JPH09192931A - 放電加工による表面層の形成方法 - Google Patents
放電加工による表面層の形成方法Info
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- JPH09192931A JPH09192931A JP14021196A JP14021196A JPH09192931A JP H09192931 A JPH09192931 A JP H09192931A JP 14021196 A JP14021196 A JP 14021196A JP 14021196 A JP14021196 A JP 14021196A JP H09192931 A JPH09192931 A JP H09192931A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面処理を行おうとする材料が加工液中に分
散しない。 【解決手段】 電極と被加工物により形成される極間
に、上記被加工物の表面層を形成する材料を、加工液中
に粉末状態にして介在させた後、攪袢手段により上記粉
末を攪袢しつつ放電を行なうことによって、被加工物の
表面層を形成する。
散しない。 【解決手段】 電極と被加工物により形成される極間
に、上記被加工物の表面層を形成する材料を、加工液中
に粉末状態にして介在させた後、攪袢手段により上記粉
末を攪袢しつつ放電を行なうことによって、被加工物の
表面層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電加工による表面
層の形成方法に関し、特に、導電性を有する材料の表面
に放電分散を促すことによる微細加工面の実現、もしく
は耐蝕、耐摩耗性の強い被覆を形成する方法に関する。
層の形成方法に関し、特に、導電性を有する材料の表面
に放電分散を促すことによる微細加工面の実現、もしく
は耐蝕、耐摩耗性の強い被覆を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−24916号公報にて公知
の通り、本発明者等は、既にシリコン電極等の半金属と
称される金属の電極を用いた放電加工によって、王水に
も侵されず、また数10%の永久変形を与えても剥離や
割れなどの損傷の起こりにくい強靱な表面層を形成する
方法を提案している。この従来方法は、通常の放電加工
機を使用して、電極材料にシリコン電極等の半金属を用
い、被加工材料としてSUS304(18Cr−8Ni
ステンレス鋼)や13Cr鋼、もしくは高速度鋼に放電
加工を行なうものであって、数10分ないし数時間の加
工によってSUS304ないし13Cr鋼や、高速度鋼
の表面に強い耐蝕性の加工面を得るものである。
の通り、本発明者等は、既にシリコン電極等の半金属と
称される金属の電極を用いた放電加工によって、王水に
も侵されず、また数10%の永久変形を与えても剥離や
割れなどの損傷の起こりにくい強靱な表面層を形成する
方法を提案している。この従来方法は、通常の放電加工
機を使用して、電極材料にシリコン電極等の半金属を用
い、被加工材料としてSUS304(18Cr−8Ni
ステンレス鋼)や13Cr鋼、もしくは高速度鋼に放電
加工を行なうものであって、数10分ないし数時間の加
工によってSUS304ないし13Cr鋼や、高速度鋼
の表面に強い耐蝕性の加工面を得るものである。
【0003】この場合の電極構造の一例を図13に示し
説明すると、1は例えばシリコン板で、銅丸棒2に通電
性接着剤3によって貼り付けた構造を示す。勿論、電極
はシリコンの素材を機械加工や放電加工することによっ
ても形成することができる。このようなものにおいて、
放電加工により金型などを加工し、その表面に耐蝕、耐
摩耗性の表面処理を上記の方法で行うには、先ずはじめ
に、低電極消耗特性の銅またはグラファイト電極を用い
て形状の荒加工を行い、その後、シリコン電極による加
工を行なうことになる。2工程で加工する理由はシリコ
ン材料が高価格であり、また放電加工における電極消耗
が著しく大きいため、加工除去量の大きい形状加工には
使用が困難であることによる(加工量の10倍程度は消
耗する)。
説明すると、1は例えばシリコン板で、銅丸棒2に通電
性接着剤3によって貼り付けた構造を示す。勿論、電極
はシリコンの素材を機械加工や放電加工することによっ
ても形成することができる。このようなものにおいて、
放電加工により金型などを加工し、その表面に耐蝕、耐
摩耗性の表面処理を上記の方法で行うには、先ずはじめ
に、低電極消耗特性の銅またはグラファイト電極を用い
て形状の荒加工を行い、その後、シリコン電極による加
工を行なうことになる。2工程で加工する理由はシリコ
ン材料が高価格であり、また放電加工における電極消耗
が著しく大きいため、加工除去量の大きい形状加工には
使用が困難であることによる(加工量の10倍程度は消
耗する)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、現状では形
状加工用の銅やグラファイト電極の他に、シリコン電極
を必要とすると云う二度の工程となる。換言すれば、形
状加工用電極(銅、グラファイト)の他に、シリコン電
極を作る必要があり、また電極取換が必要となる。従っ
て、形状加工用の銅やグラファイト電極のみで、被加工
物の表面にシリコン電極等を用いたのと同様な表面層を
形成できるようにすることが可能となれば、工業上、大
きな意義がある。
状加工用の銅やグラファイト電極の他に、シリコン電極
を必要とすると云う二度の工程となる。換言すれば、形
状加工用電極(銅、グラファイト)の他に、シリコン電
極を作る必要があり、また電極取換が必要となる。従っ
て、形状加工用の銅やグラファイト電極のみで、被加工
物の表面にシリコン電極等を用いたのと同様な表面層を
形成できるようにすることが可能となれば、工業上、大
きな意義がある。
【0005】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、表面処理を行おうとする材料の粉体
を介在させると共に、その介在させた材料を粉体を攪袢
することにより、形状加工用の銅、グラファイトなど通
常放電加工に用いられる電極によっても、被加工材料表
面をより微細化または被加工材料表面に被覆膜を形成す
ることのできる放電加工による表面層の形成方法を提供
しようとするものである。
になされたもので、表面処理を行おうとする材料の粉体
を介在させると共に、その介在させた材料を粉体を攪袢
することにより、形状加工用の銅、グラファイトなど通
常放電加工に用いられる電極によっても、被加工材料表
面をより微細化または被加工材料表面に被覆膜を形成す
ることのできる放電加工による表面層の形成方法を提供
しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る放電加工に
よる表面層の形成方法は、電極と被加工物により形成さ
れる極間に、上記被加工物の表面層を形成する材料を、
加工液中に粉末状態にして介在させた後、攪袢手段によ
り上記粉末を攪袢しつつ放電を行なうことによって、被
加工物の表面層を形成するようにしたものである。
よる表面層の形成方法は、電極と被加工物により形成さ
れる極間に、上記被加工物の表面層を形成する材料を、
加工液中に粉末状態にして介在させた後、攪袢手段によ
り上記粉末を攪袢しつつ放電を行なうことによって、被
加工物の表面層を形成するようにしたものである。
【0007】
実施の形態1.以下、本発明方法の一実施例を図に基づ
き説明するが、先ず、本発明の原理から説明する。図2
は通常の放電状態を示し、放電発生にはじまり、溶融金
属の飛散、放電痕、加工粉の生成、絶縁回復までを示
す。また、図1は極間に表面層を形成する材料としての
シリコンの粉体がある場合を示す。放電の発生はシリコ
ンの粉体が介在している点から発生し易い。これは、見
かけ上、極間が狭くなったのと同様の作用があるためで
ある。放電発生によりシリコンの粉体は、蒸発、溶融し
て電極面に高温高圧状態にて衝突し強固に圧着される。
相手の電極材質(例えば銅、グラファイト)も同様に作
用するが、実施形態1では極間にシリコン粉末を介在さ
せているので、極間にはこのシリコン粉末の方が多く、
加工点への距離が対向電極よりも近いので、殆どシリコ
ンが圧着することになる。
き説明するが、先ず、本発明の原理から説明する。図2
は通常の放電状態を示し、放電発生にはじまり、溶融金
属の飛散、放電痕、加工粉の生成、絶縁回復までを示
す。また、図1は極間に表面層を形成する材料としての
シリコンの粉体がある場合を示す。放電の発生はシリコ
ンの粉体が介在している点から発生し易い。これは、見
かけ上、極間が狭くなったのと同様の作用があるためで
ある。放電発生によりシリコンの粉体は、蒸発、溶融し
て電極面に高温高圧状態にて衝突し強固に圧着される。
相手の電極材質(例えば銅、グラファイト)も同様に作
用するが、実施形態1では極間にシリコン粉末を介在さ
せているので、極間にはこのシリコン粉末の方が多く、
加工点への距離が対向電極よりも近いので、殆どシリコ
ンが圧着することになる。
【0008】以上が本発明の原理説明であるが、これを
図3の概略構成図に基づき更に詳述する。図3(a)は
非加工時、図3(b)は加工時を示し、図において、4
は電極、5は加工槽6内に設置された被加工物で、被加
工物5と電極4とにより極間7を形成している。8は加
工槽6内の加工液、9は加工液8中に混入されたシリコ
ン粉末、10は極間7へ加工エネルギを供給する電源装
置、11は攪袢手段である空気ポンプで、加工槽6内に
空気を送り込むことにより加工液8に攪拌作用を与える
ものである。12は電極4を被加工物5に対して昇降動
作させる油圧シリンダ装置、13はそのピストンロッ
ド、14は油圧シリンダ装置12の制御を司るサーボ装
置である。
図3の概略構成図に基づき更に詳述する。図3(a)は
非加工時、図3(b)は加工時を示し、図において、4
は電極、5は加工槽6内に設置された被加工物で、被加
工物5と電極4とにより極間7を形成している。8は加
工槽6内の加工液、9は加工液8中に混入されたシリコ
ン粉末、10は極間7へ加工エネルギを供給する電源装
置、11は攪袢手段である空気ポンプで、加工槽6内に
空気を送り込むことにより加工液8に攪拌作用を与える
ものである。12は電極4を被加工物5に対して昇降動
作させる油圧シリンダ装置、13はそのピストンロッ
ド、14は油圧シリンダ装置12の制御を司るサーボ装
置である。
【0009】本発明方法は上記実施例装置によりなされ
るもので、加工液8の中にシリコン粉末9(平均粒径2
0〜40μm、シリコン粉末と加工液の混合割合20g
/L)を混合して加工槽6に満たし、空気ポンプ11か
ら加工槽6に空気を送り込み、攪拌作用を与えシリコン
粉末の沈澱を防いだ。また、図のように電極4を自動的
に間歇的に上下して放電によって生成される加工液分解
物や加工粉が、極間7に蓄積せずに拡散できるようにし
た。なお、攪袢手段である空気ポンプ11の代わり、加
工液循環ポンプを使用してもよい。また、電極材料は
銅、及びグラファイトから構成した。
るもので、加工液8の中にシリコン粉末9(平均粒径2
0〜40μm、シリコン粉末と加工液の混合割合20g
/L)を混合して加工槽6に満たし、空気ポンプ11か
ら加工槽6に空気を送り込み、攪拌作用を与えシリコン
粉末の沈澱を防いだ。また、図のように電極4を自動的
に間歇的に上下して放電によって生成される加工液分解
物や加工粉が、極間7に蓄積せずに拡散できるようにし
た。なお、攪袢手段である空気ポンプ11の代わり、加
工液循環ポンプを使用してもよい。また、電極材料は
銅、及びグラファイトから構成した。
【0010】図4及び図5は本発明方法の効果を説明す
るための金属組織を示す顕微鏡写真図であり、この中図
4は電極4の材料として銅、被加工物としてSKH−5
1を使用し、電気条件として電流ピーク値10A、パル
ス幅16μs、休止幅16μsを設定したものである。
図4(a)は加工液として灯油を使用したもので、その
面粗度は9μmRmaxであった。これに対し、図4
(b)は加工液として灯油を使用し、この灯油1Lの中
にシリコン粉末を20g(但し、平均粒径20〜40μ
φ)を介在させたもので、その面粗度は4μmRmax
である。
るための金属組織を示す顕微鏡写真図であり、この中図
4は電極4の材料として銅、被加工物としてSKH−5
1を使用し、電気条件として電流ピーク値10A、パル
ス幅16μs、休止幅16μsを設定したものである。
図4(a)は加工液として灯油を使用したもので、その
面粗度は9μmRmaxであった。これに対し、図4
(b)は加工液として灯油を使用し、この灯油1Lの中
にシリコン粉末を20g(但し、平均粒径20〜40μ
φ)を介在させたもので、その面粗度は4μmRmax
である。
【0011】また、図5は電極4の材料としてシリコ
ン、被加工物としてSKH−51を使用し、電気条件と
して電流ピーク値1A、パルス幅2μs、休止幅2μs
を設定したものである。図5(a)は加工液として灯油
を、また、図5(b)は加工液として灯油を使用し、こ
の灯油の中にシリコン粉末を介在させたものである。な
お、図4、図5に示す結果は、上記の条件以外に、極間
距離を拡げるために、主電源電圧80Vの他に、0〜2
20Vの補助電源を使用した。図6はこの時に使用した
高電圧重畳回路を示し、図中、R1,R2,は抵抗器、
Dはダイオード、TR1,TR2はトランジスタ、10
aは主電源、10bは補助電源を示している。このよう
な高電圧重畳回路により補助電源の電圧を変化させて得
られる加工の安定度の実験結果を図7に示す。
ン、被加工物としてSKH−51を使用し、電気条件と
して電流ピーク値1A、パルス幅2μs、休止幅2μs
を設定したものである。図5(a)は加工液として灯油
を、また、図5(b)は加工液として灯油を使用し、こ
の灯油の中にシリコン粉末を介在させたものである。な
お、図4、図5に示す結果は、上記の条件以外に、極間
距離を拡げるために、主電源電圧80Vの他に、0〜2
20Vの補助電源を使用した。図6はこの時に使用した
高電圧重畳回路を示し、図中、R1,R2,は抵抗器、
Dはダイオード、TR1,TR2はトランジスタ、10
aは主電源、10bは補助電源を示している。このよう
な高電圧重畳回路により補助電源の電圧を変化させて得
られる加工の安定度の実験結果を図7に示す。
【0012】上記実施形態1によって得られたことをま
とめると、次の事項となる。電圧の高い程安定であるこ
とを示している。すなわち、シリコン粉末が極間に介在
した場合、同一電圧でも放電は大きな極間距離で発生し
易くなるが、それでもなお、高い電圧を加えた方が加工
は安定であることが判る。この実験で得られた試験片を
王水に50分浸漬したが、浸蝕を受けなかった。図4、
図5の顕微鏡写真図はこの時の試験片表面組織の状態を
示している。図4(a)に見られる如く、銅電極のみで
はシリコン被覆膜は生成せず、また、仕上げ面粗さも粗
い。シリコン粉末を介在させると、平滑なシリコン被覆
膜の生成が見られる(図4(b))。図5からは溶融シ
リコンが衝撃的に加工面に衝突している様子が観察され
る。また、極間にシリコン粉体を介在させると、仕上げ
面粗さが精細になる(図5(b)参照)。実験した加工
例によれば、シリコン電極を用いた場合に加工液は通常
の鉱物性油(灯油)を用いて、30分程度を要するもの
が、3〜5分程度で達成される。
とめると、次の事項となる。電圧の高い程安定であるこ
とを示している。すなわち、シリコン粉末が極間に介在
した場合、同一電圧でも放電は大きな極間距離で発生し
易くなるが、それでもなお、高い電圧を加えた方が加工
は安定であることが判る。この実験で得られた試験片を
王水に50分浸漬したが、浸蝕を受けなかった。図4、
図5の顕微鏡写真図はこの時の試験片表面組織の状態を
示している。図4(a)に見られる如く、銅電極のみで
はシリコン被覆膜は生成せず、また、仕上げ面粗さも粗
い。シリコン粉末を介在させると、平滑なシリコン被覆
膜の生成が見られる(図4(b))。図5からは溶融シ
リコンが衝撃的に加工面に衝突している様子が観察され
る。また、極間にシリコン粉体を介在させると、仕上げ
面粗さが精細になる(図5(b)参照)。実験した加工
例によれば、シリコン電極を用いた場合に加工液は通常
の鉱物性油(灯油)を用いて、30分程度を要するもの
が、3〜5分程度で達成される。
【0013】ところで、放電加工の加工速度を仕上げ面
粗さの精細な条件で電極を電気的に分割するとともに、
電源から各電極への接続を、それぞれ抵抗を通して加工
する多分割加工回路がある。図8はこの多分割加工回路
を用いた本発明方法の他の実施例を示すもので、図中、
15は抵抗器群、16は発振器、17は増幅器、18は
トランジスタスイッチング回路、4a,4b,・・・4
nは分割電極である。このように分割する代わりに電気
抵抗をもっている材料を電極とすると一体の電極であり
ながら、放電が発生するたびに分割されて同時に多数の
放電が発生することを、本発明者等は既に明きらかに
し、その代表的電極材料がシリコン電極であることを発
表している。この実施例においても、極間にシリコン粉
末を介在させることにより、前述した実施例同様の作用
効果を奏する。
粗さの精細な条件で電極を電気的に分割するとともに、
電源から各電極への接続を、それぞれ抵抗を通して加工
する多分割加工回路がある。図8はこの多分割加工回路
を用いた本発明方法の他の実施例を示すもので、図中、
15は抵抗器群、16は発振器、17は増幅器、18は
トランジスタスイッチング回路、4a,4b,・・・4
nは分割電極である。このように分割する代わりに電気
抵抗をもっている材料を電極とすると一体の電極であり
ながら、放電が発生するたびに分割されて同時に多数の
放電が発生することを、本発明者等は既に明きらかに
し、その代表的電極材料がシリコン電極であることを発
表している。この実施例においても、極間にシリコン粉
末を介在させることにより、前述した実施例同様の作用
効果を奏する。
【0014】また、シリコン粉末を極間に介在させて放
電加工を行なう場合においても、シリコンで形成した電
極や、グラファイト表面をシリコンと反応させSiCの
表面とする場合や、シリコン粉末と亜鉛との混合体、シ
リコン粉末と銅との混合体、シリコンと水ガラスの混合
体、シリコンと亜鉛と水ガラスとの混合体などのよう
に、抵抗性をもたせた電極で、放電加工を行うと、同一
の電気条件でも、仕上げ面粗さが細かくなると言う結果
を得ている。さて、本発明は上述したように、電極と被
加工物により形成される極間に、上記被加工物の表面層
を形成するシリコンを、加工液中に粉末状態にして介在
させた後、放電を行なうことによって、被加工物の表面
層を形成するようにしたものであるが、このようなもの
においても、表面処理を行おうとするシリコンの粉体が
互いに固着するのを防ぐことについては必ずしも万全で
はない。
電加工を行なう場合においても、シリコンで形成した電
極や、グラファイト表面をシリコンと反応させSiCの
表面とする場合や、シリコン粉末と亜鉛との混合体、シ
リコン粉末と銅との混合体、シリコンと水ガラスの混合
体、シリコンと亜鉛と水ガラスとの混合体などのよう
に、抵抗性をもたせた電極で、放電加工を行うと、同一
の電気条件でも、仕上げ面粗さが細かくなると言う結果
を得ている。さて、本発明は上述したように、電極と被
加工物により形成される極間に、上記被加工物の表面層
を形成するシリコンを、加工液中に粉末状態にして介在
させた後、放電を行なうことによって、被加工物の表面
層を形成するようにしたものであるが、このようなもの
においても、表面処理を行おうとするシリコンの粉体が
互いに固着するのを防ぐことについては必ずしも万全で
はない。
【0015】図9乃至図12は表面処理を行おうとする
シリコンの粉体が互いに固着するのを防止できるよう、
揺動運動機構を付加した本発明の別の発明を示すもので
ある。これを更に詳述すると、20は被加工物(図示せ
ず)を載置するテーブル、4は被加工物と対向する電
極、4A〜4Dは交換用電極、12は電極4をサーボ制
御する油圧シリンダ装置、21は油圧シリンダ装置12
のサーボ制御を司る数値制御装置、22はテーブル20
をX軸方向へ駆動するX軸モータ、23はテーブル20
をY軸方向へ駆動するY軸モータ、24は電極交換装置
であって、前述したように荒加工、中加工、仕上げ加工
の段階にわけて電極4A〜4Dを自動的に交換する機能
を有する。なお、10は電極4と被加工物間に加工エネ
ルギを供給する加工電源、13は油圧シリンダ装置12
のピストンロッドであり、先端に電極4が装着されてい
る。
シリコンの粉体が互いに固着するのを防止できるよう、
揺動運動機構を付加した本発明の別の発明を示すもので
ある。これを更に詳述すると、20は被加工物(図示せ
ず)を載置するテーブル、4は被加工物と対向する電
極、4A〜4Dは交換用電極、12は電極4をサーボ制
御する油圧シリンダ装置、21は油圧シリンダ装置12
のサーボ制御を司る数値制御装置、22はテーブル20
をX軸方向へ駆動するX軸モータ、23はテーブル20
をY軸方向へ駆動するY軸モータ、24は電極交換装置
であって、前述したように荒加工、中加工、仕上げ加工
の段階にわけて電極4A〜4Dを自動的に交換する機能
を有する。なお、10は電極4と被加工物間に加工エネ
ルギを供給する加工電源、13は油圧シリンダ装置12
のピストンロッドであり、先端に電極4が装着されてい
る。
【0016】このようなものにおいて、テーブル20上
には加工液を収納する図示しない加工層が載置され、ま
たX軸モータ22、Y軸モータ23のそれぞれの方向に
おける動き、電極交換装置24の動作、加工電源10の
電気条件は、油圧シリンダ装置12と同様、数値制御装
置21により制御されるようになっている。そして、電
極4と被加工物間には、図10に示すようなパターンの
揺動運動が付与されるようになっている。
には加工液を収納する図示しない加工層が載置され、ま
たX軸モータ22、Y軸モータ23のそれぞれの方向に
おける動き、電極交換装置24の動作、加工電源10の
電気条件は、油圧シリンダ装置12と同様、数値制御装
置21により制御されるようになっている。そして、電
極4と被加工物間には、図10に示すようなパターンの
揺動運動が付与されるようになっている。
【0017】図11は揺動運動機構を付加した上記実施
例の効果を説明するために、次の加工条件により行った
実験例を示すものである。加工条件は、 1 電極:銅 2 被加工物:高速度鋼(SKH−51) 3 加工液:灯油はシリコン粉末を20g/L 混入 4 電気条件:電流ピーク値1ρ=1A パルス幅τp=2μs 休止幅τs=2μs 5 電極極性:電極(−) 即ち、図11において、図11(a)は加工液のみで加
工した場合の面粗さを、図11(b)は加工液中にシリ
コン粉末を混入して電極4と被加工物間に揺動運動を付
与しない場合の面粗さを、図11(c)は加工液中にシ
リコン粉末を混入して電極4と被加工物間に揺動運動
(揺動速度96mm/min)を付与した場合の面粗さ
を、それぞれ示している。
例の効果を説明するために、次の加工条件により行った
実験例を示すものである。加工条件は、 1 電極:銅 2 被加工物:高速度鋼(SKH−51) 3 加工液:灯油はシリコン粉末を20g/L 混入 4 電気条件:電流ピーク値1ρ=1A パルス幅τp=2μs 休止幅τs=2μs 5 電極極性:電極(−) 即ち、図11において、図11(a)は加工液のみで加
工した場合の面粗さを、図11(b)は加工液中にシリ
コン粉末を混入して電極4と被加工物間に揺動運動を付
与しない場合の面粗さを、図11(c)は加工液中にシ
リコン粉末を混入して電極4と被加工物間に揺動運動
(揺動速度96mm/min)を付与した場合の面粗さ
を、それぞれ示している。
【0018】また、図12は揺動運動機構を付加した上
記実施例の効果を説明するための金属組織を示す顕微鏡
写真図であり、この中図12(a)は加工液中にシリコ
ン粉末を混入して電極4と被加工物間に揺動運動を付与
しない場合における金属組織の状態を、図12(b)は
加工液中にシリコン粉末を混入して電極4と被加工物間
に揺動運動を付与した場合における金属組織の状態を、
それぞれ示している。図12(a)ではシリコンの固着
した様子が見られ、仕上げ面粗さもやや荒いことが判
る。電極4と被加工物間に揺動運動を付与した図12
(b)ではなだらかに見える。この理由は、電極4と被
加工物表面との凹凸の相は位置が変わるために、平滑化
するからと考えられる。
記実施例の効果を説明するための金属組織を示す顕微鏡
写真図であり、この中図12(a)は加工液中にシリコ
ン粉末を混入して電極4と被加工物間に揺動運動を付与
しない場合における金属組織の状態を、図12(b)は
加工液中にシリコン粉末を混入して電極4と被加工物間
に揺動運動を付与した場合における金属組織の状態を、
それぞれ示している。図12(a)ではシリコンの固着
した様子が見られ、仕上げ面粗さもやや荒いことが判
る。電極4と被加工物間に揺動運動を付与した図12
(b)ではなだらかに見える。この理由は、電極4と被
加工物表面との凹凸の相は位置が変わるために、平滑化
するからと考えられる。
【0019】以上、本発明方法の実施例について説明し
たが、本発明は以下のような変形例をも含むことは言う
までもない。 イ)シリコン粉末のみならず、他の金属粉、例えば、タ
ングステンカーバイト(WC)や硼化ジルコニウム(Z
rB2)などの、半金属性や炭化物や硼化物すなわちフ
ァインセラミック材料の表面層の形成にも使用できる。 ロ)また、加工液を鉱物性の油と限らず、シリコン油
や、水(蒸溜水)を用いても放電加工さえ行われるなら
ば、実用可能である。 ハ)非導電性のセラミックスなどへ被覆する時は、セラ
ミックス表面を無電解メッキや銀鏡反応等で表面のみ導
体化して、上記の表面層の形成を行なうことができる。 ニ)被覆物質として非導電性のものも使用したい時に
は、できるだけ微細な粉体を用い、その中に、導電性粉
体を混入させて上記のことを行えば可能な場合がある。
この場合の非導電性物質とは、例えばアルミナ(Al2
O3)の如きものである。
たが、本発明は以下のような変形例をも含むことは言う
までもない。 イ)シリコン粉末のみならず、他の金属粉、例えば、タ
ングステンカーバイト(WC)や硼化ジルコニウム(Z
rB2)などの、半金属性や炭化物や硼化物すなわちフ
ァインセラミック材料の表面層の形成にも使用できる。 ロ)また、加工液を鉱物性の油と限らず、シリコン油
や、水(蒸溜水)を用いても放電加工さえ行われるなら
ば、実用可能である。 ハ)非導電性のセラミックスなどへ被覆する時は、セラ
ミックス表面を無電解メッキや銀鏡反応等で表面のみ導
体化して、上記の表面層の形成を行なうことができる。 ニ)被覆物質として非導電性のものも使用したい時に
は、できるだけ微細な粉体を用い、その中に、導電性粉
体を混入させて上記のことを行えば可能な場合がある。
この場合の非導電性物質とは、例えばアルミナ(Al2
O3)の如きものである。
【0020】なお、上述した各実施例のいずれの場合に
おいても重要なことは、シリコン粉末等の表面層を形成
するシリコンを極間に充分に介在せしめることである。
すなわち1回の放電により加工除去される量よりも、過
剰にシリコン粉末を放電点付近に存在させるために、通
常の放電加工よりも、極間距離を広くとることである。
おいても重要なことは、シリコン粉末等の表面層を形成
するシリコンを極間に充分に介在せしめることである。
すなわち1回の放電により加工除去される量よりも、過
剰にシリコン粉末を放電点付近に存在させるために、通
常の放電加工よりも、極間距離を広くとることである。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、表
面層を形成する材料を、加工液中に粉末状態にして介在
させた後、攪袢手段により上記粉末を攪袢しつつ放電加
工を行うようにしたことにより、加工液中の粉末が固着
せず、放電が均一に分散するので、加工速度の向上が図
れると共に、通常放電加工に用いられる電極によって
も、耐蝕性が大きく、密着度も大きな表面処理が可能と
なる。一般的に知られている高温窒化やCVDなどは、
900℃前後の高温で処理するために、素材に歪や軟化
を生じやすく、温度を下げれば剥離しやすくなるが、本
発明は、素材に歪や軟化を起こすことはなく、多種少量
にも適する。
面層を形成する材料を、加工液中に粉末状態にして介在
させた後、攪袢手段により上記粉末を攪袢しつつ放電加
工を行うようにしたことにより、加工液中の粉末が固着
せず、放電が均一に分散するので、加工速度の向上が図
れると共に、通常放電加工に用いられる電極によって
も、耐蝕性が大きく、密着度も大きな表面処理が可能と
なる。一般的に知られている高温窒化やCVDなどは、
900℃前後の高温で処理するために、素材に歪や軟化
を生じやすく、温度を下げれば剥離しやすくなるが、本
発明は、素材に歪や軟化を起こすことはなく、多種少量
にも適する。
【図1】 本発明の原理を説明するための図で、極間に
シリコンの粉体がある場合の説明図である。
シリコンの粉体がある場合の説明図である。
【図2】 本発明の原理を説明するための図で、通常の
放電状態の説明図である。
放電状態の説明図である。
【図3】 (a),(b)はいずれも本発明の一実施例
を説明するための概略構成図である。
を説明するための概略構成図である。
【図4】 (a),(b)はいずれも本発明の効果を説
明するための金属組織を示す顕微鏡写真図である。
明するための金属組織を示す顕微鏡写真図である。
【図5】 本発明の効果を説明するための金属組織を示
す顕微鏡写真図である。
す顕微鏡写真図である。
【図6】 図3の電源装置部の一例を主電源に補助電源
を重畳した高電圧重畳回路で示す原理図である。
を重畳した高電圧重畳回路で示す原理図である。
【図7】 (a),(b),(c)はいずれも放電開始
電圧に対する加工の安定度を示す説明図である。
電圧に対する加工の安定度を示す説明図である。
【図8】 電源装置部の他の例を示す多分割加工回路の
原理図である。
原理図である。
【図9】 本発明の別の発明を説明するための図3相当
図である。
図である。
【図10】 図9の揺動運動のパターンを示す説明図で
ある。
ある。
【図11】 (a),(b),(c)は仕上げ面粗さを
揺動運動の有無による比較で示す説明図である。
揺動運動の有無による比較で示す説明図である。
【図12】 図9の効果を説明するための金属組織を示
す顕微鏡写真図である。
す顕微鏡写真図である。
【図13】 従来例を説明するための電極の構成図であ
る。
る。
4 電極、5 被加工物、7 極間、8 加工液、9
シリコン粉末、10電源装置、11 空気ポンプ。 なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
シリコン粉末、10電源装置、11 空気ポンプ。 なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 電極と被加工物により形成される極間
に、上記被加工物の表面層を形成する材料を、加工液中
に粉末状態にして介在させた後、攪袢手段により上記粉
末を攪袢しつつ放電を行なうことによって、被加工物の
表面層を形成する放電加工による表面層の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8140211A JP3015730B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 放電加工による表面層の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8140211A JP3015730B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 放電加工による表面層の形成方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1015813A Division JPH0749170B2 (ja) | 1988-01-26 | 1989-01-25 | 放電加工による表面層の形成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09192931A true JPH09192931A (ja) | 1997-07-29 |
| JP3015730B2 JP3015730B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=15263510
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8140211A Expired - Lifetime JP3015730B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 放電加工による表面層の形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3015730B2 (ja) |
-
1996
- 1996-06-03 JP JP8140211A patent/JP3015730B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3015730B2 (ja) | 2000-03-06 |
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