JPH09201604A - 継目無鋼管の製造方法 - Google Patents
継目無鋼管の製造方法Info
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- JPH09201604A JPH09201604A JP1014296A JP1014296A JPH09201604A JP H09201604 A JPH09201604 A JP H09201604A JP 1014296 A JP1014296 A JP 1014296A JP 1014296 A JP1014296 A JP 1014296A JP H09201604 A JPH09201604 A JP H09201604A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】内面に浸炭層を有しない継目無鋼管を高能率に
製造できる方法を提供する。 【解決手段】黒鉛系潤滑剤を用いたマンドレルミルによ
る粗圧延と、再加熱およびスチレッチレデューサーによ
る仕上げ圧延を連続して行い、しかる後に管内面にデス
ケール処理を施してその残存酸化スケール厚さを10μ
m以下とした後、酸化性雰囲気中で1100〜1250
℃に3〜20分間加熱保持する脱炭熱処理を施す。 【効果】切削性や耐食性は勿論、内面性状に優れた製品
を高い生産性をもって製造することができる。また、熱
エネルギーロスの発生を防止することが可能である。さ
らに、管内面デスケール専用設備をミルライン中に設置
する必要がないので設備費の低減が図れる。
製造できる方法を提供する。 【解決手段】黒鉛系潤滑剤を用いたマンドレルミルによ
る粗圧延と、再加熱およびスチレッチレデューサーによ
る仕上げ圧延を連続して行い、しかる後に管内面にデス
ケール処理を施してその残存酸化スケール厚さを10μ
m以下とした後、酸化性雰囲気中で1100〜1250
℃に3〜20分間加熱保持する脱炭熱処理を施す。 【効果】切削性や耐食性は勿論、内面性状に優れた製品
を高い生産性をもって製造することができる。また、熱
エネルギーロスの発生を防止することが可能である。さ
らに、管内面デスケール専用設備をミルライン中に設置
する必要がないので設備費の低減が図れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンネスマン−マ
ンドレルミル方式によって継目無鋼管を製造する方法、
より詳細にはマンドレルミルによる粗圧延時に用いた黒
鉛系潤滑剤に起因して生じる内面浸炭を防止するように
した継目無鋼管の製造方法に関する。
ンドレルミル方式によって継目無鋼管を製造する方法、
より詳細にはマンドレルミルによる粗圧延時に用いた黒
鉛系潤滑剤に起因して生じる内面浸炭を防止するように
した継目無鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マンネスマン−マンドレルミル方式によ
る継目無鋼管の製造は、通常、次のようにして行われて
いる。
る継目無鋼管の製造は、通常、次のようにして行われて
いる。
【0003】回転炉床式等の加熱炉を用いて丸鋼片を所
定温度(通常、1150〜1250℃)に加熱し、この
丸鋼片をマンネスマンピアサーに代表される傾斜ロール
穿孔圧延機に通して中空のホローシェルに成形する。次
いで、このホローシェル内に潤滑剤を塗布したマンドレ
ルバーを串差し状に挿入し、7〜9スタンドからなるマ
ンドレルミルに通して1パスで所定寸法の仕上げ圧延用
素管に粗圧延する。この粗圧延後、バーストリッパー装
置を用いてマンドレルバーを管から引き抜き、形状悪化
した管端部分をホットソー等で切断する。次いで、管を
再加熱炉に装入して再加熱(通常、900〜1000
℃)し、管外面のみに高圧水を吹き付けてデスケールし
た後、ストレッチレデューサー等の仕上げ圧延機に通し
て外径圧下と若干の肉厚圧下を加えて所定の製品寸法に
仕上げ圧延する。その後、仕上げ圧延された管は、冷却
床に搬送されて常温まで冷却され、コールドソー等で所
定の製品長さに切断されてから最終熱処理工程を含む精
整ラインに搬送される。
定温度(通常、1150〜1250℃)に加熱し、この
丸鋼片をマンネスマンピアサーに代表される傾斜ロール
穿孔圧延機に通して中空のホローシェルに成形する。次
いで、このホローシェル内に潤滑剤を塗布したマンドレ
ルバーを串差し状に挿入し、7〜9スタンドからなるマ
ンドレルミルに通して1パスで所定寸法の仕上げ圧延用
素管に粗圧延する。この粗圧延後、バーストリッパー装
置を用いてマンドレルバーを管から引き抜き、形状悪化
した管端部分をホットソー等で切断する。次いで、管を
再加熱炉に装入して再加熱(通常、900〜1000
℃)し、管外面のみに高圧水を吹き付けてデスケールし
た後、ストレッチレデューサー等の仕上げ圧延機に通し
て外径圧下と若干の肉厚圧下を加えて所定の製品寸法に
仕上げ圧延する。その後、仕上げ圧延された管は、冷却
床に搬送されて常温まで冷却され、コールドソー等で所
定の製品長さに切断されてから最終熱処理工程を含む精
整ラインに搬送される。
【0004】上記マンネスマン−マンドレルミル方式に
よる継目無鋼管の製造に際し、マンドレルミルによる粗
圧延時に使用されるマンドレルバーは、高温状態(通
常、1100〜1200℃)のホローシェル内に挿入さ
れ、ホローシェルと焼き付き易い状態に曝される。ま
た、マンドレルミル圧延後の管の断面形状と肉厚は、圧
延時のロール回転数とロール孔型形状の影響を受けると
ともに、マンドレルバーと材料(ホローシェル)間の摩
擦の影響を受ける。このため、マンドレルバーがホロー
シェルと焼き付くのを防ぐ一方、材料との摩擦を適正に
するために、前述したように、マンドレルバーの外表面
にはホローシェル内への挿入に先立って潤滑剤が塗布さ
れる。
よる継目無鋼管の製造に際し、マンドレルミルによる粗
圧延時に使用されるマンドレルバーは、高温状態(通
常、1100〜1200℃)のホローシェル内に挿入さ
れ、ホローシェルと焼き付き易い状態に曝される。ま
た、マンドレルミル圧延後の管の断面形状と肉厚は、圧
延時のロール回転数とロール孔型形状の影響を受けると
ともに、マンドレルバーと材料(ホローシェル)間の摩
擦の影響を受ける。このため、マンドレルバーがホロー
シェルと焼き付くのを防ぐ一方、材料との摩擦を適正に
するために、前述したように、マンドレルバーの外表面
にはホローシェル内への挿入に先立って潤滑剤が塗布さ
れる。
【0005】しかし、塗布する潤滑剤の摩擦係数が大き
い場合には、圧延時に管が円周方向および長手方向に均
一に塑性変形せず、安定した断面形状と肉厚分布が得ら
れない。また、塗布する潤滑剤の潤滑性が悪い場合に
は、圧延後の管とマンドレルバーとが焼き付いてバーが
引き抜けない状態となり、その作業性が損なわれる。従
って、マンドレルバーに塗布する潤滑剤としては、熱間
での潤滑特性に優れた熱間圧延用の潤滑剤を用いる必要
がある。
い場合には、圧延時に管が円周方向および長手方向に均
一に塑性変形せず、安定した断面形状と肉厚分布が得ら
れない。また、塗布する潤滑剤の潤滑性が悪い場合に
は、圧延後の管とマンドレルバーとが焼き付いてバーが
引き抜けない状態となり、その作業性が損なわれる。従
って、マンドレルバーに塗布する潤滑剤としては、熱間
での潤滑特性に優れた熱間圧延用の潤滑剤を用いる必要
がある。
【0006】このような潤滑剤としては、例えば特公昭
59−37317号公報に示されるような安価で非常に
優れた潤滑特性を有する黒鉛を主成分とする水溶性潤滑
剤があり、この黒鉛系の潤滑剤が従来から多く使用され
ている。しかし、黒鉛を主成分とする潤滑剤を塗布した
マンドレルバーを用いて粗圧延を行うと、圧延時に浸炭
現象が生じ、管の内表面側に炭素濃度が母材よりも高い
浸炭層が発生する。
59−37317号公報に示されるような安価で非常に
優れた潤滑特性を有する黒鉛を主成分とする水溶性潤滑
剤があり、この黒鉛系の潤滑剤が従来から多く使用され
ている。しかし、黒鉛を主成分とする潤滑剤を塗布した
マンドレルバーを用いて粗圧延を行うと、圧延時に浸炭
現象が生じ、管の内表面側に炭素濃度が母材よりも高い
浸炭層が発生する。
【0007】管内表面側に発生した浸炭層は、その後の
再加熱時、ストレッチレデューサーによる仕上げ圧延
時、さらには仕上げ圧延後の固溶化処理等の熱処理時に
炭素が母材に拡散して炭素濃度自体は低くなるものの浸
炭層の深さは逆に深くなり、依然として所定の基準を超
える高い炭素濃度の浸炭層部分が残存する。
再加熱時、ストレッチレデューサーによる仕上げ圧延
時、さらには仕上げ圧延後の固溶化処理等の熱処理時に
炭素が母材に拡散して炭素濃度自体は低くなるものの浸
炭層の深さは逆に深くなり、依然として所定の基準を超
える高い炭素濃度の浸炭層部分が残存する。
【0008】この所定の基準を超える残存浸炭層部分
は、例えば、炭素鋼等にあっては製品管内面に局部的な
異常硬化部を発生させて製品の切削性を低下させる。ま
た、ステンレス鋼にあっては製品内面の耐粒界腐食性等
の耐食性を低下させる。
は、例えば、炭素鋼等にあっては製品管内面に局部的な
異常硬化部を発生させて製品の切削性を低下させる。ま
た、ステンレス鋼にあっては製品内面の耐粒界腐食性等
の耐食性を低下させる。
【0009】従って、所定性能の上記切削性や耐食性を
有する製品を得るためには、その精整工程において、管
内表面の浸炭層部分を回転駆動される砥石で研磨除去す
る等の除去工程が必須の工程として必要となる。この結
果、生産性や歩留まりの低下を招いて製品コストの著し
く上昇を招く他、小径サイズの製品の場合は管内への研
磨用砥石の挿入が不可能で事実上製造できない等の問題
があった。
有する製品を得るためには、その精整工程において、管
内表面の浸炭層部分を回転駆動される砥石で研磨除去す
る等の除去工程が必須の工程として必要となる。この結
果、生産性や歩留まりの低下を招いて製品コストの著し
く上昇を招く他、小径サイズの製品の場合は管内への研
磨用砥石の挿入が不可能で事実上製造できない等の問題
があった。
【0010】このような問題を解決する方法としては、
例えば、特開昭64−16894号公報に提案されるよ
うな非黒鉛系の潤滑剤を用いることが考えられる。しか
し、この非黒鉛系の潤滑剤は潤滑性が不十分、特にステ
ンレス鋼を圧延対象とする場合の潤滑性が不十分で、管
内面に筋疵等の圧延欠陥疵が多発する。その結果、手入
れに多大な工数を必要とするのみならず、製品歩留りが
低下するのに加え、潤滑剤自体も高価で経済的でないと
いう欠点を有している。
例えば、特開昭64−16894号公報に提案されるよ
うな非黒鉛系の潤滑剤を用いることが考えられる。しか
し、この非黒鉛系の潤滑剤は潤滑性が不十分、特にステ
ンレス鋼を圧延対象とする場合の潤滑性が不十分で、管
内面に筋疵等の圧延欠陥疵が多発する。その結果、手入
れに多大な工数を必要とするのみならず、製品歩留りが
低下するのに加え、潤滑剤自体も高価で経済的でないと
いう欠点を有している。
【0011】また、特開平4−111907号公報に
は、黒鉛系の潤滑剤を用いてのマンドレルミル圧延後の
仕上げ用圧延素管の内表面層を、内表面から20〜50
μmの厚さにわたって酸洗あるいは研磨することによっ
て浸炭層を完全除去した後、再加熱して仕上げ圧延する
方法が提案されている。しかし、この方法は、管が高温
の熱間状態にある間に上記酸洗あるいは研磨手段で浸炭
層を完全除去することは事実上不可能で、管を一旦常温
まで冷却する必要があり、熱エネルギーロスが大きいと
いう欠点を有している。さらに、粗圧延と仕上げ圧延を
2回に分けて行うことになるので、生産性が著しく低下
するという欠点も有している。
は、黒鉛系の潤滑剤を用いてのマンドレルミル圧延後の
仕上げ用圧延素管の内表面層を、内表面から20〜50
μmの厚さにわたって酸洗あるいは研磨することによっ
て浸炭層を完全除去した後、再加熱して仕上げ圧延する
方法が提案されている。しかし、この方法は、管が高温
の熱間状態にある間に上記酸洗あるいは研磨手段で浸炭
層を完全除去することは事実上不可能で、管を一旦常温
まで冷却する必要があり、熱エネルギーロスが大きいと
いう欠点を有している。さらに、粗圧延と仕上げ圧延を
2回に分けて行うことになるので、生産性が著しく低下
するという欠点も有している。
【0012】さらに、特開平6−182427号公報に
は、上記特開平4−111907号公報と同様、黒鉛系
の潤滑剤を用いてのマンドレルミル圧延後の仕上げ用素
管の一方管端から他方管端に向けて管内に珪砂を噴射す
るメカニカルなデスケーリング加工を施すことによっ
て、素管内面に存在している潤滑剤成分を除去した後に
再加熱する方法が提案されている。しかし、この方法
は、上記特開平4−111907号公報に提案の方法の
欠点を解消できるものの、高温の熱間状態にある管内面
に対して硬質の珪砂を吹き付けるため、管内面に珪砂が
噛み込む等して内表面性状が悪化、製品品質が劣るとい
う欠点を有している。また、内面デスケーリング用の専
用設備をマンドレルミル出側の横送りテーブル中に付設
する必要があり、設備費が嵩むのに加え、該部での熱エ
ネルギーロスを招くという欠点も有している。
は、上記特開平4−111907号公報と同様、黒鉛系
の潤滑剤を用いてのマンドレルミル圧延後の仕上げ用素
管の一方管端から他方管端に向けて管内に珪砂を噴射す
るメカニカルなデスケーリング加工を施すことによっ
て、素管内面に存在している潤滑剤成分を除去した後に
再加熱する方法が提案されている。しかし、この方法
は、上記特開平4−111907号公報に提案の方法の
欠点を解消できるものの、高温の熱間状態にある管内面
に対して硬質の珪砂を吹き付けるため、管内面に珪砂が
噛み込む等して内表面性状が悪化、製品品質が劣るとい
う欠点を有している。また、内面デスケーリング用の専
用設備をマンドレルミル出側の横送りテーブル中に付設
する必要があり、設備費が嵩むのに加え、該部での熱エ
ネルギーロスを招くという欠点も有している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の実情
に鑑みてなされたもので、その課題は、黒鉛系の潤滑剤
を用いてマンドレルミル圧延を行った場合にも、製品の
切削性や耐食性および内面性状の劣化がないことは勿
論、内面デスケールのための専用設備をミルライン中に
設置する必要がなく、内面デスケール時に熱エネルギー
ロスを招くこともなく、生産性をも低下させることのな
い安価な継目無鋼管の製造方法を提供することにある。
に鑑みてなされたもので、その課題は、黒鉛系の潤滑剤
を用いてマンドレルミル圧延を行った場合にも、製品の
切削性や耐食性および内面性状の劣化がないことは勿
論、内面デスケールのための専用設備をミルライン中に
設置する必要がなく、内面デスケール時に熱エネルギー
ロスを招くこともなく、生産性をも低下させることのな
い安価な継目無鋼管の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マンネス
マン−マンドレルミル方式によって継目無鋼管を製造す
る際に、黒鉛系の潤滑剤を用いてのマンドレルミルによ
る粗圧延後、およびその後に施す再加熱、ストレッチレ
デューサーによる仕上げ圧延後における管内面の浸炭発
生状況について詳細に調査した。
マン−マンドレルミル方式によって継目無鋼管を製造す
る際に、黒鉛系の潤滑剤を用いてのマンドレルミルによ
る粗圧延後、およびその後に施す再加熱、ストレッチレ
デューサーによる仕上げ圧延後における管内面の浸炭発
生状況について詳細に調査した。
【0015】その結果、マンドレルミルによる粗圧延直
後の仕上げ圧延用素管の黒鉛系潤滑剤に起因する所定の
基準を超える高炭素濃度の浸炭層深さは管内表面より5
0μmまでであり、管内表面上には黒鉛系潤滑剤が多量
に付着残存していること。
後の仕上げ圧延用素管の黒鉛系潤滑剤に起因する所定の
基準を超える高炭素濃度の浸炭層深さは管内表面より5
0μmまでであり、管内表面上には黒鉛系潤滑剤が多量
に付着残存していること。
【0016】また、これをそのまま再加熱炉に装入して
再加熱すると、管内への酸素供給が十分になされないた
めに付着残存した黒鉛が不完全燃焼する。このため、管
内のCO分圧が高くなって浸炭現象が進行し、浸炭層深
さがさらに深くなり、かつ該部の炭素濃度も高くなると
ともに、加熱時に生成した酸化スケール中に多量の炭素
が閉じこめられること。
再加熱すると、管内への酸素供給が十分になされないた
めに付着残存した黒鉛が不完全燃焼する。このため、管
内のCO分圧が高くなって浸炭現象が進行し、浸炭層深
さがさらに深くなり、かつ該部の炭素濃度も高くなると
ともに、加熱時に生成した酸化スケール中に多量の炭素
が閉じこめられること。
【0017】さらに、再加熱後に管外面の酸化スケール
のみを除去し、これをストレッチレデューサーで仕上げ
圧延しても、管内面の浸炭層深さと炭素濃度および酸化
スケール中の炭素量に何等の変化もないこと。
のみを除去し、これをストレッチレデューサーで仕上げ
圧延しても、管内面の浸炭層深さと炭素濃度および酸化
スケール中の炭素量に何等の変化もないこと。
【0018】また更に、これの仕上げ圧延後の管に固溶
化などの上記再加熱温度よりも高い温度の最終熱処理を
施すと、脱炭現象が生じて浸炭層がある程度浅くなる
が、再加熱時に生成した多量の炭素を含む酸化スケール
が障壁となり、脱炭現象が抑制されるために浸炭層がな
くならないことを確認した。
化などの上記再加熱温度よりも高い温度の最終熱処理を
施すと、脱炭現象が生じて浸炭層がある程度浅くなる
が、再加熱時に生成した多量の炭素を含む酸化スケール
が障壁となり、脱炭現象が抑制されるために浸炭層がな
くならないことを確認した。
【0019】そこで、本発明者らは、上記特開平4−1
11907号公報および特開平6−182427号公報
に提案される方法が有する欠点を解消すべく、その途中
に管の内表面に付着残存する黒鉛系潤滑剤を除去する内
面デスケール工程を介在させることなく、マンドレルミ
ルによる粗圧延と再加熱およびストレッチレデューサー
による仕上げ圧延を連続して行うことができないかと種
々実験研究を重ねた。
11907号公報および特開平6−182427号公報
に提案される方法が有する欠点を解消すべく、その途中
に管の内表面に付着残存する黒鉛系潤滑剤を除去する内
面デスケール工程を介在させることなく、マンドレルミ
ルによる粗圧延と再加熱およびストレッチレデューサー
による仕上げ圧延を連続して行うことができないかと種
々実験研究を重ねた。
【0020】その結果、マンドレルミルによる粗圧延後
の管をそのまま再加熱し、これをストレッチレデューサ
ーで仕上げ圧延した後であっても、その内面の酸化スケ
ールが所定の厚さ以下になるようにデスケールした後、
所定の熱処理を施すと浸炭層をなくすることができるこ
とを知見した。具体的には、酸化スケールの厚さを10
μm以下にし、酸化雰囲気中で1050〜1250℃に
3〜20分間加熱保持すると、酸化スケールが何等の障
壁とならず、脱炭現象が活発に生じて浸炭層を有しない
製品が得られることを知見した。
の管をそのまま再加熱し、これをストレッチレデューサ
ーで仕上げ圧延した後であっても、その内面の酸化スケ
ールが所定の厚さ以下になるようにデスケールした後、
所定の熱処理を施すと浸炭層をなくすることができるこ
とを知見した。具体的には、酸化スケールの厚さを10
μm以下にし、酸化雰囲気中で1050〜1250℃に
3〜20分間加熱保持すると、酸化スケールが何等の障
壁とならず、脱炭現象が活発に生じて浸炭層を有しない
製品が得られることを知見した。
【0021】なお、管の外面については、ロールと材料
とのスリップを避けるために粗圧延時および仕上げ圧延
時ともに、通常、黒鉛系の潤滑剤を用いないので浸炭は
生じない。また、仮に黒鉛系の潤滑剤を用いたとして
も、管内面とは異なり酸素供給が十分になされ、管外面
に付着した黒鉛が完全燃焼してCO2 となり、脱炭現象
が生じるので浸炭層が形成されることはない。
とのスリップを避けるために粗圧延時および仕上げ圧延
時ともに、通常、黒鉛系の潤滑剤を用いないので浸炭は
生じない。また、仮に黒鉛系の潤滑剤を用いたとして
も、管内面とは異なり酸素供給が十分になされ、管外面
に付着した黒鉛が完全燃焼してCO2 となり、脱炭現象
が生じるので浸炭層が形成されることはない。
【0022】上記の知見に基づく本発明の要旨は、次の
継目無鋼管の製造方法にある。
継目無鋼管の製造方法にある。
【0023】黒鉛系の潤滑剤を用いて粗圧延を行い、こ
の粗圧延後の管を再加熱して仕上げ圧延する継目無鋼管
の製造方法において、前記仕上げ圧延後に管内面の酸化
スケールの厚みが10μm以下になるようにデスケール
した後、酸化性雰囲気中で1050〜1250℃に3〜
20分間加熱保持する熱処理を施すことを特徴とする継
目無鋼管の製造方法。
の粗圧延後の管を再加熱して仕上げ圧延する継目無鋼管
の製造方法において、前記仕上げ圧延後に管内面の酸化
スケールの厚みが10μm以下になるようにデスケール
した後、酸化性雰囲気中で1050〜1250℃に3〜
20分間加熱保持する熱処理を施すことを特徴とする継
目無鋼管の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の方法を詳細に説明する。
の方法を詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の方法と上記特開平4−1
11907号公報および特開平6−182427号公報
に提案される従来方法とを対比して示す工程図である。
11907号公報および特開平6−182427号公報
に提案される従来方法とを対比して示す工程図である。
【0026】図に示すように、従来方法において、黒鉛
を主成分とする潤滑剤を用いたマンドレルミルによる粗
圧延後に行われていた管内面のデスケールを、本発明の
方法ではストレッチレデューサーによる仕上げ圧延後に
行う。この時、酸化スケールの厚さが10μm以下にな
るようにデスケールを行う必要がある。これは、前述し
たように、デスケール後の酸化スケール厚さが10μm
よりも厚いと後述する条件で脱炭熱処理を施しても、こ
の酸化スケールが酸素雰囲気中の酸素と管表面側の材料
との接触を妨げる障壁となって脱炭反応が抑制され、仕
上げ圧延までに生じた浸炭層がなくならないためであ
る。
を主成分とする潤滑剤を用いたマンドレルミルによる粗
圧延後に行われていた管内面のデスケールを、本発明の
方法ではストレッチレデューサーによる仕上げ圧延後に
行う。この時、酸化スケールの厚さが10μm以下にな
るようにデスケールを行う必要がある。これは、前述し
たように、デスケール後の酸化スケール厚さが10μm
よりも厚いと後述する条件で脱炭熱処理を施しても、こ
の酸化スケールが酸素雰囲気中の酸素と管表面側の材料
との接触を妨げる障壁となって脱炭反応が抑制され、仕
上げ圧延までに生じた浸炭層がなくならないためであ
る。
【0027】上記したように、本発明では、従来方法と
は異なり、管内面のデスケールを熱間での仕上げ圧延後
に行うから熱間圧延を2回に分けて行う必要がなく、熱
エネルギーロスの心配が全くない。従って、その管内面
のデスケールは、如何なる手段を用いて施してもよい。
すなわち、仕上げ圧延後、常温にまで冷却された管を対
象に、酸洗、砥石研削あるいはグリッドブラストやショ
ットブラストなどの硬質粒子を吹き付けるなどのいずれ
の手段であってもよい。さらには、ワイヤブラシなどを
用いてデスケールすることもできる。
は異なり、管内面のデスケールを熱間での仕上げ圧延後
に行うから熱間圧延を2回に分けて行う必要がなく、熱
エネルギーロスの心配が全くない。従って、その管内面
のデスケールは、如何なる手段を用いて施してもよい。
すなわち、仕上げ圧延後、常温にまで冷却された管を対
象に、酸洗、砥石研削あるいはグリッドブラストやショ
ットブラストなどの硬質粒子を吹き付けるなどのいずれ
の手段であってもよい。さらには、ワイヤブラシなどを
用いてデスケールすることもできる。
【0028】なお、熱エネルギーロスを避けるため、管
が熱間状態にある間に、硬質粒子吹き付け手段や砥石研
削手段によってデスケールしてもよいが、前述したよう
に、前者の手段は製品の内面性状の劣化を招くので推奨
できない。また、後者の手段は砥石が早期に目詰まり
し、その交換を頻繁に行う必要があるので、これも推奨
できない。
が熱間状態にある間に、硬質粒子吹き付け手段や砥石研
削手段によってデスケールしてもよいが、前述したよう
に、前者の手段は製品の内面性状の劣化を招くので推奨
できない。また、後者の手段は砥石が早期に目詰まり
し、その交換を頻繁に行う必要があるので、これも推奨
できない。
【0029】常温状態の管を対象に、酸洗手段によって
管内面の残存酸化スケール厚さが10μm以下になるよ
うにデスケールするには、例えば以下に述べる条件で酸
洗すればよい。すなわち、硫酸を10〜15重量%含有
し、温度が50〜70℃の硫酸水溶液中に管を20〜4
0分間浸漬する。この場合には、管材料の種類に係わら
ず、酸洗後の残存酸化スケール厚さを10μm以下にす
ることができる。
管内面の残存酸化スケール厚さが10μm以下になるよ
うにデスケールするには、例えば以下に述べる条件で酸
洗すればよい。すなわち、硫酸を10〜15重量%含有
し、温度が50〜70℃の硫酸水溶液中に管を20〜4
0分間浸漬する。この場合には、管材料の種類に係わら
ず、酸洗後の残存酸化スケール厚さを10μm以下にす
ることができる。
【0030】また、上記同様、常温状態の管を対象に、
その表面に硬質粒子を吹き付けるデスケール手段による
方法では、例えば粒径が0.2〜5.0mmの砂や鋼球
などの粒子を吹き付け圧力5〜10kgf/cm2 で吹
き付けることにより、その残存酸化スケールの厚さを1
0μm以下にすることができる。
その表面に硬質粒子を吹き付けるデスケール手段による
方法では、例えば粒径が0.2〜5.0mmの砂や鋼球
などの粒子を吹き付け圧力5〜10kgf/cm2 で吹
き付けることにより、その残存酸化スケールの厚さを1
0μm以下にすることができる。
【0031】また更に、上記同様、常温状態の管を対象
に、その表面を砥石で研削するデスケール手段による方
法では、例えば、#14〜#18程度の粗さを有する砥
石を800〜900rpm程度で回転させつつ2〜4k
gf/cm2 の押圧力で押し付け、これを0.6〜0.
8m/分程度で管軸長方向に移動させることにより、そ
の残存酸化スケールの厚さを10μm以下にすることが
できる。
に、その表面を砥石で研削するデスケール手段による方
法では、例えば、#14〜#18程度の粗さを有する砥
石を800〜900rpm程度で回転させつつ2〜4k
gf/cm2 の押圧力で押し付け、これを0.6〜0.
8m/分程度で管軸長方向に移動させることにより、そ
の残存酸化スケールの厚さを10μm以下にすることが
できる。
【0032】図1に示すように、管内面をデスケール処
理された管のうち、熱間仕上げ製品については、そのま
ま最終熱処理を施して製品管とされる。また、より高い
寸法精度を要求されるものは、軟化のための素管熱処理
を施すことなく冷間加工工程(図中に破線で示す工程)
に供給され、ダイスのみまたはダイスとプラグを用いる
冷間抽伸あるいはコールドピルガーミルを用いる冷間圧
延などによって軽加工度の冷間加工を施して後、最終熱
処理を施してセミ冷間仕上げ製品管とされる。
理された管のうち、熱間仕上げ製品については、そのま
ま最終熱処理を施して製品管とされる。また、より高い
寸法精度を要求されるものは、軟化のための素管熱処理
を施すことなく冷間加工工程(図中に破線で示す工程)
に供給され、ダイスのみまたはダイスとプラグを用いる
冷間抽伸あるいはコールドピルガーミルを用いる冷間圧
延などによって軽加工度の冷間加工を施して後、最終熱
処理を施してセミ冷間仕上げ製品管とされる。
【0033】また更に、冷間仕上げ製品の素管になるも
のについては、上記軟化のための素管熱処理をほどこし
てから高加工度の上記冷間加工を施して後、最終熱処理
を施して冷間仕上げ製品管とされる。
のについては、上記軟化のための素管熱処理をほどこし
てから高加工度の上記冷間加工を施して後、最終熱処理
を施して冷間仕上げ製品管とされる。
【0034】上記熱処理のうち、本発明では、熱間仕上
げ製品管とセミ冷間仕上げ製品管の最終熱処理および冷
間仕上げ製品管の素管熱処理は、熱間圧延工程で生成し
た管内面の浸炭層を除去するための脱炭熱処理であり、
その条件としては酸化性雰囲気中で1050〜1250
℃に3〜20分間加熱保持する必要がある。その理由は
以下に述べる通りである。
げ製品管とセミ冷間仕上げ製品管の最終熱処理および冷
間仕上げ製品管の素管熱処理は、熱間圧延工程で生成し
た管内面の浸炭層を除去するための脱炭熱処理であり、
その条件としては酸化性雰囲気中で1050〜1250
℃に3〜20分間加熱保持する必要がある。その理由は
以下に述べる通りである。
【0035】加熱雰囲気が酸化性雰囲気でないと脱炭反
応が生じず、またその加熱保持温度と時間が1050℃
以上で、かつ3分以上でないと脱炭反応が生じない。逆
に、加熱保持温度と時間が1250℃超または20分超
になると母材の結晶粒度が粗大化して所望の機械的性質
が得られなくなる。また、冷間加工を施す場合には、冷
間加工性が著しく劣化する。さらに、この熱処理時に生
成する酸化スケールの厚さが厚くなり、その除去に多大
の工数が必要で不経済となる他、冷間加工するものでは
その加工時に酸化スケールが剥離して製品の表面を著し
く劣化させる。
応が生じず、またその加熱保持温度と時間が1050℃
以上で、かつ3分以上でないと脱炭反応が生じない。逆
に、加熱保持温度と時間が1250℃超または20分超
になると母材の結晶粒度が粗大化して所望の機械的性質
が得られなくなる。また、冷間加工を施す場合には、冷
間加工性が著しく劣化する。さらに、この熱処理時に生
成する酸化スケールの厚さが厚くなり、その除去に多大
の工数が必要で不経済となる他、冷間加工するものでは
その加工時に酸化スケールが剥離して製品の表面を著し
く劣化させる。
【0036】従って、本発明では、その熱処理条件を上
記のように定めた。
記のように定めた。
【0037】上記脱炭熱処理を施す加熱炉は、重油焚き
加熱炉やCガス焚き加熱炉などの酸化性雰囲気炉であれ
ばどのような加熱炉を用いてもよい。
加熱炉やCガス焚き加熱炉などの酸化性雰囲気炉であれ
ばどのような加熱炉を用いてもよい。
【0038】酸化性雰囲気としては、酸化性雰囲気であ
ればどのような雰囲気であってもよいが、5〜30vo
l%のO2 濃度を有する雰囲気が望ましい。さらに、5
0vol%以下の水蒸気(H2 O)を含む雰囲気とする
のがより望ましく、この場合には脱炭反応がより一層促
進し、効率的に浸炭層をなくすることができる。
ればどのような雰囲気であってもよいが、5〜30vo
l%のO2 濃度を有する雰囲気が望ましい。さらに、5
0vol%以下の水蒸気(H2 O)を含む雰囲気とする
のがより望ましく、この場合には脱炭反応がより一層促
進し、効率的に浸炭層をなくすることができる。
【0039】上記したように、本発明の方法に従って熱
間での仕上げ圧延後に管内面のデスケール処理を行い、
その残存スケール厚さを10μm以下にしてから、酸化
性雰囲気中で1050〜1250℃に3〜20分間加熱
する脱炭熱処理を施すと、熱間圧延時に生じた浸炭層が
完全になくなるか、仮に完全になくならない場合にもそ
の炭素濃度は何等の問題とならない濃度にまで低下す
る。すなわち、例えばJISに規定されるSUS304
L、SUS316L等ではその炭素含有量の規格上限値
は0.030重量%であるが、これを超える高炭素濃度
の浸炭層は形成されなくなる。
間での仕上げ圧延後に管内面のデスケール処理を行い、
その残存スケール厚さを10μm以下にしてから、酸化
性雰囲気中で1050〜1250℃に3〜20分間加熱
する脱炭熱処理を施すと、熱間圧延時に生じた浸炭層が
完全になくなるか、仮に完全になくならない場合にもそ
の炭素濃度は何等の問題とならない濃度にまで低下す
る。すなわち、例えばJISに規定されるSUS304
L、SUS316L等ではその炭素含有量の規格上限値
は0.030重量%であるが、これを超える高炭素濃度
の浸炭層は形成されなくなる。
【0040】なお、本発明においては、熱間仕上げ製品
管とセミ冷間仕上げ製品管の最終熱処理を上記条件の脱
炭熱処理としたので、所望の機械的性質などが確保でき
ないことがある。しかし、この場合には、上記脱炭熱処
理後に適宜な熱処理を施して所望の機械的性質などを確
保すればよく、何等の問題もない。
管とセミ冷間仕上げ製品管の最終熱処理を上記条件の脱
炭熱処理としたので、所望の機械的性質などが確保でき
ないことがある。しかし、この場合には、上記脱炭熱処
理後に適宜な熱処理を施して所望の機械的性質などを確
保すればよく、何等の問題もない。
【0041】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例により説明す
る。
る。
【0042】室温下で刷毛塗り後乾燥させ、その表面に
膜厚約100μmの表1に示す組成からなる黒鉛系潤滑
剤の皮膜を形成させた外径141mmのマンドレルバー
を準備した。
膜厚約100μmの表1に示す組成からなる黒鉛系潤滑
剤の皮膜を形成させた外径141mmのマンドレルバー
を準備した。
【0043】
【表1】
【0044】次いで、このマンドレルバーを用い、傾斜
ロール穿孔圧延機で穿孔圧延して得られた外径181.
0mm、肉厚16.0mm、長さ7000mm、温度1
100℃の表2に示す成分組成を有する7鋼種のホロー
シェルを7スタンドからなるマンドレルミルに通して外
径151.0mm、肉厚5.0mm、長さ25300m
mの仕上げ用素管に粗圧延し、得られた仕上げ圧延用素
管を酸化性雰囲気の重油焚き再加熱炉で1000℃に2
0分間加熱保持した。
ロール穿孔圧延機で穿孔圧延して得られた外径181.
0mm、肉厚16.0mm、長さ7000mm、温度1
100℃の表2に示す成分組成を有する7鋼種のホロー
シェルを7スタンドからなるマンドレルミルに通して外
径151.0mm、肉厚5.0mm、長さ25300m
mの仕上げ用素管に粗圧延し、得られた仕上げ圧延用素
管を酸化性雰囲気の重油焚き再加熱炉で1000℃に2
0分間加熱保持した。
【0045】
【表2】
【0046】引き続いて、再加熱炉から抽出した仕上げ
圧延用素管をそのまま、26スタンドからなるスチレッ
チレデューサーに供給し、その入り側近傍に設けた環状
ノズルから高圧水を噴射して外面デスケールのみを行っ
て外径63.5mm、肉厚7mm、長さ40000mm
に仕上げ圧延し、常温まで冷却してから長さ10000
mmに4分割切断した。
圧延用素管をそのまま、26スタンドからなるスチレッ
チレデューサーに供給し、その入り側近傍に設けた環状
ノズルから高圧水を噴射して外面デスケールのみを行っ
て外径63.5mm、肉厚7mm、長さ40000mm
に仕上げ圧延し、常温まで冷却してから長さ10000
mmに4分割切断した。
【0047】しかる後、酸洗およびショットブラストに
よってその管内面にデスケール処理を施して残存酸化ス
ケール厚さを種々(0〜20μm)変化させた管を準備
し、これらの管に表3および表4に示す各種条件で脱炭
熱処理を施し、得られた熱間仕上げ製品管の内面の浸炭
状況(管内表面の炭素濃度とその浸炭深さ)を調査し
た。また、マンドレルミルによる粗圧延以降の各工程後
における管内面の浸炭状況も同様に調査した。
よってその管内面にデスケール処理を施して残存酸化ス
ケール厚さを種々(0〜20μm)変化させた管を準備
し、これらの管に表3および表4に示す各種条件で脱炭
熱処理を施し、得られた熱間仕上げ製品管の内面の浸炭
状況(管内表面の炭素濃度とその浸炭深さ)を調査し
た。また、マンドレルミルによる粗圧延以降の各工程後
における管内面の浸炭状況も同様に調査した。
【0048】管内表面の炭素濃度と浸炭深さは、次の方
法によって求めた。
法によって求めた。
【0049】すなわち、管内表面の炭素濃度は、管表面
に付着した酸化スケールなどの異物を完全除去した材料
表面を対象に発光分光分析装置を用いて平均炭素濃度を
測定して求めた。また、その浸炭深さは、酸化スケール
除去後の材料表面を所定のピッチで研削除去し、得られ
た材料表面を対象に上記同様の発光分光分析装置を用い
てC平均濃度を測定する操作を繰り返し行って肉厚方向
の各位置における平均C濃度分布を求め、平均C濃度が
JIS規格に規定の上限値を超える深さを浸炭深さとし
た。
に付着した酸化スケールなどの異物を完全除去した材料
表面を対象に発光分光分析装置を用いて平均炭素濃度を
測定して求めた。また、その浸炭深さは、酸化スケール
除去後の材料表面を所定のピッチで研削除去し、得られ
た材料表面を対象に上記同様の発光分光分析装置を用い
てC平均濃度を測定する操作を繰り返し行って肉厚方向
の各位置における平均C濃度分布を求め、平均C濃度が
JIS規格に規定の上限値を超える深さを浸炭深さとし
た。
【0050】これらの結果を、表3〜表6に併記して示
した。
した。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】表3〜表6に示す結果から明らかなよう
に、デスケール後の残存酸化スケール厚さ、脱炭熱処理
条件の雰囲気、加熱温度および保持時間のいずれかが本
発明で規定する範囲を外れる比較例のうち、加熱温度が
高いかもしくは保持時間が長いものを除く比較例(No.
1〜3、5、9〜11、13、17〜19、21、25
〜27、29、33〜35、37、41〜43、45、
49〜51および53)では、いずれの鋼種も、管内表
面の炭素濃度がJIS規格に規定の上限値よりも高く、
かつ浸炭層深さが最大60μmにまで及んでいた。
に、デスケール後の残存酸化スケール厚さ、脱炭熱処理
条件の雰囲気、加熱温度および保持時間のいずれかが本
発明で規定する範囲を外れる比較例のうち、加熱温度が
高いかもしくは保持時間が長いものを除く比較例(No.
1〜3、5、9〜11、13、17〜19、21、25
〜27、29、33〜35、37、41〜43、45、
49〜51および53)では、いずれの鋼種も、管内表
面の炭素濃度がJIS規格に規定の上限値よりも高く、
かつ浸炭層深さが最大60μmにまで及んでいた。
【0056】また、脱炭熱処理時の加熱温度が高いかも
しくは保持時間が長い比較例(No.4、6、12、1
4、20、22、28、30、36、38、44、4
6、52および54)は浸炭層の発生こそ認められなか
った。しかし、これらは、データの添付は省略するもの
の結晶粒度が粗大して所望の機械的性質が得られないの
みならず、冷間圧延した場合に多量に生成付着した酸化
スケールが剥離し、冷間圧延後の製品管内表面性状が不
芳であった。
しくは保持時間が長い比較例(No.4、6、12、1
4、20、22、28、30、36、38、44、4
6、52および54)は浸炭層の発生こそ認められなか
った。しかし、これらは、データの添付は省略するもの
の結晶粒度が粗大して所望の機械的性質が得られないの
みならず、冷間圧延した場合に多量に生成付着した酸化
スケールが剥離し、冷間圧延後の製品管内表面性状が不
芳であった。
【0057】これに対し、本発明の方法によった場合
(No. 7、8、15、16、23、24、31、32、
39、40、47、48、55および56)には、いず
れの鋼種も管内表面の炭素濃度がJIS規格に規定の上
限値以下であり、かつその浸炭層深さは0μmであっ
た。また、これらを冷間圧延して得られた製品の管内表
面性状はいずれも良好であった。
(No. 7、8、15、16、23、24、31、32、
39、40、47、48、55および56)には、いず
れの鋼種も管内表面の炭素濃度がJIS規格に規定の上
限値以下であり、かつその浸炭層深さは0μmであっ
た。また、これらを冷間圧延して得られた製品の管内表
面性状はいずれも良好であった。
【0058】
【発明の効果】本発明の方法によれば、黒鉛系潤滑剤を
用いるマンドレルミルによる粗圧延時に生じた管内面の
浸炭を、熱間での粗圧延と仕上げ圧延を2回に分けて行
うことなく確実になくすることができ、切削性や耐食性
は勿論、内面性状に優れた製品を高い生産性をもって製
造することができる。また、熱間圧延の終了後に管内面
のデスケールを行うので、熱エネルギーロスの発生を防
止することが可能である。さらに、管内面デスケールの
ための専用設備をミルライン中に設置する必要がないの
で、設備費が嵩むことがない。
用いるマンドレルミルによる粗圧延時に生じた管内面の
浸炭を、熱間での粗圧延と仕上げ圧延を2回に分けて行
うことなく確実になくすることができ、切削性や耐食性
は勿論、内面性状に優れた製品を高い生産性をもって製
造することができる。また、熱間圧延の終了後に管内面
のデスケールを行うので、熱エネルギーロスの発生を防
止することが可能である。さらに、管内面デスケールの
ための専用設備をミルライン中に設置する必要がないの
で、設備費が嵩むことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の製造工程と従来方法の製造工程を
対比して示す図である。
対比して示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 哲也 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 飯田 純生 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】黒鉛系の潤滑剤を用いて粗圧延を行い、こ
の粗圧延後の管を再加熱して仕上げ圧延する継目無鋼管
の製造方法において、前記仕上げ圧延後に管内面の酸化
スケールの厚みが10μm以下になるようにデスケール
した後、酸化性雰囲気中で1050〜1250℃に3〜
20分間加熱保持する熱処理を施すことを特徴とする継
目無鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1014296A JPH09201604A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 継目無鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1014296A JPH09201604A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 継目無鋼管の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09201604A true JPH09201604A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11742044
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1014296A Pending JPH09201604A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 継目無鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09201604A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007167912A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼管の製造方法 |
| WO2007126005A1 (ja) | 2006-04-28 | 2007-11-08 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | ステンレス鋼管の製造方法 |
| WO2007138914A1 (ja) | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 継目無ステンレス鋼管の製造方法 |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP1014296A patent/JPH09201604A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007167912A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼管の製造方法 |
| WO2007126005A1 (ja) | 2006-04-28 | 2007-11-08 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | ステンレス鋼管の製造方法 |
| US8047039B2 (en) | 2006-04-28 | 2011-11-01 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Process for producing stainless steel pipe |
| WO2007138914A1 (ja) | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 継目無ステンレス鋼管の製造方法 |
| JP4935812B2 (ja) * | 2006-05-26 | 2012-05-23 | 住友金属工業株式会社 | 継目無ステンレス鋼管の製造方法 |
| EP2025421A4 (en) * | 2006-05-26 | 2012-06-20 | Sumitomo Metal Ind | METHOD FOR PRODUCING A SEAMLESS STEEL ROUND STAINLESS STEEL TUBE |
| CN101454089B (zh) | 2006-05-26 | 2012-10-31 | 住友金属工业株式会社 | 无缝不锈钢钢管的制造方法 |
| US8307688B2 (en) | 2006-05-26 | 2012-11-13 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Process for producing seamless stainless steel pipe |
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