JPH09181537A - 変圧器を使った電子管の結合回路 - Google Patents

変圧器を使った電子管の結合回路

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JPH09181537A
JPH09181537A JP2860397A JP2860397A JPH09181537A JP H09181537 A JPH09181537 A JP H09181537A JP 2860397 A JP2860397 A JP 2860397A JP 2860397 A JP2860397 A JP 2860397A JP H09181537 A JPH09181537 A JP H09181537A
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electron tube
tube
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Abstract

(57)【要約】 【課題】前段電子管と正電位バイアス動作の後段電子管
との電気的な結合に関する制限を取り除く。 【解決手段】電子管のコントロール・グリッドに正電位
バイアスを印加して交流信号の増巾作用を行わせる電子
管の前段交流信号源との結合に変圧器を使用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電子回路の結合方
式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子管のコントロール・グリッド
に正電位のバイアスを印加し交流信号の増巾作用を行わ
せる回路としては、前段に電子管が必要とするコントロ
ール・グリッド正電位と等価の陰極電位を与えた場合、
電子管コントロール・グリッド電流と等価の陰極電流が
流れる特性を有する結合用電子管を選定し、図1のごと
く結合してこれを行わせる公知回路、一般にダイナミッ
ク・カップルとして知られている、しか存在しなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しこの結合法に於て
は、図1にみられるごとく、常に結合用前置電子管7の
陰極電位1(以下EK1とする)と電子管8のコントロ
ール・グリッド正電位2(以下+Eg2とする)とが等
しく、又結合用電子管7を通り矢印5の方向に流れる陰
極電流3(以下Ik3とする)と矢印6のごとく流れる
電子管8のコントロール・グリッド電流4(以下Ig4
とする)とが等しいという、即ちEk1=+Eg2及びI
k3=Ig4の2条件を同時に満たす必要があるため、そ
のような条件を満たす特性を有する結合用前置電子管7
の実在性によって図1の回路で実際に使用出来る電子管
8の種類は限定をうけていた。この発明は、結合用前置
電子管7の代わりに結合回路に変圧器を用いることによ
りこの限定性をとりのぞき、どのような種類の電子管で
も任意の正電圧をコントロール・グリッドに与え任意の
グリッド電流を流した状態で使用が出来るようにしたも
のである。本発明の回路は、コントロール・グリッド正
電位領域での増巾直線性の良いB、C級増巾、出力用に
設計された電子管のシングル動作により入出力直線性の
良い交流信号増巾を行わせるのに特に有効であるが、コ
ントロール・グリッドに正電位を与えたプッシュ・プル
動作にも応用出来、この場合にはB、C級プッシュ・プ
ル増巾時に従来不可避とされたスイッチング歪の発生を
回避することが出来る。又コントロール・グリッド負電
位領域での増巾、出力用として設計された電子管のコン
トロール・グリッドに正電位を与え動作させ、低陽極電
圧、大陰極電流での使用を可能とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】図2に示すごとく前段交
流信号源9との結合に変圧器11を使用し、電子管8の
コントロール・グリッドに直流電源10により任意の価
の正電位を変圧器11の2次巻線12を通じて与える。
【0005】図1に見られるEk1=+Eg2、Ik3
=Ig4を満たす特性を有する結合用電子管の必要性を
排除したため、電子管8にはどのような種類、特性の電
子管でも使用することが出来る。又、図2に於て変圧器
11の1次側巻線13を流れる直流電流14と逆方向に
2次側巻線12にIg4が流れるように2次側巻線12
の接続を選ぶことにより変圧器11の直流磁化を軽減
し、変圧器の歪率及び周波数応答特性を改善することが
出来る。図2に前段交流信号用電源16がプラス接続の
場合変圧器11の1次側巻線13に流れる直流電流14
と変圧器11の2次側巻線12に流すIg4の各々の方
向を実線の矢印で、又その時の2次側巻線12の接続法
を実線にて示す。又、点線にて前段交流信号電源16が
マイナス接続の場合の上述の関係及び接続を示す。
【0006】
【発明の実施の形態】図3は、高周波出力、発振及びB
級増巾、出力を目的として設計された典型的な電子管の
1例、RCA−830ーB型電子管、のPLATE V
OLTS対PLATE AMPERSの特性図である。
図3にみられる通り、この種電子管は、通常A級増巾、
出力を主な目的として設計、製造されたコントロール・
グリッド負電位での動作領域が広い電子管と異なり、コ
ントロール・グリッド負電位での動作領域は狭く、逆に
コントロール・グリッド正電位での動作領域が非常に広
い。図4に本発明に基づき、この電子管、RCA−83
0ーBのコントロール・グリッドに変圧器の2次側巻線
を通じて直流電源10により正電圧を印加しIg4を流
し、前段増巾回路と結合せしめ音響用低周波増巾機の出
力管としてシングル動作で用いた実施の形態を示す。
【0007】
【発明の効果】本発明により従来適当な特性を有する結
合用前置電子管が存在しなかったため、低歪を必要とす
る音響用低周波増巾機の増巾又は出力用としてのシング
ル動作での使用が出来なかったコントロール・グリッド
正電位での動作領域の広い電子管、例えば実施の形態に
示したRCA−830ーB型電子管など、が簡単に最適
の動作条件のもとで使用出来るようになった。更に、従
来その音質上の性格の為、使用が好まれる直熱型電子管
によるシングル動作出力型の音響用低周波増巾機におけ
る欠点であった低周波出力電力の低さ、一般に最高8W
から10Wが、本発明により大出力の高周波用出力、発
振、B級増巾、出力用直熱型電子管をシングル動作で使
用し低歪の低周波出力を得ることを可能としたため従来
の限界をやぶる高出力の音響用低周波出力電力がシング
ル動作で得られるようになった。例えば実施の形態の図
4の回路に於ては最高18Wの出力電力が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の結合用前置電子管を使ったコントロール
・グリッドに正電位を印加した電子管の回路、通称ダイ
ナミック・カップル回路、である。
【図2】図1の結合用前置電子管を廃し、結合に変圧器
を使用した本発明の回路である。
【図3】実施の形態に使用した高周波出力、発振、及び
B級増巾、出力用に設計、製造された電子管の1例、R
CA−830ーB電子管、の特性図である。
【図4】本発明に基づきRCA−830ーB型電子管を
シングル動作出力管として用い高出力(最高18W)の
音響用低周波出力電力を得た回路の実施の形態である。
【符号の説明】
8…電子管;9…前段交流信号源;10…正電位バイア
ス源;11…変圧器。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 変圧器を使った電子管の結合回路
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子回路の結合
方法に関する。とくに、コントロールグリッドに正電位
バイアスを印加して交流信号の電力増幅作用を行わせる
電子管(パワー管)と前段交流信号源(ドライバ管)と
の結合に変圧器(音声周波数帯域用の磁性鉄心入りイン
ターステージトランス)を使用した結合回路に関する。
【0002】
【従来の技術】 [第1の従来技術]電子管のコントロールグリッドに正
電位のバイアスを印加し交流信号の増幅作用を行わせる
回路としては、図1に示すようなダイナミック・カップ
ルが知られている。この公知回路では、電子管8が必要
とするコントロールグリッド正電位と等価なカソード電
位を与える前置電子管7が用いられる。
【0003】その際、前置電子管7としては、電子管8
のコントロールグリッド正電位2(=+Eg)と等しい
カソード電位1(=Ek)が与えられたときに電子管8
のコントロールグリッド電流(=Ig)と等価なカソー
ド電流(=Ik)が流れるような、特別な特性を有する
結合用電子管を選定しなければならない。
【0004】図1の回路構成では、上述のような特別な
条件を満たす特性を有する結合用前置電子管7を採用し
なければならないことから実際に利用できる前置電子管
7の管種が限られるため、実際に使用出来る電子管8の
種類も限定をうけていた。
【0005】[第2の従来技術]図1の電子管8のよう
に正グリッドバイアスで動作するかの如く見受けられる
終段管を開示した例として、特公昭32ー10413号
の図2がある。この特公昭32ー10413号の図2で
は、終段管のプレートコイルに生じる高周波電圧の一部
を整流管Gで整流し、この高周波電圧に比例した負の直
流電圧を低周波変調管Mのグリッドにフィードバックし
ている(整流管Gのフィラメント側が+電圧出力になる
ので、変調管Mのグリッド帰還電圧は相対的にー電圧と
なる)。このフィードバックにより終段管が付加的に変
調されるようになっている(同公報1頁目右欄第2パラ
グラフ参照)。
【0006】特公昭32ー10413号の図2の回路構
成では、変調管Mと終段管との間に結合変圧器(図の記
号からみて鉄心入り)が挿入されている。この結合変圧
器の鉄心は、変調管Mのプレート電流および出力管のグ
リッド電流の双方により直流磁化され得ると認められる
(この公報の明細書には結合変圧器の直流磁化について
は何ら記載がないので、図2における変圧器巻線の記載
方法と、変調管プレート電流方向および終段管グリッド
電流方向から推定)。この場合、結合変圧器の鉄心が小
さく、またこの鉄心の磁気回路に磁気飽和を防ぐための
ギャップが十分に設けられていなければ、この鉄心は変
調管Mのプレート電流および出力管のグリッド電流の双
方により直流磁化され、結合変圧器の一次インダクタン
スが著しく減少する(鉄心の実効透磁率が大きく減少す
るため)。すると、この結合変圧器は低い周波数の変調
信号を通しにくくなり、終段管から出力される高周波の
変調信号の低域周波数応答が悪くなる。この低域周波数
応答を良くするには、結合変圧器を、高透磁率で飽和磁
束密度が高い大量の鉄心で構成し、かつ直流電流の重畳
による一次インダクタンスの低下を押さえるために大き
めのギャップを磁気回路に設ける必要が生じる。そうす
ると、結合変圧器が大型化し、かつかなりコストの高い
ものになる。
【0007】なお、特公昭32ー10413号の図3の
回路構成では、前段電子管Vのプレートに電源Uaのマ
イナスが印加されており、前段電子管Vにより通常の交
流信号増幅(リニア増幅)が行われるとは認められな
い。(電子管がリニア増幅動作するためには、カソード
あるいはフィラメントに対してプレートが必ず正電位に
なっている必要がある。)同様に、終段電子管Eのプレ
ートにも電源Uaのマイナスが印加されており、終段電
子管Eにより通常の交流信号増幅が行われるとは認めら
れない(この電源極性については、この公報の図2にも
同様な疑問がある)。
【0008】もし、この公報図面では電池記号の太く短
い方が+であると解釈するなら、図3の終段電子管Eの
グリッドバイアスーUaの電池記号の細く長い方がーと
なる。その場合は、終段電子管Eは一般的な負バイアス
動作となる。そうであれば、電子管Eに僅かなグリッド
リーク以上の直流グリッド電流が流れることは無いか
ら、電子管Vと電子管Eとの間の結合変圧器の一次電流
による直流磁化がその二次直流電流(電子管Eのグリッ
ド電流)によりキャンセルされるという状態は起き得な
い。電子管Eのグリッドに大きな電流が流れるとすれ
ば、それは結合変圧器の二次巻線に大振幅交流電圧の+
ピークが加わったときだけであるが、このような状態
は、「結合変圧器の一次電流による直流磁化がその二次
直流電流によりキャンセルされる」という状態とは違
う。
【0009】また、この公報の図3の結合変圧器は、一
次側にキャパシタによる共振回路(タンク回路)が形成
されていることと明細書記載が高周波を扱っていること
から明らかなように、「高周波」信号の伝送用変圧器で
ある。つまりこの変圧器は鉄心入りである必要は必ずし
も無い(図面記号からは空芯コイルの高周波トランスの
ように見受けられる)。仮にこの変圧器が鉄心(高周波
用フェライトコア)入りであっても、その一次巻線は、
タンク回路の高周波共振周波数を確保するためにミリヘ
ンリー以下の小さなインダクタンスを与えるような少巻
数のコイルで構成される。その場合、前段電子管Vのミ
リアンペアオーダのプレート電流では一次巻線の起磁力
が極めて小さく、変圧器鉄心の直流磁気飽和に起因する
低周波応答劣化の問題は、(少なくともこの公報が扱う
高周波信号領域では)考えられない。
【0010】[第3の従来技術]明らかに「負」のグリ
ッドバイアスで動作する終段管を開示した例としては、
特開昭58ー196705号の図2がある。
【0011】この特開昭58ー196705号の図2の
回路構成では、鉄心入り結合トランスTの二次巻線が
「負バイアス」された出力管V2のグリッドに直結され
ている。このため、トランスTの二次巻線には、負バイ
アスされた電子管のグリッドリークレベルの直流電流
(通常は数μA〜数10μA以下)しか流れない。
【0012】これに対して、トランスTの一次巻線には
駆動管V1のプレート直流電流(数mA〜数十mA)が
流れる。つまり、一次巻線直流電流と二次巻線直流電流
は、三桁も電流値が違う。通常、低周波用結合トランス
では一次〜二次の巻数比はせいぜい10程度以下である
から、電流が三桁も違うと、結合トランスTの鉄心の磁
気飽和の程度を減らす作用効果(一次直流電流による磁
化を二次直流電流でキャンセルする作用効果)は実質的
に得られない。
【0013】上述のような作用効果をもたらすために、
結合トランスTの巻数比、一次〜二次の電流値および一
次〜二次の電流方向をどのように設定すべきかについて
の記載は、特開昭58ー196705号には一切ない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭32ー10
413号または特開昭58ー196705号の構成にお
いて、そこで使用される結合トランスを、良好な低域応
答を確保するために比較的大きな一次インダクタンスを
持つ低周波用トランスに置換した場合を考えてみる。こ
の場合、そのトランスの鉄心の磁気回路に磁気飽和を防
ぐためのギャップが十分に設けられていなければ、この
鉄心は前段駆動管のプレート電流により直流磁化され、
結合トランスの一次インダクタンスが著しく減少する。
すると、この結合トランスは低い周波数の変調信号を通
しにくくなり、その低域周波数応答が悪くなる。この低
域周波数応答を良くするには、結合トランスを、高透磁
率で飽和磁束密度が高い大量の鉄心で構成し、かつ直流
電流の重畳による一次インダクタンスの低下を押さえる
ために大きめのギャップを磁気回路に設ける必要が生じ
る。そうすると、結合トランスが大型化し、かつ高価な
ものになる。
【0015】この発明の目的は、図1に例示したような
結合用前置電子管7を用いる代わりに結合用変圧器を用
い、どのような種類の電子管8に対しても任意の正電圧
をコントロールグリッドに与え任意のグリッド電流を流
した状態で使用出来るようにした、変圧器を使った電子
管の結合回路を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明では、一次巻線(13)およびこの一次巻
線(13)に交流的に結合される二次巻線(12)を持
つ変圧器(図2の11)と;前記変圧器(11)の一次
巻線(13)を介して第1の直流電源(16)に接続さ
れ、交流成分が重畳される第1の直流電流(14)を前
記変圧器(11)の一次巻線(13)に流す前段交流信
号源(9)と;前記変圧器(11)の二次巻線(12)
を介して第2の直流電源(10)に接続され第2の直流
電流(4)を前記変圧器(11)の二次巻線(12)に
流すグリッドと、所定の負荷(18)を介して第3の直
流電源(17)に接続され前記変圧器(11)の二次巻
線(12)に生じる電圧変化に対応して変化する第3の
電流(19)を前記負荷(18)に流すプレートとを有
する電子管(8)とを備えた回路構成において、前記変
圧器(11)の一次巻線(13)に流れる前記第1の直
流電流(14)により生じるところの前記変圧器(1
1)の直流磁化の程度が打ち消され若しくは軽減される
ように、前記変圧器(11)の二次巻線(12)に対し
て前記第2の直流電流(4)が流れる方向が決定されて
いる。
【0017】ここで、前記第2の直流電源(10)の前
記変圧器二次巻線(12)に対する接続極性(グリッド
側+)は、前記電子管(8)のグリッドがそのカソード
若しくはフィラメントに対して正電位にバイアスされる
ように決定される。
【0018】他方、上記目的を達成するために、この発
明では、第1の直流電流(Ig=9mA)が流れるグリッド
と、負荷素子(X3.5S)に接続されるプレートと、前記
グリッドおよびプレートに流入する電流が流れ込むフィ
ラメント若しくはカソードとを持つ電子管(図4の8)
と;前記電子管(8)のグリッドを、そのフィラメント
若しくはカソードに対して正電位にバイアスするバイア
ス手段(10)と;前記電子管(8)のグリッドおよび
前記バイアス手段(10)に接続されるものであって前
記第1の直流電流(Ig=9mA)が通過する二次巻線(G
ーF)と、この二次巻線(GーF)に交流的に結合される
一次巻線(PーB)とを有する低周波変圧器(NC10)と;
前記低周波変圧器(NC10)の一次巻線(PーB)の一方端
(P)に接続される出力電極(6F6のプレート)と、信号
入力を受ける入力電極(6F6のグリッド)とを有する能
動素子(6F6)と;前記低周波変圧器(NC10)の一次巻
線(PーB)の他方端(B)に接続され、前記能動素子(6
F6)の出力電極(6F6のプレート)側に第2の直流電流
(Ip=23mA)を供給する手段(16)とを備えた回路構
成において、前記第2の直流電流(Ip=23mA)により前
記低周波変圧器(NC10)の一次巻線(PーB)が作り出す
直流磁化状態が、前記第1の直流電流(Ig=9mA)によ
り前記低周波変圧器(NC10)の二次巻線(GーF)が作り
出す直流磁場でもって打ち消され若しくは低減されるよ
うに、前記低周波変圧器(NC10)の一次および二次巻線
(PーB,GーF)に対する前記第1および第2の直流電流
(Ig,Ip)の流入方向が決定されている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の一実施の形態に係る変圧器を使った電子管の結合回路
を説明する。なお、重複説明を避けるために、複数の図
面に渡り機能上共通する部分には共通の参照符号が用い
られている。
【0020】図2〜図4は、この発明の一実施の形態に
係る変圧器を使った電子管の結合回路を説明するための
図である。
【0021】図2に示すように、前段交流信号源9と後
段電子管8との結合には変圧器11が使用されている。
すなわち、電子管8のコントロールグリッドには、変圧
器11の二次巻線12を介して直流電源10から、任意
の値の正電位が与えられる。電子管8のプレートには、
負荷素子18(出力トランスなど)を介して、直流電源
17の高圧正電位が印加される。負荷素子18を通して
電源17から電子管8のプレートに流れるプレート電流
19の大きさは、変圧器11の二次巻線12に誘起され
る電圧に対応して変化する。
【0022】図2において、前段交流信号用電源16が
プラス接続(グランドに対する電源出力がプラス)の場
合は、変圧器11の一次側巻線13に流れる直流電流1
4と変圧器11の二次側巻線12に流れるグリッド電流
4の各々の電流方向および配線は実線矢印のようなる。
【0023】また、図2において、前段交流信号用電源
16がマイナス接続(グランドに対する電源出力がマイ
ナス)の場合は、変圧器11の一次側巻線13に流れる
直流電流14と変圧器11の二次側巻線12に流れるグ
リッド電流4の各々の電流方向および配線は破線矢印の
ようなる。
【0024】図2の実施形態では、前段交流信号源9と
電子管8のコントロールグリッドとが変圧器11により
直流的に切り離されているから、図1の説明で述べた条
件「Ek=+Eg」および「Ik=Ig」を満たす特性
を有する結合用電子管を前段交流信号源9に用いる必要
はなくなる。そのため、電子管8にはどのような種類、
特性の電子管でも使用できるようになる。
【0025】また図2において、変圧器11の一次側巻
線13を流れる直流電流14と逆方向に二次側巻線12
へ直流グリッド電流4が流れるように二次側巻線12の
接続を選ぶことにより、変圧器11の鉄心(図の変圧器
記号中では縦棒2本が鉄心入り変圧器であることを示し
ている)の直流磁化を軽減し(あるいは打ち消し)てい
る。これにより、変圧器の鉄心が磁気飽和しにくくな
り、かつその一次インダクタンスを大きく取ることが可
能となって、変圧器の歪率及び周波数応答特性を改善す
ることが出来る。
【0026】高周波出力・発振及びB級増幅・出力を目
的として設計された典型的な電子管の1例として、図3
に、RCA−830ーB型電子管のプレート電圧(PL
ATE VOLTS)対プレート電流(PLATE A
MPERS)の特性図を示す。
【0027】A級増幅・出力を主な目的として設計・製
造された電子管(コントロールグリッド負電位での動作
領域が広い)と異なり、図3にみられるように、この種
電子管は、コントロールグリッド負電位での動作領域は
狭く、逆にコントロールグリッド正電位での動作領域が
非常に広い。
【0028】図4は、この発明に上述したような特性の
電子管「RCA−830B」を適用した場合を示す。こ
こでは、電子管8(RCA−830B)のコントロール
グリッドに変圧器11の二次側巻線12を通じて直流電
源10から正電圧を印加してグリッド電流Ig4を流し
つつ、前段増幅回路(電子管6F6)と結合せしめて、
オーディオ用低周波増幅器の出力管として電子管8(R
CA−830B)をシングル動作で用いた回路例を示
す。この回路によれば、最高18Wの出力電力が得られ
る。
【0029】この発明の回路は、コントロールグリッド
正電位領域での増幅直線性の良いB級・C級の増幅・出
力用に設計された電子管8のシングル動作により、入出
力直線性の良い交流信号増幅を行わせるのに特に有効で
ある。が、この発明の回路はコントロールグリッドに正
電位を与えたプッシュプル動作にも応用できる。この場
合にはB、C級プッシュプル増幅時に従来不可避とされ
たスイッチング歪の発生を回避することが出来る。
【0030】またこの発明によれば、コントロールグリ
ッド負電位領域での増幅・出力用として設計された電子
管のコントロールグリッドに正電位を与え動作させ、低
プレート電圧・大カソード電流(大プレート電流)での
使用も可能となる。
【0031】
【発明の効果】この発明により、従来適当な特性を有す
る結合用前置電子管が存在しなかったため、低歪を必要
とするオーディオ用低周波増幅器の増幅又は出力用とし
てのシングル動作での使用が出来なかったコントロール
グリッド正電位での動作領域の広い電子管(例えばRC
A−830B型電子管)が、簡単に最適の動作条件のも
とで使用出来るようになる。
【0032】更に、その音質上の性格から使用が好まれ
る直熱型電子管によるシングル動作出力型のオーディオ
用低周波増幅器における欠点であった低周波出力電力の
低さ(通常はせいぜい8W〜10W程度)が、この発明
により解消される。すなわち、大出力の高周波用出力、
発振、B級増幅、出力用に設計された直熱型電子管をシ
ングル動作で使用し低歪の低周波出力を得ることを可能
としたため、従来のシングル増幅器の限界を破る高出力
のオーディオ用低周波出力電力が、シングル動作で得ら
れるようになる(例えば図4の例では最高18Wの出力
電力が得られる)。
【図面の簡単な説明】
【図1】結合用前置電子管を使いコントロールグリッド
に正電位を印加する通称ダイナミック・カップル回路
(公知)を説明する回路図。
【図2】この発明の一実施の形態に係るものであって、
図1の結合用前置電子管を廃し、代わりに結合用変圧器
を使用した回路図。
【図3】この発明に使用できる高周波出力、発振、およ
びB級増幅、出力用に設計・製造された電子管の1例
(RCA−830B)の特性図。
【図4】後段電子管(出力管)にRCA−830B型電
子管をシングル動作で用いたオーディオ用低周波電力増
幅回路の具体例を示す回路図。
【符号の説明】 8…後段電子管またはパワー管(830B);4…後段
電子管のグリッド電流Ig;19…後段電子管のプレー
ト電流Ipp;9…前段交流信号源または前段電子管あ
るいはドライバ管(6F6);14…前段電子管のプレ
ート電流(第1の直流電流)Ip;10…後段電子管グ
リッド電流供給直流電源(第2の直流電源);11…低
周波変圧器(NC−10);12…変圧器の二次巻線;
13…変圧器の一次巻線;16…第1の直流電源(B+
230V);17…第3の直流電源(B+480V);
18…負荷(出力変圧器;X−3.5S)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子管のコントロール・グリッドに正電位
    バイアスを印加して交流信号の増巾作用を行わせる電子
    管の前段交流信号源との結合に変圧器を使用した結合回
    路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58196705A (ja) * 1982-05-11 1983-11-16 Kazutoshi Yamada 音声用真空管増幅器

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