素であり、且つそ
の含有量が1.0%を超えると、熱処理特性が変化す
る。従って、NiまたはCoを含有させる場合には、そ
の含有量を1.0%以下に限定すべきである。なお、
0.5%を超えて含有させると、耐SSCC性が劣化す
る。従って、耐SSCC性を必要とする場合には、Ni
またはCoの含有量の上限を0.5%とすることが好ま
しい。
【0049】MoおよびWは、鋼の耐食性を高め、ま
た、耐HIC性を改善する作用を有している。このよう
な作用は、MoまたはWを0.01%程度以上含有させ
ることにより生ずる。しかしながら、MoまたはWは高
価な元素であり、且つその含有量が1.0%を超える
と、加工性や溶接性が劣化する。従って、MoまたはW
を含有させる場合には、その含有量を1.0%以下に限
定すべきである。なお、0.5%を超えて含有させる
と、耐SSCC性が劣化する。従って、耐SSCC性を
必要とする場合には、MoまたはWの含有量の上限を
0.5%とすることが好ましい。
た、耐HIC性を改善する作用を有している。このよう
な作用は、MoまたはWを0.01%程度以上含有させ
ることにより生ずる。しかしながら、MoまたはWは高
価な元素であり、且つその含有量が1.0%を超える
と、加工性や溶接性が劣化する。従って、MoまたはW
を含有させる場合には、その含有量を1.0%以下に限
定すべきである。なお、0.5%を超えて含有させる
と、耐SSCC性が劣化する。従って、耐SSCC性を
必要とする場合には、MoまたはWの含有量の上限を
0.5%とすることが好ましい。
【0050】Caは、Sと結びついて介在物を粒状化
し、形態制御を通じて各種の腐食環境における耐食性を
向上させ、また、耐HIC性を改善する作用を有してい
る。このような作用は、Caを0.0001%以上含有
させることにより生ずる。しかしながら、Caの含有量
が0.01%を超えると、鋼の靭性が劣化する。従っ
て、Caを含有させる場合には、その含有量を0.01
%以下に限定すべきである。
し、形態制御を通じて各種の腐食環境における耐食性を
向上させ、また、耐HIC性を改善する作用を有してい
る。このような作用は、Caを0.0001%以上含有
させることにより生ずる。しかしながら、Caの含有量
が0.01%を超えると、鋼の靭性が劣化する。従っ
て、Caを含有させる場合には、その含有量を0.01
%以下に限定すべきである。
【0051】MgもSと結びついて介在物を粒状化し、
形態制御を通じて各種の腐食環境における耐食性を向上
させ、また、耐HIC性を改善する作用を有している。
このような作用は、Mgを0.0001%以上含有させ
ることにより生ずる。しかしながら、Mgの含有量が
0.01%を超えると、鋼の靱性が劣化する。従って、
Mgを含有させる場合には、その含有量を0.01%以
下に限定すべきである。
形態制御を通じて各種の腐食環境における耐食性を向上
させ、また、耐HIC性を改善する作用を有している。
このような作用は、Mgを0.0001%以上含有させ
ることにより生ずる。しかしながら、Mgの含有量が
0.01%を超えると、鋼の靱性が劣化する。従って、
Mgを含有させる場合には、その含有量を0.01%以
下に限定すべきである。
【0052】REMおよびYtも、Sと結びついて介在
物を粒状化し、形態制御を通じて各種の腐食環境におけ
る耐食性を向上させ、また、耐HIC性を改善する作用
を有している。このような作用は、REMまたはYtを
0.0001%以上含有させることにより生ずる。しか
しながら、REMまたはYtの含有量が0.1%を超え
ると、鋼の靭性が劣化する。従って、REMまたはYt
を含有させる場合には、その含有量を0.1%以下に限
定すべきである。
物を粒状化し、形態制御を通じて各種の腐食環境におけ
る耐食性を向上させ、また、耐HIC性を改善する作用
を有している。このような作用は、REMまたはYtを
0.0001%以上含有させることにより生ずる。しか
しながら、REMまたはYtの含有量が0.1%を超え
ると、鋼の靭性が劣化する。従って、REMまたはYt
を含有させる場合には、その含有量を0.1%以下に限
定すべきである。
【0053】Tiは、脱酸元素であり、また強化元素で
あって、その効果は、Tiを0.005%程度以上含有
させることにより生ずる。しかしながら、Tiの含有量
が0.1%を超えると、鋼の靱性が劣化する等の悪影響
が生ずる。従って、Tiを含有させる場合には、その含
有量を0.1%以下に限定すべきである。
あって、その効果は、Tiを0.005%程度以上含有
させることにより生ずる。しかしながら、Tiの含有量
が0.1%を超えると、鋼の靱性が劣化する等の悪影響
が生ずる。従って、Tiを含有させる場合には、その含
有量を0.1%以下に限定すべきである。
【0054】ZrもTiと同様に脱酸元素であり、また
強化元素であって、その効果は、Zrを0.005%程
度以上含有させることにより生ずる。しかしながら、Z
rの含有量が0.1%を超えると、鋼の靱性が劣化する
等の悪影響が生ずる。従って、Zrを含有させる場合に
は、その含有量を0.1%以下に限定すべきである。
強化元素であって、その効果は、Zrを0.005%程
度以上含有させることにより生ずる。しかしながら、Z
rの含有量が0.1%を超えると、鋼の靱性が劣化する
等の悪影響が生ずる。従って、Zrを含有させる場合に
は、その含有量を0.1%以下に限定すべきである。
【0055】NbおよびVは、鋼の強度を増加させる作
用を有しており、その効果は、NbまたはVを0.00
5%程度以上含有させることにより生ずる。しかしなが
ら、NbまたはVの含有量が0.2%を超えると、鋼の
靱性が劣化する等の悪影響が生ずる。従って、Nbまた
はVを含有させる場合には、その含有量を0.2%以下
に限定すべきである。
用を有しており、その効果は、NbまたはVを0.00
5%程度以上含有させることにより生ずる。しかしなが
ら、NbまたはVの含有量が0.2%を超えると、鋼の
靱性が劣化する等の悪影響が生ずる。従って、Nbまた
はVを含有させる場合には、その含有量を0.2%以下
に限定すべきである。
【0056】As,Sn,SbおよびPbは、鋼の炭酸
ガス腐食環境耐食性を向上させる作用を有しており、そ
の効果は、上記元素の何れか1つを0.0005%程度
以上含有させることにより生ずる。しかしながら、A
s,Sn,SbまたはPbの含有量が0.1%を超える
と、溶接性が劣化する。従って、As,Sn,Sbまた
はPbを含有させる場合には、その含有量を0.1%以
下に限定すべきである。
ガス腐食環境耐食性を向上させる作用を有しており、そ
の効果は、上記元素の何れか1つを0.0005%程度
以上含有させることにより生ずる。しかしながら、A
s,Sn,SbまたはPbの含有量が0.1%を超える
と、溶接性が劣化する。従って、As,Sn,Sbまた
はPbを含有させる場合には、その含有量を0.1%以
下に限定すべきである。
【0057】次に、電縫溶接部における硫化物の含有量
について述べる。従来の電縫溶接鋼管の製造の場合に
は、アプセット量が大きくなり、従って、メタルフロー
の立ち上がり角度が高く、内外面に必然的に大きなバリ
が発生した。このバリの除去を行うと、前述したよう
に、比較的硫化物の少ない部分が除去され、単位体積
(測定は面積)当りのS量やMnS量が増加する結果、
これが、溝食の主原因になる。
について述べる。従来の電縫溶接鋼管の製造の場合に
は、アプセット量が大きくなり、従って、メタルフロー
の立ち上がり角度が高く、内外面に必然的に大きなバリ
が発生した。このバリの除去を行うと、前述したよう
に、比較的硫化物の少ない部分が除去され、単位体積
(測定は面積)当りのS量やMnS量が増加する結果、
これが、溝食の主原因になる。
【0058】また、溝食の起点となる介在物が鋼管の内
外表面に現れる確率は、メタルフローの立ち上がり角度
により変化するが、45°以下の場合は比較的低く、実
質的にMnSやFeSが、鋼管の内外表面に現れること
は無視してよい。これに対して、メタルフローの立ち上
がり角度が45°を超えると、溝食の起点となる介在物
が表面に現れる確率が高くなる。
外表面に現れる確率は、メタルフローの立ち上がり角度
により変化するが、45°以下の場合は比較的低く、実
質的にMnSやFeSが、鋼管の内外表面に現れること
は無視してよい。これに対して、メタルフローの立ち上
がり角度が45°を超えると、溝食の起点となる介在物
が表面に現れる確率が高くなる。
【0059】同様に、アプセット後に研削しバリを除去
した場合に、鋼内部の不純物の多い部分が鋼管の表面近
傍を占める割合も、アプセットによる立ち上がり角度が
45°を超えると急増する。
した場合に、鋼内部の不純物の多い部分が鋼管の表面近
傍を占める割合も、アプセットによる立ち上がり角度が
45°を超えると急増する。
【0060】これに対して、本発明においては、レーザ
ー照射により溶接しているので、電縫溶接部における酸
化物の残存量が少なく、それを排出する必要性が小さい
ので、大量のアプセットを行う必要はない。なお、従来
の方法と同じ量のアプセットを行った場合でも溶融部が
存在するので、メタルフローの立ち上がり角度は当然小
さくすることが可能となる。
ー照射により溶接しているので、電縫溶接部における酸
化物の残存量が少なく、それを排出する必要性が小さい
ので、大量のアプセットを行う必要はない。なお、従来
の方法と同じ量のアプセットを行った場合でも溶融部が
存在するので、メタルフローの立ち上がり角度は当然小
さくすることが可能となる。
【0061】本発明の開発過程において、上述したメタ
ルフローの立ち上がり角度、溶接部の硫化物含有量、お
よび、溶接部の接合面近傍における硫化物含有量の、溝
食に対する影響を、レーザー照射により溶接した電縫溶
接鋼管と、通常の電縫溶接鋼管について検討した。
ルフローの立ち上がり角度、溶接部の硫化物含有量、お
よび、溶接部の接合面近傍における硫化物含有量の、溝
食に対する影響を、レーザー照射により溶接した電縫溶
接鋼管と、通常の電縫溶接鋼管について検討した。
【0062】その結果、レーザー照射により溶接し、メ
タルフローが45°以下になる範囲でアプセットを行う
ことにより、溶接部の硫化物の割合を0.20%以下に
することが可能なこと、および、溶接部の硫化物の割合
を0.20%以下にすることにより、後述する溝食の指
標であるα値を5以下になし得ることを見出した。
タルフローが45°以下になる範囲でアプセットを行う
ことにより、溶接部の硫化物の割合を0.20%以下に
することが可能なこと、および、溶接部の硫化物の割合
を0.20%以下にすることにより、後述する溝食の指
標であるα値を5以下になし得ることを見出した。
【0063】また、溶接部の接合面近傍の硫化物の含有
量にも注目し、接合面を中心とした一定範囲内の硫化物
の含有量が溝食にも関係することを見出した。従来の電
縫溶接鋼管は、接合面が明瞭であり、その接合面(電縫
溶接方向に直角方向の断面。ミクロ観察の場合は接合
線)のどの程度が硫化物で占められているかを求めるこ
とは比較的簡単である。
量にも注目し、接合面を中心とした一定範囲内の硫化物
の含有量が溝食にも関係することを見出した。従来の電
縫溶接鋼管は、接合面が明瞭であり、その接合面(電縫
溶接方向に直角方向の断面。ミクロ観察の場合は接合
線)のどの程度が硫化物で占められているかを求めるこ
とは比較的簡単である。
【0064】一方、本発明による電縫溶接鋼管では、接
合面が明瞭でないために、溶接部中心面を設定し、その
両側100μmの範囲の硫化物の含有量を求めて、従来
方法と比較した。なお、溶接部中心面は溶接部の形状よ
り決定され、また、メタルフローの立ち上がりからも決
定することができる。
合面が明瞭でないために、溶接部中心面を設定し、その
両側100μmの範囲の硫化物の含有量を求めて、従来
方法と比較した。なお、溶接部中心面は溶接部の形状よ
り決定され、また、メタルフローの立ち上がりからも決
定することができる。
【0065】上記溶接部中心面から両側の100μmの
幅を大きくすると、従来の方法による電縫溶接鋼管の接
合面近傍の硫化物含有量は下がることになるが、本発明
の電縫溶接鋼管においては、その変動が少ない。そし
て、100μmの幅の範囲内における硫化物の含有量が
0.20%を超えると、溝食が著しくなるが、従来の方
法により製造した電縫溶接鋼管は、その範囲を500μ
mとしても、0.20%以上であった。
幅を大きくすると、従来の方法による電縫溶接鋼管の接
合面近傍の硫化物含有量は下がることになるが、本発明
の電縫溶接鋼管においては、その変動が少ない。そし
て、100μmの幅の範囲内における硫化物の含有量が
0.20%を超えると、溝食が著しくなるが、従来の方
法により製造した電縫溶接鋼管は、その範囲を500μ
mとしても、0.20%以上であった。
【0066】なお、溶接部の硫化物含有量は、本来は体
積%であるが、実際の測定は、電縫溶接方向(鋼管の長
手方向、実験室溶接においては、鋼片の長手方向)と直
角な断面のミクロ組織観察による面積%により求めた値
を用いる。
積%であるが、実際の測定は、電縫溶接方向(鋼管の長
手方向、実験室溶接においては、鋼片の長手方向)と直
角な断面のミクロ組織観察による面積%により求めた値
を用いる。
【0067】溝食は次式で示される指標α値で評価し
た。なお、α=1.0は、電縫部の選択腐食が全く生じ
ていないことを示す。 α=d1/d2 但し、d1:電縫部の腐食深さ(mm) d2:母材部の腐食深さ(mm)
た。なお、α=1.0は、電縫部の選択腐食が全く生じ
ていないことを示す。 α=d1/d2 但し、d1:電縫部の腐食深さ(mm) d2:母材部の腐食深さ(mm)
【0068】溝食試験は、図5に示す装置を使用して行
なった。図5に示すように、試験溶液が収容されている
容器19内には、モータ15により回転する回転円板1
4が設けられ、回転円板14には複数個の試料13が取
り付けられている。容器19内には、その下部に空気吹
込み口17がそしてその上部に空気排出口18が設けら
れている。容器19の外側にはこれを囲むようにヒータ
16が設けられており、ヒータ16によって容器19内
の試験溶液は所定温度に加熱される。
なった。図5に示すように、試験溶液が収容されている
容器19内には、モータ15により回転する回転円板1
4が設けられ、回転円板14には複数個の試料13が取
り付けられている。容器19内には、その下部に空気吹
込み口17がそしてその上部に空気排出口18が設けら
れている。容器19の外側にはこれを囲むようにヒータ
16が設けられており、ヒータ16によって容器19内
の試験溶液は所定温度に加熱される。
【0069】試験溶液として大気を飽和させた人工海水
を使用し、試験温度:40℃、試験溶液の流速:3m/
sec、試験時間:1000hrの条件で、電縫溶接部
のない鋼に対し腐食試験を行い、腐食減量より腐食速度
は、1〜2×10-5mm/hであることを確認した。こ
の腐食速度に試験時間を掛けると、上記のd1となり、
0.1〜0.2mm/年の腐食速度となる。また、溶接
部を有する試験片断面のミクロ観察より選択腐食の深さ
d3を求め、d2=d1+d3とした。
を使用し、試験温度:40℃、試験溶液の流速:3m/
sec、試験時間:1000hrの条件で、電縫溶接部
のない鋼に対し腐食試験を行い、腐食減量より腐食速度
は、1〜2×10-5mm/hであることを確認した。こ
の腐食速度に試験時間を掛けると、上記のd1となり、
0.1〜0.2mm/年の腐食速度となる。また、溶接
部を有する試験片断面のミクロ観察より選択腐食の深さ
d3を求め、d2=d1+d3とした。
【0070】α値が5の場合は、0.5〜1mm/年の
腐食が生じていることになるが、実環境においては、上
記の試験条件においてα値が5以下の場合は、溝食によ
る問題はまれであることが確認されている。上述したこ
とから、この発明においては、電縫溶接部の硫化物含有
量を0.0%以下に限定した。
腐食が生じていることになるが、実環境においては、上
記の試験条件においてα値が5以下の場合は、溝食によ
る問題はまれであることが確認されている。上述したこ
とから、この発明においては、電縫溶接部の硫化物含有
量を0.0%以下に限定した。
【0071】次に、本発明の電縫溶接鋼管の製造方法に
ついて述べる。本発明方法は、基本的に、上述した成分
組成の熱間圧延鋼帯を調製し、この熱間圧延鋼帯をオー
プンパイプに成形し、オープンパイプの相対する両エッ
ジ部をレーザー照射により溶融すると共にアプセットし
て溶接し、更に、必要に応じて熱処理を施すことからな
っている。
ついて述べる。本発明方法は、基本的に、上述した成分
組成の熱間圧延鋼帯を調製し、この熱間圧延鋼帯をオー
プンパイプに成形し、オープンパイプの相対する両エッ
ジ部をレーザー照射により溶融すると共にアプセットし
て溶接し、更に、必要に応じて熱処理を施すことからな
っている。
【0072】熱間圧延鋼帯の調製は、次のようにして行
われる。即ち、まず鋼塊や連続鋳造スラブを1200℃
以上の温度に加熱する。加熱温度が1200℃未満で
は、圧延後期に鋼の温度が下がりすぎ、圧延が困難にな
る。加熱温度の上限は特に限定されるものではないが、
1300℃を超えると酸化が著しくなる。
われる。即ち、まず鋼塊や連続鋳造スラブを1200℃
以上の温度に加熱する。加熱温度が1200℃未満で
は、圧延後期に鋼の温度が下がりすぎ、圧延が困難にな
る。加熱温度の上限は特に限定されるものではないが、
1300℃を超えると酸化が著しくなる。
【0073】ホットストリップミルにおける圧延は、6
80℃以上の温度範囲で終了させる。圧延終了温度が6
80℃未満では、変形抵抗が大きくなりすぎ好ましくな
い。圧延終了温度の上限は950℃程度が目安となる。
圧延終了温度が950℃を超えると強度が低下する。
80℃以上の温度範囲で終了させる。圧延終了温度が6
80℃未満では、変形抵抗が大きくなりすぎ好ましくな
い。圧延終了温度の上限は950℃程度が目安となる。
圧延終了温度が950℃を超えると強度が低下する。
【0074】圧延終了後、3〜40℃/sec.の冷却
速度で冷却する。冷却速度が3℃/sec.未満では、
十分な強度が得られない。一方、冷却速度が40℃/s
ec.を超えると、強度が高くなりすぎ、巻取りや造管
が困難になる。冷却終了温度は300〜650℃の範囲
とする。冷却終了温度が650℃を超えて高いと強度が
不足する。一方、冷却終了温度が300℃未満で低い
と、強度が高くなりすぎ、巻取りや造管が困難になる。
速度で冷却する。冷却速度が3℃/sec.未満では、
十分な強度が得られない。一方、冷却速度が40℃/s
ec.を超えると、強度が高くなりすぎ、巻取りや造管
が困難になる。冷却終了温度は300〜650℃の範囲
とする。冷却終了温度が650℃を超えて高いと強度が
不足する。一方、冷却終了温度が300℃未満で低い
と、強度が高くなりすぎ、巻取りや造管が困難になる。
【0075】上述した条件で調製された鋼帯をオープン
パイプに成形し、必要に応じてオープンパイプの相対す
る両エッジ部をレーザー照射前に予熱する。予熱温度は
1200℃以下とし、用途や目的に応じて最適条件を選
択する。予熱温度が1200℃を超えて高いと、酸化が
著しくなり、レーザー照射により溶融プールを形成して
も、酸化物が溶接部に残留する量が多くなる。
パイプに成形し、必要に応じてオープンパイプの相対す
る両エッジ部をレーザー照射前に予熱する。予熱温度は
1200℃以下とし、用途や目的に応じて最適条件を選
択する。予熱温度が1200℃を超えて高いと、酸化が
著しくなり、レーザー照射により溶融プールを形成して
も、酸化物が溶接部に残留する量が多くなる。
【0076】勿論、予熱は必ずしも必須ではないが、適
切な条件で予熱を行うことにより、レーザー照射の負荷
を低減でき、また溶接後の冷却速度をある程度下げるこ
とが可能になる効果がある。従って、通常は300℃〜
1000℃の温度範囲で予熱を行う。このような予熱
は、高周波加熱または抵抗加熱によって行われ、溶接速
度が10〜20m/minの場合における予熱の投入電
力は、200〜600kw程度である。
切な条件で予熱を行うことにより、レーザー照射の負荷
を低減でき、また溶接後の冷却速度をある程度下げるこ
とが可能になる効果がある。従って、通常は300℃〜
1000℃の温度範囲で予熱を行う。このような予熱
は、高周波加熱または抵抗加熱によって行われ、溶接速
度が10〜20m/minの場合における予熱の投入電
力は、200〜600kw程度である。
【0077】レーザー照射条件としては、レーザー出
力:5〜15kw、焦点位置でのビーム径:0.5〜1
mmが好ましく、鋼板の垂直上方から、エッジ衝合点に
焦点を合わせて照射し溶接する。アプセット量は0〜6
mmの範囲である。
力:5〜15kw、焦点位置でのビーム径:0.5〜1
mmが好ましく、鋼板の垂直上方から、エッジ衝合点に
焦点を合わせて照射し溶接する。アプセット量は0〜6
mmの範囲である。
【0078】溶接後の熱処理は、特性の向上に有効であ
り、必要に応じて行う。即ち、焼き鈍し処理、焼きなら
し処理、または、焼入れ焼き戻し処理、焼きならし焼き
戻し処理を、特性を考慮して行う。焼き鈍し処理は65
0〜760℃、焼きならし処理は900〜1000℃、
焼入れ処理は900〜1000℃、焼き戻し処理は65
0〜760℃が目安である。勿論、熱処理を必要としな
い場合も多い。このような熱処理は、溶接部近傍に限定
して行う場合と、管の全体について行う場合とがある。
おのおの長短があり、前者は経済性や形状に優れ、後者
は材質の均一性に優れている。
り、必要に応じて行う。即ち、焼き鈍し処理、焼きなら
し処理、または、焼入れ焼き戻し処理、焼きならし焼き
戻し処理を、特性を考慮して行う。焼き鈍し処理は65
0〜760℃、焼きならし処理は900〜1000℃、
焼入れ処理は900〜1000℃、焼き戻し処理は65
0〜760℃が目安である。勿論、熱処理を必要としな
い場合も多い。このような熱処理は、溶接部近傍に限定
して行う場合と、管の全体について行う場合とがある。
おのおの長短があり、前者は経済性や形状に優れ、後者
は材質の均一性に優れている。
【0079】
【実施例】次に、この発明を、実施例に基づいて比較例
と共に説明する。 〔実施例1〕表1および表2に示す、本発明の範囲内の
成分組成を有する鋼A〜Eを工場で溶製し、連続鋳造に
よりスラブとなした。次いで、このスラブを1200℃
に加熱し、ホットストリップミルにより圧延終了温度9
00〜930℃で、厚さ7.5mmの鋼帯に熱間圧延
し、ただちに500℃まで水冷しそして巻き取った。
と共に説明する。 〔実施例1〕表1および表2に示す、本発明の範囲内の
成分組成を有する鋼A〜Eを工場で溶製し、連続鋳造に
よりスラブとなした。次いで、このスラブを1200℃
に加熱し、ホットストリップミルにより圧延終了温度9
00〜930℃で、厚さ7.5mmの鋼帯に熱間圧延
し、ただちに500℃まで水冷しそして巻き取った。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】このようにして得られた熱延鋼帯を使用
し、下記条件で電縫溶接を行い、76.3φ(直径)×
7.5t(厚み)mmの電縫溶接鋼管を製造した。な
お、予熱温度は750℃で、後熱処理は行っていない。 高周波加熱温度:750℃ 溶接速度 :15m/min. レーザー出力 : 5kw 焦点位置でのビーム径:0.5mm コンタクトチップからの投入電力:300kw.
し、下記条件で電縫溶接を行い、76.3φ(直径)×
7.5t(厚み)mmの電縫溶接鋼管を製造した。な
お、予熱温度は750℃で、後熱処理は行っていない。 高周波加熱温度:750℃ 溶接速度 :15m/min. レーザー出力 : 5kw 焦点位置でのビーム径:0.5mm コンタクトチップからの投入電力:300kw.
【0083】表3に、電縫溶接に際してレーザー照射を
行った本発明実施例の場合と、レーザー照射を行わなか
った比較例の場合における、アプセット量、メタルフロ
ー角度、溶接部および接合部の硫化物%、溝食指標α値
を示す。
行った本発明実施例の場合と、レーザー照射を行わなか
った比較例の場合における、アプセット量、メタルフロ
ー角度、溶接部および接合部の硫化物%、溝食指標α値
を示す。
【0084】
【表3】
【0085】表3において、溶接部の硫化物%は、接合
ライン近傍およびメタルフロー立ち上がり部も含めた溶
接部における、MnSを主体とした硫化物の含有量を%
で表したものであり、電縫溶接方向と直角の断面の×2
00のミクロ測定により求めた。ミクロ観察用の鋼片
は、腐食試験を行った試験片の近傍より採取した。
ライン近傍およびメタルフロー立ち上がり部も含めた溶
接部における、MnSを主体とした硫化物の含有量を%
で表したものであり、電縫溶接方向と直角の断面の×2
00のミクロ測定により求めた。ミクロ観察用の鋼片
は、腐食試験を行った試験片の近傍より採取した。
【0086】接合部の硫化物%は、上記断面の溶接部中
央の接合ライン(レーザー照射溶接部の場合は溶融凝固
部の中央を通るライン)の両側に、幅100μmの範囲
を設定し、その中の硫化物の含有量を測定したものであ
り、腐食試験を行う試験片の近傍より、鋼片を採取して
測定した。
央の接合ライン(レーザー照射溶接部の場合は溶融凝固
部の中央を通るライン)の両側に、幅100μmの範囲
を設定し、その中の硫化物の含有量を測定したものであ
り、腐食試験を行う試験片の近傍より、鋼片を採取して
測定した。
【0087】溝食は、電縫溶接鋼管の溶接部から、3.
5×30×60mmの試験片を切り出し、その表面を研
磨した後、図5に示した装置を使用して試験を行い求め
た。試験溶液は大気を飽和させた人工海水であり、試験
温度は40℃、試験溶液の流速は3m/sec.、試験
時間は1000hrである。試験後に、d1、d2(=
d1+d3)を求めた。
5×30×60mmの試験片を切り出し、その表面を研
磨した後、図5に示した装置を使用して試験を行い求め
た。試験溶液は大気を飽和させた人工海水であり、試験
温度は40℃、試験溶液の流速は3m/sec.、試験
時間は1000hrである。試験後に、d1、d2(=
d1+d3)を求めた。
【0088】表3から明らかなように、レーザーを照射
し溶接を行った本発明実施例の場合には、溶接部の硫化
物%は0.02〜0.15%であり、また接合部の硫化
物%は0.01〜0.09%であるのに対して、レーザ
ー照射を行わない比較例の場合には、溶接部の硫化物%
が0.25〜1.12%、また接合部の硫化物%が0.
52〜1.24%であり、大きな差があることがわか
る。また、溝食の有無を示すα値は、実施例の場合には
5以下であるのに対して、比較例の場合には6.5以上
であった。なお、何れの場合においてもS量は少ない方
が、硫化物%も低く、またα値も低かった。
し溶接を行った本発明実施例の場合には、溶接部の硫化
物%は0.02〜0.15%であり、また接合部の硫化
物%は0.01〜0.09%であるのに対して、レーザ
ー照射を行わない比較例の場合には、溶接部の硫化物%
が0.25〜1.12%、また接合部の硫化物%が0.
52〜1.24%であり、大きな差があることがわか
る。また、溝食の有無を示すα値は、実施例の場合には
5以下であるのに対して、比較例の場合には6.5以上
であった。なお、何れの場合においてもS量は少ない方
が、硫化物%も低く、またα値も低かった。
【0089】〔実施例2〕表1および表2に示す、本発
明の範囲内の成分組成を有する鋼A〜Rを、実験室で真
空溶解により溶製し、50kgインゴットに鋳造した。
比較のために、表4および表5に示す、その少なくとも
1つの成分組成が本発明の範囲を外れている鋼S〜Zお
よびa〜fを、同じく実験室で真空溶解により溶製し、
50kgインゴットに鋳造した。
明の範囲内の成分組成を有する鋼A〜Rを、実験室で真
空溶解により溶製し、50kgインゴットに鋳造した。
比較のために、表4および表5に示す、その少なくとも
1つの成分組成が本発明の範囲を外れている鋼S〜Zお
よびa〜fを、同じく実験室で真空溶解により溶製し、
50kgインゴットに鋳造した。
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】これらのインゴットを1200℃に加熱
し、板厚50mmに圧延して鋼板とした後、空冷した。
空冷後の鋼板から50×150×400mmの板を切り
出し、この板を、加熱温度1200℃、圧延終了温度8
20℃で厚さ12mmまで圧延した。圧延終了直後にミ
ストスプレーで、冷却速度約10℃/sec.で550
℃まで冷却した後、予め550℃に加熱されている電気
炉に装入し炉冷した。これらの工程は、熱間圧延による
鋼帯の製造条件をシミュレートしたものである。この熱
間圧延時に、Cu量の多いY鋼には、著しく割れが発生
したので、以後の試験は中止した。
し、板厚50mmに圧延して鋼板とした後、空冷した。
空冷後の鋼板から50×150×400mmの板を切り
出し、この板を、加熱温度1200℃、圧延終了温度8
20℃で厚さ12mmまで圧延した。圧延終了直後にミ
ストスプレーで、冷却速度約10℃/sec.で550
℃まで冷却した後、予め550℃に加熱されている電気
炉に装入し炉冷した。これらの工程は、熱間圧延による
鋼帯の製造条件をシミュレートしたものである。この熱
間圧延時に、Cu量の多いY鋼には、著しく割れが発生
したので、以後の試験は中止した。
【0093】室温まで冷却された鋼板から、6×35×
1000mmの試験片を切り出し、電縫溶接シミュレー
タを用いて電縫溶接した。電縫溶接シミュレータは、図
3に概略斜視図で示すように、ガイドロール10により
2枚の鋼帯9を送り込み、相対する鋼帯9のエッジ部を
コンタクトチップ2から供給される高周波電流で加熱し
た後、スクイズロール11で圧接するもので、エッジ接
合部には、炭酸ガスレーザービーム3が、鋼板の垂直上
方からエッジ衝合点に焦点を合わせて照射されるように
なっている。
1000mmの試験片を切り出し、電縫溶接シミュレー
タを用いて電縫溶接した。電縫溶接シミュレータは、図
3に概略斜視図で示すように、ガイドロール10により
2枚の鋼帯9を送り込み、相対する鋼帯9のエッジ部を
コンタクトチップ2から供給される高周波電流で加熱し
た後、スクイズロール11で圧接するもので、エッジ接
合部には、炭酸ガスレーザービーム3が、鋼板の垂直上
方からエッジ衝合点に焦点を合わせて照射されるように
なっている。
【0094】上述した電縫溶接シミュレータにより、下
記の条件で試験片の溶接を行った。なお、予熱温度は7
50℃で後熱処理は行っていない。 高周波加熱温度:750℃、 溶接速度:15m/min.、 レーザー出力:5kw、 焦点位置でのビーム径:0.5mm、 コンタクトチップからの投入電力:300kw。
記の条件で試験片の溶接を行った。なお、予熱温度は7
50℃で後熱処理は行っていない。 高周波加熱温度:750℃、 溶接速度:15m/min.、 レーザー出力:5kw、 焦点位置でのビーム径:0.5mm、 コンタクトチップからの投入電力:300kw。
【0095】なお、この溶接時に、S鋼,U鋼,X鋼,
Z鋼およびa〜f鋼には、相当量の割れが発生し、腐食
試験片の採取が困難であったために以後の試験を中止し
た。また、前述したA〜E鋼の7.5mmの熱延鋼帯
も、同様に実験室において溶接を行った。
Z鋼およびa〜f鋼には、相当量の割れが発生し、腐食
試験片の採取が困難であったために以後の試験を中止し
た。また、前述したA〜E鋼の7.5mmの熱延鋼帯
も、同様に実験室において溶接を行った。
【0096】表6〜8に、本発明の範囲内の成分組成を
有する鋼を使用し且つ本発明方法により電縫溶接に際し
てレーザー照射を行った本発明実施例の場合と、比較の
ために、本発明鋼を使用してもレーザー照射を行わなか
った場合、および、レーザー照射を行っても、本発明の
範囲外の成分組成を有する鋼を使用した比較例の場合に
おける、アプセット量、メタルフロー角度、溶接部およ
び接合部の硫化物%、溝食指標α値を示す。
有する鋼を使用し且つ本発明方法により電縫溶接に際し
てレーザー照射を行った本発明実施例の場合と、比較の
ために、本発明鋼を使用してもレーザー照射を行わなか
った場合、および、レーザー照射を行っても、本発明の
範囲外の成分組成を有する鋼を使用した比較例の場合に
おける、アプセット量、メタルフロー角度、溶接部およ
び接合部の硫化物%、溝食指標α値を示す。
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】表6〜8から明らかなように、本発明実施
例の電縫溶接鋼管の溶接部の硫化物%は低く、いずれも
0.20%以下であった。これに対して、成分組成が本
発明の範囲を外れている鋼T、V、Wを使用した比較例
の場合には、レーザー照射を行っても、溶接部の硫化物
%は0.20%を超えた。更に、接合部の硫化物%は、
本発明実施例の場合には0.10%以下であるのに対し
て、成分組成が本発明の範囲を外れている鋼T、V、W
を使用した比較例の場合には、レーザー照射を行っても
0.10%を超えた。
例の電縫溶接鋼管の溶接部の硫化物%は低く、いずれも
0.20%以下であった。これに対して、成分組成が本
発明の範囲を外れている鋼T、V、Wを使用した比較例
の場合には、レーザー照射を行っても、溶接部の硫化物
%は0.20%を超えた。更に、接合部の硫化物%は、
本発明実施例の場合には0.10%以下であるのに対し
て、成分組成が本発明の範囲を外れている鋼T、V、W
を使用した比較例の場合には、レーザー照射を行っても
0.10%を超えた。
【0101】また、レーザー照射を行わなかった比較例
の場合には、溶接部の硫化物%が何れも著しく多かっ
た。また、溝食の有無を示すα値は、本発明の実施例の
場合には4.4以下であるのに対して、レーザー照射を
行っても、成分組成が本発明の範囲を外れている比較例
の場合は5を超えており、レーザー照射を行なわなかっ
た比較例の場合には、更に大であった。
の場合には、溶接部の硫化物%が何れも著しく多かっ
た。また、溝食の有無を示すα値は、本発明の実施例の
場合には4.4以下であるのに対して、レーザー照射を
行っても、成分組成が本発明の範囲を外れている比較例
の場合は5を超えており、レーザー照射を行なわなかっ
た比較例の場合には、更に大であった。
【0102】〔実施例3〕表1および表2に示した、工
場で溶製された本発明の範囲内の成分組成を有する鋼A
からなる熱延鋼帯を使用し、電縫溶接する際に、予熱温
度を300〜1200℃の間で変化させ、または予熱せ
ずに製造した場合における、アプセット量、メタルフロ
ー角度、溶接部および接合部の硫化物%および溝食指標
α値を、表9に示した。
場で溶製された本発明の範囲内の成分組成を有する鋼A
からなる熱延鋼帯を使用し、電縫溶接する際に、予熱温
度を300〜1200℃の間で変化させ、または予熱せ
ずに製造した場合における、アプセット量、メタルフロ
ー角度、溶接部および接合部の硫化物%および溝食指標
α値を、表9に示した。
【0103】
【表9】
【0104】表9から明らかなように、500〜900
℃の範囲の温度で予熱することにより、硫化物%は更に
下がり、α値も低下した。
℃の範囲の温度で予熱することにより、硫化物%は更に
下がり、α値も低下した。
【0105】〔実施例4〕表1および表2に示した、工
場で溶製された本発明の範囲内の成分組成を有する鋼B
からなる熱延鋼帯を使用し、電縫溶接する際に、溶接後
の熱処理条件を変化させまたは熱処理を行わずに製造し
た場合の、アプセット量、メタルフロー角度、溶接部お
よび接合部の硫化物%、溝食指標α値を、表10に示し
た。なお、予熱温度は750℃に一定とした。
場で溶製された本発明の範囲内の成分組成を有する鋼B
からなる熱延鋼帯を使用し、電縫溶接する際に、溶接後
の熱処理条件を変化させまたは熱処理を行わずに製造し
た場合の、アプセット量、メタルフロー角度、溶接部お
よび接合部の硫化物%、溝食指標α値を、表10に示し
た。なお、予熱温度は750℃に一定とした。
【0106】
【表10】
【0107】表10から明らかなように、溶接後、後熱
処理を行うことにより、硫化物%はあまり変化しない
が、α値を更に低下させることができた。
処理を行うことにより、硫化物%はあまり変化しない
が、α値を更に低下させることができた。
【0108】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
耐溝食性に優れた電縫溶接鋼管を、効率的に且つ容易に
製造することができる、工業上有用な効果が発揮され
る。
耐溝食性に優れた電縫溶接鋼管を、効率的に且つ容易に
製造することができる、工業上有用な効果が発揮され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施するための装置の一例を
示す概略説明図である。
示す概略説明図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】電縫溶接シミュレータの概略斜視図である。
【図4】電縫溶接鋼管の溶接部の形状を示す説明図であ
る。
る。
【図5】溝食試験装置の概略説明図である。
1 オープンパイプ(管状体) 2 コンタクトチップ 3 レーザー光線(レーザービーム) 4 トップロール 5 サイドロール 6 第1高周波加熱装置 7 水冷ゾーン 8 第2高周波加熱装置 9 鋼帯 10 ガイドロール 11 スクイズロール 13 試料 14 回転円盤 15 モータ 16 ヒータ 17 空気吹き込み口 18 空気出口 19 容器 20 鋼管 21 メタルフロー 22 硫化物含有量の高いゾーン 23 電縫溶接部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/06 C22C 38/06
Claims (9)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 残り、Feからなり、そして、 電縫溶接部の硫化物含有量は0.20%以下であり、か
つ、前記電縫溶接部は溶融凝固組織を有していることを
特徴する、耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管。 - 【請求項2】 重量%で、 C :0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 残り、Feからなり、そして、 電縫溶接部の中心面から両側の100μmの範囲内にお
ける硫化物の含有量は0.20%以下であり、かつ、前
記電縫溶接部は溶融凝固組織を有していることを特徴す
る、耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管。 - 【請求項3】 重量%で、 C :0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 を含有し、更に、下記からなる群から選んだ少なくとも
1つの元素を下記の範囲(いずれも0を含む)で含有
し、 Ni:1%以下、 Cr:3%以下、 Co:1%以下、 Cu:1%以下、 Mo:1%以下、 W:1%以下、 Ti:0.1%以下、 Nb:0.2%以下、 V:0.2%以下、 Zr:0.1%以下、 REM:0.1%以下 Yt:0.1%以下、 Ca:0.01%以下 Mg:0.01%以下、 As:0.1%以下、 Pb:0.1%以下、 Sb:0.1%以下、 Sn:0.1%以下、 残り、Feからなり、 電縫溶接部の硫化物含有量が0.20%以下であり、か
つ、前記電縫溶接部は溶融凝固組織を有していることを
特徴する、耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管。 - 【請求項4】 重量%で、 C :0.01〜0.2%、 Si:0.5%以下、 Mn:2.0%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.07%以下、 N:0.01%以下、 を含有し、更に、下記からなる群から選んだ少なくとも
1つの元素を下記の範囲(いずれも0を含む)で含有
し、 Ni:1%以下、 Cr:3%以下、 Co:1%以下、 Cu:1%以下、 Mo:1%以下、 W:1%以下、 Ti:0.1%以下、 Nb:0.2%以下、 V:0.2%以下、 Zr:0.1%以下、 REM:0.1%以下 Yt:0.1%以下、 Ca:0.01%以下 Mg:0.01%以下、 As:0.1%以下、 Pb:0.1%以下、 Sb:0.1%以下、、 Sn:0.1%以下、 残り、Feからなり、 電縫溶接部の中心面から両側の100μmの範囲内にお
ける硫化物の含有量が0.20%以下であり、かつ、前
記電縫溶接部は溶融凝固組織を有していることを特徴す
る、耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管。 - 【請求項5】 下記工程からなることを特徴とする、耐
溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管の製造方法。 (a)請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に
記載の成分組成の熱間圧延鋼帯を調製する工程、 (b)前記熱間圧延鋼帯を多段の成形ロールで連続的に
オープンパイプに成形する工程、および、 (c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部を、レ
ーザー照射により溶融すると共に、スクイズロールでア
プセットして溶接する工程。 - 【請求項6】 下記工程からなることを特徴とする耐溝
状腐食性に優れた電縫溶接鋼管の製造方法。 (a)請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に
記載の成分組成の熱間圧延鋼帯を調製する工程、 (b)前記熱間圧延鋼帯を多段の成形ロールで連続的に
オープンパイプに成形する工程、 (c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部を、1
200℃以下に加熱する工程、および、 (d)前記加熱された両エッジ部を、レーザー照射によ
り溶融すると共に、スクイズロールでアプセットして溶
接する工程。 - 【請求項7】 下記工程からなることを特徴とする、耐
溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管の製造方法。 (a)請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に
記載の成分組成の熱間圧延鋼帯を調製する工程、 (b)前記熱間圧延鋼帯を多段の成形ロールで連続的に
オープンパイプに成形する工程、 (c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部を、レ
ーザー照射により溶融すると共に、スクイズロールでア
プセットして溶接し、電縫溶接鋼管とする工程、およ
び、 (d)前記電縫溶接鋼管を熱処理する工程。 - 【請求項8】 下記工程からなることを特徴とする、耐
溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管の製造方法。 (a)請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に
記載の成分組成の熱間圧延鋼帯を調製する工程、 (b)前記熱間圧延鋼帯を多段の成形ロールで連続的に
オープンパイプに成形する工程、 (c)前記オープンパイプの相対する両エッジ部を、1
200℃以下に加熱する工程、 (d)前記オープンパイプの相対する両エッジ部を、レ
ーザー照射により溶融すると共に、スクイズロールでア
プセットして溶接し、電縫溶接鋼管とする工程、およ
び、 (e)前記電縫溶接鋼管を熱処理する工程。 - 【請求項9】 前記熱間圧延鋼帯を下記により調製する
ことを特徴とする、請求項5、請求項6、請求項7また
は請求項8に記載の、耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼
管の製造方法。請求項1、請求項2、請求項3または請
求項4に記載の成分組成の鋼塊またはスラブを、120
0℃以上の温度に加熱し、次いで、前記温度に加熱され
た鋼塊またはスラブを、圧延終了温度680℃以上で圧
延して熱間圧延鋼帯となし、次いで、これを3〜40℃
/sec.の冷却速度で300〜650℃の温度まで水
冷した後、放冷する。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7325876A JPH09165648A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7325876A JPH09165648A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09165648A true JPH09165648A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18181608
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7325876A Pending JPH09165648A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 耐溝状腐食性に優れた電縫溶接鋼管およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09165648A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016190150A1 (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-01 | 株式会社神戸製鋼所 | 厚鋼板及び溶接継手 |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP7325876A patent/JPH09165648A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016190150A1 (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-01 | 株式会社神戸製鋼所 | 厚鋼板及び溶接継手 |
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