JPH09195840A - 可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置

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JPH09195840A
JPH09195840A JP8009694A JP969496A JPH09195840A JP H09195840 A JPH09195840 A JP H09195840A JP 8009694 A JP8009694 A JP 8009694A JP 969496 A JP969496 A JP 969496A JP H09195840 A JPH09195840 A JP H09195840A
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valve timing
internal combustion
valve
combustion engine
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばバルブオーバーラップが大きい部分負
荷走行時にエンジンストール等で機関が停止すると、カ
ム反力や各部の摩擦力等の保持力によって、始動時バル
ブタイミングに復帰する前に、再始動時の燃料噴射が開
始されることがあり、この場合には、排気側に過大に燃
料が吹き抜けて排気性能が悪化する。 【解決手段】 機関本体1の再始動時には、バルブタイ
ミング判定部16は、カム角センサ12が検出したカム
角θCに基づいてバルブタイミングを検出し、バルブオ
ーバーラップの小さい始動時バルブタイミングに復帰し
たか否かを監視する。そして、始動時バルブタイミング
に復帰すると、燃料噴射許可部17は、始動燃料の噴射
開始を許可する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸排気弁のバルブ
タイミングを可変に設定可能な可変動弁機構を備えた内
燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に、エンジン停止
時には始動時バルブタイミングに復帰する特性を有する
可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えばアイドリング時等の低回転低負荷
走行域では、吸排気弁の開時期が重なるバルブオーバー
ラップは少ない方が望ましい。これに対し、高回転高負
荷走行域では、バルブオーバーラップは大きい方が好ま
しい。従って、この相反する要請に応えるべく、近年
は、運転条件に応じて吸排気弁のバルブタイミングを可
変に調整可能な可変動弁機構を備えた内燃機関が種々提
案されている。
【0003】この可変動弁機構としては、カムシャフト
を回転させて作動中心角を可変制御するカムひねり型
(または中心角可変型)のもの、駆動軸外周に配置した
カムシャフトを駆動軸に対して不等速回転させることで
作動角を可変制御する作動角可変型のもの、作動角の異
なるカムを切り換えてバルブタイミングを可変制御する
カム切換型のものとが知られている。いずれも、通常、
機関停止時には、再始動に備えて、初期状態としての始
動時のバルブタイミングに自動的に復帰する構造となっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるものでは、バルブオーバーラップが大きく
設定された部分負荷時(パーシャル時)に、エンジンス
トール等で機関が停止すると、バルブリフトによるカム
反力、カムの駆動伝達系(例えば駆動用ベルト、駆動用
チェーン)及びリングギアの摩擦力等によって、機関停
止直前のバルブオーバーラップがそのまま維持される場
合がある。
【0005】このため、部分負荷走行域に応じて設定さ
れた大きなバルブオーバーラップのままで、機関が再始
動される可能性があり、再始動時に噴射される始動時燃
料が排気側に過大に吹き抜けてしまい、排気性能が悪化
するおそれがある。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みて
なされたもので、その目的は、再始動時の排気性能低下
を防止できるようにした可変動弁機構を備えた内燃機関
の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、機関
再始動時には、始動時バルブタイミングに達したことを
検出するか、または始動時バルブタイミングに達したと
みなせる場合にのみ、始動時の燃料噴射を許可すること
により、噴射燃料の排気側への過大な吹き抜けを防止せ
んとしている。
【0008】即ち、本発明に係る可変動弁機構を備えた
内燃機関の燃料噴射制御装置の採用する構成は、吸排気
弁の開閉タイミングを可変制御する可変動弁機構を備え
た内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前記吸排気弁
のバルブタイミングが始動時バルブタイミングに達した
ときには燃料噴射を許可する燃料噴射許可手段を設けた
ことを特徴としている。これにより、機関再始動時に
は、吸排気弁のバルブタイミングが始動時バルブタイミ
ングに復帰しない限り、始動燃料の噴射が許可されるこ
とがない。
【0009】また、より具体的な請求項2に係る発明で
は、吸排気弁の開閉タイミングを可変制御する可変動弁
機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置であって、前
記吸排気弁のバルブタイミングを検出するバルブタイミ
ング検出手段と、この検出されたバルブタイミングが始
動時バルブタイミングに達したか否かを判定するバルブ
タイミング判定手段と、前記吸排気弁のバルブタイミン
グが始動時バルブタイミングに達したときには燃料噴射
を許可する燃料噴射許可手段とを設けたことを特徴とし
ている。これにより、バルブタイミング検出手段が検出
した吸排気弁のバルブタイミングが始動時バルブタイミ
ングに達するまでの間、始動燃料の噴射が阻止される。
【0010】請求項3に係る発明では、吸排気弁の開閉
タイミングを可変制御する可変動弁機構を備えた内燃機
関の燃料噴射制御装置であって、機関始動時には所定の
遅延時間が経過したときに燃料噴射を許可する燃料噴射
許可手段を設けたことを特徴としている。可変動弁機構
の特性に応じて遅延時間を設定することにより、直接的
にバルブタイミングを検出することなく、バルブタイミ
ングが始動時バルブタイミングに戻ったとき頃を見計ら
って始動燃料を噴射することができる。
【0011】請求項4に係る発明では、前記遅延時間を
前記吸排気弁のバルブタイミングに関連したパラメータ
に基づいて設定することを特徴としている。機関再始動
時に吸排気弁のバルブタイミングが始動時バルブタイミ
ングに復帰するまでの所要時間は、可変動弁機構の特
性、運転状態等によって種々変化する。従って、予め実
機試験やシュミレーション等により、バルブタイミング
に関連したパラメータ、即ち、始動時バルブタイミング
への復帰時間に影響を与えるパラメータを選定してお
き、このパラメータの値に応じて遅延時間を設定するこ
とにより、正確に始動時バルブタイミングに達した時期
に燃料噴射を開始することができる。
【0012】具体的には、請求項5に係る発明では、前
記パラメータとして、前記可変動弁機構を駆動する作動
流体の温度または機関冷却水温のいずれかを用いること
を特徴としている。温度によって作動流体(作動油)の
粘性は変化し、この粘性によって始動時バルブタイミン
グに復帰するまでの所要時間は変化する。従って、作動
流体の粘性を、作動流体の温度または機関冷却水温を介
して間接的に検出することにより、最適な遅延時間を設
定することができる。
【0013】請求項6に係る発明では、前記パラメータ
として、クランキング回転を用いることを特徴としてい
る。再始動によりクランキングが開始されると、リター
ンスプリング等の復帰力によって徐々に始動時バルブタ
イミングに戻っていくため、クランキングの回転開始を
検出してから所定の遅延時間が経過した後に、始動燃料
を噴射することにより、ほぼ始動時バルブタイミングに
復帰した時期に燃料を供給することができる。
【0014】請求項7に係る発明では、前記パラメータ
として、前記可変動弁機構の機関停止時におけるカム状
態を用いることを特徴としている。機関停止時における
カム状態、例えば作動角、作動中心角等によって、始動
時バルブタイミングに復帰するまでの所要時間は変化す
る。従って、カム状態に基づいて遅延時間を設定するこ
とにより、始動時バルブタイミングに戻った時期に始動
燃料を噴射することができる。
【0015】請求項8に係る発明では、前記可変動弁機
構を備えた内燃機関として、左右のバンクにそれぞれ可
変動弁機構を有するV型内燃機関を用い、左右のバンク
のうち先に前記始動時バルブタイミングに達したバンク
側から燃料噴射を許可することを特徴としている。これ
により、左右の各バンクのうち、いずれか一方が他方よ
りも早く始動時バルブタイミングに復帰した場合には、
当該バンク側の燃料噴射が先行して開始される。従っ
て、この片方のバンクの燃料噴射による機関回転数の上
昇により、他方のバンクは通常のクランキング時よりも
短時間で始動時バルブタイミングに復帰する。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る可変動弁機構を備えた内燃
機関の燃料噴射制御装置によれば、機関再始動時には、
吸排気弁のバルブタイミングが始動時バルブタイミング
に復帰しない限り、始動燃料は噴射されない。従って、
バルブオーバーラップが大きい状態で始動燃料が噴射さ
れるのを防止でき、排気側に過大に噴射燃料が吹き抜け
て排気が悪化するのを防止することができる。
【0017】また、所定の遅延時間経過後に始動燃料を
噴射する構成によれば、直接的にバルブタイミングを検
出することなく、バルブタイミングが始動時バルブタイ
ミングに戻ったとき頃を見計らって始動燃料を噴射で
き、制御構造を簡素化することができる。
【0018】より具体的には、前記遅延時間を前記吸排
気弁のバルブタイミングに関連したパラメータに基づい
て設定する構成により、より正確に始動時バルブタイミ
ングに達した時期に燃料噴射を開始することができ、排
気の悪化を防止できる。
【0019】具体的なパラメータとして、作動流体の温
度または機関冷却水温を用いれば、始動時バルブタイミ
ングへの復帰時間に影響を与える作動流体の粘性に応じ
て、最適な遅延時間を設定することができ、排気悪化を
防止できる。
【0020】また、パラメータとして、クランキング回
転を用いる構成によっても、ほぼ始動時バルブタイミン
グに復帰した時期に始動燃料を供給でき、排気悪化を防
止することができる。
【0021】さらに、パラメータとして、可変動弁機構
の機関停止時におけるカム状態を用いる構成によって
も、例えば作動角、作動中心角等のカム状態によって変
化する始動時バルブタイミングへの復帰時間に応じたタ
イミングで、始動燃料を噴射することができ、排気悪化
を防止できる。
【0022】可変動弁機構を備えた内燃機関として、左
右のバンクにそれぞれ可変動弁機構を有するV型内燃機
関を用い、左右のバンクのうち先に始動時バルブタイミ
ングに達したバンク側から燃料噴射を許可する構成によ
り、左右の各バンクのうち、いずれか早く始動時バルブ
タイミングに復帰した側の燃料噴射を先行して開始する
ことができ、この先行した片方のバンクの燃料噴射によ
る機関回転数の上昇によって、他方のバンクの復帰時間
を通常のクランキングによる復帰時間よりも短縮でき、
排気悪化を防止しつつ再始動時間を短縮して運転性を向
上できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図8に基づいて説明する。
【0024】まず、図1は、本発明の第1の実施例に係
る可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置の
全体構成を示す構成説明図であって、機関本体1には、
図示せぬ吸気弁を駆動するための吸気カムシャフト2が
シリンダヘッドの上方に設けられている。また、図示を
省略しているが、排気弁を駆動するための排気カムシャ
フトもシリンダヘッドの上方に機関本体1の長手方向に
沿って配設され、これによりDOHC型機関が構成され
ている。以下、吸気カムシャフト2側について説明す
る。
【0025】この吸気カムシャフト2は、その前部がカ
ムスプロケット3及び駆動用チェーンを介してクランク
シャフト(いずれも図示せず)に接続されており、その
後部は機関本体1に軸支されている。吸気カムシャフト
2には、2個1組の吸気カム4が軸方向に離間して各気
筒毎に設けられていると共に、吸気カムシャフト2の前
端には可変バルブタイミング装置5が設けられており、
これによって、「可変動弁機構」を構成している。
【0026】この可変バルブタイミング装置5は、制御
油圧の給排によって吸気カムシャフト2のカムスプロケ
ット3に対する位相を遅延させることにより、吸気カム
4の作動中心角を可変に制御するものである。そして、
これら各一対の吸気カム4によってロッカシャフト6に
支持された吸気ロッカアーム7が揺動し、吸気弁が開閉
されるようになっている。ここで、可変バルブタイミン
グ装置5は、図8と共に後述する如く、吸気カムシャフ
ト2の前端に取付ボルト等を介して軸方向に接続された
インナハウジングと、このインナハウジングの外周側に
離間して設けられたアウタハウジングと、これら各ハウ
ジング間の環状室内に軸方向に移動可能に設けられた第
1,第2の各ヘリカルギアと、この各ヘリカルギアを常
時始動時バルブタイミングを形成する方向に向けて付勢
するリターンスプリングと、このリターンスプリングの
復帰力に抗して各ヘリカルギアを移動させるべく油圧を
供給する油圧通路(いずれも図示せず)等から概略構成
されており、機関本体1が停止したときには、リターン
スプリングのばね力によって各ヘリカルギアは初期位置
に押し戻され、これにより、始動時バルブタイミングを
形成するようになっている。
【0027】図中において、9は機関回転数Nを検出す
るクランク角センサ、10は機関冷却水温Twを検出す
る水温センサ、11は吸入空気量Qを検出するエアフロ
ーメータ、12はカム角度θCを検出するカム角セン
サ、13はスタータモータ(図示せず)の作動を検出す
るスタータスイッチをそれぞれ示し、これら各センサ類
は、図示せぬスロットルセンサ、空燃比センサ等と共
に、後述のコントロールユニット14に接続されてい
る。ここで、前記カム角センサ12が「バルブタイミン
グ検出手段」を構成している。
【0028】機関本体1には、例えば常開型の電磁弁等
からなる油圧制御弁8が設けられている。この油圧制御
弁8は、コントロールユニット14によって開閉制御さ
れるものであり、可変バルブタイミング装置5に供給す
る油圧をオンオフ制御することにより、吸気カムシャフ
ト2の位相を変化させるものである。
【0029】機関を電気的に集中制御するコントロール
ユニット14は、例えばCPU,RAM,ROM,入出
力インターフェース(いずれも図示せず)からマイクロ
コンピュータシステムとして構成されている。このコン
トロールユニット14の出力側には前記油圧制御弁8、
各燃料噴射弁15、図示せぬ点火栓等が接続されてお
り、各燃料噴射弁15から所定の燃料噴射時期に噴射さ
れた燃料は、点火栓によって強制着火される。ここで、
このコントロールユニット14は、機関本体1の運転状
態に応じた燃料噴射量を演算して各燃料噴射弁15の作
動を制御するための燃料噴射量制御部と、機関本体1の
運転状態に応じて最適のバルブタイミングを実現するべ
く可変バルブタイミング装置5を制御するバルブタイミ
ング制御部(いずれも図示せず)とを備えている。
【0030】また、コントロールユニット14には、そ
の特徴的内部機能として、機関再始動時のバルブタイミ
ングが所定の始動時バルブタイミングに復帰したか否か
を判定する「バルブタイミング判定手段」としてのバル
ブタイミング判定部16と、始動時バルブタイミングに
復帰したときには始動燃料の噴射を許可する「燃料噴射
許可手段」としての燃料噴射許可部17とが設けられて
いる。
【0031】次に、本実施例の作動について図2及び図
3を参照しつつ説明する。まず、図2は機関始動時の制
御処理を示すフローチャートであって、ステップ(図中
では「S」と示す)1では、エンジンキーの挿入回転に
よって「ACC」→「イグニッション」→「スタート」
の順で信号が生成されると、スタータモータへの給電が
開始され、スタータモータによるクランキングが始ま
る。次に、ステップ2では、カム角センサ12が検知し
たカム角θCによって現在のバルブタイミングを検出
し、ステップ3では、この検出したバルブタイミングが
始動時バルブタイミングであるか否か、即ち、可変バル
ブタイミング装置8のリターンスプリング等によって、
バルブタイミングが始動時バルブタイミングに復帰した
か否かを監視する。
【0032】そして、バルブタイミングが始動時バルブ
タイミングに復帰したときは、前記ステップ3は「YE
S」と判定してステップ4に移る。このステップ4で
は、通常の燃料噴射制御部に対して燃料噴射許可を与
え、これによって、始動燃料の噴射が開始される。
【0033】このように構成される本実施例によれば、
以下の効果を奏する。
【0034】第1に、吸排気弁のバルブタイミングが始
動時バルブタイミングに達したときには燃料噴射を許可
する燃料噴射許可部17を設ける構成のため、例えばバ
ルブオーバーラップが大きい部分負荷走行時にエンジン
ストール等で機関本体1が停止した場合でも、再始動時
には、始動時バルブタイミングに復帰するのを待ってか
ら始動燃料を噴射供給することができる。この結果、吸
気カム2の駆動系の摩擦力やカム反力等でバルブオーバ
ーラップの値が大きいまま再始動が開始された場合で
も、始動時バルブタイミングに復帰しなければ燃料が噴
射されないため、始動燃料が過大に排気側に吹き抜けて
排気が悪化するのを効果的に防止することができる。
【0035】この点について図3を参照しつつ説明す
る。図3は、始動時における燃料噴射時期、バルブオー
バーラップ量及び機関回転数の各時間変化を示すタイミ
ングチャートであって、機関本体1がバルブオーバーラ
ップの大きい部分負荷走行域にある最中、時刻T0でエ
ンジンストール等により機関停止となった場合、可変バ
ルブタイミング装置5は、その内蔵したリターンスプリ
ングによって、バルブタイミングを始動時バルブタイミ
ングに戻そうとする。しかし、カム反力やチェーン、リ
ングギア等の摩擦力によって、カムシャフト2の位相は
初期状態としての始動時バルブタイミングに速やかに戻
らないため、依然としてバルブオーバーラップは大きい
値を維持している。
【0036】そして、時刻T1で運転者がエンジンキー
を操作して機関再始動を行うと、スタータモータが駆動
してクランキングが開始される。ここで、従来技術によ
るものでは、バルブタイミングの復帰遅れに対する考慮
を欠くため、クランキング開始後、時刻T3で燃料噴射
を開始する。しかし、上記摩擦力等によって、まだバル
ブオーバーラップは大きいままであるため、図3中の点
線で示す如く、この時刻T0で燃料を噴射すると、排気
側に通常値よりも多い量の燃料が吹き抜けてしまい、排
気性能が低下する。
【0037】これに対し、本実施例では、クランキング
開始によってバルブオーバーラップが小さい始動時バル
ブタイミングに復帰する時刻T2まで待ってから、燃料
噴射を許可するため、通常値以上の燃料が排気側に吹き
抜けることがなく、排気性能を改善することができるの
である。
【0038】第2に、具体的には、カム角センサ12が
検出するカム角θCによってバルブタイミングを検知
し、このバルブタイミングが始動時バルブタイミングに
達したとバルブタイミング判定部16が判断したとき
に、燃料噴射許可部17が燃料の噴射開始を許可する構
成のため、実際のバルブタイミングが始動時バルブタイ
ミングに復帰したのを確認してから始動燃料を噴射する
ことができ、一層排気性能を改善することができる。
【0039】なお、ここで、「バルブタイミング検出手
段」としては、カム角センサ12に限らず、油圧制御弁
8によって制御される油圧を圧力センサで検出し、この
検出油圧力によってバルブタイミングを検知する構成で
もよい。可変バルブタイミング装置5は油圧制御される
ため、かかる油圧力をモニタすれば、バルブタイミング
を間接的に検出することができる。
【0040】次に、図4及び図5を参照しつつ本発明の
第2の実施例を説明する。なお、以下の各実施例では前
記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。本実施例の特徴は、再
始動時にバルブオーバーラップの小さい始動時バルブタ
イミングに復帰する遅延時間を予め設定しておき、その
遅延時間経過後に燃料の噴射開始を許可するものであ
る。
【0041】図4は、本実施例によるコントロールユニ
ット21の内部機能を示す機能ブロック図であって、こ
のコントロールユニット21は、遅延時間の経過をもっ
て始動時バルブタイミングに復帰したものとみなすバル
ブタイミング判定部22と、バルブタイミング判定部2
2が始動時バルブタイミングに達したとみなしたときに
燃料噴射弁15による燃料の噴射開始を許可する燃料噴
射許可部23とを備えている。また、前記バルブタイミ
ング判定部22は、油圧制御弁8によって切換制御され
る「作動流体」としての作動油の温度tAを検出する油
温センサ24が接続された遅延時間設定部25と、油温
Aに応じた遅延時間Tdがマップ化された温度−遅延
時間マップ26と、このマップ26に基づいて設定され
た遅延時間Tdが経過したか否かをタイマ27の計時情
報に基づいて判定する遅延時間判定部28とから構成さ
れている。
【0042】ここで、作動油の油温tAが「吸排気弁の
バルブタイミングに関連したパラメータ」の一例であ
る。油温tAによって作動油の粘性が変化し、これによ
り可変バルブタイミング装置5の作動時間が影響される
からである(温度が低下するほど粘度が増し、粘度の増
大に応じて復帰時間が長くなる)。従って、作動油の粘
性を水温センサ10による機関冷却水温Twによって、
より間接的に検出する構成であってもよい。この場合
は、作動油粘度の検出がより間接的になる反面、構造を
簡素化することができる。
【0043】次に、図5のフローチャートに基づいて本
実施例の作用について説明する。まず、エンジンキーが
「スタート」位置まで回動された時点で本プログラムは
開始され、ステップ11では、油温センサ24によって
油温tAを検出する。次に、ステップ12では、この検
出された油温tAに基づいて温度−遅延時間マップ26
から該油温tAに応じた遅延時間Tdを読み出して遅延
時間設定部25により設定し、次にステップ13では、
スタータモータを回転させてクランキングを開始する。
【0044】そして、ステップ14では、タイマ27を
スタートさせてタイムカウントを開始し、ステップ15
では、遅延時間判定部28により遅延時間Tdが経過す
るのを監視する。そして、遅延時間Tdが経過してタイ
ムアップしたときは、前記ステップ15で「YES」と
判定され、ステップ16では、燃料噴射許可部23によ
って燃料噴射弁15による燃料の噴射開始を許可する。
【0045】このように構成される本実施例でも、図3
中に示す如く、機関再始動時から所定の遅延時間Tdが
経過するのを待ってから燃料の噴射開始を許可するた
め、バルブオーバーラップが小さい始動時バルブタイミ
ングになってから燃料を供給することができ、排気性能
の悪化を防止することができる。
【0046】特に、前記第1の実施例とは異なり、バル
ブタイミングを常時監視するのではなく、再始動時に設
定された遅延時間Tdの経過を待つだけであるから、制
御構造を簡素化することができる。
【0047】第2に、油圧制御弁8の作動油の温度tA
に応じて遅延時間Tdを設定する構成のため、より正確
に、始動時バルブタイミングになった時期に燃料を噴射
することができる。
【0048】なお、本実施例では、吸排気弁のバルブタ
イミングに関連したパラメータとして作動油の油温tA
または冷却水温Twが使用可能であることは既に述べた
が、これに限らず、クランキング時のエンジン回転数ま
たは機関本体1の停止時におけるカム状態を用いてもよ
い。すなわち、図3に示す如く、クランキングの開始に
よってチェーンの摩擦力等が軽減されるため、クランキ
ングの開始時点を検出して、このクランキング開始時を
起点に遅延時間を設定すれば、始動時バルブタイミング
に復帰した時期に燃料を噴射することができる。また、
機関本体1の停止時におけるカム状態をカム角センサ1
2により検出して記憶しておき、再始動時には、この記
憶された停止時のカム状態に基づいて始動時バルブタイ
ミングに達すると見込める遅延時間を可変に設定する構
成としてもよい。
【0049】次に、図6に基づき、本発明の第3の実施
例を説明する。本実施例の特徴は、左右のバンクを備え
たV型の内燃機関に適用したことにある。
【0050】すなわち、図6は本実施例による可変動弁
機構を備えた内燃機関の燃料噴射装置の全体構成を示す
構成説明図であって、機関本体31は、左バンク32L
及び右バンク32Rを備えたV型機関として構成され、
各バンク32L,32Rには、それぞれ独立した可変バ
ルブタイミング装置33L,33Rが設けられ、これら
各可変バルブタイミング装置33L,33Rは、それぞ
れ別体の油圧制御弁34L,34Rによって制御される
ようになっている。
【0051】本実施例によるコントロールユニット35
の入力側には、クランク角センサ9等と共に、左右の可
変バルブタイミング装置33L,33Rによってそれぞ
れ変化されるカム角θCL,θCRをそれぞれ検出するため
の左バンク側カム角センサ36L,右バンク側カム角セ
ンサ36Rが接続されている。
【0052】また、コントロールユニット35内には、
左バンク側カム角センサ36Lが検出したカム角θCL
基づいて左バンク側のカムシャフト2が始動時バルブタ
イミングに復帰したか否かを判定する左バンク側バルブ
タイミング判定部37Lと、始動時バルブタイミングに
達したときには左バンク側の燃料噴射の開始を許可する
左バンク側燃料噴射許可部38Lと、これらと同様の作
用を営む右バンク側バルブタイミング判定部37L及び
右バンク側燃料噴射許可部38Rとを備えて構成されて
いる。
【0053】次に、本実施例の作用について図7に基づ
き説明する。図7は、本実施例による始動処理のフロー
チャートを示し、まず、ステップ21では、エンジンキ
ーの操作によりスタータモータを回転させてクランキン
グを開始する。次に、ステップ23〜24の左バンク側
処理と、ステップ25〜27の右バンク側処理とが並列
的に実行される。
【0054】左バンク側について説明すると、ステップ
22では、左バンク側カム角センサ36Lが検出したカ
ム角θCLによって現在のバルブタイミングを検出し、ス
テップ23では、このバルブタイミングがバルブオーバ
ーラップの小さい始動時バルブタイミングに達するまで
監視する。始動時バルブタイミングに復帰したときは、
前記ステップ23で「YES」と判定されてステップ2
4に移り、このステップ24では、左バンク側の燃料噴
射弁15による燃料の噴射開始を許可する。
【0055】一方、右バンク側でも、右バンク側カム角
センサ36Rのカム角θCRによって検出されたバルブタ
イミング(ステップ25)が始動時バルブタイミングに
達するまで監視し(ステップ26)、始動時バルブタイ
ミングに達したときは右バンク側の燃料噴射の開始を許
可する。
【0056】従って、このように、機関本体31の再始
動時には、左右のバンク32L,32Rのそれぞれにつ
いて独立にバルブタイミングの監視が行われ、他方のバ
ンクのバルブタイミング状態に拘わらず、先に始動時バ
ルブタイミングに復帰した方から燃料噴射が開始され
る。
【0057】このように構成される本実施例によれば、
左右のバンク32L,32Rのそれぞれについて独立に
バルブタイミングを検出し、いずれか早く始動時バルブ
タイミングに達した方のバンクから燃料噴射を許可する
構成のため、先に燃料が噴射されるバンクによる機関回
転数の上昇によって、他方のバンク側の復帰時間をクラ
ンキングのみの場合よりも短縮することができる。従っ
て、再始動時の排気性能を改善しつつ再始動時間を短く
して運転性を向上することができる。
【0058】なお、前記各実施例では、可変動弁機構と
して、例えば特開平6−17618号公報等に記載され
た作動中心角を可変に制御する作動中心角可変型のもの
を例示したが、この型式の具体的一例を図8に基づいて
簡単に説明する。カムシャフト2には、軸方向に油孔4
1Aが形成されたボルト41を介してインナハウジング
42が固定され、インナハウジング42の外周側には、
基端側にカムスプロケット3が形成されたアウタハウジ
ング43が相対回転可能に配設されている。これら両ハ
ウジング42,43間には、第1ヘリカルギア44,第
2ヘリカルギア45が軸方向に移動可能に設けられてい
る。各ヘリカルギア44,45は、リターンスプリング
46によって、常時、始動時バルブタイミングを実現す
る方向に付勢されており、リターンスプリング46のば
ね力に対向するべく、油圧室47が画成されている。そ
して、油圧ポンプ48が発生させた油圧が、油通路4
9,油孔41Aを介して油圧室47に作用すると、各ヘ
リカルギア44,45はリターンスプリング42のばね
力に抗して軸方向に移動し、この移動によってアウタハ
ウジング43とインナハウジング42とが相対回転する
ことにより、作動中心角が調整されてバルブオーバーラ
ップが大きくなる。一方、アイドリング時等の低負荷域
になると、油圧制御弁8が開弁して、油圧室47内の油
圧が油孔41A,油通路49,リターン通路50を介し
て図示せぬ油タンク内に逃げるため、各ヘリカルギア4
4,45はリターンスプリングによって押し戻され、こ
れにより、カムシャフト2の位相ずれが解消してバルブ
オーバーラップが小さい始動時バルブタイミングに設定
される。
【0059】また、本発明は中心角可変型のものに限定
されず、例えば特開平6−185321号公報に記載さ
れている如く、不等速継手の原理を応用した作動角可変
型のものを用いてもよい。
【0060】前記特開平6−185321号公報等にお
いて公知の構成であるので、その詳細な説明は省略する
が、この作動角可変型のものは、機関の回転に同期して
回転する駆動軸の外周側に、各気筒毎に分割した円筒状
のカムシャフトを設け、かつ該カムシャフトの端部のフ
ランジ部と駆動軸側のフランジ部とにそれぞれ半径方向
に沿った係合溝を形成すると共に、両フランジ部間に介
在する環状ディスクに各係合溝に係合する一対のピンを
設けた構成を有しており、前記環状ディスクを制御ハウ
ジングによって回転自在に保持すると共に、該制御ハウ
ジングを介して環状ディスクをカムシャフトに対して偏
心させることができるようにし、その偏心量を制御する
ことにより、バルブリフト特性が変化するようになって
いる。また、前記特開平6−185321号公報には、
制御ハウジングを軸直角方向に移動させるために、偏心
カムを用いた構成が開示されている。即ち、制御ハウジ
ングが支軸により揺動可能に支持されていると共に、該
制御ハウジングに円形のカム嵌合孔が開口形成されてお
り、制御シャフトに形成された偏心カムがこのカム嵌合
孔に回転可能に嵌合している。そして、制御シャフトの
回転位置をアクチュエータによって制御することによ
り、制御ハウジングを移動させる構成となっている。こ
の公報記載のものでは、上述の可変機構が例えば吸気側
に適用されており、一つの環状ディスクを一つの制御ハ
ウジングが回転自在に保持している。かかる構成によ
り、環状ディスクが駆動軸と同心位置にあれば、カムシ
ャフトが等速回転するため、カムプロフィールに沿った
バルブリフト特性が得られ、環状ディスクが駆動軸の中
心に対して偏心すると、一種の不等速継手となってカム
シャフトは駆動軸に対して不等速回転し、これにより、
バルブリフト特性及びバルブ作動角が変化する。
【0061】さらには、例えば特公平3−75728号
公報等に記載されている如く、大小2個のカムを切り換
える型式のものでもよい。かかる技術は、前記公報等に
よって既に公知となっているため、その説明を省略す
る。このカム切換型の場合にあっては、油温が低い状態
でカムを切り換える場合、油圧が高く粘度が高い低油温
時のエンジンストール即再始動には、油圧低下しない可
能性があるため、バルブタイミングを検知してから始動
燃料を噴射する方が好ましい。
【0062】なお、吸気側のカムシャフト2に可変動弁
機構を適用する場合を示したが、これに限らず、排気側
カムシャフトに適用してもよく、両カムシャフトに適用
してもよい。両カムシャフトに可変動弁機構を適用する
場合、違いに異なる型式の可変動弁機構を用いてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る可変動弁機構を備
えた内燃機関の燃料噴射制御装置の全体構成図である。
【図2】機関再始動時の処理を示すフローチャートであ
る。
【図3】燃料噴射時期、バルブオーバーラップ及び機関
回転数の時間変化を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例に係る可変動弁機構を備
えた内燃機関の燃料噴射制御装置の機能を示す機能ブロ
ック図である。
【図5】機関再始動時の処理を示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明の第3の実施例に係る可変動弁機構を備
えた内燃機関の燃料噴射制御装置の全体構成を示す構成
説明図である。
【図7】機関再始動時の処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】可変動弁機構としての一例である中心角可変型
の可変動弁機構の要部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1…機関本体 2…カムシャフト(吸気カムシャフト) 3…カムスプロケット 4…カム 5…可変バルブタイミング装置(可変動弁機構) 9…クランク角センサ 10…水温センサ 12…カム角センサ(バルブタイミング検出手段) 14,21,35…コントロールユニット 16,22,37L,37R…バルブタイミング判定部
(バルブタイミング判定手段) 17,23,38L,38R…燃料噴射許可部(燃料噴
射許可手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸排気弁の開閉タイミングを可変制御す
    る可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置で
    あって、 前記吸排気弁のバルブタイミングが始動時バルブタイミ
    ングに達したときには燃料噴射を許可する燃料噴射許可
    手段を設けたことを特徴とする可変動弁機構を備えた内
    燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 吸排気弁の開閉タイミングを可変制御す
    る可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置で
    あって、 前記吸排気弁のバルブタイミングを検出するバルブタイ
    ミング検出手段と、 この検出されたバルブタイミングが始動時バルブタイミ
    ングに達したか否かを判定するバルブタイミング判定手
    段と、 前記吸排気弁のバルブタイミングが始動時バルブタイミ
    ングに達したときには燃料噴射を許可する燃料噴射許可
    手段とを設けたことを特徴とする可変動弁機構を備えた
    内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 吸排気弁の開閉タイミングを可変制御す
    る可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置で
    あって、 機関始動時には所定の遅延時間が経過したときに燃料噴
    射を許可する燃料噴射許可手段を設けたことを特徴とす
    る可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 前記遅延時間を前記吸排気弁のバルブタ
    イミングに関連したパラメータに基づいて設定すること
    を特徴とする請求項3記載の可変動弁機構を備えた内燃
    機関の燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】 前記パラメータとして、前記可変動弁機
    構を駆動する作動流体の温度または機関冷却水温のいず
    れかを用いることを特徴とする請求項4記載の可変動弁
    機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 【請求項6】 前記パラメータとして、クランキング回
    転を用いることを特徴とする請求項4記載の可変動弁機
    構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 【請求項7】 前記パラメータとして、前記可変動弁機
    構の機関停止時におけるカム状態を用いることを特徴と
    する請求項4記載の可変動弁機構を備えた内燃機関の燃
    料噴射制御装置。
  8. 【請求項8】 前記可変動弁機構を備えた内燃機関とし
    て、左右のバンクにそれぞれ可変動弁機構を有するV型
    内燃機関を用い、左右のバンクのうち先に前記始動時バ
    ルブタイミングに達したバンク側から燃料噴射を許可す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の可変
    動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置。
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