JPH09187601A - 超音波分溜方法及びその装置、並びに高濃度アルコール分離方法及びその装置 - Google Patents
超音波分溜方法及びその装置、並びに高濃度アルコール分離方法及びその装置Info
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Abstract
さく効率的な分溜装置において、超音波振動子と被処理
液を分離し、発生してくるミスト粒径に応じてミストを
液化回収する手段を有した超音波分溜方法及び装置を提
供する。 【解決手段】 被処理液12をこれが気液界面22を有
するように収容する第1の部屋8と、第2の液体14を
収容する第2の部屋10と、第1の部屋と第2の部屋を
区画しかつ被処理液と第2の液体とを隔離するシート6
と、第2の液体とシートとを介して被処理液の気液界面
に超音波を照射する超音波振動子20と、気液界面から
発生するミストを液化し回収する回収手段とを設けた。
Description
超音波を照射してその気液界面から発生するミストを回
収する、超音波分溜方法及びその装置、並びに高濃度ア
ルコール分離方法及びその装置に関する。
用した蒸留塔や蒸発缶が多用されてきた。蒸留は溶液中
の沸点の違いを利用した最も代表的な分離・分画方法で
ある。しかしこの方法は、次の二点において問題点を有
していた。第一に、蒸留は本来溶液を構成する各成分を
一旦分子単位にまでバラバラにし、これを再び冷却する
という操作であるため、非常に大きなエネルギーを必要
とした。この時必要なエネルギーが潜熱である。第二
に、広く知られているように、エタノールと水のような
溶液は共沸混合物と呼ばれ、エタノールが高濃度になっ
た溶液では水との分離が非常に困難であった。この様な
場合には蒸留塔を高くし段数を上げなければならない
が、装置コストが大きくなる。
244375号公報で超音波を利用した分離・分画方法
も提案されている。これらの分離・分画方法の特徴の一
つは、振動部材を希薄アルコール溶液中に設置すること
である。ところが、これは以下の理由により高いアルコ
ール濃度の溶液を効率よく安定して得るためには好まし
くない。 (1)振動部材を被処理溶液中に設置すると、清酒を始
めとして発酵生産物はアルコールのみならず様々な物質
を含んでおり、中には電解質も著量存在するため、これ
ら電解質の影響を受けてセラミックス等でできた振動部
材上にコーティングされた金属が析出、剥離、溶解する
などして、振動部材の長期使用に悪影響を及ぼすだけで
なく、清酒のような食品中への金属の移行は誠に好まし
くないことであった。 (2)特開平7−234044号公報で報告されている
ように、被処理液の温度がアルコールの分離能に極めて
強く影響を与え、温度が上昇するとアルコールの分離能
が低下する。ところが、振動部材を被処理液中に設ける
と振動による発熱により被処理液の温度が上昇し、アル
コール分離能が低下する。 (3)振動部材と液表面との距離は霧化能力において非
常に重要な因子であり、最適な距離が存在する。ところ
が、振動子と液表面の間を全て被処理液で満たしてしま
うと、アルコール濃度の高い気体が発生した後に残るア
ルコール濃度の低い溶液はすぐさま被処理液と混ざりあ
って、せっかく分離したアルコール濃度の低い溶液を活
用できなくなってしまう。これは極めて効率の悪いこと
である。
することによって、振動部材が被処理液と直接接触し
ないようにし、振動子の発熱から被処理液の温度上昇
を防ぎ、被処理液の液厚を極力薄くして高いアルコー
ル濃度の溶液を得た後の被処理液を元の被処理液と分け
ることが望まれる。
および特開平3−244375号公報に記載されている
発明の特徴である、「超音波処理を密閉した容器中で行
うこと」は、気体の発生に伴う装置内の圧力の上昇によ
る装置からのアルコールの漏れを考慮しなければならな
い。また、密閉することによって超音波発生装置の雰囲
気中にアルコールが充満し、超音波処理によってさらに
アルコールが気相中へ移行することを妨げてしまう。し
たがって、気体なりミストが発生してくる液面に、常に
アルコールが存在しない外気などを導入することが必要
となる。
置とは独立して別に用意し、発生した気体を回収装置へ
と導く流路を持つこと」は、超音波発生装置において発
生してきたミストなり気体なりを回収装置へ導く際に、
狭い流路へと気体が殺到するためにその部分で断熱圧縮
が生じ、ミストなり気体が液化凝縮して再び被処理液に
戻り、高いアルコール濃度の溶液を回収する効率を低下
させてしまう。したがって、流路を設けず、気体の発生
とその回収する装置を一体化することが必要不可欠とな
る。
トなり気体の全てを回収液化することを前提としてい
る。ところが、超音波を照射して得られるミストには粒
度にばらつきがあり、機械的な衝突によって回収のし易
い比較的大きなミストは相対的にアルコール濃度が低
く、小さなミストはアルコール濃度が高い。そして、大
きなミストのみを集めた場合には、元の被処理液中のア
ルコール濃度よりもむしろ低くなっているのである。し
たがって、発生してくるミストを全て同一のアルコール
濃度とみなして回収してしまうとアルコールの分離効率
が悪くなってしまうのである。よって、ミスト粒度に応
じて分別回収しなくてはならない。しかし、前記特許特
開昭58−152472号および特開平3−24437
5号公報は、それらミストの粒径に応じて回収した場合
に得られる溶液中のアルコール濃度がそれぞれ異なって
いることを何ら示唆するものではない。
43505号公報では超音波を利用した他の分離方法も
提案されている。しかし、これらの方法はいずれも超音
波をスプレー式の噴霧器として利用しているだけで、噴
霧に供する溶液の全てがミストとなるので、ミスト中の
成分の比率と霧化される前の供給液の成分の比率は、な
んら異なるものではない。被濃縮液をミストにすること
により気液境界面積を大きくして蒸発を効率的に行わせ
ることにより不蒸発成分の濃縮を行うものであった。
器以外の濃縮方法としても提案されているが、この濃縮
法は超音波を照射したことによって発生したミストを、
別の容器に移し、そのミストに熱を加えることによっ
て、ミスト中の溶媒を蒸発させて溶質を濃縮させるとい
うものである。したがって、超音波を照射したことによ
って得られる効果はミストを得ることであって、この方
法も気液界面面積を広げることを目的としているのであ
り、ミストの生成が成分濃度の違いを引き起こすことを
利用したものではない。加えて、濃縮の推進力はあくま
で熱を加えることによって得られている。
は、ミクロ粒子の濃縮法として、粒径の異なる懸濁粒子
及び分散粒子を含有した液体を霧化装置によって霧化
し、放出するミスト内にそれより小さな粒径の分子を包
含させ、それより大きい粒径もしくは包含されにくい大
きさの粒子を濃縮する装置が提案されている。しかし、
該ミクロ粒子の濃縮法は、濃縮したい成分がいずれもミ
ストの粒径に比して大きなものであって、あくまで被濃
縮物の粒径を利用したものでしかない。したがって、ミ
ストの径よりも圧倒的に小さな径を持つ低分子成分を分
別することができることを示唆するものではない。
鑑みてなされたもので、低温常圧下で操作でき、所要エ
ネルギーが小さく効率的な分溜方法及びその装置であっ
て、超音波発生手段を用いて被処理液を蒸発し、そのミ
ストから高濃度溶液又は低濃度溶液若しくはそれらを分
離回収するものを提供するものである。
達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、超音波振動子と被
処理液を分離するための膜によって超音波振動子が被処
理液に直接接触しないようにし、該膜と超音波発生手段
との間に第二の液体を導入した分溜装置を用い、この第
2の液体を介して気相に向けて超音波を照射して被処理
液を霧化および気化させ、発生したミストをその粒度に
応じて回収し、得られたそれぞれの溶液について目的物
質の成分を測定したところ、元の被処理液とミストの粒
度ごとに回収した溶液中の濃度がそれぞれ異なっている
ことを見いだした。さらに、前記被処理液の温度を様々
に変えて成分濃度を調べてみたところ、元の被処理液中
と粒度に応じて回収した溶液中の成分濃度の違いが低い
温度に保ったときほど大きくなっていることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
処理液の気液界面に該被処理液から隔離された第2の液
体を介して超音波を照射し、前記気液界面から発生する
ミストを回収するものである。
面に該被処理液から隔離された第2の液体を介して超音
波を照射し、前記気液界面から発生するミストをその粒
径に応じて分離し回収するものである。
あるアルコール溶液の気液界面に該被処理液から隔離さ
れた第2の液体を介して超音波を照射し、前記気液界面
から発生するミストのうち所定粒径以上のものを分離し
回収して被処理液よりも低濃度のアルコール溶液を得る
ものである。
い。また、これらの超音波分溜方法は、被処理液が、清
酒、ビール、ワイン、又はその他の酒類である場合に好
適に用いられる。
装置は、被処理液を該被処理液が気液界面を有するよう
に収容する第1の部屋と、第2の液体を収容する第2の
部屋と、前記第1の部屋と第2の部屋を区画し被処理液
と第2の液体とを隔離する分離区画手段と、前記第2の
液体と分離区画手段とを介して被処理液の気液界面に超
音波を照射する超音波発生手段と、前記気液界面から発
生するミストを液化し回収する回収手段とを備えてい
る。
第1の部屋内に収容された被処理液と、該被処理液の気
液界面に超音波を照射する超音波発生手段と、前記気液
界面から発生するミストをその粒径に応じて分離して液
化回収する回収手段とを備えている。
該被処理液が気液界面を有するように収容する第1の部
屋と、第2の液体を収容する第2の部屋と、前記第1の
部屋と第2の部屋を区画しかつ被処理液と第2の液体と
を隔離する分離区画手段と、前記第2の液体と分離区画
手段とを介して被処理液の気液界面に超音波を照射する
超音波発生手段と、前記気液界面から発生するミストを
その粒径に応じて分離して液化回収する回収手段とを備
えている。
大気圧に保つための手段を有し、前記被処理液がアルコ
ール溶液であり、前記回収手段が所定粒径以上のミスト
を分離し回収して被処理液よりも低濃度のアルコール溶
液を得るものとすることもできる。
チレン又はポリプロピレンからなるシートが好適に用い
られる。さらに、前記被処理液、第2の液体の少なくと
もいずれか一方を冷却する手段を設けるのが好ましい。
なお、第2の液体としては水が利用できる。さらにま
た、前記ミストの液化回収は第1の部屋で行うのが好ま
しい。
ルコール溶液に気泡を導入し、該気泡に超音波を照射し
てこれを微細化し、微細化された気泡を回収して該気泡
中のミストを回収するものである。また、この分離方法
を実施するための装置は、アルコール溶液を収容する容
器と、前記アルコール溶液に気泡を導入する手段と、前
記気泡に超音波を当てて微細化する超音波発生手段と、
微細化された気泡を回収し該気泡中のミストを回収する
手段とを備えている。
によってアルコール等の溶液の分離操作を行おうとする
場合、振動部材を被処理液中に設置すると、次の理由に
より高濃度の溶液を効率よく安定して得るためには好ま
しくない。
と、清酒を始めとして発酵生産物はアルコールのみなら
ず様々な物質を含んでおり、中には電解質も著量存在す
るため、これら電解質の影響を受けてセラミックス等で
できた振動部材上にコーティングされた金属が析出、剥
離、溶解するなどして、振動部材の長期使用に悪影響を
及ぼすだけでなく、清酒のような食品中への金属の移行
は好ましくない。 (2)被処理液の温度がアルコール等の分離能に極めて
強く影響を与え、温度が上昇すると分離能が低下する。
ところが、振動部材を被処理液中に設けると振動による
発熱により被処理液の温度が上昇し、アルコール分離能
が低下する。 (3)振動部材と液表面との距離は霧化能力において非
常に重要な因子であり、最適な距離が存在する。ところ
が、振動子と液表面の間を全て被処理液で満たしてしま
うと、濃度の高い気体が発生した後に残る濃度の低い溶
液はすぐさま該処理液と混ざりあって、せっかく分離し
た濃度の低い溶液を活用できなくなってしまう。これは
極めて効率の悪いことである。
の問題を解決することができる。振動部材と被処理液を
分離することによって、振動部材が被処理液と直接接
触しないようにし、振動子の発熱から被処理液の温度
上昇を防ぎ、被処理液の液厚を極力薄くして高いアル
コール濃度の溶液を得た後の被処理液を元の被処理液と
分けることが望まれる。
一具体例を示す。この分溜装置2において、超音波分溜
容器4は分離区画手段であるシート6により、このシー
ト6の上と下にそれぞれ位置する第1の部屋8と第2の
部屋10が形成されており、第1の部屋8には被処理液
12として例えばアルコールが収容され、第2の部屋1
0には第2の液体14が封入されている。容器4はまた
第1の部屋8に空気を導入する導入路16と容器内の空
気を回収する回収路18とを備えており、被処理液12
上の空間は大気圧状態に保たれている。第2の部屋10
の内部には超音波発生手段である超音波振動子20が設
けてあり、この超音波振動子20で発生した超音波が第
2の液体14とシート6を介して被処理液12の気液界
面22に向けて照射されるようにしてある。前記シート
6としては、ポリエチレンもしくはポリプロピレンから
なるものが好適に用いられる。ただし、シートの材質は
これらに限るものでなく、超音波が照射されることによ
って損傷することがなく、また超音波の有無に拘わらず
被処理液12の性質に影響を及ぼすことがないものであ
れば利用可能である。第2の液体14としては、超音波
の伝導性に優れたものを利用するのが好ましく、例えば
水が一般的に利用できる。
20から発射された超音波は、第2の液体14、シート
6、被処理液12を介して被処理液12の気液界面22
に伝播し、この気液界面22に液柱24を形成する。こ
の液柱24表面には被処理液12のミスト26が発生す
る。ミスト26は、導入路16から容器4内に導入され
る空気の流れによって回収路18から回収装置(以下の
実施例で詳細に説明する)に回収される。この時、配置
する振動子の出力および発振周波数は、被処理液例えば
アルコールの分離の度合い、装置形状にもよるが、振動
子一個当たり、それぞれ10〜100W程度、0.1M
Hz以上とするのが望ましい。
は、気体の発生に伴う装置内の圧力の上昇による装置か
らのアルコールの漏れを考慮しなければならない。ま
た、密閉することによって超音波発生装置の雰囲気中に
アルコールが充満し、超音波処理によってさらにアルコ
ールが気相中へ移行することを妨げてしまう。したがっ
て、気体なりミストが発生してくる液面に、常にアルコ
ールが存在しない外気などを導入することが必要とな
る。このように、密閉した装置は好ましくない。
てを回収液化することは、既に述べた次の理由により好
ましくない。超音波を照射して得られるミストには粒度
にばらつきがあり、機械的な衝突によって回収のし易い
比較的大きなミストは相対的にアルコール濃度が低く、
小さなミストはアルコール濃度が高い。そして、大きな
ミストのみを集めた場合には、元の被処理液中のアルコ
ール濃度よりもむしろ低くなっているのである。したが
って、発生してくるミストを全て同一のアルコール濃度
とみなして回収してしまうとアルコールの分離効率が悪
くなってしまうのである。よって、ミスト粒度に応じて
分別回収しなくてはならない。
以上の問題を解決することができる。図2は本発明を実
現した一具体例である。この図に示す超音波分溜装置3
0において、ガラス製の容器32はその上部に空気導入
路34とミスト回収路36を備えており、内部(第1の
部屋)38に被処理液(例えば清酒)40が収容されて
いる。この容器32は水槽42に収容されており、水槽
内(第2の部屋)44に収容した第2の液体(例えば
水)46と被処理液40とが容器32によって分離され
ている。水槽42内には超音波発生手段である超音波振
動子48が設けてある。この超音波振動子48は超音波
発生器50の駆動に基づいて超音波を発振し、その超音
波は第2の液体46、容器32、被処理液40を介して
この被処理液40の気液界面51に照射されるようにな
っている。水槽42はまた、超音波振動子48の発熱に
よる温度上昇を防止するとともに第2の液体46の温度
を所定の温度に維持するために、クーラ52とヒータ5
4を備えている。なお、これらのクーラ52とヒータ5
4は容器32に設けてもよい。
56に接続されており、ミスト回収路36からミストセ
パレータ56に導入されたミストは、所定粒径以上の大
きなものが貯留槽58に流下し、それ以外の小さなもの
はさらに濃縮装置であるコンデンサ60に送られ、ここ
で冷却されたミストが凝結し貯留槽62に溜められるよ
うになっている。なお、ミストセパレータ56として
は、公知のサイクロン方式のものが好適に用いられる。
は、超音波発生装置50の駆動に基づいて超音波振動子
48が超音波を発振する。なお、超音波振動子48の発
生する熱は第2の液体46に伝わるが、第2の液体46
の温度はクーラ52とヒータ54によって適正な温度に
保たれる。超音波振動子48で発生した超音波は、第2
の液体46、容器32、被処理液40を介して該被処理
液40の気液界面50に伝播し、液柱64を形成する。
また、液柱64の回りに形成されるミストは、空気導入
路34から導入される空気の流れに乗ってミスト回収路
36を介してミストセパレータ56に送られる。ミスト
セパレータ56では、所定粒径以上の大きなミストとそ
れ以下の小さなミストに分離され、大きなミストは貯留
槽58に流下し、他方小さなミストはコンデンサ60に
導かれて冷却凝結して別の貯留槽62に溜められる。な
お、ミストを運搬した空気は大気中に放出される。この
時、粒径の大きなミストを集めた貯留槽58のアルコー
ル濃度は元の清酒(被処理液)40よりも低く、貯留槽
62のアルコール濃度は元の清酒40よりも高い。
以上のものに限るものでなく、図3に示すようにしても
よい。この図に示す実施例において、超音波振動子70
はケース72にマウントされており、シート74によっ
て被処理液76と分離されている。また、超音波振動子
70とシート74との間の密封空間には第2の液体78
が封入されている。なお、80はシート押さえ、82は
パッキンで、シート74はこれらシート押さえ80とパ
ッキン82によって圧着保持されているので、第2の液
体78を収容した空間に被処理液が侵入し振動子70と
接触することはない。
して別に用意し、発生した気体を回収装置へと導く流路
を持つことは、超音波発生装置において発生してきたミ
ストなり気体なりを回収装置へ導く際に、狭い流路へと
気体が殺到するためにその部分で断熱圧縮が生じ、ミス
トなり気体が液化凝縮して再び被処理液に戻り、高いア
ルコール濃度の溶液を回収する効率を低下させてしま
う。したがって、流路を設けず、気体の発生とその回収
する装置を一体化することが必要不可欠となる。
ごとき超音波分溜装置を構成することもできる。この超
音波分溜装置90において、ハウジング92の上部には
超音波処理部94が設けてある。この超音波処理部94
の容器96はポリエチレンシート98によってその上部
と下部に位置する第1の部屋と第2の部屋に分離されて
おり、第1の部屋には被処理液100が収容され、第2
の部屋に第2の液体102である水が封入されている。
また、容器96の底部には複数の超音波振動子104が
設けてあり、被処理液100の気液界面に向けて超音波
が発振できるようになっている。超音波処理部94の上
に位置する空間106は、ハウジング側部に設けた前室
108を介して分離回収室110に連絡しており、超音
波処理部94で発生したミストがシロッコファン112
で導入された外気の流れに乗って分離回収室110に送
られるようになっている。
の間隔を置いて貫通孔112を形成した複数のパンチン
グメタル114(図5参照)が多段に配置されている。
パンチングメタル114の下流側には活性炭素繊維で構
成した複数の通気性ボード116を多段に設けてある。
ボード116は、図示するように鉛直方向に配置し、ミ
ストとの接触効率を高めるのが好ましい。ボード116
の下流側には、冷媒配管を蛇腹状に配設した板状の熱交
換器118が設けてある。また、パンチングメタル11
4、ボード116、及び熱交換器118の下方にはそれ
ぞれドレン抜き120、122、124が設けてある。
は、超音波振動子104で発振された超音波が第2の液
体102、ポリエチレンシート98、被処理液100を
介してこの被処理液100の気液界面に伝播し、そこで
被処理液100のミストが形成される。このミストは、
シロッコファン112で導入された外気と共に空間10
6、前室108を介して分離回収室110に送られる。
分離回収室110に導入されたミストは、パンチングメ
タル114で仕切られた複数の部屋を通過する間に、図
6に示すようにパンチングメタル114と衝突する。こ
のとき、粒径の大きなミストほどパンチングメタル11
4に衝突する確率が高い。逆に、粒径の小さなミストほ
どパンチングメタル114と衝突することなく貫通孔1
12を通過する確率が高い。パンチングメタル114に
衝突したミストは順に液化して流下し、底部に溜まった
液体がドレン抜き120から系外へと回収される。パン
チングメタル114に衝突することなく通過した小さな
ミストは活性炭素繊維ボード116を通過する際にこれ
と接触して液化し、その液体はドレン抜き122で系外
に回収される。ボード116をも通過したミストは熱交
換器118で冷却されて凝結し、その液体がドレン抜き
124で系外へと回収される。最後にミストを運んだ空
気はほとんど全ての液化すべき成分を回収された後開口
部126から大気中に捨てられる。
明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するもの
ではない。
の無い状態で清酒を容器に入れ、さらに、ステンレス製
の金属片を2本入れてそのそれぞれの金属片の一端に単
3乾電池の両極を接続した。この時の温度は、30℃に
保ち、超音波振動数2.3MHz、20Wの超音波を連
続的に12時間照射した。この時、振動子表面を肉眼に
て観察したところ、次第に黄銅色の光沢が現れはじめ、
表面のニッケル蒸着したメッキが剥がれていることが確
認された。実験終了後に実体顕微鏡にて振動子表面を観
察したところ、酒に接触していた部分としていなかった
部分に段差が観察され、ニッケルが清酒中もしくは金属
片へと移行したことが明らかであった。この実験は、実
機スケールのプラントを作成した場合に、何らかの電位
差が生じると振動子表面から金属が溶出するであろうこ
とを示唆しており、振動子の安定的使用および食品への
金属への移行という点で問題があることがわかった。
動子をシートで分離した場合には、同様の実験を行って
も振動子には何の影響もなかった。
20.1v/v%)を処理した。水槽中の水温を20℃
に保ち、振動数2.3MHz、20Wの振動子によって
超音波を発振させたとき、2つの貯留槽(58、62)
に得られた酒中のアルコール濃度を測定した。その結果
を示したのが図9の表である。この表から明らかなよう
に、貯留槽(58)中に得られた清酒は、同じ時点の元
の清酒中の成分と比較すると、アルコール濃度が低く、
エキス濃度が高く、酸度、アミノ酸度がそれぞれ高い濃
醇な酒となっている。一方、貯留槽(62)中に得られ
た清酒は、同じ時点の元の清酒中の成分と比較すると、
アルコール濃度が高く、エキス濃度、酸度、アミノ酸度
がそれぞれ低い高アルコール酒となった。図7は、図9
の表の元の清酒中のアルコール濃度と貯留槽(58)中
のアルコール濃度をプロットしたものであるが、グラフ
中の上側の直線は縦軸と横軸が同じアルコール濃度にな
る場合を示している。●印でプロットした貯留槽(5
8)中のアルコール濃度は、元の清酒中のアルコール濃
度に比例して、かつ、元のアルコール濃度より低くなっ
ているのが明らかである。このように、粒径の大きなミ
ストのみを集めることによって、元の清酒よりも低いア
ルコール濃度の清酒を得ることが可能であった。また、
貯留槽(62)に得られる高アルコール濃度の清酒は貯
留槽(58)の低アルコール分のミストを先に除去して
いるので、より高いアルコール濃度の清酒として分取す
ることが可能であった。加えて、貯留槽(58)中に得
られた清酒をさらにアルコール濃度が10v/v%とな
るように水で希釈してきき酒試験に供したところ、非常
に香味の優れた清酒であると評された。
具体化した装置について図8を参照して説明する。図8
の高濃度アルコール分離装置130において、容器13
2は導入口134と通気口136とを備えており、導入
口134から被処理液であるアルコール溶液138、通
気口136から気体(気泡140)が容器132内に導
入されるようになっている。なお、気体は空気でもよい
が、被処理液が酒などの食品の場合には窒素ガス、又は
炭酸ガスとするのが好ましい。容器132はまた排出路
142を介して気液分離槽144に接続されており、ポ
ンプ146によって容器132内のアルコール溶液13
8と気泡140が気液分離槽に排出されるようになって
いる。容器132はその内側又は外側に超音波振動子1
48を備えており、この超音波振動子148から発振さ
れた超音波によって通気口136から導入された空気の
気泡140が細かく砕かれるようになっている。なお、
超音波振動子148は、容器132の天井部、底部、又
は側部、それらの複数の箇所に設けてもよい。
に基づいて容器132内にアルコール溶液138が導入
される。他方、通気口136を介して空気の気泡140
が容器132内に導入され、これが超音波振動子148
から発振される超音波により細かく砕かれる。このと
き、アルコール溶液138中のアルコール分が微細化さ
れた気泡140中に含まれる。なお、微細化した気泡1
40が液中で均一に混合されずに偏在する場合には撹拌
機などを設けて気液を十分混合する。
溶液138はポンプ146によって排出路142から気
液分離槽144に排出され、アルコール溶液138と微
細化した気泡140によって運ばれたアルコール分が分
離され、アルコール溶液は液体出口150から排出さ
れ、分離されたアルコール分は気体出口152から図示
しない分離装置(例えば図4の分離回収室)に送られ、
ミストの大きさに応じて液化して回収される。
離方法及び装置によれば、超音波振動子と被処理液を分
離することによって、超音波振動子を長期間に渡って安
定的に使用でき、食品などへ金属イオンの移行を防ぎ、
かつ低温常圧下で操作できる所要エネルギが小さく効率
的な、アルコールを始めとした成分の分離が可能とな
る。加えて、本分溜装置において、発生してくるミスト
粒径に応じてミストを液化回収することによって、粒径
の小さなミストおよび蒸気を凝縮したものは非常にアル
コール濃度が高く、一方、ミスト粒径の大きなものはア
ルコールが低くなっているので、効率的なアルコールの
分離が可能となる。また、本発明の高濃度アルコール分
離方法及び装置によっても効率的なアルコールの分離が
可能となる。
離する一具体例を示すものである。
たものである。
うにした新規な超音波振動子を示したものである。
してくるミスト粒径に応じて分別する超音波霧化分溜装
置を示している。
説明したものである。
れを示したものである。
きの、元の清酒中のアルコール濃度を横軸に取り、同じ
時点に貯留槽に得られた溜液のアルコール濃度を縦軸に
プロットしたものである。
概略構成を示す図である。
きの、元の清酒の成分と2つの貯留槽に回収された液体
の成分を示すものである。
の部屋、10…第2の部屋、12…被処理液、14…第
2の液体、20…超音波振動子、22…気液界面、26
…ミスト。
Claims (15)
- 【請求項1】 被処理液の気液界面に該被処理液から隔
離された第2の液体を介して超音波を照射し、前記気液
界面から発生するミストを回収する超音波分溜方法。 - 【請求項2】 被処理液の気液界面に該被処理液から隔
離された第2の液体を介して超音波を照射し、前記気液
界面から発生するミストをその粒径に応じて分離し回収
する超音波分溜方法。 - 【請求項3】 被処理液であるアルコール溶液の気液界
面に該被処理液から隔離された第2の液体を介して超音
波を照射し、前記気液界面から発生するミストうち所定
粒径以上のものを分離し回収して被処理液よりも低濃度
のアルコール溶液を得る超音波分溜方法。 - 【請求項4】 前記気液界面を大気圧に保つ請求項1か
ら3のいずれかの超音波分溜方法。 - 【請求項5】 前記被処理液が、清酒、ビール、ワイ
ン、又はその他の酒類である請求項1から4のいずれか
の超音波分溜方法。 - 【請求項6】 被処理液を該被処理液が気液界面を有す
るように収容する第1の部屋と、第2の液体を収容する
第2の部屋と、前記第1の部屋と第2の部屋を区画し被
処理液と第2の液体とを隔離する分離区画手段と、前記
第2の液体と分離区画手段とを介して被処理液の気液界
面に超音波を照射する超音波発生手段と、前記気液界面
から発生するミストを液化し回収する回収手段とを備え
た超音波分溜装置。 - 【請求項7】 第1の部屋と、該第1の部屋内に収容さ
れた被処理液と、該被処理液の気液界面に超音波を照射
する超音波発生手段と、前記気液界面から発生するミス
トをその粒径に応じて分離して液化回収する回収手段と
を備えた超音波分溜装置。 - 【請求項8】 被処理液を該被処理液が気液界面を有す
るように収容する第1の部屋と、第2の液体を収容する
第2の部屋と、前記第1の部屋と第2の部屋を区画し被
処理液と第2の液体とを隔離する分離区画手段と、前記
第2の液体と分離区画手段とを介して被処理液の気液界
面に超音波を照射する超音波発生手段と、前記気液界面
から発生するミストをその粒径に応じて分離して液化回
収する回収手段とを備えた超音波分溜装置。 - 【請求項9】 前記第1の部屋を大気圧に保つための手
段を有し、前記被処理液がアルコール溶液であり、前記
回収手段が所定粒径以上のミストを分離し回収して被処
理液よりも低濃度のアルコール溶液を得る請求項7又は
8の超音波分溜装置。 - 【請求項10】 前記分離区画手段がポリエチレン又は
ポリプロピレンからなるシートである請求項6又は8の
超音波分溜装置。 - 【請求項11】 前記被処理液、第2の液体の少なくと
もいずれか一方を冷却する手段を有する請求項6又は8
の超音波分溜装置。 - 【請求項12】 前記第2の液体が水である請求項6又
は8の超音波分溜装置。 - 【請求項13】 前記ミストの液化回収が第1の部屋で
行われる請求項6から12のいずれかの超音波分溜装
置。 - 【請求項14】 アルコール溶液に気泡を導入し、該気
泡に超音波を照射してこれを微細化し、微細化された気
泡を回収して該気泡中のアルコール分を回収する高濃度
アルコール分離方法。 - 【請求項15】 アルコール溶液を収容する容器と、前
記アルコール溶液に気泡を導入する手段と、前記気泡に
超音波を当てて微細化する超音波発生手段と、微細化さ
れた気泡を回収し該気泡中のアルコール分を回収する手
段とを備えた高濃度アルコール分離装置。
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