JPH09173311A5 - - Google Patents

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JPH09173311A5
JPH09173311A5 JP1996310463A JP31046396A JPH09173311A5 JP H09173311 A5 JPH09173311 A5 JP H09173311A5 JP 1996310463 A JP1996310463 A JP 1996310463A JP 31046396 A JP31046396 A JP 31046396A JP H09173311 A5 JPH09173311 A5 JP H09173311A5
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Description

【発明の名称】ECG波形から代表心搏を作る方法および装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】ECG波形から代表心搏に関する情報を作る方法であって、
(a)前記ECG波形内の複数の心搏を検出するステップと、
(b)前記複数の心搏を優勢心搏および非優勢心搏として分類するステップと、
(c)前記優勢心搏を整列して複数の整列優勢心搏を作るステップと、
(d)前記複数の整列優勢心搏から代表心搏を作るステップであって、更に、
(d−1)前記複数の整列優勢心搏を時間で区切ってスライスするステップと、
(d−2)前記スライスするステップに応答して、第1のスライス時間期間における前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを測定し、それにより複数の第1の大きさを作り出すステップと、
(d−3)前記複数の第1の大きさを最小の第1の大きさから最大の第1の大きさまで分類し、それにより分類済みの第1の大きさを作るステップと、
(d−4)前記複数の第1の大きさのうち最小のものから第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第1の切り捨てステップと、
(d−5)前記複数の第1の大きさのうち最大のものから第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第2の切り捨てステップと、
(d−6)前記第1の切り捨てステップおよび前記第2の切り捨てステップの後に残っている前記第1の大きさである残存する第1の大きさを平均し、それにより平均の第1の大きさを作るステップと、
(d−7)前記平均の第1の大きさを格納するステップと
を備えている代表心搏作成ステップと
を設けて成る方法。
【請求項2】前記スライスするステップに応答して、第2のスライスする時間期間における前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより複数の第2の大きさを作り出すステップと、
前記複数の第2の大きさを最小の第2の大きさから最大の第2の大きさまで分類し、それにより分類済み第2の大きさを作るステップと、
前記複数の第2の大きさのうち最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第3の切り捨てステップと、
前記複数の第2の大きさのうち最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第4の切り捨てステップと、
前記第3の切り捨てステップおよび前記第4の切り捨てステップの後に残った残存する第2の大きさを平均し、それにより平均の第2の大きさを作るステップと、
前記平均の第2の大きさを格納するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】前記スライスするステップに応答して、第3のN個のスライス時間における前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより第3のN個の大きさを作るステップと、
前記第3のN個の大きさを最小の第3のN個の大きさから最大の第3のN個の大きさまで分類し、それにより分類済み第3のN個の大きさを作るステップと、
前記第3のN個の大きさのうち最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第5の切り捨てステップと、
前記第3のN個の大きさのうち最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第6の切り捨てステップと、
前記第5の切り捨てステップおよび前記第6の切り捨てステップの後に残っている残存する第3のN個の大きさを平均し、それにより平均の第3のN個の大きさを作るステップと、
前記平均の第3のN個の大きさを格納するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】前記第1の平均の大きさ、前記第2の平均の大きさ、および前記第3のN個の平均の大きさから前記代表心搏を作るステップと、
前記代表心搏を表示するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】前記第1の切り捨てステップは、前記第1、第2、および第3のスライスの時間に、大きさの最小のものから 33 %だけ切り捨てることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】前記第2の切り捨てステップは、前記第1、第2、および第3のスライスの時間に、大きさの最大のものから 33 %だけ切り捨てることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】複数のECG波形に対応する複数の代表心搏を作成するステップをさらに備えていることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】前記代表心搏に関する測定値を得るステップをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】前記代表心搏を表示するステップをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】前記代表心搏および前記代表心搏に関する測定値を表示するステップをさらに備えていることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】前記複数の心搏の速さを計算するステップと、
前記代表心搏および前記複数の心搏の前記速さを表示するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】前記優勢心搏を整列して整列優勢心搏を作るステップは、
整列テンプレートを作るステップと、
前記整列テンプレートを横切るように前記複数の優勢心搏からの第1の心搏をスライドさせるステップと、
前記スライドさせるステップを行いながら、前記第1の心搏と前記整列テンプレートとの間の面積差を計算するステップと、
前記面積差が最小であるときの前記第1の心搏の第1の位置を測定するステップと、
前記第1の心搏の前記第1の位置を最良の整列位置として格納するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】前記複数の優勢心搏における他の心搏について、前記作る、スライドさせる、計算する、測定する、および格納する各ステップを繰り返し、それにより前記整列心搏を作るステップをさらに備えていることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択するステップと、
最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形の前記サブセットの1つから前記複数の優勢心搏を選択するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択するステップと、
前記複数のECG波形の前記サブセットについて複数の中間整列時間を決定するステップと、
前記複数の中間整列時間を用いて前記整列心搏を補正するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項16】ECG波形から代表心搏についての情報を作成する医用装置であって、
前記ECG波形内の複数の心搏を検出する検出論理と、
前記複数の心搏を優勢心搏および非優勢心搏として分類する分類論理と、
前記優勢心搏を整列して複数の整列優勢心搏を作る整列論理と、
前記複数の整列優勢心搏から代表心搏を作る代表心搏論理であって、更に、
前記複数の整列優勢心搏を時間で区切ってスライスする手段と、
前記スライスする手段に応答して、第1のスライス時間期間に前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを決定し、それにより複数の第1の大きさを作る手段と、
前記複数の第1の大きさを最小の第1の大きさから最大の第1の大きさまで分類し、それにより分類済み第1の大きさを作る手段と、
前記複数の第1の大きさの最小のものから第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第1の切り捨て手段と、
前記複数の第1の大きさを最大のものから第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第2の切り捨て手段と、
前記第1の切り捨て手段および前記第2の切り捨て手段の後に残っている残存する第1の大きさを平均し、それにより平均の第1の大きさを作る手段と、
前記平均の第1の大きさを格納する手段と
を備えている代表心搏論理と
を備えていることを特徴とする、医用装置。
【請求項17】前記スライスする手段に応答して、第2のスライス時間期間において前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより第2の大きさを作る手段と、
前記第2の大きさを最小の第2の大きさから最大の第2の大きさまで分類し、それにより分類済み第2の大きさを作る手段と、
前記第2の大きさのうち最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第3の切り捨て手段と、
前記第2の大きさのうち最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第4の切り捨て手段と、
前記第3の切り捨て手段および前記第4の切り捨て手段の後に残る残存する第2の大きさを平均し、それにより平均の第2の大きさを作る手段と、
前記平均の第2の大きさを格納する手段と、
をさらに備えていることを特徴とする、請求項16に記載の医用装置。
【請求項18】前記スライスする手段に応答して、第3のN個のスライス時間期間に前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより第3のN個の大きさを作る手段と、
前記第3のN個の大きさを最小の第3のN個の大きさから最大の第3のN個の大きさまで分類し、それにより分類済み第3のN個の大きさを作る手段と、
前記第3のN個の大きさの各々のうちの最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第5の切り捨て手段と、
前記第3のN個の大きさの各々のうちの最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第6の切り捨て手段と、
前記第5の切り捨て手段および前記第6の切り捨て手段の後に残る残存する第3のN個の大きさを平均し、それにより平均の第3のN個の大きさを作る手段と、
前記平均の第3のN個の大きさを格納する手段と
をさらに備えていることを特徴とする、請求項17に記載の医用装置。
【請求項19】前記第1の平均の大きさ、前記第2の平均の大きさ、および前記第3のN個の平均の大きさから前記代表心搏を作る手段と、
前記代表心搏を表示する表示装置と
をさらに備えていることを特徴とする、請求項18に記載の医用装置。
【請求項20】前記第1の平均の大きさ、前記第2の平均の大きさ、および前記第3のN個の平均の大きさから前記代表心搏を作る手段と、
前記代表心搏を印刷するプリンタと
をさらに備えていることを特徴とする、請求項18に記載の医用装置。
【請求項21】前記第1の切り捨て手段は前記第1、第2、および第3のN個のスライス時間期間に大きさの最小のものから 33 %だけ切り捨てることを特徴とする、請求項18に記載の医用装置。
【請求項22】前記第2の切り捨て手段は前記第1、第2、および第3のN個のスライス時間期間に大きさの最大のものから 33 %だけ切り捨てることを特徴とする、請求項18に記載の医用装置。
【請求項23】複数のECG波形に対応する複数の代表心搏を作る手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項22に記載の医用装置。
【請求項24】前記代表心搏の測定値を得るための測定論理をさらに備えていることを特徴とする、請求項18に記載の医用装置。
【請求項25】前記代表心搏を表示する表示装置をさらに備えていることを特徴とする、請求項24に記載の医用装置。
【請求項26】前記代表心搏および前記代表心搏に関する測定値を表示する表示装置をさらに備えていることを特徴とする、請求項24に記載の医用装置。
【請求項27】前記複数の心搏の速さを計算する計算論理と、
前記代表心搏および前記複数の心搏の速さを表示する表示装置と
をさらに備えていることを特徴とする、請求項24に記載の医用装置。
【請求項28】前記優勢心搏を整列して整列優勢心搏を作成する前記手段は、
整列テンプレートを作る手段と、
前記整列テンプレートを横切るように、前記複数の優勢心搏からの第1の心搏をスライドさせる手段と、
前記スライドさせる手段が実行されている間、前記第1の心搏と前記整列テンプレートとの間の面積差を計算する手段と、
前記面積差が最小であるときの前記第1の心搏の第1の位置を測定する手段と、
最良の整列位置として前記第1の心搏の前記第1の位置を格納する手段と
をさらに備えていることを特徴とする、請求項16に記載の医用装置。
【請求項29】前記複数の優勢心搏の他の心搏について、前記作る手段、スライドさせる手段、計算する手段、測定する手段、および格納する手段を繰り返す手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項28に記載の医用装置。
【請求項30】最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択する手段と、
最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形の前記サブセットの1つから前記複数の優勢心搏を選択する手段と、
をさらに備えていることを特徴とする、請求項29に記載の医用装置。
【請求項31】最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択する手段と、
前記複数のECG波形の前記サブセットに対する複数の中間整列時間を決定する手段と、
前記複数の中間整列時間を用いて前記整列心搏を補正する手段とをさらに備えていることを特徴とする、請求項29に記載の医用装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子工学回路の分野に関する。更に詳細に述べれば、本発明はECG波形から代表心搏を作る方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カージオグラフのような医学的器械の設計者はその職務において多数の困難な課題に直面している。彼らが設計する装置は、患者の心臓の状態の正しい診断を行なうことができるように、患者の心臓の電気的活動について心臓学者または他の医学専門家に高品質の情報を供給することが期待されている。残念乍ら、患者に接続されるECG電極は普通、患者の心臓の電気的活動を示す情報ばかりでなく、電気的ノイズをも含むECGデータをカージオグラフに伝える。このノイズは、ECGデータの大部分を占めてしまう可能性があり、患者心臓の電気的活動についての情報を含むECGデータの部分を劣化させ全体的に圧倒する可能性がある。この問題はストレス試験または運動試験を受ける患者のような不利な環境では特に深刻であり、この場合にはノイズが極めて極端になることがある。医学的器械の設計者がこのECGデータを分析してこのノイズの効果を除去または減少させる医学器械の設計に成功しないかぎり、心臓学者または他の医学専門家は、患者の心臓の状態の正しい診断に到達するのに使用できる、代表心搏のような患者の心臓に関する情報を得ることは、不可能ではないまでも困難であると判定するであろう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、ノイズ環境に左右されず、ECGから正確に患者の代表心搏を得る方法および装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
代表心搏を作成する方法および装置は、複数のECG電極から受け取った信号から得られる複数のECG波形からECGデータを得る。QRS検出論理がECGデータ内の心搏を検出する。分類論理が形状および/またはタイミングに基づき心搏を数種類に分類する。整列論理が心搏を整列する。この論理は種々の時刻に発生した心搏を静止整列テンプレートを横断して滑らせ、心搏が最もよく整列するときを計算し、異なるECG波形に及ぼすノイズまたはジッタの効果を減らすよう調節を行なう。代表心搏作成論理は整列心搏から代表心搏を作る。この論理時間は整列心搏を通じて薄切りし、各瞬間における整列心搏の最小および最大の大きさの百分率を捨て、残りの大きさを平均して代表心搏を作る。この刈り込み平均法は、ノイズおよび誤分類鼓動からのサンプルが捨てられているので、高品質の代表心搏を生ずる。ストレス試験または運動試験を受けている患者の代表心搏の窪んだST部分(segment)を見付けることに基づき、冠状動脈の疾患の診断のような、患者の心臓の状態の診断のために、心臓学者または医学専門家に単独で、または心搏数およびその他の測定情報と共に代表心搏を表示する。
【0005】
【実施例】
(1)概観
図1は本発明の好適実施例の医用装置のブロック図を示す。医用装置10は獲得ユニット20、電極25、カージオグラフ40、および計算ユニット60を備えている。好適実施例では、カージオグラフ40および獲得ユニット20は、ヒューレット・パッカード会社により製造され、本発明の好適実施例の図4および図12の流れ図を実行するよう修正されたPageWriter XLiの別々の構成要素である。計算ユニット60は HP Vectraコンピュータ であり、本発明の好適実施例の図5ないし図11Aおよび図11Bの流れ図を実行するよう適切にプログラムされている。
【0006】
図2は医用装置10のブロック図を更に詳細に示している。カージオグラフ40は獲得ユニット・インターフェース41、プロセッサ45、プリンタ47、および計算ユニット・インターフェース49を備えている。プロセッサ45は本発明の好適実施例の図4および図12の流れ図を実行する。計算ユニット60はカージオグラフ・インターフェース61、プロセッサ65、表示装置66、入力装置67、メモリ68、および記憶装置69を備えている。プロセッサ65は本発明の好適実施例の図5〜図11Aおよび図11Bの流れ図を実行する。図2は医用装置10を別々の構成要素を備えているとして示してあるが、当業者には、医用装置10は図2に示した各構成要素を備えている単一ユニットであると認識されるであろう。または、医用装置10が異なる数の別々の構成要素を備えても、なお本発明の精神および範囲の中に入ることを当業者は認めるであろう。
【0007】
図3は医用装置10の計算ユニット60のプロセッサ65を更に詳細に示す。プロセッサ65はQRS波検出論理71、心搏数計算論理73、分類論理74、整列論理75、代表心搏作成論理77、および測定論理78を備えている。好適実施例では、これら各論理ブロックは図5〜図11Aおよび図11Bに示す流れ図の関連部分の機能を行なうように書かれたソフトウェアにより行なわれ、このソフトウェアはプロセッサ65により実行される。代わりに、論理ブロック71〜78の幾つかまたは全部を、図5〜図11Aおよび図11Bに示す流れ図に関連した部分の機能を行なうように設計されたASICに入っているような専用ハードウェアとすることもできる。
【0008】
図4は本発明の好適実施例のカージオグラフ40の動作の流れ図を示す。ブロック101で、ECG信号を獲得ユニット20の電極25から受け取る。好適実施例では、これら信号は高いサンプリングレートでサンプルされるディジタル信号である。ブロック103は所定帯域幅外のサンプルECG信号を大幅に減らして濾過する。好適実施例では、所定の帯域幅は0.1Hzから150Hzであり、その大幅に減らすプロセスはサンプルの数を元のサンプルの数の8分の1に減らす。ブロック105は10個の電極から12個のECGリード(leads)を従来の方法で作る。12個のECGリードに入っている信号をここでは「ECG波形」と呼ばれ、それに入っている情報をここでは「ECGデータ」と呼ばれる。当業者は、電極またはリードの実際の数が、上に説明したものとは異なっており、しかもなおその数は本発明の精神および範囲の中にあることを認識するであろう。ブロック108はECG波形におけるECGデータを計算ユニット60に送る。流れ図はブロック109で終わる。
【0009】
図5は本発明の好適実施例の計算ユニット60の動作の高レベル流れ図を示す。ブロック201はカージオグラフ40からのECGデータが入っているECG波形を受け取る。ブロック203はECGデータを順方向濾過する。好適実施例では、このフィルタは、ECGデータの低周波情報を保存しながら基線の漂動(baselinewander)を除去する順方向/逆方向濾過機構の一部として使用される高域フィルタである。ブロック300はECG波形内の心搏(すなわち、QRS群)を検出するサブルーチンを呼び出す。このサブルーチンは、ノイズが最も少ないと決定されたECG波形のサブセットから活動関数を計算し、この活動関数を使用して心搏を探す。これにより偽の「ノイズ」鼓動を排除しながら真の心搏を検出できる。このサブルーチンの動作を図6Aおよび図6Bの説明と関連して後に更に詳細に説明する。
【0010】
ブロック400は患者の心搏数を計算するサブルーチンを呼び出す。この論理は心搏間の時間間隔を測定し、その数々の時間間隔のうち最も短いもの数パーセント及び最も長いもの数パーセントを切り捨て、残りの時間間隔を平均して患者の心搏数を算出する。この方法によって、誤って心搏として検出されるノイズが存在したり、ノイズのある一般の環境で取りこぼした鼓動が存在しても、強固な心搏数の計算を実現する。このサブルーチンの動作を図7Aおよび図7Bの説明に関連して後に更に詳細に説明する。
【0011】
ブロック500は心搏を分類するサブルーチンを呼び出す。この分類は、各心搏を一つまたは複数の心搏分類に対応する一群のテンプレートに対して比較することにより行なわれる。テンプレートは心搏の形態の変化を追跡するように更新される。このサブルーチンの動作を図8A、図8B、および図8Cの説明に関連して後に更に詳細に説明する。
【0012】
ブロック205はECGデータを逆方向濾過する。好適実施例においては、このフィルタは、ECGデータ内の低周波情報を保存しながら基線の漂動を除去するために、順方向/逆方向濾過機構の一部として使用される高域フィルタである。
【0013】
ブロック600は代表心搏作成前に心搏を整列するサブルーチンを呼び出す。この論理は、整列テンプレートを横切るように心搏をスライドさせ、いつ心搏が整列するかを計算し、調節を行なって異なるECG波形におけるノイズまたはジッタの影響を減らす。このサブルーチンの動作を図9Aおよび図9Bの説明と関連して後に更に詳細に説明する。
【0014】
ブロック700は整列された心搏から代表心搏を作成するサブルーチンを呼び出す。この論理は整列された心搏を通じて薄く切り取り、各瞬間における整列された心搏の最大のもの数パーセントおよび最小のもの数パーセントを切り捨て、残りの大きさを平均して代表心搏を作成する。この刈り込み平均法(trimmed averaging technique)は、ノイズからのサンプルおよび誤って分類された心搏が切り捨てられるので、高品質の代表心搏を生ずる。このサブルーチンの動作を図10Aおよび図10Bの説明に関連して後に更に詳細に説明する。
【0015】
ブロック800は代表心搏の様々な局面を測定するサブルーチンを呼び出す。この論理は一群のECG波形からの代表心搏を分析して最も古いQRS波の始まりおよび最も新しいQRS波の最終点を決定し、これらの値を使用して多様な測定を行なう。これは非常にノイズの多い環境においてさえ正確な測定を生ずる。このサブルーチンの動作を図11Aおよび図11Bの説明と関連して後に更に詳細に説明する。
【0016】
ブロック210はサブルーチン700により作成された代表心搏、および、随意選択的に、サブルーチン800および400により獲得された測定値を、計算ユニット60の表示装置66(図2)に表示する。これら表示の例を図18および図19に示してある。ブロック220は代表心搏および、サブルーチン400により計算された心搏数測定値を含む、各ECG波形に対する測定値をカージオグラフ40に送り返す。カージオグラフ40はこの情報を図12の流れ図に従って処理する。流れ図はブロック249で終わる。
【0017】
図12はカージオグラフ40が計算ユニット60から受け取った情報を処理する仕方を示す。ブロック150は代表心搏および図5のブロック220により送られた、心搏数測定値を含む、測定値を受け取る。ブロック190はサブルーチン700により作成された代表心搏および、随意選択的に、サブルーチン800および400により獲得された測定値を、カージオグラフ40(図2)のプリンタ47で印刷する。これらプリント出力の例を図18および図19に示してある。
【0018】
(2)QRS波の検出
図6Aおよび図6Bは、本発明の好適実施例の計算ユニット60のQRS波検出論理71により行なわれるサブルーチン300の動作の流れ図を示す。ブロック302は、ECGデータについて学習する初期設定プロセスを行なう。更に詳細に説明すれば、このサブルーチンにおける最初に、このプロセスによって、ECGデータが最初の数秒間分析され、ピーク間の準備的時間間隔および平均ピークの大きさが測定される。ルーチン処理の期間(すなわち、このサブルーチンにおける以後の時間)中ブロック302はサブルーチンにおいて最初に得られた情報を更新し続ける。ブロック301はブロック201(図4)において計算ユニット60により受け取られた12個のECG波形のうちの3つのECG波形からのECGデータを受け取る。3つの模範的なECG波形のグラフを図13に示す。好適実施例では、ブロック301において、これら3つのECG波形が、最適ノイズ特性を持つ3つのECG波形として選択される。これは、12個のECG波形に関する信号品質を連続的に計算し、これら波形を最高信号品質から最低信号品質まで等級付けすることにより行なわれる。
【0019】
ブロック303において、ECGデータの3つのリードから活動関数を計算する。活動関数は、ノイズの影響を最小限にして一層正確な心搏検出を可能としながらも心搏の特性を強調する、ECGデータから数学的に得られる信号である。好適実施例における活動関数は、ECGデータを半分だけ減らし、帯域フィルタを使用してデータを濾過し、最初の差の絶対値を取ることにより作成される。次に、3つのECG波形からの最初の差の絶対値を共に加算し、しきい値を超えるものを切り捨て、平滑にしてノイズ性能を改善する。12個のECG波形すべてにわたるノイズ統計値(すなわち、信号品質)を計算し、更新する。模範的な活動関数のグラフを図14に示す。
【0020】
ブロック305において、ノイズ統計をチェックして受容し得ない高ノイズが検出されたか確認する。検出されていれば、ブロック306は「高ノイズ」メッセージを発し、これを計算ユニット60の表示装置66(図2)に表示する。この誤差はブロック398で終わることによりサブルーチンを異常終了させる。高ノイズが存在しない場合には、ブロック305において否定回答を受ける。ブロック309において、他の心搏を検出すべきか見て確認する。検出すべきでなければ、サブルーチンはブロック399で図5のブロック400に戻る。
【0021】
ブロック309において肯定回答を受ければ、サブルーチン300において、最大3つまでの異なる形式の探索が行なわれ各心搏が見出される。第1の探索はオンタイム探索である。この探索は通常、その予想時間の小さい窓の中に現われる心搏を検出するのに使用される。オンタイム探索が心搏を検出できなかった場合には、修正オンタイム探索を行なう。修正オンタイム探索は動作がオンタイム探索と同じであるが、初期鼓動のような、オンタイム探索が検出しそこなう低ノイズ環境で心搏を検出することができる。オンタイム探索および修正オンタイム探索が共に心搏を検出することができなかった場合には、遅れ鼓動探索を行なう。この探索はその予想時刻より遅く現われる心搏を検出する。
【0022】
オンタイム探索の動作を次に更に詳細に説明する。ブロック310においてECGデータのQRS群に対する活動関数のオンタイム探索が行われる。好適実施例では、ブロック310にて(ブロック302で決定された)心搏間の現在の間隔長の115%の長さにわたって、活動関数の平均ピーク値の80%で始まるしきい値で探索する。次に、時間にわたり探索窓の終わりで活動関数の平均ピーク値の40%になるように直線的にしきい値減らす。この直線的に減少するしきい値よりも上で見つかる局部的最大値は「ピーク」と考えられる。
【0023】
ブロック315において、ピークが検出されたかチェックして確認する。検出されていれば、ブロック320において各ピークが発生した時刻を見ることにより検出されたピークから真の心搏(すなわち、QRSピーク)を選択する。当業者は上述の探索がノイズの多い環境で多数のピークを検出でき、そのうちの一つを除いてすべてがノイズであることを認めるであろう。次の心搏が予想される時刻に最も接近して発生するピークは真の心搏であると考えられ、この心搏についてのタイミング情報は計算ユニット60(図2)の記憶装置69に格納される。制御ループの流れはブロック309に戻って他の搏動を探して検出する。
【0024】
再び図6Aおよび図6Bを参照して、修正オンタイムの動作を次に説明する。ブロック315が否定回答を受け取ると、ブロック330はノイズレベルが低いかチェックし確認する。低ければ、ブロック335が修正オンタイム探索を行なって活動関数を探す。好適実施例では、この探索は現在の時間間隔長の115%の時間にわたり平均ピーク活動関数値の54%の値といった、一定の低いしきい値を使用して行なわれる。ブロック335はピークが検出されているかチェックし確認する。検出されていれば、ブロック338は検出されたピークから、次の心搏が予想される時刻に最も接近して発生するピークを選択することにより真の心搏を選択する。鼓動タイミング情報のような、ブロック338で選択された心搏に関する情報は計算ユニット(図2)の記憶装置69に格納される。制御ループの流れはブロック309に戻って検出する他の鼓動を探す。
【0025】
遅れ鼓動探索の動作を次に説明する。ブロック330かまたは335が否定回答を受け取ると、ブロック350は遅れ鼓動探索を行なう。好適実施例では、このブロックは、オンタイム探索で行なったように、直線的に減少するしきい値を使用して3つのR-R時間間隔長にわたり活動関数を探索する。ブロック355はピークが検出されているかチェックし確認する。検出されていれば、ブロック358は検出されたピークから、それが見付けた最初のピークを選択することにより真の心搏を選択する。鼓動タイミング情報のような、ブロック358で選択された心搏に関する情報は、計算ユニット(図2)の記憶装置69に格納される。制御ループの流れはブロック309に戻り、他の鼓動を探して検出する。ブロック355が否定回答を受け取ると、ブロック370が計算ユニット60の表示装置66に表示される「検出器失敗」メッセージを発する。鼓動が検出されなかったので、ブロック396でサブルーチンが異常終了する。
【0026】
(3)心搏数の計算
図7Aおよび図7Bは本発明の好適実施例の計算ユニット60の心搏数計算論理73により行なわれるサブルーチン400の動作の流れ図を示す。ブロック401はRR_ctrというカウンタを0にセットする。ブロック403はECG波形で検出された最初の心搏と第2の心搏との間のR-R間隔を読んで格納する。好適実施例では、この検出はサブルーチン300でQRS検出論理71により格納された情報を使用して行なわれるが、ECG波形でR-R間隔を検出する通常の方法も使用することができる。ブロック405はRR_ctrをインクリメントさせる。ブロック410は、カウンタの値が最大カウンタ値より少なくてECG波形の分析になお利用できる別の心搏が存在するかチェックし確認する。これら二つの条件が真であれば、制御ループの流れは一つの条件がもはや真でなくなるまでブロック403に戻る。ブロック403がタイマであり、ブロック410が最大時間が経過したかチェックして確認する代替実施例が考えられている。たとえば、最大時間が10秒にセットされていれば、最も新しい10秒間に発生した心搏だけが心搏数を計算するのに使用される。
【0027】
ブロック410が受け取る回答が結局否定であるとき、ブロック420は少なくとも最少数の心搏がブロック403〜410から構成されるループにより分析されたかチェックして確認する。
【0028】
ブロック420が肯定回答を受け取ると、ブロック425はR-R間隔を最短から最長までソートする。ブロック430は次に、数々のR-R間隔のうちの最短のもの数パーセントおよび最長のもの数パーセントを切り捨てる。ノイズの多い環境では、QRS検出器がノイズを心搏として誤って検出することがあり、真の心搏を誤って見落とすことがある。これらの誤りは短すぎたり長すぎたりする正しくないR-R間隔を生ずる。ここで行なわれる刈り込み平均は、偽の検出および見落とし搏動があっても強固且つ正確な心搏数を生ずる。低ノイズおよび不正脈がある場合、この刈り込み平均法は心搏数の正確な計算をも行なう。
【0029】
好適実施例では、ブロック430は最短R-R間隔の25%および最長R-R間隔の25%を捨てているが、異なる値を使用することもできる。次にブロック435は残りのR-R間隔を平均する。ブロック440はこの平均R-R間隔を心搏数に変換する。ブロック445は、ブロック440が決定した心搏数を所定数の過去の心搏数と平均することにより平滑にする。好適実施例では、ブロック445は、現在の心搏数を過去の二つの心搏数と平均している。いずれの場合でも、ブロック445により(またはブロック445の平滑ステップを望まなければ、ブロック440により)決定された心搏数をブロック450により計算ユニット60(図2)の記憶装置69に格納する。サブルーチンはブロック499で図5のブロック500に戻る。
【0030】
ブロック420が否定回答を受け取れば、ブロック460は単に、ブロック403で読み取られ格納された少数のR-R間隔の平均R-R間隔を計算する。この平均R-R間隔をブロック440で心搏数に変換し、心搏数をブロック450で計算ユニット60(図2)の記憶装置69に格納する。前のように、サブルーチンはブロック499で図5のブロック500に戻る。
【0031】
(4)心搏の分類
図8A、図8B、および図8Cは本発明の好適実施例の計算ユニット60の分類論理74により行なわれるサブルーチン500の動作の流れ図を示す。好適実施例では、サブルーチン500は鼓動を「D」(優性)、「V」(心室異所性)、「S」(上心室異所性)、または「Q」(疑問あり)として分類するのに使用されているが、他の分類を使用することもできる。
【0032】
ブロック501は分類すべき更に多数の心搏が存在するかチェックし確認する。存在すれば、ブロック502は次の心搏に関する鼓動タイミング情報を得る。好適実施例では、この情報は既に説明したと同じ仕方でQRS検出論理71から得られるが、この情報を得る従来の方法をも使用することができる。ブロック503は(QRS検出論理または従来の手段からの)活動関数の部分を鼓動の周りに正規化して分類する。ブロック505は活動関数および鼓動の両者に関するタイミング測定および生理学的測定を行なって分類する。これら測定値をブロック510および550で使用して、後に説明するように、鼓動の分類を補助する。
【0033】
ブロック510はブロック505で行なわれるすべての測定値が生理学的限界内(たとえば、所定の幅および高さ以内)にあるかチェックして確認する。限界内になければ、その鼓動を、ノイズによる疑問あり(「Q」)として分類し、制御ループの流れがブロック501に戻って、分類すべき更に多数の鼓動が存在するかチェックして確認する。ブロック510が肯定回答を受ければ、ブロック515はテンプレートカウンタを1にセットし、鼓動を比較して1つまたは複数のテンプレートで分類する一連のステップを開始する。ブロック518はNum_templatesというカウンタが0であるかチェックし確認する。0であれば、テンプレートはこの波形について未だ作成されておらず、制御の流れは下のブロック539および540に飛んで、この鼓動を第1のテンプレートとして保存することにより新しいテンプレートを作成する。次にブロック542はタイミング情報および 生理学的情報を使用してこの搏動およびテンプレートを「D」(優性)、「V」(心室異所性)、「S」(上心室異所性)、または「Q」(疑問あり)として分類する。一般的には、この搏動をDとして分類し、「優性/上心室異所性」のためテンプレートをD/Sとして分類する。これは、分類される鼓動の広く大多数がこのように分類されるからであり、さらに、DおよびSの鼓動が同じ形態を備え、したがって同じテンプレートに合うであろうが、タイミング情報により変わるかもしれない(S鼓動はD鼓動より早い)からである。D鼓動とS鼓動とを区別する方法は、後に更に詳細に説明するように、ブロック545から558迄により行なわれる。当業者は、優性心搏が1つまたは複数の独特の形態を備えることができるので、1つまたは複数のテンプレートを「D/S」として分類できることを認めるであろう。ブロック542はNum_templatesを1にインクリメントさせて1つの格納テンプレートを指示する。制御の流れはブロック545に移動するが、このブロックの動作を後に説明することにする。
【0034】
少なくとも1つのテンプレートが一度作成されると、ブロック518は、否定回答を受け取り、ブロック520は、第1の静止テンプレートを横切るように鼓動をスライドさせて分類する。前に説明したように、第1のテンプレートは普通、D/Sの第1の心搏分類に対応し、優性波形および上心室波形に対するテンプレートを意味している。ブロック520がこの鼓動を第1のテンプレートにわたってスライドさせると、分類する鼓動と第1のテンプレートとの間の最小面積差を計算する。ブロック525においてこの最小面積差がしきい値より小さいかが問われる。小さければ、その鼓動は第1の(D/S)テンプレートに適合しており、ブロック530において、その新しい鼓動データは適合するテンプレートとともに平均される。好適実施例では、重みづけ平均を使用しており、平均プロセスにおいてその時点で存在するテンプレートにその新しい鼓動よりも多い重みが与えられる。ブロック530において、鼓動がこのテンプレートに適合した回数の証跡を保持すると同時に、鼓動が最も最近にいつこのテンプレートに適合したかの証跡をも保持する。
【0035】
ブロック525が否定回答を受け取れば、ブロック535はテンプレートカウンタをインクリメントさせる。ブロック538はチェックするテンプレートの最大数を超えていないことを確認するが、これはすべてのテンプレートがチェックされてしまったことを示す。ブロック538が肯定回答を受け取れば、制御ループの流れはブロック518および520に戻り、鼓動を第2のテンプレートにわたってスライドさせる。第2のテンプレートは例示的に心室異所性(「V」)の分類に対応する。ブロック520は再び最小面積差を計算し、ブロック525は再びこの最小面積差がしきい値より少ないかを問う。少なければ、鼓動は第2の(V)テンプレートに適合しており、ブロック530は新しい鼓動データをそれが適合するテンプレートとともに平均する。適合するテンプレートが見つからなければ、サブルーチンは適合するテンプレートが見つかるまで、またはブロック538が否定回答を受け取ってその時点で存在するすべてのテンプレートが適合についてチェックされてしまったことを示すまで、ブロック535、538、518、520、および525を通して循環する。
【0036】
適合するテンプレートが見つかり、ブロック530が新しい鼓動データをそれが適合するテンプレートとともに平均されると、ブロック537はテンプレートの分類を確認する。新しい鼓動がその時点で存在するテンプレートとともに平均されるにつれて、テンプレートの分類は変化することが可能になる。たとえば、最初に「V」として分類されているテンプレートを、更に多くの鼓動がそれに平均されたとき、「D」に分類することができる。ブロック545は鼓動がD/Sテンプレートに適合するかチェックし確認する。適合すれば、その鼓動に関する別の質問をその鼓動を分類する前に行なわなければならない。これはブロック550において行なわれ、その鼓動が早期であったかどうかを問う。早期であれば、その鼓動はブロック555で上心室(「S」)として分類され、制御ループの流れがブロック501に戻って、分類すべき更に多数の鼓動が存在するかを調べる。存在しなければ、その鼓動をブロック558で優性(「D」)として分類し、制御ループの流れはブロック501に戻って分類すべき更に多数の鼓動が存在するかを調べる。ブロック545が鼓動がD/Sテンプレート以外のテンプレートと合っていることを確認すれば、ブロック560はその鼓動をそれが適合するテンプレートに対応する分類として分類する。たとえば、その鼓動が心室異所性(「V」)テンプレートに合っていれば、鼓動は心室異所性として分類される。制御ループの流れは前に説明したようにブロック501に戻る。
【0037】
再びブロック538を参照して、ブロック538が否定回答を受け取れば、その時点で存在するすべてのテンプレートがチェックされてしまっており、それらの一つにも適合していない。次に、ブロック539はNum_templateがMax_template(テンプレートの最大数を示すカウンタである)より少ないかを問う。少なくなければ、ブロック540はこの鼓動に対する新しいテンプレートを作成する。ブロック542は新しいテンプレートおよび鼓動を分類し、前に説明したように、Num_templatesをインクリメントさせる。
【0038】
ブロック539が否定回答を受け取ると、テンプレートの最大数に到達してしまっている。ブロック541はテンプレートに最も新しい更新により上書きする。ブロック542と同様に、ブロック543は新しいテンプレートを分類するが、テンプレートの数は変わっていないので、Num_templatesをインクリメントさせない。当業者は、実際に作成されるテンプレートの数はその環境におけるノイズの量により、また、異所性鼓動が検出されるか否かにより、変わる可能性があることを認めるであろう。
【0039】
ブロック501がもはや分類すべき鼓動が存在しないことを確認すると、ブロック590は分類した心搏を計算ユニット60(図2)の表示装置66に表示する。このような表示の代表例の一つを図15に示してある。サブルーチンはブロック599で図5のブロック205に戻る。
【0040】
(5)鼓動の整列
図9Aおよび図9Bは本発明の好適実施例の計算ユニット60の整列論理75により行なわれるサブルーチン600の動作の流れ図を示す。ブロック601は3つのECG波形のどれが最もノイズが少ないか確認する。好適実施例では、これはECG波形サブルーチン300中のQRS群検出のブロック301で得られた情報を用いて行なわれるが、この確認は12個のECG波形に関して信号対ノイズ比または信号品質の他の指示を連続的に計算し、それら波形を最高から最低まで等級づけることにより、または或る他の手法を使用することによりこのサブルーチンで直接行なうことができる。ブロック603はリードカウンタをセットして3つの最もノイズの少ないECG波形の第1のものを見る。ブロック605はリードカウンタにより決定されたECG波形からECGデータを受け取る。ブロック608においてECGデータを低域濾過してから、ブロック610は、代表心搏を構成するのに使用される鼓動の中から優性テンプレートを決定する。好適実施例では、これは、図8A、図8B、および図8Cのブロック530で決定されるように、分類論理により使用されるテンプレートが鼓動と適合する回数を見ることにより行なわれる。当然ながら、これはD/Sテンプレートである。
【0041】
ブロック620は整列テンプレートを作成して計算ユニット60の記憶装置69に格納する。好適実施例では、整列テンプレートは、ブロック610で決定された優性テンプレートと適合する鼓動で作成され、この場合QRS波の周りの優性テンプレートの一部が正常化される。代替実施例では、ステップ610を飛び越し、ブロック620において、Dとして分類された第1の鼓動を(鼓動分類論理74または鼓動分類の従来の方法により)見いだすことにより整列テンプレートが作成され、この鼓動を整列テンプレートとして使用する。
【0042】
ブロック630は鼓動カウンタを1にセットする。ブロック640はこのECG波形に対する次の優性鼓動を得、この鼓動の一部をQRS群の周りに正常化する。この用途の目的で、「D」として分類される鼓動をここでは「優性」と言い、「V」、「S」、または「Q」と分類される鼓動を「非優性」という。好適実施例では、これら鼓動は代表心搏に悪影響を及ぼす可能性があるので、非優性鼓動を整列および代表心搏の決定から除外している。
【0043】
ブロック650はこの鼓動を静止整列テンプレートにわたってスライドさせる一方、鼓動と整列テンプレートとの間の差の絶対値の和の値を計算する。この値をここでは面積差という。面積差が最小(最小面積差)である位置は、鼓動が整列テンプレートと最もよく整列している位置であり、この位置をこの鼓動について計算ユニットの記憶装置69に保存する。ブロック655は鼓動カウンタをインクリメントさせる。ブロック660は鼓動カウンタがこのECG波形について整列する鼓動の数以下であるかをチェックし確認する。鼓動数以下でなければ、制御ループの流れはブロック640に戻って次の優性鼓動を得る。鼓動数以下であれば、ブロック670はリードカウンタをインクリメントさせる。
【0044】
ブロック675はリード(lead)カウンタが3(ブロック601において選択された最もノイズの少ない一つながりのECG波形の数)以上であるかをチェックし確認する。ブロック675が否定回答を受け取ると、制御ループの流れはブロック605に戻り、次のECG波形について整列プロセスを繰り返す。ブロック675が肯定回答を受け取れば、ブロック680は3つの最もノイズの少ないリードに無関係に決定された整列時間の中間値と共に、各ECG波形に関する各鼓動時間を補正して格納する。これは、異なるECG波形上の鼓動が最もよく整列するのがわずかに異なる時刻においてである(すなわち、ジッタ)というノイズの効果を最小にするように行なわれる。サブルーチンはブロック699で図5のブロック700に戻る。図16は、静止テンプレートを横切るようにスライドさせる新しい鼓動を示す。
【0045】
(6)代表鼓動の作成
図10Aおよび図10Bは本発明の好適実施例の計算ユニット60の代表心搏作成論理77により行なわれるサブルーチン700の動作の流れ図を示す。ブロック701は代表心搏を作成する際にどの鼓動を使用するかを決定する。好適実施例では、上に説明した鼓動整列ステップにより整列した「優性」鼓動だけが使用される。代表心搏を構成するのに必要な数より多い「優性」鼓動を利用できるのであれば、最も似た形態を有する優性鼓動から使用される。たとえば、分類サブルーチン500で2つまたはそれ以上の優性テンプレートが作成されれば、最も多い鼓動を含む優性テンプレートに適合する鼓動のみが好適に使用される。ブロック705は、どのECG波形についての代表心搏を作成しているかの証跡を保持するカウンタを1にセットする。
【0046】
ブロック710は、リード数カウンタがECG波形の最大数以上であるかチェックし確認する。最大数以上でなければ、ブロック715において、このECG波形に対する「優性」鼓動を読み取る。ブロック720において、時間ポインタは0にセットされる。
【0047】
ブロック725は時間ポインタにより指示される時間に対応して各整列データに対するデータのタイムスライスを得る。好適実施例では、このデータはこの瞬間における各整列優性心搏の大きさである。ブロック730はこのタイムスライスの大きさを最小から最大まで分類する。ブロック735は、タイムスライスの最小の大きさのもの数パーセントおよび最大の大きさのもの数パーセントを切り捨てる。ノイズの多い環境では、鼓動分類サブルーチンは鼓動を優性として誤って分類することがある。これらの誤りの結果誤分類された鼓動は、誤って整列鼓動に入れられる。ここで行なわれる刈り込み平均によって、優性鼓動に誤分類された鼓動や高ノイズが存在していても、強固且つ正確な代表心搏が算出される。好適実施例では、最小の大きさの33%および最大の大きさの33%が切り捨てられるが、他の値を使用することもできる。ブロック740は、残りのタイムスライスの大きさを平均する。ブロック750は、このタイムスライスに関する平均の大きさを計算ユニット60の記憶装置69の代表鼓動配列に格納する。ブロック755は、時間ポインタを次のタイムスライスまでインクリメントさせ、ブロック760は、時間ポインタがその最大値に達したかチェックし、確認する。達していなければ、制御ループの流れはブロック725に戻り、他のタイムスライスの平均の大きさを決定して代表心搏配列を完成する。図17は上に説明したプロセスを使用してタイムスライスが行われている整列鼓動の模範例を示す。
【0048】
ブロック760が肯定回答を受け取ると、ブロック765は代表心搏配列に格納されている代表心搏を順方向および逆方向濾過し、結果をブロック770で配列に戻して格納する。このステップをスキップする代替実施例が考えられている。ブロック775はECG波形カウンタをインクリメントさせ、制御ループの流れがブロック710に戻って他のECG波形の各々に対する代表心搏を作成する。ブロック710において代表心搏が各ECG波形に関して作成され、格納されたことが確認されると、ブロック780は代表心搏を計算ユニット60の表示装置66に表示する。代表心搏の例示的なディスプレイを図18に示す。サブルーチンはブロック799で図5のブロック800に戻る。
【0049】
(7)測定
図11Aおよび図11Bは本発明の好適実施例の計算ユニット60の測定論理78により行なわれるサブルーチン800の動作の流れ図を示す。ブロック801は各ECG波形に関する代表心搏を得る。好適実施例では、これは図10Aおよび図10Bのステップ770で格納された代表心搏配列を読み取ることにより行なわれる。代わりに、代表心搏を作成する従来の既知の方法を含む異なる方法を使用して作成した代表心搏を使用することもできる。
【0050】
ブロック803は、ブロック801において得られたすべての代表心搏における最も古いQRS波の始まりおよび最も新しいQRS波の最終点を測定する。すぐ後に説明するように、これらの値は、これら代表心搏について行なわれる多数の測定に使用される。ブロック805は、代表心搏を測定するECG波形の証跡を確保するカウンタをセットする。ブロック810はこのECG波形に関する代表心搏を得る。ブロック815は代表心搏の等電位のレベル(isoelectric level)を測定する。好適実施例では、これは最も古いQRS波の始まりよりも前のデータの16msec間の平均レベルである。ブロック820は、この代表心搏のR波振幅を決定する。好適実施例では、これは最も古いQRS波の始まりと最も新しいQRS波の最終点との間の最大の正の値であり、もし「T」波がR波振幅の測定に影響する程大きければ、最も新しいQRS波の最終点における上昇するST部分に対して補正するための調節も行われる。
【0051】
ブロック825はSTレベルを測定する。好適実施例では、代表心搏のユーザが決定するST測定ポイント周辺の10msecの平均である。ブロック830はST勾配を測定する。好適実施例では、これは最も新しいQRS波の最終点と代表心搏のST測定点との間のベストラインフィット( best line fit を使用することによって測定される。ブロック835はST部分の積分を行う。好適実施例では、これは最も新しいQRS波の最終点と代表心搏のST測定点との間の負面積の和を計算することにより行われる。
【0052】
ブロック850は採用する各測定ごとに測定信頼フラグ(measurement confidence flag)を更新する。好適実施例では、ヒストリ情報および生理学的限界を使用してこれら測定フラグを「ロー」または「ハイ」信頼にセットしている。これら信頼フラグを測定値の次に「ロー」または「ハイ」の語を表示する、表示の測定値の色を変える(たとえば、緑はハイを、赤はローを意味する)などを含む多様な仕方でユーザに表示することができる。「ロー」信頼フラグは、測定が生理学的でないこと、または非生理学的に変化していること、および測定の正しさを手作業的によく調べるべきであることを、心臓学者または他の医学専門家に指示する。ブロック855はECG波形カウンタをインクリメントさせる。ブロック860はECG波形カウンタがECG波形の最大値を超えているかチェックし確認する。超えていなければ、制御ループの流れはブロック810に戻って他のECG波形に対するプロセスを繰り返す。超えていれば、ブロック880は測定値を計算ユニット60(図2)の表示装置66に表示する。これら測定値の表示の模範例を、代表心搏と共に図19に示してある。図19に示す代表心搏および測定値を見る心臓学者はストレス試験を受けている患者が冠状動脈を患っていることを示す窪んだST部分を見るであろう。サブルーチンはブロック899で図5のブロック210に戻る。
【0053】
〔実施態様〕なお、本発明の実施態様の例を以下に示す。
【0054】
〔実施態様1〕ECG波形から代表心搏に関する情報を作る方法であって、
(a)前記ECG波形内の複数の心搏を検出するステップと、
(b)前記複数の心搏を優勢心搏および非優勢心搏として分類するステップと、
(c)前記優勢心搏を整列して複数の整列優勢心搏を作るステップと、
(d)前記複数の整列優勢心搏から代表心搏を作るステップであって、更に、
(d−1)前記複数の整列優勢心搏を時間で区切ってスライスするステップと、
(d−2)前記スライスするステップに応答して、第1のスライス時間期間における前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを測定し、それにより複数の第1の大きさを作り出すステップと、
(d−3)前記複数の第1の大きさを最小の第1の大きさから最大の第1の大きさまで分類し、それにより分類済みの第1の大きさを作るステップと、
(d−4)前記複数の第1の大きさのうち最小のものから第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第1の切り捨てステップと、
(d−5)前記複数の第1の大きさのうち最大のものから第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第2の切り捨てステップと、
(d−6)前記第1の切り捨てステップおよび前記第2の切り捨てステップの後に残っている前記第1の大きさである残存する第1の大きさを平均し、それにより平均の第1の大きさを作るステップと、
(d−7)前記平均の第1の大きさを格納するステップと
を備えている代表心搏作成ステップと
を設けて成る方法。
【0055】
〔実施態様2〕前記スライスするステップに応答して、第2のスライスする時間期間における前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより複数の第2の大きさを作り出すステップと、
前記複数の第2の大きさを最小の第2の大きさから最大の第2の大きさまで分類し、それにより分類済み第2の大きさを作るステップと、
前記複数の第2の大きさのうち最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第3の切り捨てステップと、
前記複数の第2の大きさのうち最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第4の切り捨てステップと、
前記第3の切り捨てステップおよび前記第4の切り捨てステップの後に残った残存する第2の大きさを平均し、それにより平均の第2の大きさを作るステップと、
前記平均の第2の大きさを格納するステップとをさらに備えていることを特徴とする、実施態様1に記載の方法。
【0056】
〔実施態様3〕前記スライスするステップに応答して、第3のN個のスライス時間における前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより第3のN個の大きさを作るステップと、
前記第3のN個の大きさを最小の第3のN個の大きさから最大の第3のN個の大きさまで分類し、それにより分類済み第3のN個の大きさを作るステップと、
前記第3のN個の大きさのうち最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第5の切り捨てステップと、
前記第3のN個の大きさのうち最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第6の切り捨てステップと、
前記第5の切り捨てステップおよび前記第6の切り捨てステップの後に残っている残存する第3のN個の大きさを平均し、それにより平均の第3のN個の大きさを作るステップと、
前記平均の第3のN個の大きさを格納するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様2に記載の方法。
【0057】
〔実施態様4〕前記第1の平均の大きさ、前記第2の平均の大きさ、および前記第3のN個の平均の大きさから前記代表心搏を作るステップと、
前記代表心搏を表示するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様3に記載の方法。
【0058】
〔実施態様5〕前記第1の切り捨てステップは、前記第1、第2、および第3のスライスの時間に、大きさの最小のものから33%だけ切り捨てることを特徴とする、実施態様4に記載の方法。
【0059】
〔実施態様6〕前記第2の切り捨てステップは、前記第1、第2、および第3のスライスの時間に、大きさの最大のものから33%だけ切り捨てることを特徴とする、実施態様5に記載の方法。
【0060】
〔実施態様7〕複数のECG波形に対応する複数の代表心搏を作成するステップをさらに備えていることを特徴とする、実施態様6に記載の方法。
【0061】
〔実施態様8〕前記代表心搏に関する測定値を得るステップをさらに備えていることを特徴とする、実施態様1に記載の方法。
【0062】
〔実施態様9〕前記代表心搏を表示するステップをさらに備えていることを特徴とする、実施態様1に記載の方法。
【0063】
〔実施態様10〕前記代表心搏および前記代表心搏に関する測定値を表示するステップをさらに備えていることを特徴とする、実施態様8に記載の方法。
【0064】
〔実施態様11〕前記複数の心搏の速さを計算するステップと、
前記代表心搏および前記複数の心搏の前記速さを表示するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様10に記載の方法。
【0065】
〔実施態様12〕前記優勢心搏を整列して整列優勢心搏を作るステップは、
整列テンプレートを作るステップと、
前記整列テンプレートを横切るように前記複数の優勢心搏からの第1の心搏をスライドさせるステップと、
前記スライドさせるステップを行いながら、前記第1の心搏と前記整列テンプレートとの間の面積差を計算するステップと、
前記面積差が最小であるときの前記第1の心搏の第1の位置を測定するステップと、
前記第1の心搏の前記第1の位置を最良の整列位置として格納するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様1に記載の方法。
【0066】
〔実施態様13〕前記複数の優勢心搏における他の心搏について、前記作る、スライドさせる、計算する、測定する、および格納する各ステップを繰り返し、それにより前記整列心搏を作るステップをさらに備えていることを特徴とする、実施態様12に記載の方法。
【0067】
〔実施態様14〕最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択するステップと、
最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形の前記サブセットの1つから前記複数の優勢心搏を選択するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様13に記載の方法。
【0068】
〔実施態様15〕最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択するステップと、
前記複数のECG波形の前記サブセットについて複数の中間整列時間を決定するステップと、
前記複数の中間整列時間を用いて前記整列心搏を補正するステップと
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様13に記載の方法。
【0069】
〔実施態様16〕ECG波形から代表心搏についての情報を作成する医用装置(10)であって、
前記ECG波形内の複数の心搏を検出する検出論理(71)と、
前記複数の心搏を優勢心搏および非優勢心搏として分類する分類論理(74)と、
前記優勢心搏を整列して複数の整列優勢心搏を作る整列論理(75)と、
前記複数の整列優勢心搏から代表心搏を作る代表心搏論理(77)であって、更に、
前記複数の整列優勢心搏を時間で区切ってスライスする手段と、
前記スライスする手段に応答して、第1のスライス時間期間に前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを決定し、それにより複数の第1の大きさを作る手段と、
前記複数の第1の大きさを最小の第1の大きさから最大の第1の大きさまで分類し、それにより分類済み第1の大きさを作る手段と、
前記複数の第1の大きさの最小のものから第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第1の切り捨て手段と、
前記複数の第1の大きさを最大のものから第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第2の切り捨て手段と、
前記第1の切り捨て手段および前記第2の切り捨て手段の後に残っている残存する第1の大きさを平均し、それにより平均の第1の大きさを作る手段と、
前記平均の第1の大きさを格納する手段と
を備えている代表心搏論理(77)と
を備えていることを特徴とする、医用装置(10)。
【0070】
〔実施態様17〕前記スライスする手段に応答して、第2のスライス時間期間において前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより第2の大きさを作る手段と、
前記第2の大きさを最小の第2の大きさから最大の第2の大きさまで分類し、それにより分類済み第2の大きさを作る手段と、
前記第2の大きさのうち最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第3の切り捨て手段と、
前記第2の大きさのうち最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第4の切り捨て手段と、
前記第3の切り捨て手段および前記第4の切り捨て手段の後に残る残存する第2の大きさを平均し、それにより平均の第2の大きさを作る手段と、
前記平均の第2の大きさを格納する手段と、
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様16に記載の医用装置。
【0071】
〔実施態様18〕前記スライスする手段に応答して、第3のN個のスライス時間期間に前記複数の整列優勢心搏の各々の大きさを格納し、それにより第3のN個の大きさを作る手段と、
前記第3のN個の大きさを最小の第3のN個の大きさから最大の第3のN個の大きさまで分類し、それにより分類済み第3のN個の大きさを作る手段と、
前記第3のN個の大きさの各々のうちの最小のものから前記第1のパーセンテージ分だけ切り捨てる第5の切り捨て手段と、
前記第3のN個の大きさの各々のうちの最大のものから前記第2のパーセンテージ分だけ切り捨てる第6の切り捨て手段と、
前記第の切り捨て手段および前記第6の切り捨て手段の後に残る残存する第3のN個の大きさを平均し、それにより平均の第3のN個の大きさを作る手段と、
前記平均の第3のN個の大きさを格納する手段と
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様17に記載の医用装置。
【0072】
〔実施態様19〕前記第1の平均の大きさ、前記第2の平均の大きさ、および前記第3のN個の平均の大きさから前記代表心搏を作る手段と、
前記代表心搏を表示する表示装置(66)と
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様18に記載の医用装置。
【0073】
〔実施態様20〕前記第1の平均の大きさ、前記第2の平均の大きさ、および前記第3のN個の平均の大きさから前記代表心搏を作る手段と、
前記代表心搏を印刷するプリンタ(47)と
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様18に記載の医用装置。
【0074】
〔実施態様21〕前記第1の切り捨て手段は前記第1、第2、および第3のN個のスライス時間期間に大きさの最小のものから33%だけ切り捨てることを特徴とする、実施態様18に記載の医用装置。
【0075】
〔実施態様22〕前記第2の切り捨て手段は前記第1、第2、および第3のN個のスライス時間期間に大きさの最大のものから33%だけ切り捨てることを特徴とする、実施態様18に記載の医用装置。
【0076】
〔実施態様23〕複数のECG波形に対応する複数の代表心搏を作る手段をさらに備えていることを特徴とする、実施態様22に記載の医用装置。
【0077】
〔実施態様24〕前記代表心搏の測定値を得るための測定論理(78)をさらに備えていることを特徴とする、実施態様18に記載の医用装置。
【0078】
〔実施態様25〕前記代表心搏を表示する表示装置(66)をさらに備えていることを特徴とする、実施態様24に記載の医用装置。
【0079】
〔実施態様26〕前記代表心搏および前記代表心搏に関する測定値を表示する表示装置(66)をさらに備えていることを特徴とする、実施態様24に記載の医用装置。
【0080】
〔実施態様27〕前記複数の心搏の速さを計算する計算論理(73)と、
前記代表心搏および前記複数の心搏の速さを表示する表示装置(66)と
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様24に記載の医用装置。
【0081】
〔実施態様28〕前記優勢心搏を整列して整列優勢心搏を作成する前記手段は、
整列テンプレートを作る手段と、
前記整列テンプレートを横切るように、前記複数の優勢心搏からの第1の心搏をスライドさせる手段と、
前記スライドさせる手段が実行されている間、前記第1の心搏と前記整列テンプレートとの間の面積差を計算する手段と、
前記面積差が最小であるときの前記第1の心搏の第1の位置を測定する手段と、
最良の整列位置として前記第1の心搏の前記第1の位置を格納する手段と
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様16に記載の医用装置。
【0082】
〔実施態様29〕前記複数の優勢心搏の他の心搏について、前記作る手段、スライドさせる手段、計算する手段、測定する手段、および格納する手段を繰り返す手段をさらに備えていることを特徴とする、実施態様28に記載の医用装置。
【0083】
〔実施態様30〕最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択する手段と、
最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形の前記サブセットの1つから前記複数の優勢心搏を選択する手段と、
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様29に記載の医用装置。
【0084】
〔実施態様31〕最適ノイズ特性を備えた前記複数のECG波形のサブセットを選択する手段と、
前記複数のECG波形の前記サブセットに対する複数の中間整列時間を決定する手段と、
前記複数の中間整列時間を用いて前記整列心搏を補正する手段と
をさらに備えていることを特徴とする、実施態様29に記載の医用装置。
【0085】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、非常にノイズの多い環境においてもECG波形から患者の代表心搏を正確に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例の医用装置のブロック図を示す。
【図2】図1の医用装置のブロック図を更に詳細に示す。
【図3】図2の医用装置の計算ユニットのプロセッサを更に詳細に示す。
【図4】本発明の好適実施例のカージオグラフの動作の流れ図を示す。
【図5】本発明の好適実施例の計算ユニットの動作の高レベル流れ図を示す。
【図6A】本発明の好適実施例のQRS検出論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図6B】本発明の好適実施例のQRS検出論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図7A】本発明の好適実施例の心搏数計算論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図7B】本発明の好適実施例の心搏数計算論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図8A】本発明の好適実施例の分類論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図8B】本発明の好適実施例の分類論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図8C】本発明の好適実施例の分類論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図9A】本発明の好適実施例の整列論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図9B】本発明の好適実施例の整列論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図10A】本発明の好適実施例の代表心搏作成論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図10B】本発明の好適実施例の代表心搏作成論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図11A】本発明の好適実施例の測定論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図11B】本発明の好適実施例の測定論理の動作の流れ図の一部を示す。
【図12】本発明の好適実施例のカージオグラフの動作の流れ図を示す。
【図13】本発明の好適実施例のQRS検出論理により使用される3つの例示ECG波形のグラフを示す。
【図14】本発明の好適実施例のQRS検出論理により使用される例示活動関数のグラフを示す。
【図15】例示分類心搏のグラフを示す。
【図16】本発明の好適実施例の整列論理により整列している例示心搏のグラフを示す。
【図17】本発明の好適実施例の代表心搏作成論理により時間分割されている例示整列心搏のグラフを示す。
【図18】測定値なしの代表心搏の印刷出力または表示を示す。
【図19】測定値のある代表心搏の印刷出力または表示を示す。
【符号の説明】
10…医用装置
20…獲得ユニット
40…カージオグラフ
60…計算ユニット
65…プロセッサ
66…表示装置
71…QRS検出論理
74…分類論理
75…整列論理
77…代表心搏論理
78…測定論理
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