JPH09169668A - 治療剤 - Google Patents

治療剤

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JPH09169668A
JPH09169668A JP7348539A JP34853995A JPH09169668A JP H09169668 A JPH09169668 A JP H09169668A JP 7348539 A JP7348539 A JP 7348539A JP 34853995 A JP34853995 A JP 34853995A JP H09169668 A JPH09169668 A JP H09169668A
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JP
Japan
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tumor
therapeutic agent
yttrium
lipiodol
indium
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Application number
JP7348539A
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English (en)
Inventor
Kiyonori Hatsushiba
清徳 初芝
Jiyunko Sumiki
純子 角木
Toshiro Yamaguchi
敏朗 山口
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Fujifilm RI Pharma Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm RI Pharma Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肝癌等の治療において、優れた腫瘍集積性と
腫瘍細胞殺傷能力を有し、生体に投与しても何ら問題が
無く、簡便に調合し得る腫瘍治療剤を提供する。 【解決手段】 次の成分、(a)放射性金属元素、
(b)ナフチリジン誘導体、ピリドピリミジン誘導体お
よびクペロンの同族体から選ばれる金属キレート試薬、
(c)腫瘍集積性油性溶媒を含有する治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は治療剤に関し、更に
詳細には肝癌等の腫瘍部位に有効成分である放射性金属
元素を集積させることが可能な腫瘍等の治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、肝癌のターゲッティング療法の一
つとして、腫瘍選択性の高い腫瘍集積性油性溶媒である
リピオドールを用い、このリピオドールが含む安定ヨー
ドを同位体交換反応により放射性ヨード131(131I)に
置き換え、肝動脈に注入し放射性ヨード131の放射線
照射により肝癌を治療する方法が知られている(小林尚
志等:「Radioactivity Lipiodol の Transcatheter Ar
terial Embolization による肝癌の治療の可能性につい
て」、日本医学放射線学会雑誌、第44巻、第1号、9
6−98、昭和59年1月)。
【0003】一方、他の肝癌のターゲッティング療法の
一つに、放射性イットリウム90と結合したセリンを吸
着させた微少球(Yttriumserin sphere)を肝臓動脈より
投与し、腫瘍周辺に集積したイットリウム90の放射線
照射によって腫瘍細胞を殺傷する方法がある(Grady E.
D. 等、Internal Radiation Therapy of Hepatic cance
r、Dis. col & Rect、Vol.22、371-375、1979)。
【0004】また、リピオドールを用いたターゲッティ
ング治療法の一つとして、リピオドールを基剤として用
い、これに、油性高分子制癌剤スマンクス(一般名ジノ
スタチンスチマラー)を溶解せしめて、肝動脈に注入し
肝癌を治療する方法も知られている(特開昭64−61
424号公報および今野俊光等、「原発性肝癌の新治療
法:油性リンパ管造影剤リピオドールと親油性高分子制
癌剤スマンクスの肝動脈内投与とその臨床成績」、癌と
化学療法、第9巻、第11号、昭和57年11月)。
【0005】そして、リピオドールと放射性イットリウ
ム90を用いる方法として、リピオドールにキレート剤
であるN,N,N',N'−テトラキス(2−ベンズイミダ
ゾリメチル)−1,2−ベンゼンジアミン(N,N,N',N'-t
etrakis(2-benzymidazolymethyl)-1,2-benzenediamin
e;以下「EDTB」という)を化学結合させた後に、
放射性イットリウム90を標識し、肝動脈に注入し肝癌
を治療する方法も知られている(M.N.Chen 等, A Colum
n Method for Lipiodol Labeling with Yttrium-90, Th
e Journal of Nuclear Medicine, Vol.35, No.5, pp.24
1, 1994) 。
【0006】上記した方法のうち、放射性ヨード131
を用いるリピオドールのターゲッティング療法において
は、放射性ヨード131から発せられる高エネルギーの
γ線により、他の正常臓器や組織への全身性の被曝の問
題があり、また、放射性ヨード131の発するβ-線の
飛程が短いために、腫瘍径の大きなものに対しては十分
な放射線照射ができないという欠点があった。さらに、
リピオドール中の安定ヨードを放射性ヨードに同位体交
換する操作が極めて煩雑であるという問題点がある。
【0007】また、放射性イットリウム90と結合した
セリンを吸着した微少球を用いる方法は、投与物自体に
腫瘍への集積性が無く、腫瘍のみならず肝全体の照射と
なり、腹水、放射性肝臓炎等の重篤な副作用を伴うとい
う欠点がある。さらに、油性高分子制癌剤を用いる方法
では、この制癌剤の選択的毒性が低く、これをカバーす
るために腫瘍に対して十分量の制癌剤を投与すると、非
腫瘍部ならびに全身性の副作用が問題となり、抗腫瘍効
果に限界があるという欠点がある。またさらに、転移性
の肝癌に対しては栄養血管支配が門脈系と栄養血管系の
二系統に渡るために投与量の増加を行う事が余儀なくさ
れるという欠点がある。
【0008】同様にリピオドールと放射性イットリウム
90を用いる方法では、リピオドールとEDTBとの反
応が煩雑であること、また、放射性イットリウム90を
標識する場合に逆相カラムを用いる等の手技が必要であ
ること、術者の被曝などの問題がある。しかも、腫瘍治
療用キットとしての供給も困難である。
【0009】上記以外にも、一般的に腫瘍の外部照射に
よる放射線治療を行う場合、照射領域全体の照射となる
ため、腫瘍細胞へ十分量の照射をえば、放射線が通過す
る正常臓器や組織への被曝が問題となる。また、腫瘍細
胞自体の放射線感受性が低いため種々の増感剤の併用が
試みられているが、増感剤による副作用も問題である。
さらに、腫瘍の低酸素細胞に対しては、放射線療法の効
果が低いといった問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、肝癌等の治療
において、優れた腫瘍集積性と腫瘍細胞殺傷能力を有
し、生体に投与しても何ら問題が無く、簡便に調合し得
る腫瘍治療剤の開発が強く望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記実情に
鑑み、鋭意研究を行った結果、一般に水溶液として供給
され、油性溶媒中に懸濁させることが困難であると考え
られていた放射性金属元素も、これと特異的に反応する
ある種の金属キレート試薬を用いて錯体を形成せしめた
後、これを腫瘍集積性油性溶媒と組み合わせることによ
り上記問題を解決しうる事を見出し本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、次の成分(a)〜
(c)、(a)放射性金属元素、(b)ナフチリジン誘
導体、ピリドピリミジン誘導体およびクペロンの同族体
から選ばれる金属キレート試薬、(c)腫瘍集積性油性
溶媒を含有する治療剤を提供するものである。
【0013】また、本発明は、上記成分(a)および
(b)よりなる錯体と、上記成分(c)とを含有する腫
瘍治療用キットを提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、(a)成分とし
て用いる放射性金属元素としては、例えばイットリウム
90(90Y)、レニウム186(186Re)、レニウム188(
188Re)、スズ117m(117mSn)、銅67(67Cu)、テクネ
シウム99m(99mTc)、インジウム111(111In)、イン
ジウム113m(113mIn)、ガリウム68(68Ga)、ガリウ
ム67(67Ga)、鉄59(59Fe)、コバルト57(57Co)、コ
バルト58(58Co)、コバルト60(60Co)、水銀197(
197Hg)、水銀203(203Hg)などを挙げることができ
る。
【0015】これらの(a)成分の中でも、γ線を放出
せずにβ線のみを放出し、放射線低感受性細胞や低酸素
細胞に対しても効果がある高い線エネルギー付与[LE
T:放射線がある一定の物質を通過するとき飛程の単位
長さ(1μm)当たりに与えるエネルギー(keV)の
大きさ]を有する放射性金属元素が望ましく、最大飛程
(最大エネルギーを持つβ線を阻止するのに十分な吸収
版の厚さ)もある程度長い方が好ましく、物理的半減期
があまり長くないものが好ましい。
【0016】特にイットリウム90は、β-線のみを放
出し、その最大エネルギーが2.28MeVで、組織中
の最大飛程が11.9mmであり、組織中の11.9mm
の飛程の初めの4〜5mmにおいて全エネルギーの約8
0%を付与し、物理的半減期が64.1時間であること
から最も好ましい。
【0017】本発明で、(b)成分として用いられる金
属キレート試薬のうち、ナフチリジン誘導体とは、ピリ
ドピリジンまたはこれから導かれる骨格を有する化合物
をいい、、具体的にはナリジクス酸等が挙げられる。ま
た、ピリドピリミジン誘導体とは、ピリドピリミジンま
たはこれから導かれる骨格を有する化合物をいい、具体
的にはピロミド酸、ピペミド酸等を挙げることができ
る。更に、クペロンの同族体とは、クペロンから導かれ
る化合物をいい、具体的にはN−ベンゾイル−N−フェ
ニルヒドロキシルアミン(BPA)、N−ベンゾイル−
N−(2−メチルフェニル)ヒドロキシルアミン(BT
A)、N−シナモイル−N−フェニルヒドロキシルアミ
ン(CPA)等が挙げられる。
【0018】これらの(b)成分は、(a)成分である
放射性金属元素と錯体を形成させるために用いられるの
で、錯体形成後、水に対して難溶または不溶性を示し、
加熱操作や超音波照射等の手技により腫瘍集積性油性溶
媒中に容易に懸濁可溶化せしめることができるものが好
ましい。従って、上記金属キレート試薬の中でも、特に
ナリジクス酸及びN−ベンゾイル−N−フェニルヒドロ
キシルアミンが好ましい。
【0019】本発明で、(c)成分として用いる腫瘍集
積性油性溶媒とは、腫瘍に対して特異的にかつ停滞性を
持って集積する性質を有する油性溶媒であり、脂肪酸エ
ステル類、例えばヨード化ケシ油脂肪酸エステル等が好
ましく用いられる。とりわけリピオドールとして知られ
る、ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルが好ましい。
【0020】この(c)成分の薬理学的特性、なかんず
く腫瘍への選択的集積性と停滞性の理由は、固形腫瘍の
血管やリンパ管の構築や機能が、正常の臓器や組織の脈
管構築とは大きく異なっていることに基づくと考えられ
ている。すなわち、新生血管等の腫瘍血管の多くは粗雑
で過密であるために、血中の高分子や油がこの血管外腔
へ高率に漏出し、かつ蓄積しやすく、しかも漏出した高
分子や油を回収し運び去る為のシステムであるリンパ系
・網内系機能が血管に見合った程度に機能していない為
と考えられている(前田浩、肝癌治療薬−スマンクス/
リピオドール、毎日ライフ、第25巻、第6号、44−
49、1994)。
【0021】本発明の治療剤の調製は、事前に常法によ
り(a)成分と(b)成分の錯体を形成せしめ、凍結乾
燥あるいは常温で化学的に不活性なガスを吹き付け、溶
媒を留去する等の方法で粉末とした後、この錯体粉末中
に(c)成分を添加し、加熱や超音波照射等の手技によ
り懸濁可溶化せしめる方法が挙げられる。この場合、別
個に(a)成分と(b)成分から調製した懸濁用錯体粉
末と、(c)成分とからなる腫瘍治療用キットとするこ
とも可能である。
【0022】本発明治療剤の調製に際しては、(a)成
分である放射性金属元素と、(b)成分である金属キレ
ート試薬との錯体形成を確実ならしめる為、使用する
(a)成分に対して過剰の(b)成分を用いることが好
ましい。例えば、(a)成分としてイットリウム90、
(b)成分としてナリジクス酸またはN−ベンゾイル−
N−フェニルヒドロキシルアミンを用いる場合には、3
7〜148MBqのイットリウム90に対し、それぞれ
90〜360μg程度または0.6〜2.4mg程度を配
合することが望ましい。
【0023】また、本発明治療剤中に懸濁させる錯体の
量は、治療剤1mlに対し、例えば金属キレート試薬と
してナリジクス酸を用いて形成した錯体の場合は45〜
300μg程度、N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロ
キシルアミンを用いて形成した錯体の場合は0.6〜2.
5mg程度を配合することが好ましい。
【0024】本発明の治療剤においては、更に必要に応
じてエチルアルコール、ベンジルアルコール等の任意成
分を配合することもできる。
【0025】叙上の如くして得られる本発明の治療剤
は、例えば肝癌、肺癌、腎臓癌、乳癌、食道癌、胃癌、
胆嚢癌、前立腺癌、膀胱癌、卵巣癌、子宮癌、大腸癌、
膵臓癌等の治療に用いられ、特に肝癌の治療に適してい
る。
【0026】この治療剤の投与は、一般に腫瘍の支配動
脈内に動脈注射する事により行われる。例えば、肝癌の
場合は肝動脈に、肺癌の場合には気管支動脈に、腎臓癌
の場合には腎動脈に注射すればよい。より具体的には、
例えば肝癌の場合には、カテーテルを用い、大腿動脈か
ら逆行性にカテーテルを挿入し、腹部大動脈、腹空動
脈、総肝動脈を経由して肝動脈へ導きそこで治療剤を投
与すればよい。
【0027】投与量及び投与回数は、使用する放射性金
属元素によっても異なるが、例えばイットリウム90を
用いた場合、対象となる腫瘍の大きさが1〜500gで
あればイットリウム90として0.9〜925MBqを
3〜4週間の間隔で投与すればよい。
【0028】
【作用】本発明においては、特定の金属キレート試薬を
用いることにより、放射性金属元素を腫瘍集積性油性溶
媒中に安定かつ均一に懸濁可溶化せしめる事が可能であ
る。そして、投与された本発明治療剤は、腫瘍新生血管
内に特異的に集積・停滞するため、放射性金属元素から
発せられる放射線による、細胞近傍からの腫瘍細胞に対
する内照射が可能であり、より高い殺細胞効果を発揮す
るものである。従って、選択的かつ効率的な放射線治療
が可能になると共に、適用範囲も広がるのである。
【0029】
【発明の効果】本発明の治療剤は、以下の如く種々の優
れた効果を有するので、放射線内照射による選択的腫瘍
治療剤として極めて有用である。 1) 腫瘍集積性油性溶媒により腫瘍選択性が著しく高
まり、放射線内照射による選択的腫瘍治療に極めて有効
である。 2) 高い線エネルギー付与を持つ放射性金属元素を腫
瘍周辺に特異的に集積させることにより、放射線低感受
性細胞や低酸素細胞に対しても十分な放射線を照射する
ことができ、腫瘍治療に極めて有効である。 3) 放射性金属元素と錯体を形成し、水に対して難溶
または不溶性を示す金属キレート試薬を用いることによ
り、放射性金属元素を腫瘍集積性油性溶媒中に安定で均
一に懸濁化せしめることができ、極めて広範囲の治療に
適応できる。 4) 例えばイットリウム90のようにβ-線のみを放出
し、最大飛程がある程度長く、線エネルギー付与もある
程度大きく、物理的半減期はあまり長くない放射性金属
元素を用いることにより、腫瘍組織深部まで放射線照射
が可能となり、腫瘍に対して極めて有効な殺細胞効果を
発揮することができる。 5) 本発明の治療剤は、腫瘍選択性が極めて高く、ま
た通常局所投与されるので、β線のみを放出する核種を
用いれば腫瘍周辺の正常組織や他の正常臓器への被曝が
軽減され、放射線による炎症等の重篤な副作用が極めて
少ない。 6) 例えば本発明の金属キレート試薬の一つであるナ
リジクス酸は、現在治療薬として利用されているもので
あるため、安全に生体内投与を行うことができる。 7) 本発明治療剤に用いられる金属キレート試薬、放
射性金属元素及び腫瘍集積性油性溶媒はいずれも容易に
入手可能であり、また調製も極めて簡便に行うことがで
きる。
【0030】
【実施例】次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるもの
ではない。
【0031】実 施 例 1 ナリジクス酸と放射性インジウム111からなる懸濁用
錯体粉末の調製:ナリジクス酸(シグマ・ケミカル社
製;SIGMA CHEMICAL COMPANY,ST.LOUIS,USA)2.7mg
を5ml容量のガラス瓶に分けとり、エチルアルコール
(キシダ化学社製)3mlを用いて溶解させた。この溶
液100μlをシリコンコート加工を施した5ml容量
の試験管に分取し、これに放射性インジウム111の希
塩酸溶液(ノルディオン・インターナショナル社製;NOR
DION INTERNATIONAL INC.,ONTARIO,CANADA)37MBq
/10μlを添加し、数秒間撹拌することによりナリジ
クス酸と放射性インジウム111の錯体溶液を得た。こ
の試験管にゴム製キャップで蓋をし、注射針を通して窒
素ガスを持続的に吹き付けエチルアルコールと塩酸溶液
を留去し、ナリジクス酸と放射性インジウム111の錯
体粉末を得た。
【0032】実 施 例 2 N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミンと放
射性インジウム111からなる懸濁用錯体粉末の調製:
N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン(同
仁化学社製、以下「BPA」と略記する)9mgを5m
l容量のガラス瓶に分けとり、エチルアルコール(キシ
ダ化学社製)3mlを用いて溶解させた。この溶液20
0μlを2ml容量のガラス瓶に分取し、これに放射性
インジウム111の希塩酸溶液(ノルディオン・インタ
ーナショナル社製)37MBq/10μlを添加し、数
秒間撹拌することによりBPAと放射性インジウム11
1の錯体溶液を得た。このガラス瓶にゴム製キャップで
蓋をし、注射針を通して窒素ガスを持続的に吹き付けエ
チルアルコールと塩酸溶液を留去し、BPAと放射性イ
ンジウム111の錯体粉末を得た。
【0033】実 施 例 3 ナリジクス酸とイットリウムからなる懸濁用錯体粉末の
調製:ナリジクス酸(シグマ・ケミカル社製)1.5mg
を5ml容量のガラス瓶に分けとり、エチルアルコール
(キシダ化学社製)3mlを用いて溶解させた。イット
リウムとして塩化イットリウム(キシダ化学社製)6
0.67mgを10ml容量のガラス瓶に分けとり、0.
1Mに調製した塩酸溶液100μlで溶解し、さらにこ
の溶液を0.1M塩酸溶液で1000倍に希釈し、2μ
mol/mlのイットリウム希塩酸溶液とした。なお、
イットリウムとしては、放射性イットリウムに代え、キ
レート結合能が同一な安定同位体イットリウムを用い
た。
【0034】このイットリウム溶液10μlをシリコン
コート加工を施した5ml容量の試験管に分取し、これ
にナリジクス酸/エチルアルコール溶液300μlを添
加し、数秒間撹拌することによりナリジクス酸とイット
リウムとの錯体溶液を得た。この試験管にゴム製キャッ
プで蓋をし、注射針を通して窒素ガスを持続的に吹き付
けエチルアルコールと塩酸溶液を留去し、ナリジクス酸
とイットリウムとの錯体粉末を得た。
【0035】実 施 例 4 BPAとイットリウムからなる懸濁用錯体粉末の調製:
BPA(同仁化学社製)9mgを5ml容量のガラス瓶
に分けとり、エチルアルコール(キシダ化学社製)3m
lを用いて溶解させた。この溶液100μlを2ml容
量のガラス瓶に分取し、これに実施例3で調製したイッ
トリウム溶液10μlを添加し、数秒間撹拌する事によ
りBPAとイットリウムとの錯体溶液を得た。
【0036】このガラス瓶にゴム製キャップで蓋をし、
注射針を通して窒素ガスを持続的に吹き付けエチルアル
コールと塩酸溶液を留去し、BPAとイットリウムとの
錯体粉末を得た。
【0037】実 施 例 5 腫瘍治療剤(リピオドール;放射性インジウム111;
ナリジクス酸)の調製(I):実施例1で調製した懸濁
用錯体粉末に、リンパ系・子宮・卵管造影剤リピオドー
ルウルトラフルイド(ラボラトワール・ゲルベ社製、フ
ランス、以下、単に「リピオドール」と略記する)1m
lを添加した。超音波洗浄器を用いて超音波照射を2分
間行い、錯体粉末をリピオドール中に均一に懸濁させ本
発明腫瘍治療剤を調製した。
【0038】実 施 例 6 腫瘍治療剤(リピオドール;放射性インジウム111;
BPA)の調製(II):実施例2で調製した懸濁用錯体
粉末に、リピオドール1mlを添加した。加熱器を用い
て約70℃で約20分間加熱し、錯体粉末をリピオドー
ル中に均一に懸濁させ本発明腫瘍治療剤を調製した。
【0039】実 施 例 7 リピオドールとイットリウムとの懸濁液(ナリジクス
酸)の調製(I):実施例3で調製した懸濁用錯体粉末
に、リピオドール1mlを添加した。超音波洗浄器を用
いて超音波照射を2分間行い、錯体粉末をリピオドール
中に均一に懸濁させリピオドールとイットリウムとの懸
濁液を調製した。
【0040】実 施 例 8 リピオドールとイットリウムとの懸濁液(BPA)の調
製(II):実施例4で調製した懸濁用錯体粉末に、リピ
オドール1mlを添加した。加熱器を用いて約70℃で
約20分間加熱し、錯体粉末をリピオドール中に均一に
懸濁させリピオドールとイットリウムとの懸濁液を調製
した。
【0041】実 施 例 9 馬血清に対するリピオドールの放射性インジウム111
(ナリジクス酸)の保持率の検討(I):実施例5で調
製した腫瘍治療剤200μlを、ミニ遠心管に分取し
た。これに対して馬血清(ギブコ・ラボラトリース社
製;Gibco Laboratories)300μlを添加し、低速回
転撹拌器を用いて1.5、6および24時間撹拌した。
各時間毎に遠心器(クボタ社製)を用いて6000rp
mで遠心を行い、リピオドールと血清を分離した。血清
部分より100μlを測定用プラスチックチューブに分
取し、馬血清100μl当たりのcpm(1分当たりの
カウント数)と残りのミニ遠心チューブのcpmを、ガ
ンマカウンター(パッカード社製、卓上型ミナキシガン
マカウンター、オートガンマ5530、ウインドウ幅1
54−270keV)で測定した。
【0042】以下の式に従い、リピオドール中の放射性
インジウム111の保持率(%)を下式から計算した。 A:馬血清100μlのcpm B:ミニ遠心チューブのcpm
【0043】放射性インジウム111のリピオドール中
の保持率を表1に示すが、これから放射性インジウム1
11は、リピオドール中に安定に存在することが明かに
なった。
【0044】
【0045】実 施 例 10 馬血清に対するリピオドールの放射性インジウム111
(BPA)の保持率の検討(II):実施例6で調製した
腫瘍治療剤の馬血清に対するリピオドールの放射性イン
ジウム111の保持率を、実施例9と同様にして求め
た。その結果を表2に示す。この結果に示されるよう
に、放射性インジウム111はリピオドール中に安定に
存在していた。
【0046】
【0047】実 施 例 11 馬血清に対するリピオドールのイットリウム(ナリジク
ス酸)の保持率の検討(I): (1) 実施例3で調製した、ナリジクス酸/エチルア
ルコール溶液を注射用生理食塩液(光製薬社製)を用い
て20、40、50、60、70、80、90、100
及び150倍に希釈した。この希釈溶液を分光光度計
(日本分光社製)を用いて、「日本薬局方」ナリジクス
酸の項記載の吸収波長258nmで測定した。この測定
値を用いてナリジクス酸の検量線を作製した。
【0048】(2) 実施例7で調製した、リピオドー
ルとイットリウムとの懸濁液100μlを、ミニ遠心管
に分取した。これに対して馬血清(ギブコ・ラボラトリ
ース社製)500μlを添加し、低速回転撹拌器を用い
て2、24および48時間撹拌した。各時間毎に遠心器
(クボタ社製)を用いて6000rpmで遠心を行い、
リピオドールと馬血清を分離した。血清部分より300
μlを測定用プラスチックチューブに分取し、これを生
理食塩液で2倍に希釈した。この溶液の吸光度を、馬血
清を2倍に希釈したものを対照溶液として、分光光度計
(日本分光社製)で測定した。この測定値を上記(1)
で作製した検量線に代入し、馬血清中に漏洩したナリジ
クス酸濃度を求め、以下の式に代入し実際の馬血清に対
するリピオドールのイットリウムの保持率を求めた。
【0049】 C:検量線より求めた血清中のナリジクス酸全量 D:初めに添加したリピオドール中に含まれるナリジク
ス酸量
【0050】イットリウムのリピオドール中の保持率を
表3に示した。イットリウムはリピオドール中に安定に
存在した。
【0051】
【0052】実 施 例 12 馬血清に対するリピオドールのイットリウム(BPA)
の保持率の検討(II): (1) 実施例2で調製した、BPA/エチルアルコー
ル溶液を注射用生理食塩液(光製薬社製)を用いて3
0、60、90、120、150、200、300、4
00および500倍に希釈した。この希釈溶液を分光光
度計(日本分光社製)を用いて、事前に測定したBPA
の吸収極大ピーク256nmで測定した。この測定値を
用いてBPAの検量線を作製した。
【0053】(2) 実施例8で調製した、リピオドー
ルとイットリウムとの懸濁液100μlを、ミニ遠心管
に分取した。これに対して馬血清(ギブコ・ラボラトリ
ース社製)500μlを添加し、低速回転撹拌器を用い
て2、24および48時間撹拌した。各時間毎に遠心器
(クボタ社製)を用いて6000rpmで遠心を行い、
リピオドールと馬血清を分離した。血清部分より300
μlを測定用プラスチックチューブに分取し、これを生
理食塩液で2倍に希釈した。この溶液の吸光度を、馬血
清を2倍に希釈したものを対照溶液として、分光光度計
(日本分光社製)で測定した。この測定値を上記(1)
で作製した検量線に代入し、馬血清中に漏洩したBPA
濃度を求め、以下の式に代入し実際の馬血清に対するリ
ピオドールのイットリウムの保持率を求めた。
【0054】 E:検量線より求めた血清中に含まれるBPA全量 F:初めに添加したリピオドール中に含まれるBPA量
【0055】イットリウムのリピオドール中の保持率を
表4に示すが、これからイットリウムはリピオドール中
に安定に存在することが明かとなった。
【0056】
【0057】実 施 例 13 VX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎の作製:右大腿部V
X2腫瘍移植家兎(日本白色種、約2kg)右大腿部よ
り腫瘍細胞を摘出し、直径約2mmとなるように刻ん
だ。正常家兎(日本白色種、約2kg)を耳介静脈より
ペントバルビタールナトリウム(ピットマン・ムーワ社
製、ソムノペンチル、30mg/kg)を投与すること
により麻酔し、開腹した。肝臓の内側左葉に、直径2m
mの腫瘍塊1つを移植し、開腹部位を縫合した。移植後
7日間飼育したものを、VX2腫瘍移植肝転移癌モデル
家兎とした。
【0058】実 施 例 14 VX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎による本発明腫瘍治
療剤の集積実験(I): (1)イメージング実験 実施例13で作製したVX2腫瘍移植肝臓転移癌モデル
家兎に、耳介静脈よりペントバルビタールナトリウム
(ピットマン・ムーワ社製、ソムノペンチル、30mg
/kg)を投与することにより麻酔し、開腹した。腫瘍
の直径が約1cmになっていることを確認し、固有肝動
脈より、実施例5で調製した腫瘍治療剤100μlを肝
動脈注射用シリンジを用いて投与した。開腹部位を縫合
後、ガンマカメラ(アロカ社製、オメガ500、中エネ
ルギー用コリメーター)にて前面像を撮像した。撮像は
腫瘍治療剤を動脈注射後1日、2日及び3日まで続けて
行った。その結果、投与直後から腫瘍部位への放射性イ
ンジウム111の高い集積が確認された。
【0059】(2)集積実験 上記(1)で用いたVX2腫瘍移植肝臓転移癌モデル家
兎を3日目の撮影終了後、心臓採血により約150ml
の血液を抜き、脱血を行った。その後開腹し、肝臓全体
を摘出した。肝臓は腫瘍部、正常肝臓部に分け、各々の
放射能をガンマカウンター(パッカード社製、卓上型ミ
ナキシーガンマカウンター、オートガンマ5530、ウ
インドウ幅154−270keV)にて測定した。各部
位への集積率をcpm/gとして表5に示した。リピオ
ドールと放射性インジウム111の腫瘍部位への高い集
積が確認された。
【0060】
【0061】実 施 例 15 VX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎による本発明腫瘍治
療剤の集積実験(II): (1)イメージング実験 実施例13で作製したVX2腫瘍移植肝臓転移癌モデル
家兎に、耳介静脈よりペントバルビタールナトリウム
(ピットマン・ムーワ社製、ソムノペンチル、30mg
/kg)を投与することにより麻酔し、開腹した。腫瘍
の直径が約1cmになっていることを確認し、固有肝動
脈より、実施例6で調製した腫瘍治療剤100μlを肝
動脈注射用シリンジを用いて投与した。開腹部位を縫合
後、ガンマカメラ(アロカ社製、オメガ500、中エネ
ルギー用コリメーター)にて前面像を撮像した。撮像は
腫瘍治療剤を動脈注射後1日、2日、3日及び4日まで
続けて行った。その結果、投与直後から腫瘍部位への放
射性インジウム111の高い集積が確認された。
【0062】(2)集積実験 上記(1)で用いたVX2腫瘍移植肝臓転移癌モデル家
兎を4日目の撮影終了後、心臓採血により約150ml
の血液を抜き、脱血を行った。その後開腹し、肝臓全体
を摘出した。肝臓は腫瘍部、正常肝臓部に分け、各々の
放射能をガンマカウンター(パッカード社製、卓上型ミ
ナキシーガンマカウンター、オートガンマ5530、ウ
インドウ幅154−270keV)にて測定した。各部
位への集積率をcpm/gとして表6に示した。リピオ
ドールと放射性インジウム111の腫瘍部位への高い集
積が確認された。
【0063】 以 上

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)〜(c)、 (a)放射性金属元素、 (b)ナフチリジン誘導体、ピリドピリミジン誘導体お
    よびクペロンの同族体から選ばれる金属キレート試薬、 (c)腫瘍集積性油性溶媒を含有する治療剤。
  2. 【請求項2】 成分(a)が、イットリウム90
    (90Y)、レニウム186(186Re)、レニウム188(188R
    e)、スズ117m(117mSn)、銅67(67Cu)、テクネシウ
    ム99m(99mTc)、インジウム111(111In)、インジウ
    ム113m(113mIn)、ガリウム68(68Ga)、ガリウム6
    7(67Ga)、鉄59(59Fe)、コバルト57(57Co)、コバル
    ト58(58Co)、コバルト60(60Co)、水銀197(197H
    g)および水銀203(203Hg)からなる群より選ばれるも
    のである請求項第1項記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 成分(b)が、ナリジクス酸、ピロミド
    酸、ピペミド酸、N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロ
    キシルアミン(BPA)、N−ベンゾイル−N−(2−
    メチルフェニル)ヒドロキシルアミン(BTA)および
    N−シナモイル−N−フェニルヒドロキシルアミン(C
    PA)からなる群より選ばれるものである請求項第1項
    記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 成分(c)が、脂肪酸エステルである請
    求項第1項記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 脂肪酸エステルが、ヨード化ケシ油脂肪
    酸エステルである請求項第4項記載の治療剤。
  6. 【請求項6】 ヨード化ケシ油脂肪酸エステルがリピオ
    ドールである請求項第5項記載の治療剤。
  7. 【請求項7】 腫瘍治療剤である請求項第1項ないし第
    6項記載の治療剤。
  8. 【請求項8】 次の成分(a)および(b)、 (a)放射性金属元素、 (b)ナフチリジン誘導体、ピリドピリミジン誘導体お
    よびクペロンの同族体から選ばれる金属キレート試薬、
    よりなる錯体と、次の成分(c)、 (c)腫瘍集積性油性溶媒とを含有する腫瘍治療用キッ
    ト。
  9. 【請求項9】 錯体が粉末状である請求項第8項記載の
    腫瘍治療用キット。
  10. 【請求項10】 成分(a)がイットリウム90
    (90Y)、レニウム186(186Re)、レニウム188(188R
    e)、スズ117m(117mSn)、銅67(67Cu)、テクネシウ
    ム99m(99mTc)、インジウム111(111In)、インジウ
    ム113m(113mIn)、ガリウム68(68Ga)、ガリウム6
    7(67Ga)、鉄59(59Fe)、コバルト57(57Co)、コバル
    ト58(58Co)、コバルト60(60Co)、水銀197(197H
    g)および水銀203(203Hg)からなる群より選ばれるも
    のであり、成分(b)がナリジクス酸、ピロミド酸、ピ
    ペミド酸、N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシル
    アミン(BPA)、N−ベンゾイル−N−(2−メチル
    フェニル)ヒドロキシルアミン(BTA)およびN−シ
    ナモイル−N−フェニルヒドロキシルアミン(CPA)
    からなる群より選ばれるものであり、成分(c)がリピ
    オドールである請求項第8項または第9項記載の腫瘍治
    療用キット。
  11. 【請求項11】 イットリウム90(90Y)、レニウム1
    86(186Re)、レニウム188(188Re)、スズ117m(
    117mSn)、銅67(67Cu)、テクネシウム99m(99 mTc)、
    インジウム111(111In)、インジウム113m(113mI
    n)、ガリウム68(68Ga)、ガリウム67(67Ga)、鉄59
    (59Fe)、コバルト57(57Co)、コバルト58(58Co)、コ
    バルト60(60Co)、水銀197(197Hg)および水銀20
    3(203Hg)からなる群より選ばれる放射性金属元素と、
    ナフチリジン誘導体、ピリドピリミジン誘導体およびク
    ペロンの同族体からなる群より選ばれる金属キレート試
    薬とからなる腫瘍治療用錯体粉末。
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