JPH09196518A - 冷凍サイクル - Google Patents

冷凍サイクル

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JPH09196518A
JPH09196518A JP8004471A JP447196A JPH09196518A JP H09196518 A JPH09196518 A JP H09196518A JP 8004471 A JP8004471 A JP 8004471A JP 447196 A JP447196 A JP 447196A JP H09196518 A JPH09196518 A JP H09196518A
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克也 脇田
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Keizo Nakajima
啓造 中島
Narihiro Sato
成広 佐藤
Yusuke Ozaki
祐介 尾崎
Nobuo Sonoda
信雄 園田
Hiroto Nakama
啓人 中間
Masanori Hirota
正宣 広田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリオールエステル冷凍機油の加水分解によっ
て生成する有機酸及び有機酸金属塩を効率良く捕捉する
ことにより、ハイドロフルオロカーボンを含む冷媒とポ
リオールエステル冷凍機油を作動媒体とする冷凍圧縮
機、凝縮器、膨張機構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイ
クルの長期安定動作を確保する。 【解決手段】弱塩基性イオン交換樹脂8とキレート樹脂
9及び水分吸着剤7をメッシュ10で分離しながら、作
動媒体が流通可能な容器11に収納した有機酸及び遊離
金属イオン捕捉機構19を凝縮器2と蒸発器4の間の流
路に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフルオロ
カーボンを含む冷媒とポリオールエステル冷凍機油を作
動媒体とする冷凍圧縮機、凝縮器、膨張弁などの膨張機
構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイクルにおいて、長期
間に渡って安定に動作させるために、ポリオールエステ
ルの加水分解とこれに付随する脂肪酸金属塩の生成を抑
制する有機酸捕捉機構を配置した冷凍サイクルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より冷蔵庫、空調機、冷凍機等の冷
凍空調分野においては冷媒として、フッ素原子及び塩素
原子をその分子構造中に有するフロン、例えばクロロフ
ルオロカーボン(CFC) と総称されるR-11(トリクロロモ
ノフルオロメタン)やR-12(ジクロロジフルオロメタ
ン)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)と総称さ
れるR-22(モノクロロジフルオロメタン)などが使用され
てきた。しかしこれらのフロン化合物は、大気中に放出
されると対流圏において殆ど分解されることがなく、成
層圏で紫外光と反応し、その分解過程においてオゾン層
を破壊してゆくことにより地球規模における環境破壊問
題として国際的に使用が規制されつつある。そのため
に、分子中に塩素原子を含まないハイドロフルオロカー
ボン(HFC)と総称されるオゾン層破壊係数ゼロの代替フ
ロン物質の検討が広くなされている。
【0003】しかしながら、HFCを冷媒として用いる冷
凍サイクルでは、HFC冷媒との相溶性の観点から、ポリ
アルキレングリコール(PAG)類やエステル類など、極性
を有する冷凍機油を使用する必要がある。そして、HFC
冷媒自身も極性がCFC、HCFC冷媒に比べて高くなってい
るために冷媒と冷凍機油からなる作動流体自体が従来の
系に比べて非常に吸水性が高いものとなっている。前記
極性を有する冷凍機油の中でも、エステル類の方が熱安
定性及び電気特性の点においてはPAG類に比べ優れてい
る事からHFC冷媒と共に用いる冷凍機油としてエステル
化合物が検討されているが、エステル化合物の特性とし
て水が共存した場合に加水分解を起こす事から、加水分
解を起こしにくいヒンダードアルコールと各種脂肪酸
(有機酸)から構成されるポリオールエステルが有力視
されている。
【0004】また、冷凍機油の加水分解を抑えるにあた
り、冷凍システム内の水分量を可能な限り除去するため
にゼオライト等の吸着型乾燥剤を冷凍システム中に装備
する工夫がなされている。
【0005】また、例えば特開平5-66075号公報では、H
FC-134a冷媒を用いたカーエアコンにおいて、HFC-134a
の気、液状態での飽和水分量の差異を考慮して、水分除
去装置を低圧管路に配置することにより、効率良く水分
除去をする方法を開示している。特開平4-122792号公報
では、冷凍機油の劣化を抑制するために冷凍機油が加水
分解して生成される低級脂肪酸(有機酸)を吸着除去す
るためにイオン交換樹脂を装備した冷凍サイクルが提案
されている。
【0006】また冷凍機油としては、基油の安定性を確
保するために色々な酸水分捕捉剤を添加する方法が提案
されている(潤滑油100重量部にエポキシ含有フッ素含
有ポリシロキサンを添加する特開平4-36387号公報、2又
は3価のポリオールグリシジルエーテルを含むPAG系冷凍
機油の特開平4-55498号公報、エポキシ含有ポリシロキ
サンを配合した潤滑油組成物の特開平1-193393号公報、
エステル油にグリシジルエーテル型エポキシ化合物を添
加した冷凍機作動流体用組成物の特開平6-1970号公報、
ポリエーテルに芳香族モノ・ジカルボン酸グリシジル又
はエポキシシクロアルキル基含有化合物を添加した冷凍
機油の特開平6-240277号公報、基油にリモネンオキサイ
ド、α-ピネンオキサイド、L-カルボンオキサイドから
なる群より選ばれたエポキシ化合物を配合した冷凍機油
の特開平6-240279号公報など)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、乾燥剤例え
ば、モレキュラーシーブとして知られるゼオライトのみ
を冷凍システム内に配置しただけでは水分吸着量が乾燥
剤が置かれている雰囲気温度における平衡吸着量に支配
され、システム内の水分を全て捕捉する事は不可能であ
り、エステル化合物の加水分解を阻止することはできな
い。
【0008】また、冷凍機油に酸水分捕捉剤を添加した
場合には加水分解によって生成する有機酸を捕捉するこ
とで、有機酸によるエステル化合物の加水分解反応にお
ける酸触媒効果が抑制され、加水分解反応の促進を防ぐ
ことができるが、酸水分捕捉剤自身の重合反応に至るこ
とが多く、結果的にこの重合物によりキャピラリー等の
細管部位の閉塞を招くと行った課題が存在した。
【0009】さらに、イオン交換樹脂を装備した冷凍サ
イクルでは、冷凍サイクルより除去したい有機酸金属塩
の解離定数及びイオン交換樹脂の交換能によりその除去
率が大きく変動し、細管部位における有機酸金属塩の析
出による閉塞を充分に防ぐことができないといった課題
が存在した。
【0010】また、有機酸がイオン交換樹脂に捕捉され
た場合においても金属イオン成分のみが冷凍システム中
に取り残される形となり、新たな反応活性因子として、
大きな冷凍機油劣化の原因の一つになってしまうといっ
た課題が存在した。
【0011】本発明は、上記の様な従来の冷凍サイクル
の課題を解決し、長期間に渡って安定に動作可能なハイ
ドロフルオロカーボンを含む冷媒とポリオールエステル
冷凍機油を作動媒体とする冷凍圧縮機、凝縮器、膨張弁
等の膨張機構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイクルを提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、以下の様な構成とする。 (1)ハイドロフルオロカーボンを含む冷媒とポリオール
エステル冷凍機油を作動流体とする冷凍圧縮機、凝縮
器、膨張機構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイクルにお
いて、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構を配置
することを特徴とする冷凍サイクル。 (2)有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構が、冷凍
サイクル中において前記凝縮器と蒸発器の間の流路に配
置されていることを特徴とする(1)に記載の冷凍サイク
ル。 (3)有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構が、冷凍
サイクル中において前記作動流体の流れに対して圧力損
失の少ないアキュムレータ、オイルセパレーター、サク
ション・ストレーナ又は受液器内部に配置されているこ
とを特徴とする(1)に記載の冷凍サイクル。 (4)有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構が、マク
ロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹脂、キレート樹脂
及び水分吸着剤から構成されることを特徴とする(1)、
(2)又は(3)に記載の冷凍サイクル。 (5)マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹脂、キレ
ート樹脂及び水分吸着剤から構成される、有機酸及び遊
離金属イオンを捕捉する機構は、冷凍サイクル本体内を
流れる作動流体が水分吸着剤を通過後にマクロポーラス
型の弱塩基性イオン交換樹脂、キレート樹脂層に流入す
る構造を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の冷
凍サイクル。 (6)マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹脂がスチ
レン・ジビニルベンゼン共重合体を母体樹脂とすること
を特徴とする(4)又は(5)に記載の冷凍サイクル。 (7)キレート樹脂がイミノジ酢酸基を有し、樹脂母体が
スチレン・ジビニルベンゼン共重合ポリマーあるいはポ
リフェノールであるキレート樹脂であることを特徴とす
る (4)又は(5)に記載の冷凍サイクル。 (8)水分吸着剤が合成結晶アルミノケイ酸塩で構成され
るゼオライトであることを特徴とする(4)又は(5)に記載
の冷凍サイクル。 (9)マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹脂成形体
の形状がビーズ状、または繊維状もしくはその集合体で
あることを特徴とする(4)又は(5)に記載の冷凍サイク
ル。 (10)キレート樹脂成形体の形状がビーズ状、または繊維
状もしくはその集合体であることを特徴とする(4)又は
(5)に記載の冷凍サイクル。
【0013】このように構成された本発明では、ハイド
ロフルオロカーボンを含む冷媒とポリオールエステル冷
凍機油を作動流体とする冷凍圧縮機、凝縮器、膨張弁等
の膨張機構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイクルにおい
て、有機酸又は遊離金属イオンを捕捉する機構を配置す
れば、ポリオールエステル冷凍機油の加水分解に伴い生
成され、また前記加水分解反応を促進する要因にもなる
有機酸濃度の上昇を抑制・低下させることが可能とな
り、さらにはこれら有機酸と反応することにより生成さ
れる、膨張弁・キャピラリー等の冷凍システム内細管部
位で析出、閉塞現象を起こす原因となる脂肪酸金属塩で
の金属イオン成分を除去することで長期間に渡って安定
に動作可能な冷凍サイクルを得ることができる。
【0014】有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構
を配置することにより、冷凍機油組成物中に、それ自身
の反応重合物による閉塞現象を招く可能性のある酸水分
捕捉剤を添加する必要がなくなるため、結果的に長期間
に渡って安定に動作可能な冷凍サイクルを得ることがで
きる。
【0015】さらに、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉
する機構は、作動流体の流路に配置された場合には基本
的に圧力損失の原因となるため、圧力損失が最小となる
ように、高圧液相状態で作動流体が流動する凝縮器と膨
張機構の間の間に配置することによって、冷凍サイクル
の能力低下を最小に抑えることができる。
【0016】また膨張機構と蒸発器の間における作動流
体が一部気相状態になった低圧液相状態においても液相
からの有機酸および遊離金属イオンの除去および気相部
からの有効な水分除去が可能となる。
【0017】さらに、流路配管に比べて流動断面積が大
きなアキュムレーター内部に有機酸及び遊離金属イオン
を捕捉する機構を配置すれば、作動流体が気相状態であ
っても圧力損失が小さいために冷凍サイクルの能力低下
を最小に抑えることができる。
【0018】また、オイルセパレータ、サクション・ス
トレーナ又は受液器等の冷凍システム内において冷凍機
油が滞留する部分に有機酸及び遊離金属イオンを捕捉す
る機構を配置すれば、冷凍機油中の有機酸および遊離金
属イオンを効率よく除去することが可能である。
【0019】さらに有機酸及び遊離金属イオンを捕捉す
る機構が、マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹
脂、キレート樹脂及び水分吸着剤の混合層あるいは多段
層から構成される構造では、ポリオールエステル冷凍機
油の加水分解によって生成された有機酸及び、冷凍シス
テム内細管部位での閉塞の原因となるシステム中に存在
する摩耗粉や配管加工時等に混入する金属成分と有機酸
とが反応した結果、生成する有機酸金属塩をイオン交換
樹脂及びキレート樹脂によって作動媒体より吸着除去あ
るいは分解した後に吸着除去することが可能となる。さ
らに、水分吸着剤とも組み合わせることによりポリオー
ルエステル冷凍機油の加水分解反応を抑えることが可能
となり、特に水分吸着剤にゼオライトを用いることによ
り、その活性な表面との相互作用によって有機酸金属塩
の分解が促進されることが期待される。特に圧力損失の
問題が無い充填量においてはイオン交換樹脂、キレート
樹脂及び水分吸着剤は併せて用いるのが有効であるが、
イオン交換樹脂とキレート樹脂及び水分吸着剤は分離さ
せて使用しても有効である。
【0020】また、イミノジ酢酸基を有するキレート樹
脂は銅イオンや鉄イオンに対する選択吸着性が良く、有
機酸金属塩が分解して生成される金属イオンの吸着除去
に有効である。
【0021】さらに、マクロポーラス型の弱塩基性イオ
ン交換樹脂の中でもスチレン・ジビニルベンゼン共重合
体は、交換容量も大きく、物理的強度にも優れ、長期使
用において安定した性能を維持することができる。
【0022】さらに、水分吸着剤としてゼオライトを用
いることにより吸水特性にも優れ、ハイドロフルオロカ
ーボンを含む冷媒及びポリオールエステル冷凍機油との
化学的相互作用が小さく長期間に渡って安定に動作可能
な冷凍サイクルを得ることができる。
【0023】さらに、マクロポーラス型の弱塩基性イオ
ン交換樹脂及びキレート樹脂成形体がビーズ状であれ
ば、作動媒体が流通可能である容器内部にイオン交換樹
脂及びキレート樹脂成形体を充填しても作動媒体の流通
が可能であると共に、有機酸及び遊離金属イオンの捕捉
反応に寄与するイオン交換樹脂及びキレート樹脂成形体
の重量当たりの接触表面積を大きくすることができ、捕
捉効率を向上することができる。
【0024】さらに、マクロポーラス型の弱塩基性イオ
ン交換樹脂及びキレート樹脂成形体が繊維状またはその
集合体であれば、作動媒体が流通可能である容器内部に
イオン交換樹脂及びキレート樹脂成形体を充填しても作
動媒体の流通が可能であると共に、有機酸及び遊離金属
イオンの捕捉反応に寄与するイオン交換樹脂及びキレー
ト樹脂成形体の重量当たりの接触表面積を大きくするこ
とができ、捕捉効率を向上することができる。
【0025】さらに、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉
する機構の構造が水分吸着剤にイオン交換樹脂及びキレ
ート樹脂がビーズ状あるいは繊維状の形状で挟み込まれ
る構造をとることにより、冷凍システムの運転条件の切
り替えによって作動流体の流れ方向が変わった際にも対
応が可能であり、かつ水分吸着剤としてゼオライトを用
いている事により、その活性表面との接触過程で作動流
体中に含まれた有機酸金属塩の一部が分解されイオン化
された状態でイオン交換樹脂及びキレート樹脂に接触す
ることで、その置換効果を向上させることが可能とな
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例につ
いて図面を参照して説明する。
【0027】図1、2、3は、一般的な冷凍圧縮機、凝
縮器、膨張機構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイクルの
配管図である。冷凍サイクルは、図1に示すように冷凍
圧縮機1、凝縮器2、膨張機構3、蒸発器4、さらにこ
れらを連結する配管5で構成される。図2の冷凍サイク
ルは四方弁6を有し、この切り替えによって作動流体の
流路を変換し、凝縮器と蒸発器の機能を変更することが
できる。図3の冷凍サイクルはさらに、圧縮機から吐出
された冷媒ガス中より冷媒と共に混ざっている冷凍機油
を分離するためのオイルセパレータ22、液化冷媒が凝
縮器で滞留することを防ぐための受液器23、冷媒中に
混入されたゴミや金属などを除去するためのサクション
・ストレーナ等を備えた冷凍サイクルの配管図である。
【0028】本発明の冷凍サイクルでは、さらに有機酸
及び遊離金属イオンを捕捉する機構を配置することを特
徴としている。すなわち、具体的には、水分吸収剤と弱
塩基性イオン交換樹脂及びキレート樹脂を組み合わせて
なる構造を持ち、水分吸収剤としてはゼオライト、シリ
カゲル、活性白土、活性アルミナ等が挙げられるが、特
にゼオライトが好ましい。
【0029】また、弱塩基性イオン交換樹脂ではマクロ
ポーラス型の樹脂が好ましく、母体樹脂としてスチレン
・アクリル系架橋剤共重合樹脂、スチレン・ジビニルベ
ンゼン共重合樹脂、交換基として3級あるいは4級アミノ
基が挙げられ、特に交換容量が大きく、有機汚染、物理
的強度に優れたスチレン・ジビニルベンゼン共重合体を
母体樹脂とするマクロポーラス型の弱塩基性イオン交換
樹脂が好ましい。
【0030】また、キレート樹脂としてはスチレン系、
アクリル系、フェノール系の高分子基体にイミノジ酢酸
基、ポリアミン基、チオール基、ジチオカルバミド酸基
等の官能基を付与させたものが挙げられるが、特に弱酸
キレート構造のイミノジ酢酸基を有するキレート樹脂が
好ましい。
【0031】冷凍サイクルにおける作動媒体が流通可能
な、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する事が可能な物
質を配置した、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機
構の構造としては、例えば図4〜図7の様な例を挙げる
ことができるが、これらに限定される事はない。
【0032】図4は、ビーズ状の水分吸収剤7、ビーズ
状のイオン交換樹脂8及びビーズ状のキレート樹脂9を
メッシュ10で挟んで、作動流体が流通可能な容器11
に収納した、有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構12の
例である。ここで、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉す
るイオン交換樹脂及びキレート樹脂と水分吸収剤を分離
して別々の容器に収納しても構わない。図5は、図4の
構成で固定用スプリング13を組み入れた構成を示した
物である。
【0033】図6は、繊維状のイオン交換繊維8及び繊
維状のキレート繊維9をフィルタ14で挟み、その外側
にビーズ状の水分吸収剤7をメッシュ10で挟んだ構造
をとる、作動流体が流通可能な容器11に収納した、有
機酸及び遊離金属イオン捕捉機構12の例である。フィ
ルターとしては、フォームやガラスフィルター、ガラス
ウール、スチールウール等を用いる事ができる。
【0034】図7は、水分吸収剤とイオン交換樹脂及び
キレート樹脂を分離させて冷凍システム内にて使用する
際の一例であるが、繊維状のイオン交換繊維で構成され
たフィルター部17と、繊維状のキレート繊維で構成さ
れたフィルター部16を筒状に内外に配置して構成され
る構造を有するもので、上記に示した捕捉機構同様に逆
止弁15によって、作動流体の流れ方向が変化した場合
にも対応可能な構造を有している。
【0035】上記に実施の形態例として示した有機酸及
び遊離金属イオン捕捉機構では、循環する作動媒体全て
が流通するために冷凍サイクル内での流動抵抗が発生す
る。そのために、上記捕捉機構の設置場所としては、流
動抵抗が小さくなる、液相状態で作動媒体が流動する部
分、すなわち凝縮器と蒸発器の間の流路に設置すること
が、冷凍サイクルの能力低下を小さくすることができる
ため好ましい。より具体的には、高圧液相状態で常に作
動流体が流れる凝縮器と膨張機構との間の流路に設置す
ることが望ましい。
【0036】図8は、本発明の冷凍圧縮機1、凝縮器
2、膨張機構3、蒸発器4ならびに凝縮器2と蒸発器4
の間の流路に、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機
構12を備えた冷凍サイクルの全体構成を示した配管図
である。有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構を具
備したことを除き、冷凍サイクルの構成は従来公知のも
のとほぼ同一であるため、冷凍サイクルの詳細な説明は
省略する。
【0037】その他の設置場所としては、流動断面積の
大きな部分あるいは冷凍システム内において冷凍機油が
滞留する部分、たとえばアキュムレーター20、サクシ
ョン・ストレーナ21、オイルセパレータ22、受液器
12、冷凍圧縮機1のシェル内部に流動断面積全てを占
めることなく、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機
構を設置することが有効である。但し、冷凍圧縮機のシ
ェル内部は温度が高くなるため、用いるイオン交換樹脂
及びキレート樹脂の劣化が促進される場合もあり必ずし
も好ましくはない。
【0038】この様な位置に設置する場合の有機酸及び
遊離金属イオン捕捉機構の構造例を図9に示した。図9
では、作動媒体が流通可能な袋18に、イオン交換樹脂
8及びキレート樹脂9を充填したものである。この様な
有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構19を アキュムレ
ーター、サクション・ストレーナ、オイルセパレータあ
るいは、受液器内部に入れておけば良い。ここで、袋1
8中に水分吸収剤を充填しておいても問題は無い。ま
た、上記捕捉機構19にフロート等をつけてアキュムレ
ーター、サクション・ストレーナ、オイルセパレータあ
るいは、受液器内部に吊り下げる方式にしても構わな
い。
【0039】
【実施例】以下、さらに具体的な実施例を挙げて説明す
る。 (実施例1)銅製容器内にキレート樹脂であるダイヤイ
オンCR11(三菱化学(株)社製)10gを中心として、弱塩基
性イオン交換樹脂であるIONAC AFP-329 (SYBRON CHEMIC
ALS社製)5gづつを同キレート樹脂の両側にメッシュを介
して充填し、さらにそれらの外側にメッシュを介してゼ
オライトを30gづつ配した構成からなる有機酸及び遊離
金属イオン捕捉機構を作製し、ルームエアコンの凝縮器
とキャピラリの間に設置した。ここで、ゼオライトの両
側もメッシュで挟むことによって同構造を強度的に維持
している。
【0040】上記のルームエアコンのシステムと有機酸
及び遊離金属イオン捕捉機構を装備していないルームエ
アコンのシステムに、ポリオールエステル冷凍機油250
g、冷媒としてR407C 700g、水0.5gを充填して2000時間
の連続運転を行った。運転終了後に冷凍機油の全酸価を
測定すると、前記有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構を
装備したルームエアコンのシステムにおいては、0.03mg
KOH/gであったが、装備していないルームエアコンのシ
ステムにおいては0.2mgKOH/gであった。
【0041】また、解体してキャピラリ部分を分析する
と、有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構を装備していな
いルームエアコンのシステムにおいては脂肪酸鉄塩が付
着しているのが観測されたが装備していたシステムにお
いては何も検出されなかった。 (実施例2)銅製容器内にポリスチレン系キレート繊維
IDA-Na(東レ(株)社製)10gとイオン交換繊維IONEX(東レ
(株)社製)10gをグラスウールフィルターで挟み、その外
側にゼオライトを30gづつ配した構成からなる有機酸及
び遊離金属イオン捕捉機構を作製し、ルームエアコンの
凝縮器とキャピラリの間に設置した。
【0042】ここで、ゼオライトの両側もメッシュで挟
むことによって同構造を強度的に維持している。上記の
ルームエアコンのシステムと有機酸及び遊離金属イオン
捕捉機構を装備していないルームエアコンのシステム
に、ポリオールエステル冷凍機油250g、冷媒としてR407
C 700g、水0.5gを充填して2000時間の連続運転を行っ
た。運転終了後に冷凍機油の全酸価を測定すると、前記
有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構を装備したルームエ
アコンのシステムにおいては、0.02mgKOH/gであった
が、装備していないルームエアコンのシステムにおいて
は0.2mgKOH/gであった。 また、解体してキャピラリ部
分を分析すると、有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構を
装備していないルームエアコンのシステムにおいては脂
肪酸鉄塩が付着しているのが観測されたが装備していた
システムにおいては何も検出されなかった。 (実施例3)作動媒体が流通可能な袋中にイミノジ酢酸
基を官能基とするキレート樹脂アンバーライト(IRC-71
8)(Rohm and Haas社製) 10gと弱塩基性イオン交換樹脂
であるダイヤイオンWA11(三菱化学(株)社製)10gを入
れ、さらにゼオライトを30g入れて袋から充填物が流出
しないように封止し、有機酸及び遊離金属イオン捕捉機
構を作製した。
【0043】封止した袋に、ポリオールエステル冷凍機
油及びハイドロフルオロカーボンを含む冷媒に対し化学
的に安定な素材から成る浮きを取り付け、ルームエアコ
ンの冷凍サイクル中にあるアキュムレーター内に入れて
おいた。上記のルームエアコンのシステムと有機酸及び
遊離金属イオン捕捉機構を装備していないルームエアコ
ンのシステムに、ポリオールエステル冷凍機油250g、冷
媒としてR407C 700g、水0.5gを充填して2000時間の連続
運転を行った。
【0044】運転終了後に冷凍機油の全酸価を測定する
と、前記有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構を装備した
ルームエアコンのシステムにおいては、0.03mgKOH/gで
あったが、装備していないルームエアコンのシステムに
おいては0.2mgKOH/gであった。 また、解体してキャピ
ラリ部分を分析すると、有機酸及び遊離金属イオン捕捉
機構を装備していないルームエアコンのシステムにおい
ては脂肪酸鉄塩が付着しているのが観測されたが装備し
ていたシステムにおいては何も検出されなかった。
【0045】以上の様に、本発明の有機酸及び遊離金属
イオン捕捉機構を配置したハイドロフルオロカーボンを
含む冷媒とポリオールエステル冷凍機油を作動媒体とす
る冷凍圧縮機、凝縮器、膨張機構ならびに蒸発器を備え
た冷凍サイクルでは、長期間に渡って安定な動作が可能
である。
【0046】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、長期間に渡って安定に動作可能なハイ
ドロフルオロカーボンを含む冷媒とポリオールエステル
冷凍機油を作動媒体とする冷凍圧縮機、凝縮器、膨張機
構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイクルを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷凍圧縮機、凝縮器、膨張機構ならびに蒸発器
を備えた冷凍サイクルを示す全体構成図である。
【図2】冷凍圧縮機、凝縮器、四方弁、蒸発器ならびに
アキュムレータを備えた冷凍サイクルを示す全体構成図
である。
【図3】冷凍圧縮機、凝縮器、四方弁、膨張機構、蒸発
器、アキュムレータ、サクション・ストレーナ、オイル
セパレータならびに受液器を備えた冷凍サイクルを示す
全体構成図である。
【図4】本発明の冷凍サイクルに用いる有機酸及び遊離
金属イオン捕捉機構の一構成例を示す図である。
【図5】本発明の冷凍サイクルに用いる有機酸及び遊離
金属イオン捕捉機構のその他の構成例を示す図である。
【図6】本発明の冷凍サイクルに用いる有機酸及び遊離
金属イオン捕捉機構のその他の構成例を示す図である。
【図7】本発明の冷凍サイクルに用いる有機酸及び遊離
金属イオン捕捉機構のその他の構成例を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態例である冷凍圧縮機、凝
縮器、四方弁、膨張機構ならびに蒸発器、ならびに有機
酸及び遊離金属イオン捕捉機構を備えた冷凍サイクルの
全体構成図である。
【図9】本発明の冷凍サイクルに用いる有機酸及び遊離
金属イオン捕捉機構のその他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 冷凍圧縮機 2 凝縮器 3 膨張機構 4 蒸発器 5 配管 6 四方弁 7 水分吸着剤 8 弱塩基性イオン交換樹脂 9 キレート樹脂 10 メッシュ 11 作動媒体が流通可能な容器 12 有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構 13 スプリング 14 フィルター 15 逆止弁 16 弱塩基性イオン交換樹脂から成るフィルター 17 キレート樹脂から成るフィルター 18 袋 19 有機酸及び遊離金属イオン捕捉機構 20 アキュムレータ 21 サクション・ストレーナ 22 オイルセパレータ 23 受液器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 啓造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 佐藤 成広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 尾崎 祐介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 園田 信雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中間 啓人 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 広田 正宣 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイドロフルオロカーボンを含む冷媒とポ
    リオールエステル冷凍機油を作動流体とする冷凍圧縮
    機、凝縮器、膨張機構ならびに蒸発器を備えた冷凍サイ
    クルにおいて、有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機
    構が配置されていることを特徴とする冷凍サイクル。
  2. 【請求項2】有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構
    が、冷凍サイクル中において前記凝縮器と蒸発器の間の
    流路に配置されていることを特徴とする請求項1に記載
    の冷凍サイクル。
  3. 【請求項3】有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構
    が、冷凍サイクル中において前記作動流体の流れに対し
    て圧力損失の少ないアキュムレータ、オイルセパレータ
    ー、サクション・ストレーナ又は受液器内部に配置され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイク
    ル。
  4. 【請求項4】有機酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構
    が、マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹脂、キレ
    ート樹脂及び水分吸着剤から構成されることを特徴とす
    る請求項1、2又は3に記載の冷凍サイクル。
  5. 【請求項5】マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹
    脂、キレート樹脂及び水分吸着剤から構成される、有機
    酸及び遊離金属イオンを捕捉する機構は、冷凍サイクル
    本体内を流れる作動流体が水分吸着剤を通過後にマクロ
    ポーラス型の弱塩基性イオン交換樹脂、キレート樹脂層
    に流入する構造を有することを特徴とする請求項1又は
    2に記載の冷凍サイクル。
  6. 【請求項6】マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹
    脂がスチレン・ジビニルベンゼン共重合体を母体樹脂と
    することを特徴とする請求項4又は5に記載の冷凍サイ
    クル。
  7. 【請求項7】キレート樹脂がイミノジ酢酸基を有し、樹
    脂母体がスチレン・ジビニルベンゼン共重合ポリマーあ
    るいはポリフェノールであるキレート樹脂であることを
    特徴とする請求項4又は5に記載の冷凍サイクル。
  8. 【請求項8】水分吸着剤が合成結晶アルミノケイ酸塩で
    構成されるゼオライトであることを特徴とする請求項4
    又は5に記載の冷凍サイクル。
  9. 【請求項9】マクロポーラス型の弱塩基性イオン交換樹
    脂成形体の形状が、ビーズ状、又は繊維状もしくはその
    集合体であることを特徴とする請求項4又は5に記載の
    冷凍サイクル。
  10. 【請求項10】キレート樹脂成形体の形状がビーズ状、
    又は繊維状もしくはその集合体であることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の冷凍サイクル。
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