JPH09207117A - Frp補強材の端末定着用金具及び定着方法 - Google Patents

Frp補強材の端末定着用金具及び定着方法

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JPH09207117A
JPH09207117A JP1503496A JP1503496A JPH09207117A JP H09207117 A JPH09207117 A JP H09207117A JP 1503496 A JP1503496 A JP 1503496A JP 1503496 A JP1503496 A JP 1503496A JP H09207117 A JPH09207117 A JP H09207117A
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reinforcing material
fixing
metal fitting
frp reinforcing
frp
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JP1503496A
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Yuji Tamaki
裕士 玉木
Hiroyuki Uchino
洋之 内野
Shinsuke Yamazaki
伸介 山崎
Yoshihiro Abe
吉弘 阿部
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Nippon Steel Corp
Suzuki Metal Industry Co Ltd
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Suzuki Metal Industry Co Ltd
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • E04—BUILDING
    • E04C—STRUCTURAL ELEMENTS; BUILDING MATERIALS
    • E04C5/00—Reinforcing elements, e.g. for concrete; Auxiliary elements therefor
    • E04C5/08—Members specially adapted to be used in prestressed constructions
    • E04C5/085—Tensile members made of fiber reinforced plastics
    • E—FIXED CONSTRUCTIONS
    • E04—BUILDING
    • E04C—STRUCTURAL ELEMENTS; BUILDING MATERIALS
    • E04C5/00—Reinforcing elements, e.g. for concrete; Auxiliary elements therefor
    • E04C5/08—Members specially adapted to be used in prestressed constructions
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    • E04C5/127—The tensile members being made of fiber reinforced plastics

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 強度特性の面で優れており、振動等による強
度低下を引き起こすことがない定着構造を形成すること
ができ、しかも、簡便な構造であってコンパクトなFR
P補強材の端末定着用金具を提供すると共に、この端末
定着用金具を用いたFRP補強材の端末定着方法を提供
する。 【解決手段】 炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等
の連続繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた繊維強化プラス
チック製単線を複数本撚り合わせ、次いで樹脂を硬化さ
せて得られたストランド状FRP補強材の端部を定着す
る端末定着用金具であり、上記FRP補強材の端部が挿
入される金具本体の内径部分が、FRP補強材の外径よ
り大きく、かつ、FRP補強材の外径の50%以上の長
さを有する直線管部と、この直線管部の後方に形成され
た角度2〜10°で拡開するテーパ部とを有するFRP
補強材の端末定着用金具である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストランド状FR
P補強材の端末定着用金具とこれを用いた定着方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維等
の連続繊維を一方向に引き揃えて樹脂を含浸させて繊維
強化プラスチック製単線を調製し、この繊維強化プラス
チック製単線の複数本を撚り合わせた後、樹脂を硬化さ
せて形成されたストランド状FRP補強材は、軽量でか
つ引張強度や引張弾性率に優れ、耐蝕性にも優れている
ため、スチ−ル製ストランドの代替として近年期待され
ている材料である。
【0003】しかしながら、該FRP補強材は、引張強
度には優れているものの、横方向の特性が劣っており、
また、表面硬度が低く、局部的な曲げや圧縮、剪断の変
形に弱いという問題がある。この為、該FRP補強材
は、これを表面硬度の高いスチ−ル等の材料でつかむと
損傷を受ける場合があり、また、鋼線製のものに比較し
て損傷に対する感受性が高く、しかも、損傷を受けると
強度劣化を引き起こす。
【0004】そして、該FRP補強材は、鋼線等の金属
材料と異なり、降伏せずに脆性的に破壊するという特性
を有しているため、その長さ方向に単線間の不揃いがあ
ると、長さ方向に短い単線が降伏して鋼線のように全体
のストランドが均一の荷重を受け持つということがな
く、このFRP補強材の長さ方向の単線間の不揃いは即
強度低下につながる。更に、耐熱性が低いことから、溶
融金属等の高温に晒されると強度劣化を招来する。
【0005】従って、鋼線製ストランドの定着方法をそ
のまま転用することは困難であり、FRP補強材の定着
部構造に特別な工夫をしないとこのFRP補強材の特性
を十分に引き出すことができず、ストランド状FRP補
強材には、それ用の特殊な定着部構造が必要である。
【0006】そこで、このストランド状FRP補強材の
定着構造としては、金属製の楔を使用した定着構造(以
下「楔定着」という)や、モルタル、樹脂等の付着剤を
使用した定着構造(以下「付着定着」という)が提案さ
れている。
【0007】上記楔定着は、金属製の楔により機械的に
FRP補強材をつかむ方法である。すなわち、この方法
は、円錐形等の全体がテーパを持つ二つ割り又は三つ割
りの金属製楔でFRP補強材を挟み、楔と同一テーパを
もつソケット中に挿入することにより、FRP補強材に
引張荷重をかけた時に楔作用により金属製楔が締めこま
れ、その時に生じる側圧(面圧)により、FRP補強材
を定着する方法である。この場合、定着時に金属製楔の
面圧によりFRP補強材が損傷し易いという問題があっ
た。
【0008】この問題を解消するため、特開平1−27
2889号公報や特開平3−125746号公報では、
定着部のFRP補強材の回りに樹脂やFRPを用いた緩
衝層を設けることが提案されている。しかしながら、こ
れらの方法でも、楔定着方法の特徴上、楔先端部が完全
に固定されるため、この先端部に応力集中が発生し、F
RP補強材の優れた強度特性を発揮せしめるのが困難で
あった。しかも、FRP補強材に振動等が発生した場合
には、定着具口元で屈曲が起こり、該先端部に大きな曲
げ応力が付加的に発生し、この曲げ応力により強度低下
が発生する場合もあった。
【0009】以上の理由から、付着定着の方が比較的優
れた方法であると考えられる。しかしながら、この付着
定着では、長い定着長が必要になり、このために定着構
造が大型化するという問題があった。これは、定着用金
具内面と定着のため注入された固定用樹脂との間の付着
強度、及び、注入される固定用樹脂とFRP補強材との
間の付着強度が楔定着に比べて小さいためである。な
お、ここでの付着強度とは、定着用金具内面と定着のた
め注入された固定用樹脂とが引き抜ける際の平均剪断応
力、すなわち引き抜け荷重を定着用金具内面表面積で除
した値、及び、FRP補強材が固定用樹脂との間で引き
抜ける際の平均剪断応力、すなわち引き抜け荷重を固定
用樹脂と接触するFRP補強材の表面積で除した値であ
る。
【0010】このため、実開平3−120598号公報
では、定着用金具内面にラセン溝を切り、付着面積の増
大と機械的歯止め機構とを期待した構造を提案してい
る。しかしながら、この方法においても、定着用金具内
面と注入された固定用樹脂との接着力は1kg/mm2
以下と小さく、また、ラセン溝による歯止め機構もそこ
に注入される固定用樹脂の剪断力が1kg/mm2 以下
と小さいために、どうしても定着長さを長く取らざるを
得ない。また、FRP補強材が注入された固定用樹脂と
の間は、無負荷状態での固定用樹脂の付着強度のみで持
っている。一方、FRP補強材と固定用樹脂との付着強
度は1kg/mm2 であり、この面からも、定着長さ
は、楔定着方法に比較して長くならざるを得ない。
【0011】更に、上記の問題に対する対応策として、
特開昭63−272848号公報に記載の方法も考えら
れる。この方法は、定着用金具内面をテーパ形状にし
て、定着用金具内面と注入された固定用樹脂との力の伝
達を定着用金具内面のテーパ形状を利用した楔効果によ
り行うことにより、楔定着方法と同様に定着長さを短く
することが期待できる方法である。また、FRP補強材
と注入された固定用樹脂との付着強度についても、FR
P補強材に引張力が働いた時に注入された固定用樹脂に
圧縮力が働き、FRP補強材と固定用樹脂との付着強度
は1.5kg/mm2 以上が期待でき、実開平3−12
0598号公報より定着長さを大幅に短くできる方法で
ある。
【0012】しかしながら、この特開昭63−2728
48号公報の方法においても、定着部口元からテーパが
形成されているため、楔定着方法と同様に、先端部に応
力集中が発生し、しかも、FRP補強材に振動等が発生
した場合には該先端部に大きな曲げ応力が付加的に発生
し、曲げ疲労による強度低下が発生する可能性があっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる観点に
鑑みて創案されたものであり、その目的とするところ
は、強度特性の面で優れており、振動等による強度低下
を引き起こすことがない定着構造を形成することがで
き、しかも、簡便な構造であってコンパクトなFRP補
強材の端末定着用金具を提供すると共に、この端末定着
用金具を用いたFRP補強材の端末定着方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、炭
素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の連続繊維に熱硬
化性樹脂を含浸させた繊維強化プラスチック製単線を複
数本撚り合わせ、次いで樹脂を硬化させて得られたスト
ランド状FRP補強材の端部を定着する端末定着用金具
であり、上記FRP補強材の端部が挿入される金具本体
の内径部分が、FRP補強材の外径より大きく、かつ、
FRP補強材の外径の50%以上の長さを有する直線管
部と、この直線管部の後方に形成された角度2〜10°
で拡開するテーパ部とを有するFRP補強材の端末定着
用金具である。
【0015】また、本発明は、ストランド状FRP補強
材を上記端末定着用金具を用いて定着するに際し、直線
管部においては、この直線管部先端より少なくとも直線
管部の50%以上の長さの範囲でFRP補強材と端末定
着用金具内面との間に緩衝層となるエラストマ−を挿入
し、また、この直線管部の残りのFRP補強材と端末定
着用金具内面との間の部分及びその後方のテーパ部にお
いては、固定用樹脂を充填して固定するFRP補強材の
端末定着方法である。
【0016】更に、本発明は、上記FRP補強材の端末
定着方法において、テーパ部内に位置するFRP補強材
を解撚し、この解撚部の少なくとも1本以上の単線をテ
ーパ部の開放端に設けた多孔蓋体の孔内に挿入して固定
し、解撚部の解撚状態を保持した状態で固定用樹脂を注
入し、FRP補強材の端部をこの固定用樹脂で固定する
方法であり、また、金具本体の内径部分内に固定用樹脂
を注入する前にこの端末定着用金具の金具内面に離型剤
を塗布し、これら固定用樹脂と端末定着用金具の金具内
面との間を非接着状態にする方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明のFRP補強材の端末定着
用金具の構成を示す断面説明図であり、図2はその右側
面図である。図中、1は繊維強化プラスチック製単線を
複数本撚り合わせ、樹脂を硬化させて形成したストラン
ド状FRP補強材である。このFRP補強材1を構成す
る単線は、繊維強化プラスチック製であればどのような
ものでも使用可能であり、例えば、強化繊維としては、
炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維等
が挙げられ、また、マトリックス樹脂としては、エポキ
シ樹脂、ビニ−ルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポ
リフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂が挙げられ
る。また、表面に被覆処理がなされていてもよい。
【0019】FRP補強材1を構成する単線の径として
は2〜10mmの範囲内が好ましい。また、FRP補強
材は、繊維強化プラスチック製単線を複数本撚り合わせ
たものが望ましいが、単線を平行あるいは疑似平行(長
尺撚り)に束ねたものであっても差し支えない。
【0020】図中、2は本発明の端末定着用金具の金具
本体である。これはFRP補強材に作用する引張力を受
けるもので、材質としては、加工性、特性、コストの面
から鋼材が好ましく、機械構造用炭素鋼、ニッケルクロ
ム鋼、クロムモリブデン鋼等が好ましい。この金具本体
2は荷重端側(FRP補強材が外部に存在する側)にF
RP補強材の外径Dより大きな内径dの直線管部3を持
ち、かつ、その直線管部3の長さ(領域A)がFRP補
強材外径Dの50%以上の長さを有し、その後部(自由
端側)には2〜10°の角度Cを持って拡開するテーパ
部4(領域B)を有している。
【0021】上記直線管部3とテーパ部4との境目部5
は、そこに角が存在するとこの境目部5に応力集中が発
生することから、少なくとも半径2mm以上のR形状に
することが好ましい。テーパ部4の長さ(領域B)は、
FRP補強材1に作用する荷重から決められる。例え
ば、50トンの荷重が作用する場合は、テーパ部4のF
RP補強材を解撚しない場合で350mm程度、解撚し
た場合で300mm程度とするのがよい。
【0022】端末定着用金具の金具本体2の外部形状
は、取り扱いの面から円柱形状が好ましいが、これに制
限されるわけではない。また、その厚みについては、F
RP補強材1に作用する荷重から決められる。例えば、
50トンの荷重が作用する場合は、最低16mmの厚み
を確保すればよい。このことから、図1に示すように、
実用上は不用な部分の外径(主に荷重端側)を削除して
軽量化したものが好ましい。
【0023】次に、このような端末定着用金具を用いた
FRP補強材の端末定着方法について説明する。図3
は、端末定着用金具の金具本体2の内径部分にストラン
ド状FRP補強材1を挿入し、更にエラストマ−6と固
定用樹脂7とを充填して固定した状態の断面説明図であ
り、図4は、その右側面図である。
【0024】すなわち、FRP補強材1を金具本体2に
挿入し、荷重端側に緩衝層としてのエラストマ−6を充
填し、また、直線管部3の残りとテーパ部4とにそれぞ
れ固定用樹脂7が充填されている。
【0025】上記緩衝層を構成するエラストマ−6の材
質は、ネオプレンゴム、シリコンゴム等の軟らかいもの
が好ましい。この緩衝層の長さaは、直線管部の長さA
の50%以上、好ましくは60〜70%が好ましい。
【0026】また、上記直線管部3の残りとテーパ部4
とに注入される固定用樹脂7の材質は、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニ−ルエステル樹脂、ポリ
イミド樹脂等の熱硬化性樹脂、若しくは、モルタル等の
コンクリ−ト系のものも使用可能である。成形の容易
さ、成形後の特性、すなわち力学特性、接着強度等の観
点から、エポキシ樹脂が好適である。
【0027】更に、図5はFRP補強材の端末定着方法
に関する他の例をしめすもので、ストランド状FRP補
強材1を挿入し、テーパ部4のFRP補強材1を解撚
し、その解撚した単線8を、自由端側に取り付けた周方
向に複数個の孔10を有する多孔蓋体9の孔10に挿入
して固定し、解撚状態を保持した状態で固定用樹脂7を
注入し固定した状況の断面説明図で、図6はその右側面
図である。
【0028】多孔蓋体9の材質は、金属材料、樹脂系材
料のどちらでもよく、孔明け加工性を持ち、単線8を保
持できる強度を持っていれば採用できる。コスト面か
ら、鋼製のものが好ましい。
【0029】多孔蓋体9に開孔する孔径は、FRP補強
材1を解撚した単線8の外径より10〜50%大きなも
のが好ましい。多孔蓋体9の外径は、金具本体2の自由
端側内径のより大きくても、小さくても採用できるが、
金具本体2の自由端側内径の−10%程度が好ましい。
多孔蓋体9の厚みは、特に制約はないが、取扱いの面か
ら、鋼製材料の場合3〜5mm程度が好ましい。
【0030】ストランド状FRP補強材1を解撚開始す
る位置は、直線管部3とテーパ部4との境目部5の近傍
が好ましい。この位置を大きくずれ、例えば解撚開始位
置が荷重端側のエラストマ−6にかかると、FRP補強
材1に荷重が作用した際にFRP補強材1を構成する単
線8に曲げ応力が発生し、強度低下を引き起こす虞があ
り、一方、テーパ部4の自由端側に寄りすぎると、解撚
した部分が固定用樹脂7により把持される範囲が短くな
るため、FRP補強材1と固定用樹脂7との間の付着強
度が低下する。
【0031】また、端末定着用金具の金具本体2の金具
内面11(図3及び図5参照)には、固定用樹脂7を注
入する前に、グリ−ス、シリコン系離型剤等の離型剤を
塗布し、固定用樹脂7と金具本体2の金具内面11との
間を非接着状態とするのがよい。離型剤の塗布方法は、
刷毛塗り、又はスプレ−塗布で行うのが好ましい。金具
内面の全面に一様に離型剤の塗布を行い、完全に非接着
状態とするのが望ましい。
【0032】本発明の端末定着用金具は、荷重端側に直
線管部3が、また、その後方にテーパ部4が形成された
複合構造となっていることから、FRP補強材1に働く
引張力についてはテーパ部4で負荷し、FRP補強材1
に作用する振動等の曲げ応力については直線管部3で負
荷することになり、このため、従来の楔定着方式と違っ
て、引張の応力集中が発生する荷重端側端面で振動等に
よる曲げ応力が同時に作用することがなくなり、力の複
合によるFRP補強材1のダメ−ジを可及的に減少させ
ることができる。
【0033】また、引張荷重については、テーパ部4で
受けることから、金具内面11と固定用樹脂7の間で楔
効果が発揮され、かつ、FRP補強材1に引張力が働く
と、楔効果により金具内面11から固定用樹脂7へ圧縮
力が働き、FRP補強材1と固定用樹脂7との間の付着
強度が大幅に向上する。本発明者らの実験によれば、こ
の引張荷重については、、実開平3−120598号公
報のストレ−ト管方式に比較して1.5倍以上が期待で
き、結果として定着長さを楔定着方式と同等近くまで短
くすることができる。
【0034】一方、従来の楔定着方式である特開平1−
272889号公報や特開平3−125746号公報、
更には付着定着方式でテーパ方式を採用している特開昭
63−272848号公報においては、荷重端側の定着
部口元からテーパが開始されているため、応力集中が発
生する構造であったが、本発明方式はテーパ部4の先に
直線管部3を持った連続構造であり、しかも、好ましい
態様としてはこれら直線管部3とテーパ部4との間の境
目部5に半径2mm以上のR形状を形成していることか
ら、応力集中を確実に緩和でき、従来の方式に比較し応
力集中の大きさを大幅に低減(約半減)することができ
る。
【0035】また、端末定着を実施する段階で、荷重端
側の定着用金具口元の直線管部の先端から50%以上の
長さで、FRP補強材と端末定着用金具内面の間に緩衝
層となるエラストマ−を挿入することにより、FRP補
強材に振動等が発生し、大きな曲げ応力が発生した場
合、定着用金具口元で急激に屈曲しないように緩衝層で
緩和させることができる。これにより、FRP補強材の
振動等から発生する、曲げ応力によるFRP補強材への
ダメ−ジを避けることができる。
【0036】更に、端末定着方法において、テーパ部の
FRP補強材を解撚し、周方向に複数個の孔を有する多
孔蓋体でもって、解撚部分の少なくとも1個以上の単線
を、多孔蓋体の孔に挿入して固定することにより、解撚
状態を維持した状態で固定用樹脂を注入してFRP補強
材の端部を固定することができ、これによって固定用樹
脂とFRP補強材との間の接触面積が増加し、FRP補
強材と固定用樹脂との間の接着効率が著しく向上する。
これにより、端末定着に必要な定着用金具の長さを短く
することができる。
【0037】更にまた、固定用樹脂を注入する前に、端
末定着用金具の金具内面にグリ−ス、シリコン系離型剤
等の離型剤を塗布し、固定用樹脂を金具内面との間を非
接着状態にすることにより、FRP補強材に引張荷重が
作用した直後に、固定用樹脂と端末定着用金具の金具内
面との間に両者の間の接着が一気に剥離して衝撃が作用
するようなことがなく、この引張荷重作用時の衝撃によ
りFRP補強材にダメ−ジが加えられることがない。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
をより具体的に説明する。
【0039】実施例1 炭素繊維(東レ社製T700)に変性エポキシ樹脂を含
浸させた連続繊維を束ねて直径4.2mmφの単線を作
製し、その表面に合成繊維により被覆を行った後、この
単線37本を撚り合わせ、樹脂を硬化させてストランド
状のFRP補強材を作製した。
【0040】また、荷重端側には内径40mm、外径8
0mm、長さ20mmの直線管部が形成され、また、自
由端側には上記直線管部から角度5°で円錐形状に拡開
するテーパ面、外径150mmの外周面、長さ380m
mのテーパ部が形成され、かつ、これら直線管部とテー
パ部との間に半径2mmのR形状の境目部が形成された
端末定着用金具を用意した。
【0041】上で得られたFRP補強材の端部を上記端
末定着用金具の荷重端側から挿入し、直線管部にはその
荷重端側から長さ15mmに亘ってシリコンゴム製エラ
ストマ−を充填し、更に、端末定着用金具の金具内面に
はシリコン系離型剤をスプレ−して塗布し、その後、そ
の内径部分にエポキシ系樹脂を注入し、常温で硬化させ
た。なお、テーパ部に挿入したFRP補強材は解撚しな
かった。
【0042】このようにして端部に端末定着用金具が取
り付けられたFRP補強材について、ゲ−ジ間3mで引
張試験を行ったところ、約143tfでFRP補強材全
体が破断した。この際に、端末定着用金具には何らの損
傷も認められず、また、FRP補強材と固定用エポキシ
系樹脂との間や端末定着用金具と固定用エポキシ系樹脂
との間に引き抜けは発生しなかった。
【0043】実施例2 実施例1と同様にしてストランド状のFRP補強材を作
製し、また、実施例1と同じ形状で自由端側テーパ部の
内側長さが320mmと短い端末定着用金具を用意し
た。
【0044】この端末定着用金具の荷重端側からFRP
補強材の端部を挿入し、荷重端側直線管部に長さ15m
mのシリコンゴム製エラストマ−を充填し、また、端末
定着用金具の金具内面にスプレ−でシリコン系離型剤を
塗布し、その後、テーパ部内に位置するFRP補強材の
端部を解撚し、次いでこの解撚したFRP補強材単線
を、別途用意した外径90mm、厚み5mm、周方向に
37個の孔(直径4.5mm)を有する鋼製の多孔蓋体
の孔にそれぞれ挿入して固定し、この鋼製の多孔蓋体に
別途開設された樹脂注入用孔からテーパ部の内径部分に
エポキシ系樹脂を注入し、常温で硬化させた。
【0045】このようにして端部に端末定着用金具が取
り付けられたFRP補強材について、ゲ−ジ間3mで引
張試験を行ったところ、上記実施例1と同様に、約14
5tfでFRP補強材全体が破断した。この際に、端末
定着用金具には何らの損傷も認められず、また、FRP
補強材と固定用エポキシ系樹脂との間や端末定着用金具
と固定用エポキシ系樹脂との間に引き抜けは発生しなか
った。
【0046】比較例1 実施例1と同様にしてストランド状のFRP補強材を作
製し、このFRP補強材の端部に、長さ380mm、厚
み5mmの緩衝層を取り付けた。この緩衝層付きFRP
補強材の緩衝層部分を三つ割りの金属製楔で挟み、ゲ−
ジ間3mで引張試験を実施したところ、約86tfで荷
重端側の楔口元から破断した。実施例1に比較して約5
9%の強度しか認められなかった。
【0047】比較例2 実施例1と同様にしてストランド状のFRP補強材を作
製し、実施例1と同じ長さ380mm、内径53mm、
外径100mmの円筒形型で、かつ、内側にラセン状の
溝を切った鋼製定着用金具内に上記FRP補強材の端部
を挿入し、その後、FRP補強材と鋼製定着用金具の内
径部分内に、実施例1と同じエポキシ系樹脂を注入し常
温で硬化させた。このようにして端部に鋼製定着用金具
が取り付けられたFRP補強材について、ゲ−ジ間3m
で引張試験を行ったところ、約94tfでFRP補強材
と注入したエポキシ系樹脂の間で引き抜けが発生した。
実施例1に比較し、約65%の強度しか認められなかっ
た。
【0048】比較例3 実施例1と同様にしてストランド状のFRP補強材を作
製し、ニッケルクロム鋼製であって荷重端側の内径が4
0mmでその口元から自由端側にむけて、角度5°のテ
ーパを有する円錐形状の内部形状を有し、外部形状が外
径150mm、長さ380mmの円筒形状を有する端末
定着用金具(実施例1の端末定着用金具から直線管部を
除いた形状で、実施例1と同じテーパ部の長さを有する
もの)に上記FRP補強材の端部を荷重端側から挿入
し、この端部を実施例1と同様にしてエポキシ系樹脂で
定着した。このようにして端部に鋼製定着用金具が取り
付けられたFRP補強材について、ゲ−ジ間3mで引張
試験を行ったところ、約120tfでFRP補強材と注
入したエポキシ系樹脂の間で引き抜けが発生した。実施
例1に比較し、約83%の強度しか認められなかった。
【0049】実施例3 実施例1と同様にして作製したストランド状のFRP補
強材、端末定着用金具を用い、端部定着用金具の金具内
面にシリコン系離型剤をスプレ−で塗布することを省略
した他は、全く同様の作業で端部に端末定着用金具を定
着させたFRP補強材を作製した。この端末定着用金具
付きFRP補強材を、ゲ−ジ間3mで引張試験を行った
ところ、実施例1の場合とほぼ同等の引張強度を示した
が、この際に、約100tfで端末定着用金具内面と注
入したエポキシ系樹脂との間の接着が剥離し、端末定着
用金具とFRP補強材とが滑りを生じて大きな衝撃力が
発生し、その際にFRP補強材の外層の単線数本が破断
した。これにより、端末定着用金具内面と注入した固定
用樹脂との間を非接着状態にすることにより、引張荷重
作用時の衝撃により発生するFRP補強材のダメ−ジを
未然に防止できることが判明した。
【0050】実施例4 実施例1と同様にして作製したストランド状のFRP補
強材と実施例2で用いたと同じテーパ部の短い端末定着
用金具とを用い、実施例1と同様に、解撚しないでFR
P補強材の端部を端末定着用金具に定着した。この端末
定着用金具付きFRP補強材を、ゲ−ジ間3mで引張試
験を行ったところ、約122tfでFRP補強材と注入
したエポキシ系樹脂との間で引き抜けが発生した。この
実施例4と実施例2とを比較することにより、テーパ部
のFRP補強材を解撚した場合のほうが、解撚しない場
合に比べて、より短い定着用金具で定着できることが判
明した。
【0051】
【発明の効果】本発明のFRP補強材の端末定着用金具
は、簡便な構造であると共にコンパクトな定着構造を形
成することができ、また、この端末定着用金具を用いて
形成される定着構造は、強度特性の面で優れているだけ
でなく、振動等による強度低下もほとんど認められない
優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施形態に係る端末定着用
金具の断面説明図である。
【図2】 図2は、図1の右側面説明図である。
【図3】 図3は、本発明の他の実施形態に係る端末定
着用金具の断面説明図である。
【図4】 図4は、図3の右側面説明図である。
【図5】 図5は、本発明の更に他の実施形態に係る端
末定着用金具の断面説明図である。
【図6】 図6は、図5の右側面説明図である。
【符号の説明】
1…FRP補強材、2…金具本体、3…直線管部、4…
テーパ部、5…境目部、6…エラストマ−、7…固定用
樹脂、8…単線、9…多孔蓋体、10…孔、11…金具
内面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内野 洋之 千葉県木更津市新港15−1 (72)発明者 山崎 伸介 東京都千代田区大手町2−6−3、新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 阿部 吉弘 千葉県習志野市東習志野7−5−1、鈴木 金属工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等
    の連続繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた繊維強化プラス
    チック製単線を複数本撚り合わせ、次いで樹脂を硬化さ
    せて得られたストランド状FRP補強材の端部を定着す
    る端末定着用金具であり、上記FRP補強材の端部が挿
    入される金具本体の内径部分が、FRP補強材の外径よ
    り大きく、かつ、FRP補強材の外径の50%以上の長
    さを有する直線管部と、この直線管部の後方に形成され
    た角度2〜10°で拡開するテーパ部とを有することを
    特徴とするFRP補強材の端末定着用金具。
  2. 【請求項2】 ストランド状FRP補強材を請求項1記
    載の端末定着用金具を用いて定着するに際し、直線管部
    においては、この直線管部先端より少なくとも直線管部
    の50%以上の長さの範囲でFRP補強材と端末定着用
    金具内面との間に緩衝層となるエラストマ−を挿入し、
    また、この直線管部の残りのFRP補強材と端末定着用
    金具内面との間の部分及びその後方のテーパ部において
    は、固定用樹脂を充填して固定することを特徴とするF
    RP補強材の端末定着方法。
  3. 【請求項3】 テーパ部内に位置するFRP補強材を解
    撚し、この解撚部の少なくとも1本以上の単線をテーパ
    部の開放端に設けた多孔蓋体の孔内に挿入して固定し、
    解撚部の解撚状態を保持した状態で固定用樹脂を注入
    し、FRP補強材の端部をこの固定用樹脂で固定した請
    求項2に記載のFRP補強材の端末定着方法。
  4. 【請求項4】 金具本体の内径部分内に固定用樹脂を注
    入する前にこの端末定着用金具の金具内面に離型剤を塗
    布し、これら固定用樹脂と端末定着用金具の金具内面と
    の間を非接着状態にした請求項2又は3に記載のFRP
    補強材の端末定着方法。
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