JPH09171162A - 半導体光変調器 - Google Patents

半導体光変調器

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JPH09171162A
JPH09171162A JP33206495A JP33206495A JPH09171162A JP H09171162 A JPH09171162 A JP H09171162A JP 33206495 A JP33206495 A JP 33206495A JP 33206495 A JP33206495 A JP 33206495A JP H09171162 A JPH09171162 A JP H09171162A
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JP
Japan
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layer
quantum well
multiple quantum
well layer
optical waveguide
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JP33206495A
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Inventor
Yoshihiro Satou
嘉洋 佐藤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GRIN−SCH構造を有し多重量子井戸層
を光吸収層とする光変調器に関し,光吸収層からのキャ
リアの除去を容易にすることを目的とする。 【解決手段】 井戸層1aと障壁層1bを積層した多重
量子井戸層1を光吸収層とし,多重量子井戸層1を挟む
n型及びp型クラッド層2,3と,クラッド層2,3と
多重量子井戸層1間に設けられクラッド層2,3方向に
禁制帯幅が連続的に広がる光導波路層4,5とを有する
半導体光変調器において,光導波路層4の禁制帯幅は光
吸収層に入射され変調される光のフォトンエネルギより
大きく,かつ多重量子井戸層1と光導波路層4,5と
が,n型クラッド側で伝導帯の不連続を生ぜず,n型ク
ラッド側で価電子帯の不連続を生じないように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光吸収型の半導体光
変調器に関し,特に低い電圧で駆動できかつ変調速度が
速い半導体光変調器の構造に関する。
【0002】光吸収層に多重量子井戸構造を用い,連続
的に禁制帯幅が変化する光導波路層を介在させてその光
吸収層をn型及びp型のクラッド層で挟むGRIN−S
CH(Graded Index Separate Confinement Heterostru
cture)構造の光吸収型半導体光変調器は,高速・大容量
光通信用として単独で,又は半導体レーザと共に集積さ
れて光通信に使用されている。
【0003】かかる光通信に使用される半導体光変調器
には,高速・大容量の通信を可能とするため,高速の変
調特性及び低駆動電圧が要求されている。
【0004】
【従来の技術】量子井戸構造を有する光吸収型半導体光
変調器は,駆動電圧が低くかつ高速の変調特性を有する
ことから高速光通信用に利用されている。以下,従来の
光吸収型半導体光変調器の構造とその特性について説明
する。
【0005】図3は従来例エネルギバンド図であり,従
来の光吸収型半導体光変調器の光吸収層近傍のエネルギ
バント構造を表している。なお,図中のEc,Evは,
それぞれ伝導帯の底のエネルギ準位及び価電子帯の上端
のエネルギ準位をあらわしている。
【0006】図3(a)を参照して,多重量子井戸構造
を利用する最も単純な従来の光吸収型半導体光変調器
は,n型クラッド層2とp型クラッド層3とで挟まれた
多重量子井戸層1を光吸収層として用いるものである。
多重量子井戸層1は,禁制帯幅の狭い井戸層1aと禁制
帯幅の広い障壁層1bとを交互に積層して構成される。
n型クラッド層2とp型クラッド層3間には逆方向の駆
動電圧が印加され,その結果,多重量子井戸層の量子閉
じ込めシュタルク効果により大きな光吸収の変化が起こ
る。このため,原理的にこの構造の光変調器は小さな駆
動電圧により十分な光変調を行うことができる。
【0007】しかし,多重量子井戸層1を広い禁制帯幅
を有するn型及びp型クラッド層2,3で直接挟む上記
の構造では,次に述べるように高速変調及び低電圧駆動
が困難になるという問題を生ずる。
【0008】多重量子井戸層1からなる光吸収層を伝播
する光は,井戸層1aの価電子帯内に形成された基底準
位Ehにある電子を励起して吸収され,井戸層1aの伝
導帯内に形成された励起準位Eeに電導電子6を,基底
準位Ehに正孔7を発生する。この光吸収により発生し
た電子6及び正孔7は,障壁層1bをトンネリングして
多重量子井戸層1中を速やかに移動し,逆バイアス電圧
の下で電子6はn型クラッド層2に,正孔はp型クラッ
ド層3に移動し吸収される。
【0009】しかし,クラッド層2,3は井戸層1aよ
りも大きな禁制帯幅を有すため,n型及びp型クラッド
層2,3と多重量子井戸層1との界面に大きなエネルギ
ギャップΔEc,ΔEvが生ずる。
【0010】即ち,n型クラッド層2と多重量子井戸層
1との界面では,伝導帯の底のエネルギEcがn型クラ
ッド層2側で高くなる段差,即ちエネルギギャプΔEc
を生ずる。この伝導帯の段差は電子6が多重量子井戸層
1からn型クラッド層2へ移動する際の障壁となる。こ
のため,光吸収により多重量子井戸層1中に発生した電
子6は,n型クラッド層2へ速やかに吸収されず,多重
量子井戸層のn型クラッド層2に接する近傍に滞留しこ
の部分の電子濃度を上昇させる。この電子濃度の上昇
は,多重量子井戸層1に印加された逆バイアス電圧を緩
和し,変調に必要な逆バイアス,即ち変調に必要な駆動
電圧を大きくする。さらに,多重量子井戸層1のn型ク
ラッド層との接合面近傍に滞留した高濃度の電子は,熱
励起により接合面のエネルギギャプΔEcによる障壁を
超えてn型クラッド層に吸収されるため消滅時間が非常
に長い。このため,高速の光変調が困難になる。
【0011】一方,p型クラッド層3と多重量子井戸層
1との界面では,価電子帯の上端のエネルギEvがp型
クラッド層3側で低くなる段差,即ちエネルギギャップ
ΔEvを生ずる。この価電子帯の段差は正孔7が多重量
子井戸層1からn型クラッド層2へ移動する際の障壁と
なる。従って,この段差近傍の多重量子井戸層1に正孔
7濃度の高い領域が生じ,この高濃度の正孔により電子
について上述したと同様の問題が発生する。これら電子
及び正孔の滞留により生ずる光変調器の特性の劣化は,
光強度が強い程著しい。
【0012】かかる問題を緩和するため,多重量子井戸
層1とクラッド層6,7との間に,禁制帯幅が連続的に
変化する光導波路層を挿入したGRIN−SCH構造の
半導体光変調器が考案された。
【0013】このGRIN−SCH構造の半導体光変調
器は,図3(b)を参照して,クラッド層2,3と多重
量子井戸層1との間に挿入された光導波路層4の禁制帯
幅が,クラッド層2,3から多重量子井戸層1まで連続
的に狭くなり,クラッド層2,3との接続面では障壁層
1bのエネルギバンドと一致する。
【0014】かかる構成では,クラッド層2,3と多重
量子井戸層1との接合面に生ずる障壁の高さ,即ちエネ
ルギギャップΔEc,ΔEvは,井戸層1aと障壁層1
bとの間の障壁の高さに等しい。この障壁はクラッド層
2,3と多重量子井戸層1との間に生ずる障壁より低い
ため,多重量子井戸層1中の電子6及び正孔7は,熱励
起により容易に障壁を超えて光導波路層4,5に移動す
る。光導波路4,5は逆バイアス電圧により空乏化して
いるため,光導波路層4,5中に移動した電子及び正孔
は光導波路4,5中を移動しクラッド層2,3に吸収さ
れる。従って,この構成の半導体光変調器は,多重量子
井戸層1中のキャリアの蓄積が少なくかつ短時間で多重
量子井戸層1中に蓄積したキャリアを除去できるので,
高速かつ低駆動電圧の光変調が可能となる。
【0015】しかし,光導波路層を備えた上記の半導体
光変調器においても,光導波路層4,5と多重量子井戸
層1との間の障壁に起因するキャリアの滞留が起こり,
光変調の高速化,低駆動電圧化の障害となる。
【0016】かかる電子及び正孔の障壁を取り除き,高
速かつ低駆動電圧の半導体光変調器とするために,図3
(c)を参照して,光導波路層4,5のエネルギバンド
構造を,多重量子井戸層1と接する近傍で井戸層1aの
エネルギバンドに一致させることが考えられる。しか
し,かかる構造の光導波路層4,5は,光導波路層4,
5中の禁制帯幅が多重量子井戸層1の基礎吸収端エネル
ギと一致する又は極めて近い部分(図3(c)中の8で
示す部分)が存在するため,逆バイアス電圧を印加して
もなおこの部分で望まれない光吸収を起こし損失が大き
くなる。このため,かかる構造の半導体光変調器は実現
されていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
GRIN−SCH構造の半導体光変調器では,多重量子
井戸層1との接合面近傍の光導波路層のエネルギバンド
を,多重量子井戸層1を構成する障壁層と等しくしてい
た。このため,光導波路層4,5と多重量子井戸層1と
の接合面に電子又は正孔に対する障壁が生じ,半導体光
変調器の高速化及び駆動電圧の低電圧化を困難にすると
いう欠点があった。
【0018】さらに,多重量子井戸層1との接合面近傍
の光導波路層のエネルギバンドを,多重量子井戸層1を
構成する井戸層と等しくする半導体光変調器では,光導
波路中での光吸収損失が大きいという問題があった。
【0019】本発明は,光導波路層の禁制帯幅を光吸収
を生じない程度に維持しつつ,光導波路層と多重量子井
戸層との接合面に生ずる電子及び正孔に対する障壁を低
くし又は無くすることにより,接合面での電子又は正孔
の滞留を回避し,光損失が少なく,高速かつ低駆動電圧
の光吸収型半導体光変調器を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図であり,光吸収型半導体光変調器の光吸収層を含む主
要部分のエネルギバンド構造を表している。
【0021】図1を参照して,上記課題を解決するため
の本発明の第一の構成は,井戸層1aと該井戸層1aよ
り広い禁制帯幅を有する障壁層1bとを交互に積層して
なる多重量子井戸層1と,該多重量子井戸層1を挟み該
多重量子井戸層1の一方の側に設けられたn型クラッド
層2及び他方の側に設けられたp型クラッド層3と,該
n型クラッド層2と該多重量子井戸層1との間に設けら
れ該n型クラッド層2方向に禁制帯幅が広がる光導波路
層4とを有し,該多重量子井戸層1を光吸収層とする半
導体光変調器において,該光導波路層4は,該光吸収層
に入射され変調される光のフォトンエネルギより大きな
禁制帯幅を有し,該多重量子井戸層1との接合面近傍の
該光導波路層4の伝導帯の底が,該障壁層1bの伝導帯
の底より低いことを特徴として構成し,及び,第二の構
成は,井戸層1aと該井戸層1aより広い禁制帯幅を有
する障壁層1bとを交互に積層してなる多重量子井戸層
1と,該多重量子井戸層1を挟み該多重量子井戸層1の
一方の側に設けられたn型クラッド層2及び他方の側に
設けられたp型クラッド層3と,該p型クラッド層3と
該多重量子井戸層1との間に設けられ該p型クラッド層
3方向に禁制帯幅が広がる光導波路層5とを有し,該多
重量子井戸層1を光吸収層とする半導体光変調器におい
て,該光導波路層5は,該光吸収層に入射され変調され
る光のフォトンエネルギより大きな禁制帯幅を有し,該
多重量子井戸層1との接合面近傍の該光導波路層5の価
電子帯の上端が,該障壁層1bの価電子帯の上端より高
いことを特徴として構成する。
【0022】本発明の第一の構成では,光導波路層4
は,光吸収層,即ち多重量子井戸層1に入射され変調さ
れる光のフォトンエネルギより大きな禁制帯幅を有する
半導体から形成される。従って,光導波路層5中での光
吸収は起こらないから,本構成の半導体光変調器の光損
失は少ない。
【0023】本構成では,さらに光導波路層4の伝導帯
の底は,該多重量子井戸層1との接合面近傍において障
壁層1bの伝導帯の底より低エネルギに形成される。即
ち,多重量子井戸層1と光導波路層4との間に形成され
る電導電子6に対する障壁の高さは,従来の半導体光変
調器における障壁の高さである障壁層1bと井戸層1a
との伝導帯の底の差(図3中のΔEc。)よりも小さ
い。従って,伝導電子6は多重量子井戸層1からn型ク
ラッド層2へと容易に移動するから,多重量子井戸層1
が光導波路4と接する接合面近傍に滞留する電子濃度は
少ない。その結果,本構成の半導体光変調器は,変調速
度が速くまた低い駆動電圧で変調することができる。な
お,障壁の高さを低くして電子の移動を容易にするため
に,光導波路層4の伝導帯の底は,井戸層1aの伝導帯
の底と一致するか又はより低いことが好ましい。
【0024】かかる光導波路4の禁制帯幅を広くし,同
時に光導波路4と井戸層1aとの伝導帯の底を略等エネ
ルギとする本構成では,光導波路4と井戸層1aとの間
に価電子帯の大きなエネルギギャップΔEvを生ずる。
このエネルギギャップは正孔に対する大きな障壁とな
る。しかし,多重量子井戸層1には逆バイアス電圧が印
加されるためこの障壁には正孔は集積しないので,この
正孔に対する障壁は何ら問題を生じない。
【0025】本発明の第二の構成では,第一の構成と同
様に,光導波路層4は,光吸収層,即ち多重量子井戸層
1に入射され変調される光のフォトンエネルギより大き
な禁制帯幅を有する半導体から形成される。従って,半
導体光変調器の光損失は少ない。
【0026】本構成では,さらに光導波路層5の価電子
帯の上端は,該多重量子井戸層1との接合面近傍におい
て障壁層1bの価電子帯の上端より高エネルギに形成さ
れる。この構成では,多重量子井戸層1と光導波路層5
との間に形成される正孔7に対する障壁の高さは従来の
障壁の高さ(図3中のΔEv。)よりも小さくなる。そ
の結果,第一の構成と同様に,正孔7の多重量子井戸層
1からn型クラッド層2への移動が容易になり,障壁近
傍に滞留する正孔濃度は少なくなる。このため,変調速
度を速くまた駆動電圧を低くすることができる。なお,
正孔の移動を容易にするために,光導波路層5の価電子
帯の上端を,井戸層1aの価電子帯の上端と一致させる
か又はより高くすることが好ましい。
【0027】本構成では,光導波路5と井戸層1aとの
間に伝導帯の大きなエネルギギャップΔEcを生ずる。
このエネルギギャップは電子に対する大きな障壁となる
が,第一の構成と同様の理由から,この電子に対する障
壁は何ら問題を生じない。
【0028】
【発明の実施の形態】図2は本発明の実施形態エネルギ
バンド図であり,半導体光変調器の光吸収層を含む主要
部のエネルギバンドを表している。なお,図2(a)は
第一実施形態を,図2(b)は第二実施形態を表してい
る。また,縦軸のエネルギは任意のエネルギ水準からの
エネルギ差を,横軸は層厚方向の距離を表している。
【0029】本発明の第一実施形態は,本発明の第一の
構成と第二の構成を組合せて適用した波長1.55μm
帯の半導体光変調器に関する。以下,第一実施形態に関
する半導体光変調器の製造方法とその構造について説明
する。
【0030】図2(a)を参照して,n型InP基板
(図外)上に,例えばMBE法(分子線エピタキシャル
成長法)法により,n型InPからなるn型クラッド層
2を堆積し,さらに続けて厚さ12nmのノンドープIn
GaAlAs層を堆積して光導波路層4とする。このI
nGaAlAs層からなる光導波路層4は,InP基板
と格子定数が略一致し,かつ禁制帯幅がInP基板近傍
で広く成長方向に向けて連続的に狭くなるように成長と
ともに組成を変化して堆積する。。従って,この禁制帯
の最狭の部分は最後に成長する表面部分,即ちこの上に
堆積する多重量子井戸層1との接合面近傍となる。な
お,この接合面近傍においても,光導波路4の禁制帯幅
は,多重量子井戸層1に入射する光のフォトンエネルギ
より大きくなるように,例えば,多重量子井戸層1の基
礎吸収端波長のフォトンエネルギより大きくなるように
形成される。このような光導波路層4は,例えば,In
P基板近傍でIn0.526 Ga0.151 Al0.323 Asと
し,成長とともに漸次Alを低減して最終はIn0.53
0.379 Al0.091 Asとすることで実現される。な
お,光導波路層4はノンドープであるから,多重量子井
戸層1に近い程,光導波路層4の伝導帯の底Ecは低く
なり,逆に価電子帯の上端Evは高くなる。
【0031】次いで,光導波路層4上に光吸収層となる
InGaAsP系の厚さ9nmの多重量子井戸層1を堆積
する。なお,多重量子井戸層1を堆積する前に,光導波
路層4の一部となる厚さ9nmのIn0.53Ga0.379 Al
0.091 Asを堆積する。この多重量子井戸層1は,周知
のようにIn及びAsに富む井戸層1aとGa及びPに
富む障壁層1bとを交互に積層して形成される。その井
戸層1a及び障壁層1bの組成及び厚さは,多重量子井
戸層1の基礎吸収端波長が光吸収層の動作に適切な波
長,例えば1.55μm帯となるように,かつ光導波路
4上にエピタキシャル成長した多重量子井戸層1中に,
必要な大きさの歪が発生するように選択される。このよ
うな多重量子井戸層1は,例えば厚さ9nmのIn0.692
Ga0.308As0.817 0.183 からなる井戸層1aと厚
さ5.1nmのIn0.741 Ga0.259As0.470.53から
なる障壁層1bとを, 交互に積層して実現できる。な
お,井戸層1aは多重量子井戸層1の両側に設けられ
る。この多重量子井戸層1では,井戸層1aには0.6
%の圧縮歪が,障壁層1bに0.6%の引張歪が生じて
いる。
【0032】多重量子井戸層1中の歪は,多重量子井戸
層1の電子親和力を制御するために用いられる。即ち,
InP基板上に堆積された光導波路層4のエネルギバン
ドは,光導波路4の組成により一義に定まるから,多重
量子井戸層1との接合面近傍の伝導帯の底Ec及び価電
子帯の上端Evはその接合面近傍の光導波路層4の組成
により一義に定まる。他方,多重量子井戸層1の伝導帯
の底Ec及び価電子帯の上端Evは,基礎吸収端波長と
格子定数とを適切に定めた場合,一般には光導波路層4
接合面近傍の伝導帯の底Ec及び価電子帯の上端Evと
一致しないため,光導波路層4との間に伝導帯及び価電
子帯の不連続を生ずる。多重量子井戸層1中の歪は,多
重量子井戸層1の電子親和力を変動させ,多重量子井戸
層を構成する井戸層1aの伝導帯の底を接合面近傍の光
導波路層4の伝導帯の底に一致させるために導入され
る。その結果,図2(a)に示すように,光導波路層4
と井戸層1aとの間の伝導帯の不連続は解消される。従
って,多重量子井戸層1から光導波路層4への電子の障
壁を生じない。なお,歪の導入により引き起こされる電
子親和力の変動は,井戸層1a及び障壁層1bの禁制帯
幅を大きくは変えない。従って,禁制帯幅と電子親和力
とは近似的には独立に扱うことができ,実用上は歪の禁
制帯幅に及ぼす効果を僅かな修正で補うことで足りる。
【0033】次いで,多重量子井戸層1上に,ノンドー
プInGaAsP層からなる厚さ12nmの光導波路層5
を堆積する。この光導波路層5は,多重量子井戸層1と
の接合面近傍で禁制帯幅が最狭となり,その接合面から
離れるにつれて禁制帯幅が広くなるように組成を変化さ
せて成長される。なお,光導波路層5の最狭の禁制帯幅
は,多重量子井戸層1に入射する光のフォトンエネルギ
より大きくする。この様な光導波路層5は,例えば,多
重量子井戸層1上に9nmのIn0.617 Ga0.38 3 As
0.822 0.178 を堆積し, 続けて成長初期のIn0.617
Ga0.383 As0. 822 0.178 から最終のInPまで漸
次組成を変化させて成長することで実現される。
【0034】かかるノンドープInGaAsP層からな
る光導波路層5のエネルギバンドは,価電子帯の上端が
井戸層1aの価電子帯上端よりも僅かに低い。しかし,
この価電子帯の不連続により多重量子井戸層1と光導波
路層5との間に生ずる正孔に対する障壁は,通常の光変
調器の動作において無視し得る大きさであり,実際上問
題となるような特性の劣化を引き起こさない。なお,こ
の井戸層1aの伝導帯は,既述の歪導入の方法によりn
型クラッド層2と接続する光導波路層4の伝導帯に一致
している。もちろん,必要ならばp型クラッド層に接続
する光導波路層5に歪を導入し,井戸層1aと光導波路
層5との接合面近傍の価電子帯を一致させる又は光導波
路層5の価電子帯を高くすることもでき,これにより多
重量子井戸層1中の正孔の滞留が小さくなる。かかる歪
は,光導波路層5の組成及び膜厚を選択して導入するこ
とができる。
【0035】次いで,光導波路層5上にInPからなる
p型クラッド層3を堆積し,さらにp型クラッド層上及
びInP基板裏面上にそれぞれ電極(図外)を形成す
る。n型クラッド層2とp型クラッド層3間には,これ
らの電極を通して逆バイアス電圧とこれに重畳する駆動
電圧が印加され,多重量子井戸層1の吸収係数を変化す
ることで光変調がなされる。
【0036】上述した本第一実施形態において,n型ク
ラッド層2に接続する光導波路層4とp型クラッド層3
に接続する光導波路層5の両方を共にInGaAsPか
ら構成することもできる。この形態では,一般に歪の無
い場合はクラッド層2,3,2つの光導波路層4,5及
び多重量子井戸層1のエネルギバンドが整合せずこれら
の層間に電子又は正孔に対する障壁が生ずる。この障壁
は,n型クラッド層2に接続する光導波路層4に圧縮歪
を,p型クラッド層3に接続する光導波路層5に引張歪
を導入することで除去することができる。もちろん記述
した電子親和力を整合するため,一般に多重量子井戸層
1にも引張又は圧縮の歪の導入が必要である。
【0037】本発明の第二実施形態は,正孔に対する障
壁が小さな半導体光変調器に関する。図2(b)を参照
して,InP基板(図外)上にInPからなるn型クラ
ッド層2,InGaAsP例えばIn0.772 Ga0.228
As0.494 0.506 からなるバッファ層12,InPか
らなるエッチストッパ層13,InGaAsP例えばI
0.772 Ga0.228 As0.494 0.506 からなる光導波
路層14,InGaAsP系の多重量子井戸層1,In
GaAsPからなる光導波路層5,InPからなるp型
クラッド層を順次堆積する。ここで,エッチストッパ層
13は,周知のように精密なエッチングを可能とするた
めに製造上の見地から設けられる。また,n型クラッド
層2から多重量子井戸層1までは従来の半導体光変調器
と同様である。この多重量子井戸層1も従来と同様に,
例えば最初に光導波路層14の一部をなす厚さ9nmのI
0.772 Ga0.228 As0.494 0.506 を堆積し,続け
て厚さ5.1nmのIn0.818 Ga0.182 As0.396
0.604 の障壁層1bと厚さ9nmのIn0.575 Ga0.425
As0.910.09の井戸層とを, 多重量子井戸層1の両側
に井戸層1aを設けるように交互に堆積する。さらに続
けて,光導波路層5の一部をなす厚さ9nmのIn0.547
Ga0.453 As0.789 0.211 を堆積する。なお,光導
波路層14は,禁制帯幅の傾斜はない。従って,多重量
子井戸層1と光導波路層14間に電子の障壁が存在し得
る。
【0038】他方,光導波路層5は,上述した第一実施
態様と同様に禁制帯幅が傾斜しており,井戸層1aと光
導波路層5との間の価電子帯の不連続は小さい。従っ
て,正孔に対する障壁は小さく,多重量子井戸層1中の
正孔は速やかに除去される。このような光導波路層5は
, 例えば成長初期の組成をIn0.547 Ga0.453 As0.
789 0.211 とし,成長終了時のInPまで漸次組成を
変化させることで実現できる。かかる場合,多重量子井
戸層1に接して堆積された厚さ9nmのIn0.547Ga
0.453 As0.789 0.211 層及びこれに接して堆積され
た組成変動を伴う光導波路層5には,0.6%の圧縮歪
が生じる。この歪により,井戸層1aと光導波路層5と
の価電子帯が同一水準に近くされ,価電子帯の不連続が
緩和される。
【0039】本構成では,電子に対する障壁は従来と変
わりないが,正孔に対する障壁は小さい。正孔の易動度
は電子に比べ格段に小さいため,正孔の滞留が光変調器
特性に及ぼす影響は電子に比べて非常に大きい。このた
め,本構成では,通常の半導体光変調器の工程を多用し
て,これに僅かな変更を加えるのみで高速かつ低駆動電
圧の半導体光変調器を容易に製造することができる。
【0040】
【発明の効果】上述したように本発明によれば,量子井
戸層と光導波路層との間に量子井戸層中の光吸収で生成
される電子又は正孔に対する高い障壁が存在しないの
で,量子井戸層からクラッド層へキャリアが迅速に移動
し,光吸収の飽和強度が小さく,高速かつ低駆動電圧の
半導体光変調器を提供することができ,光通信装置の性
能向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理説明図
【図2】 本発明の実施形態エネルギバンド図
【図3】 従来例エネルギバンド図
【符号の説明】
1 多重量子井戸層 1a 井戸層 1b 障壁層 2 n型クラッド層 3 p型クラッド層 4,5 光導波路層 6 電子 7 正孔 12 バッファ層 13 エッチストッパ 14 光導波路層 Ec 伝導帯の底 Ev 価電子帯の上端 Ee 多重量子井戸層中の電子準位(励起準位) Eh 多重量子井戸層中の正孔準位(基底準位)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 井戸層と該井戸層より広い禁制帯幅を有
    する障壁層とを交互に積層してなる多重量子井戸層と,
    該多重量子井戸層を挟み該多重量子井戸層の一方の側に
    設けられたn型クラッド層及び他方の側に設けられたp
    型クラッド層と,該n型クラッド層と該多重量子井戸層
    との間に設けられ該n型クラッド層方向に禁制帯幅が連
    続的に広がる光導波路層とを有し,該多重量子井戸層を
    光吸収層とする半導体光変調器において,該光導波路層
    は,該光吸収層に入射され変調される光のフォトンエネ
    ルギより大きな禁制帯幅を有し,該多重量子井戸層との
    接合面近傍の該光導波路層の伝導帯の底が,該障壁層の
    伝導帯の底より低いことを特徴とする半導体光変調器。
  2. 【請求項2】 井戸層と該井戸層より広い禁制帯幅を有
    する障壁層とを交互に積層してなる多重量子井戸層と,
    該多重量子井戸層を挟み該多重量子井戸層の一方の側に
    設けられたn型クラッド層及び他方の側に設けられたp
    型クラッド層と,該p型クラッド層と該多重量子井戸層
    との間に設けられ該p型クラッド層方向に禁制帯幅が連
    続的に広がる光導波路層とを有し,該多重量子井戸層を
    光吸収層とする半導体光変調器において,該光導波路層
    は,該光吸収層に入射され変調される光のフォトンエネ
    ルギより大きな禁制帯幅を有し,該多重量子井戸層との
    接合面近傍の該光導波路層の価電子帯の上端が,該障壁
    層の価電子帯の上端より高いことを特徴とする半導体光
    変調器。
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