JPH09208213A - シリカプロパノールゾルの製造法 - Google Patents

シリカプロパノールゾルの製造法

Info

Publication number
JPH09208213A
JPH09208213A JP1778996A JP1778996A JPH09208213A JP H09208213 A JPH09208213 A JP H09208213A JP 1778996 A JP1778996 A JP 1778996A JP 1778996 A JP1778996 A JP 1778996A JP H09208213 A JPH09208213 A JP H09208213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sol
silica
weight
propanol
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP1778996A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiko Tazaki
桂子 田崎
Yasuyoshi Hamada
恭好 濱田
Takuji Yokoyama
卓史 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP1778996A priority Critical patent/JPH09208213A/ja
Publication of JPH09208213A publication Critical patent/JPH09208213A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸性水性シリカゾルの水性媒体をプロパノー
ルで大気圧下蒸留置換する方法において、粘度の増加を
抑制して、低水分のシリカプロパノールゾルを得る方法
を提供すること。 【解決手段】 酸性水性シリカゾルの水性媒体をプロパ
ノールで大気圧下蒸留置換することによるシリカプロパ
ノールゾルの製造方法において、上記置換中のゾルの媒
体が15〜0.5重量%の水分を含有する間中ずっとゾル中5
〜50重量%のSiO2濃度とゾルの媒体中1〜85重量%のメ
タノール濃度を維持させるために、当該媒体の置換中又
は前の酸性水性シリカゾルにメタノールを添加するこ
と、そしてこの置換を10〜50重量%のSiO2濃度を含有
し、かつその残余として媒体中90重量%以上のプロパノ
ールと上記濃度SiO2分に対し 7.5重量%以下の水分とか
らなる媒体とを含有するシリカプロパノールゾルが得ら
れるまで行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性水性シリカゾ
ルの水性媒体をプロパノールで置換することによるシリ
カプロパノールゾルの製造法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第 2,375,738号明細書には、シ
リカゲルをアルカリで解膠することによりpH 0.5〜8.5
の水性シリカゾルを調製後、プロピルアルコールのよう
な水溶性有機溶媒を添加することよりなるオルガノ−水
性シリカゾルの製造法が開示されている。又この明細書
には水の沸点より低い沸点を有する水溶性有機溶剤を水
性シリカゾルに添加後、定沸点三成分混合媒体を形成さ
せるために、ベンゼンを添加し、その添加混合物より全
部もしくは部分的に水を蒸留するシリカオルガノゾルの
製造法が開示されている。
【0003】米国特許第 2,433,776号明細書には、シリ
カブチルアルコールゾル又はシリカ酢酸ブチルゾルのよ
うな安定な、ほとんど無水のオルガノゾルの製造法が開
示されている。この製造法は、最初にプロピルアルコー
ルゾルを調製し、ブチルアルコール又は酢酸ブチルを添
加し、最後に、プロピルアルコールを蒸留にて除くこと
よりなる。この原料であるプロピルアルコールゾルの調
製法は、溶解した無機塩を含有した水性ゾルを調製後、
塩を析出させるために、プロピルアルコールを添加後、
蒸留で水を除くことにより、析出した塩を除去し、最後
に蒸留により完全に水を除去することよりなる。
【0004】米国特許第 3,351,561号明細書には、20m2
/g以上の比表面積を有するシリカを20〜60重量%の濃度
に含有し塩を含まない水性シリカゾルに、ジメチルホル
ムアミド等デバイ単位が 3.0以上の双極子モーメントを
有する有機質水混和性水素結合剤を、シリカ粒子の表面
シラノール基1モルに対して1〜10モルの比率に添加し
た後、50℃以上の沸点を有する水混和性一価アルコー
ル、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等
を当該水性ゾルの水の1〜7倍容量減圧下に添加し、そ
してこの減圧下で加熱することにより水を全量除き、次
いでこの減圧を解除して常圧下還流温度で0.25時間以上
加熱することによりシリカのオルガノゾルを製造する方
法が開示されている。そして同明細書には、この水素結
合剤は、シリカ粒子を凝集から保護して、ゲル又は沈殿
の形成を防ぐとの説明が記載されている。
【0005】米国特許第 3,855,145号明細書には、20〜
60%の非晶質コロイド状シリカを含有するゾルを、水素
型陽イオン交換樹脂と水酸基型強塩基性陰イオン交換樹
脂に通した後、12〜24時間保持し、次いで陽イオン交換
樹脂と陰イオン交換樹脂に通すことにより、50〜70重量
%のSiO2分を有する二回脱イオンのシリカゾルを調製す
ること、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール等水混和性有機アルコールを内在させた反応器中
に、上記二回脱イオンのシリカゾルを添加し、100℃以
下での減圧蒸留により水アルコールの共沸混合物を除く
と共に追加の水混和性有機アルコールを添加すること、
そしてこのシリカオルガノゾルを回収することからなる
濃縮されたシリカオルガノゾルの製造方法が開示されて
いる。そして同明細書には、このオルガノゾルが5〜25
%の水分を含有するときは、100℃以下の温度で沈殿が
起こるのに、上記オルガノゾルの減圧蒸留調製中この水
分範囲で沈殿が起こらないのは、減圧蒸留が早く進行し
てゾルが5〜25%の水分を含有している時間が短いから
であるとの説明が記載されている。
【0006】特公昭43−4649号公報には、ゾル中の水の
メタノール置換において、Meで一価の陽イオンを表すと
き、300 以上のSiO2/Me2O モル比を有する水性シリカゾ
ルにメタノールを添加し、この添加したメタノールと水
とを蒸留して、ゾル中のSiO21モルに対して、0.35モル
以下の水を含有するメタノールゾルを得る方法が開示さ
れている。
【0007】特開昭59−8614号公報には、例としてイソ
プロピルアルコールのような有機溶媒と水性シリカゾル
を混合し、限外濾過法にて水を除去して、20.3重量%の
SiO2濃度と1.8 重量% (SiO2分に対して約9重量%) の
水を有するシリカイソプロピルアルコールゾルを形成さ
せる方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】限外濾過法で水性シリ
カゾルの水をイソプロピルアルコールに置換する方法で
は、20〜30重量%のSiO2濃度と約3重量%の水分を有す
るイソプロピルアルコールゾルを得るには驚くべき長時
間を要する。その原因は、ゾル中の水分が5重量%に至
ると、ゾルの粘度の上昇によって限外濾過速度が著しく
低下するためである。
【0009】上記米国特許第3,351,561号 明細書に記載
のように、水素結合剤の添加によりゾルを安定化させる
方法では、最終のプロパノールゾル中に水素結合剤が残
存しやすく、用途によってはこの残存する水素結合剤が
不都合をもたらすこともあり、更に減圧解除後にエステ
ル形成のための加熱工程を要するなど効率的ではない。
上記米国特許第3,855,145号 明細書に記載のように、使
用する当初ゾルに2回の脱イオンを施したり、そしてそ
の間に12〜24時間もの保持時間を要する方法は、オルガ
ノゾルの工業生産にとって効率的ではない。更にこれら
の方法では、減圧蒸留のための減圧装置、冷却ユニット
などの付加的設備を要する点も効率的ではない。
【0010】上記米国特許第2,375,738 号明細書に記載
のように、酸性水性シリカゾルの水を単にプロパノール
で大気圧下で蒸留置換する方法では、この置換において
ゾルの媒体中水分濃度が約15重量%以下に至ると、ゾル
中に沈殿が生じたり、ゾルの粘度が増大し、この方法
は、低粘度の安定なシリカプロパノールゾルの工業生産
に適しない。米国特許第2,433,776 号明細書に記載のゾ
ルのシリカは、可溶性珪酸塩の水溶液に酸を加えること
により得られた珪酸の低重合体であるから、通常3ミリ
ミクロン以下のシリカ粒子であり、比表面積としては約
700 m2/g以上を示し、このようなシリカのゾルは一般に
工業製品として供給できる程の安定性を有しない。
【0011】大気圧下での蒸留法にて、水性シリカゾル
中の水をイソプロピルアルコールで置換すると、ゾル中
の水分が約10重量%以下となると、粘度の増加が起こ
り、その上容器内壁の加熱面においては、しばしばシリ
カの凝集物やゲル状物ができて、ゾルの収率を低下させ
ると共に製品の性質を悪化させることが起こる。限外濾
過法や大気圧下での蒸留法で、水性シリカゾル中の水を
プロパノールで置換する方法はゾル中の水分が低下する
と、粘度が増加して、生産効率が低下し、そして品質を
悪化させるので、水分がSiO2分に対して7.5 重量%以下
のような低水分のシリカプロパノールゾルを製造するこ
とは困難であった。
【0012】シリカプロパノールゾルは、レンズ、瓶、
フィルムやプレートのような合成樹脂成形体の表面に形
成させるハードコート膜や薄膜のマイクロフィラーとし
て使用できる。しかしコート剤を調製する際、水分の高
いシリカプロパノールゾルを使用すると、調合条件が制
限されるために、コート剤は特定の用途にしか使用でき
ず、低水分のシリカプロパノールゾルが望まれている。
【0013】本発明は、シリカの凝集物やゲル状物を含
まず、10〜50重量%のSiO2濃度のシリカと、且つその残
余として媒体中90重量%以上のプロパノールと上記濃度
のSiO2分に対して7.5 重量%以下の水分とからなる媒体
とを含有するシリカの安定なプロパノールゾルを効率的
に工業生産できるような方法を提供しようとするもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のシリカプロパノ
ールゾルの製造法は、15重量%以上の水分を含有する媒
体と、当該媒体に分散された25〜550 m2/gの比表面積を
有するシリカを5〜50重量%のSiO2濃度に含有する酸性
水性シリカゾルに、プロパノールを添加し、そしてこの
プロパノールが添加された酸性水性シリカゾルを大気圧
下で蒸留することにより酸性水性シリカゾルの水性媒体
をプロパノールで置換すること、この置換によって形成
されたゾルの媒体が15〜0.5 重量%の水分を含有する間
中ずっとこの形成されたゾル中5〜50重量%のSiO2濃度
とこのゾルの媒体中1〜85重量%のメタノール濃度を維
持させるために、当該形成されたゾルに又は上記置換前
の酸性水性シリカゾルにメタノールを添加すること、そ
して上記置換を、25〜550m2/gの比表面積を有するシリ
カをSiO2として10〜50重量%含有し、且つその残余とし
て媒体中90重量%以上のプロパノールと上記濃度のSiO2
分に対し7.5 重量%以下の水分とからなる媒体とを含有
するシリカのプロパノールゾルが得られるまで行うこと
からなる。
【0015】本発明の方法では、工業生産において効率
的な大気圧下での蒸留置換法により、酸性水性シリカゾ
ル中の水がプロパノールで置換される。そして意外に
も、このゾルの媒体が1重量%以上のメタノールを含有
すると、ゾル中の水分濃度が15重量%以下に達しても、
このゾルに粘度増加も、シリカの沈殿も起こさせない
で、更に水をプロパノールで置換することを続行させる
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるプロパノール
としては、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール又はこれらの混合物でよい。酸性水性シリカゾルに
おけるシリカは、無定型シリカのコロイド状粒子の形態
を有し、その形状は当該技術分野で知られているいずれ
でもよい。本発明で使用するコロイド状シリカの粒子は
比表面積として25〜550 m2 /gを有する。
【0017】コロイド状シリカの球状粒子については、
粒径はD=2720/Sの式で計算する。ここでSは窒素ガ
ス吸着BET法で測定された比表面積(m2 /g)であ
り、Dは粒子の直径(nm)である。細長い形状を持つコ
ロイド状シリカの粒子については、参考文献として米国
特許第 5,221,497号明細書より引用すると、粒子は5〜
40nmの均一な太さと、動的光散乱法で測定される40〜50
0 nmの直径D1 と、細長さの度合として、5〜30のD1
/D2 比とを有する。ここで、D2 は、D2 =2720/S
の式で計算した直径(nm)であり、Sは粒子の比表面積
(m2 /g)である。
【0018】酸性水性シリカゾルは水性媒体の中に、5
〜50重量%のSiO2濃度に分散されたコロイド状シリカを
含む。その水性媒体は、水分を15重量%以上含み、水の
みか、又はメタノールとプロパノールの一種若しくは二
種の溶媒と水との混合物からなる。このメタノールとプ
ロパノールの一種又は二種の溶媒と水との混合物を媒体
とするゾルは、水のみを媒体とする酸性水性シリカゾル
にメタノールとプロパノールの一種又は二種からなる溶
媒を添加するか、或いは常圧下の蒸留法又は限外濾過法
により、水のみを媒体とする酸性水性シリカゾルの水を
これらアルコール類に置換することにより得られる。
【0019】酸性水性シリカゾルとしては、Al2O3 をSi
O21モルに対して、0.0004〜0.003モルを含有するコロ
イド状シリカのゾルが好ましい。好ましい酸性水性シリ
カゾルは、遊離の陽イオンを実質的に含まず、そして2
〜4のpHを有する。酸性水性シリカゾル中の塩化物イオ
ン、硝酸イオン、又はその両者の含有量は50重量ppm 以
下が好ましく、20重量ppm 以下がより好ましい。よっ
て、好ましい酸性水性シリカゾルとしてはアルカリ性又
は酸性の水性シリカゾルを水素型陽イオン交換樹脂と水
酸基型陰イオン交換樹脂とで脱イオン処理したものが挙
げられる。この脱イオン処理において、二回の脱陽イオ
ン処理を行ったゾルは更に好ましい。
【0020】酸性水性シリカゾルは当該技術分野で知ら
れているいずれの方法でも調製することができ、又市販
品を使用することも可能である。コロイド状シリカのAl
2O3 含有量は調整可能である。例えば、Al2O3 を含有し
た水ガラスを原料として、イオン交換法にてコロイド状
シリカを製造するか、あるいは特開昭63−123807号公報
の記載のように、イオン交換法によるコロイド状シリカ
の製造において、粒子成長工程中、コロイド状シリカに
アルミニウム化合物を添加する方法で製造する。又特開
平 6−199515号公報の記載のように、粒子成長が終了し
たコロイド状シリカにアルミニウム化合物を添加し、Al
2O3 を含有したコロイド状シリカを製造する。
【0021】本発明のシリカプロパノールゾルの製造方
法は、酸性水性シリカゾルの水性媒体をプロパノールで
置換することにより行われる。この置換において、酸性
水性シリカゾルにプロパノールを添加することにより、
その媒体は低下した水分と、5〜50重量%のSiO2濃度を
有するゾルを形成する。水性媒体は、形成されたゾルか
ら添加したプロパノールの一部と一緒に除去される。形
成されたゾルの媒体が15重量%以上の水分を含有する限
り、プロパノールの一部と水性媒体の除去は、大気圧下
での蒸留法又は限外濾過法によって行われる。形成され
たゾルから、水性媒体を大気圧下で留出させながらプロ
パノールを添加することができる。
【0022】プロパノールを添加して、大気圧下での蒸
留法又は限外濾過法によりプロパノールの一部と一緒に
水性媒体の除去を続けると、形成されたゾルは、5〜50
重量%のSiO2濃度のシリカと、約15重量%の水分を含有
する媒体とからなるゾルに到達する。そして形成された
ゾルの媒体中の水分が15〜0.5 重量%になった時は、形
成されたゾルの媒体中のメタノール濃度を1 〜85重量%
に維持しながら、形成されたゾルに更にプロパノールを
添加して、形成されたゾルよりプロパノールの一部とメ
タノールの一部とを水と一緒に大気圧下で留出させるこ
とを続けることにより、形成されたゾルのSiO2濃度が10
〜50重量%であり、そして媒体中水分がSiO2分に対して
7.5 重量%以下であって、媒体中のプロパノール濃度が
90重量%以上であるプロパノールゾルが得られる。
【0023】媒体のメタノール濃度の維持は、媒体中こ
のメタノール濃度を保つに必要なメタノールを新たにゾ
ルに添加することにより行う。上記メタノールの添加及
びプロパノールの添加は、それぞれを個別に添加する方
法、それらの混合アルコールとして添加する方法のいず
れでもよく、連続的、間欠的のいずれの方法で行っても
よい。そして添加するアルコールの形態としては液状で
もよいが、蒸気状が好ましい。
【0024】媒体中このメタノール濃度を保つ方法とし
ては、メタノールを新たに添加する方法の代わりに、例
えば酸性水性シリカゾルの媒体をメタノールで前もって
置換することによって、媒体中に70重量%以上の濃度で
含有される大量のメタノールを利用することによっても
行うことができる。従って、例えば下記のように(a)
工程とそれに続く(b)工程よりなる方法を行うことも
できる。すなわち(a)工程では、酸性水性シリカゾル
の水をメタノールで置換することにより、シリカをSiO2
として5〜50重量%含有し、その媒体としてメタノール
を70重量%以上と残余水分からなる媒体のゾル、すなわ
ちメタノールゾルを調製する。このメタノール置換は、
大気圧下での蒸留、限外濾過のいずれでもよいが、大気
圧下での蒸留置換では、メタノールを蒸気状でゾル中に
導入する方法が好ましい。
【0025】そして(b)工程では、(a)工程で得ら
れたメタノールゾルにプロパノールを液状又は蒸気状
で、好ましくは蒸気状で導入することにより、メタノー
ル、プロパノール及び水の三成分を媒体とする三成分ゾ
ルを形成させ、この三成分ゾルからプロパノールの一部
とメタノールの一部と一緒に水を大気圧下で留出させ、
三成分ゾルの水分が15〜0.5 重量%である間はずっと、
三成分ゾルのSiO2濃度を5〜50重量%及び三成分ゾルの
媒体中メタノール濃度を1重量%以上に維持するように
プロパノールの添加とこの大気圧下での留出を続けるこ
とにより、10〜50重量%のSiO2濃度のシリカと、その残
余として媒体中90重量%以上のプロパノールと上記SiO2
分に対し7.5 重量%以下の水分とからなる媒体とを含有
するシリカプロパノールゾルを形成させる。
【0026】この製造中、ゾルのSiO2濃度が50重量%以
下であれば、形成されたゾル又は三成分ゾルの濃縮が起
こってもよい。本発明における好適な方法として、多塩
基酸として、硫酸、リン酸、シュウ酸、酒石酸又はクエ
ン酸、好ましくは硫酸又はシュウ酸を最終の形成された
ゾルのSiO2重量基準で0.002 〜0.7 重量%となる量を最
終の形成されたゾルに添加するか、或いは形成されたゾ
ルの溶媒中水分が5重量%以下となったときにゾルに添
加して、形成されたゾル中前述のようなメタノール濃度
を保ちながら、プロパノールで水性媒体を置換する。そ
れによって、シリカの凝集物やゲル状物を含まず、25〜
550 m2 /gの比表面積を有するシリカをSiO2として10
〜50重量%含有し、且つその残余として媒体中90重量%
以上のプロパノールと上記濃度のSiO2分に対し7.5 重量
%以下の水分とからなる媒体を含有するシリカの安定な
プロパノールゾルが得られる。
【0027】
【実施例】
実施例1 市販品のアルカリ性水性シリカゾル(商品名:スノーテ
ックス30、日産化学工業(株)製)を、水素型陽イオン
交換樹脂カラムの通液にて脱陽イオン処理し、次にその
脱陽イオンゾルを水酸基型陰イオン交換樹脂カラムの通
液にて脱陰イオン処理し、そしてその脱陰イオンゾルを
限外濾過法で濃縮することにより、酸性水性シリカゾル
(pH 2.9、SiO2濃度31.2重量%、Al2O3 /SiO2モル比0.
0014、粘度(25℃) 2.9mPa・s 、粒子形状は球状、比表
面積 227m2 /gから計算した粒径12nm)を調製した。
【0028】攪拌機、コンデンサー、温度計及び注入口
2箇を備えた内容積2リットルのガラス製反応器に、上
記pH 2.9の水性シリカゾル1000gを投入した。オイルバ
スにて、このガラス製反応器内の水性シリカゾルを大気
圧下沸点まで加熱し、次にイソプロピルアルコールと水
とを大気圧下で留出させるために、反応器内ゾルの沸騰
を維持しながら、ボイラーで発生させたイソプロピルア
ルコールの蒸気を反応器内のシリカゾル中に連続的に吹
き込んだ。反応器内で蒸発した蒸気はコンデンサーへ導
入して凝縮液として回収した。
【0029】イソプロピルアルコールの蒸気の吹き込み
を開始してから 180分の時点で、反応器内液温は大気圧
下沸点の80.6℃を示し、反応器外に回収された凝縮液総
量は2.4リットルであった。この時、回収した凝縮液数
滴の液組成は、水分17重量%、イソプロピルアルコール
分83重量%であった。
【0030】この後、液状メタノールを反応器へ連続的
に投入して、反応器内シリカゾルの媒体中メタノール濃
度を2〜5重量%に維持しながら反応器内ゾル中へイソ
プロピルアルコールの蒸気を連続的に吹き込んだ。イソ
プロピルアルコールの蒸気の吹き込みは反応器の液温が
79.5℃となるまで行った。反応器内のゾルの増粘は起こ
らず、反応器壁面へのシリカゲル状物の付着も全く観察
されなかった。
【0031】最終的に、シリカイソプロピルアルコール
ゾル(SiO2濃度36.0重量%、水分 0.4重量%、メタノー
ル分 2.2重量%、粘度(20℃) 9.5mPa・s 、ゾルを同重
量の純水で希釈して測定したときのpH3.6) 865gを得
た。回収凝縮液と最終のゾルの水分はカールフィッシャ
ー法で分析した。ゾル中のメタノール濃度はガスクロマ
トグラフィーで分析した。
【0032】比較例1 この例では、反応器内液中へメタノールが添加されなか
った以外は実施例1と同様にして、シリカゾルの水をイ
ソプロピルアルコールで置換した。イソプロピルアルコ
ールの蒸気の吹き込みは反応器内の液温が80.4℃とな
り、凝縮液の総回収量が2.8 リットルとなるまで 210分
の間行った。イソプロピルアルコールの吹き込みを開始
してから、 210分の時点で、反応器内ゾルは増粘し始
め、それに続いてこのゾルと接する反応器壁面のところ
どころにシリカのゲル状物が析出した。この増粘し始め
た時の凝縮液数滴を採取した。この凝縮液は水分14重量
%、イソプロピルアルコール分86重量%であった。イソ
プロピルアルコールの蒸気の吹き込みはこの時点で停止
した。
【0033】最終的に、ゾル(SiO2濃度32重量%、水分
8.8重量%、粘度(20℃)270mPa・s、ゾルを同重量の純
水で希釈した測定したときのpH 3.6) 920gを得た。こ
のゾル中の水分は、ゾルのSiO2分に対して、27.5重量%
と算出される。 実施例2 この例では、シリカゾルの水性媒体を、下記のように最
初に(a)工程にて、メタノールで一部置換し、次に
(b)工程にて、イソプロピルアルコールで更に置換し
た。
【0034】(a)工程:攪拌機、コンデンサー、温度
計及び注入口1箇を備えた内容積2リットルのガラス製
反応器に、実施例1で使用したものと同じpH 2.9の水性
シリカゾル1000gを投入した。オイルバスにて、ガラス
製反応器内の水性シリカゾルを大気圧下沸点まで加熱
し、次にメタノールと水とを一緒に大気圧下留出させる
ために反応器内ゾルの沸騰を維持しながら、ボイラーで
発生させたメタノールの蒸気を反応器内のシリカゾル中
に大気圧下連続的に吹き込んだ。反応器内で蒸発した蒸
気は、コンデンサーへ導入して凝縮液として回収した。
【0035】メタノールの蒸気の吹き込みを開始してか
ら 330分の時点で、反応器内の液温は大気圧下沸点の6
8.5℃となり、メタノールの蒸気の吹き込みを停止し
た。反応器外に凝縮液総量3.3 リットルが回収されて、
SiO2濃度35重量%のゾルが形成され、ゾルの媒体は水分
16重量%、メタノール分84重量%であった。 (b)工程:(a)工程の反応器内で形成されたゾル
に、イソプロピルアルコールの一部と一緒にゾル中の水
とメタノールとを大気圧下留出させるために、ゾル中に
イソプロピルアルコールの蒸気を大気圧下連続的に吹き
込み、反応器内で蒸発した蒸気は、コンデンサーに導き
回収した。
【0036】イソプロピルアルコールの蒸気の吹き込み
は、反応器内の液温が大気圧下沸点の80℃となり、凝縮
液総量1.5 リットルが回収されるまで行った。この工程
の間ずっと、反応器内シリカゾルの媒体中のメタノール
濃度は新たにメタノールを添加せずとも、84〜1重量%
に維持された。そして、ゾルの増粘は起こらず、反応器
壁面へのシリカゲル状物の付着も観察されなかった。
【0037】最終的に、シリカイソプロピルアルコール
ゾル(SiO2濃度32.6重量%、メタノール分0.76重量%、
水分0.81重量%、粘度(20℃)10.6mPa・s 、ゾルを同重
量の純水で希釈して測定したときのpH 3.5)を得た。上
記(a)工程の変法として、ゾル中へのメタノールの蒸
気の大気圧下吹き込みは、ゾルのSiO2濃度34重量%、媒
体は水分 2.5重量%、メタノール分97.5重量%となるま
で行った。ついで上記(b)工程の変法として、上記形
成されたゾルの水とメタノールをイソプロピルアルコー
ルで大気圧下置換したところ、シリカイソプロピルアル
コールゾル(SiO2濃度33.0重量%、メタノール分 1.5重
量%、水分0.72重量%、粘度(20℃)9.0mPa・s、ゾルを
同重量の純水で希釈して測定したときのpH 3.4)が得ら
れた。
【0038】実施例3 表1に記載の酸の10重量%濃度の水溶液(a1),
(a2),(a3),(a4)及び(a5)を調製した。実
施例2で得たSiO2濃度32.6重量%のシリカイソプロピル
アルコールゾルにイソプロピルアルコールを添加して、
SiO2濃度30.2重量%のシリカイソプロピルアルコールゾ
ルを調製した。
【0039】シリカイソプロピルアルコールゾルに対し
て、0.05重量%の水溶液(a1)を、SiO2濃度30.2重量
%のシリカイソプロピルアルコールゾルへ添加して、酸
で変性したゾルを調製した。この酸変性ゾルの粘度(20
℃)とpHの測定値は表1に記載する。ゾルのpHはゾルを
同重量の純水で希釈した後測定した。上記と同様にし
て、水溶液(a1)の代りに、水溶液(a2),(a3),
(a4)及び(a5)を使用して、酸変性ゾルを調製した。
これら酸変性ゾルの粘度(20℃)とpHの測定値は表1に
記載する。
【0040】対照として、酸水溶液の代りに純水をゾル
に対して、0.05重量%添加したゾルを調製した。この対
照ゾルの粘度(20℃)と上記と同様にして測定したpHの
測定値も表に記載する。
【0041】
【表1】 水溶液 粘度(mPa・s) pH (a1) 塩 酸 13.7 3.12 (a2) 硝 酸 10.0 3.26 (a3) 硫 酸 5.6 3.29 (a4) シュウ酸 6.7 3.50 (a5) 酢 酸 8.8 3.50 純水 − 9.0 3.55 上記硫酸の水溶液(a3)とシュウ酸水溶液(a4)の例で
は、シリカイソプロピルアルコールゾルの粘度を低下さ
せることを示し、一方、塩酸水溶液(a1)又は硝酸水溶
液(a2)は、シリカイソプロピルアルコールゾルの粘度
を増加させ、そして酢酸水溶液(a5)では、シリカイソ
プロピルアルコールゾルの粘度を低下させるには十分で
なかった。
【0042】実施例4 この例では実施例2と同様にして、粒径20.5nmのシリカ
イソプロピルアルコールゾルを調製した。市販品のアル
カリ性水性シリカゾル(商品名:スノーテックス50、日
産化学工業(株)製)を、水素型陽イオン交換樹脂カラ
ム、水酸基型陰イオン交換樹脂カラムおよび水素型陽イ
オン交換樹脂カラムの連結したカラムに通液することに
より、脱イオン処理して、酸性水性シリカゾル(pH 2.
8、SiO2濃度33.3重量%、Al 2O3 /SiO2モル比0.0017、
比表面積 133m2 /gから計算した粒径20.5nm)を調製
した。
【0043】攪拌機、コンデンサー、温度計及び注入口
1箇を備えた内容積2リットルのガラス製反応器に、上
記pH 3.0の水性シリカゾル1000gを投入した。実施例2
の(a)工程と(b)工程と同様にして、反応器内の形
成されたゾルの媒体中の水分が16重量%となるまで、ゾ
ル中の水性媒体を最初にメタノールで置換し、次にこの
ゾルに、その中の水とメタノールを蒸留にてイソプロピ
ルアルコールと置換するために、イソプロピルアルコー
ルの蒸気を吹き込んだ。反応器内のゾルの増粘は起こら
ず、反応器壁面へのシリカゲル状物の付着も観察されな
かった。
【0044】最終的に、シリカイソプロピルアルコール
ゾル(SiO2濃度35重量%、水分 0.6重量%、メタノール
分 0.8重量%、粘度(20℃)7.7mPa・s、ゾルを同重量の
純水で希釈して測定したときのpH 3.1)を得た。 実施例5 この例では粒径84nmのシリカイソプロピルアルコールゾ
ルを調製した。
【0045】市販品のアルカリ性水性シリカゾル(商品
名:スノーテックスZL、日産化学工業(株)製)を、
水素型陽イオン交換樹脂カラムの通液にて脱陽イオン処
理し、次に密閉反応器中でこの陽イオン処理ゾルを、85
℃で3時間加熱し、この加熱処理ゾルを、水酸基型陰イ
オン交換樹脂カラムの通液にて脱陰イオン処理して、そ
して最後に、この脱陰イオン処理ゾルを、水素型陽イオ
ン交換樹脂カラムの通液にて再度脱陽イオン処理して、
酸性水性シリカゾル(pH2.68、粘度(25℃)2.5mPa・s、
SiO2濃度28.1重量%、Al2O3 /SiO2モル比0.0016、比表
面積32.4m2 /gから計算した粒径84nm)を調製した。
【0046】攪拌機、コンデンサー、温度計及び注入口
1箇を備えた内容積2リットルのガラス製反応器に、上
記pH2.68の水性シリカゾル1000gを投入した。実施例2
の(a)工程と(b)工程と同様にして、反応器内に形
成されたゾルの水性媒体の水分が22重量%となるまで、
ゾル中の水性媒体を最初にメタノールで置換した。次に
ゾル中の水とメタノールを大気圧下の蒸留にてイソプロ
ピルアルコールと置換するために、ゾル中にイソプロピ
ルアルコールの蒸気を大気圧下で吹き込んだ。反応器内
のゾルの増粘は起こらず、反応器壁面へのシリカゲル状
物の付着も観察されなかった。反応器内の液温が81℃に
なったとき、イソプロピルアルコールの蒸気の吹き込み
を停止した。
【0047】最終的に、シリカイソプロピルアルコール
ゾル(SiO2濃度40重量%、水分0.31重量%、メタノール
分 0.3重量%、粘度(20℃)4.0mPa・s、ゾルを同重量の
純水で希釈して測定したときのpH 3.4) 695gを得た。 実施例6 この例では細長い形状のシリカ粒子のイソプロピルアル
コールゾルを調製した。
【0048】市販品の酸性水性シリカゾル(商品名:ス
ノーテックスOUP、日産化学工業(株)製)を、先ず
密閉反応器内で、85℃で3時間加熱し、次にこの加熱処
理ゾルを、脱陽イオン処理し、そして最後にロータリー
エバポレーター中で濃縮することにより、酸性水性シリ
カゾル(pH 2.3、粘度(25℃)8.4mPa・s、SiO2濃度15.6
重量%、Al2O3 /SiO2モル比0.0012、シリカ粒子の太さ
10.5nm、動的光散乱法で測定された粒径D1 58nm、比表
面積259 m2 /gから計算した粒径D2 10.5nm、細長さ
の度合D1 /D2 比 5.5)を調製した。
【0049】攪拌機、コンデンサー、温度計及び注入口
1箇を備えた内容積2リットルのガラス製反応機に、上
記pH 2.3の水性シリカゾル1000gを投入した。実施例2
の(a)工程と(b)工程と同様にして、反応器内に形
成されたゾルの水性媒体の水分が 1.8重量%となるま
で、ゾル中の水性媒体を最初にメタノールで置換した。
次にゾル中の水とメタノールを大気圧下の蒸留にてイソ
プロピルアルコールと置換するために、ゾル中にイソプ
ロピルアルコールの蒸気を吹き込んだ。反応器内のゾル
は、増粘は起こらず、反応器壁面へのシリカゲル状物の
付着も観察されなかった。反応器内の液温が大気圧下沸
点の80.5℃となったとき、イソプロピルアルコールの蒸
気の吹き込みを停止した。
【0050】最終的に、シリカイソプロピルアルコール
ゾル(SiO2濃度15.5重量%、水分0.12重量%、メタノー
ル分 1.0重量%、粘度(20℃)8.5mPa・s、ゾルを同重量
の純水で希釈して測定したときのpH3.54)1000gを得
た。 比較例2 この例では、ナトリウムイオンを含有した酸性水性シリ
カゾルの水性媒体をイソプロピルアルコールで置換し
た。
【0051】実施例1で得た酸性水性シリカゾル(pH
2.9、SiO2濃度31.2重量%)1000gに5重量%水酸化ナ
トリウム水溶液 1.6gを添加して、酸性水性シリカゾル
(pH 4.2、SiO2濃度31.1重量%、Al2O3 /SiO2モル比0.
0014、粘度(25℃)3.0mPa・s、比表面積 227m2 /gか
ら計算した粒径12nm)を調製した。攪拌機、コンデンサ
ー、温度計及び注入口1箇を備えた内容積2リットルの
ガラス製反応器に、上記pH 4.2の水性シリカゾル1000g
を投入した。
【0052】実施例2の(a)工程と同様にして、反応
器内に形成されたゾルがSiO2濃度32重量%、媒体組成が
水分16重量%、メタノール分84重量%となるまで、ゾル
中の水性媒体を最初にメタノールで置換した。実施例2
の(b)工程と同様にして、形成されたゾルの媒体をイ
ソプロピルアルコールで置換したところ、この置換中、
反応器内のゾルはかなり増粘し、それに続いて反応器壁
面にシリカのゲル状物が析出した。反応器内の液温が大
気圧下沸点の79.4℃となり、凝縮液の総回収量は1.3 リ
ットルとなった時点で、反応器内ゾル中へのイソプロピ
ルアルコールの蒸気の吹き込みを停止した。
【0053】最終的に、シリカイソプロピルアルコール
ゾル(SiO2濃度32重量%、水分 6.5重量%、メタノール
分5.4 重量%、粘度(20℃)53mPa・s、ゾルを同重量の
純水で希釈して測定したときのpH 4.5) 951gを得た。
【0054】
【発明の効果】プロパノールゾルは、通常酸性水性シリ
カゾルの水をプロパノールで置換する方法で製造されて
きた。なぜならば、アルカリ性水性シリカゾルの水をプ
ロパノールで置換する方法では、置換時、ゾルの水分が
減少すると、ゾルのゲル化現象が起きるためである。
【0055】酸性水性シリカゾルにナトリウム、カリウ
ム又はアンモニウム等のような遊離の陽イオンがある程
度含まれると、水とプロパノールの置換の進行につれ
て、ゾルの水中の陽イオン濃度が増加して、ゾルの粘度
の増加が起きたり、ゾル中に凝集物が生成する。酸性水
性シリカゾルに塩化物イオンや硝酸イオンが含まれる
と、水とプロパノールの置換の進行につれて、ゾルの粘
度は増加し易い。
【0056】酸性水性シリカゾルとしては、塩化物イオ
ン、硝酸イオン又はその両者の含有量が50重量ppm 以下
であるものが好ましく、20重量ppm 以下のものがより好
ましい。更に、2〜4のpHを示すゾルが好ましい。酸性
水性シリカゾルのSiO2濃度は可能な限り高い方がよい。
なぜならば水性媒体の置換に要するプロパノールの使用
量を減らすことができるためである。しかし、SiO2濃度
が50重量%を越える程に高いと、ゾルの不安定化を引き
起こす。ゾル中のコロイド状シリカの比表面積が550 m
2 /gより大きくなると、ゾルは満足できるような安定
性を示さない傾向がある。ゾル中の、コロイド状シリカ
の比表面積が25m2 /gより小さくなると、コロイド状
シリカは沈降しやすくなって、ゾルの均一性を保つのが
困難となる。
【0057】コロイド状シリカに含まれるAl2O3 は、陽
イオンを補足するサイトとして機能するアルミノシリケ
ートの形態で存在し、シリカゾルをゲル化させないで安
定化させる。しかしながらコロイド状シリカ中、Al2O3
がSiO21モルに対して0.0004モル以下ではゾルの安定化
には不十分である。そして、コロイド状シリカ中、Al 2O
3 がSiO21モルに対して、0.003 モルを超えると水性シ
リカゾルとしては安定であっても、媒体の置換の進行に
つれて、ゾルの粘度の増加やゾルのゲル化が起こる。
【0058】本発明による改良は、メタノールを若干量
含有した酸性水性シリカゾルの水をプロパノールで大気
圧下蒸留置換したところ、意外なことにこの置換中にゾ
ルは増粘を起こさず、ゾルの容器の壁面にシリカゲル状
物の付着も起こらなかったことを先ず発見し、続いて、
ゾル中の媒体の水分を約15重量%以下まで減少させ
て、ゾル中の水をプロパノールで大気圧下蒸留置換する
際、粘度の増加とシリカゲル状物の析出が避けられるゾ
ルの媒体組成についてより詳細に研究した知見に基づい
ている。
【0059】水分の減少した酸性ゾル中では、水とプロ
パノールの大気圧下での蒸留置換が進行する際メタノー
ルは、プロパノールとは相違してコロイド状シリカの凝
集を防止する安定化剤として作用していると考えられ
る。上記の大気圧下での蒸留置換の際に、形成されたゾ
ルの媒体中のメタノール濃度が1重量%以下では、媒体
中の水分が15〜0.5 重量%の形成されたゾルの粘度の増
加を防止するには不十分である。ところが形成されたゾ
ルの媒体中のメタノール濃度が1重量%以上、好ましく
は1〜85重量%である限り、媒体中の水分が15〜0.5 重
量%である形成されたゾルの水を更にプロパノールで大
気圧下蒸留置換する際、粘度の増加は起きない。
【0060】大気圧下での蒸留置換において、ゾル中に
メタノール、プロパノールなどを蒸気状で添加すると、
この添加された蒸気はゾル中で一旦凝縮する。その際に
生ずる凝縮熱は、ゾルから水を蒸発させるのに必要な熱
として利用することができ、これによりゾルをその容器
の外部から加熱するための熱媒体の温度を低下させるこ
とができるので、熱媒体の高い温度のときにしばしば起
こるシリカのゲル状物の容器内壁への付着を避けること
ができる。
【0061】シリカプロパノールゾルに多塩基酸を添加
すると、ゾルの粘度が低下することを見いだした。多塩
基酸は、シリカのコロイド状粒子の表面に吸着し、粒子
の表面の負の電荷量を増加させて、コロイド状粒子間の
反発力を高め、それにより粒子の凝集が防止されるため
と考えられる。しかしながらゾルの媒体中の水分が5重
量%以上である段階で多塩基酸を添加すると、大気圧下
での蒸留中、ゾルの粘度が増加することがある。
【0062】ゾルのSiO2重量に対して、0.002 重量%以
下の量の多塩基酸は、低水分ゾルに対し十分な粘度低下
効果を示さない。そしてゾルのSiO2重量に対して、0.7
重量%以上の量の多塩基酸は、その効果を増大させな
い。本発明の製造法により調製されたシリカプロパノー
ルゾルは低粘度である。なぜならば、水性シリカゾルの
水をプロパノールで大気圧下蒸留置換する工程におい
て、ゾルの粘度の増加を防ぎ、そして多塩基酸の添加に
よりゾルの粘度の低下を行っているからである。シリカ
プロパノールゾルはシリカの凝集物やゲル状物を含ま
ず、SiO2濃度は50重量%まで高めることができ、50重量
%以下のSiO2濃度領域では安定である。そしてシリカプ
ロパノールゾルはかなり低水分とすることができ、より
広い分野で利用することができる。
【0063】このゾルは低水分であるため、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂等の合成高分子、又はその前駆体、
アルキルシリケート等との相溶性に優れている。そして
このゾルを含んだコート剤より造膜した膜はゾル中にゲ
ル状物を含まないため高い透明性と平滑性を示す。その
ため、このゾルはレンズ、瓶、フィルムやプレートのよ
うな合成樹脂成形体の表面にハードコート膜や薄膜を形
成するコート剤の原料として大変に有用である。この用
途ではゾル中のコロイド状シリカはハードコート膜や薄
膜において、マイクロフィラーとして機能する。又この
ゾルを含むコート剤は鉄鋼のような金属材料の表面に利
用すると、防蝕保護膜が得られ有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15重量%以上の水分を含有する媒体と、
    当該媒体に分散された25〜550 m2/gの比表面積を有する
    シリカを5〜50重量%のSiO2濃度に含有する酸性水性シ
    リカゾルに、プロパノールを添加し、そしてこのプロパ
    ノールが添加された酸性水性シリカゾルを大気圧下で蒸
    留することにより酸性水性シリカゾルの水性媒体をプロ
    パノールで置換すること、この置換によって形成された
    ゾルの媒体が15〜0.5 重量%の水分を含有する間中ずっ
    とこの形成されたゾル中5〜50重量%のSiO2濃度とこの
    ゾルの媒体中1〜85重量%のメタノール濃度を維持させ
    るために、当該形成されたゾルに又は上記置換前の酸性
    水性シリカゾルにメタノールを添加すること、そして上
    記置換を、25〜550 m2/gの比表面積を有するシリカをSi
    O2として10〜50重量%含有し、且つその残余として媒体
    中90重量%以上のプロパノールと上記濃度のSiO2分に対
    し7.5 重量%以下の水分とからなる媒体とを含有するシ
    リカのプロパノールゾルが得られるまで行うことからな
    る、当該シリカの安定なプロパノールゾルの製造法。
  2. 【請求項2】 プロパノールの添加を、遊離の陽イオン
    を実質的に含まない酸性水性シリカゾルに対して行うこ
    とにより水分濃度が低下したゾルを形成させること、蒸
    留を、10〜50重量%のSiO2濃度のシリカと、その残余と
    して媒体中90重量%以上のプロパノールと上記SiO2分に
    対して7.5 重量%以下の水分とからなる媒体とを含有す
    るプロパノールゾルが得られるまで、上記形成されたゾ
    ルからその中のプロパノールの一部と一緒に水を留出さ
    せるように行うこと、そしてメタノールの添加を、上記
    蒸留中上記形成されたゾルの媒体が15〜0.5 重量%の水
    を含有するときに、そのいずれの水濃度においてもこの
    媒体中1〜85重量%のメタノール濃度とこのゾル中 5〜
    50重量%のSiO2濃度を維持させるように行うことからな
    る請求項1に記載のシリカの安定なプロパノールゾルの
    製造法。
  3. 【請求項3】 遊離の陽イオンを実質的に含まず、25〜
    550 m2/gの比表面積を有するシリカをSiO2として5〜50
    重量%の濃度に含有し、且つ水をその残余量含有する酸
    性水性シリカゾルにメタノールを添加し、そしてこのメ
    タノールが添加された酸性水性シリカゾルからその中の
    水を大気圧下での蒸留又は限外濾過で除くことにより、
    SiO2として5〜50重量%の濃度の上記シリカと当該シリ
    カの媒体としてその中に1〜30重量%の水分とその残余
    量のメタノールを含む媒体とからなるメタノール含有酸
    性シリカゾルを形成させること、次いでこのメタノール
    含有酸性シリカゾルにプロパノールを添加し、そしてこ
    のプロパノールの添加により形成された水とメタノール
    とプロパノールの三成分を含有するゾルから、このゾル
    のSiO2濃度を5〜50重量%に維持しながら、そしてこの
    ゾルの媒体が15〜0.5 重量%の水濃度を有する間はその
    いずれの水濃度においてもこのゾルの媒体のメタノール
    濃度が1重量%以上に維持されるように、このゾルの媒
    体が90重量%以上のプロパノール含有率とこのゾル中の
    SiO2分に対して7.5 重量%以下の水分含有率を有するに
    至るまで、このゾル中のメタノールの一部とプロパノー
    ルの一部と一緒に水を留出させることを続けることから
    なるシリカの安定なプロパノールゾルの製造法。
JP1778996A 1996-02-02 1996-02-02 シリカプロパノールゾルの製造法 Withdrawn JPH09208213A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1778996A JPH09208213A (ja) 1996-02-02 1996-02-02 シリカプロパノールゾルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1778996A JPH09208213A (ja) 1996-02-02 1996-02-02 シリカプロパノールゾルの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09208213A true JPH09208213A (ja) 1997-08-12

Family

ID=11953493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1778996A Withdrawn JPH09208213A (ja) 1996-02-02 1996-02-02 シリカプロパノールゾルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09208213A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003210970A (ja) * 2002-01-17 2003-07-29 Tokuyama Corp コロイド状微粒子スラリーの製造方法
JP2006282491A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Shikibo Ltd 超微粒子シリカ分散液、超微粒子シリカ分散体及びこれらの製造方法
WO2008015943A1 (fr) * 2006-07-31 2008-02-07 Fuso Chemical Co.Ltd. Sol de silice et son procédé de production
JP2008074701A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Hc Starck Gmbh シリカゾルの濃縮方法及び前記方法により得られる混合物
JP2022154404A (ja) * 2021-03-30 2022-10-13 株式会社フジミインコーポレーテッド 炭化ケイ素粉末スラリー及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003210970A (ja) * 2002-01-17 2003-07-29 Tokuyama Corp コロイド状微粒子スラリーの製造方法
JP2006282491A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Shikibo Ltd 超微粒子シリカ分散液、超微粒子シリカ分散体及びこれらの製造方法
WO2008015943A1 (fr) * 2006-07-31 2008-02-07 Fuso Chemical Co.Ltd. Sol de silice et son procédé de production
US8053479B2 (en) 2006-07-31 2011-11-08 Fuso Chemical Co. Ltd. Silica sol and method for producing the same
JP5270344B2 (ja) * 2006-07-31 2013-08-21 扶桑化学工業株式会社 シリカゾルおよびその製造方法
JP2008074701A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Hc Starck Gmbh シリカゾルの濃縮方法及び前記方法により得られる混合物
JP2022154404A (ja) * 2021-03-30 2022-10-13 株式会社フジミインコーポレーテッド 炭化ケイ素粉末スラリー及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3753192B2 (ja) シリカプロパノールゾルの製造法
TWI520904B (zh) 由鹼金屬矽酸鹽溶液製備高純度水性膠體矽石溶膠的方法
JP4011566B2 (ja) シリカゾル及びその製造方法
JP3367132B2 (ja) 高純度の水性シリカゾルの製造法
JPH042606A (ja) 高純度の水性シリカゾルの製造方法
JP5905767B2 (ja) 中性コロイダルシリカ分散液の分散安定化方法及び分散安定性に優れた中性コロイダルシリカ分散液
JP5405024B2 (ja) エチレンジアミンが固定化されたシリカ粒子よりなるコロイダルシリカ
JP5431120B2 (ja) コロイダルシリカの製造方法
JP5318705B2 (ja) コロイダルシリカおよびその製造方法
JPH09208213A (ja) シリカプロパノールゾルの製造法
CN114644340A (zh) 一种低盐硅溶胶的制备方法
JP3758391B2 (ja) 高純度シリカ水性ゾル及びその製造方法
JP5377135B2 (ja) コロイダルシリカの製造方法
JP2022152370A (ja) コロイダルシリカの製造方法及びコロイダルシリカ
JP7810954B2 (ja) 安定化された活性珪酸水溶液、それを用いたシリカゾル及び製造方法
JPH0585718A (ja) 高純度の水性シリカゾルの製造法
JP3362793B2 (ja) シリカゾルの製造方法
JP5405025B2 (ja) アルギニンが固定化されたシリカ粒子よりなるコロイダルシリカ
JP5341613B2 (ja) コロイダルシリカおよびその製造方法
JP5405023B2 (ja) イミダゾールが固定化されたシリカ粒子よりなるコロイダルシリカ
JP4936720B2 (ja) 異方形状アルミナ水和物ゾルおよびその製造方法
JP5377134B2 (ja) コロイダルシリカの製造方法
JP2009184858A (ja) ヒドラジンが固定化されたシリカ粒子よりなるコロイダルシリカ
JP5457070B2 (ja) コロイダルシリカおよびその製造方法
JP5086828B2 (ja) ピペリジンが固定化されたシリカ粒子よりなるコロイダルシリカ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051017

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20051213

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20051226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761