JPH09172158A - 原子鎖回路網及び方法 - Google Patents
原子鎖回路網及び方法Info
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- JPH09172158A JPH09172158A JP29022095A JP29022095A JPH09172158A JP H09172158 A JPH09172158 A JP H09172158A JP 29022095 A JP29022095 A JP 29022095A JP 29022095 A JP29022095 A JP 29022095A JP H09172158 A JPH09172158 A JP H09172158A
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Abstract
る。 【解決手段】 絶縁体格子として、格子配列を有する十
分平坦な表面を作製するために多くの格子原子を用いて
作製する。この表面にある化学的に満たされていない結
合は、原子を配列することにより終端し、絶縁格子面を
得るために表面を絶縁する。その絶縁面上に予め決めら
れた位置に原子を配置し、第一の原子鎖を作製し、これ
が導電体、半導体、または絶縁体のいずれかの挙動を示
す。第二の原子鎖がその絶縁面上に予め決められた位置
に原子を配置し、この第二の原子鎖が新たな導電体、半
導体、または絶縁体のいずれかの挙動を示す。これらの
原子鎖の配置は、第二の原子鎖が第一の原子鎖に対して
電気的に結合されるように行い、第二の原子鎖は、第一
の原子鎖と異なるふるまいをする。すなわち、第一の原
子鎖は、第一の原子間隔にて配列され、第二の原子鎖
は、第二の原子間隔にて配列される。この際、第二の原
子間隔は、第一のそれと異なる。
Description
ば、原子鎖回路網の作製の方法に関するものである。特
に、回路を構成する原子それぞれの間隔により決まる特
長的な電気特性を伴う単一原子鎖または原子アレイを有
する回路に関するものである。
日の回路網において、半導体または絶縁体よりなる機能
素子は、電気信号を搬送するための比較的巨視的な金属
線路にて互いに接続されている。これらの構造は、一般
に言って数十ミクロン角(1/1000ミリ)またはも
う少し大きな領域を必要としている。
構造はより小型ではあるが、依然大きな領域を必要とし
ている。そういった回路網をシリコン基板上に作製しよ
うとするとき、pn接合に基づくダイオードやトランジ
スタ、あるいは、ドープした半導体による抵抗器など
が、基板上に蒸着した数十ナノメートル(100万分の
1ミリ)の幅を有する金属線により接続されている。そ
の電力は電池や外部電源から供給され、基準電源となる
グランド面は、基板上に蒸着され、外部のグラウンドに
接続される。その結果、得られる回路網は複雑であり、
かつ、その大きさは数百ナノメートル角以上になってい
る。
しても、これらのマクロスコピックな回路網に用いられ
ている物理的な動作原理そのものが、こういったメソス
コピックな領域では役に立たなくなっている。即ち、電
子の持つ波動性が回路動作の特性を支配するようになっ
ている。さらに、回路網を小型化した場合には、回路網
を構成するそれぞれの原子の物理的特質を考慮した新た
な回路素子概念が必要となる。
鎖による回路網の作製方法を提供する。目的は、最少限
度の空間的領域を用いた回路を提供することにある。こ
れに関連し、単一原子鎖または、原子アレイを絶縁され
た格子上に作製する際の個々の原子の配置やその結合に
ついても言及している。さらに、絶縁された格子上に作
製する様々な単一原子鎖または原子アレイの配置やそれ
らの接続についても本特許において展開する。
板面は、原子レベルでの平坦さと同時に電子的にも安定
している必要がある。そこで、以下に述べるように、基
板の表面の処理や、原子鎖の配置方法には特別の配慮が
必要である。原子鎖を配置する絶縁された格子プラット
ホーム(絶縁基板)であるが、まず、原子レベルで平坦
であり格子状に並んだ原子面を用いる。その際、シリコ
ンなどの基板上に発生する化学結合に預かっていない原
子は表面に配置した原子鎖に量子力学的な直接影響を与
える。そこで、これらの邪魔な化学結合を終端すること
で原子レベルの絶縁基板を作製することが可能となる。
これらの化学結合の部位に化学結合を満足するために、
水素原子などを単一原子層レベルの精度にて付けること
となる。
製した絶縁基板上の予め化学的に決められた位置に配置
され、第一の原子鎖を構成する。この原子鎖は、導電
体、半導体や絶縁体といった性質を持つ。第二の原子鎖
は、同様に絶縁基板に配置され、別の導電体や半導体を
構成する。この際、第二の原子鎖は、第一の原子鎖とは
異なる挙動をすることが特長である。即ち、第一の原子
鎖はその原子間隔がこの原子鎖に特長的な距離で配置さ
れ、第二の原子鎖はこれと異なる第二の特長的な原子間
隔にて配置される。
は、以下の図面を含めた具体例により明らかとされるも
のと考える。
を有する導電体、第二の原子間隔を有する半導体または
第三の原子間隔を有する絶縁体としてふるまう第一の原
子鎖を形成するために、絶縁された格子プラットホーム
上の予め決められた位置に、原子を配置するようにした
ものである。
方法において、更に以下のようなステップからなる方法
であって、第四の原子間隔を有する導電体、第五の原子
間隔を有する半導体または第六の原子間隔を有する絶縁
体としてふるまう第二の原子鎖を形成するために、絶縁
された格子プラットホーム上の予め決められた位置に、
原子を配置し、前記第二の原子鎖を配置するステップは
前記第二の原子鎖が前記第一の原子鎖と異なるふるまい
をなし、前記第一の原子鎖と前記第二の原子鎖が結合す
るようにしたものである。
方法において、更に以下のようなステップからなる方法
であって、第四の原子間隔を有する導電体、第五の原子
間隔を有する半導体または第六の原子間隔を有する絶縁
体としてふるまう第一の原子アレイを形成するために、
絶縁された格子プラットホーム上の予め決められた位置
に、原子を配置し、前記第一の原子アレイを配置するス
テップは前記第一の原子アレイが前記第一の原子鎖と異
なるふるまいをなし、前記第一の原子アレイと前記第二
の原子鎖が結合するようにしたものである。
方法において、前記絶縁された格子プラットホームが以
下のようなステップを含む方法で作製されるものであっ
て、格子状の配列を有する実質的に平坦な表面を作製す
るために、複数の格子状に配列された原子で基板を形成
し、かつ、前記絶縁された格子プラットホームを形成す
るために、前記表面を絶縁するとともに、化学的に満た
されていない結合を終端するために、この化学的に満た
されていない結合の位置に原子を配置することにより、
実質的に平坦な表面に沿った前記基板の化学的に満たさ
れていない結合をことごとく終端するようにしたもので
ある。
方法において、前記配置のステップは格子構造の境界に
できる相対ポテンシャルの極小値である予め決められた
位置に各原子を配置するようにしたものである。 〔6〕上記〔1〕記載の原子鎖回路の作製方法におい
て、前記配置のステップは第二族の原子で実施するよう
にしたものである。
方法において、前記配置のステップはマグネシウム原子
で実施するようにしたものである。 〔8〕上記〔1〕記載の原子鎖回路の作製方法におい
て、前記配置のステップはベリリウム原子で実施するよ
うにしたものである。
て、前記配置のステップはガリウム原子と砒素原子の組
み合わせで実施するようにしたものである。
製方法において、前記配置のステップは絶縁体を得るた
めに原子間隔を約4.2Å未満又は超過するように離し
て配置し、導電体を得るためにシリコン原子間隔を約
4.2Å離して配置するようにしたものである。 〔11〕原子アレイ回路を作製する方法であって、第一
の原子間隔を有する導電体、第二の原子間隔を有する半
導体または第三の原子間隔を有する絶縁体としてふるま
う第一の原子アレイを形成するために、絶縁された格子
プラットホーム上の予め決められた位置に、原子を配置
するようにしたものである。
路の作製方法において、第四の原子間隔を有する導電
体、第五の原子間隔を有する半導体または第六の原子間
隔を有する絶縁体としてふるまう第二の原子アレイを形
成するために、絶縁された格子プラットホーム上の予め
決められた位置に、原子を配置し、前記配置のステップ
は前記第二の原子アレイが前記第一の原子アレイと異な
るふるまいをなし、かつ、前記第一の原子アレイと前記
第二の原子アレイを結合するようにしたものである。
路の作製方法において、前記絶縁された格子プラットホ
ームが以下のようなステップを含む方法によって作製さ
れるものであって、格子配置を有する実質的に平坦な表
面を得るために複数の格子配列した原子で基板を作製
し、かつ、前記絶縁された格子プラットホームを形成す
るために、前記表面を絶縁するとともに、化学的に満た
されていない結合を終端するために該化学的に満たされ
ていない結合の位置に原子を配置することにより、実質
的に平坦な表面に沿った前記基板の化学的に満たされて
いない結合をことごとく終端するようにしたものであ
る。
路の作製方法において、前記配置のステップは格子構造
の境界にできる相対ポテンシャルの極小値である予め決
められた位置に各原子を配置するようにしたものであ
る。 〔15〕上記〔11〕記載の原子アレイ回路の作製方法
において、前記配置のステップは第二族の原子で実施す
るようにしたものである。
路の作製方法において、前記配置のステップはマグネシ
ウム原子で実施するようにしたものである。 〔17〕上記〔11〕記載の原子アレイ回路の作製方法
において、前記配置のステップはガリウム原子と砒素原
子の組み合わせで実施するようにしたものである。
路の作製方法において、前記配置のステップは絶縁体を
得るために原子間隔を約5.2Å未満又は超過するよう
に離して配置し、導電体を得るために原子間隔を約5.
2Å離して配置するようにしたものである。 〔19〕原子鎖回路において、格子配置を有する実質的
に平坦な表面を得るために形成された複数の格子状に配
列した原子を有する基板と、この基板で満たされていな
い化学的結合をことごとく終端するために前記平坦な表
面に結合された絶縁層と、第一の原子鎖が第一の原子間
隔で配置された導電体、第二の原子間隔で配置された半
導体または第三の原子間隔で配置された絶縁体としてふ
るまうように、絶縁された格子プラットホーム上の予め
定められた位置に位置決めされる第一の原子鎖とからな
るようにしたものである。
おいて、第二の原子鎖が第四の原子間隔で配置された導
電体、第五の原子間隔で配置された半導体または第六の
原子間隔で配置された絶縁体としてふるまうように、絶
縁された格子プラットホーム上の予め定められた位置に
位置決めされる第二の原子鎖とからなり、前記第一の原
子鎖と、該第一の原子鎖に電気的に結合されている第二
の原子鎖とが異なったふるまいをするように前記第二の
原子鎖は予め決められた位置に配置されるようにしたも
のである。
おいて、更に、第四の原子間隔で配置された導電体、第
五の原子間隔で配置された半導体または第六の原子間隔
で配置された絶縁体としてふるまうように、絶縁された
格子プラットホーム上の予め定められた位置に位置決め
される第一の原子アレイを有し、前記第一の原子鎖と該
第一の原子鎖に電気的に結合されている前記第一の原子
アレイとが異なったふるまいをするように前記第一の原
子アレイは予め決められた位置に配置されるようにした
ものである。
おいて、前記第一の原子鎖が第二族の原子からなるよう
にしたものである。 〔23〕上記〔19〕記載の原子鎖回路において、前記
第一の原子鎖がマグネシウム原子からなるようにしたも
のである。 〔24〕上記〔19〕記載の原子鎖回路において、前記
第一の原子鎖がガリウム原子と砒素原子の組み合わせか
らなるようにしたものである。
おいて、前記予め決められた位置が、絶縁体を得るため
に約4.2Å未満又は超過するように離して配置され、
導電体を得るために約4.2Å離して配置されるように
したものである。 〔26〕原子アレイ回路において、格子状の配列を有す
る実質的に平坦な表面を得るために形成された複数の格
子状に配列された原子を有する基板と、この基板で満た
されていない化学結合をことごとく終端するために前記
平坦な表面へ結合された絶縁層と、第一の原子アレイが
導電体、半導体または絶縁体としてふるまうように、絶
縁された格子プラットホーム上の予め決められた位置に
位置決めされた第一の原子アレイとを具備するようにし
たものである。
路において、更に、第二の原子アレイが導電体、半導体
または絶縁体としてふるまうように、絶縁された格子プ
ラットホーム上の予め決められた位置に位置決めされた
第二の原子アレイからなり、前記第一の原子アレイと該
第一の原子アレイに電気的に結合されている第二の原子
アレイが異なってふるまうために、前記第二の原子アレ
イは予め決められた位置に配置されるようにしたもので
ある。
路において、前記第一の原子アレイは第二族の原子から
なるようにしたものである。 〔29〕上記〔26〕記載の原子アレイ回路において、
前記第一の原子アレイはマグネシウム原子からなるよう
にしたものである。。 〔30〕上記〔26〕記載の原子アレイ回路において、
前記第一の原子アレイはガリウム原子と砒素原子の組み
合わせからなるようにしたものである。
路において、前記予め決められた位置は、絶縁体を得る
ために約5.2Åより離して配置され、導電体を得るた
めに約5.2Å以下に離して配置されるようにしたもの
である。
の作製について具体例を述べる。初めに本発明の概要に
ついて述べ、その後に特定の構造や応用を交えながら、
個々の詳細について言及する。本文では、特定の例を示
しながら論ずるが、この発明の意図するところは、これ
のみに留まらないことは自明である。
やクレームを図面と照らし合わせることによってより明
らかとなるだろう。本発明は原子レベルの回路網に関す
る。ここで、究極の大きさの最小単位である“原子”そ
のものを用いることが本発明の基本である。従来の回路
概念では、個々の電気素子や、光学素子さらにこれらを
結ぶ配線を金属や絶縁体や半導体を用いてまず作製する
ことから始まるが、本発明では、原子の格子間隔を変え
ることでこれらの従来回路網と同様な機能をもたらすこ
とを提案する。
素原子、シリコンやゲルマニウムなどを含む。さらに、
これらの原子は、第二族の原子でも可能で、ベリリウム
やマグネシウムを含む。また、これらの原子は、ガリウ
ムと砒素の組み合わせのようなものも可能である。後で
述べるように、用いる原子の格子間隔を変えることによ
り、そのフェルミレベルやエネルギーバンド構造を変え
ることができる。即ち、ひとつの種類の原子により、金
属や半導体や絶縁体といった状態を得ることができるの
である。こういった物理現象そのものを用いることによ
り、従来技術にくらべ、遙に小さな回路網を構築するこ
とが本発明により可能となる。
用いることで、いわゆるゲート回路、スイッチや電荷の
トラップなどを作製することが可能であることを示す。
昨今のSTM(走査トンネル顕微鏡)による単一原子操
作技術の発展により、STMの探針をピンセットの様に
して、ある基板の上で、ひとつひとつの原子を好きなよ
うに動かすことが可能となった。その際、移動した原子
が取り付きやすい原子位置がありそうであることが実験
的に確認されている。
りやすい一列の井戸型ポテンシャルを作製できることに
なる。このようなポテンシャルをうまく用いることで、
原子を一次元的あるいは二次元的に配置することが可能
となる。もし、こうして作られた原子鎖を、基板の電気
的影響がないように絶縁できれば、原子鎖と基板原子の
間には化学的な結合がなくなり、原子鎖を構成する原子
間のみに相互作用が起こる状態を作れ、これらが一次元
あるいは二次元の系をなすことになる。
り合う原子との間隔(格子定数あるいは原子間隔)を変
えることにより、その相互作用の大きさが変わる。これ
は、例えば基板表面にあるそれぞれのポテンシャル井戸
に、1つずつ、あるいは2つとか3つ置きに原子を配列
することにより達成できる。または、原子の配列する方
向を、基板原子の結晶軸に対して異なる方向に配列する
ことで、自動的にその原子間隔を変えることが可能とな
る。
る原子間での相互作用が大変小さいために、それぞれの
原子上の電子はその原子のみに絡み付いていることにな
る。この時は、電子の取ることのできるエネルギー状
態、つまり1s、2sや3s状態などは離散的で、絶縁
体のそれとなる。さらに原子間隔を狭めていくと、近接
した原子間の相互作用が強くなり、その近接した周期構
造の方向に連続した運動量を持つバンド構造を構成し始
める。このときのバンドの幅やバンドギャップといった
特長は、この原子間隔により任意に設計できることにな
る。それにより、基板の上に作製された原子構造のバン
ド工学を可能とする。
料の1つであるシリコンのアドアトム(表面原子)から
なるさまざまな原子構造の電子状態について以下に詳細
に述べる。シリコン原子は4個の価電子を有し、最も高
い原子レベルは3pであり、その3分の1は充満されて
いる。もし、原子の周期性は単純に原子レベルを広げる
のであれば、単純な周期構造は金属状態を示す。この単
純な概観は、通常の三次元的なシリコン結晶が絶縁体で
あるという事実と相反する。これは、格子定数が狭いた
めに、バンドの交錯が起こり、新たなバンドギャップが
広がることになり、その結果、完全に電子が充満した最
も高いバンドを存在させることになる。
子により対称的に囲まれており、原子対ごとに4つの共
有シグマ結合、即ち、4つの充満した価電子帯からな
る。単一セル内の原子数は2つであり、1つではない。
よって、4つの状態に4つの価電子を伴うという問題
は、すべての結合準位が満たされた8つの変調された状
態に8つの価電子を伴うという問題になる。工学的な応
用のためには、半導体状態と絶縁体を持つことが重要
で、これらは、非線形な電流−電圧特性を示す金属−半
導体、金属−絶縁体−金属などといった接合を作るため
には有効である。
図1(a)〜(d)に示した。まず、最も単純な周期構
造であるシリコン原子による一次元原子鎖〔図1
(a)〕、シリコンの二次元正方格子アレイ(4つの近
接原子を伴う)〔図1(b)〕、さらに図1(c)に示
すようなシリコン原子を2つ平行にならべた並列一次元
鎖(単一セル当たり2個の原子)についてまとめる。こ
こでは、汎用なパラメーターを用いて、これらのバンド
構造を計算するために、最初にセルラー結合法について
述べ、それからタイト結合法について言及する。
範囲では、シリコンによるすべての構造は金属状態にな
ることが解かった。これは、以下に述べるように、構造
に垂直な3p軌道から発生するπバンドに、フェルミレ
ベルが存在することによる。このフェルミレベルは、バ
ンドギャップより遙に高いところにあるので、格子定数
の変化に伴うバンドギャップの変化は、電子的な特性に
効果的に反映されないためである。
らなる原子鎖は、図1(d)に示すように、1つの単一
セルの中に性質の異なる原子を2個含む状態で、これが
絶縁体として使用可能であるかを探索するために議論す
る。8個の価電子が、8つの変調されたバンドの中に存
在し、三次元ガリウム砒素結晶の場合を思い起こさせ
る。しかしながら、実際には、ガリウム砒素の原子鎖も
金属状態である。フェルミレベルは砒素に起因したπバ
ンドの中に存在し、このπバンドの存在が、シリコンの
場合と同様に、ガリウム砒素原子鎖を金属状態にする。
原子も、図1(a)〜(c)の場合と同様に、原子鎖や
原子アレイや並列原子鎖構造として配列できる。これら
の第二族の原子構造は基本的には絶縁体である。これ
は、s軌道は完全に充満しており、p軌道は空であり、
単純な周期構造であっても、その導電帯の間は常にバン
ドギャップにより分離されている。
敏感で、格子定数の減少に伴い、そのバンドギャップは
数電子ボトルからゼロまで変わる。この広バンドギャッ
プの値の広がりにより、一次元マグネシウム原子鎖は、
さまざまな電気特性を示すと考えられる。バンドギャッ
プがゼロの状態は、格子定数が4.2Åのときに実現さ
れる。ここでは、原子鎖は金属状態となる。よって、そ
の原子鎖は、4.2Åの格子定数の近傍のうち、どちら
か一方で半導体状態を示し、その格子定数から離れると
絶縁体となる。つまり、原子間の格子間隔を操作するこ
とで、絶縁体、半導体、さらに金属とすることが可能と
なる。
三次元結晶が六角最密構造で金属状態であるのに、その
原子構造は、ほとんど絶縁体状態となる。これは、一次
元効果というより、三次元であることによる効果である
と考えられる。二次元正方格子原子アレイとしてマグネ
シウムをさらに検討した結果、5.2Å以上の原子間隔
では絶縁体状態、5.2Å以下では金属状態になること
が解かった。このような特性は、1つの種類の原子を用
いてさまざまな電子回路を作製する際に大変有用であ
る。
ーバンド構造を決定するためには有効である。この手法
は直感的な物理現象とよく合うためによく用いられ、比
較的定性的な特長を説明できる。しかし、タイト結合法
も用いることとし、この方法は、コンピュータによる計
算が可能で、より精度が高い。そこで、ここでは、最初
にセルラー法について述べ、その後で、タイト結合法に
ついて述べる。
構造の推定 波動関数とその導関数はx軸と、セルの境界面との交点
で連続である。中性の孤立したシリコン原子は14個の
核外電子を有している。そのうち10個の電子は非常に
安定したネオン原子と同じ閉殻を形成する。そこでは、
1s、2s、2px、2pyと2pzの電子レベルは完
全に満たされている。残りの4つの価電子が、シリコン
の化学的な特性や物理的な一般特性を決定している。
のバンド計算は、こういった電子のみに着目する。この
うち、2個の価電子は3s状態を満たし、スピンの自由
度を持つもう2個の電子を伴うことができるのである。
残りの2個の電子は3p状態を占め、あと6個の電子を
伴うことができるので、ここでは、その3分の1の状態
を占有したに過ぎない。
き、原子のつくる3sや3p電子エネルギー状態は近接
原子間相互作用によりこの方向に結合する。この内部の
電子状態を考慮するとき、3s状態は球対称性を示し、
3py状態はy/rの角度分布をしている。ここで、r
2 =x2 +y2 +z2 である。また、3pz状態も同様
にz/rの角度分布をしたx軸に対する偶関数である。
ただし、3pxだけは核を中心とした奇関数となってい
る。このような近接原子間の相互作用では、上記のよう
な偶関数と奇関数の間で結合を起こすことが普通であ
る。
3pzと3pxの間での結合は大変弱く、ほぼ無視でき
る。これは、3pyと3pzのx方向の波動関数がゼロ
であるためで、それゆえに、3pxとの強い相互作用が
無視できるのである。よって、第一近似のもとでは、3
sと3px状態がスピン軌道混成を起こし、3pyと3
pzはそのままの状態を残すことになる。それぞれの原
子は、x軸の近傍ではほぼ球状を保ち、原子鎖が形成さ
れてもこれが崩れないと仮定している。以下の計算で
は、格子定数が縮められたときの3sと3px状態の結
合の様子を示している。ここで、x軸方向のみを考慮し
ているので、x方向の波動関数Ψ(x,0,0)だけを
考えればよいのである。
方程式の一般解は、与えられたエネルギーEにおいて原
子核を中心とした偶関数g(x)と奇関数u(x)の線
形結合により表される。ここで、xは原子核の位置を基
準とした(−a/2<x<a/2)の区間におけるセル
の内部の位置である。そこで、 Ψ1 (x)=Ag(x)+Bu(x) …(1) とし、ここで、AとBは複素数であり、g(x)とu
(x)は数値的に計算されたものである。一端セル1内
部でのΨ1 が決まってしまうと、すべての原子に広がる
波動関数は、ブロッホの定理により決められる。つま
り、n+1番目のセル内の波動関数Ψn+1 は、結晶の運
動量kを用いて、(n−1/2)a<x<(n+1/
2)aの間では Ψn+1 (x)=exp(inka)Ψ1 (x−na) …(2) と表される。
も、セル内の波動関数は、その境界においてなめらかに
連続ではない。なめらかな連結は、これらの波動関数の
値と導関数がセルの境界面(ウィグナー・サイツ)の中
心において連続的であるという条件を満たして初めて可
能となる。これにより、それぞれのセルの境界条件が簡
略化されて以下のように表される。即ち、 Ψ1 (a/2)=exp(ika)Ψ1 (−a/2) dΨ(a/2)/dx=exp(ika)dΨ(−a/2)/dx…(3) 次に、(2)式を(3)式に代入し、対称性つまりg
(−a/2)=g(a/2)、g′(−a/2)=g′
(a/2)などを用いることで、以下に示す行列演算式
を得ることができる。つまり、 {1−exp(ika)}g(a/2)A+{1+exp(ika)}u (a/2)B=0 {1+exp(ika)}g′(a/2)A+{1−exp(ika)}u′ (a/2)B=0 …(4) AとBに関する(4)式が常に成立するためには、この
行列式のデターミナントがゼロになるようにする必要が
ある。つまり、 tan2 (ka/2)=−{g′(a/2)u(a/2)}/{g(a/2) u′(a/2)}≡s …(5) (5)式を用いてkとEの関係である分散を決定でき
る。伝搬波動関数を得ることができるのはs>0のとき
のみで、この状態は許容エネルギー状態である。これに
対して、s<0では、kは通常、複素数となり、電子の
波動は原子鎖の方向で減衰してしまう禁制状態である。
いてAとBから決定することができ、その際(5)式が
その条件となる。最終的な式として、 Ψ1 (x)={u′(a/2)u(a/2)}1/2 u(x)−(k/|k|) {g′(a/2)g(a/2)}1/2 u(x) …(6) で与えられる。ここでg(x)とu(x)は規格化され
ていなくてもよい。さらに(2)式を用いてn+1番目
のセルにおけるΨn+1 (x)を計算できる。ここで、k
が実数である限り、波動関数は伝搬解となる。
(a/2)、u′(a/2)のうちの3つは同じ極性で
あるが他の1つだけは異なるサインである。これによ
り、(6)式における1つの係数は実数であるが、もう
1つは純虚数となる。つまり、原子核の位置に対して、
セルの内部の波動関数は対称であるが、セルとセルの間
に広がる許容準位については周期構造をなす。
に適用するが、3sと3pxの波動関数が偶関数g
(x)と奇関数u(x)のそれぞれ対応している。孤立
した原子内の電子に対するシュレーディンガー方程式の
放射方向成分R(r)は、原子単位を用いることによ
り、 (1/r2 )(dr2 /dr)(dR(r)/dr) +{E−I(I+1)/r2 −V(r)}R(r)=0 …(7) ここでIは、角運動量である。関数V(r)は原子核の
作るクーロンポテンシャルで、クーロン反発と他の電子
との交換相互作用を含んでいる。そのV(r)は、 V(r)=−z(r)/r …(8) ここで、実効的核電荷z(r)>0はハーマンとスキル
マンにより数値表として与えられている。ここで、z
(r)は、考慮している1つの電子に対する他の13個
の電子からの影響を表しており、z(0)=14とz
(∞)=1という極限値を持ちながら単調減少する関数
である。
与えられていたエネルギーEと計算されたg(a/
2)、g′(a/2)、u(a/2)、u′(a/2)
について解く必要がある。このような計算は、新たにP
(r)=rR(r)という関数を導入することにより、
容易に可能となる。そこで、(7)式は以下のように書
き換えることができる。即ち、 d2 P(r)/dr2 +F(r)P(r)=0 …(9) ここで、 F(r)=E−I(I+1)/r2 −V(r) …(10) である。
効な初期条件を見つける必要がある。F(r)は、ゼロ
に近づくに従って発散する項を含むため、初期条件とし
ては、起点を除外したものを与える必要がある。角運動
量Iを持つ波動関数はこの起点の近傍における特異的な
ふるまいにより特長付けられる。即ち、 P(r)〜rI+1 …(11) ここで、I=0は3s状態に対応し、I=1は3px状
態に対応する。これらの数値は数値積分における初期条
件となる。その積分はP(a/2)とP′(a/2)を
決定し、上述の関係からすぐにR(a/2)とR′(a
/2)変換される。
れ、必要とされる。g(a/2)、g′(a/2)、u
(a/2)、u′(a/2)といったすべての関数を決
めることで、与えられたEにおけるsを決めることがで
きる。そして、(5)式により分散関係が求められ、そ
のときの波動関数は(6)式を通して得ることができ
る。それは、3sと3pの波動関数を補償するエネルギ
ー固有値である。実際に、(11)式の表現は、角運動
量Iを用いた波動関数を表したものであり、たまたま、
4s、4p、5s、5pなどの波動関数で異なる角運動
量ゼロ状態にあるものに対応しているのかも知れない。
そのためにもEの数値の取扱には注意を要する。
構造の推定 セルラー法は、その計算において、電子の波動関数が単
一セルの境界面(x軸と境界面との交点)でのみ整合す
るという簡略化をしており、これに対してタイト結合法
では、波動関数は、以下に詳細に述べるように、全面に
渡って整合している。よって、これまでのすべての固定
解析が簡略化され、特に、x軸から離れた所での電子的
特性を議論するには有効である。その結果、シリコン原
子鎖に対する結論を変えてしまい、シリコンではどんな
原子間隔での金属状態になることを示した。
ー方程式を解く固体解析から導かれている。ここで、x
軸に沿った一次元原子鎖の電子の波動関数|f(x、
y、z)>は以下のように表される。 |f(x、y、z)>=Σexp(ikd)[A|s
(x−nd,y,z)>+B|px(x−nd,y,
z)>+C|py(x−nd,y,z)>+D|pz
(x−nd,y,z)>] ここで、総和Σは整数nに対して行われ、|s>、|p
x>、|py>、|pz>は、それぞれs、px、p
y、pzの波動関数である。kは運動量である。この方
程式は、自動的にブロッホ定理を満足する。つまり、f
(x+d、y、z)=exp(ikd)f(x,y,
z)である。さらに波動関数とその導関数が単一セルの
境界面において連続(整合する)であるという要求を満
足する。また、これにより、境界面に1点のみで整合す
る前述のセルラー法に比べ、タイト結合法がより信頼性
の高い方法であることを示す。A,B,C,Dの数値は
エネルギー期待値ε=<f|H|f>/f|f>を最小
にするように決定される。これにより、この手法は変分
法に区分けできる。
が必要で、その際、2つ隣より遠くにある原子との結合
は無視される。そこで、 <s(x,y,z)|H|s(x,y,z)>=εs <s(x,y,z)|H|p1(x,y,z)>=0 但し、l=x、y、z(対称性より) <pl(x,y,z)|H|p1(x,y,z)>=ε
p 但し、l=x、y、z <pl(x,y,z)|H|pm(x,y,z)>=0
但しl≠m <s(x−d,y,z)|H|s(x,y,z)>=V
ssσ(d) <s(x−d,y,z)|H|px(x,y,z)>=
Vspσ(d) <px(x−d,y,z)|H|px(x,y,z)>
=Vppσ(d) <pl(x−d,y,z)|H|pl(x,y,z)>
=Vppπ(d) 但し、l=y、z ここで、Hは電子のハミルトニアンである。一端、これ
らの関数εs、εp、Vssσ(d)、Vspσ
(d)、Vppπ(d)が決定されると、A,B,C,
Dの定数は、4×4の行列を対角化することで決定され
る。この過程は、数値的に可能である。
効果を含んだ原子のsとpエネルギー状態であり、材料
に依存することを示した。ハリソンは彼の計算結果を表
にしており、ハリソンの論文名:半導体と絶縁体におけ
るクーロン相互作用 Phys.Rev.B31,21
21(1994)に示されている。さらに、ハリソン
は、最後の4つの行列要素は原子間隔dに一般的な関数
として与えられ、材料に依存しないことを、ハリソンの
論文名:タイト結合法 Surf.Sci.299/3
00,298(1994)に示し、その式として、 Vssσ(d)=−1.32(eV・Å2 )/d2 Vspσ(d)=2.22(eV・Å2 )/d2 Vppσ(d)=1.42(eV・Å2 )/d2 Vppπ(d)=−0.63(eV・Å2 )/d2 とし
た。
と、その行列要素が電子ボルトの単位で得られる。この
値は以下に述べる(12)式に対応する。これがハリソ
ンの汎用パラメーター関係であり、多くの実験により確
認されている。A,B,C,Dとエネルギー期待値ε=
<f|H<f>/<f|f>は与えられた運動量kに対
して数値的に決定され、これがエネルギーと運動量の分
散関係を定義する。
(x,y,z)>は、同様に定式化される。 |f(x,y,z)>=Σexp(ikxnd+iky
md)[A|s(x−nd,y−md,z)>+B|p
x(x−nd,−mdy,z)>+C|py(x−n
d,y−md,z)>+D|pz(x−nd,y−m
d,z)>] これが4×4行列に対角化される。同様な定式が8つの
数値定数を有する原子を平行に並べた原子鎖にも可能
で、8×8の行列となる。
タイト結合法で決められた波動関数は、x=d/2、x
=3d/2、x=5d/2などのすべてのセルの境界面
において整合されるのに対し、セルラー法による波動関
数は(d/、0、0)や(3d/s、0、0)、(5d
/2、0、0)などのみのx軸と境界面との交点のみで
整合されている。
性を議論しようとするとき、タイト結合法による答えが
いつも正しく、セルラー法では間違っている。実際、こ
の違いはπバンドでは顕著で、このπバンドはx軸にだ
いたい沿った化学結合で実現されている。タイト結合法
は、このπバンドを正しく記述し、セルラー法ではだめ
であった。新しい結果では、πバンドの存在のためにシ
リコン原子鎖は常に金属であり、これはタイト結合法の
みで正しく導かれる。
造のバンド構造を計算するために、タイト結合法と汎用
パラメータを用いた。この手法はab initio法
ほどは正確でないが、明確な物理的描像を与えてくれ
る。これが重要である。我々は、バンド構造をデザイン
する必要がある。つまり、バンド格子構造を変えること
で、対象とするバンドを広げたり、上昇させたりする方
法を知りたいのである。汎用のパラメータを用いたタイ
ト結合法は、直感的に明確な答えを出してくれ、本目的
にはよく適応している。この方法の応用には、近接した
原子のs状態とp状態を結合させる行列要素が、いかに
原子間隔dにより変わるかが重要な問題である。ある1
状態と1′状態と(1、1′=s、p)m結合(m=
σ、π)および原子間軸の周りの角運動量を結び付けて
いる行列要素は、以下のように表される。
μは電子の真空中の質量、dは原子間隔である。η11′
m は汎用な次元のない定数で、すべての必要な数値は、
ハリソンの論文:ローイーの周辺状態を用いて得られた
共有結合材料に対する新たなタイト結合パラメーター
Phys.Rev.B24,5835(1981)に示
されている。
とで、sp結合した材料の電子的構造は良く記述できる
ことを示した。ハリソンの論文;タイト結合法〔Sur
f.Sci299/300,298(1994)〕つま
り、この関係式は、広い範囲のdに対して有効で、1か
ら5Å程度の最小原子から最大原子の大きさまでにだい
たい対応している。
使用する。実際に、行列要素の値は、より離れた所では
指数関数的に減少し、よって、5Å程度またはこれを越
えたあたりの距離から、我々の計算は、バンド幅を過大
評価することになるかもしれない。しかしながら、この
過大評価は、本発明の具体例に示した定性的な結論に対
しては何らの変化も与えない。
して、ハートリー・フォックの項に対する値が採用さ
れ、この値は、ハリソンの論文:半導体と絶縁体におけ
るクーロン相互作用 Phys.Rev.B31,21
21(1984)に示されており、一般の計算と同様
に、最も近接した原子間の相互作用のみが考慮されてい
る。このように一般化した計算式を数値的に解くこと
で、バンド構造を求めている。
いる原子構造が、基板からの影響を無視しており、いわ
ば、真空中に浮いているかのごとく取り扱っている。実
験的には、原子構造は何らかの基板上に作られなくては
ならないが、基板が電子のバンド構造を定量的にのみ変
化させ、定性的には変化を与えないと考えられる。ピエ
ール転移は、系の全エネルギーを減らすために瞬時的に
起こる格子の歪みに対応しており、弾性エネルギーを費
やして空間的ギャップを開いているか、または格子の作
るポテンシャルのランダムな揺らぎによる電子のアンダ
ーソン局在も、ある状況では、何らかの関係があると考
えられる。ここでのある条件とは、基板表面や格子定数
や温度などによっているものと思われる。しかし、今考
慮している一次元構造においては、このような転移が起
こらないものと仮定している。
る。最高エネルギーにある3p準位は、完全に充満して
おらず、3分の1が電子に占有されており、単純な周期
構造は金属様であり、それぞれの原子のエネルギー準位
を広げのみである。この状態は、上のp様バンドが分割
したり、3sと3pの混成が顕著に起こるときには、成
り立たない。ダイアモンド構造を有するシリコン三次元
結晶内部でのsp3 混成の形成は、後者の場合の例とい
える。ここでは、近接した4つのシリコン原子が対称的
に取り巻いている状態にある。
イの場合も同様で、ただ、その状態が金属状態であるこ
とが解かる。シリコンによる絶縁体を作製する他の手法
としては、原子の個数を変えることであり、それによ
り、単位セルあたりの原子の数が変わり、最高エネルギ
ーのバンドが完全に占有されることになる。実際に三次
元シリコンでは、単位セルあたり2つの原子を含み、そ
れにより、それぞれのバンドに含まれる電子数は倍にな
る。
子鎖(最も単純な周期構造)や、二次元シリコン正方原
子アレイ(4つの近接原子)と二重のシリコン並列原子
鎖(単位セルないに原子が2つ)について解析を行う。
これらの構造は、図1(a)〜(c)に模式図として示
した。論理的な興味と同時に、新たな絶縁原子構造を発
見するのも重要である。これが、将来の工学応用へのド
アを明けることになるからである。現状の半導体エレク
トロニクスでは、ほとんどの素子が金属や絶縁体(半導
体)、またはその組み合わせによる接合から形作られて
いる。これらの接合は、典型的に非線形な電流−電圧
(I−V)特性を示し、増幅や整流などの多くの信号処
理に適している。ただし、これらの素子における原子レ
ベルでの伝達特性については、現状、十分な理解が得ら
れていない。
能性は、これらの原子構造の可能性を示すには、メリッ
トがある。もし、金属状態と絶縁状態が同じ原子を用い
て、単に原子の構造を操作するだけで達成できれば、か
ならず原子レベルでの電子回路の応用の可能性が開ける
(ここでは、このような例を二次元マグネシウム正方格
子アレイに見出すことができる)。
鎖のバンド幅を計算した結果である。その原子鎖はすべ
ての格子間隔において金属であり、これは、フェルミネ
エネルギーが常に二重に縮退したπバンドの中にあり、
これは、原子鎖方向xに垂直な軌道である3pyと3p
zに起因している。バンド端のエネルギーの交差はd<
2Åの非常に近接した領域で起こるが、このような短い
距離は実現不可能である。つまり、原子鎖は常に金属と
いうことになる。上と下にあるバンド(太い線で示して
いる)は、3sと3px軌道に起因しており、それぞれ
単位セルあたり2個の電子を伴うことができ、一方でπ
バンドは4つの電子を伴うことができる。ここで、単位
セル内に原子は1つであるので、4つの価電子は、4つ
の状態に伴われなくてはならない。これが、点線で示し
たフェルミエネルギーの位置を説明する。
は存在するが、高いフェルミレベルのために、電子的な
特性に直接反映されない。下方バンドの底と、πバンド
底、そして上方バンドの頂点はガンマ点にあり、これら
のバンドの端は、図3(a)〜(c)分散関係に示した
ように、ほとんどの格子定数ではX点にある。特に、小
さな格子間隔d=2.2Åでは、これらの変極点はX点
やガンマ点から少しずれる。フェルミレベルは点線で示
しており、上方バンドの一部が電子で満たされている。
子定数を関数として示した。下方バンドの頂点と底はM
点〔ここで、k=(1、1)π/d〕と、ガンマ点〔k
=(0、0)π/d〕である。上方バンドの頂点と底は
X点〔ここで、k=(1、0)π/d〕である。πバン
ドの底はガンマ点であり、頂点はM点である。より明確
にするために、ガンマ点のエネルギー(実線)とM点
(一点鎖線)とX点(破線)が、格子定数を関数として
示されている。また、バンド端は太い線で示されてい
る。下方バンドの頂点と上方バンドの底は、小さい格子
定数では極端に変化する。そこでは、2つのエネルギー
線の交差が起こっている。
での分散関係が示されている。下方σバンドと上方の2
つのσバンドは、3sと3pxと3py軌道から発生し
ており、πバンドは3pzの軌道から発生し、図1
(b)に示すように、xとyは平行であり、zはこのア
レイ方向に垂直な方向である。それぞれのσバンドとπ
バンドは2個ずつの電子を伴うことができる。ここで
は、単位セルあたり1つの原子を有するので、4つの価
電子をもつ。
ンドの内部にあり、それにより、二次元シリコンアレイ
が常に金属となる。もし、4つ対称位置に配列された最
も近接した原子に絶縁性を求めるとすると、4つのσ結
合がダイヤモンド構造の三次元シリコン結晶と同様に、
3sと3p軌道すべてから形成されなくてはならない。
この正方アレイでは、3pz軌道は近隣の原子の3sや
3pxや3py軌道と結合することはあり得なく、対称
性からその行列要素は数学的にゼロである。これによ
り、分離したπバンドが形成され、フェルミレベルはこ
のバンドの中に存在する。πバンドの存在のみでなく、
悪い対称性により、二次元シリコン長方形(dx≠d
y)は、同様に金属状態である。このような状態は、様
々なdxとdyの組み合わせのときに確認されている。
するには必要である。ここで考慮している構造は、同一
の原子間隔dxを有する原子鎖を、dyの距離で平行に
並べたもので、図1(c)に示している。言い換えれ
ば、シリコン分子Si2 をy方向にdyの距離を離して
配列し、これをx方向にdx離して周期構造を配列する
のである。
レベルを完全に満たすことができれば、この並列原子鎖
は絶縁体としてのよき候補になると考えられる。シリコ
ン分子は、4つσ軌道状態σg、σg* 、σu、σu*
からなり、これらは3sと3pyに起因し、二重に退縮
したπ軌道状態2つからなり、これらはπとπ* で、3
pxと3pyに起因して発生する。*のある状態とない
状態は、それぞれ結合されていない偶関数gと、結合し
た奇関数uである。πとπ* 状態は、3pxと3pz軌
道が2つの原子が並ぶy方向に対して対称であるため
に、縮退している。それぞれのσ状態は、2つの電子を
伴い、π状態は縮退を含み4つの電子を伴っている。シ
リコン分子では、8つの価電子と8つの状態がある。原
子間隔dyの値が大きいとき、エネルギーの底からσ
g、σg* 、σu、π、π* でσu*となっている。よ
って、最高の占有されたレベルはπであり、その半分が
満たされている。単純なタイト結合による考察では、d
yを減少させることで、σg、σu、π、σg* 、π*
でσu* という準位の逆転が起こり、最も高いエネルギ
ー準位がπ状態となり、それが完全に充満される。実
際、σgとσg* の分岐またはσuとσu* の分岐は、
Vssσ(σ結合におけるs−s結合)とVspσ(σ
結合のs−p結合)により引き起こされ、さらに、その
分岐の度合いは小さな原子間隔dyでは、πとπ* のそ
れよりも大きい。これは、Vppπ(π接合のp−p結
合)によっている。
を、その原子間隔dyを関数として示したものである。
タイト結合法では、2つの原子からなる分子の分子エネ
ルギーの順番を推定するときにはときどき不正確である
が、このシリコン分子の場合は正確な順序を示してい
る。図6は、σg、σu、π、σg* 、π* でσu* と
いう順序が、原子間隔が1.2Åという極端に短い場合
に発生する絶縁体状態には必要な条件であることを示
す。この距離は、自然な状態にあるシリコン分子の間隔
2.2Åや、自然なシリコン結晶の間隔2.35Å比べ
ても短く、どうみても実現不可能な距離である。しかし
ながら、このような準位の並びが、炭素分子で起こるこ
とが知られており、その意味で、炭素原子による原子構
造を用いた絶縁体を探求するのがよい。
常に金属であり、これは、シリコン分子の最高準位が部
分的に満たされることによっている。このことが図7
(a)〜(c)に示されており、dyを2.2Åとした
ときに、dxの値をいくつか変えて分散カーブをプロッ
トしている。そのバンド構造は図3(a)〜(c)と合
わせて理解される。
σu* の分子レベルが広がってバンドを構成し、全部で
8つの状態が単位セル内に存在する。πとπ* レベルの
縮退は、x方向に並列原子鎖が形成された後に、3px
と3pyが非対称となり、8つのバンドが図に現れてく
る。点線にて示されたフェルミエネルギーは、そのπバ
ンドの中に存在する。シリコン分子の場合、このπバン
ドが半分満たされているが、並列原子鎖の内部の最も占
有されたバンドは、半分満たされていないので、モット
転移が起こらないのである。ここで、モット転移は、金
属状態にあり半分満たされている一次元系を、クーロン
相互作用により絶縁体にすることである。
コンからなる構造は金属状態であるが、ガリウム砒素を
用いることは、絶縁体を実現するための他の具体例であ
る。これは、どんな周期構造を作っても、最も単純な交
互に原子を並べた一次元原子鎖の中には、単位セルには
異なる原子が含まれるからである。その結果、8つのバ
ンドが8個の価電子に伴われなければならず、これは格
子定数により変えることができる。格子定数の減少に伴
う、バンド端のより効果的な交差が異なる原子の存在に
より期待でき、それぞれの原子が3sと3p原子レベル
を提供するので、全部で4つの原子レベルが操作でき
る。しかしながら、原子鎖は金属状態になることが解か
った。
隔d/2で交互に並べたときの交互ガリウム砒素一次元
原子鎖のバンド幅を示している。(よって、格子周期は
dとなる)その距離dinとdout は、ガリウムと砒素、
そして砒素とガリウムの原子間距離を現し、図1(d)
に示しているように、ここでは両者が等しいとしてい
る。ここでは、全部で8つのバンドが存在し、πバンド
の縮退も含む。格子定数の上限においては、砒素の3
s、ガリウムの3s、砒素の3p、ガリウムの3pが順
次高いエネルギーになるバンド配列となっている。上方
の4つのバンドは、σバンドが原子鎖方向に沿った3p
xから発生し、原子鎖に直交する3pyと3pzからπ
バンドが発生する。フェルミレベルは、砒素に起因する
πバンドの中にあり、バンド端の交差がフェルミレベル
よりはるか低いエネルギーで起こるので、原子鎖は常に
金属状態となる。
ーブにより明確に見れる。異なるd inとdout の採用
は、電子的特性を定量的に変えるものではない。現実的
な格子定数では、フェルミ電子が関与するバンド端の交
差は起こらないので、絶縁体は実現されない。πバンド
の存在により一次元ガリウム砒素原子鎖が金属であるこ
とは、一次元シリコン原子鎖が金属であることと同様な
機構によっており、そのため、二次元ガリウム砒素原子
アレイと平行に並べられたガリウム砒素原子鎖は、結局
シリコンと同様に金属となってしまうので、他の構造に
よる絶縁状態を探求する必要がある。
コンからなる三種類の構造とガリウム砒素による交互に
配列した一次元原子鎖は金属であり、通常の三次元シリ
コンとガリウム砒素が絶縁体であることと異なる。その
理由はさまざまな角度からまとめることができるが、最
も明快なのは、構造と垂直(原子鎖の方向や、原子アレ
イ面方向)に直交する3p軌道から発生するπバンドが
あり、この中にフェルミレベルが存在することが原因で
ある。三次元シリコンとガリウム砒素結晶では、このπ
バンドがsp 3 混成による三次元バンド構造により取り
除かれてしまう。
つ原子からなる原子構造が、ある条件下では絶縁体にな
る可能性があることを示す。その最も高い占有された準
位は価電子s状態であり、完全に電子により充満されて
いる一方、そのp準位は空である。よって、不必要なπ
バンドを空にし、バンド端の交差により形成された上方
と下方のバンド間のバンドギャップが、電子的特性を直
接反映することとなる。第二族により、どのように絶縁
体が形成されるか理解するために、一次元マグネシウム
原子鎖と二次元マグネシウム正方原子アレイについて論
議する。
原子鎖 図10は格子定数を関数とした一次元マグネシウムのバ
ンド幅を示した図である。バンド構造は、図2や3の一
次元シリコン原子鎖のそれと大変似ている。3s軌道に
起因したσバンドと3pxに起因したσバンド、さらに
3pyまたは3pzに起因した縮退したπバンドからな
る。これらは全て、一次元シリコン原子鎖の場合でも観
測できる。唯一しかし明確な違いは、基底状態の最も上
の電子の位置であり、一次元シリコン原子鎖の場合では
フェルミエネルギーである。絶縁体にとってフェルミエ
ネルギーは悪いほうに定義され、定義によるが、バンド
ギャップのどこかに存在するが、ここではこのような概
念は用いないようにする。低い準位は完全に充満され、
最も高い占有された分子軌道(ホモ)になるが、一方、
上方バンドは空であり、最も低い占有されていない分子
軌道(ルモ)となる。伝導帯と価電子帯の定義は、この
ような理由から図の中で使用している。
ギャップを持った絶縁体であり、さまざまな電子的特性
がこのバンドギャップにより決まる。4.2Åの格子定
数が例外的な距離である。そこでは、バンドギャップが
消失し、原子鎖は金属様態になり、その状態でのフェル
ミエネルギーで、有限な状態密度を有する。ベリリウム
については、その格子定数は4.5Åであり、図12と
13(a)〜(c)に示されている。このような価電子
を2つもつ原子の一次元鎖は、大変興味深い。それは格
子定数を変えることで、バンドギャップを操作できるか
らである。一次元マグネシウム原子鎖は絶縁体であるの
に対して、最密六方晶である三次元マグネシウム結晶が
金属であるという面白い結果に遭遇した。この違いは格
子定数が小さいことによるsとpバンドの交差に起因す
ると考えられる。
アレイのバンド幅を示した図である。明確にするため
に、ガンマ点(実線)、M点(一転鎖線)とX点(破
線)でのエネルギーを格子定数を関数として示し、バン
ド端は太い線で示されている。バンドの定量的性質は、
図4と5に示す二次元シリコン正方原子アレイと大変よ
く似ていて、唯一の明確な違いは、フェルミエネルギー
の位置である。格子定数によって金属領域と絶縁体領域
が見られる。5.2Å以上の格子定数の絶縁体領域で
は、低いエネルギーのバンドの頂点まで電子が充満し、
バンドギャップの存在下で、ホモとルモを形成する。
2.8から5Åまでの金属領域では、フェルミエネルギ
ーは、破線で示されるように単調に減少し、2.8Å以
下では、フェルミエネルギーはM点のエネルギーと一致
する。バンドギャップは5.2Å以上の格子定数のとき
に開き、それ以下では消失する。上と下のバンドは2.
8から5.2Åの格子定数領域で重なっている。2.8
Å以下では、上方バンドの下限と下方バンドの頂点が一
致している。よって、この原子構造は、5.2Åを境
に、それ以上では絶縁体、それ以下では金属状態へ相転
移する。
な格子定数に対する分散カーブによく示されている。マ
グネシウム二次元原子アレイは、格子定数を操作するこ
とで、金属と絶縁体の間で相転移をすることから有用
で、この種の原子を用いた電子回路のコンポーネントと
して応用に重要かもしれない。このように、二次元マグ
ネシウム正方格子アレイが、絶縁体状態を示す一次元マ
グネシウム原子鎖と、通常の金属状態を示す三次元マグ
ネシウム結晶との中間的特長を示すのは興味深い。
上に置くためには、絶縁された支持基板を準備する必要
がある。そこで、ある基板を準備し、この上を絶縁層で
覆うことで、その上に載せる原子鎖を絶縁しようと考え
る。原子鎖を構成する原子は、基板原子との間に不必要
な化学的結合(例えば共有結合など)を持つべきではな
く、物理的な接触のみであるのが理想である。
選することによりのみ達成できるものである。1つの可
能性として、絶縁シリコン基板を用いて、その表面にあ
る原子を水素などの原子で終端することが考えられる。
これにより、表面にある満たされていない電子結合を中
性化できるのである。また、別の手法として、再構成し
た基板を用いることである。そこでは、満たされていな
い電子結合同志が、お互いを補充し合っている。また、
さらに、もともと表面の電子状態がすべて満たされるよ
うな分子基板などがよいのかもしれない。例えば、テト
ラヘドラル分子結合などがそれである。いずれの場合に
も、原子鎖の配置に適している基板は、周期構造を持
ち、表面に満たされていない結合がないものである。
れば、原子はさまざまな方向に配列でき、これにより、
異なる原子間隔の原子鎖を得ることができる。例えば、
基板表面が、正方形の二次元ポテンシャルを有する格子
状態を示すとき、原子の配列のベクトルを二次元面で表
せば、単一格子を端子として、(i) (1,0),(ii)
(1,1)や(iii) (2,1)などとなり、その際の原
子間隔はそれぞれ(i) 1,(ii)√2,(iii) √5といっ
た値になる。また、これらの整数倍の配置である(2,
0)や(3,0)などといった配置も可能であり、その
際の原子間隔は2とか3といった値になる。こういった
配置により、離散的ではあるが、さまざまな原子間隔を
ある基板の上で達成できることになる。図16にその例
を示している。ただ、表面を再構成する必要がある場合
にはやや複雑になるかもしれない。
を行っているが、現実の原子構造は、基板のなすポテン
シャルをうまく使った基板上への配列をしなくてはなら
ない。計算では、基板の影響が無視できるようにしてお
り、いわば、その構造が真空中に浮いているようなもの
であった。シリコン基板は実際の基板として用いること
が可能かもしれないが、表面にある原子の自由に結合す
る電子(ダングリング結合)を束縛して、上にのせる原
子構造と電子的な化学結合を起こさないようにすること
が必要である。1つの方法としては、そのダングリング
結合を水素原子を用いて終端することがあげられる。そ
の終端が成功したら、全てのダングリング結合が満たさ
れ、その上にのせる原子は、ファンデルワールス力によ
り決められる原子のポテンシャルの最小位置に配列さ
れ、基板原子と化学的結合は起こらない。配列された原
子または分子(2つの原子からなる)は、表面における
熱拡散の影響を受けることから、低温環境が要求される
と考える。このような表面原子に対する閉じ込めポテン
シャルは、一般的に、その原子と基板の種類の組み合わ
せにより決まり、その意味で、与えられた表面原子に適
して、ポテンシャル井戸の底に効果的に閉じ込めること
が可能な基板の方向や材料を探す必要がある。
として、光学的または電気的といった従来の評価方法が
あるが、前者の評価方法は、従来実現可能と考えられ、
それは、原子レベルでの評価が可能な近接場光学顕微鏡
が開発されつつあることによっている。現在、その解像
度は500Å程度となっており、これは一次元原子鎖に
して100原子、二次元原子アレイにして1万原子の系
の大きさに対応している。
一1次元または十分広い二次元原子構造の場合であるか
ら、実験には十分多くの原子を必要とするのである。そ
のため、現状の解像度は、適当な大きさに近づいている
と考えられる。見たい原子構造からの信号を、基板原子
からの反応無しで検出することは簡単ではない。できた
ら、基板としては、バンドギャップのできるだけ広い材
料を選び、いづれにせよ、何らかの不要な反応は出てく
ると考えるが、計測中に、入射する光により基板原子が
励起されないのが望ましい。この問題を解決する1つの
手段として考えられるのに、入射光の第二次高調波(S
HG)または、周波数合成(SFG)された光の検出が
上げられる。この方法の有利な点は、SHGとSFGは
基板では発生しないということであり、これは、原子の
空間的対称性に起因しており、表面のみで起こる現象だ
からである。よって、我々が意図的に対称性のない、構
造を配列すればよいわけである。その結果、表面にある
原子構造のみを検出できるので、SHGやSFGを用い
ることで、基板からの邪魔な反応を避けることができ
る。
る方法は容易ではない。それは、現時点では、基板にグ
ラウンドをとる明快な手法がないことによる。たとえ原
子構造が基板の表面原子と化学的な結合をしようと、一
般的にいって、異なる2つの材料の接合面にはポテンシ
ャル障壁が存在する。そのような接合では、よく電流−
電圧特性に非線形性が現れ、これがオームの法則による
挙動を妨げる。
に取り付ける方法はない。そのような場合、金属あるい
は絶縁体相にあるグランドに繋がれていない原子構造の
電流−電圧特性と、STM像とを比較することになる。
もし、原子構造が、理想的に基板にグランドされている
と、絶縁体相にあるホモとルモの画像を異なる印加電圧
のもので得ることができ、この際の電圧差は、バンドギ
ャップに対応し、これは、導電性基板の上に配置した分
子について既に報告している。
構造のSTM像や電流−電圧特性は、グラウンドされて
いなくても(つまり電気的に基板から絶縁されている状
態)異なるものと考えている。適当にドープされ、水素
終端されたシリコン基板を与えると、金属状態にある原
子構造に対して、そのSTMによるトンネル電流は、ド
ープした半導体(基板)−誘電絶縁体(水素)−金属
(原子構造)−真空−金属(STM探針)といった構造
の電流−電圧特性を示す。P.SauterとC.Jo
achinの論文:ロジウムにベンゼンを乗せたときの
STM像の計算Chem.Phys.Lett.18
5.23(1991)に単純な場合として見られるよう
な、絶縁体状態にある原子構造に対して、そのSTMに
よるトンネル電流は、ドープした半導体(基板)−誘電
絶縁体(水素)−誘電絶縁体(原子構造)−真空−金属
(STM探針)といった構造の電流−電圧特性を示す。
には、二重ポテンシャル障壁を感じ、構造が絶縁体であ
れば、単一ポテンシャル障壁を感じることになる。この
ような極端な単純化は、詳細な定性的研究には向いてい
ないが、原子構造が金属であるのか絶縁体であるのかを
区別するための電流−電圧特性上での違いが期待できる
ので十分である。
時のような電流や電圧のリード線を用いることがないの
で、実験的には、魅力ある簡便な手法である。電気的特
性の評価に関連して、このような金属状態にある原子構
造におけるコンダクタンスが、メソスコピック系でみら
れるような量子化されるのを実験的に見られるのも面白
い点である。
のような正方格子ポテンシャルに対して様々な方向に配
列した原子鎖を示している。図17は、シリコン基板上
に作製したシリコン原子からなる原子鎖の写真である。
この原子鎖は、超高真空下で動作する走査トンネル電子
顕微鏡を用いて、シリコン(111)基板から1つ1つ
原子を直線状に引き抜いて作製したものである。これ
は、新技術事業団の青野プロジェクトによる。この初歩
的な実験では、原子を抜き去って原子鎖を作製したが、
以下の原子鎖は原子を配列することで作製する。
1つ1つ操作して原子鎖構造を作製できるという可能性
を示したという意味において重要である。これは、一次
元の原子鎖という概念を示し、さらに、基板から絶縁さ
れた原子鎖において、近接する原子間で電子的結合を起
こし、電子の運動は原子鎖上のみに規制される。基板は
物理的に原子の配列を支えるポテンシャル場を提供す
る。原子間隔を変えることにより、バンド構造とフェル
ミ準位が制御できる。
表面を終端したシリコン(100)基板の写真である。
ここで示されている輝点は、一端均一に水素終端した表
面から水素を意図的に取り除いた位置に対応している。
この格子構造は、本発明の具体例に示された構造の例で
ある。以下の例は図18に示したような格子基板上に作
製できる。
の絶縁基板の上に作製したマグネシウムなどまざまな原
子鎖を示している。このような絶縁基板の表面にある結
合していない電子結合(ダングリング・結合)は適当に
飽和させてあるものとし、ここでは、原子間隔は基板原
子の結晶方位と原子鎖を構成する原子の種類および基板
の種類により決まる。一般的に、金属様状態は4.2Å
といった特異な原子間隔のときに達成され、絶縁体様状
態は4.2Åの格子定数より狭いか、または広い原子間
隔のときに得られ、これを図10に示している。
の格子定数では絶縁体状態が実現され、およそ4.2Å
に等しい格子定数では導電体状態を実現し、図10をも
とに上記されたようになっている。基板のつくるポテン
シャルは基板の表面に対する結晶方位により異なる周期
を持ち、その原子鎖の方向を決めれば、その原子鎖の持
つ原子状態を一義的に決定し、それが金属様または半導
体様、絶縁体様を示すことになる。そこで、基板表面に
さまざまな方向にならべた原子鎖を接続し合うことによ
り、回路網を作ることができるのである。
と半導体状態にある原子鎖を直列に接続して、図19
(b)では半導体状態にある原子鎖に対して同じ方向か
ら金属状態の原子鎖を繋いだ回路を示している。半導体
の幅は、接続した金属原子鎖の間隔を変えれば容易に変
えられる。図19(c)では、金属−半導体−金属(M
SM)の構造を示し、図19(d)では基板のポテンシ
ャルの周期性の方向依存性から金属−絶縁体−金属(M
IM)構造を達成している。よくあることとして、金
属、半導体、あるいは絶縁体の状態を得るためにはその
方向のみで決まるわけでなく、その原子間隔が重要であ
るので、図19(d)に示すような歪んだ配置も有効で
ある。ショットキー接合も同様な手法で作製できる。ま
た、同じく、pn接合も実現できる。こういった接合
は、電気的、あるいは化学的に有効で、後ほど、光学的
使用方については、太陽電池や発光ダイオードに用いら
れることを述べる。このような原子鎖の接合における電
圧−電流特性(V−I)はまだ解明されているわけでは
ないが、マクロな場合と同様に非線形効果も期待されて
いる。
ートを示しており、適当な原子を取り除くことでこれを
達成している。原子鎖に沿った方向での対称性はこの欠
陥により切られてしまう。このような欠陥は、電子の波
動関数の振幅が小さな状態である、キャリアの吐き出し
場所となる。原子を抜き取るのでなく、図19(e)に
示すように異なる原子に置き換える可能性も考えてい
る。この場合、キャリアは、原子鎖の成すεsとεD の
相対的な順序に依存して、蓄積または吐き出しされるこ
とになる。
り、従来技術では基板の裏面に金属層を設けて作製して
きた。しかしながら、基板そのものは原子レベルから比
べると比較になないほど厚いので、基板の裏面に作製し
たグラウンドに原子鎖を接続するのは無理である。そこ
で、グラウンドを得るために、基板の上に金属層を作製
し、その上に数層の絶縁原子層を成長するといった構造
を取ることも考えられる。
合、原子鎖のミラーイメージが絶縁層を挟んで形成され
ることが考えられ、これらの電荷がクーロン相互作用に
より束縛し合うことも予想できる。これにより、原子鎖
に沿ったキャリアーの伝搬特性が変調を受ける。その他
のグラウンドを得る方法として、基板上に、金属状態を
作る原子間隔で原子を二次元的に配列することが考えら
れる。これをここでは金属表面と呼ぶことにし、図20
(b)に示している。
法を確立することを考える。そこで、原子レベルの太陽
電池を、ショットキー接合を用いて金属原子鎖とp型半
導体原子鎖(うまくp型原子ができたとして)から作製
する。そこで図20(c)に示したように接合に光を照
射する。このように空間的に不均一な構造を用いること
は安定な電流のながれを保つのに有効である。これは、
マクロの素子と同様である。このような原子レベルの太
陽電池は原子鎖回路網に於いて大変理想的である。つま
り、(1)原子鎖は、その構造から直接型遷移構造であ
るため、光との相互作用が効率よく起こる。
のサイズであるから容易である。さらに太陽電池はpn
接合によっても作製できる。ショットキー接合は、順方
向バイアスにより発光ダイオードとして働く。マクロの
場合と同様に、電子とホールの再結合プロセスが起こり
うる。この系の大きさから、バンド構造は直接型であ
り、光起電力の変換効率は高くなるものと予測される。
このような発光はpn接合でも可能である。
法を示している。ここでは、金属面が金属原子鎖に近接
して設けられている。その際の容量は、原子鎖を構成す
る原子の種類と、幾何学的配置により決定される。これ
らの容量は、例えば、クーロンブロッケイド効果を用い
るような素子に有効で、その容量は大変小さく、電荷蓄
積エネルギーが熱エネルギーより遙に大きい状態を達成
する。
る場合を示している。ここで、マクロな系とは外部電池
などであり、電池が大きいとその接続は複雑である。原
子鎖はミクロであり、電池はマクロである。そこで原子
鎖は、メソスコッピックな構造を介して電池のようなマ
クロな系に接続される。原子鎖が一端マクロスコッピッ
クな電池パッドに接続されてしまえば、電池などの系と
はボンディングワイヤなどにより容易に接続できる。
方向に何層も繰り返すことができれば、将来の集積化に
対して面積を稼ぐことができる。ここに示した具体例
は、同じまたは異なる原子でも作製そして接合させるこ
とができる。例えば、シリコンはほとんどの場合金属状
態であるので、他のより半導体様のマグネシウムやベリ
リウムなどの原子と接続し、原子鎖回路網を形成させ、
現状のアルミ導体で接合したシリコン系半導体素子から
なる集積回路と同様な機能を持たせるのが有効である。
を示したので、以下の請求に規定される範囲において、
それを元に多少の変更やバリエーションがなされるかも
しれないが、いずれにせよその範囲である。
を用いた回路を提供することができる。これに関連し、
単一原子鎖を絶縁基板上に作製するために、個々の原子
又は原子アレイを配置したり、結合させることもでき
る。さらに原子鎖回路網を作製するために、複数の原子
鎖又は原子アレイを配置したり結合させることもでき
る。
り、図1(a)は一次元配列した原子鎖の図、図1
(b)は二次元配列した原子アレイの図、図1(c)は
平行に配列した並列原子鎖の図、図1(d)は一次元状
に交互に原子配列した原子鎖の図である。
リコンの一次元原子鎖のバンド構成を示す図である。こ
こでは、太い線は許容領域と禁制領域の境を示し、点線
はフェルミ・エネルギー・レベルを表す。
元原子鎖内電子のエネルギーと運動量の分散関係を示す
図であり、図3(a)〜(c):格子定数が2.2Å、
3Å、5Åのときのシリコン一次元原子鎖内電子のエネ
ルギーと運動量の分散関係である。ここで、実線はs軌
道とp軌道から発生したバンド構造であり、点線はフェ
ルミ・エネルギー・レベルを表す。
ンド構造を、格子定数を関数として表す。
種の格子定数時のエネルギーと運動量の分散関係を示
し、図5(a)〜(d)はシリコンの二次元原子アレイ
の格子定数を2Å、2.5Å、3Å、4Åとした時のエ
ネルギーと運動量の分散関係を示す。
た並列原子鎖のバンド構造を、原子間隔を関数として表
した図である。
用いたときのエネルギーと運動量の分散関係を示す図で
あり、図7(a)〜(c):シリコン並列原子鎖の、格
子定数をdx=3とdy=2.2Å、または、dx=4
とdy=2.2Å、さらにdx=6とdy=2.2Åと
したときのエネルギーと運動量の分散関係を示す。
たときのバンド構造を格子定数の半分の値を関数として
表す図である。
た構造の各種の格子定数としたときのエネルギーと運動
量の分散関係を示し、図9(a)〜(c)はガリウムと
砒素原子を交互に並べた構造の格子定数をdin=2.5
とdout =2.6Å、またはdin=3とdOut =3Å、
さらにdin=4Åとdout =4Åとしたときのエネルギ
ーと運動量の分散関係を示す。
バンド構造を格子定数を関係として示す図である。
バンド構造をさまざまな格子定数としたときのエネルギ
ーと運動量の分散関係を示す図であり、図11(a)〜
(c)のマグネシウムの一次元原子鎖のバンド構造を格
子定数を3Å、4Å、及び5Åとしたときのエネルギー
と運動量の分散関係を示す。
ンド構造を格子定数を関数として示す。
まざまな格子定数としたときのエネルギーと運動量の分
散関係を示す図であり、図13(a)〜(c)はベリリ
ウムの一次元原子鎖の格子定数を2.6Å、4Å、及び
5Åとしたときのエネルギーと運動量の分散関係を示
す。
イのバンド構造を格子定数を関数として示す図である。
イのさまざまな格子定数としたときのエネルギーと運動
量の分散関係を示す図であり、図15(a)〜(d):
マグネシウムの二次元原子アレイの格子定数を3.5
Å、5Å及び7Åとしたときのエネルギーと運動量の分
散関係を示す。
て、さまざまな方向に配列させた原子鎖を示す図であ
る。
いてシリコン(111)結晶面から原子を抜取り作製し
た原子鎖のSTM像を示する図であり、これにより、原
子をひとつひとつ操作することが実現されていることが
デモンストレーションできる。
コン(100)表面STM像であり、一端表面を水素で
均一に終端した後に水素原子を意図的に取り除いた跡が
白い輝点として示されている。
の具体例である。
まざまな基板と原子鎖を異なる基板上に作製したもので
ある。
コピック構造とマクロスコピック構造に接続した例を示
す図である。
Claims (31)
- 【請求項1】 原子鎖回路の作製方法であって、 第一の原子間隔を有する導電体、第二の原子間隔を有す
る半導体または第三の原子間隔を有する絶縁体としてふ
るまう第一の原子鎖を形成するために、絶縁された格子
プラットホーム上の予め決められた位置に、原子を配置
する原子鎖回路の作製方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、更に以下のようなステップからなる方法であっ
て、 第四の原子間隔を有する導電体、第五の原子間隔を有す
る半導体または第六の原子間隔を有する絶縁体としてふ
るまう第二の原子鎖を形成するために、絶縁された格子
プラットホーム上の予め決められた位置に、原子を配置
し、 前記第二の原子鎖を配置するステップは前記第二の原子
鎖が前記第一の原子鎖と異なるふるまいをなし、 前記第一の原子鎖と前記第二の原子鎖が結合する原子鎖
回路の作製方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、更に以下のようなステップからなる方法であっ
て、 第四の原子間隔を有する導電体、第五の原子間隔を有す
る半導体または第六の原子間隔を有する絶縁体としてふ
るまう第一の原子アレイを形成するために、絶縁された
格子プラットホーム上の予め決められた位置に、原子を
配置し、 前記第一の原子アレイを配置するステップは前記第一の
原子アレイが前記第一の原子鎖と異なるふるまいをな
し、 前記第一の原子アレイと前記第二の原子鎖が結合する原
子鎖回路の作製方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、 前記絶縁された格子プラットホームが以下のようなステ
ップを含む方法で作製されるものであって、格子状の配
列を有する実質的に平坦な表面を作製するために、複数
の格子状に配列された原子で基板を形成し、かつ、前記
絶縁された格子プラットホームを形成するために、前記
表面を絶縁するとともに、化学的に満たされていない結
合を終端するために該化学的に満たされていない結合の
位置に原子を配置することにより、実質的に平坦な表面
に沿った前記基板の化学的に満たされていない結合をこ
とごとく終端する原子鎖回路の作製方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、 前記配置のステップは格子構造の境界にできる相対ポテ
ンシャルの極小値である予め決められた位置に各原子を
配置する原子鎖回路の作製方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、 前記配置のステップは第二族の原子で実施する原子鎖回
路の作製方法。 - 【請求項7】 請求項1記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、 前記配置のステップはマグネシウム原子で実施する原子
鎖回路の作製方法。 - 【請求項8】 請求項1記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、 前記配置のステップはベリリウム原子で実施する原子鎖
回路の作製方法。 - 【請求項9】 請求項1記載の原子鎖回路の作製方法に
おいて、 前記配置のステップはガリウム原子と砒素原子の組み合
わせで実施する原子鎖回路の作製方法。 - 【請求項10】 請求項7記載の原子鎖回路の作製方法
において、 前記配置のステップは絶縁体を得るために原子間隔を約
4.2Å未満又は超過するように離して配置し、導電体
を得るためにシリコン原子間隔を約4.2Å離して配置
する原子鎖回路の作製方法。 - 【請求項11】 原子アレイ回路を作製する方法であっ
て、 第一の原子間隔を有する導電体、第二の原子間隔を有す
る半導体または第三の原子間隔を有する絶縁体としてふ
るまう第一の原子アレイを形成するために、絶縁された
格子プラットホーム上の予め決められた位置に、原子を
配置する原子アレイ回路の作製方法。 - 【請求項12】 請求項11記載の原子アレイ回路の作
製方法において、 第四の原子間隔を有する導電体、第五の原子間隔を有す
る半導体または第六の原子間隔を有する絶縁体としてふ
るまう第二の原子アレイを形成するために、絶縁された
格子プラットホーム上の予め決められた位置に、原子を
配置し、前記配置のステップは前記第二の原子アレイが
前記第一の原子アレイと異なるふるまいをなし、かつ、
前記第一の原子アレイと前記第二の原子アレイを結合す
る原子アレイ回路の作製方法。 - 【請求項13】 請求項11記載の原子アレイ回路の作
製方法において、 前記絶縁された格子プラットホームが以下のようなステ
ップを含む方法によって作製されるものであって、格子
配置を有する実質的に平坦な表面を得るために複数の格
子配列した原子で基板を作製し、 かつ、前記絶縁された格子プラットホームを形成するた
めに、前記表面を絶縁するとともに、化学的に満たされ
ていない結合を終端するために該化学的に満たされてい
ない結合の位置に原子を配置することにより、実質的に
平坦な表面に沿った前記基板の化学的に満たされていな
い結合をことごとく終端する原子鎖回路の作製方法。 - 【請求項14】 請求項13記載の原子アレイ回路の作
製方法において、 前記配置のステップは格子構造の境界にできる相対ポテ
ンシャルの極小値である予め決められた位置に各原子を
配置する原子アレイ回路の作製方法。 - 【請求項15】 請求項11記載の原子アレイ回路の作
製方法において、 前記配置のステップは第二族の原子で実施する原子アレ
イ回路の作製方法。 - 【請求項16】 請求項11記載の原子アレイ回路の作
製方法において、 前記配置のステップはマグネシウム原子で実施する原子
アレイ回路の作製方法。 - 【請求項17】 請求項11記載の原子アレイ回路の作
製方法において、 前記配置のステップはガリウム原子と砒素原子の組み合
わせで実施する原子アレイ回路の作製方法。 - 【請求項18】 請求項16記載の原子アレイ回路の作
製方法において、 前記配置のステップは絶縁体を得るために原子間隔を約
5.2Å未満又は超過するように離して配置し、導電体
を得るために原子間隔を約5.2Å離して配置する原子
アレイ回路の作製方法。 - 【請求項19】 原子鎖回路において、 格子配置を有する実質的に平坦な表面を得るために形成
された複数の格子状に配列した原子を有する基板と、該 基板で満たされていない化学的結合をことごとく終端
するために前記平坦な表面に結合された絶縁層と、 第一の原子鎖が第一の原子間隔で配置された導電体、第
二の原子間隔で配置された半導体または第三の原子間隔
で配置された絶縁体としてふるまうように、絶縁された
格子プラットホーム上の予め定められた位置に位置決め
される第一の原子鎖とからなる原子鎖回路。 - 【請求項20】 請求項19記載の原子鎖回路におい
て、 第二の原子鎖が第四の原子間隔で配置された導電体、第
五の原子間隔で配置された半導体または第六の原子間隔
で配置された絶縁体としてふるまうように、絶縁された
格子プラットホーム上の予め定められた位置に位置決め
される第二の原子鎖とからなり、前記第一の原子鎖と、
該第一の原子鎖に電気的に結合されている第二の原子鎖
とが異なったふるまいをするように前記第二の原子鎖は
予め決められた位置に配置される原子鎖回路。 - 【請求項21】 請求項19記載の原子鎖回路におい
て、 更に、第四の原子間隔で配置された導電体、第五の原子
間隔で配置された半導体または第六の原子間隔で配置さ
れた絶縁体としてふるまうように、絶縁された格子プラ
ットホーム上の予め定められた位置に位置決めされる第
一の原子アレイを有し、前記第一の原子鎖と該第一の原
子鎖に電気的に結合されている前記第一の原子アレイと
が異なったふるまいをするように前記第一の原子アレイ
は予め決められた位置に配置される原子鎖回路。 - 【請求項22】 請求項19記載の原子鎖回路におい
て、 前記第一の原子鎖が第二族の原子からなる原子鎖回路。 - 【請求項23】 請求項19記載の原子鎖回路におい
て、 前記第一の原子鎖がマグネシウム原子からなる原子鎖回
路。 - 【請求項24】 請求項19記載の原子鎖回路におい
て、 前記第一の原子鎖がガリウム原子と砒素原子の組み合わ
せからなる原子鎖回路。 - 【請求項25】 請求項19記載の原子鎖回路におい
て、 前記予め決められた位置が、絶縁体を得るために約4.
2Å未満又は超過するように離して配置され、導電体を
得るために約4.2Å離して配置される原子鎖回路。 - 【請求項26】 原子アレイ回路において、 格子状の配列を有する実質的に平坦な表面を得るために
形成された複数の格子状に配列された原子を有する基板
と、 該基板で満たされていない化学結合をことごとく終端す
るために前記平坦な表面へ結合された絶縁層と、 第一の原子アレイが導電体、半導体または絶縁体として
ふるまうように、絶縁された格子プラットホーム上の予
め決められた位置に位置決めされた第一の原子アレイと
を具備する原子アレイ回路。 - 【請求項27】 請求項26記載の原子アレイ回路にお
いて、 更に、第二の原子アレイが導電体、半導体または絶縁体
としてふるまうように、絶縁された格子プラットホーム
上の予め決められた位置に位置決めされた第二の原子ア
レイからなり、前記第一の原子アレイと該第一の原子ア
レイに電気的に結合されている第二の原子アレイが異な
ってふるまうために、前記第二の原子アレイは予め決め
られた位置に配置される原子鎖回路。 - 【請求項28】 請求項26記載の原子アレイ回路にお
いて、 前記第一の原子アレイは第二族の原子からなる原子アレ
イ回路。 - 【請求項29】 請求項26記載の原子アレイ回路にお
いて、 前記第一の原子アレイはマグネシウム原子からなる原子
アレイ回路。 - 【請求項30】 請求項26記載の原子アレイ回路にお
いて、 前記第一の原子アレイはガリウム原子と砒素原子の組み
合わせからなる原子アレイ回路。 - 【請求項31】 請求項26記載の原子アレイ回路にお
いて、 前記予め決められた位置は、絶縁体を得るために約5.
2Åより離して配置され、導電体を得るために約5.2
Å以下に離して配置される原子アレイ回路。
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|---|---|---|---|
| JP29022095A JPH09172158A (ja) | 1994-11-08 | 1995-11-08 | 原子鎖回路網及び方法 |
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|---|---|---|---|
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| JP7-270985 | 1995-10-19 | ||
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| JP29022095A JPH09172158A (ja) | 1994-11-08 | 1995-11-08 | 原子鎖回路網及び方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09172158A true JPH09172158A (ja) | 1997-06-30 |
Family
ID=27335864
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29022095A Pending JPH09172158A (ja) | 1994-11-08 | 1995-11-08 | 原子鎖回路網及び方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09172158A (ja) |
-
1995
- 1995-11-08 JP JP29022095A patent/JPH09172158A/ja active Pending
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