JPH09199744A - フタロシアニン化合物、及びこれを用いる湿式太陽電池 - Google Patents
フタロシアニン化合物、及びこれを用いる湿式太陽電池Info
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Abstract
タロシアニン化合物及びこれを用いる湿式太陽電池に関
する。 (式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Mは2個の
水素原子、金属又は金属誘導体を示す。nは1〜3の整
数を示す。) 【効果】本発明の新規なフタロシアニン化合物は有機溶
剤への溶解性に優れ、半導体に用いられる二酸化チタン
表面と強固な結合状態を形成し、半導体よりも高い位置
に色素の最低空軌道が存在し色素の励起準位から伝導帯
への電子注入が可能であり、電子供与体から色素の最高
被占軌道への電子移動が生じえる性能に優れるとともに
耐久性に優れるので、これを光増感剤として使用する湿
式太陽電池に好適に用いることができる。
Description
物及びこれを用いる湿式太陽電池に関する。さらに詳し
くは有機溶剤に対する溶解性があり、二酸化チタン表面
と強固な吸着結合状態を形成するフタロシアニン化合物
及びこれを光増感色素として用いる湿式太陽電池に関す
る。
光を利用する太陽電池が注目され、種々研究が行われて
きた。現在実用化されている太陽電池の主流は多結晶又
はアモルファスシリコンをセルとするものであるが、経
済コストや製造プロセスにおけるエネルギーコストが高
く、又ガリウムやヒ素などの毒性の高い材料を使用する
ことには問題がないとも言えない。
504023号公報、特表平7−500630号公報、
国際公開94/05025号公報等に金属錯体の光誘起
電子移動を応用した湿式太陽電池が開示されている。
られた少なくとも一方が実質的に透明である2つの電極
を有し、この透明な電極は光増感色素が吸着された多孔
質の二酸化チタン層を有している。
の二酸化チタンに、これよりも高い位置に電子の最低空
軌道を有する光増感色素を吸着させ、更に電子供与体か
ら光増感色素の最高被占軌道への速い電子移動を構成す
ることによって、励起電子の速やかな電子移動によりア
ノード電流が流れることを応用したものである。
構造が単純で製造が容易である等の長所を有する。
表平7−500630号公報、国際公開94/0502
5号報においては、電子供与体としてヨウ素を、電子受
容体(半導体)として二酸化チタンを使用し、光増感色
素としてはポリピリジル化合物のルテニウム錯体を使用
しており、国際公開94/05025号報においては光
増感色素としてカルボキシル基を有するフタロシアニン
化合物、ナフタロシアニン化合物等も使用されている。
ルテニウム錯体は耐光堅牢度が十分でない、製法が複雑
である、ルテニウムが高価である等の問題がある。また
カルボキシル基を有するフタロシアニン化合物はこのよ
うな欠点はないが、有機溶剤に対する溶解性が極端に低
いため、二酸化チタン層に対する吸着効率が低い。湿式
太陽電池においては、光増感色素を溶解した溶液に二酸
化チタン薄膜を浸漬して吸着処理するため、光増感色素
の有機溶剤に対する溶解度が二酸化チタンへの吸着量、
ひいては発電効率に影響する。
が挙げられる。 1)最低空軌道の準位(励起状態の酸化還元電位)が半
導体のConduction-bandの下端より高いこと。 2)最高被占軌道の準位(酸化還元電位)が半導体のVa
lence-bandの上端より高いこと。 3)二酸化チタンの表面に対する吸着性が高いこと。 4)有機溶剤に対する溶解性が高いこと。 5)耐久性に優れること。 6)経済性に優れること。
見い出さていない。
番号W088/6175)号公報には、一般式としては
本発明のフタロシアニン化合物を含有する広範囲のフタ
ロシアニン化合物とこれを使用する液晶光学ディスプレ
イが開示されているが、本発明のフタロシアニン化合物
の具体的開示及び説明はない。
感色素として前記した諸特性に優れる新規なフタロシア
ニン化合物及びこれを使用した湿式太陽電池を提供する
ことである。
した結果、特定の置換基を有するフタロシアニン化合物
が、太陽光を効率的に吸収し、有機溶媒に対する溶解性
が良好で、二酸化チタンに対する吸着性に優れているこ
とを見い出した。即ち、本発明は一般式(I)で表わさ
れるフタロシアニン化合物及びこれを光増感色素として
用いる湿式太陽電池に関する。
水素原子、金属又は金属誘導体を示す。nは1〜3の整
数を示す。)
2個の水素原子、金属又は金属誘導体であり、金属であ
るものとしては、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、R
u、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Snが好ましく、
金属誘導体であるものとしては、AlCl、InCl、
FeCl、MnOH、SiCl2、SnCl2、GeCl
2、Si(OH)2、Sn(OH)2、Ge(OH)2、V
O、TiOが好ましい。特にMとしては、Zn、Mg、
Cu、Al、Fe、2個の水素原子が好ましい。
1〜3の整数である。
具体例を以下に示す。 (1)テトラ(カルボキシメトキシ)−Zn−フタロシ
アニン (2)テトラ(カルボキシメトキシ)−Mg−フタロシ
アニン (3)テトラ(カルボキシメトキシ)−Cu−フタロシ
アニン (4)テトラ(カルボキシメトキシ)−AlCl−フタ
ロシアニン (5)テトラ(カルボキシメトキシ)−FeCl−フタ
ロシアニン (6)テトラ(カルボキシメトキシ)−H2−フタロシ
アニン (7)テトラ(カルボキシメトキシ)−Co−フタロシ
アニン (8)テトラ(カルボキシメトキシ)−Ni−フタロシ
アニン (9)テトラ(カルボキシメトキシ)−Ru−フタロシ
アニン (10)テトラ(カルボキシメトキシ)−Pb−フタロシ
アニン
h−フタロシアニン (12)テトラ(カルボキシメトキシ)−Pd−フタロシ
アニン (13)テトラ(カルボキシメトキシ)−Pt−フタロシ
アニン (14)テトラ(カルボキシメトキシ)−MnOH−フタ
ロシアニン (15)テトラ(カルボキシメトキシ)−Sn−フタロシ
アニン (16)テトラ(カルボキシメトキシ)−InCl−フタ
ロシアニン (17)テトラ(カルボキシメトキシ)−SiCl2−フ
タロシアニン (18)テトラ(カルボキシメトキシ)−SnCl2−フ
タロシアニン (19)テトラ(カルボキシメトキシ)−GeCl2−フ
タロシアニン (20)テトラ(カルボキシメトキシ)−Si(OH)2
−フタロシアニン (21)テトラ(カルボキシメトキシ)−Sn(OH)2
−フタロシアニン (22)テトラ(カルボキシメトキシ)−Ge(OH)2
−フタロシアニン (23)テトラ(カルボキシメトキシ)−VO−フタロシ
アニン (24)テトラ(カルボキシメトキシ)−TiO−フタロ
シアニン (25)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Zn−フタロ
シアニン (26)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Mg−フタロ
シアニン (27)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Cu−フタロ
シアニン (28)テトラ(カルボキシメチルチオ)−AlCl−フ
タロシアニン (29)テトラ(カルボキシメチルチオ)−FeCl−フ
タロシアニン (30)テトラ(カルボキシメチルチオ)−H2−フタロ
シアニン
Co−フタロシアニン (32)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Ni−フタロ
シアニン (33)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Ru−フタロ
シアニン (34)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Pb−フタロ
シアニン (35)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Rh−フタロ
シアニン (36)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Pd−フタロ
シアニン (37)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Pt−フタロ
シアニン (38)テトラ(カルボキシメチルチオ)−MnOH−フ
タロシアニン (39)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Sn−フタロ
シアニン (40)テトラ(カルボキシメチルチオ)−InCl−フ
タロシアニン (41)テトラ(カルボキシメチルチオ)−SiCl2−
フタロシアニン (42)テトラ(カルボキシメチルチオ)−SnCl2−
フタロシアニン (43)テトラ(カルボキシメチルチオ)−GeCl2−
フタロシアニン (44)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Si(OH)
2−フタロシアニン (45)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Sn(OH)
2−フタロシアニン (46)テトラ(カルボキシメチルチオ)−Ge(OH)
2−フタロシアニン (47)テトラ(カルボキシメチルチオ)−VO−フタロ
シアニン (48)テトラ(カルボキシメチルチオ)−TiO−フタ
ロシアニン (49)テトラ(2−カルボキシエトキシ)−Zn−フタ
ロシアニン (50)テトラ(2−カルボキシエトキシ)−Mg−フタ
ロシアニン
−Cu−フタロシアニン (52)テトラ(2−カルボキシエトキシ)−AlCl−
フタロシアニン (53)テトラ(2−カルボキシエトキシ)−FeCl−
フタロシアニン (54)テトラ(2−カルボキシエトキシ)−H2−フタ
ロシアニン (55)テトラ(3−カルボキシプロポキシ)−Zn−フ
タロシアニン (56)テトラ(3−カルボキシプロポキシ)−Mg−フ
タロシアニン (57)テトラ(3−カルボキシプロポキシ)−Cu−フ
タロシアニン (58)テトラ(3−カルボキシプロポキシ)−AlCl
−フタロシアニン (59)テトラ(3−カルボキシプロポキシ)−FeCl
−フタロシアニン (60)テトラ(3−カルボキシプロポキシ)−H2−フ
タロシアニン (61)テトラ(2−カルボキシエチルチオ)−Zn−フ
タロシアニン (62)テトラ(2−カルボキシエチルチオ)−Mg−フ
タロシアニン (63)テトラ(2−カルボキシエチルチオ)−Cu−フ
タロシアニン (64)テトラ(2−カルボキシエチルチオ)−AlCl
−フタロシアニン (65)テトラ(2−カルボキシエチルチオ)−FeCl
−フタロシアニン (66)テトラ(2−カルボキシエチルチオ)−H2−フ
タロシアニン (67)テトラ(3−カルボキシプロピルチオ)−Zn−
フタロシアニン (68)テトラ(3−カルボキシプロピルチオ)−Mg−
フタロシアニン (69)テトラ(3−カルボキシプロピルチオ)−Cu−
フタロシアニン (70)テトラ(3−カルボキシプロピルチオ)−AlC
l−フタロシアニン (71)テトラ(3−カルボキシプロピルチオ)−FeC
l−フタロシアニン (72)テトラ(3−カルボキシプロピルチオ)−H2−
フタロシアニン 上記化合物(1)〜(72)を代表例とする本発明の一
般式(I)で表わされるフタロシアニン化合物は、例え
ば下記の方法に従って製造される。
化合物と一般式(III)で表わされる金属誘導体とを反
応させて一般式(IV)で表わされるフタロシアニン化合
物を製造し、更にこれを溶媒中、アルカリで加水分解す
ることにより、前記一般式(I)で表わされるフタロシ
アニン化合物とする。
は炭素数1〜4のアルキル基を示す。) M'-(Y)d (III) (式中、M’は1価〜4価の金属原子を表わし、Yはハ
ロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセテート、酸素
などの1価又は2価の配位子を示し、dは1〜4の整数
を示す。)
のX、M及びnと同一であり、Rは一般式(II)の式の
Rと同一である。) 式(III)で表わされる金属誘導体としては、Al、S
i、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pbのハ
ロゲン化物、酢酸塩、アセチルアセトネート、酸化物、
硫酸塩、硝酸塩、錯体等が挙げられる。具体例としては
塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、塩化ニッケル、臭化ニッケ
ル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、臭化コバルト、酢酸
コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、
酢酸亜鉛、塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、
塩化パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、
塩化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトンマンガ
ン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム、塩化チタン、塩
化スズ等が挙げられる。
媒としては、沸点80℃以上、好ましくは100℃以上
の有機溶媒が用いられる。例えばn−ペンタノール、n
−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1
−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノー
ル、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、エトキシエ
タノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノー
ル、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノ
ール、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、スルフ
ォラン、ニトロベンゼン、キノリン、尿素等がある。溶
媒の使用量はフタロニトリル化合物の1重量部に対して
1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部である。
ム、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、
1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセ
ン(DBU)、モリブデン酸アンモニウム等を添加して
も良い。添加量はフタロニトリル化合物1モルに対し
て、0.1〜10モル、好ましくは0.5〜5モルであ
る。
00〜250℃である。80℃以下では反応速度が極端
に遅い。300℃以上ではフタロシアニン化合物の分解
が起こる可能性がる。
20時間である。1時間以下では未反応原料が多く存在
し、40時間以上ではフタロシアニンの分解が起こる可
能性がある。
は反応液をフタロシアニン化合物に対する貧溶媒(メタ
ノール等)に排出し、析出物を濾取することによって式
(IV)で表わされるフタロシアニン化合物が得られる。
また必要に応じて得られたフタロシアニン化合物を更に
再結晶或いはカラムクロマトグラフィー処理により精製
することができる。
量は、モル比で1:3〜1:6が好ましい。
としてナトリウムアルコラート或いはリチウムアルコラ
ートを用いて製造したNa2フタロシアニン化合物或い
はLi2フタロシアニン化合物を酸で処理、脱金属する
ことにより得ることができる。
物を加水分解して式(I)で表わされるフタロシアニン
化合物を製造する際の溶媒としては水或いはメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、2−エチルヘキサノール等のアルコールが用いられ
る。
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が使用で
きるが、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
点温度であり、80〜120℃が特に好ましい。
アルコール溶媒の場合はこれを水に排出したものに酸を
加えて目的物を析出させる。酸としては塩酸、硫酸、酢
酸等を使用するが、塩酸が特に好ましい。
例えば下記の方法に従って製造できる。
キルエステル類或いはチオグリコール酸アルキルエステ
ル類とを、反応溶媒として非プロトン性極性溶媒、例え
ばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトア
ミド(DMAC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)
等を用い、触媒として例えば1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)等の存在
下、50〜120℃にて反応させる。反応物を水に排
出、トルエン等の有機溶剤で抽出し、必要に応じて再結
晶等により精製することによって目的物が得られる。
素として含有する湿式太陽電池について下記に説明す
る。
少なくとも一方が実質的に透明である2つの電極を有
し、この透明電極が光増感色素として本発明のフタロシ
アニン化合物が吸着された二酸化チタン層を有している
ことが特徴である。
て、実施例において作製した湿式太陽電池の略図を図1
に示す。
透明電極、2は光増感色素として本発明のフタロシアニ
ン化合物を担持した二酸化チタン層、3は電解液、4は
対極である。
ープしたSnO2等を導電層として有するTCOガラス
(旭硝子社製)、或いは酸化スズをドープした酸化イン
ジウムを導電層として有するITOガラス(Balze
rs社製)等を使用できる。また透明な電極として、ガ
ラスの代りにポリマーを使用することもできる。
あることが望ましく、その粗さ度は好ましくは10〜5
000であり、より好ましくは50〜1000である。
なお、粗さ度は真の表面積に対する見かけの表面積の比
で定義される。
成する方法としてはゾルゲル法、コロイド法等がある。
0μm、より好ましくは10〜30μmである。
ロシアニン化合物を担持(吸着)させるには、例えば、
フタロシアニン化合物をDMF、アルコール類等の有機
溶剤に溶解させて、これに二酸化チタン層を一定時間浸
漬した後乾燥する方法が用いられる。
素/臭素溶液、ハイドロキノン溶液、遷移金属錯体溶液
等のレドックス系が好ましい。電解液に使用される溶媒
としては、水、アルコール、3−メチル−(2−オキサ
ゾリジノン)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
THF、ジメチルスルホオキシド、ジクロロエタン等
や、これらの相溶性混合物がある。
に限定されるものではない。
シ)−Zn−フタロシアニンの合成 4−(エトキシカルボニルメトキシ)フタロニトリル1
1.5g、塩化亜鉛(II)2.1g、DBU7.6g、
n−ペンチルアルコール100mLを混合した後、12
0〜130℃にて8時間撹拌した。冷却後、反応混合物
をメタノール1000mLに排出し、析出物を濾取、乾
燥し、テトラ(エトキシカルボニルメトキシ)−Zn−
フタロシアニン11.2gを濃緑色粉末物として得た。
ム水溶液500mL中で6時間還流撹拌した。冷却後、
10%塩酸で酸析し、析取物を濾取、水洗、乾燥して濃
緑色粉末6.2gを得た。
した。なお、元素分析値中、Znの値は原子吸光法によ
る。
て674nmに極大吸収を有し、分子吸光係数は3.8
2×104 L/mol.cmであった。
チオ)−Zn−フタロシアニンの合成 4−(エトキシカルボニルメチルチオ)フタロニトリル
12.3g、塩化亜鉛(II)2.1g、DBU7.6
g、n−ペンチルアルコール100mLを混合した後、
120〜130℃にて8時間撹拌した。冷却後、反応混
合物をメタノール1000mLに排出し、析出物を濾
取、乾燥し、テトラ(エトキシカルボニルメチルチオ)
−Zn−フタロシアニン10.0gを濃緑色粉末物とし
て得た。
ム500mL中で6時間還流撹拌した。冷却後、10%
塩酸で酸析し、析取物を濾取、水洗、乾燥して濃録色粉
末3.0gを得た。
した。 元素分析 (C40H24N8O8S4Zn): C H N Zn 計算値(%)51.20 2.58 11.94 7.0 実測値(%)51.35 2.61 11.89 6.8 このようにして得られた目的物はメタノール溶液におい
て685nmに極大吸収を有し、分子吸光係数は2.4
0×104 L/mol.cmであった。
ン超微粒子5g(平均粒経12nm、アナターゼ)に硝
酸(pH=0.5〜1)20mLを加え、十分に撹拌し
た後、ポリエチレングリコール(MW=20000)
3.2gを加え撹拌して二酸化チタンの分散液を作製し
た。この分散液をエタノールで十分洗浄した導電性ガラ
ス(フッ素をドープしたSnO2を導電層として有する
もの)上に塗布し、自然乾燥後、空気中、450℃で3
0分間焼結した後、アルゴン雰囲気下、室温まで放冷し
た。
30分間再加熱した後、この二酸化チタン薄膜を、実施
例1で合成したテトラ(カルボキシメトキシ)−Zn−
フタロシアニンを3×10-4M(mol/L)の濃度に
溶解したDMF溶液中に5時間浸漬した。次いで脱水処
理したDMF、エタノールで洗浄し、真空乾燥して色素
担持二酸化チタン薄膜を調整した。
ス電極を使用して図1のような湿式太陽電池を作製し
た。対極には白金電極を用い、電解液には0.5Mヨウ
化テトラプロピルアンモニウム及び0.04Mヨウ素を
電解質として含む炭酸エチレン/アセトニトリル混合溶
液(80/20vol%)を用いた。
メトキシ)−Zn−フタロシアニンの代りに実施例2で
合成したテトラ(カルボキシメチルチオ)−Zn−フタ
ロシアニンを用いた以外は実施例3と同様の操作を行っ
て、湿式太陽電池を作製した。
メトキシ)−Zn−フタロシアニンの代りにテトラ(2
−ジエチルアミノエトキシ)−Zn−フタロシアニン
(化合物1)を用いた以外は実施例3と同様の操作を行
って、湿式太陽電池を作製した。
メトキシ)−Zn−フタロシアニンの代りにテトラ(t
ert−ブチル)−Zn−フタロシアニン(化合物2)
を用いた以外は実施例3と同様の操作を行って、湿式太
陽電池を作製した。
メトキシ)−Zn−フタロシアニンの代りにテトラカル
ボキシ−Zn−フタロシアニン(化合物3、国際公開9
4/05025号公報に開示の化合物)を用いた以外は
実施例3と同様の操作を行って、湿式太陽電池を作製し
た。
n−フタロシアニン、実施例2で合成したテトラ(カル
ボキシメチルチオ)−Zn−フタロシアニン、化合物
1、化合物2及び化合物3についてそれぞれメタノー
ル、DMF及びDMSOに対する溶解性を確認した。結
果を下記表1に示す。
電位及び0−0バンドエネルギーの測定酸化還元電位の測定 DMFに本発明のフタロシアニン化合物1mMと、支持
電解質テトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロ
ホスファート0.1Mを溶解してCV測定を行った。酸
化還元電位を決定した結果を表2に示す。電極として作
用電極にグラッシーカーボン、対電極にプラチナ電極、
参照電極に硝酸銀電極を用いた。
蛍光測定を行い、得られた励起スペクトルと蛍光スペル
トルの交点0−0バンドから、0−0バンドエネルギー
を算出した。これらの結果を表2に示す。
なるヨウ素よりも正電位側にあり、励起準位はアクセプ
ターとなる二酸化チタンの伝導帯よりも負電位側にある
ことがあることが確認できた。即ち半導体よりも高い位
置に色素の最低空軌道が存在し色素の励起準位から伝導
帯への電子注入が可能であり、電子供与体から色素の最
高被占軌道への電子移動が生じえる性能が確認できた。
色素吸着量の測定 実施例3、4及び比較例1、2、3で作製した二酸化チ
タン薄膜のUV〜可視吸収スペクトルを測定し、エタノ
ール中の各フタロシアニン化合物の極大吸収波長におけ
る吸光係数を用いて色素の吸着密度を算出した。結果を
表3に示す。
置換基を有するフタロシアニン化合物に比べ二酸化チタ
ンに効果的に吸着されていることが確認できた。
定 実施例3、4及び比較例1、2、3で作製した湿式太陽
電池について下記のごとく光電変換効率を測定した。光
源に500WのXeランプを用い、紫外線カットフィル
ターを通した光(400nm以上の光を照射、照射光強
度は22mW/cm2)をモノクロメーターにより分光
照射して、それぞれの波長光における短絡電流を測定し
た。また、それぞれの波長における光強度を測定し、次
式により変換効率を算出した。
は短絡電流(mA/cm2)、Pは照射光強度(μW/
cm2)、λは単色光の波長(nm)を示す。次いで次
式より、吸収極大波長付近での吸収光に対する光電変換
効率LHE(%)を算出した。
ールの透過率を示す。結果を表4に示す。
して用いた湿式太陽電池は高い光電変換効率を示すこと
が判った。
有機溶剤への溶解性に優れ、半導体に用いられる二酸化
チタン表面と強固な結合状態を形成し、半導体よりも高
い位置に色素の最低空軌道が存在し色素の励起準位から
伝導帯への電子注入が可能であり、電子供与体から色素
の最高被占軌道への電子移動が生じえる性能に優れると
ともに耐久性に優れるので、これを光増感剤として使用
する湿式太陽電池に好適に用いることができる。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(I)で表わされるフタロシアニ
ン化合物。 【化1】 (式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Mは2個の
水素原子、金属又は金属誘導体を示す。nは1〜3の整
数を示す。) - 【請求項2】 MがZn、Mg、Cu、AlCl、Fe
Cl又は2個の水素原子である請求項1のフタロシアニ
ン化合物。 - 【請求項3】 光増感色素として請求項1のフタロシア
ニン化合物を含有することを特徴とする湿式太陽電池。
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