JPH091995A - 転写箔、転写箔用保護層並びに転写箔用保護層形成組成物の製造方法 - Google Patents

転写箔、転写箔用保護層並びに転写箔用保護層形成組成物の製造方法

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JPH091995A
JPH091995A JP15318395A JP15318395A JPH091995A JP H091995 A JPH091995 A JP H091995A JP 15318395 A JP15318395 A JP 15318395A JP 15318395 A JP15318395 A JP 15318395A JP H091995 A JPH091995 A JP H091995A
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JP
Japan
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protective layer
transfer foil
resin
organosilicon compound
hydrolyzate
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Pending
Application number
JP15318395A
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English (en)
Inventor
Takao Uchida
貴夫 内田
Minoru Maeda
実 前田
Hideki Yamanouchi
秀木 山之内
Seiichiro Tanaka
誠一朗 田中
Kenji Oba
憲治 大庭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Oike and Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Oike and Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性、耐磨性、耐酸、耐アルカリ、耐洗濯
性等の特性、金属蒸着層との親和性に優れた保護層を有
する転写箔を得る。れた膜特性を有する塗膜を得る。 【構成】 基材の片面に要すれば離型剤層を設け、更に
少なくとも保護層、金属蒸着層、接着剤層からなる転写
膜を形成した転写箔において、保護層が、特定化学式で
示される有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物
と、この有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物と
縮合反応しうる官能基を2以上有する分子量1000未
満の反応性有機化合物及び/又は分子量1000を超え
る有機化合物とを配合して得られる組成物を塗布してな
ることを特徴とする転写箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は転写箔、転写箔用保護層
並びに転写箔用保護層形成組成物の製造方法に関し、特
に装飾機能に加え、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性、耐蝕
性に優れた転写箔等に関する。
【0002】
【従来の技術】転写箔はいわゆるホットスタンピングホ
イルと呼ばれており、友禅金彩加工に施される金糸、銀
糸、高級アパレル、スポーツ衣料等の服飾用途に施され
るメタリックプリントに採用されている他、ナイロント
リコット、ビニール、レザー、合成皮革、不織布等、化
粧品、薬品等各種容器として用いられる合成樹脂成形
品、ラベル等に用いられる紙等のシート状物へのプリン
ト、更に最近では特殊金属を用いた保温、断熱、各種シ
ールド、導電等各種の産業資材として、多様化するニー
ズに対応して注目されている。
【0003】転写箔は大別すると、メタリック転写
箔、顔料転写箔に分類される。メタリック転写箔の構
造を図10に示す。1は基材、2は離型層、3は保護
層、4は金属蒸着層、5は接着層である。基材としては
真空蒸着適性があり、耐熱性、透明性、柔軟性、機械的
強度、寸法安定性に優れたポリエステルフィルム(12
〜25μm厚)が主流である。この基材をキャリアーフ
ィルムとして、加熱加圧時に転写しやすいように離型層
を設け、更に蒸着層の保護及び色彩効果を賦与するため
に保護層あるいは保護着色層を設けている。
【0004】金属蒸着層には一般には高純度アルミニウ
ム金属を400〜800Å程度真空蒸着により付着させ
ているが、その他例えば一般に多く使用されている高周
波誘導加熱蒸着法、チタン、クローム、ニッケル等の特
殊金属やステンレス、真鍮等の合金を蒸着させる電子ビ
ーム加熱蒸着法、スパッタリング法がある。これらによ
り、金、銀、チタン金属色、クローム金属色、ニッケル
金属色の他、赤、ブルー、グリーン他所望の色調のカラ
ー箔、透明箔、顔料箔、金属粉箔、特殊光輝箔等の特殊
箔も得ることができる。最後に各種被転写体に適合した
接着層が塗布され製品化されている。その他、要求特性
に応じ、離型、保護層を重ね塗りすることもあり、用途
目的により種々の工夫が凝らされている。
【0005】保護層は、例えばアクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂、エポキシ−アクリレート系樹脂、ウレタン系
樹脂、エチレン樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂、メラ
ミン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレア系樹脂、尿素系
樹脂、尿素−メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系
樹、エステル系樹脂、アルキッド系樹脂、マレイン化ロ
ジン、ビニルブチラール系樹脂、セルロース系樹脂、ア
ミド系樹脂、等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電
子線硬化性樹脂等や、アマニ油、桐油、脱水ヒマシ油な
どの乾性油、等の天然樹脂、合成樹脂を単独またはこれ
らの混合物が用いられている。
【0006】顔料転写箔の構造を図11に示す。顔料転
写箔がメタリック転写箔と大きく異なる点は、金属蒸着
層が施されていない点である。このため着色・顔料等は
各種顔料色に加え、最近特に高級なメタリック感覚を出
すため、各種金属粉やパール顔料を使用する場合があ
り、様々なデザインが再現可能となり、顔料転写箔の用
途も広がっている。顔料転写箔およびメタリック転写箔
のいずれの場合も、保護層に顔料等の着色成分を添加し
て、所望の色調とした保護着色層とすることができる。
これら転写箔は使用に際して、接着層を被転写素材表面
に密着させ、基材側表面から加熱加圧する等の方法によ
り素材表面に転写される。この際被転写素材表面に予め
印捺模様の接着剤を加工する等により凸部を設けてお
き、ここに転写膜を形成することもできるし、あるいは
基材表面を金属凸版等で加圧することにより刻印するこ
ともできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これら転写箔により、
金糸、銀糸の加工においてそれ以前に行われていた、酢
酸ビニルを主成分とする接着剤をキシロール等の有機溶
剤で溶解膨潤させて洋金箔等を接着させる、いわゆる戻
し金付加工と呼ばれる加工法に比べ、溶剤による公害、
作業の煩雑等の問題が解決された。また各種成形品、シ
ート状物への金属色模様等の印刷も容易に行うことがで
きるようになり、更に新しい用途が広がった。しかしな
がら、従来の転写箔により得られたプリント、金糸、銀
糸の表面は、保護層が直接外気と触れるため、例えば衣
料用途や金糸、銀糸用途では使用中の摩擦や洗濯時の捩
れにより傷を生じたり剥離するという問題があった。ま
た容器、ラベル等に転写した場合、薬品、化粧品等の内
容物により徐々に剥離・溶解し、美観上問題を生じるこ
とがあった。このため保護層形成組成物として、従来の
樹脂成分に加え、特定の有機ケイ素化合物を添加したも
のを用いることによりこれらの問題への対処が試みられ
ている(特公平7−5000号公報、特開昭63−12
5387号公報)。しかしながら、従来の転写箔の保護
層は耐水性、耐磨性、耐酸、耐アルカリ、耐洗濯性等の
点で未だ十分な性能を有しているとは言い難く、これら
の点を解決した転写箔の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定有機ケイ素化
合物を含有する組成物を塗布して保護層として用いた場
合、得られる転写膜表面は、耐水性、耐磨性、耐酸、耐
アルカリ、耐洗濯性等の特性に優れている上、保護層と
金属蒸着層との親和性にも優れていることを見いだし本
発明に達した。
【0009】すなわち本発明は、基材の片面に要すれば
離型剤層を設け、更に少なくとも保護層、金属蒸着層及
び接着剤層からなる転写膜を形成した転写箔において、
保護層が、下記一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
物及び/又はその加水分解物と、この有機ケイ素化合物
及び/又はその加水分解物と縮合反応しうる官能基を2
以上有する分子量1000未満の反応性有機化合物及び
/又は分子量1000を超える有機化合物とを配合して
得られる組成物を基材に塗布してなることを特徴とする
転写箔、等に存する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】まず、本発明の転写箔において用いる基材
としては特に制限はなく、十分な自己保持性を有する通
常の転写箔に用いられている物であればいずれも用いる
ことができる。例えばポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポ
リアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム等の合成樹脂フィルムや、セルロー
スアセテートフィルム等の人造樹脂フィルム、セロハン
紙、グラシン紙、三椏紙等の洋紙、和紙等のフィルム状
物もしくはシート状物が上げられる。
【0011】基材の厚さとしては特に制限はなく、6〜
100μの範囲、好ましくは12〜25μの範囲のもの
を用いるのが、しわや亀裂などのない転写箔の製造が容
易にできる点から好ましい。本発明の転写箔において必
要に応じて用いる離型剤層としては特に制限はなく、シ
リコーン系樹脂、パラフィンワックス、セルロース系樹
脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹
脂、尿素−メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂を
単独またはこれらの混合物を主成分とした塗膜があげら
れる。
【0012】離型剤層の厚さとしては特に制限はなく、
0.1〜2μ程度の範囲から適宜採用される。本発明の
転写箔において用いる保護層としては、以下のものを用
いることを特徴とする。すなわち、下記一般式〔A〕で
示される有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物
と、この有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物と
縮合反応しうる官能基を2以上有する分子量1000未
満の反応性有機化合物及び/又は分子量1000を超え
る有機化合物とを配合して得られる組成物を塗布してな
る転写箔用保護層である。
【0013】ここで本発明の転写箔用保護層形成組成物
は、下記一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合物、及
び/又はその加水分解物を必須成分とする。
【化7】
【0014】一般式〔A〕の、Rは炭素数1〜8の炭化
水素基であるが、これらのうち、炭素数1〜3のアルキ
ル基である場合、すなわち一般式〔A〕で示される有機
ケイ素化合物として具体的にはテトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランのうち
一種以上を用いた場合、特に高硬度の保護層を得ること
ができる。なお、テトラメトキシシランは、四塩化珪素
とメタノールとの反応、金属珪素及びメタノールの反応
等の方法により得られるもの等を用いることができる
が、原料を精製することにより容易に不純物を除去でき
ること、及び塩酸が副生せず装置腐食の問題が生じない
こと等から、特に不純物を除去する必要のある用途等に
ついては、珪素及びメタノールを反応させることにより
得られるテトラメトキシシランを用いるのが望ましい。
これを用いることにより、例えば塩素含有量が1ppm
以下の保護層形成組成物を容易に得ることもできる。
【0015】なお、テトラメトキシシラン以外の有機ケ
イ素化合物を得る際も、上述の方法に準じて各種アルコ
ールを用いた反応によることもできるが、テトラメトキ
シシランを各種アルコールを用いてエステル交換反応さ
せるのが、効率的である。
【0016】また、有機ケイ素化合物としてテトラメト
キシシランを用いた場合、テトラメトキシシランのモノ
マー自体には、眼の角膜を侵し、蒸気でも障害をもたら
す等毒性が強いことが示唆されている。また、活性が高
いため、作業時に発熱し突沸する場合がある。この点、
テトラメトキシシランを部分加水分解縮合して得られる
部分加水分解縮合物(以下、「テトラメトキシシラン・
オリゴマー」と称する)を用いることにより、これらに
対処することができ、長期にわたって優れた塗膜特性を
発現し、毒性も低減され、また作業性にも優れた転写箔
用保護層形成組成物を供することができる。
【0017】有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物を
得るための加水分解縮合反応自体は、公知の方法による
ことができ、たとえば、上記テトラメトキシシランのモ
ノマーに所定量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生す
るアルコールを留去しながら通常、室温程度〜100℃
で反応させる。この反応によりメトキシシランは加水分
解し、さらに縮合反応によりヒドロキシル基を2以上有
する液状の「テトラメトキシシラン・オリゴマー」(平
均重合度2〜8程度、大部分は3〜7)が部分加水分解
縮合物として得られる。加水分解の程度は、使用する水
の量により適宜調節することができ、有機ケイ素化合物
の全ての加水分解可能基すなわちアルコキシ基を加水分
解縮合するのに必要な理論水量すなわちこれらの基のモ
ル数の1/2のモル数の水に対する実際の添加水量の百
分率で表す。加水分解の程度は例えばテトラメトキシシ
ランの場合、通常20〜80%程度、好適には30〜6
0%程度から選ばれる。20%以下ではモノマー残存率
が高く生産性が低い。また80%以上では得られるテト
ラメトキシシラン・オリゴマーがゲル化しやすい。
【0018】こうして得られた部分加水分解縮合物には
モノマーが通常2〜10%程度含有されている。このモ
ノマーが含有されていると保護層形成組成物の貯蔵安定
性が欠けることがあるため、モノマー含有量が1重量%
以下、好ましくは0.3重量%以下になるように、モノ
マーを除去するとよい。このモノマー除去は、フラッシ
ュ蒸留、真空蒸留、又はイナートガス吹込み等により行
うことができる。テトラメトキシシラン以外の有機ケイ
素化合物を用いて部分加水分解縮合物とする場合も上述
の方法に準じた操作により加水分解等を行うことができ
る。すなわち、本発明においては、有機ケイ素化合物の
加水分解物として、有機ケイ素化合物の部分加水分解縮
合物を、好適に用いることができる。
【0019】本発明においては、有機ケイ素化合物の加
水分解物の更に好ましい形態として、上記の有機ケイ素
化合物及び/又はその部分加水分解縮合物に、これを理
論上100%加水分解縮合可能な量(以下、「加水分解
100%当量」の水という)以上の水を配合して得られ
たこれらの加水分解物を使用できる。すなわち、有機ケ
イ素化合物の全ての加水分解可能基すなわちアルコキシ
基を加水分解縮合するのに必要な量以上の水を配合す
る。有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物を用いる場
合も同様であり、残存するアルコキシ基を加水分解縮合
するのに必要な量以上の水を配合する。
【0020】このように加水分解100%当量以上であ
ればいずれの量でもよいが、実用的には加水分解100
%当量の1〜4倍、更に好ましくは1〜2倍、特に好ま
しくは1〜1.5倍がよい。水の量が加水分解100%
当量の4倍を超えると、場合によっては転写箔用保護層
形成組成物の保存安定性が低下することもある。又、加
水分解100%当量未満では、得られる保護層の硬度等
の物性が充分でないことがある。
【0021】本発明では、更に希釈剤を添加することが
できる。希釈剤の添加により、得られる保護層形成組成
物の保存安定性が向上する。希釈剤としては、目的に応
じて、水又は有機溶媒を用いることができる。水を用い
る場合は、上述した添加水量を増量して希釈してもよい
し、得られる保護層形成組成物を任意の量の水で希釈し
てもよい。
【0022】また、有機溶媒としては、アルコール類、
あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、
ケトン類、エーテル類等のうちの1種、または2種以上
を混合し使用する。アルコールとしてはメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、nブタノール、イ
ソブタノール、オクタノール、n−プロピルアルコー
ル、アセチルアセトンアルコール等、またグリコール誘
導体としてはエチレングリコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げら
れる。
【0023】炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、
トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサ
ン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用
できる。
【0024】これらの溶媒のうち、アルコール、特にC
1 〜C4 のメタノール、エタノール、イソプロパノール
又はブタノールが取扱いが容易であり液での保存安定性
がよく、また得られる塗膜の特性が優れていることから
好ましい。更にこれらのうちメタノール又はエタノール
を用いることにより、極めて高硬度の塗膜を容易に得る
ことができる。
【0025】また、希釈剤としてアルコール等の有機溶
媒を用いる場合、溶媒の配合量は有機ケイ素化合物及び
/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対し50
〜5000重量部、好ましくは100〜1000重量部
がよい。50重量部以下では保護層形成用組成物の保存
安定性が低下し、ゲル化しやすい。5000重量部を越
えると得られる保護層の厚さが極端に薄くなる。
【0026】希釈剤として水を用いる場合は、配合量
は、例えば有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分
解縮合物100重量部に対し、先に述べた加水分解10
0%当量の水と合計して20〜300重量部が適当であ
る。希釈剤として水を用いる場合には、メタノール、エ
タノール等の有機溶媒を用いた場合に比べ配合物のゲル
化が起こりやすいので、pH3以下、好ましくはpH1
〜2に保つことによりゲル化を防ぐ。従って、上記のp
Hに保つべく用いる触媒の種類及び添加量を、希釈水量
に応じ適宜選択すればよい。
【0027】本発明では更に必要に応じて硬化触媒を添
加することができる。触媒としては、例えば、塩酸、酢
酸、硝酸、ギ酸、硫酸、リン酸などの無機酸、パラトル
エンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、シ
ュウ酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ触媒、有機
金属、金属アルコキシド、例えばジブチルスズジラウリ
レート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジ
アセテート等の有機スズ化合物、アルミニウムトリス
(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(ア
セチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビ
ス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプ
ロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウ
ムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウム
ビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)及びジ
ルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセ
トネート)等の金属キレート化合物、ホウ素ブトキシ
ド、ホウ酸等のホウ素化合物等があるが、保護層形成用
組成物の貯蔵安定性、及び得られる塗膜の硬度、可撓性
等の性質が優れている点からは、酢酸、マレイン酸、シ
ュウ酸、フマル酸等の有機酸、金属キレート化合物、ホ
ウ素化合物、及び金属アルコキシドのうち1種又は2種
以上を用いるのがよい。
【0028】尚、望ましい触媒の種類は用いる希釈剤、
及び転写の施される被転写素材の種類、及び用途により
適宜選択することができる。例えば、触媒として塩酸、
硝酸等の強酸を用いた場合、液での保存性がよく、また
次に述べる熟成に要する時間が短縮できる上得られる保
護層の硬度は優れたものとなるが、特に腐食しやすい基
材に対しては、避けた方がいいこともある。これに対し
例えばマレイン酸は腐食等の畏れが少なく、熟成時間が
比較的短時間ですみ、得られるコーティング膜の硬度、
液での貯蔵安定性等の特性が特に優れており望ましい。
【0029】また、希釈剤としてメタノール又はエタノ
ールを用いた場合は、上述した酸触媒の他、例えばアル
ミニウムトリス(アセチルアセトネート)、チタニウム
テトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス
(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウ
ムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネー
ト)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネー
ト)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルア
セトネート)及びジルコニウムビス(イソプロポキシ)
ビス(アセチルアセトネート)等の金属アセチルアセト
ネート化合物等を用いた場合でも、液での保存安定性が
損われることもなく、充分な硬度を有する保護層を得る
ことができる。
【0030】これら触媒成分の添加量は、触媒としての
機能を発揮し得る量であれば特に制限されるものではな
いが、通常、有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水
分解縮合物100重量部に対し、0.1〜10重量部程
度の範囲から選択され、好ましくは0.5〜5重量部で
ある。これらの成分の配合方法は、特に制限されず、例
えば触媒成分を予め水に溶解させたものを用いたり、撹
拌しながら配合する等の手段により一層均一な配合物と
することもできる。尚、水その他溶媒により分解されや
すい触媒を用いる場合は、これを有機ケイ素化合物及び
/又はその部分加水分解縮合物と配合しておき、水その
他溶媒と、使用に際して配合することが好ましい。ま
た、更には触媒成分を使用に際してその他の成分に添加
することもできる。
【0031】本発明においては、これらの成分を配合し
て得られる液(以下、「配合液」という)を、熟成させ
ることにより有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水
分解縮合物の加水分解反応を行うのが特に望ましい。か
かる熟成工程を経ることにより、有機ケイ素化合物及び
/又はその部分加水分解縮合物の加水分解、縮合による
部分架橋反応が充分に進み、有機ケイ素化合物及び/又
はその加水分解物は、ヒドロキシル基、アルコキシ基等
の加水分解重縮合可能な反応基、特に反応性に富んだヒ
ドロキシル基を多数有するものとなる。更にはこの加水
分解物により後述する微小粒子が形成されうるため、得
られる保護層の特性が優れたものとなることが考えられ
る。配合液の熟成は、液を放置すればよいが、撹拌して
もよい。放置する時間は、上述の部分架橋反応が所望の
膜特性を発揮しうる程度進行するのに充分な時間であ
り、用いる希釈剤の種類及び触媒の種類にもよる。例え
ば希釈剤としてメタノール又はエタノールを用いた場合
は、塩酸では室温で約1時間以上、マレイン酸では数時
間以上、好ましくは8時間〜2日間程度で充分である。
【0032】又、希釈剤として水を用いた場合は、pH
3以下、好ましくはpH1〜2とし、1〜180分、通
常5〜20分程度撹拌しながら加水分解することによっ
て、水との親和性が増し、透明かつ均一な液状物とな
る。こうして透明な液を得た後、更に1〜2時間放置す
るのが望ましい。熟成に要する時間はまた周囲の温度に
も影響を受け、極寒地では20℃付近まで加熱する等の
手段を採った方がよいこともある。一般に高温では熟成
が速く進むが100℃以上にも加熱するとゲル化が起こ
るので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切であ
る。
【0033】熟成を充分に行なうことにより、得られる
保護層の白化や、剥離を防止することができる。一般
に、加水分解による発熱が終わった後放冷し室温に戻
り、部分架橋反応が終了する程度の時間放置すれば、熟
成は充分である。このように熟成を経た本発明の配合液
(以下、「熟成物」という)中には、有機ケイ素化合物
及び/又はその部分加水分解縮合物の加水分解物からな
る慣性半径10Å以下の微小粒子(以下、「反応性超微
粒シリカ」という)を形成することができ、例えば小角
X線散乱等の手段により容易に確認することができる。
すなわち、微小粒子の存在により、入射X線の回折強度
分布が、入射線方向に中心散乱と呼ばれる散漫な散乱、
すなわち小角X線散乱を示す。散乱強度Iは、次のGu
inierの式により与えられる。 I=C exp(−H2Rg2/3)(I:散乱強度、
H:散乱ベクトル(=πsin2θ/λ)、Rg:微小
粒子の慣性半径、C:Const、 λ:入射X線波
長、2θ:ひろがり角) 上記のGuinierの式の両辺の常用対数を採ると、
logI=logC-(H2Rg2/3)となり、従って、微小粒子が
存在する場合、散度を測定し、散乱ベクトルに対する両
対数グラフをプロットし、傾きを求めることにより、微
小粒子の慣性半径を求めることができる。
【0034】上述の熟成工程により、有機ケイ素化合物
及び/又はその部分加水分解縮合物の加水分解物がこの
ような反応性超微粒シリカを形成し、後述する有機成分
との親和性にも優れ、成膜に際しても成分間の架橋反応
性が優れたものとなる。熟成物に、さらに水その他各種
溶媒または分散媒を加えることもできる。特に、配合液
を得る際希釈剤として水を用いpH3以下としている場
合は、使用上の便宜の為にこれらを加えpH3〜5程度
の弱酸とするのが望ましい。pH3以下の強酸のままで
は基材の腐食等の問題を生じまた使用に不便であり、ま
た中性〜アルカリ性とした場合は、ゲル化しやすく、液
の保存安定性に問題が生ずることがあるからである。
【0035】希釈剤として水を加え、熟成物に更に水を
加える場合は、水の配合量は全部で通常有機ケイ素化合
物及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対
して200〜100,000重量部、好ましくは350
〜35,000重量部である。100,000重量以上
では、得られる保護層が極端に薄くなる。尚、希釈剤と
してアルコール等有機溶媒を用いた場合は、水を希釈剤
として用いた場合に比べ微小粒子周囲のOH濃度が低い
ため保存安定性が一層優れているので、熟成物にそのま
ま以下に述べる有機成分を添加することもできる。
【0036】本発明においては、次に上述した有機ケイ
素化合物及び/又はその加水分解物に、有機成分を添加
する。添加することのできる有機成分のうちの第一の成
分(以下、「第一成分」という)は、上述の有機ケイ素
化合物及び/又はその加水分解物と縮合反応しうる官能
基を、2以上有する分子量1000未満の反応性有機化
合物である。すなわち、上述の有機ケイ素化合物及び/
又はその加水分解物は、ヒドロキシル基、アルコキシ基
等の加水分解重縮合可能な反応基を多数有する。これら
の反応基と互いに加水分解縮合可能な基を2以上有する
有機化合物であって、しかも分子量1000未満のもの
を、有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物と配合
することができる。
【0037】このような反応性有機化合物としては、た
とえば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、
アルコキシ基等を2以上有するものが挙げられ(ただ
し、上述の有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物
を除く)、具体的には、たとえば、 (i)シランカップラー(一般にはRSiX3 :Xは加
水分解性基、Rは官能基) (ii)1,4−ブタンジオール、グリセリン、カテコー
ル、レゾルシン等の多価アルコール、等が挙げられる。
【0038】より具体的には、たとえば(i)のシラン
カップラーとしては、
【化8】 等のメチルアクリレート系、
【0039】
【化9】 等のエポキシ系、
【0040】
【化10】H2 NC3 6 Si(OC2 5 3 、H2
NC2 4 NHC3 6 Si(OCH3 3Si(OC
3 3 、H2 NCONHC3 6 Si(OC
2 5 3 、等のアミノ系、
【0041】
【化11】CH2 =CHSi(OC2 5 3 、 CH2 =CHSi(OCH3 3 、 CH2 =CHSi(OC2 4 OCH3 3 、 等のビニル系、
【0042】
【化12】HS−C3 6Si(OCH3 3 、 HS−
3 6Si(OC2 5 3 HS−C3 6Si(OC
2 4 OCH3 3
【0043】等のメルカプト系、等が挙げられる。これ
らはいずれも好適に用いることができるが、転写箔の用
途等によって適宜選択することも可能である。また、上
記の反応性有機化合物は、目的に応じて2種以上を併用
することもできる。併用に際しては、2種以上を予め配
合しても、各々を有機ケイ素化合物及び/又はその加水
分解物に添加してもよい。
【0044】反応性有機化合物の添加量は、固形分とし
て、通常、有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物
100重量部に対し、1〜300重量部、好ましくは4
〜150重量部の範囲である。膜中SiO2濃度が94〜5
重量%、好ましくは80〜10重量%となる範囲で、特
に優れた膜特性及び液での貯蔵安定性が発現できる。反
応性有機化合物の量が多すぎると、得られる保護層の硬
度が低くなる傾向にあり、また保護層形成用組成物の貯
蔵安定性が低下する傾向にある。また、反応性有機化合
物が少なすぎると、保護層の可撓性が低下し、クラッ
ク、剥離が発生しやすい。
【0045】尚、反応性有機化合物としてシランカップ
ラーを使用する場合、これを加水分解するための水を要
する。この際シランカップラーと共に添加しても、或は
予め有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合
物を加水分解するために加水分解100%当量以上の水
を添加する際に、共に添加しておいても差支えない。こ
のように、第一成分である反応性有機化合物を添加する
ことにより、保護層の可撓性向上、クラック、剥離防止
の効果がある。更に、箔の加工性が良くなり、コーティ
ング後の乾燥時にも、クラック、箔のカールといった問
題が防止できる。
【0046】本発明で有機ケイ素化合物及び/又はその
加水分解物に添加することのできる有機成分のうち、第
二の成分(以下、「第二成分」という)は、分子量10
00以上の有機化合物である。第二成分を添加すること
により、保護層の可撓性、金属蒸着膜との密着性が向上
する。この分子量1000以上の有機化合物としては、
好ましくは分子量20,000以上であり、例えばエポ
キシ−メラミン系樹脂、アクリル−メラミン系樹脂、メ
ラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、マ
レイン化ロジン、フェノール系樹脂、ベンゾグアナミン
系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂、
エポキシ−アクリレート系樹脂、アルキッド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ジア
リルフタレート系樹脂、セルロース系樹脂、アミド系樹
脂などが用いられる。更に必要に応じて染料及び顔料等
を添加し着色する場合もある。この染料としては、直接
染料、酸性染料、塩基性染料、硫化染料、建染染料、ア
ゾイック染料等を用い又顔料としては、無機顔料、ニト
ロ顔料、アゾ顔料、建染染料系顔料、キナクドリン系顔
料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料等を用い
る。
【0047】これらの有機成分のうち、第一成分及び第
二成分のいずれか一方のみを有機ケイ素化合物及び/又
はその加水分解物に配合しても、従来の保護層に比較し
て硬度等の特性は向上する。しかしながらこれらの成分
の双方を熟成物に配合するのが、上述したように保護層
の一層の特性向上という点から望ましい。これらの成分
の好ましい比率は、重量比で第一成分:第二成分=1:
0.1〜1:5、特に好ましくは1:0.3〜1:3程
度である。また、有機ケイ素化合物及び/又はその加水
分解物と有機成分との配合比率は、有機ケイ素化合物及
び/又はその加水分解物20〜50重量%に対し有機成
分50〜80重量%、特に好ましくは有機ケイ素化合物
及び/又はその加水分解物30〜40重量%に対し有機
成分60〜70重量%である。有機成分が80重量%を
超えると、耐磨耗性等、保護層の物性が低下する。一
方、50重量%未満だと箔のカールが強くなるためであ
る。これら有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解物
と有機成分との配合に際しては、必要に応じて、溶媒、
分散媒、硬化触媒等を添加することができる。
【0048】これら溶媒、分散媒のうち、通常は溶媒を
用いるのが、得られる保護層の物性や、保護層形成組成
物の液での安定性が優れているので望ましい。また溶媒
の種類についても対象となる被転写素材、転写箔の基材
への塗工条件等に適したものを選択すればよい。溶媒と
しては熟成物と有機成分の双方に親和性を持つものが好
適であり、例えばアルコール類、あるいはグリコール誘
導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類
を1種、または2種以上混合して使用できる。
【0049】アルコール類としては具体的にはメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、オクタノール等が挙げられ、グ
リコール誘導体としてはエチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテ
ル等が挙げられる。
【0050】炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、
トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテ
ル、2メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサ
ン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用
できる。
【0051】尚、反応性有機化合物の種類によっては、
官能基が多く、成膜後の硬化速度向上のために触媒を更
に添加するのが望ましい場合もあるが、一般には、有機
ケイ素化合物を加水分解物とした場合は加水分解に際し
て添加した触媒、特に触媒を添加して配合液を調製した
場合はこれらの触媒で充分である。尚、これら溶媒及び
触媒を使用する際の添加順序は特に限定されず、適宜添
加すればよい。
【0052】こうして得られた本発明の保護層形成組成
物を、上述した基材に塗布する。塗布自体は常法による
ことができ、通常グラビアコーティング、あるいはリバ
ースコーティングにて行う。膜厚も適宜選定することが
できる。膜厚の選定は、常法によることができ、例えば
液中非揮発成分濃度とグラビア版のメッシュ及び深度で
調節する。またリバースコーティングにて実施する場合
は、液中の非揮発成分濃度及びロール間隙によって調節
できる。
【0053】更に、金属蒸着層、接着剤層を、常法によ
り設けることができる。本発明の転写箔に用いられる金
属蒸着層としては特に制限はなく、通常の転写箔に用い
られるものであればいずれも用いることができる。金属
蒸着層は金属又は金属の化合物からなり、金属の例えば
アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、チタ
ン、ステンレス、鉄、コバルト、モリブデン、ロジウ
ム、パラジウム、ガリウム、インジウム、亜鉛、錫、タ
ンタル、白金、鉛等が単体、合金または混合物の形態で
用いることができる。通常はアルミニウム、高級用途に
は金が用いられることが多いが、用途分野に応じて適宜
用いられる。
【0054】その他、ニッケルクロム、銀銅合金、真
鍮、硫化亜鉛などの合金や化合物も、金属蒸着層として
用いることができる。金属蒸着層は1種類の材料で形成
されていてもよいが2種類以上のもので形成されてもよ
い。前記金属蒸着層は通常均一な厚さを有するものであ
るが、不均一に設けてもよい。その厚さは通常20〜2
00nm程度の範囲であり、中でも35〜65nmの範
囲が特に好ましい。蒸着によつて得られる金属蒸着層の
厚さが20nm未満では金属光沢に乏しく好ましくない
(なお、強烈な金属光沢を望まない場合には20nm以
下の範囲からも選択される)。一方200nmを超えて
も輝きは増大せず、かえってクラックが発生しやすくな
り好ましくない。
【0055】金属蒸着層を形成するには、例えば当該の
金属または金属化合物を用いて抵抗加熱方式、高周波誘
導加熱方式、電子ビーム加熱方式などの通常の蒸着方式
による蒸着膜形成方法により行われる。本発明の転写箔
において接着剤層に用いる接着剤としては特に制限はな
く、通常の転写箔において用いられる接着剤から適宜選
択して用いられる。例えば酢酸ビニル系、塩化ビニル
系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系、ポ
リエチレン系、スチレン−ブタジエン系、エチレン−酢
酸ビニル系、ポリエステル系、塩化ゴム系、塩素化ポリ
ロピレン系、エポキシ系、キシレン系、ユリア系、アル
キド系、ウレタン系、シリコン系などの接着剤の単独ま
たはこれらの混合物を主成分とするエマルジョン型接着
剤や有機溶剤型接着剤から適宜選択採用される。
【0056】
【実施例】以下、実施例により、更に本発明を詳細に説
明する。なお部及び%は特にことわりのない限り重量部
及び重量%を示す。 実施例1 〔テトラメトキシシラン・オリゴマーの合成〕撹拌機と
還流用コンデンサー及び温度計を付けた500mlの四
つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン234gと
メタノール74gを加えて混合した後、0.05%塩酸
22.2gを加え、内温度65℃、2時間加水分解反応
を行った。
【0057】次いでコンデンサーを留出管に取り換え、
内温度が130℃になるまで昇温し、メタノールで留出
させた。このようにして部分加水分解縮合物を得た(部
分加水分解率40%)。重合度2〜8のオリゴマーが確
認され、重量平均分子量は550であった。テトラメト
キシシラン・オリゴマー中のモノマー量は5%であっ
た。引き続き130℃に加熱したフラスコにテトラメト
キシシラン・オリゴマーを入れ、気化したモノマーを不
活性ガスと共に系外に排出しながら、150℃まで昇温
し、3時間保持した。こうして得られたテトラメトキシ
シラン・オリゴマー中のモノマー量は0.2%であっ
た。
【0058】〔保護層形成組成物の調製〕こうして得ら
れたテトラメトキシシラン・オリゴマー100gにエタ
ノール200gを添加し、次いでマレイン酸1g及び脱
塩素水23.7gを添加した。水の添加量はテトラメト
キシシラン・オリゴマーを理論上完全に加水分解縮合す
る量に対し127%である。室温で2日放置し熟成し、
熟成物を得た。次いで下記構造式のシランカップラー
(チッソ製 品番S210)を64.7g添加した後2
時間放置した。さらに溶媒として、メチルイソブチルケ
トン1000g、シクロヘキサノン200gを添加し、
さらに分子量1000以上の有機化合物としてエポキシ
−メラミン系樹脂500g、アクリル−メラミン系樹脂
200g、マレイン化ロジン90g添加した後、2時間
攪拌放置し液状の保護層形成用組成物とした。
【化13】CH2 =CHSi(OCH3)3
【0059】〔転写箔の製造〕離型層が塗布された厚さ
12μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
の離型層側に上記保護層形成用組成物をグラビアコーテ
ィング法にて塗布、乾燥して厚さ1.2μの保護層を形
成した。この保護層上に真空蒸着法にてアルミニウムを
薄膜形成し、次いでこのアルミニウム蒸着層上に接着剤
溶液をリバースコーティング法にて塗布、乾燥して厚さ
1μの接着層を形成し、転写箔を得た。
【0060】〔微小粒子の確認〕上記の〔保護層形成組
成物の調製の調製〕で得られた熟成物(以下「組成物
A」という、SiO2換算 16重量%、8.1vol
%)、及びこれをエタノールで約4倍に希釈した液(以
下「組成物B」という、SiO2換算濃度4.3重量%、2
vol%)について、以下の条件下、小角X線散乱によ
る解析を行った。 測定装置:アントンパール社製 クラツキコンパクトカ
メラ X線源:50kV、200mA、Cu-Kα線をNi-filterで単
色化。 光学系条件:サンプル−受光スリット間距離=20cm
内真空path=19cm エントランス・スリット=80μm、受光スリット=20
0μm、beam len gth 16mm
【0061】試料セル : 石英キャピラリー(直径約
1mm、肉厚10μm) その他条件: 室温。 step scan法 操作範囲 2θ
=0.086〜8.1deg 90sec/point データ補正:バックグラウンド補正は石英キャピラリー
に水を充填した時の散乱を用いて補正した。X線吸収補
正も行った。 解析ソフト:スリット補正及び逆フーリエ変換は解析ソ
フトITP−81(O.Glatter; J.Appl.Cryst., 10. 41
5-421(1977)による。)を使用した。
【0062】図1及び図2に、組成物A及び組成物B
の、受光スリットにおける散乱X線の移動距離に対す
る、散乱強度の測定データ(バックグラウンド補正、吸
収補正済)を示す。図3及び図4に、組成物A及び組成
物Bのスリット補正後のポイントビームデータを示す。
これら図3及び図4からGuinierの式I=C e
xp(−H2Rg23)(I:散乱強度、H:散乱ベクト
ル(=2πsin2θ/λ)、Rg:慣性半径、C:C
onst、 λ:Cu-Kα線波長、2θ:ひろがり角) に従って慣性半径の最大値を求めると、図5及び図6に
示した様に、組成物Aについては7.0Å(球形と仮定
すると実半径R=(5/3)1/2Rgより、半径9.0
Å)、組成物Bについては6.0Å(球形と仮定すると
半径7.7Å)であった。また、図3及び図4を逆フー
リエ変換し、半径(球形と仮定)の分布を求めた結果を
図7及び図8に示す。半径の最大値は、各々約6Å及び
7Åであった。なお、上記〔テトラメトキシシラン・オ
リゴマーの合成〕で得られたテトラメトキシシラン・オ
リゴマーについて、上記〔微小粒子の確認〕同様の条件
下に小角X線散乱による解析を行った。図9に散乱強度
の測定データを示すが、これにより明らかなように、微
小粒子等の構造は認められなかった。
【0063】実施例2 実施例1の分子量1000以上の有機化合物にアゾ系顔
料を分散した以外は実施例1同様の方法により転写箔を
得た。
【0064】比較例1 離型層が塗布された厚さ12μの2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルムの離型層側にメラミン樹脂50
0g、マレイン化ロジン700g、ポリイソシアネート
500g、メチルイソブチルケトン1500g、シクロ
ヘキサノン500g、からなる溶液(以下「保護層形成
溶液」という)をグラビアコーティング法にて塗布、乾
燥して厚さ1.2μの保護層を形成した。この保護層上
に真空蒸着法にてアルミニウムを薄膜形成し、次いでこ
のアルミニウム蒸着層上に接着剤溶液をリバースコーテ
ィング法にて塗布、乾燥して厚さ1μの接着層を形成
し、転写箔を得た。
【0065】比較例2 比較例1の保護層形成溶液中にアゾ系顔料を分散した以
外は比較例1同様に行い転写箔を得た。実施例及び比較
例で得られた転写箔を被写体であるPP成形品に転写
後、表面に露出した上記保護層の耐候性、耐擦傷性、耐
内容物性の評価を以下の評価方法により行った結果を表
1、表2、及び表3に示す。
【0066】<評価方法>耐候性については前記転写品
をサンシャインウェザーオメーターにて塗膜の劣化の度
合いについて評価を行い、以下の基準により評価した。 劣化の度合い 試験片(試料)に変化が認められない:3 試験片(試料)に若干クラックが認められる:2 試験片(試料)に全面クラックが認められる:1
【0067】耐擦傷性については前記転写品をトラバー
ス方式にて磨耗試験を行い、塗膜の擦傷の度合いについ
て以下の基準により評価した。 試験片(試料)に変化が認められない:3 試験片(試料)に若干の傷が認められる:2 試験片(試料)に全面に傷が認められる:1
【0068】耐内容物性については前記転写品に内容物
でしめらせたガーゼで覆い、更にラップで包んで40℃
雰囲気中24時間放置する。その後、そのガーゼで転写
面を10回こすって転写面の外観の評価を行った。内容
物については、シャワーコロン、ヘアートニック、リン
ス、養毛剤を使用した。試験結果は以下の基準により評
価した。 試験片(試料)に変化が認められない:3 試験片(試料)の塗膜の一部脱離が認められる:2 試験片(試料)に全面脱離が認められる:1
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】本発明により、装飾機能に加え、耐擦傷
性、耐候性、耐薬品性、耐蝕性に優れた保護層を有する
転写箔を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 組成物Aの散乱強度の測定データ
【図2】 組成物Bの散乱強度の測定データ
【図3】 組成物Aのスリット補正後のポイントビーム
データ
【図4】 組成物Bのスリット補正後のポイントビーム
データ
【図5】 組成物A中の微小粒子の慣性半径の分布
【図6】 組成物B中の微小粒子の慣性半径の分布
【図7】 組成物A中の微小粒子の球仮定半径の分布
【図8】 組成物Bの微小粒子の球仮定半径の分布
【図9】 実施例1[テトラメトキシシラン・オリゴマ
ーの合成]で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマ
ーの散乱強度の測定データ
【図10】 メタリック転写箔の構造
【図11】 顔料転写箔の構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 実 京都府京都市伏見区竹田向代町125番地 株式会社尾池開発研究所内 (72)発明者 山之内 秀木 大阪府大阪市中央区伏見町4丁目1番1号 三菱化学株式会社大阪支社内 (72)発明者 田中 誠一朗 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎開発研究所内 (72)発明者 大庭 憲治 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎開発研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に要すれば離型剤層を設け、
    更に少なくとも保護層、金属蒸着層及び接着剤層からな
    る転写膜を形成した転写箔において、保護層が、下記一
    般式〔A〕で示される有機ケイ素化合物及び/又はその
    加水分解物と、この有機ケイ素化合物及び/又はその加
    水分解物と縮合反応しうる官能基を2以上有する分子量
    1000未満の反応性有機化合物及び/又は分子量10
    00を超える有機化合物とを配合して得られる組成物を
    基材に塗布してなることを特徴とする転写箔。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物及び/又はその加水分解物と、この有機ケイ素化合物
    及び/又はその加水分解物と縮合反応しうる官能基を2
    以上有する分子量1000未満の反応性有機化合物及び
    /又は分子量1000を超える有機化合物とを配合して
    得られる組成物を基材に塗布してなることを特徴とする
    転写箔用保護層。
  3. 【請求項3】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物及び/又はその加水分解物と、この有機ケイ素化合物
    及び/又はその加水分解物と縮合反応し得る官能基を2
    以上有する分子量1000未満の反応性有機化合物及び
    /又は分子量1000を超える有機化合物とを配合する
    ことを特徴とする転写箔用保護層形成組成物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物の加水分解物からなる慣性半径10Å以下の微小粒子
    を含有する液に、該微小粒子の有する縮合反応可能な官
    能基と縮合しうる官能基を2以上有する分子量1000
    未満の反応性有機化合物及び/又は分子量1000を超
    える有機化合物を添加することを特徴とする転写箔用保
    護層形成組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 慣性半径10Å以下の微小粒子が、有機
    ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物に、こ
    れを理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を配
    合し更に熟成して得られたものであることを特徴とする
    請求項4記載の転写箔用保護層形成組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物の加水分解物が、部分加水分解縮合物であることを特
    徴とする請求項3記載の転写箔用保護層形成組成物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物の加水分解物が、有機ケイ素化合物及び/又はその部
    分加水分解縮合物に、これを理論上100%加水分解縮
    合可能な量以上の水を配合して得られたものであること
    を特徴とする請求項3、4又は5記載の転写箔用保護層
    形成組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物の加水分解物が、有機ケイ素化合物及び/又はその部
    分加水分解縮合物に、これを理論上100%加水分解縮
    合可能な量以上の水を配合し更に熟成して得られたもの
    であることを特徴とする請求項3、4又は5記載の転写
    箔用保護層形成組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物がテトラメトキシシランであることを特徴とする請求
    項3〜8のいずれかに記載の転写箔用保護層形成組成物
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化
    合物の部分加水分解縮合物が、テトラメトキシシラン・
    オリゴマーであることを特徴とする請求項5〜8のいず
    れかに記載の転写箔用保護層形成組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 熟成をpH1〜3で行うことを特徴と
    する請求項5、8又は9に記載の転写箔用保護層形成組
    成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 熟成時に水以外の溶媒を存在させるこ
    とを特徴とする請求項5、8、9又は11に記載の転写
    箔用保護層形成組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 テトラメトキシシラン・オリゴマー中
    のモノマー含有量が1重量%以下であることを特徴とす
    る請求項10〜12記載の転写箔用保護層形成組成物の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 有機ケイ素化合物及び/又はその加
    水分解物と縮合反応しうる官能基を2以上有する分子量
    1000未満の反応性有機化合物として下記構造式を有
    する成分を1種類以上用いることを特徴とする請求項3
    〜13のいずれかに記載の転写箔用保護層形成組成物の
    製造方法。 【化2】 【化3】 【化4】H2 NC36 Si(OC253 、H2
    24 NHC36 Si(OCH33 、H2 NCO
    NHC36 Si(OC253 、 【化5】CH2 =CHSi(OC253 、 CH2 =CHSi(OCH33 、 CH2 =CHSi(OC24 OCH33 、 【化6】HS−C3 6Si(OCH3 3 、 HS−C
    3 6Si(OC2 5 3 HS−C3 6Si(OC2 4 OCH3 3
  15. 【請求項15】 溶媒がC1 〜C3 の一価アルコールで
    あることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記
    載の転写箔用保護層形成組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 硬化触媒として酢酸、マレイン酸、シ
    ュウ酸、フマル酸のうち1種類以上の存在下に熟成を行
    うことを特徴とする請求項5、8〜15のいずれかに記
    載の転写箔用保護層形成組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】 分子量1000を超える有機化合物
    が、エポキシ−メラミン系樹脂、アクリル−メラミン系
    樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系
    樹脂、マレイン化ロジン、フェノール系樹脂、ベンゾグ
    アナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタン−アクリル
    系樹脂、エポキシ−アクリレート系樹脂、アルキッド系
    樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹
    脂、ジアリルフタレート系樹脂、セルロース系樹脂、ア
    ミド系樹脂であることを特徴とする請求項3〜16のい
    ずれかに記載の転写箔用保護層形成組成物の製造方法。
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