JPH09173012A - 海藻食品材製造方法 - Google Patents

海藻食品材製造方法

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JPH09173012A
JPH09173012A JP8325967A JP32596796A JPH09173012A JP H09173012 A JPH09173012 A JP H09173012A JP 8325967 A JP8325967 A JP 8325967A JP 32596796 A JP32596796 A JP 32596796A JP H09173012 A JPH09173012 A JP H09173012A
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和夫 今井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自然の海藻らしい色の濃い海藻食品材製造方法
を提供する。 【構成】コンブを粉砕して、抽出槽に仕込む。70%エ
タノール水溶液を導入し、室温で20分間、攪拌する。
抽出液を取り出し、加熱濃縮して黄色系着色料を得る。
抽出槽中のコンブ残渣から、鮮やかな濃い緑色のコンブ
食品材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品に使用可能な海藻
食品材製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の海藻食品材製造方法としては、例
えば、特開昭60−227661号公報に示す方法があ
る。すなわち、次亜塩素酸ナトリウム等の処理剤でコン
ブを処理する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、食品産業の多様
化に伴い、自然の海藻らしさを有する海藻食品材が強く
求められている。しかしながら、従来の海藻食品材製造
方法では、製造したものに所望の海藻らしさを得ること
ができなかった。
【0004】すなわち、特開昭60−227661号公
報に示す従来の海藻食品材製造方法では、得られた海藻
食品材は白色であり、海藻らしい緑色の濃い海藻食品材
を製造することができないという問題点があった。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、自然の海藻らしい色の濃い海藻食
品材製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】一般に、天然
物から着色料を製造する場合、目的とする色素を多く含
む天然物を抽料とするのが効率的である。このため、従
来、緑色系着色料を得るには、クロロフィルを多く含む
陸上植物が抽料とされてきた。また、黄色系着色料を得
るには、フコキサンチンを多く含む陸上植物が抽料とさ
れてきた。海藻もこれらの色素を含んでいるが、クロロ
フィルの場合、陸上植物が乾物重量で約1%含んでいる
のに対し、含有量の多い緑藻でも約0.77%、褐藻で
0.46%、紅藻で0.31%しか含んでおらず、フコ
キサンチンの場合、陸上植物が約0.7%含んでいるの
に対し、含有量の多い褐藻でも約0.36%、紅藻で
0.21%、緑藻で0.16%しか含んでいない。従っ
て、従来、海藻は、着色料を製造するためには効率が悪
く、用いられていなかった。
【0007】これに対し、本発明者は、自然の海藻らし
さを有する着色料を得るには、海藻を原料とするのが最
も効果的であると考え、敢えて海藻を抽料として選択し
たものである。しかしながら、海藻中には、クロロフィ
ル、フコキサンチン、その他の色素が共に含まれている
ため、目的とする色の抽出が難しいという問題があり、
また、その他、海藻特有の問題があった。本発明者は、
研究を重ねた結果、これらの問題を解決し、本発明を完
成した。
【0008】すなわち、上記目的を達成するために、本
発明の請求項1に係る海藻食品材製造方法は、クロロフ
ィルおよびフコキサンチンを含む海藻を、温度0℃以上
50℃未満、濃度55%以上70%以下のエタノール水
溶液と接触させ、前記海藻を前記エタノール水溶液から
分離して海藻食品材を得ることを特徴とする。
【0009】海藻は、自然の色が保たれているため、塩
蔵塩抜きしたものが好ましく、また、色素を抽出しやす
いよう刻んだものが好ましい。溶媒となるエタノール水
溶液の温度は、0℃未満だと一部凍るおそれがあり、5
0℃以上だと緑色系色素の抽出量が多くなるため、0℃
以上50℃未満の範囲でなければならない。
【0010】また、エタノール水溶液のエタノール濃度
は、55%未満では海藻中のアルギン酸が溶出して粘稠
度を増し、攪拌混合しにくくなり、70%を超えると緑
色系色素の抽出量が多くなるため、55%以上70%以
下の範囲でなければならない。なお、エタノール水溶液
の濃度は、水に対するエタノールの重量比である。エタ
ノール水溶液の温度およびエタノール濃度は、エネルギ
ーコストを下げるとともに、黄色系色素の抽出量を多く
するため、特に、温度が20℃前後または室温で、濃度
が70%が好ましい。
【0011】海藻をエタノール水溶液と接触させる方法
としては、海藻をエタノール水溶液に浸漬して攪拌する
方法、海藻をエタノール水溶液中で超音波処理する方法
(特開平2−83329号公報参照)、その他、いかな
る方法であってもよい。エタノール水溶液の接触時間
は、接触状況によって適宜、選択でき、限定されない
が、20分以上が好ましい。
【0012】色素を抽出したエタノール水溶液は、濾
過、デカンテーション、その他、いかなる方法で海藻か
ら分離してもよい。この製造方法により、同時に、フコ
キサンチン、クロロフィル等の色素を含み、黄色系の色
と、磯臭さの強い香り・風味とを備えた着色料を製造す
ることができる。
【0013】本発明の請求項2に係る海藻食品材製造方
法は、請求項1記載の海藻食品材製造方法において、前
記海藻は、コンブまたはワカメであることを特徴とす
る。
【0014】原料となる海藻は、クロロフィルおよびフ
コキサンチンを含むものであれば、緑藻、紅藻、褐藻の
いずれであってもよいが、コンブおよびワカメは、色お
よび香り・風味が海藻らしく、一般に好まれる海藻のた
め、原料として好ましい。
【0015】エタノール水溶液から分離した海藻は、黄
色系色素の多くと、磯臭さの強い香り成分の多くが除去
されるため、緑色系の色と、海藻の磯の香り・風味とを
備えた海藻食品材を製造することができる。製造された
海藻食品材は、海藻のぬめりがとれて、シャキシャキし
た感触のものとなる。この海藻食品材は、例えば、味付
け、乾燥して、料理の材料としたり、即席スープや即席
麺の具としたり、食品材として種々の用途が可能であ
る。
【0016】
【試験例】海藻を処理するエタノール水溶液の好ましい
温度および濃度範囲を選択するため、試験1および試験
2を行った。
【0017】まず、試験1を行った。塩蔵コンブを塩抜
きし、水分を約87%の原草の状態に戻した。このコン
ブを6ミリ目チョッパーで粉砕した。この粉砕したコン
ブを抽出槽に仕込んで、3倍重量のエタノール水溶液に
約20分間、浸漬し、攪拌した。エタノール水溶液の温
度および濃度は、20℃、50℃、70℃で、それぞれ
50%、55%、60%、70%であった。黄色系色素
を抽出したエタノール水溶液を抽出槽から取り出し、色
を判定した。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1をみると、黄色系の色の着色料として
は、50℃の場合、どの濃度でも好ましくなく、20℃
の場合、55%以上のもの、特に、70%のものが好ま
しいことがわかる。
【0020】また、抽出槽から取り出したエタノール水
溶液を99.5%エタノールで10分の1に希釈した。
これをφ10ミリセルに入れ、分光光度計により450
nmおよび665nmの波長で測定した。なお、450
nmの波長では黄色系の色の濃さを判定でき、665n
mの波長では緑色系の色の濃さを判定できる。
【0021】この結果を図1に示す。図1をみると、2
0℃のエタノール水溶液では、70%の濃度までは緑色
系色素の抽出量はあまり増加しないことがわかる。50
℃のエタノール水溶液では、55%と60%との間で緑
色系色素の抽出量が顕著に増えていることがわかる。ま
た、濃度が上がるほど、また、温度が高くなるほど、黄
色系色素の抽出量が多くなることがわかる。温度と吸光
度とは大体比例している。
【0022】次に、試験2を行った。試験1の処理後の
コンブを抽出槽に仕込んで、3倍重量のエタノール水溶
液に約20分間、浸漬し、攪拌した。エタノール水溶液
の温度および濃度は、20℃、50℃、70℃で、それ
ぞれ60%、70%、83%であった。緑色系色素を抽
出したエタノール水溶液を抽出槽から取り出し、色を判
定した。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2をみると、緑色系の色の着色料として
は、20℃の場合、70%以上のものが好ましく、50
℃の場合、どの濃度でも好ましく、70℃の場合、60
%以上のものが好ましいことがわかる。
【0025】また、抽出槽から取り出したエタノール水
溶液を99.5%エタノールで10分の1に希釈した。
これをφ10ミリセルに入れ、分光光度計により450
nmおよび665nmの波長で測定した。
【0026】この結果を図2に示す。図2をみると、7
0℃のエタノール水溶液では、黄色系色素が吸光度1.
35を境に抽出量が落ちている。これは、黄色系色素の
絶対量の関係と考えられる。また、濃度が上がるほど、
また、温度が高くなるほど、緑色系色素の抽出量が多く
なることがわかる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の一実施例について説明する。
40kgの塩蔵コンブを塩抜きし、6ミリ目チョッパー
で粉砕して、抽出槽に仕込んだ。次に、285kgの7
0%エタノール水溶液を抽出槽に導入し、室温20℃で
20分間、攪拌しながら、充分に塩蔵コンブを接触させ
た。この抽出液310kgを抽出槽から取り出し、80
℃で加熱濃縮し、黄色系の液状濃縮着色料約50kgを
得た。この着色料は、鮮やかな濃い黄色であった。
【0028】抽出槽中の塩蔵コンブ残渣33kgのう
ち、9kgをコンブ食品材とした。このコンブ食品材
は、鮮やかな濃い緑色を有し、コンブの香りを発散して
いた。このコンブ食品材をそのまま食べてみたところ、
海藻のぬめりがとれ、シャキシャキしたテクスチャーで
あった。
【0029】抽出槽中の残りの塩蔵コンブ残渣24kg
に83%エタノール水溶液124kgを添加し、50℃
に加熱して、20分間、攪拌しながら、それら内容物を
充分に接触させた。この抽出液128kgを抽出槽から
取り出し、29kgの糖アルコールを加えて、80℃で
加熱濃縮し、緑色系の液状濃縮着色料約50kgを得
た。この着色料は、鮮やかな濃い緑色であった。なお、
このとき、18kgの抽出残渣を得た。
【0030】これらの黄色系着色料および緑色系着色料
の成分分析を行ったところ、黄色系着色料にはフコキサ
ンチンが3.8mg/100g含まれ、緑色系着色料に
はクロロフィルが14.0mg/100mg含まれてい
た。いずれの着色料も、コンブ独特の香りを強く発散
し、コンブの風味を有していた。
【0031】こうして製造した黄色系着色料および緑色
系着色料は、コンブエキスの着色に限らず、種々の食品
の着色や、飲料その他の健康食品などに用いることがで
き、食品以外の用途も可能である。コンブ食品材もま
た、種々の食品に用いることができ、コンブの用途を広
げるものである。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る海藻食品材製造方法によれ
ば、自然の海藻らしい色の濃い海藻食品材を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験1で黄色系色素を抽出したエタノール水溶
液の、異なる温度ごとの濃度と吸光度との関係を示すグ
ラフである。
【図2】試験2で緑色系色素を抽出したエタノール水溶
液の、異なる温度ごとの濃度と吸光度との関係を示すグ
ラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロフィルおよびフコキサンチンを含む
    海藻を、温度0℃以上50℃未満、濃度55%以上70
    %以下のエタノール水溶液と接触させ、前記海藻を前記
    エタノール水溶液から分離して海藻食品材を得ることを
    特徴とする海藻食品材製造方法。
  2. 【請求項2】前記海藻は、コンブまたはワカメであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の海藻食品材製造方法。
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