JPH09196377A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器

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JPH09196377A
JPH09196377A JP359196A JP359196A JPH09196377A JP H09196377 A JPH09196377 A JP H09196377A JP 359196 A JP359196 A JP 359196A JP 359196 A JP359196 A JP 359196A JP H09196377 A JPH09196377 A JP H09196377A
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liner
combustor
gas turbine
outer peripheral
cooling
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Application number
JP359196A
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English (en)
Inventor
Tomoki Koganezawa
知己 小金沢
Kunihiro Ichikawa
国弘 市川
Shigeo Sakurai
茂雄 桜井
Toshio Ishizuki
敏雄 石附
Noriyuki Hayashi
則行 林
Shigeyoshi Kobayashi
成嘉 小林
Yoji Ishibashi
洋二 石橋
Tetsuo Sasada
哲男 笹田
Shinichi Nakahara
信一 中原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】予混合燃焼に対し、ガスタービン全体の効率を
損なうことの無い程度の少ない圧力損失で必要な冷却性
能を維持し、同時に燃焼振動応力を低減できる燃焼器ラ
イナ構造を提案し、燃焼器の信頼性を向上させる。 【解決手段】燃料と空気とを燃焼させる燃焼器と、前記
燃焼器の下流側で燃焼を行うライナを配置し、前記ライ
ナの外周部に前記燃焼器に供給される空気が流れる流路
を有するガスタービン燃焼器において、前記流路は、筒
状の前記のライナと前記ライナより直径が大きく同心円
状の外周壁とから構成され、前記ライナの外周部には、
螺旋状のリブが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービンなどの
燃焼器に用いられる燃焼器ライナの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ガスタービンなどの燃焼器におい
ては、環境問題への配慮から、燃焼器内に生じる窒素酸
化物(NOx)の排出量を低減することが求められてい
る。NOxの低減は、燃料と空気を燃焼前に混合して燃
焼する予混合燃焼を利用し、かつ燃料と空気の混合比
(燃空比)が理論混合比よりも小さい状態で燃焼させるこ
とによって図られる。一方、高温雰囲気にさらされる燃
焼器ライナ保護のために、燃焼器ライナ内壁に沿わせて
冷却空気を流す膜冷却構造を備えた燃焼器ライナがある
が、燃焼用空気が減少するためにNOx増加の原因とな
る。そのため対流冷却のみで所定の冷却性能を得るため
に、例えば特開昭62−131927号公報では、衝突噴流冷却
と突起フィンによる冷却を組み合わせた冷却法が示され
ている。また、特開平4−116315 号公報には、フィンの
熱伝達率を変化させることにより、特開平6−221562 号
公報には流路高さ、かつ/または、燃焼器ライナ壁表面
粗さを変化させることにより、それぞれ燃焼器ライナの
温度分布を均一にする方法が示されている。さらに、文
献1(p.p.66/July/1995/Mechanical Engineering)に
は、燃焼器ライナの外壁にスタッガードリブを設けたラ
イナが公開されている。特開昭63−135719号公報には、
燃焼器ライナを多重波板構造とし、熱のび差を吸収でき
る構成とし、冷却効果を高めるライナが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】予混合燃焼は低NOx
化のために有効な燃焼方式である。しかし、予混合燃焼
により燃焼器ライナに過大な燃焼振動が発生し、これが
燃焼器ライナに重大な損傷を与える。前記公知例は、燃
焼振動に伴う問題点については解決されていない。
【0004】また、予混合燃焼方式は、従来の拡散燃焼
に比べて燃焼器内で局所的に急激な発熱反応を生じるた
め、反応と空気や燃料の流動が共振して燃焼振動を生じ
やすい。特に燃焼振動数が燃焼器ライナの固有振動数と
一致した場合には、燃焼器ライナが共振現象を起こし、
瞬時に破損する恐れがある。この場合には、燃焼器ライ
ナが飛散し、後流のガスタービン部品に多大の損傷を与
える恐れがあり、燃焼器だけではなく、ガスタービンプ
ラント全体の寿命に極めて大きな影響を与える。
【0005】本発明の目的は、予混合燃焼に対し、ガス
タービン全体の効率を損なうことの無い程度の少ない圧
力損失で必要な冷却性能を維持し、同時に燃焼振動応力
を低減できる燃焼器ライナ構造を提案し、燃焼器の信頼
性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
燃料と空気とを燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器の下流
側に前記燃料及び空気を燃焼させるライナを配置し、前
記ライナの外周部に前記燃焼器に供給される空気が流れ
る流路を有するガスタービン燃焼器において、前記流路
は、筒状の前記のライナと前記ライナより直径が大きく
同心円状に位置する筒状の外周壁とから構成され、前記
ライナの外周面には、螺旋状のリブが設けられているこ
とである。
【0007】ガスタービン燃焼器に供給された空気は、
前記流路を流れて燃料と合流し燃焼される。
【0008】前記リブの構成は、燃焼器軸に対してその
周囲を旋回するように、螺旋が構成されているものであ
る。また、リブは、該燃焼器ライナの外面の一部または
全部に、長手方向が該燃焼器ライナ軸と斜めに交わって
おり、かつ概してら旋状に連続している。
【0009】流路を流れる主な空気の流れ方向はライナ
の長手方向(ライナ軸と平行)であり、前記リブは、空
気の流れに斜めに交わるように螺旋が形成されている。
【0010】本発明は、例えば、ライナの外周面とその
外側にある外周壁により一つの大きな円筒状の流路が形
成されるようなガスタービン燃焼器に適応する。
【0011】また、例えば、ライナとその外側に位置す
る外周壁の断面は概同心円状に形成され、共に筒状であ
る。前記外周壁は図2ではフロースリーブ14により構
成されている。
【0012】流路を流れるガスは、比較的低温の、燃焼
用空気または冷却用空気であることができる。または未
燃の燃料と空気の混合気であってもよい。燃焼後の比較
的高温の燃焼ガスは該燃焼器ライナの内側の空間を流れ
る。
【0013】本発明の第2の特徴は、燃焼器の軸芯側に
配置された拡散燃焼器と、その外周側に予混合燃焼器と
を配置し、前記各々の燃焼器の下流側で燃焼を行うライ
ナを配置し、前記ライナの外周部に前記少なくとも一つ
の燃焼器に供給される空気が流れる流路を有するガスタ
ービン燃焼器において、前記流路は、筒状の前記のライ
ナと前記ライナより直径が大きく同心円状に位置する筒
状の外周壁とから構成され、前記ライナの外周面には、
螺旋状のリブが設けられ、前記リブが多重螺旋状に配置
されていることである。
【0014】前記流路を流れる空気は予混合燃焼器及び
拡散燃焼器に供給される構成をとることができる。場合
によっては、予混合燃焼器のみに供給されるようにして
もよい。
【0015】本発明の第3の特徴は、ガスタービン燃焼
器の前記リブは、不連続部を有し、一の不連続部を通る
ライナ軸と平行な直線からはずれた位置に隣接する不連
続部を配置することである。
【0016】ライナ軸と平行な直線は、リブの一つの不
連続部で交わった場合、その交わった部分に隣接して直
線と交わるのはリブである。
【0017】リブ自体としては軸方向に分割され、不連
続部を介して連続する。
【0018】このリブの螺旋は、断続的にしてライナの
軸方向の温度分布による熱応力の発生を防止してもよ
い。
【0019】本発明の第4の特徴は、前記ライナは周方
向に冷却孔が複数配置され、一端が前記冷却孔の上流側
の上記ライナ内周に設置され、他端が前記冷却孔より下
流側まで張り出したリングが設けられたことである。
【0020】言い換えれば、外面に設けたリブに加え
て、該燃焼器ライナの軸方向および周方向に同列をなす
冷却孔が複数個設け、該冷却孔の周方向列間に一端が固
定され、該冷却孔から導かれる冷却空気を該燃焼器ライ
ナの内面に導く隙間を設けた段違いの断面を有するリン
グを複数個設ける構成にすることができる。
【0021】また、本発明のガスタービン燃焼器のライ
ナは遠心鋳造法により作成することが好ましい。
【0022】本発明により、傾斜ら旋リブを備えること
により高剛性化が図られ、燃焼振動の低次,高次いずれ
の振動モードに対しても燃焼器ライナの変形を抑制する
ことができる。また、周方向に進展するき裂を阻止する
ことができるため、燃焼振動に対する強度信頼性の向上
が図れる。また、前記螺旋状のリブにより、リブつけ根
部の応力集中係数を低減でき、燃焼振動応力や熱応力に
よるき裂の発生,進展を抑制することができる。
【0023】冷却空気(または燃料)の流れと斜めに交
わる螺旋状のリブによって、冷却空気(または燃料)
の境界層が3次元的に乱されることにより、熱伝達率が
増大する、冷却面積が増大する、という両面から対流
冷却性能が向上する。したがってメタル温度が低減する
ため、燃焼器ライナの素材の強度特性が向上すると共に
燃焼器ライナに発生する熱応力が低下し、熱疲労に対す
る燃焼器ライナの強度信頼性も向上させることができ
る。また、冷却空気はすべて燃焼用空気として利用でき
るためNOx低減に効果的である。
【0024】燃焼器ライナは、遠心鋳造法により成形す
ることで、複雑な形状のリブを容易に加工することがで
きる。遠心鋳造法は大量生産が可能であり加工コストの
削減が図れる。
【0025】また、遠心鋳造法により内面は平滑とな
り、内面を流れる燃焼ガスによって飛散する欠落物がな
くなり、欠落物によるタービン等の破損防止を図れる。
また、遠心鋳造法により内面が平滑でスムーズであるこ
とにより、内面の検査性を向上することができる。更
に、内面が平滑でスムーズであることにより、内面に熱
遮蔽コーティングを施工しやすい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の好適一実施例としてガス
タービン燃焼器を取りあげ、図2に断面図を示して説明
する。発電用ガスタービンは、圧縮機1,燃焼器2,タ
ービン3から構成され、タービンの出力により発電機4
を回転させ電力を得る。燃焼器2は、ガスタービンケー
シング5,燃焼器外筒6、および燃焼器カバー7内に格
納されている。燃焼器2上流端中央には拡散パイロット
バーナ8があり、その外周に環状の予混合バーナ9があ
る。予混合バーナ9は、複数の予混合用ノズル10、お
よび保炎器11を備えている。予混合バーナ下流には、
未燃の空気と既燃の燃焼ガスを隔てる燃焼器ライナ12
がある。燃焼器ライナには冷却性能を高めるための冷却
リブ13が備えられている。リブの構造については後に
詳細に述べる。燃焼器ライナ12の外周面には、空気流
路を形成し、流れを制御するための外壁(以下、フロー
スリーブと称す。)14がある。
【0027】圧縮機1からの高圧空気100は、フロー
スリーブ14と燃焼器ライナ12の間の概して環状の空
間を通り、燃焼器ライナ12の軸とほぼ平行に流れ、燃
焼器ライナ12の対流冷却に使用される。その後、拡散
パイロットバーナ用空気101および予混合バーナ用空気
102に分かれて燃焼器内へ供給され、それぞれ燃焼用
空気として用いられる。既燃の燃焼ガス103は燃焼器
ライナ12内側を通り、尾筒15を経てタービン3に供
給される。燃料系統は、主燃料系統200と、そこから
分岐する拡散パイロットバーナ用燃料系統201,予混
合バーナ用燃料系統202より成り立っている。ここで
燃焼器ライナ12は、外側の未燃燃焼高圧空気100と
内側の既燃燃焼ガス103を隔て、燃焼を安定に行わせ
る役割を果たしている。この際、燃焼器ライナ12は、
内側の燃焼ガス103からの伝熱により加熱され、外側
の比較的低温の高圧空気100によって冷却されるた
め、両者の入・出熱量が釣り合う温度となる。したがっ
て、燃焼ガスの入熱量を減らし、外側の冷却を強化して
燃焼器ライナの温度を低減させることにより、燃焼器ラ
イナの素材の強度を向上させることができる。
【0028】コンバインド発電プラントで用いられるガ
スタービン用超低NOx燃焼器では、NOxの目標達成
のため、ライナの冷却専用に使用できる空気はほとんど
なくなる傾向にある。
【0029】また、予混合燃焼比率の増大にともない、
燃焼振動等に対するライナ強度確保の要求が強まってい
る。したがって冷却性能と構造強度を同時に向上させる
ことが求められている。本発明はこの様なニーズ・技術
課題からなされたものである。
【0030】次に、図1に本発明の一実施例である燃焼
器ライナを示し説明する。本実施例では一例として直径
2Rが364mm,長さLが880mm,板厚tが1.57
mmの燃焼器ライナを用いた。また、本実施例では一例と
して、フロースリーブ直径は464mmとし、この場合の
空気流路の高さHは50mmである。図3に、燃焼振動の
周波数に近い9次の固有モードの燃焼器ライナの変形
図、およびき裂の発生状況を示す。変形は三〜四角形モ
ードであり、き裂は、変形の腹となる上流側から軸方向
に燃焼器ライナ全長Lの1/4の部位と、変形の節とな
る1/2の部位に発生し、周方向に進展した。この軸方
向1/2の部位に発生したき裂長さは約250mm,1/
4の部位に発生したき裂は20〜40mmであり、軸方向
1/2の部位に長いき裂が発生した。き裂が周方向に進
展したことから、軸方向に高い応力が作用したことがわ
かる。この燃焼器ライナ12に発生する燃焼振動応力σ
は、単純には内圧Pを受ける直径2Rの薄肉円筒の応力
評価式(1)からわかるように、板厚tを大きくし、剛
性を上げることにより低減できると考えられる。
【0031】 σ=R・P/t …(1) しかし、板厚を大きくすれば冷却性能が低下し、燃焼器
ライナ12の温度が高くなり、素材の強度が低下する。
冷却リブ13は、冷却効率を高めると共に板厚を大きく
し、剛性を高める効果をもたらす。しかし、図4に示す
ように燃焼器ライナ軸と冷却リブ13が直交する構造
(以下直交リブと称する。)は、き裂の進展方向と平行
になるため、き裂の阻止に対しては効果がない。また、
軸方向1/2の部位に発生した長いき裂は、図3に示し
た高次の変形モードに、単純曲げに近い低次の変形モー
ド(図5)が混合して発生した可能性が高い。直交リブ
は図3に示した三〜四角形モードの変形抑制には効果が
あるが、図5に示した単純曲げに近いモードの変形抑制
には効果がない。
【0032】また、周方向に進展するき裂阻止には全く
効果がない。逆に、直交リブのつけ根部は軸方向応力に
対して大きな応力集中を生じ、直交リブのつけ根部にき
裂が発生する可能性が高い。
【0033】そこで本発明では、低次,高次のいずれの
変形モードに対しても変形抑制効果が図れるように、冷
却リブ13の長手方向の軸と燃焼器ライナ12の軸が斜
めに交わる螺旋状構造(以下、斜交リブと称する。)と
し、冷却リブ13を燃焼器ライナ12上にら旋状に備え
て、周方向に進展するき裂を阻止できる構造とした。斜
交リブと直交リブのつけ根部に、軸方向応力が作用した
時の応力拡大係数を、それぞれKIS,KINとする
と、両者の大小関係はおよそ式(2)で表される。
【0034】 KIS=〔0.5+0.5・cos(π・2θ)〕KIN …(2) ここで、θは斜交リブの斜交角度(θ=90°のとき直
交リブ)であり、θ=90°のとき式(2)はKIS=
KINとなる。θを90°より小さくしてリブを斜交さ
せ螺旋状に配置することにより、斜交リブの応力拡大係
数KISは、直交リブの応力拡大係数KINより常に小
さくなる。(例えばθ=60°の時、KIS=0.75
・KIN、θ=45°の時、KIS=0.5・KI
N。)したがって、本発明により提案した斜交リブは直
交リブよりき裂が発生,進展しにくい構造である。ま
た、従来技術として、文献1(p.p.66/July/1995/Mecha
nical Engineering)にリブを長手方向に断続的整列さ
せて配置することが示されている。この場合、燃焼振動
等の応力に対し、リブ間の隙間に応力集中が生じる。こ
のため疲労強度は著しく低下するおそれがある。一方、
熱応力のような降伏応力を越えるような負荷が作用する
場合には、このリブ間に塑性ヒンジが起こって変形しや
すくなるため、リブによる剛性向上の効果は、リブが連
続的な場合に比べ著しく低下することが考えられる。本
発明では、リブの構造は連続的なら旋状の斜交リブとし
てあるので、リブによる剛性向上の効果が図れる。ま
た、本発明の他の特徴のように部分的に不連続でも剛性
向上効果を得ることができる。
【0035】次に、螺旋状の斜交リブの効果および寸法
を定量的に評価するために、斜交リブの巻き数を1,5
および8巻きに変化させ、それぞれ発生する応力をひず
みゲージ16Aおよび16Bにて測定した。本実施例で
は一例として斜交リブの高さhは12mm、幅bは6mmと
した。ひずみゲージ16Aおよび16Bは、き裂が発生
した軸方向1/4の部位および軸方向1/2の部位にそ
れぞれ貼付け、軸方向ひずみを測定した。
【0036】燃焼振動D.P.とひずみゲージ出力の時刻
暦を図6に示す。図より燃焼振動とひずみゲージ出力は
ほぼ同期していることがわかる。また、長いき裂の発生
した16Bのひずみゲージ出力の方が16Aより大きい
ことがわかる。図7に燃焼振動応力D.P.と発生応力範
囲△σの関係を示す。冷却リブ13が1巻きおよび5巻
きの場合、小さい燃焼振動に対しても大きな応力が発生
し、早期にひずみゲージが破損してしまうため、データ
はほとんど採取できなかった。これに対し、冷却リブ1
3が8巻きの場合は燃焼振動D.P.=1.7kg/cm2まで
ひずみが測定できた。また、ひずみゲージ16Aに比べ
長いき裂が発生した16Bの発生応力は同じ燃焼振動
D.P.に対する16Bの発生応力より大きくなった。燃
焼振動D.P.と応力範囲△σの関係には線形性が認めら
れ、巻き数が多く剛性が高いほど同じ燃焼振動に対する
発生応力は小さいことがわかった。
【0037】図3のモード解析において変形を受ける領
域はライナ全長の約半分である。このため、冷却リブ1
3は燃焼器ライナ12全長の半分の領域に取り付けた。
冷却リブ13を長さ440mm(全長の半分)の領域に平
均的にならした板厚を等価板厚teとし、等価剛性Dを
次式で求めた。
【0038】 D=E・te3/12(1−ν2) …(3) ここでEはヤング率(=17000kgf/mm2)、νは
ポアソン比(=0.3)である。
【0039】等価剛性Dと発生応力範囲△σの関係を燃
焼振動D.P.=0.1,0.2,0.5,1.0および2.0kg
/cm2 に対して求めたものを図8に示す。図8を用いれ
ば許容応力,許容燃焼振動に対する適切な等価板厚、す
なわち冷却リブ13の数、高さhおよび幅bを選定する
ことができる。また、許容応力と設計等価板厚から許容
燃焼振動を選定することができる。同様に、設計等価板
厚と燃焼振動レベルがわかっていれば、発生応力から適
切な材料を選定することができる。本実施例で用いた燃
焼器ライナ12の材料はCo基超合金であり、使用温度
600℃の疲労限応力は10kgf/mm2 である。疲労限
応力の1/4の2.5kgf/mm2を設計応力とし、許容燃
焼振動を1.0kgf/cm2 とすれば、図より等価剛性D
は34100kgf・mmとなり、式(2)より燃焼器ライナ1
2の等価板厚は2.8 mm以上に選定される。ただし、板
厚の増大により熱応力は増大することから、板厚の上限
値は許容熱応力によって規定される。また、燃焼器ライ
ナ12の外側は比較的低温の高圧空気100によって冷
却され、冷却性能の観点から板厚はできるだけ小さいこ
とが望まれる。
【0040】したがって、等価板厚が2.8 mmとなる斜
交リブ高さ、巻き数の組合せを最適とした。したがっ
て、本実施例の一例として用いた高さhが12mm,幅b
が6mmのリブに対しては、最適リブ巻き数は8巻きとし
た。
【0041】次に、冷却リブ13の斜交の角度θおよび
ピッチpを冷却性能上から求める。実験結果によれば、
斜交の角度θの範囲は冷却性能上は60°≦θ≦80°
が望ましい。また、ら旋のピッチpとリブ高さhの関係
は冷却性能上は5≦p/h≦15の範囲が望ましい。さ
て、θ=70°の傾きを持って、冷却リブ13が燃焼器
ライナ12の外面にら旋状に備わると、そのピッチp0
はTanθ=πd/p0より、p0=416mmとなる。
燃焼器ライナ12の長さはL=880mmであるから、冷
却リブ13のら旋は燃焼器ライナ12上を約2周するこ
とになる。強度上、最適なリブ巻き数は前述の検討結果
より8巻きであるから、リブを8重ら旋とし、ピッチp
を52とすると、p/h=4.3となり5≦p/h≦1
5の条件を満たさない。斜交の角度θを60°とすれば
p0=660,p=82.5,p/h=6.9 となり、
強度および冷却条件の両方を満たす。そこで、本実施例
では、一例として用いた高さhが12mm,幅bが6mmの
冷却リブ13を、斜交角度θ=60°で8重ら旋にして
燃焼器ライナ12の外面に備えた。が、加工性や冷却性
能等の観点から、リブの高さをさらに小さくしたい場合
は、ライナ板厚を厚くすればよいので、寸法の組み合わ
せはこの限りではない。
【0042】ところで燃焼器ライナ12の構造強度を高
めるために、冷却性能を損なうことがあってはならな
い。前述したように、NOx低減の観点から冷却専用空
気を抑制するために、ライナの冷却は強制対流冷却が望
ましい。本実施例では、燃焼器ライナ12とフロースリ
ーブ14の間の冷却空気流路の面積を、冷却性能,圧力
損失の両面から決定する。このとき冷却空気の流れが概
して燃焼器ライナの軸と平行になるように、フロースリ
ーブ14の内面は概して円筒形を成すようにする。また
燃焼器ライナの軸方向で必要な冷却性能が異なる場合に
は、フロースリーブ14の内径を軸方向に変化させても
よい。このように燃焼器ライナの軸方向に沿った冷却空
気の流れの中に、それとは斜交したリブが存在すると、
境界層が乱され伝熱が促進する。
【0043】図9は、斜交リブと直交リブを模擬した試
験体を用いた熱伝達率測定結果をもとに、燃焼器ライナ
の温度分布を検討した結果である。傾斜リブは直交リブ
に比べてむしろ冷却性能が高く、同一圧力損失の条件で
燃焼器ライナメタル温度を低く抑えることが可能なた
め、熱応力を低減でき、熱疲労に対する強度信頼性も向
上させることができる。しかし、冷却空気の流れの方向
とリブの長手方向が一致するような配置では、リブが乱
流促進体としての働きをしないので、リブがあるために
伝熱面積が増大するフィン効果による冷却向上しか期待
できない。冷却効果が損なわれる。フィンと衝突噴流冷
却を組み合わせた冷却方法も考えられるが、衝突噴流冷
却は、冷却空気を燃焼用に回収する構造が必要となり、
圧力損失の増大を招くので設計に注意が必要である。そ
れに対し本発明によれば、比較的簡単な構造で、圧力損
失が少なく、高い冷却性能を得ることが可能となる。ま
た、言い換えれば、同一材料であれば、燃焼温度を高温
化することもできる。
【0044】図10は本発明の別の実施例である。基本
構造は図1に示した実施例と同じであるので、冷却性能
を損なうことなく、剛性を確保し燃焼振動応力を低減し
ている。さらに図10に示すように、冷却リブ13のら
旋を軸方向に分割(2〜3分割)することにより、ホッ
トスポット等の温度分布により冷却リブ13のつけ根部
に発生する熱応力は、燃焼状態によってはら旋が連続的
な場合に比べて緩和され、熱疲労損傷に対する強度信頼
性を向上させることができる。ライナ長手方向(ライナ
軸)に対して隣接する不連続部が直線上に位置しないよ
うにする。リブの不連続部は、ほぼ一のリブの不連続部
が通る軸と平行な直線から外れた位置に隣接する不連続
部が来るようにする。
【0045】その他の実施例に係る燃焼器ライナの横断
面図を図11に示す。この場合、燃焼器ライナ12の外
面に設けた冷却リブ13に加えて、軸方向および周方向
に同列をなす冷却孔18が複数個設けてあり、内面には
冷却孔18の周方向列間に一端が固定され、内面との間
に隙間をなすように曲げられた段違いの断面を有するリ
ング19が、複数個設置されている。この段違い断面を
有するリング19は、冷却孔18から導かれる圧縮機1
からの高圧空気100を燃焼器ライナ12の内面に導
き、内面を冷却する役目を果たしている。この様な構造
を用いれば、燃焼器ライナ12の内,外面が両方同時に
冷却され、燃焼器ライナ12の温度低減が図れる。これ
により、燃焼器ライナ12の素材の強度特性が向上する
と共に、燃焼器ライナに発生する熱応力が低下し、熱疲
労に対する強度信頼性も向上させることができる。ま
た、この段違い断面を有するリング19のつけ根部の板
厚yを増大させることによっても、燃焼器ライナ12の
剛性が高められ、外面に設けた冷却リブ13、もしくは
燃焼器ライナ12の板厚を大きくして、燃焼振動応力を
低減するのと同じ効果が得られる。
【0046】燃焼器ライナ12は、遠心鋳造法により成
形することで、外面に設けたら旋状の冷却リブ13など
複雑な形状を容易に加工することができる。燃焼器ライ
ナ12は、苛酷条件で用いられる消耗品であり、遠心鋳
造を用いることにより大量生産が可能となり加工コスト
の削減が図れる。また、遠心鋳造法により燃焼器ライナ
12を加工することにより、内面は平滑となり、内面を
流れる燃焼ガス103によって飛散する欠落物がなくな
り、欠落物によるタービン3等の破損防止を図れる。ま
た、遠心鋳造法により内面が平滑でスムーズであること
により、内面の検査性を向上することができる。
【0047】更に、内面が平滑でスムーズであることに
より、内面に熱遮蔽コーティングを施工しやすい。
【0048】また、燃焼方式や周辺部品との干渉から、
燃焼器ライナ12の特定部位に高温域が存在する場合に
ついて、図12を用いて説明する。この場合、高温の特
定部位20の周辺のみ、冷却リブ13を設置しすること
により高温部の低温化、即ち燃焼器ライナ12全体の温
度分布の均一化を図ることができる。ライナ軸方向の温
度分布を緩和することができる。この時の燃焼振動応力
は板厚を大きく(本実施例の場合2.8mm)して剛性を上
げることにより低減する。燃焼器ライナ12の温度分布
の均一化により、熱応力が低減し、その分だけ燃焼器ラ
イナ12の使用温度を高くすることができる。これによ
り、燃焼ガスの高温化が可能となり、燃焼器をガスター
ビンに利用すればガスタービン全体の高温,高効率化が
図れる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、低NOx化のために予
混合燃焼を行う際に、燃焼器ライナに発生する過大な燃
焼振動応力を低減することができ、燃焼器の信頼性の向
上を図ることができる。また、冷却空気と斜交するリブ
によって、冷却空気の境界層が3次元的に乱されること
により、対流冷却性能が向上し、メタル温度が低減す
る。そのため、燃焼器ライナの素材の強度特性が向上す
ると共に燃焼器ライナに発生する熱応力が低下し、熱疲
労に対する燃焼器ライナの強度信頼性も向上させること
ができる。このような、燃焼器ライナを備えた燃焼器
は、冷却空気をすべて燃焼用空気として利用できるため
NOx低減が可能である。燃焼器をガスタービンに利用
すれば、低NOxかつ高効率で信頼性の高いガスタービ
ンになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適一実施例である燃焼器ライナの概
略図である。
【図2】本発明の好適一実施例を説明するためのガスタ
ービン燃焼器の概略図である。
【図3】燃焼器ライナの高次の変形モード、およびき裂
発生位置を示す図である。
【図4】従来の燃焼器ライナのリブ構造の概略図であ
る。
【図5】燃焼器ライナの低次の変形モードの模式図であ
る。
【図6】燃焼器ライナに発生する燃焼振動とひずみゲー
ジ出力の時刻暦線図である。
【図7】燃焼器ライナに発生する燃焼振動と発生応力の
関係を示す図である。
【図8】燃焼器ライナの等価剛性と発生応力の関係を示
す図である。
【図9】燃焼器ライナのメタル温度の検討結果を示す図
である。
【図10】本発明のその他の実施例の概要図である。
【図11】本発明のその他の実施例の概要図である。
【図12】本発明のその他の実施例の概要図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…燃焼器、3…タービン、4…発電機、
5…ガスタービンケーシング、6…燃焼器外筒、7…燃
焼器カバー、8…拡散パイロットバーナ、9…予混合バ
ーナ、10…予混合用バーナノズル、11…保炎器、1
2…燃焼器ライナ、13…リブ、14…フロースリー
ブ、15…尾筒、16A,16B…ひずみゲージ、18
…冷却孔、19…段違い断面を有するリング、100…
高圧空気、101…拡散パイロットバーナ用空気、10
2…予混合バーナ用空気、103…燃焼ガス、200…
主燃料系統、201…拡散パイロットバーナ用燃料系
統、202…予混合バーナ用燃料系統。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石附 敏雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 林 則行 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 小林 成嘉 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 石橋 洋二 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 笹田 哲男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 中原 信一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料と空気とを燃焼させる燃焼器と、前記
    燃焼器の下流側に燃焼を行うライナを配置し、前記ライ
    ナの外周部に前記燃焼器に供給される空気が流れる流路
    を有するガスタービン燃焼器において、 前記流路は、筒状の前記のライナと前記ライナより直径
    が大きく同心円状に位置する筒状の外周壁とから構成さ
    れ、 前記ライナの外周面に、螺旋状のリブが設けられている
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】燃焼器の軸芯側に配置された拡散燃焼器
    と、その外周側に予混合燃焼器を配置し、前記各々の燃
    焼器の下流側に燃焼を行うライナを配置し、前記ライナ
    の外周部に少なくともいずれかの燃焼器に供給される空
    気が流れる流路を有するガスタービン燃焼器において、 前記流路は、筒状の前記のライナと前記ライナより直径
    が大きく同心円状に位置する筒状の外周壁とから構成さ
    れ、 前記ライナの外周部には、螺旋状のリブが設けられ、前
    記リブが多重螺旋状に配置されていることを特徴とする
    ガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】請求項1および2のガスタービン燃焼器に
    おいて、 前記リブは、不連続部を有し、一の不連続部を通るライ
    ナ軸と平行な直線からはずれた位置に隣接する不連続部
    を配置することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 【請求項4】請求項1から3のガスタービン燃焼器にお
    いて、 前記ライナは周方向に冷却孔が複数配置され、 一端が前記冷却孔の上流側の上記ライナ内周に設置さ
    れ、他端が前記冷却孔より下流側まで張り出したリング
    が設けられたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 【請求項5】請求項1から4のガスタービン燃焼器にお
    いて、 前記ライナは遠心鋳造法により形成されることを特徴と
    するガスタービン燃焼器。
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