JPH09208600A - 機能性蛋白質素材 - Google Patents

機能性蛋白質素材

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JPH09208600A
JPH09208600A JP8309256A JP30925696A JPH09208600A JP H09208600 A JPH09208600 A JP H09208600A JP 8309256 A JP8309256 A JP 8309256A JP 30925696 A JP30925696 A JP 30925696A JP H09208600 A JPH09208600 A JP H09208600A
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protein
functional protein
water
protein material
group
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JP8309256A
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Koso Sumitomo
公荘 住友
Kazuo Yamagoshi
和夫 山腰
Tadashi Tsukiyama
忠史 築山
Teruo Hori
照夫 堀
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、合成樹脂等の改質用添加剤として
有用な新規な機能性蛋白質素材を提供することを課題と
する。 【解決手段】 本発明の機能性蛋白質素材は、蛋白質を
水又は水と有機溶媒との混合溶媒に溶解又は分散させ、
pHを酸性域に調整した後架橋性官能基及び/又は重合
性官能基を有する化合物を混合し、蛋白質を架橋性官能
基及び/又は重合性官能基を有する化合物にて架橋して
なるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性蛋白質素材
に関する。本発明の機能性蛋白質素材は、例えば、合成
樹脂、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維、各
種皮革類等の改質剤として有用である。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル、ナイロ
ン、ポリウレタン等の合成樹脂は高い耐久性及び強度を
有し、且つ安価であることから、例えば紡糸して合成繊
維、半合成繊維等の化学繊維とし衣料用等に広く利用さ
れている。しかしながら、化学繊維は一般に疎水性が強
く、吸放湿性が著しく低いため、例えばスポーツ用衣
料、肌着、下着等の直接肌に触れる機会の多い衣料品に
使用すると、発汗によるムレ、ベタツキ等を生じ、綿、
絹、羊毛等の天然繊維に比べて快適性に劣るという欠点
を有している。加えて合成樹脂は、風合いも悪いので、
肌触りの点でも天然繊維よりも劣っている。
【0003】このような化学繊維の欠点を改良する方法
としては、例えば、ゼラチン、コラーゲン、キトサン等
の蛋白質や蛋白質誘導体等の親水性物質の微粉砕品を有
機溶媒に分散させ、これと合成樹脂と混合して紡糸する
方法が提案されている(例えば、特開昭62−2524
59号公報、特開平4−11012号公報等)。しかし
ながら、親水性物質は本来有機溶媒には分散し難いもの
であり、しかもその微粉砕品は粒子の大きさに著しいバ
ラツキがあるため、得られる化学繊維は耐久性及び強度
が低く、風合いが不十分である。
【0004】化学繊維に親水性物質を表面コーティング
する方法も知られているが、疎水性の強い化学繊維に親
水性物質を付着させるのは極めて困難である。例えば、
繭糸に含まれる蛋白質であるセリシンを表面コーティン
グするには、表面にミクロクレーターを有する特殊な化
学繊維を製造し、そのミクロクレーター中にセリシンの
水溶液を充填し、膜化させるという煩雑な工程を必要と
している。しかも、表面コーティングにより得られる繊
維は吸放湿性や風合いの点で尚不十分である。
【0005】化学繊維の構造を変える方法も試みられて
いる。例えば、特開平5−209316号公報には、吸
湿性を有するポリエーテルエステルアミドを芯材とし、
且つポリ(アルキレンオキシド)グリコールを共重合し
た繊維形成性ポリエステルを鞘材とした芯鞘型複合繊維
が開示されている。しかしながら、該複合繊維の吸放湿
性はポリエステルそのものよりは向上するが、天然繊維
の吸放湿性とは依然としてかなりの差がある。
【0006】更に、合成樹脂や化学繊維は疎水性が強い
ため、その表面に、例えば難燃性、防カビ性、殺菌性等
の機能を持つ物質(以下「機能性物質」という)を固着
又は付着させるのが困難であり、たとえ一旦固着又は付
着させたとしても、耐洗濯性が低いために水で簡単に洗
い流されるという欠点がある。
【0007】一方、特開平5−97900号公報、特開
平6−100596号公報等には、蛋白質を水又は水と
有機溶媒との混合溶媒に溶解又は分散させ、そのpHを
アルカリ域(pH12)に調整した後ジイソシアナート
化合物を添加混合し、蛋白質を架橋してなる機能性蛋白
質素材が記載され、該素材が水及びジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキド等の有
機溶媒に可溶であること、該素材を有機溶媒に溶解して
合成樹脂に混合すれば均一に分散し得ること、及び該素
材が合成樹脂に良好な吸放湿性、風合い等を付与できる
ことも記載されている。このように、上記機能性蛋白質
素材は優れた繊維改質材になり得るものであるが、特に
耐熱性の面でより一層の改良余地が残されている。即
ち、上記機能性蛋白質素材を合成樹脂や化学繊維の表面
に固着又は付着させるに当たっては、通常高温下での硬
化を必要とするが、その際該素材が変色等の変性を起こ
す場合がある。従って、上記機能性蛋白質素材よりも一
層優れた吸放湿性を付与することができ、更に合成樹脂
や化学繊維の表面に強固に固着又は付着させることがで
き、洗濯によっても容易に脱落せず、耐熱性に優れ、高
温下での加熱硬化によっても変色等の変性を起こさない
化合物の開発が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、合成樹脂、合成繊
維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維、各種皮革類等の
改質剤として有用な新規な機能性蛋白質素材を得ること
に成功し、本発明を完成した。
【0009】即ち本発明は、蛋白質を水又は水と有機溶
媒との混合溶媒に溶解又は分散させ、pHを酸性域に調
整した後架橋性官能基及び/又は重合性官能基を有する
化合物を混合し、蛋白質を架橋性官能基及び/又は重合
性官能基を有する化合物にて架橋してなる機能性蛋白質
素材に係る。
【0010】本発明の機能性蛋白質素材は、例えば、合
成樹脂エマルジョンに添加したり又は合成樹脂、合成繊
維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維、各種皮革類等に
含浸又は表面コーティングすることにより、これら樹脂
乃至繊維に顕著に優れた吸放湿性、風合い、結露防止
性、防縮性等を付与することができる。しかも、本発明
の機能性蛋白質が添加、含浸又はコーティングされた合
成樹脂、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維、
各種皮革類等は耐洗濯性にも優れ、吸放湿性その他の優
れた性質も洗濯による低下が実質的に認められない。ま
た、本発明の機能性蛋白質素材は、高温下での加熱硬化
によっても変色等の変性を起こすことはない。更に、本
発明の機能性蛋白質素材は、接着性をも備え、接着剤と
しても利用できる。
【0011】本発明の機能性蛋白質素材が上記のような
顕著な効果を示す理由は十分明らかではないが、化学繊
維に含浸、表面コーティング等を行う場合を例にとれ
ば、本発明の機能性蛋白質素材を用いると化学繊維の表
面全面に該素材を主成分とする薄膜が形成されるのに対
し、従来の親水性高分子化合物や機能性蛋白質素材では
化学繊維の表面の所々に前記化合物や素材が付着するだ
けであり、この差が顕著な特性の差になって現われるも
のと推測される。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明の機能性蛋白質素材は、蛋
白質を架橋性官能基及び/又は重合性官能基を有する化
合物にて架橋させたものである。
【0013】本発明で使用する蛋白質としては特に制限
されないが、その中でも遊離アミノ基を有する蛋白質及
び該蛋白質の分解生成物であるペプチドが好ましい。遊
離アミノ基を有する蛋白質としては、例えば卵白蛋白
質、ホエー蛋白質、血清アルブミン、カゼイン、大豆蛋
白質、セリシン、ゼラチン、ケラチン、フィブロイン等
を挙げることができる。本発明では、斯かる蛋白質は1
種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。本発明
においては、架橋反応を有利に進行させたり、得られる
機能性蛋白質素材の特性や収率等を更に向上させたりす
るために、蛋白質に前処理を施してもよい。蛋白質の前
処理方法は、例えば、特開平5−97900号公報、特
開平6−100596号公報、特開平7−76651号
公報等に記載されている。具体的には、希釈、電気透
析、加熱、遠心分離、濾過等であり、これらの中の1種
を行ってもよく又は2種以上を適宜組合せて行ってもよ
い。
【0014】蛋白質を架橋させるための、架橋性官能基
及び/又は重合性官能基を有する化合物(以下単に「架
橋剤」という)としては、例えば、イソシアナート基、
カルボニル基、エポキシ基、一般式 −C(R)=CH2 (1) [式中Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はア
リール基を示す。]で表される重合性二重結合基等から
選ばれる同種又は異種の官能基を1又は2個以上有する
化合物を用いることができ、具体的には、イソシアナー
ト基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エポキシ基
含有化合物、重合性二重結合基含有化合物等を例示でき
る。
【0015】上記一般式(1)中、Rで示されるアルキ
ル基としては特に制限はないが、通常炭素数1〜20程
度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは
炭素数1〜6程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であ
る。また、Rで示されるアリール基とは、例えば、フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチ
ル基等であり、フェニル基等が好ましい。
【0016】イソシアナート基含有化合物としては、従
来公知のものを使用でき、例えば、トリレンジイソシア
ナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等のジイソシ
アナート類等を挙げることができる。
【0017】カルボニル基含有化合物としては従来公知
のものを使用でき、例えば、グリオキサール、マロンジ
アルデヒド、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒ
ド、ジアルデヒドデンプン等のジアルデヒド類、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、2,4−ペンタンジオン等の
ジケトン類、メシチルオキシド、3−ブテン−2−オン
等の不飽和ケトン類を挙げることができる。
【0018】エポキシ基含有化合物としては従来公知の
ものを使用でき、例えば、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、クロロヒドリン等を挙げることができる。
【0019】重合性二重結合基含有化合物としては、例
えば、上記一般式(1)で表される重合性二重結合基を
有する化合物等を挙げることができる。具体的には、オ
レフィン類等を挙げることができる。オレフィン類とし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、酢酸ビニル、
ジビニルベンゼン等のビニル基含有化合物等を例示でき
る。また、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル等のアルキル部分が炭素数1〜4程度の直鎖
又は分岐鎖状のアルキル基であり且つハロゲン原子、水
酸基等の置換基を有していてもよい(メタ)アクリル酸
アルキルエステル、ベンゼン環上にハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、水酸基等の置換基を有してもよ
い(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸
エステルも使用できる。前記オレフィン類以外に、重合
性二重結合基を有する化合物としては、例えば、アクリ
ルアミド、アクリルニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、スチレン等を挙げることができる。重合性二重結
合基含有化合物は1種を単独で使用でき又は2種以上を
併用できる。
【0020】上記架橋剤の中でも、イソシアナート基含
有化合物、カルボニル基含有化合物、重合性二重結合基
含有化合物等が好ましく、ジイソシアナート類、ジアル
デヒド類、オレフィン類等が特に好ましい。
【0021】本発明においては、これら架橋剤は1種を
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の使用量は特に制限されず、得ようとする機能性
蛋白質素材の特性、用途等に応じて広い範囲から適宜選
択できるが、通常蛋白質100重量部に対して1〜10
00重量部程度、好ましくは5〜500重量部程度とす
ればよい。尚、上記重合性二重結合基含有化合物のう
ち、不飽和カルボン酸は後記するpH調整剤としての機
能をも有している。
【0022】架橋剤として重合性二重結合基含有化合物
を使用する場合には、反応を促進するために、加温下に
反応を行ったり又は重合開始剤を添加してもよい。重合
開始剤としては特に制限されないが、水又は水と有機溶
媒との混合溶媒(以下単に「水性溶媒」という)に溶解
又は分散し得るものが好ましく、例えば、クメンヒドロ
キシペルオキシド等のヒドロキシペルオキシド類、水溶
性のペルオクソ硫酸カリウム、ペルオクソ硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビスシクロヘキサンカルボニル等を挙げることができ
る。これら重合開始剤は、1種単独で又は2種以上混合
して使用される。重合開始剤の使用量は特に制限され
ず、広い範囲から適宜選択できるが、通常架橋剤に対し
て重合開始剤が0.01〜5重量%程度、好ましくは
0.05〜1重量%程度となる割合で使用するのがよ
い。
【0023】更に本発明においては、得られる機能性蛋
白質素材に移染防止性等の他の機能を付与するために、
蛋白質と共に水溶性高分子化合物を架橋させてもよい。
該水溶性高分子化合物としては特に制限されず、従来公
知の水溶性のポリマー類、糖質等をいずれも使用できる
が、例えば、水酸基、アミノ基、カルボニル基、スルホ
ン基等から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する水
溶性高分子化合物等を挙げることができる。より具体的
には、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリ
エチレングリコール、カルボキシメチルセルロース等の
セルロース系水溶性化合物、多糖類、ムコ多糖類、キト
サン、澱粉、グアガム、カラギーナン、寒天、微生物が
産生する粘性物質、アクリル系樹脂、アクリルニトリル
系樹脂、ホスファゼン系化合物等を例示できる。前記水
溶性高分子化合物の中でも、ポリエチレングリコール、
キトサン、アクリル系樹脂等が好ましい。尚、キトサン
は、通常脱アセチル化率が45〜100%程度のものを
用いるのが好ましい。上記水溶性高分子化合物は、1種
を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。
【0024】水溶性高分子化合物は、通常、粉末、溶
液、分散液等の形態で架橋反応に供される。溶液や分散
液とする際の溶媒としては、例えば、水、エタノール、
ジメチルホルムアミド等の水と相溶性のある水性溶媒又
はこれらの混合溶媒等を挙げることができ、水が特に好
ましい。また、水溶性高分子化合物の濃度は特に制限さ
れず広い範囲から適宜選択できるが、反応をより円滑に
進行させること等を考慮すれば、通常1〜30重量%程
度、好ましくは5〜20重量%程度とすればよい。水溶
性高分子化合物の使用量は特に制限されず、得ようとす
る機能性蛋白質素材の特性、用途等に応じて広い範囲か
ら適宜選択できるが、通常蛋白質100重量部に対して
0.1〜4000重量部程度、好ましくは1〜400重
量部程度とすればよい。
【0025】更に、本発明においては、本発明の機能性
蛋白質素材に、例えば、艶消し性、染色保湿性、柔軟
性、難燃性、紫外線防止性、防カビ性、抗菌性、殺菌
性、防腐性等の種々の機能を付与するために、蛋白質及
び水溶性高分子化合物と共に各種の機能性物質を架橋さ
せてもよい。このような機能性物質としては特に制限さ
れないが、例えば、雲母等の無機物質、TiO2、Zr
2等の金属酸化物、顔料、染料、色素、スクワラン、
キチン、界面活性剤(特に、カチオン系界面活性剤)、
難燃剤、強化用充填剤、紫外線吸収剤、防カビ剤、殺菌
剤、防腐剤等を挙げることができる。これらの機能性物
質は、1種を単独で使用でき又は種以上を併用できる。
【0026】機能性物質は、通常、粉末、溶液、分散液
等の形態で架橋反応に供される。溶液や分散液とする際
の溶媒としては、例えば、水、水性溶媒等を挙げること
ができ、水が好ましい。また、機能性物質の使用量は特
に制限されず、得ようとする機能性蛋白質素材の特性、
用途等に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常蛋
白質100重量部に対して1〜1000重量部程度、好
ましくは3〜200重量部程度とすればよい。
【0027】本発明の機能性蛋白質素材は、例えば、蛋
白質の溶液又は分散液に酸を加えてpHを酸性域(通常
7以下、好ましくは原料として用いられる蛋白質の等電
点〜6程度、より好ましくは原料蛋白質の等電点〜5程
度)に調整した後、架橋剤を添加混合することにより製
造できる。尚、水溶性高分子化合物又は水溶性高分子化
合物及び機能性物質を加える場合は、その添加時期はp
H調整の前後のいずれあってもよいし、蛋白質架橋時及
び蛋白質架橋の前後のいずれであってもよい。但し、水
溶性高分子化合物及び機能性物質の内、カチオン性のも
のを添加する場合は、蛋白質を架橋した後にカチオン性
の水溶性高分子化合物や機能性物質を加えて混合しても
凝集や分離が起こったり、また仮に均一に混合できたと
しても時間の経過に伴って粘度の低下が起こり、目的の
機能を安定して発揮することができないので、これらカ
チオン性の水溶性高分子化合物や機能性物質は蛋白質の
架橋時又は架橋前に添加するのがよい。
【0028】蛋白質を溶解又は分散させる溶媒として
は、例えば、水、水性溶媒等を挙げることができ、水が
好ましい。また、その際の蛋白質濃度は特に制限されず
広い範囲から適宜選択できるが、架橋反応をより円滑に
進行させること等を考慮すれば、通常0.5〜10重量
%程度、好ましくは1〜5重量%程度とすればよい。
【0029】酸としてはpH調整剤として常用される公
知の有機酸及び無機酸を使用でき、例えば、塩酸、クエ
ン酸、琥珀酸、酢酸、乳酸、レブリン酸、酒石酸、ポリ
アクリル酸等を挙げることができ、これらは1種単独で
又は2種以上混合して使用される。
【0030】蛋白質と架橋剤との反応は、必要に応じ、
原料蛋白質が変性しない程度の加温下に行ってもよい。
本反応は、通常30分〜5時間程度、好ましくは1〜2
時間程度で終了するが、更に長時間熟成を行ってもよ
い。
【0031】上記反応により、本発明の機能性蛋白質素
材を含む溶液、分散液又はゲルが得られる。本発明の機
能性蛋白質素材は、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラ
ムドライヤー式乾燥、棚段乾燥等の通常の手段により、
溶液、分散液又はゲル中から容易に単離、粉末化するこ
とができる。また、溶液、分散液又はゲルをそのまま又
は水、水性溶媒等の適当な溶媒で希釈して用いることも
できる。
【0032】このようにして得られる本発明の機能性蛋
白質素材は、各種基材の改質剤として用いることができ
る。例えば、合成樹脂分を基材として含む各種成形物に
吸放湿性、風合い、吸水性、保水性、結露防止性、透湿
性等を付与することができる。前記基材の具体例として
は、合成樹脂そのもの、合成繊維、該繊維を含む各種繊
維布、該繊維布を用いて製作された衣料品、カーペッ
ト、カーテン、かばん等の繊維製品等を例示できる。こ
こで、合成樹脂としては特に制限されないが、例えば、
ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、アクリル系樹
脂、アクリルニトリル系樹脂等を挙げることができる。
また、本発明の機能性蛋白質素材は、合成樹脂だけでな
く、例えば、アセテート、プロミックス等の半合成繊
維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、綿、絹、羊毛、
麻等の天然繊維、各種皮革類等の吸放湿性、風合いその
他の特性をより一層向上させることができる。
【0033】本発明の機能性蛋白質素材を用いて各種基
材に処理を施すに際しては、例えば、練込、表面コーテ
ィング、含浸等の公知の処理方法が採用でき、本発明の
機能性蛋白質素材は粉末、溶液、分散液等の一般的な形
態で使用される。溶液及び分散液とする場合の溶媒とし
ては特に制限されず、水、水性溶媒、有機溶媒等が使用
できるが、特に水が好ましい。また、この時の機能性蛋
白質素材の濃度は特に制限されず、例えば、処理を施そ
うとする基材の材質、種類、形態、用途、付与しようと
する特性やその度合等の種々の条件に応じて広い範囲か
ら適宜選択できるが、作業性等を考慮すれば、通常1〜
30重量%程度、好ましくは3〜10重量%程度とすれ
ばよい。
【0034】練込は公知の方法に従い、例えば、本発明
の機能性蛋白質素材の粉末(好ましくは微粉末)、溶液
又は分散液を合成樹脂エマルジョン等の合成樹脂原料と
混合することにより行われる。この方法は、ポリウレタ
ン、アクリル系樹脂等の有機溶媒及び/又は水に可溶な
合成樹脂そのものの処理に適している。得られる被処理
物は、紡糸して合成繊維とすることができ、また、射出
成形、注型成形等の通常の成形手段によって所望形状の
成形品とすることもできる。例えば、フィルムやシート
状に成形し、このフィルム又はシートを金属、木材、合
成樹脂、セラミック等の各種基材からなる各種形状の成
形品の表面に、接着、圧着又は熱融着することにより、
前記成形品の風合い(手触り)等を向上させることがで
きる。
【0035】表面コーティングは公知の方法に従い、例
えば、本発明の機能性蛋白質素材の溶液又は分散液を基
材表面に塗布し、乾燥することにより行われる。尚、加
湿下に乾燥させることにより、より一層優れた特性を基
材に付与することができる。塗布方法としては公知の方
法が採用でき、例えば、刷毛塗り、ロール塗り、ナイフ
コーティング、噴霧等の方法を挙げることができる。
【0036】含浸も一般的な繊維処理と同様に行うこと
ができる。例えば、基材を本発明の機能性蛋白質素材の
溶液もしくは分散液に浸漬するか又は基材に前記溶液も
しくは分散液を塗布してしみこませ、必要に応じて該基
材をマングル等で絞って該基材の液体分含有率を調整し
た後、乾燥すればよい。乾燥は通常の方法に従って行え
ばよいが、例えば、100℃前後の温度下に数分程度予
備乾燥し、更に130〜180℃程度で1〜10分程度
本乾燥するのが好ましい。尚、加湿下に乾燥させること
により、基材により一層優れた特性を付与することがで
きる。この方法は、例えば、ポリエステル、ナイロン等
の有機溶媒に溶解に難い合成樹脂、半合成繊維、再生繊
維、天然繊維等に特に好適である。
【0037】上記の各処理を行う際に、得られる被処理
物の風合い等をより一層向上させるために、本発明の機
能性蛋白質素材と共に界面活性剤、粉末状無機充填剤等
を用いてもよい。界面活性剤としては特に制限されない
が、例えば、非イオン界面活性剤等を好ましく使用でき
る。また粉末状無機充填剤としても特に制限はないが、
例えば、シリカゲルパウダー、酸化チタン等を挙げるこ
とができる。更に必要に応じ、本発明の機能性蛋白質素
材と共に、例えば、強化用無機充填材、顔料、難燃剤、
紫外線吸収剤、防カビ剤、殺菌剤、防腐剤等の公知の合
成樹脂用添加剤の1種又は2種以上を使用してもよい。
【0038】また、本発明の機能性蛋白質素材は、その
分子中にアミノ基、カルボキシル基、水酸基等の官能基
を有することから、例えば、界面活性剤、繊維助剤、帯
電防止剤、染料助剤、染料固定剤として使用することも
できる。
【0039】更に本発明の機能性蛋白質素材は、例え
ば、インクジェット、記録紙、人工皮膚、人工臓器、人
工皮革等の改質又は改良剤、分析検査用及び理化学検査
用固定剤、農薬・肥料等のコーティング剤、バイオセン
サー、マイクロカプセル素材、ドラッグデリバリーシス
テム、医療衛生剤等として用いることもできる。
【0040】
【実施例】以下に参考例、実施例及び試験例を挙げ、本
発明を具体的に説明する。
【0041】参考例1 冷凍卵白(キューピー(株)製)1000gを水で3倍
希釈し、クエン酸でpH6.8に調整し、12000回
転で10分間遠心分離し、不溶物を除去した。得られた
透明な上澄み液を電気透析し(電気透析機:CS−O
型、旭硝子(株)製)、電導度1mS/cmの卵白液を
得た。
【0042】参考例2 参考例1の卵白液にポリアクリル酸と酢酸とを加え、p
H3.5に調整した。
【0043】実施例1 参考例2の卵白液1000gにキトサン(商品名:SK
−200、甲陽ケミカル(株)製)4gを溶解させ、更
に25重量%グルタルアルデヒド水溶液20mlを加
え、80℃にて20時間放置し、本発明の機能性蛋白質
素材を含む水溶液を製造した。
【0044】得られた水溶液を凍結乾燥し、本発明の機
能性蛋白質素材の粉末を製造した。この粉末を40℃・
90%RH恒温恒湿機に入れ、該粉末の絶乾重量に対す
る重量増加率(%)を測定し、該粉末の吸湿性を調べ
た。比較のため、蛋白質であるコラーゲンについても同
様の試験を行った。結果を図1に示す。
【0045】図1から、本発明の機能性蛋白質素材が、
蛋白質そのものよりも著しく優れた吸湿性を有すること
が判る。
【0046】実施例2 ホエー蛋白質(商品名:ホエー蛋白質MLA、明治乳業
(株)製)30gを水970gに溶解し、得られた溶液
にアクリル酸を加えてpHを3.0に調整した。これ
に、25重量%グルタルアルデヒド水溶液20mlを加
え、80℃にて2時間放置し、本発明の機能性蛋白質素
材を含む水溶液を製造した。
【0047】実施例3 参考例2の卵白液500gと15gの水溶性ゼラチン
(商品名:水溶性ゼラチンU、新田ゼラチン(株)製)
とを水485gを溶解し(pH3.8)、これに25重
量%グルタルアルデヒド水溶液20mlを加え、20時
間室温に放置し、本発明の機能性蛋白質素材を含む水溶
液を製造した。
【0048】実施例4 参考例1の卵白液800mlにアクリル酸を加えてpH
3.0に調整し、更にキトサン(商品名:SK−10、
甲陽ケミカル(株)製)2.4gを溶解させた。これに
25重量%グルタルアルデヒド20mlを加えて室温で
24時間反応させ、本発明の機能性蛋白質素材を含むゲ
ルを製造した。
【0049】実施例5 参考例1の卵白液800mlにアクリル酸を加えてpH
3.0に調整し、アゾビス吉草酸(重合開始剤、大塚化
学(株)製)0.06gを添加し、80℃で4時間反応
させ、本発明の機能性蛋白質素材を含む水溶液を製造し
た。
【0050】試験例1(移染防止テスト) 実施例1で得られた本発明の機能性蛋白質素材を用い、
次のようにして、その移染防止効果を調べた。
【0051】1)試験布の調製(ポリエステル布の染色
及び本発明の素材による処理) ポリエステル布(JIS染色堅ろう度試験用;JIS
L 0803)を、染色浴[浴比=60:1、分散染料
(商品名:Sumikaron Red SE−RP
D、住友化学工業(株)製);5%owf]に浸漬し、
該染色浴から取り出して70℃で還元洗浄し、乾燥し、
ポリエステル染色布を得た。
【0052】このポリエステル染色布を、実施例1の機
能性蛋白質素材を含む水溶液に浸漬した後、2kg重/
cm2の荷重下にマングルで絞り、120℃で5分間乾
燥し、ポリエステル試験布を得た。
【0053】2)ウレタン布の調製 ポリウレタン(商品名: S−750、大日本インキ工
業(株)製)をジメチルホルムアミドで1.4倍に希釈
し、ガラス板上にガラス棒を用いてナイフコーティング
し、130℃で5分間乾燥させ、膜厚15μmのウレタ
ン布を調製した。
【0054】3)移染試験 ガラス板、ポリエステル布、ウレタン布、ウレタンコー
ティング白ポリエステル布及びガラス板を順に重ね、
4.5kgの荷重下に130℃で90分間放置した後、
ウレタンコーティング白ポリエステル布を取り出し、ポ
リエステル試験布からの染料の移染度合いを調べた。即
ち、色差計を用いてL値、a値及びb値を求め、5点の
ΔE(ab)値の平均を移染度合いとして示した。
【0055】比較のため、本発明の機能性蛋白質素材に
よる処理を施さないポリエステル染色布についても同様
の試験を行った。
【0056】本発明の機能性蛋白質素材による処理を施
したポリエステル試験布を用いた場合は、ウレタンコー
ティング白ポリエステル布の移染度合いは1.27であ
り、一方本発明の機能性蛋白質素材による処理を施さな
いポリエステル染色布処理を用いた場合のウレタンコー
ティング白ポリエステル布の移染度合いは10.76で
あった。この結果から、本発明の機能性蛋白質素材が優
れた移染防止効果を有することが明らかである。
【0057】試験例2 レーヨン布を、実施例4の機能性蛋白質素材を含むゲル
に浸漬した後、マングルで絞り(ピックアップ率:60
%)、100℃で2分間予備乾燥し、160℃で5分間
本乾燥した。
【0058】この処理布を、家庭用洗剤(商品名:トッ
プ、ライオン(株)製)0.5重量%を含み且つ水温5
0℃の洗剤水溶液中にて15分間洗濯し、次いで流水中
にて15分間水洗いした。この操作を5回繰り返した後
風乾し、このレーヨン布の縮みの度合いを調べたとこ
ろ、処理レーヨン布は1.0%であった。
【0059】一方、機能性蛋白質素材を含むゲルで処理
しないレーヨン布についても同様の試験を行ったとこ
ろ、縮みは4.5%であった。
【0060】以上の結果から、本発明の機能製蛋白質素
材が、繊維に対して優れた防縮性を付与し得ることが判
る。
【0061】試験例3 ポリエステルタフタ布を、実施例4の機能性蛋白質素材
をゲルに浸漬した後、マングルで絞り(ピックアップ
率:80%)、100℃で2分間予備乾燥し、160℃
で5分間本乾燥した。
【0062】この処理布を、家庭用洗剤(商品名:トッ
プ、ライオン(株)製)0.5重量%を含み且つ水温5
0℃の洗剤水溶液中にて15分間洗濯し、次いで流水中
にて15分間水洗いした。この操作を20回繰り返した
後風乾した。
【0063】このポリエステルタフタ布を、40℃・9
0%RH恒温恒湿機に15分間入れ、取り出して室内に
5分間放置し、次いで25℃・65%RH恒温恒湿機に
15分間入れ、該布の絶乾重量に対する重量増加率
(%)を測定し、該布の吸放湿性を調べた。比較のた
め、本発明の機能性蛋白質素材で処理しないポリエステ
ルタフタ布についても同様の試験を行った。結果を図2
に示す。
【0064】図2から、本発明の機能性蛋白質素材が、
合成樹脂(ポリエステル)に顕著に優れた吸放湿性を付
与し得ることが判る。
【0065】上記ポリエステルタフタ布から繊維を一本
抜き取り、3000倍で顕微鏡観察したところ、繊維表
面に均一な薄膜が形成されているのが観察された。該薄
膜は、本発明の機能性蛋白質素材を主成分とするもので
あると推測される。
【0066】試験例4 綿布(商品名:M4700白、ニクルス(株)製)を、
実施例1で得られた本発明の機能性蛋白質素材を含む水
溶液に浸漬した後、マングルで絞り(ピックアップ率:
90%)、170℃で2分間乾燥した。
【0067】この処理布を家庭用洗剤(商品名:トッ
プ、ライオン(株)製)0.5重量%を含む洗剤水溶液
中にて50℃の加温下に15分間洗濯し、次いで流水中
にて15分間水洗いした。この操作を15回繰り返した
後風乾した。
【0068】得られた処理綿布及び処理しない綿布につ
いても、試験例3と同様にして吸放湿性を調べた。結果
を図3に示す。図3から、本発明の機能性蛋白質素材
が、天然繊維(綿)の吸放湿性をより一層向上させ得る
ことが判る。
【0069】試験例5 実施例1で製造した機能性蛋白質素材を含む水溶液にポ
リオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル
(非イオン系界面活性剤)を0.5重量%添加した。こ
の本発明素材を用い、試験例3と同様に操作してポリエ
ステルタフタ布の処理布を作成した。得られた処理布に
ついて官能検査(パネル15人)を行い、その手触り感
を調べた。界面活性剤を含まないポリエステルタフタ布
についても官能検査を行った。
【0070】その結果、界面活性剤を添加したほうがよ
り好ましい手触り感を有すると判定したパネラーが10
名にのぼり、界面活性剤の添加により手触り感がより一
層向上することが判る。
【0071】試験例6 実施例5で製造した機能性蛋白質素材を含む水溶液10
gにシリカゲルパウダー(商品名:サイリシア310、
富士シリシア(株)製)を0.1重量%分散させた後、
試験例3と同様にポリエステルタフタ布に含浸させマン
グルで絞った(ピックアップ率:80%)後、100℃
で2分間予備乾燥し、160℃で5分間本乾燥した。こ
の処理布を家庭用洗剤(商品名:トップ、ライオン
(株)製)0.5重量を含み且つ水温50℃の洗剤水溶
液にて15分間洗濯した後、流水中で15分水洗いし
た。この操作を10回繰り返した後、得られた処理布の
肌触りを官能検査(パネル15人)により調べた。シリ
カゲルパウダーを添加しない以外は、上記と同様に操作
して得た処理布についても官能検査を行った。
【0072】その結果、パネラーのうち13名が、シリ
カゲルパウダーを添加したものの方が好ましいとし、シ
リカゲルパウダー等の粉末状無機物質の添加により手触
り感がより一層向上することが判る。
【0073】参考例3 冷凍卵白(キューピー(株)製)1000gを水で3倍
希釈し、クエン酸でpH6.8に調整し、12000回
転で10分遠心分離し、不溶物を除去した。得られた透
明な上澄み液を電気透析し(電気透析機:CS−0型、
旭硝子(株)製)、電導度1mS/cmの卵白液を得
た。
【0074】実施例6 参考例3の卵白水溶液100gをクエン酸でpH5に調
整後、アクリル酸を10ml添加し、重合開始剤(アゾ
ビスイソシアノ吉草酸、大塚化学(株)製)0.06g
を加えて、80℃で2時間窒素雰囲気下で反応させて、
本発明の機能性蛋白質素材を含む水溶液を製造した。
【0075】実施例7 ホエー蛋白質(商品名:ホエー蛋白質MLA、明治乳業
(株)製)3g及びデキストリン(商品名:スタコデッ
クス、松谷化学(株)製)1gをイオン水96gに溶解
させた。この混合液にアクリル酸6ml(試薬特級、和
光純薬(株)製)と50%アクリル酸ブチル(アクリル
酸ブチル:メチルエチルケトン=1:1)4mlを加え
た後、重合開始剤(アゾビスイソシアノ吉草酸、大塚化
学(株)製)0.04gを加えて、75℃で3時間窒素
雰囲気下で反応させた液に1N水酸化ナトリウム液でp
H4.5に調整し、本発明の機能性蛋白質素材を含む水
溶液を製造した。
【0076】実施例8 実施例6で得られた本発明の機能性蛋白質素材を含む水
溶液を更に水で3倍希釈した溶液100gにスクワラン
5mlを添加し、均一に分散させて、本発明の機能性蛋
白質素材含有調製溶液を得た。
【0077】実施例9 ポリリン酸・尿素縮合体(商品名:エフアールS、大塚
化学(株)製)96gに、高純度蛋白質MLA(明治乳
業(株)製)3gとデキストリン(商品名:スタコデッ
クス、松谷化学(株)製)1gを加え、溶解させた。こ
の液にアクリル酸を8ml添加し、重合開始剤(アゾビ
スイソシアノ吉草酸、大塚化学(株)製)0.05gを
加えて、75℃で2時間窒素雰囲気下で反応させ、本発
明の機能性蛋白質素材を含む水溶液を製造した。
【0078】実施例10 実施例9で得られた本発明の機能性蛋白質素材を含む水
溶液を更に水で3倍希釈した溶液100gにプロポキシ
ホスファゼンオリゴマー(難燃剤、商品名:SPR−1
00、大塚化学(株)製)10gを添加し、均一に分散
させて、本発明の機能性蛋白質素材含有調製溶液を得
た。
【0079】実施例11 実施例7で得られた本発明の機能性蛋白質素材を含む水
溶液を更に水で3倍希釈した溶液100gにチタン酸カ
リウムウィスカー(商品名:ティスモ、大塚化学(株)
製)4gを添加し、均一に分散させて、本発明の機能性
蛋白質素材含有調製溶液を得た。
【0080】実施例12 ホエー蛋白質(商品名:ホエー蛋白質MLA、明治乳業
(株)製)3gを水97gに溶解し、3%蛋白質水溶液
を調製した。この蛋白質水溶液80mlにアルキルアマ
イドアミン誘導体(商品名:PD−100、カチオン性
界面活性剤、松本油脂(株)製)0.16g及びアクリ
ル酸8mlを添加し、更に重合開始剤0.06gを加
え、75℃、窒素雰囲気下で3時間架橋反応させて、本
発明の機能性蛋白質素材を得た。
【0081】尚、上記で調製した3%蛋白質水溶液をア
クリル酸及び重合開始剤のみで架橋反応させた後、アル
キルアマイドアミン誘導体を添加した場合は凝集が起こ
った。
【0082】実施例13 アルキルアマイドアミン誘導体の代りにポリエチレング
リコール(分子量6000、和光純薬(株)製)3gを
使用する以外は、実施例12と同様に処理して、本発明
の機能性蛋白質素材を得た。
【0083】尚、3%蛋白質水溶液をアクリル酸及び重
合開始剤のみで架橋反応させた後、ポリエチレングリコ
ールを添加した場合は凝集が起こった。
【0084】実施例14 アルキルアマイドアミン誘導体の代りにカルボキシメチ
ルセルロース・Na塩1gを使用する以外は、実施例1
2と同様に処理して、本発明の機能性蛋白質素材を得
た。
【0085】尚、3%蛋白質水溶液をアクリル酸及び重
合開始剤のみで架橋反応させた後、カルボキシメチルセ
ルロース・Na塩を添加した場合は凝集が起こった。
【0086】実施例15 アルキルアマイドアミン誘導体の代りにアミドホスファ
ゼンオリゴマー(難燃剤、商品名:SA−100p、大
塚化学(株)製)18gを使用する以外は、実施例12
と同様に処理して、本発明の機能性蛋白質素材を得た。
【0087】試験例7 実施例8で得られた本発明の機能性蛋白質素材含有調製
溶液にポリエステルタフタ布を含浸後、マングルで絞り
(ピックアップ率:34%)、105℃で1分間予備乾
燥し、170℃で3分間本乾燥した。
【0088】この処理布をJISL0217の103法
に従って30回洗濯した。30回洗濯後の吸水速度をL
1096 A法に準じて調べたところ、30秒であっ
た。尚、未処理布についても上記と同様にして、吸水速
度を調べたところ180秒以上であった。このことか
ら、吸水性が付与されたことが判る。
【0089】試験例8 実施例10で得られた本発明の機能性蛋白質素材含有調
製溶液を使用し、試験例7と同様にポリエステルタフタ
布を含浸後、マングルで絞り(ピックアップ率:43
%)、105℃で1分間予備乾燥し、170℃で3分間
本乾燥した。
【0090】この処理布をJISL1089家庭用洗濯
機法に従って5回洗濯した。5回洗濯後の処理布にライ
ターで着火させることにより難燃性を調べた結果、ポリ
エステルタフタ布は溶融したが、着火しなかった。
【0091】試験例9 実施例11で得られた本発明の機能性蛋白質素材含有調
製溶液にポリエステルタフタ布を含浸後、マングルで絞
り(ピックアップ率:34%)、105℃で1分間予備
乾燥後、170℃で3分間本乾燥した。
【0092】この処理布をJIS L1096 洗浄減
量B法に従って5回洗濯後の重量変化を調べ、洗浄減量
を次式に従い求めたところ、洗浄減量は100.64%
であり、洗浄による減量は認められなかった。
【0093】洗浄減量=[5回洗浄後の絶乾重量(m
g)/洗浄前の絶乾重量(mg)]×100 試験例10 実施例12で得られた本発明の機能性蛋白質素材を水で
3倍希釈した溶液を使用した。この溶液にポリエステル
タフタ布を含浸後、マングルで絞り(ピックアップ率:
34%)、105℃で1分間予備乾燥し、170℃で3
分間本乾燥した。
【0094】この処理布をJISL0217の103法
に従って20回洗濯した。20回洗濯後の処理布につ
き、30℃,90%RHの吸湿性を調べたところ、吸湿
性は4.2%であった。
【0095】尚、アルキルアマイドアミン誘導体(商品
名:PD−100、カチオン性界面活性剤、松本油脂
(株)製)を添加しないで処理した布についても上記と
同様にして30℃,90%RHの吸湿性を調べたとこ
ろ、吸湿性は3.5%であった。
【0096】また上記で得られた処理布のタッチ感につ
き調べたところ、アルキルアマイドアミン誘導体を添加
することにより、吸湿性の向上と共に、より柔軟にな
り、風合いの改善が認められた。
【0097】試験例11 実施例13で得られた本発明の機能性蛋白質素材を使用
した。この溶液にポリアクリルタフタ布を含浸後、マン
グルで絞り(ピックアップ率:34%)、105℃で1
分間予備乾燥し、170℃で3分間本乾燥した。
【0098】この処理布をJISL0217の103法
に従って10回洗濯した。10回洗濯後の処理布につ
き、5回洗濯後の吸水速度をL1096 B法(バイレ
ックス法)に準じて調べたところ、吸水速度は20.8
0cmであった。尚、未処理布についても上記と同様に
して、吸水速度を調べたところ17.20cmであっ
た。このことから、吸水性が付与されたことが判る。
【0099】試験例12 実施例13で得られた本発明の機能性蛋白質素材に木綿
ニットを浸漬し、マングルで絞り(ピックアップ率:9
0%)、100℃で1分間の予備乾燥し、150℃で1
0分間本乾燥した。処理された木綿ニットを試験例7と
同様に家庭洗濯機法で5回洗濯した後、ライターで着火
テストを行った。その結果、残炎時間1秒、残じん時間
は2秒で、難燃性を有していた。
【0100】試験例13 実施例13で得られた本発明の機能性蛋白質素材50g
に、エポキシ架橋剤(商品名:デナコールEX−31
3、長瀬化成工業(株)製)1.6mlを加え、木綿ニ
ットを試験例12と同様に処理し、105℃で10分処
理した(本乾燥)。処理された木綿ニットは耐洗濯性も
あり、難燃性を有していた。
【0101】試験例14 実施例7で得られた本発明の機能性蛋白質素材を含む水
溶液10mlを水60mlで希釈し、酸化チタン(小品
名:TAF−100、富士チタン工業(株)製)0.2
5gを混合し、更にエポキシ架橋剤(デコナールEX−
313)を2ml添加し、スプレーガンで天然皮革の表
面に噴霧して、100℃で予備乾燥し、その後風乾し
た。この皮革をゴルフ用の手袋に縫製した。得られた手
袋は、耐久性及び耐水性を備えており、雨に濡れても滑
りが少なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造された本発明の機能性蛋白質素
材及びコラーゲンの重量増加率と時間との関係を示すグ
ラフである。
【図2】試験例3における機能性蛋白質素材処理ポリエ
ステルタフタ布及び未処理ポリエステルタフタ布の重量
増加率と時間との関係を示すグラフである。
【図3】試験例4における機能性蛋白質素材処理綿布及
び未処理綿布の重量増加率と時間との関係を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 照夫 福井県福井市板垣1丁目608

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質を水又は水と有機溶媒との混合溶
    媒に溶解又は分散させ、pHを酸性域に調整した後架橋
    性官能基及び/又は重合性官能基を有する化合物を混合
    し、蛋白質を架橋性官能基及び/又は重合性官能基を有
    する化合物にて架橋してなる機能性蛋白質素材。
  2. 【請求項2】 蛋白質が、遊離アミノ基を有する蛋白質
    及び該蛋白質の分解生成物であるペプチドから選ばれる
    少なくとも1種である請求項1に記載の機能性蛋白質素
    材。
  3. 【請求項3】 架橋性官能基及び/又は重合性官能基を
    有する化合物が、イソシアナート基含有化合物、カルボ
    ニル基含有化合物、エポキシ基含有化合物及び重合性二
    重結合基含有化合物から選ばれる少なくとも1種である
    請求項1に記載の機能性蛋白質素材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342477A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Nippon Sanmou Senshoku Kk 機能性繊維およびその製造方法
CN114716999A (zh) * 2022-04-06 2022-07-08 浙江理工大学 丝胶蛋白作为长余辉材料以及制备防伪材料的应用

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