JPH09208629A - プロピレン系共重合体及びそれからなるフィルム - Google Patents

プロピレン系共重合体及びそれからなるフィルム

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JPH09208629A
JPH09208629A JP1850296A JP1850296A JPH09208629A JP H09208629 A JPH09208629 A JP H09208629A JP 1850296 A JP1850296 A JP 1850296A JP 1850296 A JP1850296 A JP 1850296A JP H09208629 A JPH09208629 A JP H09208629A
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寧 瀬田
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良一 津乗
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聡 中塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートシール性、剛性、アンチブロッキング
性、スリップ性、透明性に優れ、かつ製膜速度を高速化
してもフィルム品質の低下が極めて小さいプロピレン系
共重合体及びそれからなるフィルムを提供することを目
的とする。 【解決手段】 (1)プロピレンとエチレンの共重合体
であって、エチレン単位の含有量(χ)が、3 〜10 w
t %、共重合体のMIが、4 〜12 g/10min、沸騰ジ
エチルエーテル抽出量とχが、特定の関係を満足、示
差走査型熱量計で測定した融点とχが特定の関係を満
足、PPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分
率が98.0 mol%以上であるプロピレン系共重合体。 (2)プロピレンとエチレンの共重合体からなるフィル
ムであって、フィルムのエチレン単位の含有量(χf
)が、3 〜10 wt %、示差走査型熱量計で測定した1
20 ℃以下の融解熱量とχf が特定の関係を満足、P
PP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率が98.0
mol%以上であるフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン系共重
合体及びそれからなるフィルムに関するものである。さ
らに詳しくは、プロピレンとエチレンの二元ランダム共
重合体及びそれを成形したフィルムに関するものであ
り、このフィルムは特にラミネートや共押出した積層フ
ィルムのシーラント層として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリプロピレンの二軸延伸フィル
ム(以下、OPPという。)は、その優れた剛性、透明
性、および防湿性等を生かして広く包装用フィルムとし
て使用されている。しかし、OPPはヒートシール性に
難点があり、従来からヒートシール性に優れた樹脂をシ
ーラント層として、その片面ないし両面にラミネートし
た積層フィルムとして広く使用されてきた。
【0003】また、Tダイキャスト成形フィルムはパン
の包装などに広く使用されているが、しばしばヒートシ
ール性に優れた樹脂をシーラント層として、その片面な
いし両面にラミネート、あるいは共押出した積層フィル
ムにして使用することが行われている。これらの積層フ
ィルムはヒートシールにより製袋され、内容物を充填し
た後に袋口をヒートシールにより閉じられて最終製品と
なる。従って、積層フィルムのシーラント層に要求され
る特性として最も重要なのは製袋及び内容物を充填した
後の袋閉じ工程の生産性に直接関係している低温ヒート
シール性である。また、充分なヒートシール強度を発現
すること、フィルムの巻き返し工程を支障なく行うため
スリップ性、及びアンチブロッキング性を発現すること
及び外観や透明性も重要である。さらに、近年フィルム
加工の生産性を上げるため大型成形機による高速製膜化
がなされているが、その場合においてもフィルム品質が
低下したりしないことが要求される。
【0004】低温ヒートシール性改良の手段としては従
来よりエチレンやα−オレフィンを共重合させることが
広く行われている。しかし充分な低温ヒートシール性改
良効果を得るためには多量のエチレンやα−オレフィン
を共重合させる必要があり、結果として従来技術におい
てはべとつき成分を多量に副成してしまい、例えば、ア
ンチブロッキング性が大きく低下するなどの欠点が生じ
て実用に耐えるものとはならなった。また、この問題の
解決方法として従来技術においてはべとつき成分を不活
性溶媒中に溶解させて除去するという方法が試みられて
いる。しかし、この際に低温ヒートシール性に寄与する
低温融解性結晶成分もまた除去されてしまうことは避け
がたく、結局、低温ヒートシール性の改良効果も不充分
なものに終わっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れたヒー
トシール性を有し、かつ、剛性、アンチブロッキング
性、スリップ性、透明性等、ポリプロピレンのフィルム
が本来有する好ましい特性も兼ね備え、さらに製膜速度
を高速化してもフィルム品質の低下が極めて小さいプロ
ピレン系共重合体及びそれからなるフィルムを提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らはこのよう
な状況を鑑み検討した結果、特定のプロピレン系共重合
体及びそれからなるフィルムが上記の目的を達成できる
ことを見出して本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、以下のプロピレン系共重合体及びそれからな
るフィルムを提供するものである。 (1)プロピレンとエチレンの共重合体であって、下記
の〜を満足するプロピレン系共重合体。 共重合体中のエチレン単位の含有量(χ(wt%))
が、3 〜10wt%である。 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))
が、4 〜12 g/10minである。 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%))とχ
が、式(I) または(II)の関係を満たす。 E≦ 0.25χ+1.1 (χ=3 〜 6 wt %)・・・(I) E≦ 2.6 (χ=6 〜10 wt %)・・・(II) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが
式(III) または(IV)の関係を満たす。 Tm ≦ 140 (χ=3 〜 5 wt %)・・・(III) Tm ≦ 165−5 χ (χ=5 〜10 wt %)・・・(IV) 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタク
チックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol%
以上である。 (2)上記(1)のプロピレン系共重合体を用いてなる
フィルム。
【0007】(3)プロピレンとエチレンの共重合体か
らなるフィルムであって、下記の〜を満足するフィ
ルム。 フィルムのエチレン単位の含有量(χf (wt %))
が、3 〜10wt%である。 示差走査型熱量計で測定した120 ℃以下の融解熱量
(ΔH120(J/g))とχf が、式(v) または(VI)の関係を
満たす。 ΔH120 ≧ 14 (χf =3 〜 5 wt %)・・・(V) ΔH120 ≧ 5χf −11 (χf =5 〜10 wt %)・・・(VI) 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタク
チックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol%
以上である。上記のPPP連鎖部のアイソタクチックト
ライアッド分率とは、プロピレン単位が3単位連続して
結合した部位中におけるプロピレン単位が、3単位連続
してアイソタクチック結合した部位の分率をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳細に説
明する。本発明のプロピレン系共重合体は、プロピレン
とエチレンを共重合したものであって、下記の〜を
満足するものである。 プロピレン系共重合体中のエチレン単位の含有量
(χ(wt %))は、3 〜10wt%、好ましくは4 〜9 wt%で
ある。χが3 wt%未満の場合はヒートシール温度を充分
に低くすることができない。χが10wt%を超える場合は
剛性が低下し、べとつき成分が多くなりアンチブロッキ
ング性が低下する。 プロピレン系共重合体のメルトインデックス(MI
(g/10min))は、4 〜12g/10min、好ましくは 5〜10 g/10
minである。MIが4 g/10min 未満の場合は透明性、フ
ィルムインパクトが低下する。MIが12 g/10minを超え
る場合は成形不良が起こりやすくなる。
【0009】 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt
%))とχが式(I) または(II) の関係を満たす。 E≦ 0.25χ+1.1 (χ=3 〜 6 wt %)・・・(I) E≦ 2.6 (χ=6 〜10 wt %)・・・(II) Eがこれらの範囲より多くなるとアンチブロッキング性
が低下する。また、ヒートシール温度を充分に低くする
ことができない。好ましくは、 E≦ 0.20χ+1.1 (χ=3 〜 6 wt %)・・・(I)' E≦ 2.3 (χ=6 〜10 wt %)・・・(II)' である。 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃) )とχ
が式(III) または(IV)の関係を満たす。 Tm ≦ 140 (χ=3 〜 5 wt %)・・・(III) Tm ≦ 165−5 χ (χ=5 〜10 wt %)・・・(IV) Tm がこれらの範囲よりも高くなるとヒートシール温度
を充分に低くすることができない。好ましくは、 Tm ≦ 140 (χ=3 〜 4 wt %)・・・(III)' Tm ≦ 160−5 χ (χ=4 〜10 wt %)・・・(IV)' である。 13C−NMRで測定したPPP部のアイソタクチッ
クトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol%以
上、好ましくは98.5 mol%以上である。mmが98.0 mol
%未満では、べとつき成分が多くなり、アンチブロッキ
ング性が低下する。また、結晶性が低下し、剛性が低く
なる。さらに共重合量に対する融点降下が小さくなり、
充分にヒートシール温度を低くすることができない。上
記に記載のプロピレン系共重合体を用いてなるフィルム
は、ヒートシール性、剛性、アンチブロッキング性、ス
リップ性、透明性に優れ、かつ製膜速度を高速化しても
フィルム品質の低下が極めて小さいフィルムとなる。
【0010】また、エチレンとプロピレンの共重合体か
らなるフィルムであって、下記の〜を満足するフィ
ルムは、ヒートシール性、剛性、アンチブロッキング
性、スリップ性、透明性に優れ、かつ製膜速度を高速化
してもフィルム品質の低下が極めて小さいフィルムであ
って、積層フィルムのシーラント層等に好適に使用でき
る。 フィルムのコモノマー単位の含有量(χf(wt%))
は、3 〜10 wt %、好ましくは4 〜9 wt%である。χf
が3 wt%未満の場合はヒートシール温度を充分に低くす
ることができない。また、χf が10 wt %を超える場合
は剛性、アンチブロッキング性が低下する。
【0011】 示差走査型熱量計で測定した120 ℃以
下の融解熱量(ΔH120(J/g)) とχf が式(V) または(V
I)の関係を満たす。 ΔH120 ≧ 14 (χf =3 〜 5 wt %)・・・(V) ΔH120 ≧ 5χf −11 (χf =5 〜10 wt %)・・・(VI) ΔH120 が、これらの範囲よりも少ないとヒートシール
温度を充分に低くすることができない。好ましくは、 ΔH120 ≧ 14 (χf =3 〜 5 wt %)・・・(V)' ΔH120 ≧ 8χf −26 (χf =5 〜10 wt %)・・・(VI)'
【0012】 13C−NMRで測定したPPP部のア
イソタクチックトライアッド分率(mmf(mol %))が、
98.0 mol%以上、好ましくは、98.5 mol%以上である。
mmf が98.0 mol%未満では、べとつき成分が多くな
り、アンチブロッキング性が低下する。また、結晶性が
低下し、剛性が低くなる。さらに、共重合量に対する融
点降下が小さくなり、充分にヒートシール温度を低くす
ることができない。
【0013】上記のプロピレン系共重合体は、以下に示
すようにして製造することができるが、これに限定され
るものではない。製造に使用する触媒としては、マグネ
シウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触
媒成分、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物触
媒成分、及び有機ケイ素化合物等の電子供与体化合物触
媒成分から形成することができるが、代表的なものとし
て、以下のような触媒成分が使用できる。固体触媒成分
の好ましい担体となるものは、金属マグネシウムとアル
コールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物から得
られる。この場合、金属マグネシウムは、顆粒状、リボ
ン状、粉末状等のマグネシウムを用いることができる。
また、この金属マグネシウムは、表面に酸化マグネシウ
ム等の被覆が生成されていないものが好ましい。
【0014】アルコールとしては、炭素数1〜6の低級
アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタノールを
用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる上記担体
が得られる。ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ
素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、
ハロゲン含有化合物としては、MgCl2 、MgI2
好適に使用できる。
【0015】アルコールの量は、金属マグネシウム1モ
ルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ましくは
5〜50モルである。ハロゲン又はハロゲン含有化合物
の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、
ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子
が、0.0001グラム原子以上、好ましくは0.00
05グラム原子以上、さらに好ましくは、0.001グ
ラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物
はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0016】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例え
ば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/ま
たはハロゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水
素ガスの発生が認められなくなるまで(通常20〜30
時間)反応させて、担体を得る方法である。これは、不
活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で
行うことが好ましい。
【0017】得られた担体を次の固体触媒成分の合成に
用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾別
後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよ
い。また、この担体は粒状に近く、しかも粒径分布がシ
ャープである。さらには、粒子一つ一つをとってみて
も、粒形度のばらつきは非常に小さい。この場合、下記
の式(VII) で表される球形度(S) が 1.60 未満、特に
1.40 未満であり、かつ下記の式(VIII) で表される粒
径分布指数(P) が 5.0 未満、特に 4.0 未満であるこ
とが好ましい。 S=(E1 /E2 )2 ・・・ (VII) (ここで、E1 は粒子の投影の輪郭長、E2 は粒子の投
影面積に等しい円の周長を示す。) P=D90 /D10 ・・・ (VIII) (ここで、D90は重量累積分率が90%に対応する粒子
径をいう。すなわち、D90で表される粒子径より小さい
粒子群の重量和が全粒子総重量和の90%であることを
示している。D10も同様である。) 固体触媒成分の製造のため、上記の担体に少なくともチ
タン化合物を接触させてる。
【0018】このチタン化合物としては、一般式(IX) TiX1 n (OR1 4-n ・・・(IX) (式中、X1 はハロゲン原子、特に塩素原子が好まし
く、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、R1 が複数存在する場合
にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜
4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いるこ
とができる。具体的には、Ti(O−i−C
3 7 4 、Ti(O−C4 9 4 、TiCl(O−
2 5 3 、TiCl(O−i−C3 7 3 、Ti
Cl(O−C4 9 3 、TiCl2 (O−C49
2 、TiCl2 (O−i−C3 7 2 、TiCl4
を挙げることができるが、特にTiCl4 が好ましい。
固体触媒成分は、上記の担体にさらに電子供与性化合物
を接触させて得られる。この電子供与性化合物として
は、芳香族ジカルボン酸ジエステルが好ましく、特にフ
タル酸ジ−n−ブチルが好ましい。また、上記の担体に
チタン化合物と電子供与性化合物を接触させる際に、四
塩化ケイ素等のハロゲン含有ケイ素化合物を接触させる
とよい。
【0019】上記の固体触媒成分は、公知の方法で調製
することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプ
タン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の
担体、電子供与性化合物及びハロゲン含有ケイ素化合物
を投入し、攪拌しながらチタン化合物を投入する方法で
ある。通常は、マグネシウム原子換算で担体1モルに対
して電子供与性化合物は、0.01〜10モル、好まし
くは0.05〜5モルを加え、また、マグネシウム原子
換算で担体1モルに対してチタン化合物は、1〜50モ
ル、好ましくは2〜20モルを加え、0〜200℃に
て、5分〜10時間の条件、好ましくは30〜150℃
にて30分〜5時間の条件で接触反応を行えばよい。な
お、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン)で、生成した固体触媒成分を洗浄す
るのが好ましい。
【0020】また、触媒成分の内、有機金属化合物触媒
成分としては、有機アルミニウム化合物を好適に用いる
ことができる。この有機アルミニウム化合物としては、
一般式(X) AlR2 n 2 3-n ・・・(X) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基であり、X2 はハロゲン原子
であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜
3の整数である。)で表される化合物が広く用いられ
る。具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアル
ミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これ
らは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。さらに、触媒成分の内、重合系に供する電子供
与性化合物成分としては、有機ケイ素化合物が好まし
く、特にジシクロペンチルジメトキシシランが好まし
い。
【0021】上記の固体触媒成分は、前処理してから、
重合に用いるとよい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペ
プタン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記
の固体触媒成分、有機金属化合物触媒成分及び電子供与
性化合物成分を投入し、攪拌しながら、プロピレンを供
給し、反応させる。また、通常、有機金属化合物触媒成
分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.
01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを加え、
電子供与性化合物成分は、固体触媒成分中のチタン原子
1モルに対して0.01〜20モル、好ましくは0.1
〜5モルを加えるとよい。プロピレンは、大気圧よりも
高いプロピレンの分圧下で供給し、0〜100℃にて、
0.1〜24時間前処理するとよい。なお、反応終了後
は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン)で、前処理したものを洗浄するのが好ましい。重合
条件は、特に制限されず、公知の方法と同様の条件を用
いることができる。例えば、大気圧よりも高いプロピレ
ンの分圧下で、−80〜150℃の温度下で、製造する
ことができる。好ましくは、20〜150℃の温度下
で、プロピレンの分圧は大気圧〜40kg/cm2G の範囲で
ある。また、通常、有機金属化合物触媒成分は、固体触
媒成分中のチタン原子1モルに対して0.1〜400モ
ル、好ましくは1〜200モルを加え、電子供与性化合
物成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して
0.1〜100モル、好ましくは1〜50モルを加える
とよい。
【0022】また、エチレン分圧は、所望のエチレン含
量になるようにエチレン供給量で調節し、共重合体の分
子量は、所望の分子量になるように水素供給量で調節す
る。本発明のプロピレン系共重合体には、常用される酸
化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤
または耐電防止剤などを必要に応じて配合することがで
きる。
【0023】また、本発明のプロピレン系共重合体は、
溶融押出成形法によりフィルムに製膜できる。例えば、
Tダイキャスト製膜法において、引取速度が50 m/minま
たはこれ以上の高速製膜条件においても、厚みが 10 〜
500 μm のフィルムの製膜に好適に使用できる。また、
前述した好ましい特性を有することから、共押出製膜法
による積層フィルムの製造に際して、その少なくとも一
層成分としても好適に使用できる。
【0024】製膜法は大型製膜機により高速製膜が実施
されるTダイキャスト製膜法が好ましいが、特にこれに
限らず、溶融押出成形法によりフィルムを製造する方法
であれば、どのような製膜法においても本発明のプロピ
レン系共重合体は好適に使用できる。
【0025】
〔実施例1〕
(1) マグネシウム化合物の調整 攪拌機付き反応槽(内容積500 リットル) 窒素ガスで充分に
置換し、エタノール 97.2 kg、ヨウ素640 g 、及び金属
マグネシウム6.4 kgを投入し、攪拌しながら還流条件下
で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固
体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反
応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化
合物(固体触媒の担体)を得た。 (2) 固体触媒成分の調整 窒素ガスで充分に置換した攪拌機付き反応槽(内容積50
0 リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していない
もの) 30 kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150 リット
ル、四塩化ケイ素 4.5 リットル 、及びフタル酸ジ−n−ブ
チル 5.4 リットル を加えた。系内を 90 ℃に保ち、攪拌し
ながら四塩化チタン144 リットルを投入して110 ℃で2 時間
反応させた後、固体成分を分離して 80 ℃の精製ヘプタ
ンで洗浄した。さらに、四塩化チタン228 リットルを加え、
110 ℃で2 時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗
浄し、固体触媒成分を得た。 (3) 前処理 内容積500 リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタン230
リットルを投入し、前記の固体触媒成分を 25 kg、トリエチ
ルアルミニウムを固体触媒成分中のチタン原子に対して
1.0 mol/mol 、ジシクロペンチルジメトキシシランを1.
8 mol/mol の割合で供給した。その後、プロピレンをプ
ロピレン分圧で0.3 kg/cm2G になるまで導入し、 25 ℃
で4 時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を精製
ヘプタンで数回洗浄し、更に二酸化炭素を供給し 24 時
間攪拌した。 (4) 重合 内容積200 リットルの攪拌機付き重合装置に前記処理済の固
体触媒成分を成分中のチタン原子換算で3 m mol/hrで、
トリエチルアルミニウムを4 m mol/ kg-PPで、ジシクロ
ペンチルジメトキシシランを1 m mol/ kg-PPでそれぞれ
供給し、重合温度 80 ℃、重合圧力(全圧)28kg/cm2G
でプロピレンとエチレンを反応させた。この時、重合装
置内のエチレン濃度を、2.9 mol %、水素濃度を、5.6
mol %とし、所望のエチレン含有量及び分子量となるよ
うにした。
【0026】(5) 添加剤処方 こうして得たプロピレン系共重合体パウダーに以下の添
加剤を処方し、混練機にて押出造粒した。 1) 酸化防止剤 チバガイギー社製のイルガノックス1010:1000 ppm 及びチバガイギー社製のイルガノックス 168:1000 ppm 2) 中和剤 ステアリン酸カルシウム:1000 ppm 3) アンチブロッキング剤 :2000 ppm 4) スッリプ剤 エルカ酸アミド:1000 ppm
【0027】(6) 製膜方法 前記の(5)で得たプロピレン系共重合体ペレットにつ
いて、三菱重工製 75mmφ成形機を用い、膜厚 30 μm
のフィルムを以下の成形条件で製膜した。 フィルム成形(Tダイキャスト成形)条件 加工温度:250 ℃、 チルロール温度: 40 ℃、 引取速度:125 m/min 。 (7) 評価 こうして得たプロピレン系共重合体ペレットについて
は、そのポリマー特性を、フィルムについては、そのポ
リマー特性、及び品質を(8) 1) 〜2)の方法に従って
評価した。結果を表2またはに示す。 (8) ポリマー特性、及びフィルム品質の測定方法 なおフィルムの品質(項目 7) 〜12) )は全て試料を温
度23±2 ℃、湿度50±10 %で、 16 時間以上状態調節し
た後、同じ温度、湿度条件下にて、測定を行った。
【0028】1) 共重合体中、及びフィルム中のエチレ
ン単位の含有量(χ、χf wt%) エチレン含有量は以下の条件にて300 μm 厚のシートを
作成し、日本分光製FT/IR5300を用い718 、73
3 cm-1の吸光度から次式により計算した。 ・シート成形条件 プレス温度:220 ℃、 加、冷圧時の圧締圧: 50 kg/cm2G 、 余熱:5 min 、 加圧:5 min 、 冷圧:3 min 。 ・IR測定条件 積算回数: 20 回、 分解能:4 cm-1、 エチレン含量(χ(wt%)) χ1 =0.599 ×(A733 /d・l)−0.161 ×( A718 /d・l) χ2 =0.599 ×(A718 /d・l)−0.161 ×(A733 /d・l) χ=0.809 ×(χ1 +χ2 ) 但し、A718 :718 cm-1の吸光度、A733 :733 cm-1の吸光度、 d:0.9 、l:試料の厚さ。 2) メルトインデックス(MI(g/10min) ) JIS K7210に従い、温度230 ℃、荷重2160gで
測定した。 3) ジエジエチルエーテル抽出量(E(wt%)) 1 mmφメッシュパスの大きさに粉砕したペレットを円筒
濾紙に3 g 、抽出溶剤のジエチルエーテルを平底フラス
コに160 ml入れ、リフラックス頻度を1 回/5min 程度
にしてソックスレー抽出器で 10 時間抽出する。抽出
後、ジエチルエーテルをエバポレーターで回収し、さら
に真空乾燥器で、恒量になるまで乾燥し沸騰ジエチルエ
ーテル抽出量(E)とした。 4) 示差走査型熱量計で測定した共重合体の融点(Tm
( ℃)) 示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7)
を用いて、あらかじめ試料 10 mgを窒素雰囲気下230 ℃
で3 min 溶融した後、 10 ℃/minで 40 ℃まで降温す
る。この温度で3 min 保持した後、 10 ℃/minで昇温さ
せて得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピークトッ
プを融点とした。
【0029】5) 13C−NMRで測定した共重合体、及
びフィルムのPPP連鎖部のアイソタクチックトライア
ッド分率(mm、mmf ) ポリプロピレン系共重合体のPPP連鎖部のアイソタク
チックトライアッド分率は、共重合体分子鎖のPPP連
鎖におけるトライアッド単位のアイソタクチック分率
であり、13C−NMRスペクトルから求めることができ
る。ホモプロピレンの場合は、次の式(1)でそれを計
算できる。
【0030】
【数1】
【0031】mmf (mol %)も同じ。但し、Imm、
Imr及びIrrは、13C−NMRスペクトルでメチル
炭素領域をmm、mr及びrrの3領域に区分けしたと
きの、それぞれの領域のピーク強度を示す。mm領域は
化学シフトで21.4〜22.2ppm、mr領域は化
学シフトで20.6〜21.4ppm、rr領域は化学
シフトで19.8〜20.6ppmである。
【0032】ポリプロピレン系共重合体の場合は、エチ
レンに隣接するプロピレンのメチル炭素の吸収位置がエ
チレンにより影響を受ける。具体的には、EPE連鎖中
のプロピレンのメチル炭素の吸収ピークは、rr領域に
現れ、PPE連鎖の中央のプロピレンのメチル炭素の吸
収ピークはmr領域に現れる。このEPE連鎖中のプロ
ピレンのメチル炭素の吸収ピーク強度は、Tδδ(3
3.3ppm)のピーク強度で代用ができる。また、こ
のPPE連鎖中のプロピレンのメチル炭素の吸収ピーク
強度は、Sαγ(38.0ppm)のピーク強度で代用
ができる。
【0033】そこで、ポリプロピレン系共重合体のPP
P連鎖のトリアッド単位のアイソタクチック分率を求め
るには、次の式(2)を用いる。
【0034】
【数2】
【0035】mmf (mol %)も同じ。13C−NMRス
ペクトルは、日本電子社製のJNM−EX400型NM
R装置を用いて測定した。測定条件は、以下のとおりで
ある。 試料濃度 : 220mg/NMR溶媒 3 ml NMR溶媒 : 1,2,4- トリクロロベンゼン/重ベンゼン(90/10vol%) 測定温度 : 130℃ パルス幅 : 45° パルス繰返し時間 : 4 秒 積算回数 : 4000 回 6) 示差走査型熱量計で測定したフィルムの120 ℃以下
の融解熱量(ΔH120 (J/g) ) 示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7)
を用いて、あらかじめ試料 10 mgを窒素雰囲気下 25 ℃
で3 min 保持した後、 10 ℃/minで昇温させて得られた
融解吸熱カーブの最大ピークにおける120 ℃以下部分の
融解熱量を計算した。 7) ヒートシール特性 JIS K−1707に準拠して測定した。融着条件を
以下に記す。なおヒートシールバーの温度は表面温度計
により較正されている。シール後、室温で一昼夜放置
し、その後室温で剥離速度を 200 mm/min にしてT型剥
離法で剥離強度を測定した。ヒートシール温度は剥離強
度が300 g/15mmになる温度をシール強度−剥離強度曲線
から計算して求めた。 シール時間:2 sec 、 シール面積:15×10 mm 、 シール圧力:5.3 kg/cm2 シール温度:ヒートシール温度を内挿できる ように数点。
【0036】8) 引張弾性率 JIS K7127に準拠した引張試験により測定し
た。測定条件は以下のとおりとした。 クロスヘッド速度 : 500 mm/min、測定方向:マシン方向(MD方向) ロードセル : 10 kg 9) アンチブロッキング性 重ね合わせた二枚のフィルムについて以下の2 つの条件
で密着させた後の引剥強度により評価した。 条件−1 温度: 60 ℃、時間:3 hrs 、荷重: 36 g/cm2 条件−2 温度: 50 ℃、時間:7 Days、荷重: 15 g/cm2 引剥試験の条件は次のとおりである。 テストスピード : 20 mm/min、 ロードセル: 2 kg
【0037】10) スリップ性 フィルムを張ったスレットを、フィルムを張ったガラス
板の上に静置した後、ガラス板を傾けていきスレットが
滑り出したときの傾き角θのtanで評価する。東洋精
機製作所製の摩擦角測定機を用い、以下の条件にて測定
した。 測定面:金属ロール面/金属ロール面、 傾斜速度:2.7 °/sec、 スレッド重量:1 kg、 スレッド断面積:65 cm2、面間圧力:15 g/cm2。 11) 透明性(ヘイズ) JIS K7105に従い測定した。 12) 耐衝撃性(フィルムインパクト) 東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターにおいて
1/2 インチ衝撃ヘッドを用いた衝撃破壊強度により評価
した。
【0038】〔実施例2〜4〕重合時のエチレン濃度及
び水素濃度を表1のように設定して、エチレン含量及び
分子量を調節した以外は全て実施例1と同様にして行な
った。結果を表2に示す。 〔比較例1〕重合時にジシクロペンチルジメトキシシラ
ンを供給せず、また、重合装置内のエチレン濃度を 3.4
mol%、水素濃度を 2.4 mol%として行った以外は実施
例1と同様にして行なった。結果を表3に示す。 〔比較例2〕フタル酸ジ−n−ブチルの代わりにフタル
酸ジエチルを、ジシクロペンチルジメトキシシランの代
わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを使用
し、重合装置内のエチレン濃度を 2.6 mol%、水素濃度
を 3.3 mol%として行った以外は実施例1と同様にして
行なった。結果を表3に示す。 〔比較例3〕フタル酸ジ−n−ブチルの代わりにフタル
酸ジエチルを、ジシクロペンチルジメトキシシランの代
わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを使用
し、重合装置内のエチレン濃度を 2.2 mol%、水素濃度
を 3.0 mol%として行った以外は実施例1と同様にして
行なった。結果を表3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】ポリプロピレンのフィルムが本来有する
好ましい特性を損なうことなく、ヒートシール性、剛
性、アンチブロッキング性、スリップ性、透明性に優
れ、かつ製膜速度を高速化してもフィルム品質の低下が
極めて小さい。そのため特にラミネートや共押出した積
層フィルムのシーラント層として好適に使用できる。上
記のような好ましい特性を有することから積層フィルム
の基材層や単層フィルムとしても使用できる。
【0043】また、本発明によれば、1-ブテンその他の
炭素数4 以上のα−オレフィンを用いる必要はなく、エ
チレンとプロピレンの二元ランダム共重合体にて上記の
品質のフィルムを得ることができるため、モノマーコス
トを低減することができる。さらに共重合量が少なく、
容易に製造ができる範囲においてフィルム品質に望まし
い効果を加えることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンとエチレンの共重合体であっ
    て、下記の〜を満足するプロピレン系共重合体。 共重合体中のエチレン単位の含有量(χ(wt%))
    が、3 〜10wt%である。 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))
    が、4 〜12 g/10minである。 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%))とχ
    が、式(I) または(II)の関係を満たす。 E≦ 0.25χ+1.1 (χ=3 〜 6 wt %)・・・(I) E≦ 2.6 (χ=6 〜10 wt %)・・・(II) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とχが
    式(III) または(IV)の関係を満たす。 Tm ≦ 140 (χ=3 〜 5 wt %)・・・(III) Tm ≦ 165− 5χ (χ=5 〜10 wt %)・・・(IV) 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタク
    チックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol%
    以上である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプロピレン系共重合体
    を用いてなるフィルム。
  3. 【請求項3】 プロピレンとエチレンの共重合体からな
    るフィルムであって、下記の〜を満足するフィル
    ム。 フィルムのエチレン単位の含有量(χf (wt %))
    が、3 〜10wt%である。 示差走査型熱量計で測定した120 ℃以下の融解熱量
    (ΔH120(J/g))とχf が、式(v) または(VI)の関係を
    満たす。 ΔH120 ≧ 14 (χf =3 〜 5 wt %)・・・(V) ΔH120 ≧ 5χf −11 (χf =5 〜10 wt %)・・・(VI) 13C−NMRで測定したPPP連鎖部のアイソタク
    チックトライアッド分率(mm(mol%))が、98.0 mol%
    以上である。
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