JPH09194615A - 紫外レーザーを用いる高分子成形品の表面改質方法 - Google Patents

紫外レーザーを用いる高分子成形品の表面改質方法

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JPH09194615A
JPH09194615A JP864296A JP864296A JPH09194615A JP H09194615 A JPH09194615 A JP H09194615A JP 864296 A JP864296 A JP 864296A JP 864296 A JP864296 A JP 864296A JP H09194615 A JPH09194615 A JP H09194615A
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弘之 新納
Yoshinori Koga
義紀 古賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外レーザーを用いる高分子成形品の表面改
質方法において、その成形品の表面を効率よく高度に親
水化する方法及びその成形品の表面を真空装置を用いる
ことなく、経済的に親水化する方法を提供する。 【解決手段】 高分子成形品の表面に、ヒドラジン化合
物と含酸素低分子化合物との気体状混合物を接触させた
状態において、紫外レーザーを照射し、該高分子成形品
の表面を親水化させることを特徴とする高分子成形品表
面の表面改質方法。高分子成形品の表面に、ヒドラジン
化合物を含む溶液を接触させた状態において、紫外レー
ザーを照射し、該高分子成形品の表面を親水化させるこ
とを特徴とする高分子成形品の表面改質方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外レーザーを用
いる高分子成形品の表面改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外域の高強度パルス光を発振するエキ
シマレーザーを用いた高分子表面反応は、ポリマーの精
密な表面処理・表面加工法として、基礎及び応用の両面
から活発に検討が進められている。一方、ポリ四フッ化
エチレンに代表されるフッ素系ポリマーは、熱的及び化
学的に安定性が高く工業的に広く興味が持たれている。
しかし、表面自由エネルギーが非常に低いために表面は
撥水撥油性を示し、表面の接着性が悪く応用分野が制約
されている現状がある。したがって、成形品自体の諸特
性を保ったままで、表面の接着性を向上させるために、
様々な表面改質法によって極性基を導入することが検討
されている。例えば、プラズマ処理を用いる方法(M. Mo
rra, et al.,Langmuir, vol.5, p.872(1989))、アルカ
リ金属の溶液を用いた化学的活性化方法(E. R. Nelson,
et al., Industrial and Engineering Chemistry, vo
l.50, p.329(1958))、レーザー照射による方法(特開平
2-196834、特開平5−306346、特開平6
−172560、特開平6−228343、特開平6−
240026、特開平6−279590、特開平6−2
93837、特開平6−329818、特開平7−11
8421、特開平7−179636、特開平7−207
049)などが報告されている。これらの方法は、高分
子表面に物理的なダメージ与えたり、局所的な表面改質
が困難であったり、試薬類の取扱いに十分な注意が必要
であるなどの問題があった。本発明者らはこれまでに、
ヒドラジン化合物の蒸気雰囲気中で、紫外レーザー照射
によりフッ素系高分子成形品表面を親水化させる方法を
提案した(特公平7−5773および特公平7−577
6)。この場合の親水化表面は、レーザーによって気相
中で光分解したヒドラジン分子が成形品表面と反応し、
表面のF原子が引き抜かれ、さらに、H原子やNH2
が置換することで得られる。したがって、レーザー処理
された表面層は、水素に置換したポリエチレン鎖上に親
水基としてアミノ基を含む構造を持っている。しかしな
がら、この場合の高分子成形品表面の親水化は、アミノ
基の導入によるものであることから、成形品表面を高度
に親水化しようとすると、高強度のレーザーを用いて多
量のアミノ基の導入を必要とした。また、前記の従来法
においては、ヒドラジン化合物は、これを高真空下で蒸
発させる必要があることから、真空装置及びそのための
真空ポンプの使用を必要とした。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紫外レーザ
ーを用いる高分子成形品の表面改質方法において、その
成形品の表面を効率よく高度に親水化する方法及びその
成形品の表面を真空装置を用いることなく、経済的に親
水化する方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、高分子成形品の表面
に、ヒドラジン化合物と含酸素低分子化合物との気体状
混合物を接触させた状態において、紫外レーザーを照射
し、該高分子成形品の表面を親水化させることを特徴と
する高分子成形品表面の表面改質方法が提供される。ま
た、本発明によれば、高分子成形品の表面に、ヒドラジ
ン化合物を含む溶液を接触させた状態において、紫外レ
ーザーを照射し、該高分子成形品の表面を親水化させる
ことを特徴とする高分子成形品の表面改質方法が提供さ
れる。
【0005】
【発明の実施の形態】本明細書で言う高分子成形品に
は、高分子で形成されたフィルム、シート、板体、容
器、構造物、繊維、織布、編布、不織布等が包含され、
その形状は特に限定されない。また、この場合の成形品
材料である高分子も特に制約されず、従来公知の各種の
高分子であることができる。このような高分子には、フ
ッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド等の熱
可塑性樹脂;エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
また、フッ素系樹脂としては、ポリ四フッ素化エチレ
ン、ポリ六フッ素化プロピレン、ポリフッ素化ビニリデ
ン、ポリ三フッ素化塩化エチレン、四フッ素化エチレン
の各種共重合体等が挙げられる。これらのフッ素系高分
子成形品の表面は、撥水・撥油性を有し、非親水性のも
のであるが、本発明によると、その成形品表面を高度の
親水性表面に改質することができる。
【0006】本発明で用いるヒドラジン化合物とは、ヒ
ドラジン基(−NHNH2)を含有する化合物を意味す
るもので、フェニルヒドラジン、ヒドラジン、抱水ヒド
ラジン、メチルヒドラジンの他、塩酸ヒドラジン、硫酸
ヒドラジン、塩酸フェニルヒドラジン等が挙げられる。
【0007】本発明においては、ヒドラジン化合物と含
酸素低分子化合物からなる気体混合物を高分子成形品の
表面に接触させた状態で紫外レーザーを照射することに
より、その成形品表面を効率よく親水化させることがで
きる。この場合の含酸素低分子化合物としては、その分
子量が1000以下、好ましくは250以下の従来公知
の各種のものが用いられる。このようなものとしては、
例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、グ
リコール、グリセリン等のアルコール;ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、安息香
酸等のカルボン酸;ギ酸メチル、酢酸メチル等のエステ
ル;ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチ
ルエーテル等のエーテル;アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン等のケトン、エチレンオキサイド、
プロピオンオキサイド等のアルキレンオキサイド;過酸
化水素、過安息香酸、m−クロロ安息香酸、過酢酸、t
−ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物;二酸化窒
素、二酸化塩素等の含酸素ガス等が挙げられる。これら
の含酸素低分子化合物は単独又は混合物の形で用いられ
る。
【0008】ヒドラジン化合物と含酸素低分子化合物と
の気体状混合物を得るには、密閉容器内にヒドラジン化
合物と含酸素低分子化合物又は両者の混合物を導入し、
真空ポンプによりその容器内を真空にし、ヒドラジン化
合物を蒸発気化させればよい。また、この場合、含酸素
低分子化合物も常温で液体状を示し、気体状のものでな
い場合には、容器内において蒸発気化させる。それらの
蒸発気化に際しては、加熱を併用することができる。こ
の場合の加熱温度は、通常、200℃以下、好ましくは
100℃以下である。ヒドラジン化合物及び含酸素低分
子化合物を蒸発気化させる具体的真空度及び温度は、そ
れらの化合物の蒸気圧を考慮して適当に定めればよい。
本発明の場合、ヒドラジン化合物の気体中濃度が高い程
好ましく、それ故、ヒドラジン化合物の飽和蒸気圧を用
いるのが好ましい。気体中におけるヒドラジン化合物と
含酸素低分子化合物との比率は、含酸素低分子化合物1
モル当り、ヒドラジン化合物0.01〜10モル、好ま
しくは0.5〜2モルの割合である。
【0009】本発明においては、ヒドラジン化合物を含
む溶液を高分子成形品の表面に接触させた状態で紫外レ
ーザーを照射することにより、その成形品表面を経済的
に有利に親水化させることができる。この場合、ヒドラ
ジン化合物を含む溶液としては、ヒドラジン化合物を常
温で液状の含酸素低分子化合物に溶解させた溶液である
のが好ましく、このような溶液の使用により、高分子成
形品の表面を効率よく高親水性表面に改質することがで
きる。ヒドラジン化合物を溶解させる溶媒の種類は特に
制約されず、前記した含酸素低分子化合物の他、アミン
やメルカプタン等の窒素原子やイオウ原子を含有する常
温で液状の低分子化合物を用いることができるし、常温
で液状を示す炭化水素及びハロゲン化炭化水素等を用い
ることができる。本発明において好ましく用いられるヒ
ドラジン化合物用溶媒は、水又は水溶液である。この場
合の水溶液としては、前記した含酸素低分子化合物や、
含窒素低分子化合物、含イオウ低分子化合物等を含む水
溶液を挙げることができる。溶液中のヒドラジン化合物
の濃度は、そのヒドラジン化合物の種類によって適当に
選定されるが、その上限はヒドラジン化合物の飽和溶解
度である。一般的には、ヒドラジン化合物の溶液中濃度
は、0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%
以上であればよく、0.01〜10重量%、特に、0.
01〜0.5重量%程度の濃度で十分である。ヒドラジ
ン化合物の溶媒に溶かした溶液を用いる場合には、高分
子成形品をその溶液中に浸漬した状態や、溶液を高分子
成形品表面に流延もしくは付着させた状態あるいは溶液
を噴霧して形成した液滴微粒子を高分子成形品表面に接
触させた状態において、紫外レーザーを照射すればよ
い。このような溶液を用いる高分子成形品の表面改質処
理は、常温、常圧で実施することができることから、真
空処理装置及び真空ポンプの使用が不要となり、経済性
の点から著しく有利になる。
【0010】本発明で用いる紫外レーザーとしては、ヒ
ドラジン化合物を電子励起させ得るものであればよく、
通常、その波長が310nm以下のものが有利に用いら
れる。このような紫外レーザーとしては、アルゴンフッ
素エキシマレーザー、クリプトンフッ素エキシマレーザ
ー、キセノン塩素エキシマレーザー等を有利に用いるこ
とができる。また、Na+:YAGレーザー、色素レー
ザー、Krイオンレーザー、Arイオンレーザーあるい
は銅蒸気レーザーの基本波長を非線形光学素子等によ
り、310nm以下の紫外線領域の波長に変換したもの
も有効である。レーザーのインフルエンスとしては、高
分子やヒドラジン化合物の種類にもより異なるが、通
常、パルス幅がナノ秒程度として約1mJ/パルス以上
の高強度レーザーが好ましい。
【0011】本発明によると、ヒドラジン化合物と含酸
素低分子化合物を併用することにより、高分子成形品表
面を、その表面にアミノ基等の含窒素基及び水酸基等の
含酸素基が結合した高度親水性表面に容易に改質するこ
とができる。紫外レーザーをヒドラジン化合物と含酸素
低分子化合物との混合物に照射すると、電子励起状態の
ヒドラジン化合物が生成し、つづいてそのヒドラジン化
合物がラジカルやナイトレンなどの高い化学反応性を有
する活性種に分解する。次にこれらの活性種は含酸素低
分子化合物の分子と反応するため、別種の活性種がその
含酸素低分子化合物の分子から生成する。したがって、
レーザー照射によって含酸素低分子化合物からの活性種
とヒドラジン化合物からの活性種が生成することにな
る。ヒドラジン化合物と水との混合物を用いた場合、ヒ
ドラジン化合物から発生するH原子、NH2基、NH基
の他に、水分子からそのアミノ基よりも親水性の高いO
H基が新たに生成する。これらの活性種は高分子表面と
反応し、表面の原子と置換する。よって、レーザー処理
後のポリマー分子鎖には、親水基として水酸基とアミノ
基が置換している。また、このようにして、ヒドラジン
化合物とともに、含酸素低分子化合物、含窒素化合物、
含イオウ化合物等のヘテロ原子含有化合物を併用する
と、それらの低分子化合物に由来する、酸素、窒素及び
/又はイオウ等を含む活性種が生成するので、ヒドラジ
ン化合物のみを用いたレーザー処理の時とは異なり、多
様な活性種を発生させることができる。さらに、活性種
の寿命はそれほど長くないために、レーザーが照射され
ている表面部位のみに置換反応は起こり、位置選択的な
表面反応が生じる。さらにまた、このようにして生成さ
れた水酸基やアミノ基は、有機酸無水物と反応し、エス
テル結合やアミド結合を介してアルキル基を固定化する
ことができるため、表面を親油化させることも可能であ
る。本発明方法において、紫外レーザーの光強度は、ア
ブレーションが起こるしきい値強度よりも低い強度で行
なうことが好ましい(約100mJ/cm2/パルス以下)。ま
た、成形品がレーザーに透明である場合にはレーザーを
成形品の裏側から照射することもできる。
【0012】フェニルヒドラジンを含む水溶液中でKr
Fレーザーの照射を行なったポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)フィルムは、その表面が、水酸基及びア
ミノ基に置換されていることがX線光電子分光測定(X
PS)により確認された(図1及び図2参照)。レーザ
ー処理を行っていない場合を示す図2と比較してレーザ
ー処理を行った場合の図1では水酸基によるO1sピー
ク及びアミノ基によるN1sピークが現われ、また、フ
ッ素原子によるF1sピークが炭素原子によるC1sピ
ークに比べ減少していることが示されている。これは、
レーザー照射前にF原子が結合していたC原子にO原子
やN原子すなわち水酸基やアミノ基が置換していること
を意味している。さらに、水に対する接触角も130度
から50度に変化し、表面が高度に親水化されているこ
とが明らかになった。このような簡便・迅速な方法で、
親水化の著しく困難であったフッ素系高分子成形品表面
を高度に親水化させることが可能になった。このよう
に、水酸基やそれにより親水性の高いアミノ基等の親水
基によって表面改質されたフッ素系高分子成形品は、バ
ルクの諸特性が保持されたまま表面自由エネルギーが大
きくなっているために、フッ素系高分子材料の長所を生
かした上で表面接着性の向上、色素の吸着、ならびに、
細胞の増殖基板などに応用範囲を広げることが可能であ
る。
【0013】また、本発明によれば、高分子フィルムの
改質したい部位に相当するマスク(金属板製パターンな
ど)を通過させたレーザービームを照射することで、希
望する照射部分のみに、表面改質を行なうことが可能で
ある。エキシマレーザーのビームは、ヘリウム−ネオン
レーザー、アルゴン及びクリプトンイオンレーザーやN
+:YAGレーザー等の他のレーザーのビームと比較し
て、ビーム形状は大きく、ビームを走査させ、任意の形
状の改質すべき部位を照射することで、大面積処理にも
容易に対応できる。特に、本発明では、紫外レーザーに
よる非熱的な光化学反応により、ヒドラジン化合物が反
応するので、照射部位以外の周辺には何らの熱的損傷を
伴わず、極めて効果的に表面処理を行なうことができ
る。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。
【0015】実施例1 ポリ四フッ化エチレン(PTFE)フィルムを反応容器
にセットし、室温において、フェニルヒドラジン水溶液
(フェニルヒドラジン濃度:0.02wt%)中雰囲気
においてKrFエキシマレーザーを17mJ/cm2
パルスの強度で1000パルス照射し(パルス繰り返し
数:10Hz)、表面改質膜を得た。レーザー照射によ
って、水に対する表面の接触角は130度から50度に
減少し、表面が親水化したことが判明した。また、X線
光電子分光測定(XPS)によってもO1sピークおよ
びN1sピークがあらわれ、F1sピークが減少したこ
とから、表面に水酸基及びアミノ基が導入されているこ
とが確認された(図1及び図2)。
【0016】実施例2 四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FE
P)フィルムを反応容器にセットし、室温において、フ
ェニルヒドラジンの0.02wt%水溶液中においてK
rFエキシマレーザーを17mJ/cm2/パルスの強
度で1000パルス照射し、表面改質膜を得た。レーザ
ー照射によって、水に対する表面の接触角は130度か
ら60度に減少し、表面が親水化したことが判明した。
また、X線光電子分光測定(XPS)によってもO1s
ピークおよびN1sピークがあらわれ、F1sピークが
減少したことから、表面に水酸基及びアミノ基が導入さ
れていることが確認された。
【0017】実施例3 PTFEフィルムを反応容器にセットし、室温におい
て、フェニルヒドラジンの0.05wt%水溶液中にお
いてXeClエキシマレーザーを70mJ/cm2/パ
ルスの強度で600パルス照射し、表面改質膜を得た。
レーザー照射によって、水に対する表面の接触角は13
0度から60度に減少し、表面が親水化したことが判明
した。また、X線光電子分光測定(XPS)によっても
O1sピークおよびN1sピークがあらわれ、F1sピ
ークが減少したことから、表面に水酸基及びアミノ基が
導入されていることが確認された。
【0018】実施例4 四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FE
P)またはエチレン・四フッ化エチレン共重合体(ET
FE)フィルムを反応容器にセットし、室温において、
フェニルヒドラジンの0.05wt%水溶液中において
XeClエキシマレーザーを70mJ/cm2/パルス
の強度で600パルス照射し、表面改質膜を得た。レー
ザー照射によって、水に対する表面の接触角は130度
から70度(FEP)、110度から80度(ETF
E)に減少し、表面が親水化したことが判明した。
【0019】実施例5 PTFEフィルムを反応容器にセットし、室温におい
て、フェニルヒドラジンのヘキサン溶液中においてXe
Clエキシマレーザーを50mJ/cm2/パルスの強
度で1000パルス照射し、表面改質膜を得た。レーザ
ー照射によって、水に対する表面の接触角は130度か
ら80度に減少し、表面が親水化したことが判明した。
【0020】実施例6 FEPフィルムを反応容器にセットし、室温において、
塩酸ヒドラジンの0.02wt%水溶液中においてKr
Fエキシマレーザーを40mJ/cm2/パルスの強度
で1000パルス照射し、表面改質膜を得た。レーザー
照射によって、水に対する表面の接触角は130度から
60度に減少し、表面が親水化したことが判明した。
【0021】実施例7 実施例1において、ポリ四フッ化エチレンフィルムの代
りに、ポリプロピレンフィルムを用いた以外は同様にし
て実験を行った。この場合にもそのフィルムの表面にア
ミノ基及び水酸基が導入され、そのフィルムの水に対す
る接触角は100度から50度に減少し、そのフィルム
表面は高度に親水化されたことが確認された。
【0022】実施例8 実施例1において、水の代りにメタノールを用いた以外
は同様にして実験を行った。この場合にも、そのフィル
ムの表面にアミノ基及び水酸基が導入され、そのフィル
ム表面は高度に親水化されたことが確認された。
【0023】実施例9 PTFEフィルムを反応器にセットし、室温において、
ヒドラジンとメタノールからなる気体混合物(ヒドラジ
ン/メタノールモル比=1/1、ヒドラジン蒸気圧:約
9トール)中において、KrFエキシマレーザーを17
mJ/cm2/パルスの強度で1000パルス照射し
(パルス繰り返し数:10Hz)、表面改質膜を得た。
レーザー照射によって、水に対する表面の接触角は13
0度から70度に減少し、表面が親水化したことが判明
した。また、X線光電子分光測定(XPS)によっても
O1sピークおよびN1sピークがあらわれ、F1sピ
ークが減少したことから、表面に水酸基及びアミノ基が
導入されていることが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明による紫外レーザーを用いた高分
子成形品の表面改質法は、前記レーザーがエネルギー及
び位置制御性に優れているために、極めて効果的に精密
で均一な高度親水化表面処理を、レーザー照射によるパ
ターン形成部位のみに行なうことができる。本発明によ
るヒドラジン化合物と含酸素低分子化合物を併用した高
分子成形品の表面改質方法においては、その成形品表面
は、アミノ基と含酸素基の両方が結合した高親水性表面
に改質される。一方、本発明によるヒドラジン化合物を
含む溶液を用いる高分子成形品の表面改質方法は、その
成形品の改質を常温、常圧の条件で行うことができるこ
とから、経済的に非常に有利である。しかも、この場合
にも、ヒドラジン化合物と含酸素低分子化合物を併用す
ることにより、高親水性表面を効率よく得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により表面改質を行ったポリ四フッ化エ
チレンフィルムのX線光電子分光(XPS)スペクトル
である。
【図2】レーザーを照射する前のポリ四フッ化エチレン
フィルムのXPSスペクトルである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子成形品表面に、ヒドラジン化合物
    と含酸素低分子化合物との気体状混合物を接触させた状
    態において、紫外レーザーを照射し、該高分子成形品の
    表面を親水化させることを特徴とする高分子成形品表面
    の表面改質方法。
  2. 【請求項2】 高分子成形品の表面に、ヒドラジン化合
    物を含む溶液を接触させた状態において、紫外レーザー
    を照射し、該高分子成形品表面を親水化させることを特
    徴とする高分子成形品の表面改質方法。
  3. 【請求項3】 高分子成形品の表面に、ヒドラジン化合
    物と含酸素低分子化合物との液状混合物を接触させた状
    態において、紫外レーザーを照射する請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 高分子成形品の表面に、ヒドラジン化合
    物の水溶液を接触させた状態において、紫外レーザーを
    照射する請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 高分子成形品がフッ素系高分子成形品で
    ある請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 紫外レーザーとして、アルゴンフッ素エ
    キシマレーザー、クリプトンフッ素エキシマレーザー、
    又はキセノン塩素エキシマレーザーを用いることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかの方法。
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