JPH09208775A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH09208775A
JPH09208775A JP8013894A JP1389496A JPH09208775A JP H09208775 A JPH09208775 A JP H09208775A JP 8013894 A JP8013894 A JP 8013894A JP 1389496 A JP1389496 A JP 1389496A JP H09208775 A JPH09208775 A JP H09208775A
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Japan
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vinyl chloride
chloride resin
resin composition
parts
mass
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JP8013894A
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English (en)
Inventor
Masuhiro Shoji
益宏 庄司
Hiroki Katono
浩樹 上遠野
Takeo Ogiwara
武男 荻原
Teruo Sakagami
輝夫 阪上
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近赤外線を高い効率で遮断若しくは減衰させ
る性能を有する塩化ビニル系樹脂組成物の提供、近赤外
線を高い効率で遮断若しくは減衰させる性能と、特定可
視光線吸収性能とを有する塩化ビニル系樹脂組成物の提
供。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100質量部に対し
て、下記の(a)および(b)から選ばれる少なくとも
1種の赤外線吸収剤0.01〜10質量部と、可塑剤1
0〜200質量部とが含有されている。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズからなる
粒子状金属酸化物 また、赤外線吸収剤として(a)が含有されるときに
は、リン酸エステル若しくはホスホン酸エステルよりな
るリン酸基含有化合物が含有されていることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物に関し、さらに詳しくは、近赤外線吸収性に優
れ、特に農業用の被覆材として好適な性能を有する塩化
ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、植物栽培雰囲気を覆って温室施設
を構築するための農業用被覆材としては、軟質塩化ビニ
ル、フッ素系樹脂を主体とした軟質系被覆材、またはガ
ラス、硬質塩化ビニル板等の硬質系被覆材が用いられて
いる。しかしながら、これらの被覆材は、特定波長域に
おける光線を選択的に吸収或いは透過する性能について
特に考慮されたものではないため、これらの被覆材を利
用した温室施設においては、夏季期間中に、当該施設内
の温度が相当に上昇する。このような理由から、夏季期
間中においては、農作物、特に高温を嫌う農作物を栽培
するにあたって、温室施設を利用することができないと
いう問題が指摘されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に基づいてなされたものであって、塩化ビニル系樹
脂に、特定の赤外線吸収材を含有させることにより、近
赤外領域の光線を高い効率で選択的に吸収する光学特性
を有する樹脂組成物が得られることを見いだし、この知
見に基づいて達成されたものである。
【0004】本発明の目的は、近赤外領域の光線を高い
効率で遮断若しくは減衰させる性能を有する塩化ビニル
系樹脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的
は、近赤外領域の光線を高い効率で遮断若しくは減衰さ
せる性能を有すると共に、波長500〜600m付近の
光線を吸収する性能を有する塩化ビニル系樹脂組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹
脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、
下記の(a)および(b)から選ばれる少なくとも1種
の赤外線吸収剤0.01〜10質量部と、可塑剤10〜
200質量部とが含有されていることを特徴とする。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズからなる
粒子状金属酸化物
【0006】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において
は、赤外線吸収剤として2価の銅イオンからなる金属イ
オンが含有される場合には、リン酸エステル若しくはホ
スホン酸エステルよりなるリン酸基含有化合物が含有さ
れていることが好ましい。また、リン酸基含有化合物
が、下記式(1)で表されるリン酸エステルまたは下記
式(2)で表されるホスホン酸エステルであることが好
ましい。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において
は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、波長50
0〜600nmの可視光線を吸収する特定可視光線吸収
剤0.01〜10質量部が含有されていることが好まし
い。また、特定可視光線吸収剤が、2価のコバルトイオ
ンよりなる金属イオンであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物について詳細に説明する。本発明の塩化ビニル系
樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に特定の赤外線吸収剤
と可塑剤とが含有されてなるものである。
【0011】〔塩化ビニル系樹脂〕本発明において、塩
化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル
とこれと共重合可能な単量体との共重合体を用いること
ができる。
【0012】塩化ビニルと共重合可能な単量体(以下、
「共重合性単量体」ともいう。)としては、例えば臭化
ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、エチレン、プロピレン、ビニルエーテル類、アクリ
ロニトリル、マレイミド類、メタクリルアミドなどを用
いることができる。共重合性単量体の使用割合は、単量
体全体の30質量%以下であることが好ましい。
【0013】また、塩化ビニル系樹脂としては、重合度
が、通常、500〜3000のものが用いられ、特に、
成形性や得られる組成物の性能の観点から、600〜2
500のものが好ましく用いられる。また、重合度の異
なる重合体を混合して用いることもできる。
【0014】〔赤外線吸収剤〕本発明の塩化ビニル系樹
脂組成物には、下記の(a)および(b)から選ばれる
少なくとも1種の赤外線吸収剤が含有されている。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン(以下、「赤
外線吸収剤a」ともいう。) (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズの粒子状
金属酸化物(以下、「赤外線吸収剤b」ともいう。)
【0015】(1)赤外線吸収剤a:赤外線吸収剤aと
して用いられる2価の銅イオンよりなる金属イオンは、
適宜の銅化合物よりなる金属化合物から得られるもので
ある。上記の銅化合物の具体例としては、酢酸銅、塩化
銅、蟻酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、エチルアセ
ト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅等
の無水物または水和物が挙げられる。
【0016】赤外線吸収剤として、2価の銅イオンから
なる金属イオンを用いる場合には、当該金属イオンの分
散性を高めるために、塩化ビニル中にリン酸エステル若
しくはホスホン酸エステルからなるリン酸基含有化合物
を共に含有させることが好ましい。本発明において、
「リン酸基」とは、PO(OH)n −(nは1または2
である。)で表される基をいう。このようなリン酸基含
有化合物としては、上記式(1)で表されるリン酸エス
テル(以下、「特定のリン酸エステル」ともいう。)若
しくは上記式(2)で表されるホスホン酸エステル(以
下、「特定のホスホン酸エステル」ともいう。)を用い
ることが好ましい。
【0017】特定のリン酸エステルの具体例としては、
モノメチルフォスフェート、ジメチルフォスフェート、
モノエチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、
モノイソプロピルフォスフェート、ジイソプロピルフォ
スフェート、モノn−ブチルフォスフェート、ジn−ブ
チルフォスフェート、モノブトキシエチルフォスフェー
ト、ジブトキシエチルフォスフェート、モノ(2−エチ
ルヘキシル)フォスフェート、ジ(2−エチルヘキシ
ル)フォスフェート、モノn−デシルフォスフェート、
ジn−デシルフォスフェート、モノイソデシルフォスフ
ェート、ジイソデシルフォスフェート、モノオレイルフ
ォスフェート、ジオレイルフォスフェート、モノイソス
テアリルフォスフェート、ジイソステアリルフォスフェ
ート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォス
フェート等が挙げられる。
【0018】また、特定のリン酸エステルとしては、上
記式(1)で示されるように、置換基R1 として、エチ
レンオキサイド基が結合したアクリロイル基(Xが水素
原子の場合)またはメタクリロイル基(Xがメチル基の
場合)よりなる重合性官能基が結合されたものを用いる
ことができる。ここで、エチレンオキサイド基の繰り返
し数mは0〜5の整数である。このmの値が5を超える
と、塩化ビニル系樹脂との相溶性が低いものとなるた
め、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の透明性が低下し
て必要とされる波長の光線透過率が小さくなるため好ま
しくない。
【0019】このような重合性官能基を有する特定のリ
ン酸エステルの具体例としては、2−アクリロキシエチ
ルアッシドフォスフェート、2−メタクリロキシエチル
アッシドフォスフェート、ビス(2−メタクリロキシエ
チルアッシドフォスフェート)等が挙げられる。
【0020】また、特定のホスホン酸エステルの具体例
としては、モノメチルメチルホスホネート、モノエチル
エチルホスホネート、モノブチルブチルホスホネート、
モノ(2−エチルヘキシル)2−エチルヘキシルホスホ
ネート等が挙げられる。
【0021】これらの中では、上記式(1)における基
1 あるいは上記式(2)における基R2 および基R3
が、2−エチルヘキシル基である化合物、具体的には、
モノ(2−エチルヘキシル)フォスフェート若しくはジ
(2−エチルヘキシル)フォスフェート、またはモノ
(2−エチルヘキシル)2−エチルヘキシルホスホネー
トが、塩化ビニル系樹脂との相溶性に優れ、赤外線吸収
剤aの塩化ビニル系樹脂中への分散性を高めることがで
きる点で、好ましい。
【0022】赤外線吸収剤aを塩化ビニル系樹脂に含有
させる場合には、当該赤外線吸収剤aの使用割合は、塩
化ビニル系樹脂100質量部に対して0.01〜10質
量部、好ましくは0.1〜10質量部である。この割合
が0.01質量部未満の場合には、赤外線を吸収する性
能が殆ど得られない。一方、この割合が10質量部を超
える場合には、塩化ビニル系樹脂中に均一に分散させる
ことが困難となる。
【0023】また、リン酸基含有化合物は、2価の銅イ
オンよりなる金属イオン1モルに対して1〜10モルと
なる割合で用いられることが好ましく、これにより、2
価の銅イオンよりなる金属イオンを塩化ビニル系樹脂中
に十分に分散させることができる。
【0024】(2)赤外線吸収剤b:赤外線吸収剤b
は、酸化インジウムおよび酸化スズのいずれか一方また
は両方からなる粒子状金属酸化物(以下、「特定の粒子
状金属酸化物」ともいう。)よりなるものである。特定
の粒子状金属酸化物として、酸化インジウムを主成分と
するものを用いる場合には、酸化インジウムにおけるイ
ンジウム原子の一部がスズ原子で置換され、さらに酸素
欠陥が導入されて酸化インジウム中のキャリア電子密度
が増大された、酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化
物(以下、「ITO」(Indium Tin Oxi
de)ともいう。)であることが好ましい。また、特定
の粒子状金属酸化物として酸化スズを主成分とするもの
を用いる場合には、スズ酸化物におけるスズ原子の一部
がアンチモン原子で置換され、さらに酸素欠陥が導入さ
れて酸化スズ中のキャリア電子密度が増大された、酸化
スズと酸化アンチモンとの複合酸化物(以下、「AT
O」(Antimony Tin Oxide)ともい
う。)であることが好ましい。
【0025】上記のITOまたはATOは、酸化インジ
ウム単体または酸化スズ単体に比較して、いずれも、近
赤外領域の光線の反射が一層低波長側の領域から生じる
ようになるため、1200nmより長い波長域の光線の
透過率が一層低下したものとなると思われる。
【0026】このような特定の粒子状金属酸化物として
は、特に最大粒子径が0.1μm以下であり、粒子径分
布が0.001〜0.05μmの範囲内にある超微粒子
状粉末が好ましい。特定の粒子状金属酸化物の最大粒子
径が0.1μmを超える場合には、可視光線域の光線透
過率が低下し、優れた透明性を有する塩化ビニル系樹脂
組成物を得ることができない。一方、特定の粒子状金属
酸化物の粒子径が0.001μm未満のものを含有する
場合には、微粒子が凝集しやすくなり、当該粒子状金属
酸化物を塩化ビニル系樹脂中に均一に分散させることが
困難になり、また、粒子状金属酸化物自体の製造も非常
に困難である。
【0027】赤外線吸収剤bを用いる場合には、この赤
外線吸収剤bの含有量は、塩化ビニル系樹脂組成物の透
明性や機械的特性などが損なわれない範囲でできるだけ
多い方が望ましいが、塩化ビニル系樹脂100質量部に
対して0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜10
質量部である。
【0028】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において
は、上記の赤外線吸収剤aおよび赤外線吸収剤bが、そ
れぞれ単独で用いられていてもよく、また両者を組み合
わせて用いられてもよい。赤外線吸収剤aおよび赤外線
吸収剤bの両方を用いる場合には、赤外線吸収剤aおよ
び赤外線吸収剤bの各々の割合が、上述の範囲内であっ
て、かつ両者の合計量が、塩化ビニル系樹脂100質量
部に対し0.01〜20質量部となる割合で用いられ
る。
【0029】(3)赤外線吸収剤c:本発明において
は、上記の赤外線吸収剤aまたは赤外線吸収剤bと共
に、下記式(3)で表されるフェニレンジアミン誘導体
よりなる赤外線吸収剤cを併用することができる。
【0030】
【化5】
【0031】〔上記式(3)において、Rは水素原子ま
たは炭素数が1〜12のアルキル基、Xは、SbF6
ClO4 、PF6 、BF6 、NO3 またはハロゲン原子
を示し、nは1または2である。〕
【0032】このようなフェニレンジアミン誘導体は、
可視光線域の光線透過性を損なうことなく波長760〜
1500nmの赤外線を効率よく吸収することができる
特徴を有している。
【0033】このフェニレンジアミン誘導体の具体例と
しては、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n
−ブチルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス
(イモニウムの過塩素酸塩)、N,N,N’,N’−テ
トラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−p−ベンゾ
キノン−ビス(イモニウムのヘキサフルオロアンチモン
酸塩)、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n
−ヘキシルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス
(イモニウムのフッ化ホウ素酸塩)、N,N,N’,
N’−テトラキス(p−ジ−イソプロピルアミノフェニ
ル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウムの硝酸
塩)、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n−
オクチルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス
(イモニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩)、N,
N,N’,N’−テトラキス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウムの臭素
塩)、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n−
ブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウム
の過塩素酸塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−
ジメチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウ
ムの塩素塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ
−n−ドデシルアミノフェニル)−p−フェニレンジア
ミニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩、N,N,
N’,N’−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−p−フェニレンジアミニウムのフッ化ホウ素酸
塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n−ブ
チルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの
フッ素塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジエ
チルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの
過塩素酸塩等が挙げられる。
【0034】このような赤外線吸収剤cの使用割合は、
塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.01〜1質
量部、特に、0.01〜0.7質量部であることが好ま
しい。この割合が0.01質量部未満の場合には、当該
赤外線吸収剤cを添加することによる赤外線の吸収性を
向上させる効果が十分に得られず、一方、この割合が1
質量部を超える場合には、可視光線領域における光線透
過率の低下が大きくなり、好ましくない。
【0035】〔可塑剤〕本発明の塩化ビニル系樹脂組成
物には、塩化ビニル系樹脂と相溶性のある可塑剤が含有
されており、これにより、可塑性が付与されている。こ
のような可塑剤としては、軟質塩化ビニル樹脂製品分野
において広く用いられている種々のものを用いることが
できる。
【0036】可塑剤の具体例としては、リン酸トリクレ
ジル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル系可塑
剤、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフ
タル酸系可塑剤、ジブチルセバケート、ブチルリシノレ
ート、メチルアセチルリシノレート、ブチルサクシネー
ト等の脂肪酸系可塑剤、ブチルフタリルブチルグリコレ
ート、トリエチレングリコールジブチレート、トリエチ
レングリコールジ−2−エチルブチラート、ポリエチレ
ングリコール等のグリコール系可塑剤等が挙げられる。
そして、本発明において用いられる赤外線吸収剤は、こ
れらの可塑剤の存在によってもその赤外線吸収作用が全
く阻害されることがない。
【0037】このような可塑剤の使用割合は、塩化ビニ
ル系樹脂100質量部に対して10〜200質量部、好
ましくは10〜100質量部である。この割合が10質
量部未満の場合には、得られる組成物に十分な柔軟性を
付与することができず、一方、この割合が200質量部
を超える場合には、得られる組成物の柔軟性が過大とな
り、機械的性能や耐候性等の諸性能も不十分なものとな
る。
【0038】〔可視光線吸収剤〕本発明の塩化ビニル系
樹脂組成物においては、波長500〜600nmの可視
光線を吸収する特定可視光線吸収剤が含有されているこ
とが好ましい。このような特定可視光線吸収剤として
は、2価のコバルトイオンよりなる金属イオンを用いる
ことができる。
【0039】特定可視光線吸収剤に用いられる2価のコ
バルトイオンよりなる金属イオンは、適宜のコバルト化
合物よりなる金属化合物から得られるものである。この
コバルト化合物の具体例としては、酢酸コバルト、蟻酸
コバルト、安息香酸コバルト、ナフテン酸コバルト、臭
化コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバル
ト、硫酸二アンモニウムコバルト等の無水物または水和
物が挙げられる。
【0040】特定可視光線吸収剤として2価のコバルト
イオンよりなる金属イオンを用いる場合には、前述の赤
外線吸収剤aと同様に、塩化ビニル系樹脂中にリン酸エ
ステル若しくはホスホン酸エステルからなるリン酸基含
有化合物を、当該金属イオン1モルに対して1〜10モ
ルとなる割合で含有させることが好ましい。このリン酸
基含有化合物としては、前述の赤外線吸収剤aに用いら
れるリン酸基含有化合物として例示した特定のリン酸エ
ステル若しくは特定のホスホン酸エステルを挙げること
ができる。
【0041】また、リン酸基含有化合物として、上記式
(1)における基R1 または上記式(2)における基R
2 および基R3 が2−エチルヘキシル基である化合物、
具体的には、モノ(2−エチルヘキシル)フォスフェー
ト若しくはジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、
またはモノ(2−エチルヘキシル)2−エチルヘキシル
ホスホネートが、塩化ビニル系樹脂との相溶性に優れ、
2価のコバルトイオンからなる金属イオンの塩化ビニル
系樹脂中への分散性を高めることができる点で、特に好
ましい。
【0042】このような特定可視光線吸収剤の使用割合
は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.01〜
10質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。こ
の割合が0.01質量部未満の場合には、波長500〜
600nmの可視光線を吸収する性能が殆ど得られな
い。一方、この割合が10質量部を超える場合には、金
属イオンを塩化ビニル系樹脂中に均一に分散させること
が困難となり、500〜600nmの可視光線を選択的
に吸収すると共に、それ以外の波長域の可視光線を十分
に透過させることが困難となる。
【0043】また、リン酸基含有化合物は、上述の赤外
線吸収剤aおよび特定可視光線吸収剤と共に用いられる
が、その合計量が、塩化ビニル系樹脂100質量部に対
して200質量部以下、特に、100質量部以下である
ことが好ましい。この割合が200質量部を超える場合
には、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の成形加工性が
低下し、成形体を得ることが困難になることがある。
【0044】このように、本発明においては、赤外線吸
収剤として用いられる2価の銅イオンよりなる金属イオ
ンに加えて、特定可視光線吸収剤として2価のコバルト
イオンよりなる金属イオンを用いることができるが、こ
れらの金属イオン以外に、本発明の目的を阻害しない範
囲で、他の金属によるイオンが含有されていてもよい。
このような他の金属によるイオンとしては、ナトリウム
イオン、カリウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、
マグネシウムイオン、ニッケルイオン、タングステンイ
オン等を挙げることができる。この他の金属によるイオ
ンは、2価の銅イオンまたは2価のコバルトイオンと同
様に適宜の金属化合物から得られるものである。このよ
うな他の金属によるイオンを用いることにより、当該他
の金属によるイオンに応じた光線吸収特性が得られる。
【0045】更に、本発明においては、波長500〜6
00nmの可視光線を選択的に吸収する可視光線吸収剤
として、ピラジン環を有する化合物、ペリレン系染料、
アントラキノン系染料、ナフトキノン系染料、アミニウ
ム系色素或いはフタロシアニン等の金属錯体等の顔料、
染料或いは有機色素等を用いることができる。これらの
染料や化合物は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し
て0.01〜5質量部となる割合で用いることができ
る。
【0046】さらに、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物
には、塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる種々の化合
物、例えば各種安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、抗酸化
剤、耐衝撃性強化剤、加工性改良剤等を必要に応じて用
いることができる。また、リン酸エステルとして重合性
官能基を有する化合物を用いるときには、重合開始剤と
して有機過酸化物や光重合開始剤を用いることもでき
る。
【0047】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上記
の塩化ビニル系樹脂、赤外線吸収剤、可塑剤および必要
に応じて用いられる特定可視光線吸収剤またはその他の
添加剤を公知の方法により混合または混練することによ
り得られる。具体的には、ヘンシェルミキサー等の高速
攪拌機を用いて混合することにより、或いはこの混合物
をロール混練機または混練押出機等を用いてさらに溶融
混練して造粒することにより、粉体状或いはペレット状
の組成物が得られる。
【0048】このようにして得られる粉体状或いはペレ
ット状の塩化ビニル系樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の成
形加工法として広く行われている溶融押出成形法、カレ
ンダー成形法、射出成形法等により種々の形状に成形さ
れて使用される。特に、本発明の組成物を成形して得ら
れるシート或いはフィルムは、後述する実施例からも明
らかなように、近赤外領域の波長域の光線を高い効率で
遮断若しくは減衰させる性能を有し、また、特定可視光
線吸収剤が含有される場合には、波長500〜600n
mの光線を吸収する性能を有するものである。従って、
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、熱線の照射を防止
することが要求される用途への適用に有用であり、例え
ば、植物栽培雰囲気を覆って温室施設を構築するための
農業用被覆材の材料として用いることにより、夏季期間
中に当該施設内の温度の上昇を抑制することができ、温
室施設の利用期間を広げることができる。
【0049】以下、本発明を実施例を用いて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、以下において、「部」は「質量部」を意味す
る。
【0050】〔実施例1〕平均重合度が1300である
塩化ビニル樹脂(呉羽化学工業(株)製:PVCS−9
03)100部と、ATO超微粒子粉体(住友セメント
製)2.5部と、酢酸コバルト四水和物5.8部(塩化
ビニル樹脂100部に対するコバルトイオンの含有量が
1.4部)と、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェー
ト19.2部と、可塑剤ジオクチルフタレート(以下、
「DOP」という。)25部と、バリウム/亜鉛系複合
安定剤(勝田化工製:BZ−350M/PSE−102
0B=1.5/1.0部)2.5部と、エポキシ化大豆
油4.0部と、ビスアマイド0.3部とを、ヘンシェル
ミキサーに投入し、粉体温度が110℃となるよう加温
した状態で攪拌混合することにより、塩化ビニル系樹脂
組成物を調製した。この塩化ビニル系樹脂組成物をカレ
ンダー成形機を用いて厚みが100μmのフィルム状に
成形した。得られたフィルム状成形体の光線透過率を分
光光度計を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0051】〔実施例2〕ATO超微粒子粉体の代わり
に、酢酸銅4.4部(塩化ビニル樹脂100部に対する
銅イオンの含有量が1.5部)を用いると共に、ジ(2
−エチルヘキシル)フォスフェート15.6部を更に加
え、可塑剤DOPの量を10部に変更したこと以外は、
実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物を調製
し、この塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム状に成形し
た。得られたフィルム状成形体の光線透過率を実施例1
と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0052】〔実施例3〕ATO超微粒子粉体の代わり
に、ITO超微粒子粉体(三菱マテリアル製)2.5部
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして塩化ビニル
系樹脂組成物を調製し、この塩化ビニル系樹脂組成物を
フィルム状に成形した。得られたフィルム状成形体の光
線透過率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1
に示す。
【0053】〔実施例4〕酢酸コバルト四水和物および
ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェートを用いず、可
塑剤ジオクチルフタレートの量を50部に変更したこと
以外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物
を調製し、この塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム状に
成形した。得られたフィルム状成形体の光線透過率を実
施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0054】〔実施例5〕平均重合度が1300である
塩化ビニル樹脂(呉羽化学工業(株)製:PVCS−9
03)100部と、ATO超微粒子粉体(住友セメント
製)2.5部と、フェニレンジアミン誘導体よりなる赤
外線吸収剤(日本化薬製:IRG−022)0.1部
と、可塑剤DOP50部と、バリウム/亜鉛系複合安定
剤(勝田化工製:BZ−350M/PSE−1020B
=1.5/1.0部)2.5部と、エポキシ化大豆油
4.0部と、ビスアマイド0.3部とを用いて、実施例
1と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、この
塩化ビニル系樹脂組成物を厚みが100μmのフィルム
状に成形した。得られたフィルム状成形体の光線透過率
を分光光度計を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0055】〔比較例〕実施例1において、ATO超微
粒子粉体、酢酸コバルト四水和物およびジ(2−エチル
ヘキシル)フォスフェートを用いず、可塑剤DOPの量
を50部に変更したこと以外は同様にして塩化ビニル系
樹脂組成物を調製し、この塩化ビニル系樹脂組成物を厚
みが100μmのフィルム状に成形した。得られたフィ
ルム状成形体の光線透過率を分光光度計を用いて測定し
た。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1から明らかなように、実施例1〜5の
組成物により得られるフィルム状成形体は、波長120
0nm以上の近赤外線を高い効率で遮断若しくは減衰さ
せるものであることが確認された。特に、特定可視光線
吸収剤が含有された実施例1〜3に係る組成物によれ
ば、波長500〜600nmの可視光線が選択的に吸収
されることが確認された。
【0058】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、近
赤外線、特に波長1200nmより長い波長域の光線を
高い効率で遮断若しくは減衰させる性能を有し、熱線の
照射防止することが要求される用途への適用に有用であ
り、特に、特定可視光線吸収剤が含有されることによ
り、波長500〜600nmの可視光線を選択的に吸収
する性能が付与されるため、例えば、植物栽培雰囲気を
覆って温室施設を構築するための農業用被覆材の材料と
して用いることにより、夏季期間中に当該施設内の温度
の上昇を抑制することができ、温室施設の利用期間を広
げることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A01G 9/14 A01G 9/14 S 13/02 13/02 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100質量部に対し
    て、下記の(a)および(b)から選ばれる少なくとも
    1種の赤外線吸収剤0.01〜10質量部と、可塑剤1
    0〜200質量部とが含有されていることを特徴とする
    塩化ビニル系樹脂組成物。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズからなる
    粒子状金属酸化物
  2. 【請求項2】 赤外線吸収剤として2価の銅イオンから
    なる金属イオンが含有されると共に、リン酸エステル若
    しくはホスホン酸エステルよりなるリン酸基含有化合物
    が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の塩
    化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 リン酸基含有化合物が、下記式(1)で
    表されるリン酸エステルまたは下記式(2)で表される
    ホスホン酸エステルであることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂100質量部に対し
    て、波長500〜600nmの可視光線を吸収する特定
    可視光線吸収剤0.01〜10質量部が含有されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に
    記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 特定可視光線吸収剤が、2価のコバルト
    イオンよりなる金属イオンであることを特徴とする請求
    項4に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
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