JPH09183239A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH09183239A
JPH09183239A JP7354115A JP35411595A JPH09183239A JP H09183239 A JPH09183239 A JP H09183239A JP 7354115 A JP7354115 A JP 7354115A JP 35411595 A JP35411595 A JP 35411595A JP H09183239 A JPH09183239 A JP H09183239A
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recording
dye
head
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recording material
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JP7354115A
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Inventor
Toru Tanigawa
徹 谷川
Minoru Kono
稔 河野
Hiroyuki Mihashi
裕之 三橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛翔した染料の転写効率を高めて、飛翔した
染料が最大限印画に寄与し、高階調性で高解像度の記録
ヘッドを提供すること。 【解決手段】 記録ヘッド25を下向きに配置し、ベース
10の一端10aを被記録体20に常時接触させて走査させ、
これにより、記録ヘッド25の染料飛翔部5の面が被記録
体20に対して特に14度の傾斜角を形成すると共に、染料
飛翔部5と被記録体20との間隔を一定に保つように構成
すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置に関し、
特に、印画紙等の被記録体に対向する記録ヘッドと、気
化性染料等の記録材を前記被記録体へ飛翔させるための
記録材飛翔部とを有するプリンタヘッド又はプリンタに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。
【0003】これに対応して、昇華型熱転写方式、溶融
熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式、熱現
像銀塩方式等のカラーハードコピー方式が提案されてい
る。これらの中で、高画質の画像を簡単な装置で容易に
出力する方式としては、染料拡散熱転写方式(昇華型熱
転写方式)とインクジェット方式とに大きく分類でき
る。
【0004】これらの記録方式の中で、染料拡散熱転写
方式によれば、適当なバインダ樹脂中に高濃度の転写染
料(以下、記録材と称することがある。)が分散してな
るインク層が塗布されたインクシートと、転写された染
料を受容する染着樹脂がコーティングされた印画紙等の
被転写体とを一定の圧力で密着させ、インクシート上に
位置する感熱記録ヘッドから画像情報に応じた熱を加
え、この加熱に応じてインクシートから染料受容層に転
写染料を熱転写させている。
【0005】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号
について夫々繰り返すことによって、フルカラー画像を
得るようにした所謂熱転写方式は、即時性を備え、銀塩
カラー写真並の高品位な画像を得る優れた技術として注
目を集めてはいる。
【0006】図56は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。このプリンタによれば、感熱
記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称する。)70とプ
ラテンローラ71とが対向し、これらの間に、ベースフィ
ルム72b上にインク層72aを設けたインクシート72と、
紙20b上に染着樹脂層(染料受容層)20aを設けた被記
録紙(被転写体)20とが挟着された状態で、プラテンロ
ーラ71によってサーマルヘッド70に押し付けられて走行
する。
【0007】そして、サーマルヘッド70によって選択的
に加熱されたインク層72a中のインク(転写染料)が被
転写体20の染着樹脂層20aにドット状に転写され、熱転
写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一般
に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直交
させ固定して配したライン方式や、サーマルヘッドを記
録紙走行方向に直交する方向に往復動させるシリアル方
式が採用されている。
【0008】しかし、この方式はインクシートの使い捨
てに起因する多量の廃棄物の発生と、高いランニングコ
ストが大きな欠点であり、その普及が妨げられている。
これは、溶融熱転写方式でも同様である。
【0009】その上、フルカラーの記録にあっては、記
録紙に一旦付着した特定色のインクが他の色のインクシ
ートに逆転写されることがあり、混色を起こして濁った
画像になるという記録結果が得られるおそれがある。
【0010】また、熱現像銀塩方式も高画質であるが、
やはり専用印画紙と使い捨てのリボン又はシートを使用
するために、ランニングコストが高く、装置コストも高
い。
【0011】一方、インクジェット方式は、特公昭61
−59911号公報や特公平5−217号公報等に示さ
れるように、画像情報に応じて、静電引力方式、連続振
動発生方式(ピエゾ方式)、サーマル方式(バブルジェ
ット方式)等の方法で、記録液の小滴を記録ヘッドに設
けられたノズルから飛翔させ、記録部材に付着せしめ、
記録を行うものである。
【0012】従って、普通紙転写が可能であり、インク
リボンを使用する場合のような廃棄物の発生がほとんど
なく、ランニングコストは低い。最近では、特にサーマ
ル方式が簡易にカラー画像を出力できることから、普及
が拡大している。
【0013】しかし、インクジェット方式は、画素内の
濃度階調が原理的に困難であり、染料拡散熱転写方式で
得られるような、銀塩写真に匹敵する高画質な画像を短
時間で再現することは困難である。
【0014】即ち、従来のインクジェット記録では、イ
ンクの1液滴が1画素を形成するので、原理的に画素内
階調が困難であり、高画質の画像形成ができない。イン
クジェットの高解像度を利用して、デイザ法による疑似
階調の表現も試みられているが、昇華型熱転写方式と同
等の画質は得られず、さらに転写速度は著しく低下して
いる。
【0015】他方、電子写真方式は、ランニングコスト
が低く、転写速度も高いが、装置コストが高い。
【0016】上記のように、画質、ランニングコスト、
装置コスト、転写時間等の要求を全て満たす記録方法は
存在しなかった。
【0017】
【発明に至る経過】本出願人は、上記の問題点を解消し
た記録方法及び記録装置を、特開平7−89107号公
報において提案している。この先願発明は、加熱源(例
えば半導体レーザ)により生ずる熱を記録材に付与して
この記録材を加熱するのに用いられ、かつこの記録材を
支持する熱媒体(例えばカーボン微粒子とバインダとか
らなる或いはニッケル−コバルト合金薄膜からなる光熱
変換体)を有し、前記記録材と被記録体との間隙を1〜
100 μmに保持し、前記熱媒体を介して前記記録材を加
熱することにより、前記記録材を気化又は昇華させて前
記被記録体に移行させるものである。
【0018】即ち、この先願発明による熱転写記録方式
では、具体的には、プリンタの記録材加熱部に多孔質構
造を形成し、この多孔質構造によって加熱部(転写部)
の表面積を増加させ、記録液を毛細管現象により記録液
加熱部へと常時供給し、かつそこに保持することがで
き、この状態で加熱手段(例えば、レーザー光)により
記録情報に応じた熱量を選択的に加えることによって記
録液の一部を蒸発させ、カラービデオカメラ等で作成さ
れた電気的な画像に対応した記録情報に応じた量の記録
材を微小な蒸気又は液滴にして被記録体へ移行させ、こ
の被記録体上に転写することができる。
【0019】従って、公知のインクジェット方式と比較
して、小さいサイズの液滴を多数形成でき、かつ記録液
加熱部への記録情報に対応した加熱エネルギーに応じて
液滴の生成数を自由に制御することができるので、多値
濃度階調が可能になり、銀塩方式の画像と同等若しくは
それ以上の画質を持つ記録(例えばフルカラー画像)を
得ることができる。
【0020】また、この記録方式は、染料の気化又は昇
華を利用したものであるために、従来の熱転写方式のよ
うに被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、イン
クシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もな
く、インクシート(又はリボン)が不要となり、この点
でもプリンタの小型化、軽量化、廃棄物の減少に有利で
ある。そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しな
いために、それらの間で熱融着や前述した逆転写による
混色が起こり得ないだけではなく、染料と受容層樹脂の
相溶性が小さくても記録可能である。従って、染料及び
受容層樹脂の設計、選択の幅が著しく広がる。
【0021】また、この記録方式に適した転写染料は、
適当な気化速度又はアブレーション速度を有し、単独若
しくは混合状態で 200℃以下において流動状態を示し、
かつ必要十分な耐熱性を具備していれば、どのような染
料でもよい。具体的には、分散染料、油溶性染料、塩基
性染料、酸性染料などが挙げられる。融点が室温以上に
ある染料でも、染料同士を混合することにより、或いは
染料と揮発性の低分子量物質を混合することにより、融
点は低下する。
【0022】また、この記録方式に適した印画紙は、転
写染料と適当な相融性を有し、転写染料を容易に受容し
て染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用が
あれば、どのような印画紙でもよい。例えば、分散染料
に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を表面にコ
ートした紙などが好ましい。印画紙に転写された染料の
定着は、転写後の画像を加温して、表面の転写染料を受
容層内部に浸透させる方式も可能である。
【0023】このように、この熱転写記録方式は、小型
化、保守容易性、即時性、画像の高品位化、高階調性等
の特徴を有している。
【0024】更に、本出願人は、上記した如き熱転写記
録方式の利点を生かしつつ、インクリボンを不要にし、
プリンタを小型、軽量化した加熱気化型プリンタを特開
平7−89108号公報において提案している。
【0025】この先願発明は、固形気化性染料を収納す
る染料収納部と、その染料収納部内の固形気化性染料を
加熱液化し、保温しながら複数の気化部へ導く液体気化
性染料導入部とを有し、各気化部に導かれた液体気化性
染料を加熱気化させて印画紙に熱転写させるプリンタで
あって、前記固形気化性染料を加熱液化し、保温する加
熱手段と、前記加熱気化させる加熱手段との2以上の加
熱手段を設けたことを特徴とする加熱気化型プリンタに
係るものである。
【0026】この先願発明では、特に、上記加熱手段を
通電によるヒータとするのが好適である。このように、
前述したレーザ光に替えてヒータを熱源に採用すること
により、装置のコストダウンを図れるという利点があ
る。
【0027】しかしながら、上述した各先願発明による
記録ヘッドは、優れた特徴を有しているものの、本発明
者は更に検討を重ねた結果、なお改善すべき問題点を有
していることを発見した。
【0028】即ち、これらの記録ヘッドは、前述したよ
うに、染料飛翔部に対して記録情報に応じた熱量を選択
的に加えることによってその染料飛翔部に保持された染
料の一部を蒸発させ、記録情報に応じた量の染料を気化
し、微小な蒸気又は液滴にして被記録体へ移行させて被
記録体に転写するが、このようにして気化し、飛翔する
微小な蒸気はその飛翔距離に応じて拡散しながら移行す
ることが分かった。
【0029】このため、印画中に記録ヘッドの染料飛翔
部と被記録体との距離が変化すると、転写される画像の
解像度が変化し易くなる。従って、被記録体上に高解像
度の記録画像を得るためには、染料飛翔部と被記録体と
の間隔をできるだけ近接させ、かつ一定間隔に保つこと
が必要である。しかし、上述の記録ヘッドでは、この間
隔を近接させて一定間隔に保つための有効な対策を講じ
てはいなかった。
【0030】また、染料を上方へ飛翔させて被記録体に
転写するように記録ヘッドを配置した場合には、気化
し、飛翔した染料が十分に被記録体に到達できず、光学
濃度を十分に高められないことがある。これは、気化し
た染料が上方へ数μm飛翔すると、周囲の空気によって
急冷され、凝集して染料飛翔部及びその周辺に落下し易
いためである。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような事情に鑑みてなされたものであって、上記のよ
うに飛翔した記録材の転写効率を高め、高解像度で転写
濃度を向上させ、階調性にも優れる高品質な記録を得る
記録装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明者は、記録材飛翔
部と被記録体との間隔を保持するための効果的な手段に
ついて鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達したもので
ある。
【0033】即ち、本発明は、被記録体に対向する記録
ヘッドが、記録材を前記被記録体へ飛翔させるための記
録材飛翔部を有し、前記記録ヘッドが前記被記録体に対
して相対的に傾斜して接触し、この接触によって前記記
録材飛翔部と前記被記録体とが所定の間隔に保持される
ように構成した記録装置に係るものである。ここで、
「記録装置」とは、後述するプリンタヘッドのみなら
ず、これを組み込んだプリンタも包含する概念である。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に基づく記録装置におい
て、前記記録材飛翔部側において記録ヘッドが前記被記
録体に対して所定の傾斜角度をなして接触するように構
成することが望ましい。
【0035】そして、前記記録材飛翔部側に向けて前記
記録ヘッドと前記被記録体との間隙が漸次狭くなるよう
に、前記記録ヘッドが前記被記録体と接触することが望
ましい。
【0036】この場合、前記記録ヘッドが前記被記録体
と対向する側において、前記記録ヘッドと前記被記録体
との接触位置から前記記録材飛翔部とは反対側へ離れる
に従って前記記録ヘッドと前記被記録体との間隙が大と
なっていることが望ましい。
【0037】また、前記記録ヘッドが前記被記録体に対
して相対的に摺動し、例えば、前記被記録体に対して前
記記録ヘッドの前記記録材飛翔部を下向きに対向させて
記録を行うように構成することが望ましい。
【0038】そして、前記記録ヘッドが、前記記録材を
供給するための共通の記録材供給路と、この供給路から
分岐して前記記録材飛翔部へ前記記録材を供給するため
の分岐路とを有していることが望ましい。
【0039】この場合、前記の共通の記録材供給路が前
記記録ヘッド本体とこれに設けたカバー部との間に形成
され、前記記録ヘッド本体と前記カバー部との間に複数
の隔壁が設けられ、これらの隔壁間に前記分岐路が形成
されていることが望ましい。
【0040】また、前記記録材飛翔部に、前記記録材を
加熱して飛翔させるための加熱手段が設けられ、例え
ば、加熱手段が高抵抗体と、これに通電するための一対
の電極とによって構成されていることが望ましい。
【0041】この場合、前記高抵抗体及び前記一対の電
極が前記隔壁下の記録ヘッド本体表面上に設けられ、例
えば、前記一対の電極が前記記録ヘッド本体の一端側に
導出され、これらの導出部の一方が記録ヘッド駆動回路
に接続されていることが望ましい。
【0042】この場合、前記記録ヘッド本体と、前記記
録ヘッド駆動回路部を有するプリント基板とがベース材
に固定されていることが望ましい。
【0043】また、前記記録材飛翔部が多孔性構造体を
有していることが望ましい。
【0044】また、前記の共通の記録材供給路へ前記記
録材を供給するための記録材貯留部を前記記録ヘッド本
体に有していることが望ましい。
【0045】または、前記記録材貯留部と前記記録ヘッ
ド本体との間に記録材供給管が設けられ、この供給管を
介して前記記録材を供給するようにしてもよい。
【0046】また、本発明の記録装置は、前記記録録材
が気化又はアブレーションして、前記記録材飛翔部と非
接触状態で対向配置された前記被記録体へ飛翔するよう
にした記録装置として好適である。
【0047】
【実施例】以下、本発明による実施例を詳細に説明す
る。
【0048】図1は、本発明の第1の実施例による非接
触方式の染料飛翔型プリンタヘッドの断面図である。
【0049】本実施例によるプリンタヘッド25は、ベー
ス10の上にプリント基板12とヘッドチップ1とが並置し
て接着され、その上にカバー18が設けられている(図3
の斜視図参照)。図示の如く、記録ヘッド25は下向きに
配置され、記録ヘッド25が被記録体29に対して傾斜角θ
(ここでは特にθ=14度)をなすように、ベース10の一
方の端部10aが被記録体20に接触している。
【0050】そして、ベース10のプリント基板12の取付
け部は、プリント基板12の厚さ分だけ薄く形成され、そ
こにプリント基板12を取り付けた状態で、プリント基板
12上に実装されている発熱体駆動用のICチップ16を含
む高さが、プリント基板12に並列して取り付けられてい
るヘッドチップ1の上面とほぼ同じ高さとなっている。
【0051】図1及び図2(a)に示すように、プリン
ト基板12にはベース10を貫通した染料導入孔13が設けら
れ、液状の染料47はベース10側からカバー18とベース10
との間に導入される。そして、プリント基板12の一部及
びヘッドチップ1の一部を覆うようにカバー18が接着、
封止され、このカバー18の内面が染料導入孔13から導入
される染料47を受けて、後述する分岐路7へ染料47を供
給する共通の染料供給路19を形成している。
【0052】そしてこのカバー18は、図1及び図3に示
すように、被記録体20に対向する面に傾斜面18aが形成
された断面になっており、またその側面は壁面を形成し
ていて、全体として箱形になっている。そして、その先
端はヘッドチップ1に密着し、プリント基板12及びヘッ
ドチップ1へのカバー18の接着面は接着剤によって封止
され、染料47が漏出しないようになっている。図1にお
いて、実線の矢印Dは印画時のヘッド走査方向を、破線
の矢印D’は戻り時のヘッド走行方向を示している。
【0053】ベース10側から染料導入孔13へ染料47を導
入する方法としては、図2(a)のように、ベース10の
背部に例えば着脱式の染料貯留槽22が取り付けられ、こ
の貯留槽22内の染料47が重力で自動的に染料導入孔13を
経由して共通の染料供給路19の中へ注がれる。
【0054】なお、染料貯留槽22の底壁を仮想線で示す
ように薄板状にして傾斜させて内部を断面矩形状にし、
非記録動作中に記録ヘッド25を逆方向に傾け、内部に残
留する染料47を染料導入孔13からカバー18内に供給して
これを記録に供することができる。
【0055】また、図2(a)に仮想線で示すように、
染料貯留槽23を記録ヘッド25から離れた場所に設けて、
貯留槽23と染料導入孔13とを結ぶ可撓性の導管24を介し
て染料47を供給するようにしてもよい。
【0056】図2(b)は、図2(a)におけるb部の
拡大断面図である。図2(b)に示すように、共通の染
料供給路19から供給される染料47は、ヘッドチップの基
板11上に分岐路壁としての第1隔壁2A及び蓋3により
形成されたスリット状の微細空間の分岐路7の中へ分配
されて矢印のように導かれ、毛細管現象によって図2
(b)に示す矢印のように小円柱体4群からなる染料収
容部5aの中へ吸引され、収容、保持される。そして、
この小円柱体4群の先端が染料飛翔部5となる。
【0057】染料飛翔部5においては、幅及び径が10μ
m以下(例えば、1〜4μm)、間隔が10μm以下(例
えば、1〜4μm)、高さが20μm以下(例えば、1〜
10μm)の微細な小円柱体4の群からなる多孔質構造が
例えばSiO2 により形成され、毛細管現象によりこの
小円柱体4群が染料47を保持・収容する収容部5aを構
成している。そして、ここに収容された染料47は後述す
るヒータにより加熱されて飛翔する構造になっている。
【0058】染料47は、上記した共通の染料供給路19か
ら分岐した複数の分岐路7を経由して供給される。そし
て、この分岐路7は、厚さが50μm以下(例えば、10〜
30μm)のドライフィルム(例えば、シートレジスト)
からなる第1隔壁2Aと、この上に被せた厚さが 100μ
m以下(例えば、20〜30μm)のニッケルシートからな
る蓋3と、厚さが5mm以下(例えば、 0.2〜1mm)のシ
リコンからなる基板11とによって形成されており、図2
(b)に示すようなスリット状の隙間として形成されて
いる。
【0059】図4は、ベース10が被記録体20に接触する
接触部10a付近を抽出して示す拡大図である。このよう
に、ベース10の一部を被記録体20に所定の角度θを保っ
て接触させることにより、染料飛翔部5はその中心21の
位置において被記録体20との間に常に一定の間隔を保持
することになる。
【0060】そして、上記のような傾斜及び間隔を形成
するために、ヘッドチップ1の基板11の上に積層されて
いる第1隔壁2A及び蓋3は、基板11からみて高位置に
あるものほど、その端部エッジが染料飛翔部5から離れ
て形成されている。即ち、染料飛翔部中心21とヘッドチ
ップ1の基板11の端との距離l1 = 100μmであり、第
1隔壁2Aの端は染料飛翔部中心21から距離l2 =100
μm、蓋3の端は第1隔壁2Aの端から距離l3 =100
μmとそれぞれ後退した位置に存在するように形成され
ている。
【0061】このように、染料収容部5aを密閉されな
い開放端とすることで染料収容部5aの染料の液面をコ
ントロールし、染料が供給過剰になることを防いでい
る。ここに染料が必要以上に供給されると、染料を気化
するのに要する後述するヒータへのエネルギーが大きく
なり、転写効率が低下してしまう。また、第1分岐路壁
2A及び蓋3の端部位置を基板面からの高さが高いもの
ほど気化部(即ち上記の中心21)から遠ざけることによ
って、ヘッドと被記録体20を対向させた際の接触を防い
でいる。
【0062】このような対策がとられていることによ
り、本実施例の記録ヘッド25は、図4に示すように、被
記録体20に対して所定の角度(θ)=14度で傾斜してい
ても、ヘッドチップ1が被記録体20に接触することはな
い。
【0063】図4において、ベース10の端からヘッドチ
ップ1の端までの距離l4 =1750μm、ヘッドチップ1
の基板11の厚さl5 =410 μm(基板11とベース10との
図示しない接着剤層厚10μmを含む。)である。そし
て、更に、後述するシリコン基板上に形成されたヒータ
上部の上記した染料飛翔部5と被記録体20との距離r
(図6参照)が50μmになるように、ベース10と被記録
体20との角度θを14度に保持している。図5は、説明の
都合上、図4を上下逆に示したものである。
【0064】従って、前記したように染料飛翔部中心21
と基板11との距離l1 は 100μmであるので、(l5
r)/(l4 +l1 )= tanθの関係から、θ=14度が
決まることになる。換言すれば、この角度θを決めれ
ば、 tanθの値によって上記した染料飛翔部5と被記録
体20との間隔を常に所望の(ここでは50μm)距離に設
定することができる。なお、図4においても、実線矢印
Dは記録ヘッドの走行方向、破線矢印D’は戻りの方向
を示している。そして、1ラインの印画後は、記録ヘッ
ドは図20におけるX方向へ移動し、次のラインの印画を
行う。
【0065】図6は、図5のB部の拡大断面図である。
上記したように、染料飛翔部5と被記録体20との間隔は
任意に設定することはできるが、後述するデータから、
染料の飛翔半径rを特に50μmに設定すると、記録され
た画像の解像度、光学濃度及び階調性のすべてが良好と
なる。この間隔(半径r)が50μmを超える場合は、気
化して飛翔した染料粒がサブミクロンオーダと極めて小
さいために拡散し易くなり、従って、印画された画像の
光学濃度は薄くて階調性や解像度も悪くなる傾向があ
る。また、間隔(半径r)が50μm未満の場合には、形
成されるドット径が小さくなるため、解像度に対して適
正なドット径にならず、必要以上の隙間が生じるので光
学濃度の低下をもたらす。
【0066】本実施例では、上記の間隔(r)を特に50
μmとしたことにより、後述するように、84.7μmのド
ット間隔(隣接する発熱部間のピッチ)を実現したこと
の相乗効果によって、 300DPIの安定したドット密度
を実現し、優れた階調性、光学濃度、解像度を得てい
る。
【0067】一般に、この種の記録ヘッドの場合、プリ
ンタに組み込む際に染料飛翔部5と被記録体20との間隔
を調整するが、本実施例では、前述したように、ベース
10の一端を被記録体20に所定の傾斜角度θで接触させて
いるため、上記した各部の寸法(l1 、l4 、l5 等)
を予め設定しさえすれば、上記の間隔を正確に決めるこ
とができ、従って、上記のようなプリンタに組み込む際
の調整は不要である。但し、プリンタへの組み込み後の
微調整は行ってよい。
【0068】図7は、図5のC部の拡大図であり、ベー
ス10と被記録体20との接触部10aを示している。図示の
如く、ベース10のエッジは被記録体20と接触するが、こ
れが被記録体20の面上をスムーズに移動しつつ印画が行
われ、また被記録体10の面を平坦にする作用もある。し
かし、更に滑りを良くするために、例えば図8(a)の
ように、エッジに丸みをつけてもよく、或いは、図8
(b)のように、面取り等を施せば一層効果的である。
また、ベース10の表面は、エッジを含めてアルマイト処
理されていると、耐摩耗性が良好となる。
【0069】この記録ヘッド25による印画は、上記した
ように図5及び図6に示す実線矢印Dの方向へ記録ヘッ
ドを走査して行われる。本実施例では、染料が転写され
た直後に、上記したように、ベース10の接触部10aが被
記録体20上の転写染料面に接触することになるが、これ
は何ら問題はない。即ち、記録ヘッド25の走査速度は例
えば84.7μm/10msecであることから、図5に示すよう
に、染料の転写位置の中心21とベース10の接触部10aと
の距離(l4 +l1 )/cosθを接触部10aが移動し、染
料転写位置21へ到達するまでに要する時間は 0.2〜0.3
秒となる。従って、この間に転写染料は被記録体20に十
分に吸収し、定着される。
【0070】従って、接触部10aの接触によって印画面
が汚れたり、傷つけられることはない。また、この接触
によって、被記録体20の面に例えばうねり等が存在する
場合にも、これを引き延ばして平坦にする作用も加わる
から、良好な印画が得られる。なお、ヘッド25の移動は
上記の角度θによってD方向へは極めてスムーズとな
る。D’方向への戻りも何ら支障ない。
【0071】なお、上述のように被記録体20に対して記
録ヘッド25が角度θで傾斜する場合、図9に示すような
現象が生じ得る。
【0072】即ち、染料飛翔部5と被記録体20との距離
Lが50μmであっても、記録ヘッド25の染料飛翔部5の
飛翔面5’から気化して飛翔した染料47Aには、記録ヘ
ッド25の走査方向Dに力学的なベクトルFが作用する。
従って、図9(a)のように、ヘッド25が移動しないと
きの破線でそれぞれ示す飛翔染料47Aの中心成分H1
後方への拡散成分H2 、前方への拡散成分H3 におい
て、ヘッド25の矢印D方向への移動によって、実線で示
すように、前方への拡散成分H3 がD方向へのベクトル
Fの cosθに対応した成分の力を受け、また後方への拡
散成分H2 は逆に前方へ引き寄せられるため、気化染料
47Aの表面積は結果として小さくなる。そして、図9
(b)のように、気化染料47Aの厚みは時間と共に増加
して、図9(c)のように、被記録体20の面へ付着して
画素50を形成する際には、気化染料47Aの投影像として
得られる画素50のサイズは比較的小さくなる。
【0073】このように、図9の場合は、例えば図10の
ように、記録ヘッド25と被記録体20とが平行に配されて
いる場合に比べて画素50のドット径が小さくなる。但
し、本発明は、図10の場合も包含し、また、図11のよう
に、ヘッド25と被記録体20とを図8に比べて上下逆に配
したような形態の場合でも包含する。いずれの場合も、
同様にベクトルが作用して投影像のような画素50が形成
される。
【0074】本実施例において、記録ヘッド25の記録材
飛翔部5を下向きの状態にすると、飛翔した染料が回り
の空気で急速に冷やされて凝集してもそのまま落下し、
被記録体20に付着することにより、飛翔した染料の殆ど
が転写し、光学濃度が3以上の画像が得られる。但し、
記録材飛翔部5は上向きの状態で使用してもよい。
【0075】本実施例のように、接触部10aを常時被記
録体20に接触させて、所定の角度θ=14度を安定して保
持することにより、染料飛翔部5と被記録体20との間隔
が50μmに保たれるため、上記したようなベクトルが作
用しても真円に近い楕円が形成される。
【0076】次に、染料飛翔部5と被記録体20との上記
間隔を種々に変えた場合の実験データについて説明す
る。
【0077】まず、一般的には、染料を直接気化させて
印画紙に転写させるという染料飛翔型プリンタの転写機
構の特性から、ヘッド(ヒータ部)と印画紙との間隔
(ギャップ)の変化は、印画された絵の解像度と光学濃
度の違いとして非常に敏感に現れる。本実施例の構造で
は、気化部はオープンエアー(開放端)になっているの
で、気化した染料の大部分は気化による体積膨張によっ
て対向する印画紙に向かって飛翔するが、立体角を持っ
て拡張する成分もかなりあると考えられる。従って、定
性的には次のような現象を呈する。
【0078】ギャップが大きすぎる場合には、 ドット径が広がり、解像度の低下としてドット輪郭の
にじみ、ボケが生じる。 ドット径の広がりにより、同じエネルギーで気化した
染料では光学濃度が低下する。 ギャップが広がることにより、紙面に到達する気化染
料の量も減少するので、光学濃度が低下する。
【0079】ギャップが小さすぎる場合には、 ヘッドと紙とが接触する危険性が非常に大きくなる。
接触した場合には、印画データとは関係なく染料が紙に
付着し、ヘッドのスキャン方向のスジとなって紙を汚し
てしまう。 ドット径が小さくなり、隣接ドットの間に隙間ができ
る。例えば、ベタに塗りつぶそうとしても、紙の白色が
見えてしまい、結果的に光学濃度が低下する。
【0080】そこで、ギャップを50μm、 110μm、 1
70μmと種々変えた場合の光学濃度の比較実験を行った
結果を下記の表1に示す。
【0081】
【0082】この結果は、ヘッドと紙とのギャップrを
50μm、 110μm、 170μmと変化させた時に(紙に対
するヘッドの傾斜角度θは一定のまま、接触部に厚さ60
μmのスペーサを1枚又は2枚はさみ、平行移動させて
ギャップ 110μm、 170μmを形成した。)、1個のヒ
ータによって印画されたラインについて顕微分光によっ
てその光学濃度を測定した結果である。上記したことを
裏付けるように、ギャップが広いほどライン幅(半値
幅:ドット径に相当)が広く、かつ光学濃度が低くなっ
ている。
【0083】図12は、上記の実験において得られた1ラ
イン分のデータをプロットして示すグラフである。この
グラフにおいて、曲線52はギャップが50μmの場合、曲
線53はギャップが 110μmの場合、曲線54はギャップが
170μmの場合について、それぞれ1ラインの幅内にお
ける光学濃度分布である。この結果から、50μmの場合
が1ライン幅の中央で最も高濃度になり、この両側で急
に低濃度となるプロファイルが得られるため、高濃度で
半値幅Wが狭くて最適ドット径で高解像度化に対応でき
る。これに対して、ギャップが大きくなるほど光学濃度
プロファイルがブロードとなり、高濃度域と低濃度域の
差が少なく、半値幅が大きくなることから、ギャップが
大きいほど、気化して飛翔する染料が拡散して薄くなる
ことが認められる。
【0084】図13は、ギャップを50μmとしたときに、
4本の印画ラインの光学濃度を測定したグラフである。
この図において、各ラインの曲線52a、52b、52c、52
dは図12の曲線52と対応しており、ライン毎に濃度の違
いがあるのは画像信号に対応しているためである。しか
し、この場合、各ライン間で比較すると、半値幅Wは小
さく、その変動も極めて少なく、また光学濃度プロファ
イルがシャープで高濃度が得られることが分かる。
【0085】図14は、上記した4本の印画ラインの顕微
鏡写真のスケッチであり、矢印Pは、図13のデータ測定
位置を示している。図14からも、各ライン内での濃度も
ほぼ安定していることが確認される。
【0086】上記の測定データから、ギャップの変化に
伴って光学濃度及び半値幅が変化する傾向がある。図15
は、ギャップ幅(間隔)に対する光学濃度の変化55と半
値幅の変化56を表したグラフであるが、ギャップが大き
いほど濃度が低下し、半値幅が広がることが確認され
る。
【0087】以上の実験の結果から、染料飛翔部5と被
記録体20との間隔が印画される画像の解像度や階調性を
左右する重要な要素の一つであることが確認されるが、
本実施例のように上記のギャップ=50μmとすることに
よっていずれの特性も向上することが分かる。
【0088】次に、上記のような特徴的な機能を備えた
本実施例の記録ヘッドの構成を引続き説明する。
【0089】図16は、図1の XVI−XVI 線断面図であ
り、図17は同じくXVII−XVII線断面図である。カバー18
とプリント基板12及びヘッドチップ1とは接着剤31によ
って接着され、完全に封止されている。従って、染料導
入孔13からこのカバー18内の共通の染料供給路19へ導入
された染料47は漏出することなく、分岐路7(図2
(b)、図22参照)へ供給される。
【0090】図18は、本実施例の記録ヘッド25の平面図
であり、また図19は、図18の状態からカバー18を取り外
した状態を示す平面図である。この記録ヘッド25におい
ては、ヒートシンクを兼ねたアルミニウム製のベース10
の上に、プリント基板12及びヘッドチップ1がシリコー
ン系の接着剤により接着され、その上にカバー18が同じ
接着剤により接着されている。
【0091】ヘッドチップ1の接着部には、ヘッドチッ
プ1が均一に接着されるように、ベース10上に溝15、15
が設けられ、ヘッドチップ1を接着する際の余分な接着
剤がこの溝15、15に逃げるようになっている。そして、
図1及び図2(a)に示すように、ヘッドチップ1上の
電極とICチップ16との接続部及びICチップ16とプリ
ント基板上の配線との接続部は、接続用のボンディング
ワイヤを保護するために、シリコーン系のコーティング
材JCR(ジャンクション・コーティング・レジン)17
を塗布し、熱硬化してある。
【0092】この実施例では、後述する図22に示すよう
に、84.7μm周期で 256個のヒータ6が形成されてい
る。そして、各ヒータ6が1ドットを転写するので、 3
00DPIの解像度を実現できる。個々のヒータ6は20μ
m×20μmの大きさのポリシリコンによって形成され、
ヒータ6に画像信号に基づいた信号電圧を印加して通電
するための個別電極41Aと共通電極41Bが接続されてい
る。
【0093】図20及び図21は、上記した本実施例による
記録ヘッドを適用した使用状態を示す概略の斜視図であ
り、図20はシリアル方式に適用した例、図21はライン方
式に適用した例を示している。
【0094】染料47としては、ソルベントイエロー56、
ディスパースレッド1、ソルベントブルー35を、フタル
酸ジブチルにそれぞれ50℃で15重量%溶解してなるイエ
ロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色用の
染料47を使用した。この染料47を50℃で記録ヘッド25の
染料貯留槽22に導入すると、染料47は染料導入孔13を通
って自発的に染料収容部5aに導入された。
【0095】シリアル方式の場合は、図20のように、並
列に配した3個の各色用の記録ヘッド25に例えばY(イ
エロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の三原色の染
料(更に黒を加えてもよい。)を内容した染料貯留槽22
(図2参照)を取付け、この記録ヘッドを連結材30を介
して送り軸28に係合させた可動片29に連結する。送り軸
28と可動片29とはねじ式に係合されているので、図示省
略した駆動源による送り軸28の回動に伴い、各記録ヘッ
ド25は矢印Y方向へ往復動する。
【0096】一方、この記録ヘッド25に対向配置された
被記録体20は、ヘッドの1ラインの走査毎に送りローラ
26によって矢印X方向へ移動する。従って、プラテン27
と記録ヘッド25との間に挟まれるように位置する被記録
体20は記録ヘッド25によって印画が遂行される。なお、
記録ヘッドはフレキシブルハーネスを介して駆動回路基
板(図示省略)等に接続されている。
【0097】本実施例のヘッドには 256個のヒータ6が
設けられているので、1回のスキャンで 256ライン分の
印画が行える。1回スキャンが終了したら、紙送り駆動
ローラ26で被記録体20を 256ライン分送る。各色のヘッ
ドが被記録体20上の所定の位置から印画を開始するよう
に、1色毎に順次タイミングを変えて印画を開始し、1
回のスキャンでフルカラー画像を印画する。
【0098】また、ライン方式の場合は、図21に示すよ
うに、被記録体20の幅に対応する長さの記録ヘッド25A
を各色別にX方向に縦列に配し、この記録ヘッド25Aに
同じくY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)
の三色の染料(更に黒を加えてもよい。)をそれぞれ収
容した染料貯留槽22Aを取り付ける。
【0099】従って、上記した記録ヘッド25Aに対向配
置され、この記録ヘッド25Aとプラテン27との間に挟ま
れた被記録体20に対して記録ヘッド25Aによって印画が
行われ、所定の印画後に被記録体20は送りローラ26によ
り矢印X方向へ移動しながら逐次印画が遂行される。
【0100】前記した本実施例の記録ヘッド25が、図20
に示すような小幅のサイズであるのに対して、図21のラ
イン方式の記録ヘッド25Aは長寸のサイズとなっている
が、これは寸法、規格のみが異なるだけで構造及び原理
は同じであるので、この内容の図示は省略する。
【0101】図22は、本実施例によるヘッドチップの要
部の平面図である。そして、図23は図22の XXIII−XXII
I 線断面図であり、図24は同じく図22のXXIV−XXIV線断
面図である。
【0102】このヘッドチップ1は、基板11の上におい
て第1隔壁2Aで仕切られ、その上に蓋3が被せられて
スリットの分岐路7が形成されている。第1隔壁2A
は、図22に示すように、2個の染料飛翔部5に対応する
ように設けられ、蓋3の端とヘッドチップ先端との中間
位置まで突出している。
【0103】そして、それぞれの第1隔壁2Aの先端か
らは、細幅の第2隔壁2Bが共通電極41B上において延
設され、その先端はヘッドチップ1の先端部で連結さ
れ、更にこの連結部からそれぞれの第2隔壁2Bが隣接
する個別電極41A間において蓋3の端部まで延設されて
いる。これにより、各分岐路7からは染料飛翔部5に染
料47が供給され、各染料飛翔部5がそれぞれ第2隔壁2
Bで囲まれた形になって安定した染料の供給及び気化を
行えるようになっている。
【0104】そして、図23及び図24のように、染料飛翔
部5には小円柱体4の群からなる多孔質構造が形成さ
れ、この小円柱体4群が染料収容部5aを形成してい
る。
【0105】上記した分岐路7の他端側は、図1で述べ
たように共通の染料供給路19に面しており、そこから各
分岐路7へ染料が供給され、更に染料飛翔部別の通路7
a、7bへ再分岐して各染料飛翔部5の染料収容部5a
へそれぞれ供給される。そして、各染料飛翔部5には発
熱体からなるヒータ6が設けられており、このヒータ6
による加熱によって染料47が気化し、被記録体へと飛翔
する。
【0106】ヘッドチップ1上には多数の個別電極41A
と共通電極41Bとが設けられており、図22に示すよう
に、ヒータ6は個別電極41A及び共通電極41B間での通
電で昇温し、染料収容部5aの染料を加熱する。そし
て、各ヒータ6は、画像情報に応じた信号が個別電極41
Aから供給されることによって作動される。
【0107】ヘッドチップ1の個別電極41A及び共通電
極41Bとプリント基板12の回路配線との接続は、図25の
ようになされている。図25は、その一部の拡大平面図で
あり、図19において、プリント基板12に配設された4個
のICチップ16の右端の1個を示している。
【0108】ヘッドチップ1に形成されている多数の個
別電極41Aは、それぞれボンディングワイヤ36によりI
Cチップ16の一方のパッド16aへ接続され、ヘッドチッ
プ1の共通電極41Bはプリント基板12の共通電極配線38
へ接続される。また、ICチップ16の他方のパッド16b
とプリント基板16の回路配線37とがボンディングワイヤ
36によって接続される。各配線37及び38は、場所によっ
てはスルーホール60を通してコネクタ14へ導かれてい
る。
【0109】これにより、コネクタ14に接続される図示
省略した信号ケーブル(この例ではリボンケーブル)等
からの画像情報に応じた信号が、このコネクタ14を介し
てプリント基板12の回路配線37からICチップ16を経由
してヘッドチップ1の所定の個別電極41Aへ供給され
る。
【0110】そして、ヘッドチップ1の個別電極41Aと
共通電極41Bとの間にそれぞれ設けられているヒータ6
(具体的には後述のポリシリコン発熱部)を作動させ、
このヒータ上に形成されている染料収容部5aに保持さ
れている染料47を加熱して飛翔させ、被記録体20へ移行
させる。
【0111】従って、小円柱体4群からなる多孔質構造
の染料飛翔部5には、印画中は常に十分な染料47が保持
され、更に、印画により消費される染料47が順調に補給
されることが必要である。これは、上述した本実施例の
構造により十分に行うことができる。
【0112】なお、例えば染料飛翔部5に小円柱体4群
が存在しなくても、記録材は飛翔することができる。こ
のような場合でも、画像情報に応じて所定の個別電極41
Aへ電流が流れ、染料飛翔部5の下に設けられているヒ
ータ6による加熱でその上部に存在している染料47を気
化、飛翔させる。しかし、小円柱体4からなる飛翔構造
体が存在している方が、発熱による染料47の表面張力の
低下時に染料47を染料飛翔部5に毛細管現象で十分に保
持でき、良好な飛翔が可能となる。
【0113】次に、上記した本実施例のヘッドの製造工
程を説明する。図26〜図40は各工程におけるヘッドチッ
プの断面図であり、図41〜図49はこの工程に対応した一
部の工程における平面図である。
【0114】図26は最初の工程を示し、基板11には放熱
特性が良好な(熱伝導率が高い)シリコンウエハを使用
し、この上に熱酸化法或いはCVD(化学的気相成長
法)等によって厚さが1〜2μm程度のSiO2 層39を
成膜する。このSiO2 層39は後述するヒータの直下で
蓄熱層として機能するので、SiO2 層39の厚さはベー
スとなるアルミニウムのヒートシンクの放熱特性を考慮
することが必要である。なお、この図26は、図22の XXX
IX−XXXIX 線断面に対応する部分であるが、図22は図26
以降の断面図及び後述する図41以降の平面図の一部分で
ある。
【0115】次いで、図27のように、SiO2 層39上に
減圧CVD法等によって抵抗体(発熱体)となるポリシ
リコン層40を厚さ 0.4μm程度に成膜する。ポリシリコ
ン層40は、リンをドープすることによってシート抵抗が
4kΩ程度になるように成膜する。
【0116】次いで、図28のように、ポリシリコン層40
上にチタンを若干ドープしたアルミニウム41をスパッタ
法によって厚さ 0.7μm程度に成膜する。この場合、導
体としてはアルミニウム以外にも、金、銅、白金等の金
属を使用することができる。
【0117】次いで、図29のように、ヒータ6を形成す
る部分のポリシリコン層40をヒータ部6として露出させ
るために、フォトレジストを所定パターンに形成し、エ
ッチングによりその部分のアルミニウムを選択的に除去
する。この場合のエッチング液としては、リン酸:硝
酸:酢酸:水=4:1:4:1の割合で混合した混酸を
使用する。そして、この状態の平面図が図41であり、図
41のA−A線の断面である。
【0118】次いで、各ヒータ部6に導通するように配
線パターンをエッチングにより形成する。即ち、フォト
レジストをマスクにして、上記したエッチング液でアル
ミニウムを導体パターンにエッチングし、図42のような
パターンを形成する。但し、図42では、図1に示した各
アルミニウムパターンの平面形状を簡略に図示してい
る。
【0119】次いで、上記エッチング液ではエッチング
されずに残っているポリシリコン層40を、上記したフォ
トレジストをマスクとして、フッ化炭素ガス(CF4
を用いRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)法
によりポリシリコン層40をアルミニウム層41と同様のパ
ターンにエッチングする。この状態の平面図が図43であ
る。
【0120】この時、ヒータ部6のポリシリコン層40上
にはフォトレジストがあるので、この部分のポリシリコ
ン層40はエッチングされない。これにより、ポリシリコ
ン層40は、図29の工程で露出させたヒータ部以外はアル
ミニウム層41と同じ形に導体パターンとして加工され、
後の工程で行う加熱処理によってアルミニウムとポリシ
リコンとがオーミックコンタクトし、導体として機能す
る。そして、ポリシリコンが露出した部分6は高抵抗の
抵抗体となり、抵抗加熱ヒータとして機能する。
【0121】次いで、図30のように、上記のようにして
形成した導体パターン及びヒータ部の上の全面に、Si
2 層42をCVD法により 0.5μm程度の厚さに成膜す
る。これは共通電極41Bを2層配線するための絶縁膜で
ある。
【0122】次いで、図31のように、所定パターンにフ
ォトレジストを形成し、これをマスクとしてRIE法で
SiO2 層42をエッチングし、一層目のアルミニウム配
線41と後述する工程で形成する2層目のアルミニウム配
線とを導通するためのスルーホール46を形成する。この
状態の平面図が図44であり、図44のB−B線断面が図31
である。
【0123】次いで、図32のように図31の状態で、スパ
ッタ法等によりアルミニウムを 1.0μm程度の厚さに成
膜し、所定パターンにフォトレジストを形成し、これを
マスクとしてエッチング液でアルミニウムをエッチング
する。このようにして形成された2層目のアルミニウム
配線43は、ヒータ部6と電極取り出し部48を除いて広範
囲を覆うパターンとすることにより、共通電極41Bの抵
抗値をできるだけ低くするようにしてある。この状態の
平面図が図45であり、図45のC−C線断面が図32であ
る。
【0124】次いで、保護膜としてのSiO2 層をCV
D法により 0.5μm程度の厚さに成膜した後、 450℃で
30分間、窒素雰囲気中でアニールし、ポリシリコン(上
記の40)とアルミニウム電極(上記の41)とのオーミッ
クコンタクトがとれるようにシンタリング処理した後、
図33のように、SiO2 層44をCVD法により6μm程
度の厚さに成膜する。
【0125】次いで、図34のように、小円柱体4と染料
収容部5aを形成する際のメタルマスクとなるニッケル
膜45(実際にはTi/Niの積層膜)を、真空蒸着法で
0.2μm程度の厚さに成膜する。この場合、SiO2
44とニッケル膜45との密着性を向上させるために、チタ
ン 0.2μmを蒸着した後にニッケル膜を連続蒸着する。
【0126】次いで、図35のように、小円柱体4と染料
収容部5aを形成するために、所定パターンのフォトレ
ジストを形成し、イオンミリング装置によって不要なチ
タン/ニッケル膜45を除去してメタルマスク45を形成す
る。この状態の平面図が図46であり、図46のD−D線断
面が図35である。
【0127】次いで、図36のように、所定パターンに形
成されたチタン/ニッケル膜45をマスクとしてSiO2
層44のRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)を
行い、SiO2 層44に記録材収容部5aと小円柱体4
群、更には第2隔壁2Bを形成する。これらはそれぞれ
一つのヒータ上に形成される。
【0128】次いで、図37のように、個別電極取り出し
用及び共通電極取り出し用のボンディングパッド35を開
口させるためのフォトレジストを所定パターンに形成
し、RIEでSiO2 をエッチングして電極のアルミニ
ウム41A、41Bをボンディングパッドとして露出させ
る。この状態の平面図が図47であり、図47のE−E線断
面が図37である。
【0129】次いで、図38のように、厚さ25μm程度の
ドライフィルム(シートレジスト)を分岐路壁2Aとし
てラミネートし、染料供給分岐路のパターンにパターニ
ングする。このとき、シートレジスト2Aのヒータ6側
の端部は、ヒータ6の中心から 100μm離れた位置にな
るようにしてある。シートレジスト2Aの替わりにポリ
イミドを用いて同様にパターニングを行ってもよい。こ
の状態の平面図が図48であり、図48のF−F線断面が図
38である。
【0130】次いで、図39のように、厚さ25μm程度の
横長のニッケルシートを蓋3として上記の分岐路壁2A
上に直交させ、 150〜180 ℃の温度をかけて4〜6kg/c
m2の圧力で5分間程度圧接して熱圧着する。このとき、
ニッケルシート3のヒータ6側の端部はシートレジスト
2の端部から更に 100μm後退した位置になるようにし
てある。同様の働きをするものであれば、ニッケルシー
ト以外にも、例えば、ステンレスシート、シリコン基
板、石英基板、ガラス基板等を用いることもできる。こ
の状態の平面図が図49であり、図49のG−G線断面が図
39である。これにより、幅が2つのヒータ6−6の両端
間と同じ間隔で高さが25μm程度のスリット状の分岐路
7が染料通路として形成される。
【0131】図40は、個別電極41A取り出し用のボンデ
ィングパッド35、スルーホール46、及びヒータ6の位置
関係を示すための断面図であり、図49のH−H線断面図
である。
【0132】以上のようにして、基板11上に、染料加熱
用のヒータ6、及び電極41A、41Bを含む各配線導体、
小円柱体4の群及び染料供給分岐路7等を形成し、これ
をヘッドチップの所定の寸法にカットして製造工程は完
了する。
【0133】上記の製造工程で製造されたヘッドチップ
1は、要部を示した図50のように、ヘッドチップ1の各
個別電極41Aのパッド35とこれに対応するプリント基板
12のICチップ16のパッド16a、及びヘッドチップ1の
共通電極41Bとプリント基板のパッドとをボンディング
ワイヤ36で接続し、そしてベース10上に接着した上で図
19に示したJCR17を塗布して熱硬化し、更にカバー18
を接着して完成する。
【0134】図51は、上記した諸工程を終了して最後に
カバー18を取り付けた状態の要部を示す平面図である。
このようにして図18に示した記録ヘッド25は完成する。
なお、前記した図25を除く各図は、理解し易くするため
に各部の構造、寸法、及びレイアウト等を要約して表現
したものである。
【0135】このようにして作製されたプリンタヘッド
25は、図1に示したように被記録体(印画紙)20に対し
てヘッドベース10の一端が接触し、被記録体20に対して
所定の角度θになるように保持しているので、気化部5
と被記録体20との間隔を一定に保つことができる。特
に、染料飛翔部5と被記録体20との距離が50μmになる
ようにヘッドベース10と被記録体20とのなす角度θを14
度に保持しているので、高解像度、高濃度の画像を確実
に得ることができる。
【0136】また、本実施例によれば、記録ヘッド25を
構成する部材が、特にレジスト2A及びシート3がIC
チップ基板11からみて高位置のものほど染料飛翔部5か
ら離れているため、記録ヘッド25と被記録体20との間隔
を近接させても、上記の角度θを維持することによって
被記録体20との間隔を50μm又はそれ以上に保持し、接
触が避けられると共に、記録ヘッド25の先端が解放端と
なってヒータ6上部の染料47の液面が供給過剰にならな
いようにコントロールされる。但し、必要以上に端部を
後退させると、染料収容部5aの密閉されない解放端の
部分が長くなり、染料供給不足を起こすので、むやみに
後退距離を長くしないのがよい。また、被記録体20を下
方に配置し、記録ヘッド25を下向きに対向させているの
で、飛翔した染料47Aが全て効率的に印画に寄与する。
【0137】図52〜図55は、本発明の第2の実施例によ
るプリンタヘッドの要部の平面図である。
【0138】本例が前記した第1の実施例と異なる点
は、第1の実施例は染料飛翔部5がそれぞれ第2隔壁2
Bによって囲まれているのに対し、この第2隔壁2Bが
なく、この代わりに分岐路7−7間の連通部8が形成さ
れていることである。
【0139】即ち、図52〜図54に示すように、隔壁2の
上に蓋3が被せられて分岐路7がスリット状に形成さ
れ、染料47は共通の染料供給路19からこの分岐路7へ供
給されるが、隔壁2は蓋3の端部とヘッドチップ1の先
端との中間まで突出し、そこから先は連通部8となって
いる。
【0140】従って、各分岐路7はその先方の両側に設
けられている染料飛翔部5へ主に染料を供給するが、図
55に破線47’で示すように、連通部8を介してそれ以外
の染料飛翔部5へも染料が流入するようになっている。
【0141】本例においては、不要な場所への染料の流
出を防止するために、図52及び図55に示すように、ヘッ
ドチップの先端とベース10の溝15との間に撥油性塗料9
が塗布されている。これ以外は、第1の実施例と同様に
構成され、またヘッドの傾斜、下向きの染料飛翔等の使
用条件も同じである。
【0142】本実施例のヘッド25によれば、分岐路7を
通して供給される染料47が2つの飛翔部5、5へ同時に
供給されるから、印画される画像の高解像度化に対応し
て、記録材飛翔用構造体5−5の間隔が狭くなっても、
記録材供給路7−7の間隔を狭める必要はないため、染
料の供給を十分に行える。そして、装置の製造方法が複
雑にならず、また、記録材供給路7の形成の製造工程で
は、より高い精度さえも要求されないため、装置製造の
歩留りも従来の記録装置の場合と比べて高くなり、コス
トを低く抑えることができる。
【0143】図53は、本例による記録ヘッドの染料の流
れを示した平面図である。上記したように、本例は分岐
路7の隔壁2の先が連通部8として形成されているの
で、所定の分岐路7から何らかの原因で染料が供給され
なくなった場合でも、他の分岐路7から染料が47’とし
て供給されるので、印画に支障はない。
【0144】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が
可能である。
【0145】例えば、上述したヘッドの被記録体との位
置関係は傾斜角度も含めて様々に変化させてよいし、ヘ
ッド各部の構造、形状、材質等も上記以外に変化させて
もよく、印画の際にはヘッドと被記録体20が共に移動す
るようにしてもよい。また、上述した分岐路は1つにつ
いて2つの(これは3又はそれ以上であってもよい。)
染料飛翔部に同時に染料を供給するように構成したが、
これは全ての分岐路において採用するのが望ましいが、
必ずしもそうでなくてよく、一部において公知の構造を
採用することもできる。
【0146】また、上述したヒータ6の形状、材質、サ
イズ等については種々のもの、或いは組み合わせを採用
することができる。基板11はアルミナ等のセラミックス
で形成し、発熱体、断熱材、基板によってヘッドの熱特
性を調節してもよい。
【0147】気化部に形成する小円柱体4はその高さ、
平面又は断面形状、密度、材質等を変化させてもよい。
例えば、柱状態に対応した形(丁度、ネガ−ポジ反転し
た形状)にフォトレジストでパターンを形成し、電解メ
ッキ法でニッケル等の金属の柱を形成してもよい。この
場合下地層として導電性のある膜をあらかじめ形成して
おく必要がある。
【0148】メッキ法による柱状体の形成法は、SiO
2 の柱状体形成法に比べてSiO2の成膜、メタルマス
クの形成、SiO2 のエッチング等の時間のかかるプロ
セスを省略できるので、非常に短時間に柱状体を形成で
き、量産性に優れている。
【0149】また、気化部に形成すべき多孔性構造は、
上述したものに限らず、例えば柱体の場合はその高さ、
平面又は断面形状、密度等を変化させてよいし、また、
その形成箇所も微細パターン化又は多孔質化、或いは表
面積の拡大等が要求される箇所であれば適用可能であ
る。多孔性構造体としては、柱状体以外にも、壁状体や
ビーズ集合体、繊維体等で形成したものであってもよ
い。
【0150】また、染料気化型の転写方式に限らず、既
述したアブレーションによる転写方式も可能であり、い
ずれの場合も染料又は記録材が飛翔して転写されるもの
である。
【0151】また、記録材(染料)を収容する記録材収
容部の数やドット数、及びこれに対応した発熱体や気化
部の数は種々変更してよいし、その配列形状やサイズ等
も上述したものに限定されることはない。
【0152】また、染料収容部、染料供給部をはじめ、
ヘッドやプリンタの構造や形状は、前記以外の適宜の構
造、形状としてよく、ヘッドを構成する各部分の材料に
は、他の適宜の材料を使用してよい。
【0153】また、記録染料についても、イエロー、マ
ゼンタ、シアンの3色として(更には、黒を加えた)フ
ルカラーの記録を行うほか、2色印刷、1色のモノカラ
ー又は白黒の記録を行うことができる。
【0154】また、発熱体を金属又は金属系でも形成で
きる。ベース材をアルミニウム、セラミックス等の高熱
伝導材で形成し、発熱体、断熱材、ベース材によってヘ
ッドの熱特性を調整してもよい。
【0155】また、本発明は、記録材とこの記録材を溶
解若しくは分散させかつ加熱により体積膨張する物質
(即ち、キャリア)とを含有する記録液を供給し、加熱
により前記記録液の状態を変化させて液滴を生成させ、
この液滴を前記記録ヘッドと対向配置された被記録体へ
移行させるインクジェット方式にも適用可能である。
【0156】
【発明の作用効果】本発明は、被記録体に対向する記録
ヘッドが、記録材を前記被記録体へ飛翔させるための記
録材飛翔部を有し、前記記録ヘッドが前記被記録体に対
して相対的に傾斜して接触し、この接触によって前記記
録材飛翔部と前記被記録体とが所定の間隔に保持される
ようにしているので、記録ヘッド自体によって記録ヘッ
ドと被記録体との間隔が保たれ、飛翔する記録材の転写
効率が高められ、高濃度で階調性がよく、高い解像度の
記録が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるプリンタヘッドの
断面図(図18のI−I線断面)である。
【図2】(a)は同ヘッドに染料貯留槽を装着した状態
の断面図、(b)は(a)のb部の拡大断面図である。
【図3】同記録ヘッドを下方から見た斜視図である。
【図4】同記録ヘッドが被記録体と接触する接触部付近
の拡大図である。
【図5】図4を上下反転させた図である。
【図6】図4のB部の拡大図である。
【図7】図4のC部の拡大図である。
【図8】同C部の変形例を示す図である。
【図9】同ヘッドにおいて染料気化による印画を説明す
るための概略図である。
【図10】他の例において染料気化による印画を説明する
ための概略図である。
【図11】更に他の例において染料気化による印画を説明
するための概略図である。
【図12】同ヘッドにおける各種ギャップでの一ライン分
の光学濃度の測定値を示すグラフである。
【図13】同ヘッドによる50μmギャップの場合の4ライ
ン分の光学濃度の測定値を示すグラフである。
【図14】同ヘッドによる4ライン分の印画面の顕微鏡写
真のスケッチである。
【図15】同ヘッドによる実験結果から得られたギャップ
による光学濃度及び半値幅の変化を示すグラフである。
【図16】図1の XVI−XVI 線断面図である。
【図17】図1のXVII−XVII線断面図である。
【図18】同ヘッドの平面図である。
【図19】同ヘッドからカバーを外した状態の平面図であ
る。
【図20】同ヘッドを組み込んだシリアル方式のプリンタ
の使用状態を示す斜視図である。
【図21】同ヘッドを変形して組み込んだライン方式のプ
リンタの使用状態を示す斜視図である。
【図22】同ヘッドの要部を示す平面図である。
【図23】図22の XXIII−XXIII 線断面図である。
【図24】図22のXXIV−XXIV線断面図である。
【図25】同ヘッドのヘッドチップとプリント基板との接
続を示す一部の拡大平面図である。
【図26】同ヘッドの製造工程の一段階を示す断面図であ
る。
【図27】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図28】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図29】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図30】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図31】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図32】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図33】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図34】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図35】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図36】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図37】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図38】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図39】同製造工程の他の一段階を示す断面図である。
【図40】同製造工程の更に他の一段階を示す断面図であ
る。
【図41】同製造工程の一段階を示す平面図である。
【図42】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図43】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図44】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図45】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図46】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図47】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図48】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図49】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図50】同製造工程の他の一段階を示す平面図である。
【図51】同製造工程の更に他の一段階を示す平面図であ
る。
【図52】本発明の第2の実施例によるプリンタヘッドの
要部を示す平面図である。
【図53】図52のXXXXXIII−XXXXXIII線断面図である。
【図54】図52の XXXXXIV−XXXXXIV 線断面図である。
【図55】同実施例による染料の流れを示す要部の平面図
である。
【図56】従来例によるプリンタの要部の概略正面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・ヘッドチップ 2・・・シートレジスト(分岐路壁) 2A・・・第1隔壁 2B・・・第2隔壁 3・・・蓋 4・・・小円柱体 5・・・染料飛翔部 5a・・・染料収容部 5’・・・飛翔面 6・・・ヒータ(発熱部) 7・・・分岐路 8・・・連通部 10・・・ベース 10a・・・接触部 11・・・基板 12・・・プリント基板 13・・・染料導入孔 14・・・コネクタ 15・・・溝 16・・・ICチップ 16a、16b、35・・・パッド 18・・・カバー 19・・・共通の染料供給路 20・・・被記録体 21・・・飛翔部中心 22、22A、23・・・染料貯留槽 24・・・可撓性管 25、25A・・・記録ヘッド 26・・・送りローラ 27・・・プラテン 28・・・ヘッド送り軸 29・・・可動片 30・・・連結材 36・・・ボンディングワイヤ 37・・・回路配線 38・・・共通電極配線 39、44・・・SiO2 層 40・・・ポリシリコン層 41・・・アルミニウム電極 41A・・・個別電極 41B・・・共通電極 46・・・スルーホール 47、47’・・・染料 47A・・・気化染料 48・・・電極取り出し部 50・・・画素 θ・・・傾斜角 D・・・走査方向 D’・・・戻り方向 r・・・ギャップ(間隔) L・・・飛翔面と被記録体との距離 W・・・半値幅

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体に対向する記録ヘッドが、記録
    材を前記被記録体へ飛翔させるための記録材飛翔部を有
    し、前記記録ヘッドが前記被記録体に対して相対的に傾
    斜して接触し、この接触によって前記記録材飛翔部と前
    記被記録体とが所定の間隔に保持されるように構成した
    記録装置。
  2. 【請求項2】 記録材飛翔部側において記録ヘッドが被
    記録体に対して所定の傾斜角度をなして接触する、請求
    項1に記載した記録装置。
  3. 【請求項3】 記録材飛翔部側に向けて記録ヘッドと被
    記録体との間隙が漸次狭くなるように、前記記録ヘッド
    が前記被記録体と接触する、請求項2に記載した記録装
    置。
  4. 【請求項4】 記録ヘッドが被記録体と対向する側にお
    いて、前記記録ヘッドと前記被記録体との接触位置から
    記録材飛翔部とは反対側へ離れるに従って前記記録ヘッ
    ドと前記被記録体との間隙が大となっている、請求項3
    に記載した記録装置。
  5. 【請求項5】 記録ヘッドが被記録体に対して相対的に
    摺動する、請求項1に記載した記録装置。
  6. 【請求項6】 被記録体に対して記録ヘッドの記録材飛
    翔部を下向きに対向させて記録を行う、請求項5に記載
    した記録装置。
  7. 【請求項7】 記録ヘッドが、記録材を供給するための
    共通の記録材供給路と、この供給路から分岐して記録材
    飛翔部へ前記記録材を供給するための分岐路とを有して
    いる、請求項1に記載した記録装置。
  8. 【請求項8】 共通の記録材供給路が記録ヘッド本体と
    これに設けたカバー部との間に形成され、前記記録ヘッ
    ド本体と前記カバー部との間に複数の隔壁が設けられ、
    これらの隔壁間に分岐路が形成されている、請求項7に
    記載した記録装置。
  9. 【請求項9】 記録材飛翔部に、記録材を加熱して飛翔
    させるための加熱手段が設けられている、請求項1に記
    載した記録装置。
  10. 【請求項10】 加熱手段が高抵抗体と、これに通電する
    ための一対の電極とによって構成されている、請求項9
    に記載した記録装置。
  11. 【請求項11】 高抵抗体及び一対の電極が、請求項8に
    記載した隔壁下の記録ヘッド本体表面上に設けられてい
    る、請求項10に記載した記録装置。
  12. 【請求項12】 一対の電極が記録ヘッド本体の一端側に
    導出され、これらの導出部の一方が記録ヘッド駆動回路
    に接続されている、請求項11に記載した記録装置。
  13. 【請求項13】 記録ヘッド本体と、記録ヘッド駆動回路
    部を有するプリント基板とがベース材に固定されてい
    る、請求項12に記載した記録装置。
  14. 【請求項14】 記録材飛翔部が多孔性構造体を有してい
    る、請求項1に記載した記録装置。
  15. 【請求項15】 共通の記録材供給路へ記録材を供給する
    ための記録材貯留部を記録ヘッド本体に有する、請求項
    7に記載した記録装置。
  16. 【請求項16】 記録材貯留部と記録ヘッド本体との間に
    記録材供給管が設けられ、この供給管を介して前記記録
    材を共通の記録材供給路へ供給するようになっている、
    請求項1に記載した記録装置。
  17. 【請求項17】 記録材が気化又はアブレーションして、
    記録材飛翔部と非接触状態で対向配置された被記録体へ
    飛翔するようにした、請求項1に記載した記録装置。
JP7354115A 1995-12-29 1995-12-29 記録装置 Pending JPH09183239A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103572A (ja) * 2000-09-27 2002-04-09 Kyocera Corp インクジェットプリンタ
JP2017093883A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 株式会社藤商事 遊技機
JP2017093885A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 株式会社藤商事 遊技機

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