JPH09198725A - 記録/再生方法および記録/再生装置 - Google Patents

記録/再生方法および記録/再生装置

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JPH09198725A
JPH09198725A JP421196A JP421196A JPH09198725A JP H09198725 A JPH09198725 A JP H09198725A JP 421196 A JP421196 A JP 421196A JP 421196 A JP421196 A JP 421196A JP H09198725 A JPH09198725 A JP H09198725A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子や分子の状態を記録単位とした記録/再生
方法を実現すること。 【解決手段】記録媒体として、3準位以上のエネルギー
準位からなるエネルギー準位構造を有する物理構造を持
つ固体を使用し、固体中に含まれる物理構造の個数を
N、i番目の物理構造の所定の三つの準位を第1、第
2、第3の準位、hをプランク定数として、第1の準位
のエネルギーをhωi1/2π、第2の準位のエネルギー
をhωi2/2π、第3の準位のエネルギーをhωi3/2
π、|ωi3−ωi1|をωi31 、|ωi3−ωi2|を
ωi32 、|ωi2−ωi1|をωi21 としたときに、N個の
物理構造における(ωi31 ,ωi32 )の分布を変化させ
ることにより記録媒体に情報を記録し、(ωi31 ,ω
i32 )の分布またはωi21 の分布を検出することにより
情報を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一つ一つの原子や
分子の状態を記録単位とした記録/再生方法および記録
/再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報社会において、増大の一途を
辿る情報量に対応した、従来より飛躍的に記録密度の高
い記録/再生方法およびそれに基づく記録/再生装置の
出現が待望されている。
【0003】記録密度の一つの極限として考えられるの
が、一つ一つの原子や分子の状態を記録単位とした原子
・分子メモリである。原子・分子メモリを実現するため
には、原子・分子レベルの現象を検出したり、制御した
りする技術が不可欠である。
【0004】このような技術の一例として、STMやA
FM、あるいは光の近接場を用いたNSOM(Near
−field Scanning Optical M
icroscope)などの走査型プローブ技術が数多
く研究されつつあり、実際にメモリへの応用も試みられ
始めている。しかし、現状ではまだ表面の走査速度が遅
すぎるなど技術的課題があり実用化には至っていない。
【0005】一方、レーザー技術の進展により、原子ガ
スを対象とした量子エレクトロニクスの研究分野で新し
い物理現象の研究が進んでいる。その代表が、原子とレ
ーザーとの間のコヒーレントな相互作用に基づく、EI
T(Electromagnetically Induced Transparency)とL
WI(Lasing Without Inversion)である。
【0006】EIT、LWIは、ともに3準位を有する
原子系に対し、2本のレーザー光を照射して、原子をコ
ヒーレントな状態に保持することにより誘起される現象
である。
【0007】すなわち、EITは、本来強い吸収がある
はずの波長領域が透明になる現象である(J.E.Field et
al.,Phys.Rev.Lett.67,3062(1991),K.-J.Moller et a
l.,Phys.Rev.Lett.66,2593(1991))。また、LWIは、
EITを利用して、コヒーレントな光を発しても吸収さ
れず、反転分布がなくともレーザー発振が起きるという
現象である(S.E.Harris,Phys.Rev.Lett.62,1033(198
9)) 。
【0008】既にEITに関しては、幾つかの原子ガス
系で検証されており、透過係数の数桁にも及ぶ大きな変
化が報告されている。一方、LWIに関しても、原子ガ
ス系で幾つかに実験が試みられており、レーザー発振に
は至っていないが、プローブ光の増幅は実現している
(W.E.Veer et al.,Phys.Rev.Lett.70,3243(1993))。
【0009】EITやLWIを利用した応用としては、
極めて狭い帯域の光だけを透過させる光学フィルター
や、反転分布を形成しにくい短波長領域のレーザーなど
が考えられている。
【0010】これら以外にも、様々な新しい応用が生ま
れる可能性があると考えられるが、そのような新しい応
用の実現可能性を考えた場合、原子ガス系でなく、固体
系でEITやLWIといった現象を実現した方が望まし
い。
【0011】固体系に対する取り組みとしては、これま
でに半導体の量子井戸、ルビーやダイアモンド中の不純
物を対象とした理論的な解析は行われているが(Y.Zhu
et al., Phys.Rev.A49,4016(1994),D.Huang et al.,J.O
pt.Soc.Am.Bll,2258(1994),C.Wei et al.,Phys.Rev.A5
1,1438(1995)) 、EITやLWIの実験に関する報告
は固体系ではなされていない。
【0012】固体系でのEITやLWIを実現する上
で、原子ガス系と異なり考慮しなければならないポイン
トが幾つかある。
【0013】まず、EITやLWIは、閉じた3準位も
しくは4準位系を基本構成としており、光照射下で電子
が他の準位へ逃げないことが不可欠である。このため、
固体系の電子状態としても、波動関数が局在し、かつ他
の準位への緩和が起こりにくいような準位を選ぶ必要が
あることである。
【0014】このような条件を満たす準位の候補とし
て、遷移金属や希土類等の不純物、あるいは空孔等の点
欠陥、量子ドットや量子細線等の量子構造などの原子的
な特性を有した物理構造系ともいえる準位が挙げられ
る。
【0015】第2のポイントは、固体系では一般に光学
遷移のスペクトル幅が広いことである。スペクトル幅を
決める要因としては、遷移に関与する準位が、周りとの
相互作用によりそのエネルギーの値が時間的に揺らぐこ
とにより生じる均一幅、そして、その相互作用の時間的
平均値が個々の準位により異なり、準位自体に分布が生
じることによる不均一幅の二つがある。
【0016】固体系の中では、前述した物理構造系が比
較的これらの幅が小さいが、それでも原子ガス系と比較
すると、均一幅および不均一幅はともに大きい。EIT
やLWIの特性は、周波数に関する共鳴条件により決め
られており、均一幅や不均一幅の大きさは特性に大きな
影響を与えることとなる。
【0017】このように固体系でEITやLWIを実現
するには、上述したような点を考慮しなければならな
い。したがって、固体系でEITやLWIを実現するに
は、原子ガス系と異なるアプローチが必要となる。しか
し、現状では、固体系でEITやLWIを実現するため
に必要な固体系独自のアプローチは明らかになっていな
い。
【0018】さらに、固体系の場合、固体系に特有な機
能や特徴およびそれに基づく新しいEIT、LWIの応
用が期待されるが、今までのところそのような提案はな
されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、原子・分
子レベルでの情報の記録や再生を可能とする記録/再生
方法や記録/再生装置の出現が期待されており、ST
M、AFM、NSOMなどの走査型プローブ技術による
超高密度記録への応用も試みられているが、現状では実
用化レベルのものは実現していない。
【0020】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、一つ一つの原子や分子
の状態を記録単位とした情報の記録やその再生を可能と
する記録/再生方法および記録/再生装置を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
[概要]上記目的を達成するために、本発明に係る記録
/再生方法(請求項1)は、記録媒体として、3準位以
上のエネルギー準位からなるエネルギー準位構造を有す
る物理構造を持つ固体を使用し、前記固体中に含まれる
前記物理構造の個数をN、i番目の物理構造の所定の三
つの準位を第1、第2、第3の準位、hをプランク定数
として、第1の準位のエネルギーをhωi1/2π、第2
の準位のエネルギーをhωi2/2π、第3の準位のエネ
ルギーをhωi3/2π、|ωi3−ωi1|をωi31 、|ω
i3−ωi2|をωi32 、|ωi2−ωi1|をωi21 としたと
きに、N個の物理構造における(ωi31 ,ωi32 )の分
布を変化させることにより、前記記録媒体に情報を記録
し、前記(ωi31 ,ωi32 )の分布または前記ωi21
分布を検出することにより、前記情報を再生することを
特徴とする。
【0022】ここで、物理構造とは、量子ドットや量子
細線や量子箱などの量子構造、点欠陥などの結晶欠陥、
不純物原子などを意味している。さらに、物理構造の個
数Nは、コヒーレント光が照射される部分に含まれる物
理構造の個数であり、被検出物である固体全体に含まれ
る物理構造の個数の場合もあるし、固体の特定の部分に
含まれる物理構造の個数の場合もある。
【0023】また、分布を変化させるには、例えば、記
録媒体に光や電子線を照射したり、記録媒体に電場や磁
場を印加したり、あるいは記録媒体に圧力を加えること
により行なう。
【0024】また、本発明に係る他の記録/再生方法
(請求項2)は、上記記録/再生方法(請求項1)にお
いて、前記N個の物理構造の中でωi31 の最大値をma
x(ωi31 )、最小値をmin(ωi31 )、前記N個の
物理構造の中でωi32 の最大値をmax(ωi32 )、最
小値をmin(ωi32 )、第1のコヒーレント光の角周
波数をωp 、第2のコヒーレント光の角周波数をωc
したときに、min(ωi31 )<ωp <max
(ωi31 )、min(ωi32 )<ωc <max
(ωi32 )の条件を満たす前記第1、前記第2のコヒー
レント光を前記記録媒体に照射し、前記記録媒体中にお
ける前記第1のコヒーレント光の吸収、および前記第1
のコヒーレント光の吸収を介して生ずる前記記録媒体の
蛍光の少なくとも一方を、複数の(ωp ,ωc )組みに
ついて計測することにより、前記記録媒体に記録された
情報を再生することを特徴とする。
【0025】また、本発明に係る他の記録/再生方法
(請求項3)は、上記記録/再生方法(請求項1)にお
いて、前記N個の物理構造の中でωi31 の最大値をma
x(ωi31 )、最小値をmin(ωi31 )、前記N個の
物理構造の中でωi32 の最大値をmax(ωi32 )、最
小値をmin(ωi32 )、第1のコヒーレント光の角周
波数をωp 、第2のコヒーレント光の角周波数をωc
ωp −ωc をΔω、Δωが一定、かつmin(ωi31
<ωp <max(ωi31 )、min(ωi32 )<ωc
max(ωi32 )の条件を満たす前記第1、前記第2の
コヒーレント光を前記記録媒体に照射した場合の前記記
録媒体中における前記第1のコヒーレント光の吸収をI
ab(ωp ;ωc )、前記第1のコヒーレント光の吸収を
介して生ずる前記記録媒体の蛍光をIlu(ωp ;ωc
としたときに、Iab(Δω)=∫Iab(ωp ;ωp −Δ
ω)dωp およびIlu(Δω)=∫Ilu(ωp ;ωp
Δω)dωp の少なくとも一方を複数の異なるΔωにつ
いて求めることにより、前記記録媒体に記録された情報
を再生することを特徴とする。
【0026】また、本発明に係る他の記録/再生方法
(請求項4)は、上記記録/再生方法(請求項1)にお
いて、前記固体が、その準位に電子が励起されると構造
の変化を引き起こす第4の準位を有し、この第4の準位
のエネルギーをhωi4/2π、ωi4−ωi1|をωi41
|ωi4−ωi2|をωi42 ,|ωi4−ωi3|をωi43 、前
記N個の物理構造の中でωi41 の最大値をmax(ω
i41 )、最小値をmin(ωi41 )、前記N個の物理構
造の中でωi42 の最大値をmax(ωi42 )、最小値を
min(ωi42 )、前記N個の物理構造の中でωi43
最大値をmax(ωi43 )、最小値をmin
(ωi43 )、第1のコヒーレント光のラビ周波数を
Ωp、第2のコヒーレント光のラビ周波数をΩc とした
ときに、Ωp <Ωc の場合には、前記記録媒体に、前記
第1、前記第2のコヒーレント光、およびmin(ω
i41 )より大きくmax(ωi41 )より小さい角周波
数、またはmin(ωi43)よりも大きくmax(ω
i43 )よりも小さい角周波数を有する第3のコヒーレン
ト光を照射し、Ωp >Ωc の場合には、前記記録媒体
に、前記第1、前記第2のコヒーレント光、およびmi
n(ωi42 )よりも大きくmax(ωi42 )よりも小さ
い角周波数、またはmin(ωi43 )よりも大きくma
x(ωi43 )よりも小さい角周波数を有する第3のコヒ
ーレント光を照射することにより、前記記録媒体に情報
を記録することを特徴とする。
【0027】ここで、(ωi31 ,ωi32 )の分布、ひい
てはωi21 の分布を効率良く変化させるためには、第
1、第2、第3のコヒーレント光の照射と同時に、電場
や磁場の印加を同時に行なうと良い。
【0028】なお、情報の再生は以下のように行なって
も良い。
【0029】min(εi31 )<hωp /2π<max
(εi31 )の条件で、記録媒体に第1のコヒーレント光
のみを照射したときの該第1のコヒーレント光の吸収と
記録媒体に第1および第2のコヒーレント光を照射した
ときの該第1のコヒーレント光の吸収との吸収差、およ
び記録媒体に第1のコヒーレント光のみを照射したとき
の該第1のコヒーレント光の吸収を介して生ずる記録媒
体の蛍光と記録媒体に第1および第2のコヒーレント光
を照射したときの該第1のコヒーレント光の吸収を介し
て生ずる記録媒体の蛍光との蛍光差の少なくとも一方
を、複数の(ωp,ωc )組みについて計測することに
より行なう。
【0030】ここで、複数の(ωp ,ωc )組み中、ω
c の差の絶対値が、第1の準位と第3の準位との間の遷
移に関する均一幅以下である二つの(ωp ,ωc )組み
が存在することが好ましい。
【0031】また、本発明に係る記録/再生装置(請求
項5)は、記録媒体としての、3準位以上のエネルギー
準位からなるエネルギー準位構造を有する固体と、前記
記録媒体に第1および第2のコヒーレント光を照射する
光学系とを備えており、前記光学系は、前記固体中に含
まれる前記物理構造の個数をN、i番目の物理構造の所
定の三つの準位を第1、第2、第3の準位、hをプラン
ク定数として、前記第1の準位のエネルギーをhωi1
2π、第2の準位のエネルギーをhωi2/2π、前記第
3の準位のエネルギーをhωi3/2π、|ωi3−ωi1
をωi31 、|ωi3−ωi2|をωi32 、前記N個の物理構
造の中でωi31 の最大値をmax(ωi3 1 )、前記N個
の物理構造の中でωi32 の最小値をmin(ωi32 )、
第1のコヒーレント光の角周波数をωp 、第1のコヒー
レント光の角周波数をωc としたときに、min(ω
i31 )<ωp <max(ωi31 )およびmin
(ωi32 )<ωc <max(ωi32 )の条件を満たす範
囲内で、前記第1および第2のコヒーレント光の角周波
数を変化させる手段を有することを特徴とする。
【0032】ここで、物理構造とは、量子ドットや量子
細線や量子箱などの量子構造、点欠陥などの結晶欠陥、
不純物原子などを意味している。
【0033】また、本発明に係る他の記録/再生装置
(請求項6)は、上記記録/再生装置(請求項5)にお
いて、ωp −ωc をΔωとしたとき、前記光学系は、Δ
ωが一定の条件で第1および第2のコヒーレント光の角
周波数を変化させる手段を有することを特徴とする。
【0034】ここで、物理構造の個数Nは、コヒーレン
ト光が照射される部分に含まれる物理構造の個数であ
り、被検出物である固体全体に含まれる物理構造の個数
の場合もあるし、固体の特定の部分に含まれる物理構造
の個数の場合もある。
【0035】また、本発明に係る他の記録/再生装置
(請求項7)は、上記記録/再生装置(請求項5)にお
いて、前記固体が、その準位に電子が励起されると構造
の変化を引き起こす第4の準位を有し、前記光学系が、
前記第4の準位のエネルギーをhωi4/2π、ωi4−ω
i1|をωi41 、|ωi4−ωi2|をωi42 ,|ωi4−ωi3
|をωi43 、前記N個の物理構造の中でωi41 の最大値
をmax(ωi41 )、最小値をmin(ωi41 )、前記
N個の物理構造の中でωi42 の最大値をmax
(ωi42 )、最小値をmin(ωi42 )、前記N個の物
理構造の中でωi43 の最大値をmax(ωi43 )、最小
値をmin(ωi43 )、第1のコヒーレント光のラビ周
波数をΩp 、第2のコヒーレント光のラビ周波数をΩc
としたときに、Ωp<Ωc の場合には、前記記録媒体
に、前記第1、前記第2のコヒーレント光、およびmi
n(ωi41 )より大きくmax(ωi41 )より小さい角
周波数、またはmin(ωi43 )よりも大きくmax
(ωi43 )よりも小さい角周波数を有する第3のコヒー
レント光を照射し、Ωp >Ωc の場合には、前記記録媒
体に、前記第1、前記第2のコヒーレント光、およびm
in(ωi42 )よりも大きくmax(ωi42 )よりも小
さい角周波数、またはmin(ωi43 )よりも大きくm
ax(ωi43 )よりも小さい角周波数を有する第3のコ
ヒーレント光を照射する手段を有することを特徴とす
る。
【0036】また、本発明に係る他の記録/再生装置
(請求項8)は、上記記録/再生装置(請求項5〜請求
項7)において、前記光学系が、前記記録媒体中におけ
る前記第1のコヒーレント光の吸収、および前記第1の
コヒーレント光の吸収を介して生じる前記記録媒体の蛍
光の少なくとも一方を計測する手段を有することを特徴
とする。
【0037】また、本発明に係る他の記録/再生装置
(請求項8)は、上記記録/再生装置(請求項5〜請求
項7)において、|ωi2−ωi1|をωi21 としたとき
に、N個の物理構造における(ωi31 ,ωi32 )の分布
を変化させて前記記録媒体に情報を記録し、前記(ω
i31 ,ωi32 )の分布または前記ωi21 の分布を検出し
て前記情報を再生することを特徴とする。
【0038】ラビ周波数をΩp 、第2のコヒーレント光
のラビ周波数をΩc としたときに、Ωp <Ωc の場合に
は、前記第1、前記第2のコヒーレント光、およびmi
n(ωi41 )より大きくmax(ωi41 )より小さい角
周波数、またはmin(ωi43)よりも大きくmax
(ωi43 )よりも小さい角周波数を有する第3のコヒー
レント光を前記記録媒体に照射し、Ωp >Ωc の場合に
は、前記第1、前記第2のコヒーレント光、およびmi
n(ωi42 )よりも大きくmax(ωi42 )よりも小さ
い角周波数、またはmin(ωi43 )よりも大きくma
x(ωi43 )よりも小さい角周波数を有する第3のコヒ
ーレント光を前記記録媒体に照射する光照射手段からな
ることを特徴とする。
【0039】また、(ωi31 ,ωi32 )の分布、ひいて
はωi21 の分布を効率良く変化させるためには、第1、
第2、第3のコヒーレント光の照射と同時に、電場や磁
場の印加を同時に行なうと良い。
【0040】さらに、本発明において、第2のコヒーレ
ント光の線幅をδωc 、第1の準位と第3の準位との間
の遷移に関する均一幅をωhomo31としたときに、δωc
≦ωhomo31の条件を満たすことが望ましい。
【0041】[作用]本発明によれば、EIT現象の持
つ極めて高い周波数分解能を利用するという全く新しい
記録/再生原理を採用することにより、一つ一つの原子
や分子の状態を記録単位とした記録/再生を実現できる
ようにになる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(実施形態)を説明する。
【0043】(第1の実施形態)以下の説明では、第1
の準位、第2の準位、第3の準位(状態ベクトル)をそ
れぞれ|i1>、|i2>、|i3>と表記する。
【0044】3準位と光の関係に関しては、図1に示す
ように、4通りの励起型(Energy Scheme )が存在する
が、以下、図1(a)に示すΛ型と呼ばれる励起型を例
として説明する。Λ型の場合には、エネルギーの低い順
に|i1>(|1>),|i2>(|2>),|i3>
(|3>)となる。
【0045】なお、図1(b)に示されるV型の場合に
は、Λ型の場合とは逆に、三つの準位を、エネルギーの
高い順に|i1>(|1>),|i2>(|2>),|
i3>(|3>)とすることにより、Λ型の場合と同様
な議論が成り立つ。
【0046】また、Ξ励起型の場合には、図1(c)に
示すように、三つの準位を、エネルギーの高い方から順
に|i1>(|1>),|i3>(|3>),|i2>
(|2>)とするか、もしくは図1(d)に示すよう
に、エネルギーの低い方から順に|i1>(|1>)、
|i3>(|3>),|i2>(|2>)とすることに
より、Λ型の場合と同様な議論が成り立つ。
【0047】まず、物理構造の個数が一つのEIT特性
について説明する。
【0048】EITは、単一物理構造に関する三つの準
位と準位を結ぶ2本のレーザー光とから構成される。Λ
型では、|i1>→|i3>、|i2>→|3>は許容
遷移であるが、|1>→|2>は禁止遷移であるような
三つの準位を選ぶ。
【0049】なお、基底状態である|1>と|3>を結
ぶ付ける光をプローブ光、また、上の二つの準位である
|2>と|3>を結び付ける光をカップリング光と呼
ぶ。
【0050】また、プローブ光の周波数ωp と|1>→
|3>準位間のエネルギー差に相当する共鳴周波数2π
・ε31/hとの周波数差をΔωp 、カップリング光の周
波数ωc と|2>→|3>準位間のエネルギー差に相当
する共鳴周波数2π・ε21/hとの周波数差をΔωc
する。
【0051】また、各々の強度は次式で定義されるラビ
(Rabe)周波数Ωc,Ωpで表現する。
【0052】 Ωc=2π<3|μ・E|2>/h (11 ) Ωp=2π<3|μ・E|1>/h (12 ) ただし、μはダイポールモーメントに係る演算子、Eは
電場に係る演算子である。
【0053】次に次式で示されるような下の二つの準位
を各々のラビ周波数でたすきがけをして線形結合をとっ
た状態を考える。
【0054】 *+>=(Ωc|1>+Ωp|2>)/(Ωc2 +Ωp2 1/2 (21 ) *->=(Ωc|1>−Ωp|2>)/(Ωc2 +Ωp2 1/2 (22 ) ここで、二つのレーザー光のディチューニング(detuni
ng)が等しい場合、つまり、Δωc =Δωp の場合に
は、3準位系に関するポピュレーション(population)
の時間変化を考えると、*->のポピュレーションは増え
こそすれ減ることはないことが容易に示される。
【0055】したがって、定常状態では*->準位を占め
る確率は1となる。これがポピュレーション・トラッピ
ング(Population Trapping )と呼ばれる現象である。
このとき、*->と|3>との間の遷移双極子モーメント
に関しては、 <3|μ・E|−>=(h/2π)(Ωc・Ωp−Ωp・Ωc) (3) /(Ωc2 +Ωp2 1/2 ) =0 と厳密に0となり、吸収が起きなくなる。これがEIT
である。吸収が起きなくなる物理的起源としては、|−
>においては|1>→|3>と|2>→|3>の遷移が
干渉効果によりキャンセルすると考えれば良い。
【0056】式(21 ),(22 )より明らかなよう
に、トラップ(trap)される先の準位である|−>は、
|1>と|2>について、ラビ周波数、つまり、光強度
の比により構成されている。したがって、光強度を変え
ることにより、|−>の性質を変えることができる。
【0057】Ωc>>Ωpの場合には、|−>〜|1
>、つまり、基底状態に近い状態にトラップされる。逆
に、Ωc<<Ωpの場合には、下の励起状態|2>に近
い状態にトラップされる。
【0058】EITが起きているときの|1>から|3
>への吸収スペクトルの形状は、図2に示すように、吸
収スペクトルには、Δωp =Δωc という条件を満たす
ωpの位置に、吸収の穴、つまり、透明領域が生ずる。
【0059】Δωc =0の場合には、図2(a)に示さ
れるように、Δωp =0、つまり、吸収スペクトルの中
心に穴ができる。
【0060】Δωc ≠0の場合には、図2(b)に示さ
れるように、吸収の裾の領域に穴が生ずる。
【0061】穴の幅は、カップリング光のラビ周波数Ω
cにほぼ等しい。したがって、穴の幅はカップリング光
の強度を変えることにより制御できる。
【0062】次に物理構造が複数の場合(N個の場合)
のEIT特性について説明する。
【0063】前述したように、固体系では均一幅や不均
一幅が原子ガス系より広い。このため、固体系のスペク
トルは、均一幅により広がった個々の物理構造のスペク
トルを、その中心位置を分布させて重なり合わせた、非
常に幅の広いスペクトルとなる。このような状況は、|
1>→|3>の遷移だけでなく、|2>→|3>の遷移
についても同様である。
【0064】したがって、原子ガス系で行なわれている
EIT実験と同様に、ωc を固定させた状態で観測した
EIT信号は、(εi31 ,εi32 )分布のために、ディ
チューニング(detuning)が等しいというEIT条件に
合う物理構造の数は少なくなり、図3に示されるような
極めて小さい信号となる。
【0065】そればかりでなく、系全体のEIT特性に
対する物理構造一個の寄与がどこに現れるかなど、その
特徴もあまり明瞭ではない。したがって、これまでのと
ころ、ωp 軸上でのωp の吸収特性に現れる各物理構造
のEIT特性は、検出が難しいだけでなく、それを制御
する方法も明確でなく、何らかの応用を考えていくこと
は困難と考えられる。
【0066】本発明の単一物理構造(分子・原子)レベ
ルでの記録・再生の根幹となる原理は、(ωp ,ωc
平面上でのωp の吸収特性変化を考えることである。こ
れにより、以下に述べるように、物理構造のEIT特性
を検出するだけでなく、個々の物理構造のEIT特性
(εi31 ,εi32 )分布を変えることも可能となり、単
一物理構造レベルでの記録・再生が可能となる。
【0067】まず、物理構造一個に関して考える。|1
>→|3>へのωp の吸収について、カップリング光の
周波数ωc を変化させた場合の変化分を(ωp ,ωc
平面上で考える。
【0068】図4は、Ωp<Ωc<(均一幅)という条
件での特性である。スペクトルに現れる現象自体は、極
めて単純である。図4(a)に示されるように、当然の
ことながら、ωc =const.の平面で切ると物理構造一個
の吸収スペクトルとなる。
【0069】EITが起きる条件はΔωp =Δωc であ
り、(ωp =ω31=2πε31/h、ωc =ω32=2πε
32/h)を中心としたωp 軸と45度の角度をなす線上
で起きる。
【0070】図4(b)は、その45度の方向からスペ
クトルを見た様子であり、カップリング光のラビ周波数
に相当する幅の狭い穴が開いているのが分かる。
【0071】この穴の部分だけを抜き出すと、図4
(c)に示すように、丁度単一物理構造の吸収スペクト
ルを45度回転させたもので、しかも、厚みがラビ周波
数程度の薄い板状スペクトルとなることが分かる。
【0072】次に物理構造が複数個の場合を考える。各
物理構造がEITにより生ずる薄い板状の吸収の穴は、
(ωp ,ωc )平面上で、各物理構造の準位間エネルギ
ーに対応した、(ωi31 (i) ,ωi32 (i) )という点を
中心として生ずる。
【0073】固体系では、不均一幅が広く、ωi31 (i)
とωi32 (i) は各々ωp 軸、ωc 軸上で分散している。
このため、ラビ周波数を小さくして各板の厚みを薄くす
れば、図5に示すように、個々の物理構造の寄与は(ω
p ,ωc )平面上で完全に分離することが可能となる。
【0074】このように、(ωp ,ωc )平面上でのω
p の吸収特性変化を考えることにより、各物理構造に起
因した吸収の穴は、各物理構造毎に分離して現れ、しか
も、その中心位置は(ωi31 (i) ,ωi32 (i) )という
点になる。
【0075】したがって、(ωp ,ωc )平面上におけ
る系全体のEIT信号を観測し、吸収に現れる板状の穴
がどこに現れるかを調べることにより、各物理構造のエ
ネルギーεi31 ,εi32 の位置が分かることになる。
【0076】よって、N個の物理構造における
(ωi31 ,ωi32 )の分布を例えばレーザ照射により変
化させ、記録媒体に情報を記録した場合において、上記
方法により、(ωi31 ,ωi32 )の分布を検出すれば、
情報の再生を行なうことができる。
【0077】ここで、図4、図5に示したような、(ω
p ,ωc )平面上でのωp の吸収特性を検出するために
は、複数のωc に関して、ωp の吸収を測定することが
不可欠である。すなわち、複数の(ωp ,ωc )組みに
ついて吸収特性を計測することにより、記録媒体に記録
された情報を再生することが好ましい。
【0078】この理由は、単一のωc =ωc 0 に関して
ωp の吸収を測定したときには、図4、図5に示したよ
うな吸収特性を、ωc =ωc 0 (=const.)という平面
で切った断面の形状を有したスペクトルとなり、
εi31 ,εi32 というエネルギーが広範囲に分布する物
理構造の中で、2πεi32 〜hωc 0 という関係を満た
す物理構造についてしか吸収の穴を検出する可能性がな
いからである。
【0079】さらに、たとえ、2πεi32 〜hωc 0
いう関係を満たしていても、ωc =ωc 0 平面上に吸収
穴の極値が存在しなければ、吸収穴に対応した信号はき
わめて弱く穴の位置の同定が困難となる。
【0080】設定したωc 0 の値に関して、ωc =ωc
0 上に吸収穴の極値を含むことは確率的にも希である。
このことからも、単一のωc ではなく、複数のωc につ
いて、ωp の吸収を測定することが、エネルギー的に分
布する物理構造集団に対し、個々の物理構造に起因した
吸収の穴を検出するために不可欠の要素であることが分
かる。
【0081】図4、図5に示された吸収の穴は、単一物
理構造の吸収スペクトルを45度回転させたものである
ので、長手方向、つまり、ωc =ωp +const.に平行な
方向に関する幅は、単一物理構造スペクトルの均一幅程
度である。
【0082】このため、各吸収の穴を検出するために
は、ωp に対応するコヒーレント光の線幅だけでなく、
ωc に対応するコヒーレント光の線幅も、均一幅と同程
度もしくはそれ以下であることが望ましい。
【0083】また、測定時のωp の間隔を均一幅と同程
度もしくはそれ以下にするだけでなく、複数のωc に関
しその各々の間隔も均一幅と同程度もしくはそれ以下に
することが望ましい。
【0084】(第2の実施形態)(ωp ,ωc )平面に
おいて、ωp に関する吸収の穴を個々検出することとと
もに、次のような吸収の積分強度を検出することも、本
発明における記録媒体に記録した情報の再生として重要
な手段である。今、(ωp −ωc )=Δωの値が一定と
いう条件下での、 Iab(Δω)=∫Iab(ωp ;ωp −Δω)dωp という積分を考える。
【0085】まず、物理構造一個の場合の特性を説明す
る。このIab(Δω)は、(ωp ,ωc )平面におい
て、ωp 軸と45度をなす方向にIab(ωp ;ωc )を
積分したものである。
【0086】図6にIab(Δω)の分布を示す。図4
(b)の穴に対応した幅Ωc の狭い穴が、Δω=ω31
ω32=ω21)の近傍にあり、その他の領域では一定値を
とることが分かる。この一定値は、一物理構造の吸収の
積分強度という、物理構造に固有の物理量、I0 =∫I
0 ab(ωp )dωp と一致する。
【0087】図7に温度を変えたときのIab(ωp ;ω
c )およびΔIab(ωp ;ωc )の変化の様子を示す。
図7から、温度上昇とともに、Iab(ωp ;ωc )およ
びΔIab(ωp ;ωc )は全体に45度方向に伸びる
が、Iab(Δω)は全く変化しないことが分かる。
【0088】図8(a)、図8(b)に、それぞれ、物
理構造が複数個の場合のIab(Δω)の分布、ΔI
ab(Δω)の分布を示す。Iab(Δω)には、NI0
ベースラインとして、そこからI0 の整数倍の深さおよ
び幅Ωc をもつ穴が生じる。図8(b)のΔIab(Δ
ω)の分布は、穴の部分だけを抽出した符号を逆転させ
たものに対応する。
【0089】これらの棒状のスペクトルの高さや深さを
0 で割って得られる整数値は、Δω軸上において、ω
21の値がそのΔωに等しいような物理構造の個数を意味
している。この場合にも、Iab(Δω)およびΔI
ab(Δω)が温度に依存しないことは言うまでもない。
【0090】このようなことから、Iab(Δω)やΔI
ab(Δω)を計測し、それを記録媒体に記録した情報の
再生に用いれば、温度に依存しない、極めて安定な情報
の再生を行なえるようになる。
【0091】また、Iab(ωp ;ωc )あるいはΔIab
(ωp ;ωc )を情報の再生として用いる場合には、
(ωi31 ,ωi32 )の分布について単一物理構造レベル
での再生が行なえるのに対して、Iab(Δω)やΔIab
(Δω)を情報の再生として用いる場合には、ωi21
分布を単一物理構造レベルで再生することが可能とな
る。
【0092】なお、吸収だけでなく、発光に関しても Ilu(Δω)=∫Ilu(ωp ;ωp −Δω)dωp もしくは Ilu(Δω)=∫{I0 lu(ωp )−Ilu(ωp ;ωp
−Δω)}dωp を計測して情報の再生を行なう場合にも同様な作用効果
がある。
【0093】(第3の実施形態)次に情報の記録につい
て説明する。
【0094】本発明では、(ωp ,ωc )平面における
物理構造のエネルギー準位分布を変えることにより、記
録媒体に情報を記録する。
【0095】エネルギー準位分布を変えるためには、例
えば、記録媒体に光や電子線を照射したり、記録媒体に
電場や磁場を印加したり、あるいは記録媒体に圧力を加
えることにより、物理構造集団の一部を励起して、その
エネルギー準位を変化させてやれば良い。
【0096】特に、単一物理構造レベル(分子・原子レ
ベル)での情報の記録を行なうために、本発明では、前
述したPopulation Trappingを利用
し、(ωi31 ,ωi32 )の分布あるいはωi21 の分布を
単一物理構造レベルで変換する。
【0097】具体的には、再生の場合と同様に、角周波
数ωp ,ωc 、ラビ周波数Ωp ,Ωc の第1、第2のコ
ヒーレント光を例えばレーザにより同時に記録媒体に照
射して、ある物理構造をポピュレーショントラップさせ
た状態で、更に、電子が励起されると構造変化を起こし
たり、あるいは電子がその準位からイオン化したりする
準位、|i4>へ励起するための、角周波数ωexの第3
のコヒーレント光も例えばレーザにより照射する。
【0098】このような手法により、どのような物理構
造が状態を変えるかを図を用いて説明する。(ωp ,ω
c )平面において、第1、第2のコヒーレント光の照射
によるポピュレーショントラップは、図9に示すよう
に、点(ωp ,ωc )を中心とした、45度の線上に
(ωi31 ,ωi32 )を有する物理構造が起こす。
【0099】ここで、 Ωp <Ωc の場合には、物理構造は|i1>という状態にトラップ
されることになる。したがって、図10に示すような、
|i1>と|i4>との間の遷移を引き起こすような角
周波数ωexの第3のコヒーレント光の照射により、 ωex=ωi41 を満たす物理構造は、選択的に|i4>へと励起され、
イオン化や構造変化を起こす。そして、角周波数ωex
異なる複数の第3のコヒーレント光を照射することによ
り、図11に示すように、(ωi31 ,ωi32 )の分布に
穴を開けることができる。
【0100】また、Ωp >Ωc の場合には、物理構造は
|i2>という状態にトラップされることになる。した
がって、図12に示すような、|i2>と|i4>との
間の遷移を引き起こすような角周波数ωexの第3のコヒ
ーレント光Lの照射により、 ωex=ωi24 を満たす物理構造は、選択的に|i4>へと励起され、
イオン化や構造変化を起こす。そして、この場合にも、
角周波数ωexが異なる複数の第3のコヒーレント光を照
射することにより、図11の場合と同様、(ωi31 ,ω
i32 )の分布に穴を開けることができる。
【0101】なお、ポピュレーショントラップを起こし
ていない物理構造に対しても選択的に状態変化を起こす
ことも可能である。
【0102】図13に、第1、第2のコヒーレント光の
照射下において、ポピュレーショントラップを起こさ
ず、かつ第1のコヒーレント光を吸収して、|i3>へ
と励起される物理構造の分布を示す。
【0103】したがって、図14に示すような、|i3
>と|i4>との間の遷移を引き起こすような角周波数
ωexの第3のコヒーレント光の照射により、 ωex=ωi34 を満たす物理構造は、選択的に|i4>へと励起され、
イオン化や構造変化を起こす。そして、この場合にも、
好ましくは角周波数ωexが異なる複数の第3のコヒーレ
ント光を照射することにより、図11の場合と同様、
(ωi31 ,ωi32 )の分布に穴を開けることができる。
【0104】(ωi31 ,ωi32 )の分布を広範囲にわた
って変えて情報の記録を行なう場合には、複数の
(ωp ,ωc )の値に対して同様な操作を行なえば良
い。
【0105】また、第1、第2、第3のコヒーレント光
の照射とともに、電圧や磁場の印加を同時に行なうこと
により、各物理構造のエネルギー準位が変わり、
ωi31 ,ωi32 ,ωi41 等の値が変わる。
【0106】したがって、(ωp ,ωc )の値を変えな
くても、(ωi31 ,ωi32 )の分布を変えることが可能
となり、これにより、情報の記録を効率よく行なうこと
ができる。
【0107】(第4の実施形態)本実施形態では、不純
物としてEuを0.1モル%含むYAG結晶を記録媒体
として使用する。
【0108】図15に、Euのエネルギー準位を示す。
Euの基底状態は 70 で、 70から18950cm
-1高エネルギー側に 51 という励起状態があり、 7
0 との間は強い光学遷移を起こす。
【0109】また、 70 から460cm-1高エネルギ
ー側に 71 という励起状態があり、 51 との間に強
い光学遷移を起こす。さらに、 70 から36000c
-1〜42000cm-1高エネルギー側付近に電荷移動
状態が連続的に存在し、そこに電子が励起されたEu原
子は+3価から+2価へと価数を変える。
【0110】この記録媒体を、可視域が透明な光学窓を
有した温度可変のクライオスタットに入れ、液体ヘリウ
ムによる冷却により、試料温度を4Kに保つ。その状態
で、アルゴンイオンレーザーで励起する二本のリング色
素レーザーを記録媒体に照射する。二本のリング色素レ
ーザーを駆動するレーザー色素としては、ともにチュー
ニングレンジが17240〜19230cm-1であるク
マリンを用いる。
【0111】ここでは、リング色素レーザーの発振線幅
は、500kHz=0.000017cm-1となるよう
に調整する。また、リング色素レーザーのうち一つ(L
1)は、その発振周波数ωp を18950cm-1近傍、
もう一つ(L2)はその発振周波数ωc を18490c
-1近傍を掃引するように調整する。レーザー光強度
は、レーザーL1,L2のラビ周波数がそれぞれ3MH
z、17MHzとなるように設定する。
【0112】先ず、記録媒体に情報を記録する前におけ
るEuのエネルギー分布の検出を以下のような手法によ
り行なった。すなわち、記録媒体に新しい情報を記録す
る前に記録されている情報の再生を以下のような手法に
より行なった。
【0113】まず、レーザーL2は照射せず、レーザー
L1の発振周波数を18945.0000cm-1から1
8955.0000cm-1まで連続的に変化させ、レー
ザーL1の吸収スペクトル、I0 ab(ωp )を検出す
る。
【0114】次にレーザーL2の発振周波数を1848
5.0000cm-1に固定し、レーザーL1の発振周波
数を18945.0000cm-1から18955.00
00cm-1まで連続的に変化させ、レーザーL1の吸収
スペクトル、Iab(ωp ;ωc )を検出し、I0 ab(ω
p )との差、ΔIab(ωp ;ωc )=I0 ab(ωp )−
ab(ωp ;ωc )を求める。
【0115】次にレーザーL2の発振周波数を0.00
02cm-1増加させ18485.0002cm-1に固定
し、再度レーザーL1の発振周波数を18945.00
00cm-1から18955.0000cm-1まで連続的
に変化させ、レーザーL1の吸収スペクトル、Iab(ω
p ;ωc )を検出し、ΔIab(ωp ;ωc )を求める。
【0116】このようにレーザーL2の発振周波数を順
次0.0002cm-1ずつ増加させその都度レーザーL
1の吸収スペクトルを検出するプロセスを、レーザーL
2の発振周波数が18495.0000cm-1になるま
で続ける。
【0117】図16は、このようにして得られたΔIab
(ωp ;ωc )の一部を、レーザーL1の発振周波数ω
p とレーザーL2の発振周波数ωc を二つの座標軸とし
た(ωp ,ωc )平面に図示したものである。図16か
ら、各擬原子(物理構造)のEITに伴う吸収の穴が観
測されていることが分かる。
【0118】図17は、Δω=ωp −ωc の値を、12
MHz=0.0004cm-1毎に設定して、 ΔIab(Δω)=∫{I0 ab(ωp )−Iab(ωp ;ω
p −Δω)}dωp という積分強度を、各Δωについて求めたものである。
ΔIab(Δω)の値は、ある一定値を単位としたその整
数倍になっていることが観測された。
【0119】次にこの記録媒体に新しい情報を記録する
場合について説明する。
【0120】情報の記録を行なうには、ラビ周波数を各
々17MHz,3MHzに設定したレーザーL1,L2
を照射するとともに、更にもう一台のリング色素レーザ
ーL3(発振周波数ωex)を用意し、クマリン色素励起
の出力光をBBO結晶に照射することにより得られる2
倍波を、記録媒体に照射する。
【0121】情報の記録は、以下のような条件で順次行
なった。
【0122】(1)ωp =18952.0020c
-1,ωc =18486.0000cm-1,ωex=38
000〜40000cm-1 (2)ωp =18952.0000cm-1,ωc =18
486.0020cm-1,ωex=40000〜4200
0cm-1 (3)ωp =18952.0000cm-1,ωc =18
486.0120cm-1,ωex=38000〜4000
0cm-1 図18、図19、図20は、それぞれ、(1)〜(3)
の各手順の後に、レーザーL3の照射を止め、ラビ周波
数を各々3MHz,17MHzに設定し直したレーザー
L1,L2を照射し、ΔIab(ωp ;ωc )を測定した
結果である。
【0123】図16との比較から分かるように、各物理
構造の吸収の穴の中で、記録に用いたωp ,ωc の値と
45度をなす方向に位置する穴の幾つかが消失している
ことが分かる。また、新たな記録を行なっても、それま
でに記録した情報は変化しないことも分かる。
【0124】図21は、(3)の手順後に、測定したΔ
ab(Δω)の結果である。
【0125】図21から分かるように、Δω=465.
9880cm-1におけるΔIab(Δω)の値は5から2
へ、Δω=465.9980cm-1におけるΔIab(Δ
ω)の値は5から1へ、さらにΔω=466.0020
cm-1におけるΔIab(Δω)の値は4から1へと変化
した。
【0126】なお、試料温度を室温に上げてから再度こ
のΔIab(Δω)の測定を行なったところ、図21と同
じ測定結果が得られ、ΔIab(Δω)を記録データとす
る、本実施形態の記録方法の温度に対する安定性が確認
された。
【0127】(第5の実施形態)第4の実施形態の場合
と同様に、不純物としてEuを0.01モル%含むYA
G結晶を記録媒体に用いた。ただし、本実施形態では、
YAG結晶の二つの側面にAuを蒸着し電極を形成して
ある。この電極は外場としての電場を記録媒体に与える
ためのものである。
【0128】本実施形態では、以下のようにして記録媒
体に情報を記録する。
【0129】すなわち、記録媒体に、角周波数ωp が1
8952.0020cm-1に固定されたレーザーL1、
角周波数ωc が18486.0000cm-1に固定され
たレーザーL2を照射した状態で、記録媒体に、1分間
で角周波数ωexが38000から40000cm-1まで
掃引されたレーザー3Lを照射する。また、電極には、
0Vから5Vの間を1Hzで三角波掃引した電圧を印加
する。
【0130】図22、図23は、それぞれ、記録の前後
でのΔIab(Δω)の変化を示す図である。
【0131】第1の実施形態では、Δωの値が、角周波
数ωp と角周波数ωc の差に等しいところで、ΔI
ab(Δω)の値が変化し記録が行なわれたが、本実施形
態では、Δω=465.9980cm-1のところだけで
なく、より幅広い領域でΔIab(Δω)の値が変化して
いる。
【0132】これは、角周波数ωp ,ωc の値が固定さ
れていても、電場により各物理構造のエネルギー準位が
変化し、各電場によりポピュレーショントラップの条件
を満たす物理構造が変わり、その結果|i4>へと励起
される物理構造が増えたためである。このように電場を
利用することにより、効率的に記録媒体に情報を記録で
きることが確認された。
【0133】なお、本実施形態では、外場として電場の
場合について説明したが、磁場、温度、圧力等の他の外
場の場合についても、同様に個々の物理構造の光学スペ
クトル等の変化を検出できる。
【0134】(第6の実施形態)本実施形態では、第
4、第5の実施形態の場合と同様に、不純物としてEu
を0.1モル%含むYAG結晶を記録媒体に用いる。本
実施形態の特徴は、光の吸収ではなく蛍光を計測するこ
とにより記録されている情報の再生を行なうことにあ
る。
【0135】本実施形態の記録媒体は、図24に示すよ
うに、 51 から約2415cm-1高エネルギー側に 5
2 という励起状態があり、この状態から7 0 に電子
が遷移する際に、21360cm-1程度の波数の強い蛍
光を示す。
【0136】したがって、ポピュレーショントラップさ
れずに、 51 へ励起されたEu原子に関して、第3の
コヒーレント光として2300〜2500cm-1近傍の
赤外線を発振するPb1-x Cdx S、もしくはPbS
1-x Sex の半導体レーザーなどを用いて選択的に 5
2 へ励起すれば、そこから7 0 へ励起する際の蛍光を
検出できる。
【0137】ここでは、第1、第2のコヒーレント光
は、第4の実施形態と同一のものを用い、第3のコヒー
レント光としては、特に発振周波数のピーク周波数が2
411cm-1、ラビ周波数0.2MHzのPbS1-x
x の半導体レーザーL3を用いて、記録媒体に情報を
記録する前におけるEuのエネルギー分布の検出を以下
のような手法により行なった。すなわち、記録媒体に新
しい情報を記録する前に記録されている情報の再生を以
下のような手法により行なった。
【0138】まず、レーザーL2は照射せず、レーザー
L3は照射した状態で、レーザーL1の発振周波数を1
8945.0000cm-1から18955.0000c
-1まで連続的に変化させた時に観測される21000
cm-1以上の波数の蛍光強度I0 lu(ωp )を、フィル
タとフォトカウンタを用いて検出する。
【0139】次にレーザーL2の発振周波数を1848
5.0000cm-1に固定し、レーザーL3は照射した
状態で、レーザーL1の発振周波数を18945.00
00cm-1から18955.0000cm-1まで連続的
に変化させた時に観測される21000cm-1以上の波
数の蛍光強度Ilu(ωp ;ωc )を検出し、蛍光強度I
0 lu(ωp )との差、ΔIlu(ωp ;ωc )=I
0 lu(ωp )−Ilu(ωp ;ωc )を求める。
【0140】次にレーザーL2の発振周波数を0.00
02cm-1増加させ、18485.0002cm-1に固
定し、レーザーL3は照射した状態で、レーザーL1の
発振周波数を18945.0000cm-1から1895
5.0000cm-1まで連続的に変化させた時に観測さ
れる21000cm-1以上の波数のIlu(ωp ;ωc
を検出し、ΔIlu(ωp ;ωc )を求める。
【0141】このように、レーザーL2の発振周波数を
順次0.0002cm-1増加させ、その都度発光強度I
lu(ωp ;ωc )を検出し、ΔIlu(ωp ;ωc )を求
めるプロセスを、レーザーL2の発振周波数が1849
5.0000cm-1になるまで続ける。
【0142】図25は、このようにして得られたΔIlu
(ωp ;ωc )の一部を、レーザーL1の発振周波数ω
p とレーザーL2の発振周波数ωc を二つの座標軸とし
た(ωp ,ωc )平面に図示したものである。図16と
同様に、各擬原子(物理構造)のEITに伴う蛍光の穴
が観測されていることが分かる。
【0143】ただし、図16との違いは、穴の個数が少
ないことである。これは、レーザーL3の線幅が、 5
1 から 52 への遷移の不均一幅よりも狭く、 51
励起されているEu原子の全てを 52 へ励起している
わけではないことに起因する。
【0144】さらに、PbS1-x Sex 半導体レーザー
L3に流す駆動電流を増加させて発振周波数を2413
cm-1に変えて、上記方法と同様にΔIlu(ωp
ωc )を求めた結果を図26に示す。
【0145】(ωp ,ωc )平面の領域に関しては図2
5と同じであるが、図25とは異なった擬原子(物理構
造)のEITに伴う蛍光の穴が観測されていることが明
確に分かる。
【0146】このようにレーザーL3に流す駆動電流を
変えて発振周波数を変化させることで、 51 から 5
2 への遷移の不均一幅の範囲を全て走査すれば、全ての
Eu原子に関するEIT信号(情報)を蛍光により観測
(再生)できるようになる。 (第7の実施形態)ここでは、本発明の記録/再生装置
を用いて、記録媒体に記録された情報を再生する方法
と、新しい情報を記録する方法について具体的に説明す
る。
【0147】図27は、本実施形態における記録/再生
装置を模式的に示す図である。情報の再生においては、
2台のリング色素レーザー11,12からの出力光を記
録媒体13に照射する。
【0148】レーザー11の出力光は、記録媒体13を
透過した後に、出力検出用フォトマルチプライア14に
入力される。フォトマルチプライア14の出力IS PM1
(ωp )は、アナログ信号であるので、ADコンバータ
15によりデジタル信号に変換してから、データ制御用
パーソナルコンピュータ16に入力させる。
【0149】ここで、記録媒体13への入射光強度を換
算するために、レーザー11からの出力光の一部をビー
ムスプリッタ17により分岐させた後、フォトマルチプ
ライア18に入力させ、分岐光の強度であるフォトマル
チプライア18の出力S PM2(ωp )を求める。出力I
S PM2 (ωp )も、ADコンバータ19によりデジタル
信号に変換してから、データ制御用パーソナルコンピュ
ータ16に入力させる。
【0150】さらに、吸収スペクトルのデータを得るた
めに、記録媒体13がないときの、フォトマルチプライ
ア14,18のそれぞれの出力I0 PM1 (ωp ),IS
PM2(ωp )を予め計測し、これらをデータ制御用パー
ソナルコンピュータ16に入力させる。
【0151】レーザー12の出力光の照射の有無に関わ
らず、角振動数ωp の吸収Iab(ωp )は次式で定義さ
れる。
【0152】Iab(ωp )=(1/I0 PM1 (ωp ))
(I0 PM1 (ωp )−IS PM1 (ωp )・I
PM2 (ωp )/IS PM2 (ωp )) データ制御用パーソナルコンピュータ16は、この式に
対応した演算処理を行ない吸収Iab(ωp )を求める。
また、データ制御用パーソナルコンピュータ16にはリ
ング色素レーザー制御用パーソナルコンピュータ21,
28から、角振動数ωp ,ωc の値が信号として入力さ
れる。
【0153】このような手順により、レーザー12の照
射下での吸収スペクトルデータIab(ωp ;ωc )、レ
ーザー12を照射しない時の吸収スペクトルI0 ab(ω
p )が各々(ωp ,ωc )の組の値、ωp の値に対して
求められ、データ制御用パーソナルコンピュータ16の
ハードディスクに再生データが収納される。
【0154】データ量が多い場合には、データ制御用パ
ーソナルコンピュータ16のハードディスクから磁気デ
ィスク等の大容量の外部記憶装置22にデータを転送し
てデータを保存することも可能である。さらに、再生デ
ータを画面上で見るような場合には、データをディスプ
レイ23に転送すれば良い。
【0155】記録媒体13に新たに情報を記録するに
は、以下のような手順で行なう。
【0156】すなわち、レーザー11,12の出力光に
加え、リング色素レーザー24およびエキシマレーザー
25の出力光も出力増加用の色素増幅器26に入射す
る。この色素増幅器26から出力されたレーザー光を非
線形光学結晶のBBO結晶27に入射させ、得られた2
高波を記録媒体13に照射し、第4の実施形態で説明し
た手法により情報を記録する。
【0157】このとき、レーザー24の発振周波数の値
はパーソナルコンピュータ28からデータ制御用パーソ
ナルコンピュータ16に信号として入力される。
【0158】なお、上述したように、情報の記録・再生
時には、レーザー11,12,24の光強度をモニタす
ることが重要であるので、レーザー11だけではなく、
レーザー12,24の出力光の一部もそれぞれビームス
プリッタ29,30により分岐させた後、それぞれの分
岐光をフォトマルチプライア31,32に入力させ、こ
れらフォトマルチプライア31,32の出力をそれぞれ
ADコンバータ33,34によりデジタル信号に変換し
て、データ制御用パーソナルコンピュータ16に入力し
て、レーザー12,24の出力光の強度を計測する。な
お、図中、35〜40はミラーを示している。
【0159】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、E
IT現象の持つ極めて高い周波数分解能を利用するとい
う全く新しい記録/再生原理を採用することにより、原
子や分子の状態を記録単位とした情報の記録・再生を実
現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3準位系のモデルを示す図
【図2】1個の物理構造のEIT特性を表すプローブ光
の角周波数ωp に対する吸収スペクトルを示す図
【図3】N個の物理構造のEIT特性を表すプローブ光
の角周波数ωp に対する吸収スペクトルを示す図
【図4】1個の物理構造に関し、プローブ光の角周波数
ωp に対する吸収スペクトルを示す図
【図5】N個の物理構造に関し、プローブ光の角周波数
ωp に対する吸収スペクトルに観測される吸収の穴を符
号を逆転させてωp −ωc 平面に示す図
【図6】第2の実施形態における情報の記録原理を説明
するための1物理構造の関するIab(Δω)を示す図
【図7】第2の実施形態における情報の再生原理を説明
するための1物理構造に関するIab(ωp ;ωc )、Δ
ab(ωp ;ωc )の分布を示す図
【図8】第2の実施形態における情報の再生原理を説明
するためのN物理構造に関するIab(ωp ;ωc )、Δ
ab(ωp ;ωc )の分布を示す図
【図9】第1、第2のコヒーレント光の照射によりポピ
ュレーショントラップされる物理構造のエネルギー分布
を示す図
【図10】第3の実施形態においてΩp <Ωc の場合に
おける記録方法を説明するための図
【図11】第1、第2のコヒーレント光の照射によりポ
ピュレーショントラップされる物理構造の中で、第3の
コヒーレント光の照射により第4の準位に励起され、イ
オン化や構造変化を起こす物理構造のエネルギー分布を
示す図
【図12】第3の実施形態においてΩp >Ωc の場合に
おける記録方法を説明するための図
【図13】第1、第2のコヒーレント光の照射によりポ
ピュレーショントラップされず、かつ第1のコヒーレン
ト光を吸収して第3の準位に励起される物理構造のエネ
ルギー分布を示す図
【図14】ポピュレーショントラップを起こさない物理
構造に対する記録方法を説明するための図
【図15】第4の実施形態で用いたEuのエネルギー準
位図
【図16】第4の実施形態において、記録前に測定した
ΔIab(ωp ;ωc )に関して、18952.0000
cm-1<ωp <18952.0200cm-1,1848
6.0000cm-1<ωc <18486.0200cm
-1の領域を拡大して示す図
【図17】第4の実施例形態において、記録前に測定し
たΔIab(ω)に関して、465.9880cm-1<Δ
ω<466.0020cm-1の領域を拡大して示す図
【図18】第4の実施形態において、情報の記録操作
(1)の後に読み出したΔIab(ωp ;ωc )を示す図
【図19】第4の実施形態において、情報の記録操作
(1),(2)の後に読み出したΔIab(ωp ;ωc
を示す図
【図20】第4の実施形態において、情報の記録操作
(1),(2),(3)の後に読み出したΔI
ab(ωp ;ωc )を示す図
【図21】第4の実施形態において、情報の記録操作
(1),(2),(3)の後に読み出したΔIab(Δ
ω)を示す図
【図22】第5の実施形態において、情報を記録する前
のΔIab(Δω)を示す図
【図23】第5の実施形態において、情報を記録した後
のΔIab(Δω)を示す図
【図24】第6の実施形態の記録媒体としてのEuを
0.1モル%含むYAG結晶のエネルギー準位を示す図
【図25】第6の実施形態の記録媒体に記録された情報
を読出した結果を示す(ωp ,ωc )平面
【図26】第6の実施形態の記録媒体に記録された情報
を読出した結果を示す他の(ωp,ωc )平面
【図27】第7の実施形態の記録/再生装置を模式的に
示す図
【符号の説明】
|1>…第1の準位 |2>…第2の準位 |3>…第3の準位 ωp …プローブ光(第1のコヒーレント光)の周波数 ωc …カップリング光(第2のコヒーレント光)の周波
数 Ωp…プローブ光のラビ周波数 Ωc…カップリング光のラビ周波数 11,12…リング色素レーザー 13…記録媒体 14…フォトマルチプライア 15…ADコンバータ 16…パーソナルコンピュータ 17…ビームスプリッタ 18…フォトマルチプライア 19…ADコンバータ 20,21…パーソナルコンピュータ 22…外部記憶装置 23…ディスプレイ 24…リング色素レーザ 25…エキシマレーザー 26…色素増幅器 27…BBO結晶 28…パーソナルコンピュータ 29,30…ビームスプリッタ 31,32…フォトマルチプライア 33,34…ADコンバータ 35〜40…ミラー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体として、3準位以上のエネルギー
    準位からなるエネルギー準位構造を有する物理構造を持
    つ固体を使用し、 前記固体中に含まれる前記物理構造の個数をN、 i番目の物理構造の所定の三つの準位を第1、第2、第
    3の準位、 hをプランク定数として、第1の準位のエネルギーをh
    ωi1/2π、第2の準位のエネルギーをhωi2/2π、
    第3の準位のエネルギーをhωi3/2π、 |ωi3−ωi1|をωi31 、|ωi3−ωi2|をωi32 、|
    ωi2−ωi1|をωi21としたときに、 N個の物理構造における(ωi31 ,ωi32 )の分布を変
    化させることにより、前記記録媒体に情報を記録し、前
    記(ωi31 ,ωi32 )の分布または前記ωi21の分布を
    検出することにより、前記情報を再生することを特徴と
    する記録/再生方法。
  2. 【請求項2】前記N個の物理構造の中でωi31 の最大値
    をmax(ωi31 )、最小値をmin(ωi31 )、 前記N個の物理構造の中でωi32 の最大値をmax(ω
    i32 )、最小値をmin(ωi32 )、 第1のコヒーレント光の角周波数をωp 、第2のコヒー
    レント光の角周波数をωc としたときに、 min(ωi31 )<ωp <max(ωi31 )、min
    (ωi32 )<ωc <max(ωi32 )の条件を満たす前
    記第1、前記第2のコヒーレント光を前記記録媒体に照
    射し、前記記録媒体中における前記第1のコヒーレント
    光の吸収、および前記第1のコヒーレント光の吸収を介
    して生ずる前記記録媒体の蛍光の少なくとも一方を、複
    数の(ωp ,ωc )組みについて計測することにより、
    前記記録媒体に記録された情報を再生することを特徴と
    する請求項1に記載の記録/再生方法。
  3. 【請求項3】前記N個の物理構造の中でωi31 の最大値
    をmax(ωi31 )、最小値をmin(ωi31 )、 前記N個の物理構造の中でωi32 の最大値をmax(ω
    i32 )、最小値をmin(ωi32 )、 第1のコヒーレント光の角周波数をωp 、第2のコヒー
    レント光の角周波数をωc 、ωp −ωc をΔω、 Δωが一定、かつmin(ωi31 )<ωp <max(ω
    i31 )、min(ωi3 2 )<ωc <max(ωi32 )の
    条件を満たす前記第1、前記第2のコヒーレント光を前
    記記録媒体に照射した場合の前記記録媒体中における前
    記第1のコヒーレント光の吸収をIab(ωp ;ωc )、
    前記第1のコヒーレント光の吸収を介して生ずる前記記
    録媒体の蛍光をIlu(ωp ;ωc )としたときに、 Iab(Δω)=∫Iab(ωp ;ωp −Δω)dωp および Ilu(Δω)=∫Ilu(ωp ;ωp −Δω)dωp の少なくとも一方を複数の異なるΔωについて求めるこ
    とにより、前記記録媒体に記録された情報を再生するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録/再生方法。
  4. 【請求項4】前記固体は、その準位に電子が励起される
    と構造の変化を引き起こす第4の準位を有し、 この第4の準位のエネルギーをhωi4/2π、|ωi4
    ωi1|をωi41 、|ωi4−ωi2|をωi42 ,|ωi4−ω
    i3|をωi43 、 前記N個の物理構造の中でωi41 の最大値をmax(ω
    i41 )、最小値をmin(ωi41 )、 前記N個の物理構造の中でωi42 の最大値をmax(ω
    i42 )、最小値をmin(ωi42 )、 前記N個の物理構造の中でωi43 の最大値をmax(ω
    i43 )、最小値をmin(ωi43 )、 第1のコヒーレント光のラビ周波数をΩp 、第2のコヒ
    ーレント光のラビ周波数をΩc としたときに、 Ωp <Ωc の場合には、 前記記録媒体に、前記第1、前記第2のコヒーレント
    光、およびmin(ωi4 1 )より大きくmax
    (ωi41 )より小さい角周波数、またはmin
    (ωi43 )よりも大きくmax(ωi43 )よりも小さい
    角周波数を有する第3のコヒーレント光を照射し、 Ωp >Ωc の場合には、 前記記録媒体に、前記第1、前記第2のコヒーレント
    光、およびmin(ωi4 2 )よりも大きくmax(ω
    i42 )よりも小さい角周波数、またはmin(ωi4 3
    よりも大きくmax(ωi43 )よりも小さい角周波数を
    有する第3のコヒーレント光を照射することにより、前
    記記録媒体に情報を記録することを特徴とする請求項1
    に記載の記録/再生方法。
  5. 【請求項5】記録媒体としての、3準位以上のエネルギ
    ー準位からなるエネルギー準位構造を有する固体と、 前記記録媒体に第1および第2のコヒーレント光を照射
    する光学系とを具備してなり、 前記光学系は、 前記固体中に含まれる前記物理構造の個数をN、 i番目の物理構造の所定の三つの準位を第1、第2、第
    3の準位、 hをプランク定数として、前記第1の準位のエネルギー
    をhωi1/2π、第2の準位のエネルギーをhωi2/2
    π、前記第3の準位のエネルギーをhωi3/2π、 |ωi3−ωi1|をωi31 、|ωi3−ωi2|をωi32 、 前記N個の物理構造の中でωi31 の最大値をmax(ω
    i31 )、 前記N個の物理構造の中でωi32 の最小値をmin(ω
    i32 )、 第1のコヒーレント光の角周波数をωp 、第1のコヒー
    レント光の角周波数をωc としたときに、 min(ωi31 )<ωp <max(ωi31 )およびmi
    n(ωi32 )<ωc <max(ωi32 )の条件を満たす
    範囲内で、前記第1および第2のコヒーレント光の角周
    波数を変化させる手段を有することを特徴とする記録/
    再生装置。
  6. 【請求項6】ωp −ωc をΔωとしたとき、前記光学系
    は、Δωが一定の条件で第1および第2のコヒーレント
    光の角周波数を変化させる手段を有することを特徴とす
    る請求項5に記載の記録/再生装置。
  7. 【請求項7】前記固体は、その準位に電子が励起される
    と構造の変化を引き起こす第4の準位を有し、 前記光学系は、 前記第4の準位のエネルギーをhωi4/2π、|ωi4
    ωi1|をωi41 、|ωi4−ωi2|をωi42 ,|ωi4−ω
    i3|をωi43 、 前記N個の物理構造の中でωi41 の最大値をmax(ω
    i41 )、最小値をmin(ωi41 )、 前記N個の物理構造の中でωi42 の最大値をmax(ω
    i42 )、最小値をmin(ωi42 )、 前記N個の物理構造の中でωi43 の最大値をmax(ω
    i43 )、最小値をmin(ωi43 )、 第1のコヒーレント光のラビ周波数をΩp 、第2のコヒ
    ーレント光のラビ周波数をΩc としたときに、 Ωp <Ωc の場合には、 前記記録媒体に、前記第1、前記第2のコヒーレント
    光、およびmin(ωi4 1 )より大きくmax
    (ωi41 )より小さい角周波数、またはmin
    (ωi43 )よりも大きくmax(ωi43 )よりも小さい
    角周波数を有する第3のコヒーレント光を照射し、 Ωp >Ωc の場合には、 前記記録媒体に、前記第1、前記第2のコヒーレント
    光、およびmin(ωi4 2 )よりも大きくmax(ω
    i42 )よりも小さい角周波数、またはmin(ωi4 3
    よりも大きくmax(ωi43 )よりも小さい角周波数を
    有する第3のコヒーレント光を照射する手段を有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の記録/再生方法。
  8. 【請求項8】前記光学系は、前記記録媒体中における前
    記第1のコヒーレント光の吸収、および前記第1のコヒ
    ーレント光の吸収を介して生じる前記記録媒体の蛍光の
    少なくとも一方を計測する手段を有することを特徴とす
    る請求項5、請求項6および請求項7のいずれか1項に
    記載の記録の記録/再生装置。
  9. 【請求項9】|ωi2−ωi1|をωi21 としたときに、 N個の物理構造における(ωi31 ,ωi32 )の分布を変
    化させて前記記録媒体に情報を記録し、前記(ωi31
    ωi32 )の分布または前記ωi21 の分布を検出して前記
    情報を再生することを特徴とする請求項5、請求項6お
    よび請求項7のいずれか1項に記載の記録の記録/再生
    装置。
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