JPH09208803A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JPH09208803A
JPH09208803A JP1634396A JP1634396A JPH09208803A JP H09208803 A JPH09208803 A JP H09208803A JP 1634396 A JP1634396 A JP 1634396A JP 1634396 A JP1634396 A JP 1634396A JP H09208803 A JPH09208803 A JP H09208803A
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fatty acid
polyacetal resin
resin composition
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JP1634396A
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Toshiro Endo
敏郎 遠藤
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の金型付着物の量が少なく、金型メン
テナンスはの頻度を低下させることが可能なポリアセタ
ール樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 「(A)ポリアセタール樹脂100重量
部に対し、 (B)表面処理の施された繊維状酸化チタン1〜70重
量部 (C)窒素含有化合物、アルカリ金属または土類金属の
酸化物、無機酸塩もしくはカルボン酸塩よりなる金属含
有化合物から選ばれた1種または2種以上の化合物0.
01〜5重量部 (D)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜5重量
部 (E)脂肪酸またはグリセリン脂肪酸エステルとグリシ
ドールから合成されたモノエステル化率の高いポリグリ
セリン脂肪酸エステル0.01〜5重量部を配合してな
るポリアセタール樹脂組成物」および「同ポリセタール
樹脂組成物を成形してなる小型あるいは薄肉の精密部品
として使用される成形品」。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアセタール樹脂
に、表面処理の施された繊維状酸化チタンと特定の組み
合わせの安定剤を配合した組成物、およびかかる組成物
よりなる成形品に関する。本発明のポリアセタール樹脂
組成物は、繊維状酸化チタンを配合することにより機械
的強度に優れ、なおかつ繊維が微細でゲート詰まりが少
なく、また特定の安定剤との組み合わせにより金型への
付着物が非常に少ないため、小型あるいは薄肉の成形品
に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】周知の如くアセタール樹脂は、機械的性
質、電気特性などの物理的特性、あるいは耐薬品性、耐
熱性等の化学的特性が優れた代表的なエンジニアリング
プラスチックとして、近年極めて広範囲な分野に利用さ
れている。しかしポリアセタール樹脂が利用される分野
の拡大にともない、その材料としての性質にも、さら
に、特殊性が要求されるようになっている。
【0003】たとえば、腕時計部品、小型電気・電子機
器製品などの分野においては、部品の一層の小型・薄肉
化が検討されているため、より強度が高く、より充填剤
のサイズの小さい材料が求められている。
【0004】この要求に応えるため、従来よりポリアセ
タール樹脂に対してガラス繊維、チタン酸カリウム繊維
等の無機フィラーを添加する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常、ガラス
繊維は平均繊維径が6〜13μm、平均繊維長20〜3
000μmであって、ウオッチフギア等の肉厚数十μm
の部品には大きすぎて使用できず、チタン酸カリウム繊
維は平均径が0.2〜2μm、平均繊維長10〜100
μmであって使用可能ではあるものの、ゲート詰まりの
問題がしばしばあり、未だ十分であるとは言い難い。
【0006】一方、最近、上記ガラス繊維、チタン酸カ
リウム繊維に代わる充填剤として針状の酸化チタンが開
発され、これを各種プラスチックスに配合した強度、表
面光沢性に優れた樹脂組成物が提案されている(特開平
1-113465号公報)。
【0007】しかしながら、本発明者等の検討によれ
ば、上記針状酸化チタンを配合したポリアセタール樹脂
は、成形時の金型付着物の量が著しく多く、つまり金型
メンテナンスはの頻度が高くなるという問題あることが
判明した。この問題はポリアセタール樹脂組成物の成形
の際に生じる固有のものであり、特に小型部品の場合の
メンテナンスは非常に手間がかかるため、生産性向上の
大きな障害となっており、改善が切望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はこれらの欠点
を解消したポリアセタール樹脂組成物を得るべく鋭意検
討した結果、ポリアセタール樹脂に、表面処理の施され
た繊維状酸化チタンと特定の組み合わせの安定剤を配合
することにより機械的強度が良好で、なおかつ、繊維が
微細でゲート詰まりが少なく、また金型への付着物が非
常に少ないため、小型・薄肉の成形品にも好適な樹脂組
成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに到
った。
【0009】すなわち、本発明は、 「(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、 (B)表面処理の施された繊維状酸化チタン1〜70重
量部 (C)窒素含有化合物、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属の酸化物、無機酸塩もしくはカルボン酸塩よりな
る金属含有化合物から選ばれた1種または2種以上の化
合物0.01〜5重量部 (D)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜5重量
部 (E)脂肪酸またはグリセリン脂肪酸エステルとグリシ
ドールから合成されたモノエステル化率の高いポリグリ
セリン脂肪酸エステル0.01〜5重量部を配合してな
るポリアセタール樹脂組成物」および「同組成物よりな
る成形品」である。
【0010】以下、本発明の構成成分について詳しく説
明する。本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A)
としては、ポリオキシメチレンホモポリマー、または主
鎖の大部分がオキシメチレン連鎖よりなるポリオキシメ
チレンコポリマー、ターポリマーなどの何れをも使用す
ることができる。重合度にも特に制限はないが、特に小
型・薄肉成形品を目的とする場合、一般にメルトインデ
ックスが7g/10分以上であることが望ましい。
【0011】本発明においては、かかるポリアセタール
樹脂に、表面処理の施された繊維状酸化チタン(B)が
配合される。表面処理していない繊維状酸化チタンを配
合すると、ポリアセタール樹脂の場合、コンパウンド中
および成形時に樹脂の分解・発泡を生じ、実用的ではな
い。ここで配合される繊維状酸化チタンによる補強効果
は繊維のアスペクト比に大きく影響され、アスペクト比
10以下では補強効果に乏しい。よって本発明ではアスペ
クト比10以上のものが好適に使用される。
【0012】また、繊維状酸化チタンの平均繊維径は
0.02〜0.6μm、平均繊維長は1〜20μmであ
ることが好ましい。また、その充填量はポリアセタール
樹脂100重量部に対して1〜70重量部である。
【0013】1重量部未満であると補強効果に乏しく実
用的でなく、70重量部を越えると流動性が著しく低下
するとともに組成物の熱安定性を低下させるので好まし
くない。実用的に10〜50重量部が好ましく、20〜
40重量部が最も好ましい。本発明において繊維状酸化
チタンに施される表面処理剤は、繊維表面をほぼ覆うこ
とができるのならば特に化学構造上の制限はなく、公知
の全てのものが使用可能であり、シラン系、チタネート
系、アルミニウム系、ジルコネート系などの各種カップ
リング処理剤が例示できる。
【0014】具体的には、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリス
テアロイルチタネート、ジイソプロポキシアルミニウム
エチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げら
れる。なお、これらの繊維状酸化チタンを顆粒化したも
のは、コンパウンド時の操作性が、顆粒でないものに比
べ非常に優れており、さらに好ましい。しかし、集束が
強すぎると繊維の分散不良を招き、機械的物性が下がる
場合があるので注意が必要である。
【0015】本発明で用いられる(C)成分は、窒素含
有化合物、アルカリ金属またはアルカリ土類の水酸化
物、無機酸塩もしくはカルボン酸塩よりなる金属含有化
合物から選ばれた1種または2種以上の化合物である。
ここで窒素含有化合物とは、ナイロン12、ナイロン61
0、ナイロン6、66のごとき単独または共重合ポリア
ミド、メチロール基などを有する置換ポリアミド、ナイ
ロン塩、カプロラクタムとから合成、またはカプロラク
トン、カプロラクタムとの組み合わせから合成されるポ
リエステルアミドなどのポリアミド類、ポリアミノトリ
アゾール、ジカルボン酸ジヒドラジド、たとえば、シュ
ウ酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒ
ドラジドなど、尿素から加熱により合成される加熱縮合
体、尿素およびジアミン類とから合成される含窒素縮合
重合体、尿素を加熱して合成される尿素加熱縮合体、ウ
ラシール類、シアノグアニジン類、ジシアンジアミド、
グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジ
ン)、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−ト
リアジン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミ
ン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメ
ラミン、N,N´,N´´−トリフェニルメラミン、
N,N´,N´´−トリメチロールメラミン、ベンゾグ
アナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−
トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ
−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキ
シ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シク
ロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−
6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−
6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキ
シ−6−アミノ−sym−トリアジン(アメライド)、
2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン
(アメリン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym
−トリアジン、N,N´,N´,N´−テトラシアノエ
チルベンゾグアナミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮
合物等が挙げられる。
【0016】窒素含有化合物として好ましいものは、メ
ラミンまたはメラミン誘導体、メラミン−ホルムアルデ
ヒド縮合物等である。
【0017】次に、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の水酸化物、無機酸塩もしくはカルボン酸塩よりなる
金属含有化合物について説明する。アルカリ金属として
はリチウム、ナトリウム、カリウムなどが、アルカリ土
類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム
などが、また、無機酸塩としては炭酸、燐酸、ケイ酸な
どそれぞれの塩が、カルボン酸塩としてはシュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸およびステアリン酸、ベヘニン酸のご
とき高級(C12〜C32)脂肪酸および水酸基などの置換
基を有する置換高級脂肪酸の塩などをあげることができ
る。
【0018】好ましくは、カルシウム、マグネシウム、
リチウムの水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、さらに好
ましくは、カルボン酸塩である。
【0019】特に好ましい金属含有カルボン酸塩を例示
するとステアリン酸カルシウム、12ヒドロキシステア
リン酸カルシウム、ベヘニン酸カルシウムなどが挙げら
れる。これらの化合物(C)は、それぞれ単独で用いて
も良いし、2種以上を組み合わせても良い。本発明にお
ける化合物(C)の配合量は、(A)ポリアセタール樹
脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましく
は、0.03〜2重量部、さらに好ましくは、0.05
〜1重量部の範囲で選ばれる。
【0020】この配合量が0.01重量部未満では熱安
定性の改善効果が十分発揮されないし、5重量部を越え
ると該化合物自身が組成物あるいは成形表面に析出する
傾向がでてくるので好ましくない。
【0021】かかる(C)成分は、ヒンダードフェノー
ル系化合物(D)脂肪酸またはグリセリン脂肪酸エステ
ルとグリシドールから合成されたモノエステル化率の高
いポリグリセリン脂肪酸エステル(E)と併用して、繊
維状酸化チタン(B)を含有するポリアセタール樹脂に
配合されることにより、ポリアセタールの分解を抑え、
また分解で発生したホルムアルデヒドを捕捉する効果を
示すため、成形時の分解ガスの発生が極力抑えられ、金
型付着物を殆ど発生させないものと推測される。
【0022】次に本発明において使用されるヒンダード
フェノール系化合物(D)としては、2,2−メチレン
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,
6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
ペンタエリスリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベ
ンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)プ
ロピオネート〕、、4,4’−ブチリデン−ビス−(6
−t−ブチル−3−メチル−フェノール)、ジステアリ
ル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホネート2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−
5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフ
ェニルアクリレート、N,N´−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)の少なくとも1種または2種以上を使用す
ることができる。
【0023】これらの中でも1,6−ヘキサンジオール
−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチルテ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ
ール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N´−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−ヒドロシンナマミド)は特に好ましい物質で
ある。
【0024】本発明において添加配合されるヒンダード
フェノール系化合物(D)の量は、(A)ポリアセター
ル樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ま
しくは、0.1〜3重量部である。(D)成分の添加量
が過小の場合は充分なる効果が得られず、また過大の場
合には熱安定性の効果が飽和に達し、むしろ浸出し等が
生じ好ましくない。
【0025】次に、本発明において使用されるモノエス
テル化率の高いポリグリセリン脂肪酸エステル化合物
(E)とは脂肪酸またはグリセリン脂肪酸エステルとグ
リセリンとから合成されるものであり、モノ脂肪酸エス
テル体含有率の高い混合物である。本発明のポリアセタ
ール樹脂組成物における化合物(E)成分の配合量は、
(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.0
1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。添
加量が少ない場合、改善効果に乏しく、過大の場合には
安定剤のブリ−ドが多いため好ましくない。
【0026】本発明のポリアセタール樹脂組成物におけ
る(E)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法
としては、従来、(1)ポリグリセリンと脂肪酸類とのエ
ステル化反応{JAOCS(Journal of American Oil
Chemists′ Society)第58巻、第 878頁(1981年)、特
開平6−41007号公報などを参照}、(2)ポリグリ
セリンと脂肪酸エステル類とのエステル交換反応、(3)
ポリグリセリンと油脂類 とのエステル交換反応、(4)グ
リシドールと脂肪酸モノグリセライド類との付加 重合
反応{USP4,515,775を参照}、(5)グリシ
ドールと脂肪酸類と の付加重合反応(特開昭51−6
5705号公報参照)、などが知られている。 本発明
のポリアセタール樹脂組成物おける(E)成分の「脂肪酸
またはグリセリ ン脂肪酸エステルとグリシドールから
合成されたモノエステル化率の高いポリグリセリン脂肪
酸エステル」というのは上記(5)の方法で製造されたも
のである。
【0027】使用される原料の脂肪酸としては、炭素数
7〜22の脂肪酸類が挙げられる。脂肪酸は、飽和脂肪
酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖脂肪酸でも側鎖
をもつ脂肪酸でもよく、さらに炭素鎖がヒドロキシル基
で置換された置換脂肪酸であってもよい。これら脂肪酸
の具体例としては、カプロン酸、カプリル酸、2−エチ
ルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、ベヘン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロ
キシステアリン酸などが挙げられる。これらは、各単独
で使用できるほか、2種以上を任意に混合して使用して
もよい。
【0028】グリシドールと上記脂肪酸とを付加重合反
応させる際の脂肪酸に対するグリシドールのモル比は、
1〜100、好ましくは、1〜50、さらに好ましくは、1
〜10の範囲で選ぶのがよい。
【0029】モル比が1未満だとポリアセタール樹脂に
対して水溶液との濡れ性を付与することができず、逆
に、モル比が100以上になるとポリグリセリン脂肪酸エ
ステルにおいて、疎水基に対する親水基の比率が高くな
り過ぎ、ポリアセタール樹脂との相溶性などが低下する
ので好ましくない。
【0030】上記脂肪酸とグリシドールとの付加重合反
応は、リン酸系酸性触媒の存在下、要すれば溶媒を存在
させて、遂行するのが好ましい。ここで使用されるリン
酸系酸性触媒としては、リン酸類またはリン酸のエステ
ル類である。具体的には、リン酸、無水リン酸、ポリリ
ン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン
酸、四リン酸などのリン酸類、メチルアシッドホスフェ
ート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシ
ッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、2−
エチルヘキシルアシッドホスフェートなど酸性リン酸エ
ステル類などが挙げられる。なお、酸性リン酸エステル
類は、モノエステル体、ジエステル体およびこれらの混
合物のいずれであってもよい。上に挙げた触媒の中で
は、リン酸、酸性リン酸エステル類が特に好ましい。
【0031】上記触媒は、単独でも2種以上を混合して
使用してもよい。触媒の使用量は、脂肪酸に対して0.
01〜10重量%の範囲で選ぶのがよい。0.01重量
%未満では、反応速度が遅すぎ、10重量%を越えると
触媒を多量使用しても効果が頭打ちになるばかりでな
く、グリシドールの付加重合体が副生して、いずれも好
ましくない。上記の触媒使用量の範囲では、0.1〜5
重量%が特に好ましい。付加重合反応は溶媒なしで遂行
できるが、溶媒を使用してもよい。使用できる溶媒とし
ては、炭素数が6〜9の芳香族炭化水素類、特にベンゼ
ン、トルエン、トリフルオルトルエンのようなハロゲン
化トルエン、炭素数が3〜9の脂肪族ケトン類、特にメ
チルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
エチルケトン、ジ−イソブチルケトンなどが挙げられ
る。この他、ジイソプロピルエーテル等のエーテルも好
適である。これら溶媒は、単独でも、2種以上を混合物
であってもよい。溶媒を使用する場合の使用量は、反応
終了後の回収操作の観点から、できるだけ少なくするの
がよく、反応原料の全体の量の2倍量までであることが
特に好ましい。
【0032】反応温度は、溶媒の有無、触媒の種類、量
などにより変るが、50〜180℃の範囲で選ぶのがよ
い。温度が50℃未満であると反応速度が遅すぎ、また
180℃を越えると生成物の着色が激しくなるばかりで
なく、グリシドールが分解して副反応を起こし好ましく
ない。上記の温度範囲では、70〜160℃が好まし
く、中でも140〜160℃が特に好ましい。
【0033】付加重合反応は、反応容器に脂肪酸、溶媒
および触媒を混合し、この混合物を反応温度まで加熱し
た後、撹拌下、グリシドールを少量ずつ添加しながら行
うのが好ましい。反応は連続的にまたは回分式に行うこ
とができる。溶媒を使用する場合であって、その沸点が
反応温度以下である場合には、加圧下に行うのが有利で
ある。付加重合反応は、窒素ガスのような不活性ガス雰
囲気下で行うのが望ましい。
【0034】上記反応により、脂肪酸にグリシドールが
付加重合して、より高重合度のポリグリセリン脂肪酸エ
ステルが生成する。生成物は、モノ脂肪酸エステル体、
ジ脂肪酸エステル体、およびトリ脂肪酸エステル体が混
合したポリグリセリン脂肪酸エステルであるが、上記反
応によるとモノ脂肪酸エステル体の含有量割合の多いも
のが得られる。
【0035】すなわち、本発明において用いられるポリ
グリセリン脂肪酸エステルは、カラムクロマト分析法
で、紫外線吸収検出器を用いて検出されるモノ脂肪酸エ
ステル体のピーク面積比で表した含有率が70%以上の
ものである。
【0036】添加量が0.01重量未満では印刷性の改
良効果が発揮されず、添加量が0.4重量%を越える
と、機械的物性の低下や溶融粘度の低下を招く場合があ
る。溶融粘度の低下は、押出成形の条件幅を狭めること
が多く、押出性形成の悪化につながり、好ましくない。
【0037】上記のポリグリセリン脂肪酸エステルは、
それぞれ単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて
用いても良い。
【0038】本発明において用いられるポリグリセリン
脂肪酸エステルのグリセリン数は2以上であるが、3〜
8が好ましい。本発明において用いられるモノエステル
化率の高いポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は直
鎖構造または側鎖を有する分岐構造でも良い。また、脂
肪酸は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でも良い。ポリグリ
セリン脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素数は10〜32が
好ましく、その中でも18〜26が特に好ましい。本発
明における上記のポリグリセリン脂肪酸エステルの配合
量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.0
1〜5重量部、好ましくは0.03〜1重量部、さらに
好ましくは、0.05〜0.18重量部の範囲で選ばれ
る。この配合量が0.01重量部未満では十分な印刷性
が得られない。また、5重量部を越えると熱安定性が低
下し、成形加工時に分解ガスによるシルバーストリーク
(銀条)が発生し、成形品外観が著しく悪くなり好まし
くない。
【0039】また、本発明のポリアセタール樹脂組成物
には、さらに、その目的に応じて所望の特性を付与する
ため従来公知の添加物、たとえば滑剤、核剤、離型剤、
帯電防止剤その他の界面活性剤、あるいは顔料どを添加
することができる。本発明のポリアセタール樹脂組成物
の調製は従来の樹脂組成物調製方法として、一般に用い
られる公知の方法により容易に調製される。
【0040】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、射
出成形等の一般の成形法による各種成形品に加工され
る。特に小型あるいは薄肉の精密部品として使用される
成形品、腕時計部品、プリンター部品、卓上電子計算機
部品などに好適に用いられる。
【0041】<実施例>以下本発明を実施例により説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0042】[実施例1〜9、比較例1〜6]ポリアセ
タール樹脂〔ポリプラスチックス(株)製、商品名「ジ
ュラコン・M270]〕に、表面処理の施された繊維状
酸化チタンおよび各種添加剤を表1、2に示すような配
合比で押出混練し、ペレット状の組成物を調製した。
【0043】次いで、このペレット状組成物から射出成
形機を用いて試験片を成形し、以下に示す強度を測定し
た。この際、射出されたストランドの状態から発泡の有
無を評価した。その他、以下に示す評価を行った。比較
のため酸化チタンに代えチタン酸カリウムを用いた組成
物、表面処理していない繊維状酸化チタンを配合した組
成物、および(C)窒素化合物、(D)ヒンダードフェ
ノール、(E)脂肪酸エステルの何れかを配合しない組
成物を調製し、評価した。
【0044】結果を表1、2に示す。なお、測定・評価
方法は次の通りである。
【0045】引張強度および剪断強度強度:試験片を温
度23℃、湿度50%の条件下に48時間放置し、その
雰囲気下で試験機(オリエンテック社製・テンシロン)
と特定の治具を用いて、ASTM−D638(引張)と
ASTM−D732−85に準じて測定した。
【0046】溶融時の発生ガス量:上記のペレット8g
をメルトインデクサー内に、200℃で5分間溶融滞留
させた後、荷重をかけて流出させ、発生するホルムアル
デヒドを捕集して定量し、単位重量当たりの樹脂に対す
る発生するホルムアルデヒドの重量(ppm)として表
した。
【0047】連続成形試験: 射出成形機/東芝IS30EPN(東芝機械プラスチッ
クエンジニアリング(株)製) シリンダー温度/200℃ 射出圧力/750kg/cm2 射出時間/4秒 冷却時間/3秒 金型温度/30℃ 上記成形条件にて、特定形状の成形品の連続成形(24
時間)実施後、金型表面の付着物の量を目視観察にて5
段階で評価した。
【0048】A:付着物が殆ど認められない。
【0049】B:付着物が僅かに認められる.C:付着
物が少し認められる。
【0050】D:付着物が多く認められる。
【0051】E:付着物が極めて多量に認められる。
【0052】[参考例1]撹拌機、温度計、温度調節
器、還流冷却器、滴下シリンダー、窒素ガス導入管など
を備えた容量1リットルの4ツ口フラスコに、ステアリ
ン酸0.5モル(142.25g)とリン酸(純度85
%品)0.0622gを仕込み、撹拌下、内温を140
℃に加熱した。ついで、内温をこの温度に維持し撹拌し
ながら、グリシドール3.0モル(222.24g)を
5時間かけて滴下し、系中のオキシラン濃度が0.1%
以下になるまで反応を継続した。
【0053】[参考例2]グリシドール5.0モル(3
70.40g)を使用する以外は実施例1に記載の例に
同じとした。(以下余白) 表1 実施例 1 2 3 4 5 配合比率と種類 (A) 100 100 100 100 100 (B)種類 酸化チタン 平均繊維径 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 (μm) 平均繊維長 8 12 8 8 8 表面処理剤 B1 B1 B2 B1 B1 (重量部) 25 25 25 45 25 (C)記号 C1 C1 C1 C1 C2 (重量部) 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 (D)記号 D1 D1 D1 D1 D1 (重量部) 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 (E)記号 E1 E1 E1 E1 E1 (重量部) 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 物性 引張強度 830 880 820 1050 840 (kg/cm2) 剪断強度 590 625 580 730 600 (kg/cm2) 成形性 成形時の発泡 なし なし なし なし なし 連続成形試験 A A A B A 発生ガス量 100 70 105 120 95 (ppm) 実施例 6 7 8 9 配合比率と種類 (A) 100 100 100 100 (B)種類 酸化チタン 平均繊維径 0.1 0.2 0.1 0.1 (μm) 平均繊維長 8 8 8 8 表面処理剤 B1 B1 B1 B1 (重量部) 25 25 25 25 (C)記号 C1 C1 C1 C1 (重量部) 0.2 0.2 0.4 0.2 (D)記号 D2 D1 D1 D1 (重量部) 0.4 0.4 0.4 0.4 (E)記号 E1 E2 E1 E1 (重量部) 0.3 0.3 0.3 0.6 物性 引張強度 830 825 820 820 (kg/cm2) 剪断強度 595 590 580 590 (kg/cm2) 成形性 成形時の発泡 なし なし なし なし 連続成形試験 A A A A 発生ガス量 95 120 60 70 (ppm) 比較例 1 2 3 4 5 6 配合比率と種類 (A) 100 100 100 100 100 100 (B)種類 チタン酸カリウム 平均繊維径 0.3 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 (μm) 平均繊維長 15 15 8 8 8 8 表面処理剤 B1 B1 B1 B1 B1 無処理 (重量部) 25 45 25 25 25 25 (C)記号 C1 C1 − C1 C1 C1 (重量部) 0.2 0.2 − 0.2 0.2 0.2 (D)記号 D1 D1 D1 − D1 D1 (重量部) 0.4 0.4 0.4 − 0.4 0.4 (E)記号 E1 E1 E1 E1 − E1 (重量部) 0.3 0.3 0.3 0.3 − 0.3 物性 引張強度 900 1100 835 830 835 − (kg/cm2) 剪断強度 590 630 590 570 580 − (kg/cm2) 成形性 成形時の発泡 なし なし なし なし なし 発泡 連続成形試験 D E D D C 成形不能 発生ガス量 280 510 200 175 180 − (ppm) 表中の記号は次のものを示す。
【0054】(A):ポリアセタール樹脂 (B):ウィスカー (C):窒素化合物 (D):ヒンダードフェノール化合物 (E):エステル化合物 B.表面処理剤 B1: N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン B2: 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン C.成分(C) C1: メラミン C2: ステアリン酸カルシウム D.ヒンダードフェノール系化合物 D1: ペンタエリスリチル−テトラキス−〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕 D2: トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕E.ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル化合物 E1: ヘキサグリセリンモノステアレート(参考例1) E2: デカグリセリンモノステアレート(参考例2)
(以下余白)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/3477 C08K 5/3477 7/08 7/08 C08L 61/28 LNP C08L 61/28 LNP

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアセタール樹脂100重量部に
    対し、 (B)表面処理の施された繊維状酸化チタン1〜70重
    量部 (C)窒素含有化合物、アルカリ金属または土類金属の
    酸化物、無機酸塩もしくはカルボン酸塩よりなる金属含
    有化合物から選ばれた1種または2種以上の化合物0.
    01〜5重量部 (D)ヒンダードフェノール系化合物0.01〜5重量
    部 (E)脂肪酸またはグリセリン脂肪酸エステルとグリシ
    ドールから合成されたモノエステル化率の高いポリグリ
    セリン脂肪酸エステル0.01〜5重量部を配合してな
    るポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】繊維状酸化チタン(B)が、平均繊維径
    0.02〜0.6μm、平均繊維長1〜20μmであ
    り、アスペクト比が10以上であることを特徴とする請
    求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1〜3の何れか1項記載のポリセタ
    ール樹脂組成物を成形してなる小型あるいは薄肉の精密
    部品として使用される成形品。
  4. 【請求項4】小型あるいは薄肉の精密部品が腕時計部
    品、プリンター部品、卓上電子計算機部品である請求項
    4記載の成形品。
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EP96400562A EP0758641B1 (en) 1995-08-11 1996-03-18 A fatty acid esters composition of a polyglycerine, a process for the preparation thereof, a process for the preparation of a highly-purified fatty acid esters composition of a polyglycerine, a highly-purified fatty acid esters composition of a polyglycerine, an additive for food-stuffs, a resin composition, and a composition for cosmetics or detergents
DE69610050T DE69610050T2 (de) 1995-08-11 1996-03-18 Polyglycerinfettsäureester-Zusammensetzung, ihr Herstellungsverfahren, Verfahren zum Herstellen einer sehr reinen Polyglycerinfettsäureester-Zusammensetzung, eine sehr reine Polyglycerinfettsäureester-Zusammensetzung, ein Zusatzmittel für Lebensmittel, eine Harz-Zusammensetzung und eine Zusammensetzung für Kosmetika oder Waschmittel
US08/618,504 US6278008B1 (en) 1995-08-11 1996-03-19 Fatty acid esters composition of a polyglycerine, and uses thereof
US09/722,527 US6339165B1 (en) 1995-08-11 2000-11-28 Fatty acid esters composition of a polyglycerine, and a process for the preparation thereof
US09/924,579 US6693150B1 (en) 1995-08-11 2001-08-09 Fatty acid esters composition of a polyglycerine, and process for the preparation thereof
US10/621,202 US6927299B2 (en) 1995-08-11 2003-07-15 Fatty acid esters composition of a polyglycerine, a process for the preparation thereof, a process for the preparation of a highly-purified fatty acid esters composition of a polyglycerine, a highly-purified fatty acid esters composition of a polyglycerine, an additive for food-stuffs, a resin composition, and a composition for cosmetics or detergents
US10/827,846 US20040197460A1 (en) 1995-08-11 2004-04-20 Fatty acid esters composition of a polyglycerine, a process for the preparation thereof, a process for the preparation of a highly-purified fatty acid esters composition of a polyglycerine, a highly-purified fatty acid esters composition of a polyglycerine, an additive for food-stuffs, a resin composition, and a composition for cosmetic or detergents

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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