JPH09209134A - ターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
ターゲットおよびその製造方法Info
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- JPH09209134A JPH09209134A JP8015028A JP1502896A JPH09209134A JP H09209134 A JPH09209134 A JP H09209134A JP 8015028 A JP8015028 A JP 8015028A JP 1502896 A JP1502896 A JP 1502896A JP H09209134 A JPH09209134 A JP H09209134A
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Abstract
グ法によって製膜する際に使用されている従来の組成の
酸化物焼結体からなるターゲットでは、成膜時に異常放
電が誘発され易く、かつ、ターゲットの割れが起こり易
いことから、安定した製膜を行うことが困難である。 【解決手段】 インジウム(In)と、チタン(T
i),イリジウム(Ir),イットリウム(Y),クロ
ム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(H
f),タンタル(Ta),コバルト(Co),ビスマス
(Bi)およびマンガン(Mn)からなる群より選択さ
れた少なくとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成
元素とし、前記群より選択された金属元素の総量の原子
比(全金属原子)/(In+全金属原子)が2.0〜4
0at%、体積抵抗率が5×10-2Ω・cm以下である酸
化物焼結体をターゲットとして用いる。
Description
によって透明導電膜を製膜する際に使用されるスパッタ
リングターゲット(以下、単に「ターゲット」とい
う。)およびその製造方法に係り、特に、酸化物焼結体
からなるターゲットおよびその製造方法に関する。
プロセッサ,電子手帳等のコンピュータ本体(主記憶装
置)へのデータ入力を行うための入力装置として、タッ
チパネル(タッチスクリーンを含む。以下同じ。)、タ
ブレット、デジタイザ等の座標入力装置が使用されて
る。
あるが、例えばアナログ式といわれる方式のタッチパネ
ルでは、透明基材とこの透明基材上に平膜状に形成され
た透明電極膜(抵抗膜)とを備えた透明電極基板が2
枚、前記の透明電極膜同士が対向するようにしてスペー
サ等によって所定間隔に保たれつつ配置されており、2
枚の透明電極基板のうちの一方が入力面側に位置してい
る。そして、入力面側に位置している透明電極基板の外
部から荷重が加えられて透明電極膜同士が導通したとき
に、一方の透明電極膜における所定の端部から前記の導
通が生じた箇所を経て他方の透明電極膜における所定の
端部へ電流が流れるように回路が組まれている。この回
路における電気抵抗値は、前記の導通が生じた箇所、す
なわち前記の荷重が加えられた箇所の位置座標に応じて
変化することから、この電気抵抗値の変化に基づいて、
前記の荷重が加えられた箇所の位置座標が座標検出手段
によって検出される。
用される透明電極膜については、他の方式による座標入
力装置に使用される透明電極膜よりも高電気抵抗で、か
つ、シート抵抗の均一性に優れていることが要求され
る。そして、入力精度の向上や低消費電力化に対する近
年の要望の高まりに伴い、アナログ式のタッチパネルに
用いる透明電極膜については、透明性に優れていること
はもとより、シート抵抗が800Ω/□〜10kΩ/□
程度と高電気抵抗であることが要求されるに至ってい
る。
によって形成されたITO膜が多用されているが、物理
的蒸着法によって形成されたITO膜の比抵抗は一般に
5×10-4Ω・cm未満となる。したがって、このよう
なITO膜を用いて例えばシート抵抗が800Ω/□の
透明電極膜を得るためには、当該ITO膜の膜厚を6n
m程度と非常に薄くする必要がある。しかしながら、こ
のように極めて薄い薄膜は、島状構造の域を脱していな
い(『薄膜の基本技術』(東京大学出版会)第90〜9
1頁参照)ため、実用に耐え得るものではない。このた
め、特にアナログ式のタッチパネルに使用する透明電極
膜については、ITO膜に代わる新たな高電気抵抗膜の
開発が望まれている。
酸化インジウムに酸化錫と共に酸化ケイ素および/また
は酸化アルミニウムを所定量ドープした透明導電膜が知
られている(特開平4−206403号公報参照)。こ
の透明導電膜は、前記公報によれば、電子ビーム蒸着
法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法等によっ
て作製することができ、均一性という点からはスパッタ
蒸着法によって作製することが最も好ましい透明導電膜
である。この透明導電膜は、シート抵抗、光透過性およ
び耐環境性の点で、アナログ式のタッチパネルの透明電
極膜として好適なものである。
公報に開示されている透明導電膜をスパッタリング法に
よって形成する場合に酸化物からなるターゲットを使用
すると、酸化ケイ素および酸化アルミニウムが共に電気
絶縁物であることから、当該ターゲットの体積抵抗率が
高くなる。体積抵抗率が高いターゲットを用いて直流ス
パッタリングを行うと、製膜時に異常放電が誘発される
ことから、目的とする膜を再現性よく得ることが困難で
ある。また、体積抵抗率が高いターゲットを用いると、
当該ターゲットに割れが発生し易い。ターゲットの体積
抵抗率が高いことに起因する異常放電の誘発は、高周波
スパッタリング法によって製膜を行うことにより防ぐこ
とが可能であるが、高周波スパッタリング法では直流ス
パッタリング法に比べて製膜速度が遅くなる。
ングを行うことにより、直流スパッタリング法によって
も製膜時における異常放電の誘発やターゲットの割れを
防止しつつ目的とする透明導電膜を製膜することが可能
である。しかしながら、合金ターゲットを用いた反応性
スパッタリング法では、通常のスパッタリング法や酸化
物ターゲットを用いた反応性スパッタリング法と比較し
て成膜時に導入する酸素量の制御を極めて精密に行う必
要があるため、目的とする透明導電膜を再現性よく得る
ための手法としては不適当である。
Ω/□〜10kΩ/□である透明導電膜を直流スパッタ
リング法によって安定に製膜することが可能なターゲッ
トおよびその製造方法を提供することにある。
を達成するために鋭意検討した結果、特定の組成および
電気的特性を有する酸化物焼結体をターゲットとして用
いることにより、直流スパッタリング法によってもシー
ト抵抗が概ね800Ω/□〜10kΩ/□である透明導
電膜を安定に製膜することができることを見い出した。
ものであり、本発明のターゲットは、インジウム(I
n)と、チタン(Ti),イリジウム(Ir),イット
リウム(Y),クロム(Cr),ジルコニウム(Z
r),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),コバル
ト(Co),ビスマス(Bi)およびマンガン(Mn)
からなる群より選択された少なくとも1種の金属元素
と、酸素(O)とを構成元素とし、前記群より選択され
た金属元素の総量の原子比(全金属原子)/(In+全
金属原子)が2.0〜40at%である酸化物焼結体から
なり、体積抵抗率が5×10-2Ω・cm以下であること
を要旨とする(以下このターゲットを「ターゲットT
1」という。)。
ウム(In)および錫(Sn)と、チタン(Ti),イ
リジウム(Ir),イットリウム(Y),クロム(C
r),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(Hf),タ
ンタル(Ta),コバルト(Co),ビスマス(Bi)
およびマンガン(Mn)からなる群より選択された少な
くとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成元素と
し、前記インジウム(In)の原子比In/(In+S
n+全金属原子)が60〜95at%、前記錫(Sn)の
原子比Sn/(In+Sn+全金属原子)が2.8〜2
0at%、前記インジウム(In)と前記錫(Sn)との
合量の原子比(In+Sn)/(In+Sn+全金属原
子)が62.8〜98at%、前記群より選択された金属
元素の総量の原子比(全金属原子)/(In+Sn+全
金属原子)が2.0〜37.2at%である酸化物焼結体
からなり、体積抵抗率が5×10-2Ω・cm以下である
ことを要旨とする(以下このターゲットを「ターゲット
T2」という。)。
インジウム(In)酸化物と、チタン(Ti),イリジ
ウム(Ir),イットリウム(Y),クロム(Cr),
ジルコニウム(Zr),ハフニウム(Hf),タンタル
(Ta),コバルト(Co),ビスマス(Bi)および
マンガン(Mn)からなる群より選択された少なくとも
1種の金属元素についての酸化物との混合酸化物を得る
原料調製工程と、前記原料調製工程で得られた混合酸化
物を成形する成形工程と、前記成形工程で得られた成形
物を焼結する焼結工程とを含み、インジウム(In)
と、チタン(Ti),イリジウム(Ir),イットリウ
ム(Y),クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハ
フニウム(Hf),タンタル(Ta),コバルト(C
o),ビスマス(Bi)およびマンガン(Mn)からな
る群より選択された少なくとも1種の金属元素と、酸素
(O)とを構成元素とし、前記群より選択された金属元
素の総量の原子比(全金属原子)/(In+全金属原
子)が2.0〜40at%で、体積抵抗率が5×10-2Ω
・cm以下である酸化物焼結体からなるターゲットを得
ることを要旨とする(以下この方法を「方法I」とい
う。)。
は、インジウム(In)酸化物および錫(Sn)酸化物
と、チタン(Ti),イリジウム(Ir),イットリウ
ム(Y),クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハ
フニウム(Hf),タンタル(Ta),コバルト(C
o),ビスマス(Bi)およびマンガン(Mn)からな
る群より選択された少なくとも1種の金属元素について
の酸化物との混合酸化物を得る原料調製工程と、前記原
料調製工程で得られた混合酸化物を成形する成形工程
と、前記成形工程で得られた成形物を焼結する焼結工程
とを含み、インジウム(In)および錫(Sn)と、チ
タン(Ti),イリジウム(Ir),イットリウム
(Y),クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフ
ニウム(Hf),タンタル(Ta),コバルト(C
o),ビスマス(Bi)およびマンガン(Mn)からな
る群より選択された少なくとも1種の金属元素と、酸素
(O)とを構成元素とし、前記インジウム(In)の原
子比In/(In+Sn+全金属原子)が60〜95at
%、前記錫(Sn)の原子比Sn/(In+Sn+全金
属原子)が2.8〜20at%、前記インジウム(In)
と前記錫(Sn)との合量の原子比(In+Sn)/
(In+Sn+全金属原子)が62.8〜98at%、前
記群より選択された金属元素の総量の原子比(全金属原
子)/(In+Sn+全金属原子)が2.0〜37.2
at%で、体積抵抗率が5×10-2Ω・cm以下である酸
化物焼結体からなるターゲットを得ることを要旨とする
(以下この方法を「方法II」という。)。
て詳細に説明する。まず、本発明のターゲットT1につ
いて説明すると、このターゲットT1は、上述したよう
にインジウム(In)と、チタン(Ti),イリジウム
(Ir),イットリウム(Y),クロム(Cr),ジル
コニウム(Zr),ハフニウム(Hf),タンタル(T
a),コバルト(Co),ビスマス(Bi)およびマン
ガン(Mn)からなる群より選択された少なくとも1種
の金属元素と、酸素(O)とを構成元素とし、前記の群
より選択された金属元素の総量の原子比(全金属原子)
/(In+全金属原子)が2.0〜40at%である酸化
物焼結体からなる。
り選択された金属元素の総量の原子比を上述のように限
定する理由は、この原子比が上記の範囲から外れると、
当該酸化物焼結体をターゲットとして用いたスパッタリ
ング法によって得られる透明導電膜の比抵抗が9.6×
10-4Ω・cm未満になり易くなるか、または、当該酸
化物焼結体の体積抵抗率を5×10-2Ω・cm以下にす
ることが困難になるからである。
0-4Ω・cm未満では、当該透明導電膜の膜厚を実用に
耐え得る最小膜厚(約12nm)としてもそのシート抵
抗が800Ω/□未満となり、シート抵抗が800Ω/
□未満では入力精度が向上したアナログ式のタッチパネ
ルを得るための高抵抗電極膜に要求される電気的特性を
満足し得なくなる。また、体積抵抗率が5×10-2Ω・
cmを超える酸化物焼結体では、当該酸化物焼結体をタ
ーゲットとして用いて直流スパッタリングを行ったとき
に異常放電が誘発される,ターゲットに割れが生じる等
の不具合が発生し易くなる。なお、上述した原子比を表
す式中の「全金属原子」とは、上記の群より選ばれた金
属元素についての原子数(相対値)の総和を意味する
(後述するターゲットT2、方法Iおよび方法IIにおい
ても同じ。)。
いた場合には、当該ターゲットの組成や製膜条件等を調
整することによって、概ね9.6×10-4〜2.0×1
0-1Ω・cmの範囲内で、種々の比抵抗の透明導電膜を
製膜することが可能である。したがって、酸化物焼結体
の組成は、当該酸化物焼結体が後述する体積抵抗率につ
いての条件を満たしさえすれば、目的とする透明導電膜
の電気的特性に応じて適宜選択可能である。
タッチパネルを得るためには、シート抵抗が概ね800
Ω/□〜10kΩ/□、好ましくは800〜5000Ω
/□、より好ましくは1000〜3000Ω/□、更に
好ましくは2000〜3000Ω/□で、比抵抗が9.
6×10-4〜2×10-1Ω・cm、より好ましくは3×
10-3〜9×10-3Ω・cm、更に好ましくは6×10
-3〜9×10-3Ω・cmである透明電極膜を得ることが
望ましいので、このような透明電極膜(透明導電膜)が
得られるよう、各成分のスパッタ率や製膜条件等を勘案
して、酸化物焼結体の組成を適宜調整する。また、電気
抵抗の経時安定性の高い透明導電膜を得るうえからは、
上記の酸化物焼結体における前記金属元素の総量の原子
比(全金属原子)/(In+全金属原子)を2.5〜3
0at%とすることが好ましく、3.0〜15at%とする
ことが特に好ましい。
抗率を前述のように5×10-2Ω・cm以下に限定す
る。その理由は、酸化物焼結体の体積抵抗率が5×10
-2Ω・cmを超えると、当該酸化物焼結体をターゲット
として用いて直流スパッタリングを行ったときに、異常
放電が誘発されたりターゲットに割れが発生したりし易
くなるからである。酸化物焼結体の体積抵抗率は2×1
0-2Ω・cm以下であることが好ましく、1×10-2Ω
・cm以下であることが特に好ましい。
・cm以下にするうえからは、純度が99%以上の素原
料を用いて相対密度が80%以上である酸化物焼結体を
得ることが好ましい。前記素原料の純度は99.9%以
上であることがより好ましく、99.99%以上である
ことが更に好ましい。また、酸化物焼結体の相対密度は
90%以上であることがより好ましく、95%以上であ
ることが更に好ましい。焼結後の酸化物焼結体の体積抵
抗率が5×10-2Ω・cmを超える場合には、焼結後に
真空中または還元雰囲気中でアニーリング処理を行って
前記の酸化物焼結体を還元することにより、体積抵抗率
が5×10-2Ω・cm以下の酸化物焼結体を得ることが
できる。
上にすることは、十分な製膜速度を確保するうえから
も、また、光透過性の高い透明導電膜を得るうえからも
好適である。ここに相対密度とは、酸化物の組成から計
算した理論密度に対する焼結体の実際の密度を面分率で
示したものである(後述するターゲットT2においても
同じ。)。
有する酸化物焼結体からなる本発明のターゲットT1
は、当該ターゲットT1の体積抵抗率が5×10-2Ω・
cm以下であることから、直流スパッタリング法によっ
て透明導電膜を製膜するためのターゲットとして用いた
場合でも、製膜時に異常放電が誘発されたりターゲット
に割れが発生したりすることが起こりにくく、安定した
製膜が可能である。また、直流スパッタリング法以外の
スパッタリング法、例えば高周波スパッタリング法等に
よって透明導電膜を製膜する場合でも、安定した製膜が
可能である。
リング法によって得られる膜は、インジウム(In)
と、前述した群より選択された金属元素と、酸素(O)
とを構成元素とし、前記金属元素の総量の原子比(全金
属原子)/(In+全金属原子)が概ね2.2〜40at
%である酸化物膜である。この酸化物膜における可視光
の透過率はその膜厚が200nmのときに概ね85%以
上であるので、当該酸化物膜は、その膜厚を200nm
以下にすることにより透明導電膜として好適に使用する
ことが可能になる。
も含めてその組成を適宜調整することにより、換言すれ
ば上記本発明のターゲットT1の組成および製膜条件を
適宜調整することにより、膜厚が12nmのときに概ね
9.6×10-4〜1.2×10-2Ω・cm、膜厚が20
0nmのときに概ね1.6×10-2〜2.0×10-1Ω
・cmとすることが可能であるので、その膜厚が12〜
200nmのときのシート抵抗を概ね800Ω/□〜1
0kΩ/□とすることが可能である。このように高い電
気抵抗を有する透明導電膜は、入力精度が向上したアナ
ログ式のタッチパネルを得るための透明電極膜として特
に好適である他、電磁波シールド材等としても好適であ
る。本発明のターゲットT1は種々の方法により製造す
ることが可能であるが、後述する本発明の方法Iにより
製造することが好ましい。
明する。本発明のターゲットT2は、前述したようにイ
ンジウム(In)および錫(Sn)と、チタン(T
i),イリジウム(Ir),イットリウム(Y),クロ
ム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(H
f),タンタル(Ta),コバルト(Co),ビスマス
(Bi)およびマンガン(Mn)からなる群より選択さ
れた少なくとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成
元素とし、前記インジウム(In)の原子比In/(I
n+Sn+全金属原子)が60〜95at%、前記錫(S
n)の原子比Sn/(In+Sn+全金属原子)が2.
8〜20at%、前記インジウム(In)と前記錫(S
n)との合量の原子比(In+Sn)/(In+Sn+
全金属原子)が62.8〜98at%、前記の群より選択
された金属元素の総量の原子比(全金属原子)/(In
+全金属原子)が2.0〜37.2at%である酸化物焼
結体からなる。
(In)の原子比、錫(Sn)の原子比、インジウム
(In)と錫(Sn)との合量の原子比、および上記の
群より選択された金属元素の総量の原子比をそれぞれ上
述のように限定する理由は、これらの原子比が上記の範
囲から外れると、当該酸化物焼結体をターゲットとして
用いたスパッタリング法によって得られる透明導電膜の
比抵抗が9.6×10-4Ω・cm未満になり易くなる
か、または、当該酸化物焼結体の体積抵抗率を5×10
-2Ω・cm以下にすることが困難になるからである。
いた場合にも、当該ターゲットの組成や製膜条件等を調
整することによって、概ね9.6×10-4〜2.0×1
0-1Ω・cmの範囲内で、種々の比抵抗の透明導電膜を
製膜することが可能である。したがって、上記の酸化物
焼結体の組成は、当該酸化物焼結体が後述する体積抵抗
率についての条件を満たしさえすれば、ターゲットT1
についての説明の中で述べたように、目的とする透明導
電膜の電気的特性に応じて適宜選択可能である。電気抵
抗の経時安定性の高い透明導電膜を得るうえからは、上
記の酸化物焼結体におけるインジウム(In)の原子比
In/(In+Sn+全金属原子)を60〜95at%、
錫(Sn)の原子比Sn/(In+Sn+全金属原子)
を2.8〜20at%とすることが特に好ましい。
記の酸化物焼結体からなり、その体積抵抗率は、前述し
たターゲットT1におけると同じ理由から5×10-2Ω
・cm以下に限定され、当該体積抵抗率は2×10-2Ω
・cm以下であることが好ましく、1×10-2Ω・cm
以下であることが特に好ましい。
・cm以下にするうえからは、前述したターゲットT1
におけると同様に、純度が99%以上の素原料を用いて
相対密度が80%以上である酸化物焼結体を得ることが
好ましい。前記素原料の純度は99.9%以上であるこ
とがより好ましく、99.99%以上であることが更に
好ましい。また、酸化物焼結体の相対密度は90%以上
であることがより好ましく、95%以上であることが更
に好ましい。焼結後の酸化物焼結体の体積抵抗率が5×
10-2Ω・cmを超える場合には、前述したターゲット
T1を得る場合と同様に、焼結後に真空中または還元雰
囲気中でアニーリング処理を行って前記の酸化物焼結体
を還元することにより、体積抵抗率が5×10-2Ω・c
m以下の酸化物焼結体を得ることができる。なお、酸化
物焼結体の相対密度を80%以上にすることは、十分な
製膜速度を確保するうえからも、また、光透過性の高い
透明導電膜を得るうえからも好適である。
有する酸化物焼結体からなる本発明のターゲットT2
も、当該ターゲットT2の体積抵抗率が5×10-2Ω・
cm以下であることから、直流スパッタリング法によっ
て透明導電膜を製膜するためのターゲットとして用いた
場合でも、製膜時に異常放電が誘発されたりターゲット
に割れが発生したりすることが起こりにくく、安定した
製膜が可能である。また、直流スパッタリング法以外の
スパッタリング法、例えば高周波スパッタリング法等に
よって透明導電膜を製膜する場合でも、安定した製膜が
可能である。
リング法によって得られる膜は、インジウム(In)お
よび錫(Sn)と、前述した群より選択された金属元素
と、酸素(O)とを構成元素とし、インジウム(In)
の原子比In/(In+Sn+全金属原子)が概ね60
〜95at%、錫(Sn)の原子比Sn/(In+Sn+
全金属原子)が概ね2.5〜20at%、インジウム(I
n)と錫(Sn)との合量の原子比(In+Sn)/
(In+Sn+全金属原子)が概ね62.5〜98.2
at%、前記の群より選択された金属元素の総量の原子比
(全金属原子)/(In+全金属原子)が概ね1.8〜
37.5at%である酸化物膜である。この酸化物膜にお
ける可視光の透過率はその膜厚が200nmのときに概
ね85%以上であるので、当該酸化物膜は、その膜厚を
200nm以下にすることにより透明導電膜として好適
に使用することが可能になる。
も含めてその組成を適宜調整することにより、換言すれ
ば上記本発明のターゲットT2の組成および製膜条件を
適宜調整することにより、膜厚が12nmのときに概ね
9.6×10-4〜1.2×10-2Ω・cm、膜厚が20
0nmのときに概ね1.6×10-2〜2.0×10-1Ω
・cmとすることが可能であるので、その膜厚が12〜
200nmのときのシート抵抗を概ね800Ω/□〜1
0kΩ/□とすることが可能である。このように高い電
気抵抗を有する透明導電膜は、入力精度が向上したアナ
ログ式のタッチパネルを得るための透明電極膜として特
に好適である他、電磁波シールド材等としても好適であ
る。本発明のターゲットT2は種々の方法により製造す
ることが可能であるが、後述する本発明の方法IIにより
製造することが好ましい。
本発明の方法Iは、前述したように、インジウム(I
n)酸化物と、チタン(Ti),イリジウム(Ir),
イットリウム(Y),クロム(Cr),ジルコニウム
(Zr),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),コ
バルト(Co),ビスマス(Bi)およびマンガン(M
n)からなる群より選択された少なくとも1種の金属元
素についての酸化物との混合酸化物を得る原料調製工程
と、前記原料調製工程で得られた混合酸化物を成形する
成形工程と、前記成形工程で得られた成形物を焼結する
焼結工程とを含んでいる。以下、原料調製工程、成形工
程および焼結工程の順で説明する。
(Ti),イリジウム(Ir),イットリウム(Y),
クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフニウム
(Hf),タンタル(Ta),コバルト(Co),ビス
マス(Bi)およびマンガン(Mn)からなる群より選
択された少なくとも1種の金属元素についての酸化物と
の混合酸化物を得る。この混合酸化物の平均粒径は、後
述する造粒処理を行わない場合には0.01〜10μm
であることが好ましく、0.1〜5μmであることがよ
り好ましい。後述する造粒処理を行わない場合、混合酸
化物の平均粒径が0.01μm未満では凝集が起こり易
く、10μmを超えると混合性が低下し、また、緻密な
焼結体を得ることが困難になる。
素を除いた各成分(インジウム(In)と上記の群より
選択された金属元素)についての酸化物,塩化物,無機
酸塩,水酸化物等を素原料として用いることができる。
各素原料の純度は99%以上であることが好ましく、よ
り好ましくは99.9%以上、特に好ましくは99.9
9%以上である。素原料の純度が99%未満では、緻密
な酸化物焼結体を得ることが困難になったり、目的とす
る体積抵抗率を有する酸化物焼結体を得ることが困難に
なる。
には、目的とする組成のターゲットT1が得られるよう
に各酸化物(素原料)の粉末を所定量づつボールミル,
ジェットミル,パールミル等の混合器に入れ、これらを
粉砕・混合することにより目的とする混合酸化物を得る
ことができる。このとき、粉砕・混合の時間は1〜10
0時間が好ましく、より好ましくは5〜50時間、特に
好ましくは10〜50時間である。1時間未満では混合
が不十分になり易く、100時間を超えると経済的でな
い。粉砕・混合時の温度について特別な制限はないが、
室温が好ましい。
物質を用いる場合には、目的とする組成のターゲットT
1が得られるように前記の素原料を所定量づつボールミ
ル,ジェットミル,パールミル等の混合器に入れて粉砕
・混合して混合物を得た後に当該混合物を仮焼し、得ら
れた仮焼物を前記の混合器等によって粉砕することによ
り目的とする混合酸化物を得ることができる。このとき
の仮焼温度および仮焼時間は素原料の種類にもよるが、
概ね800〜1600℃で1〜100時間が好ましい。
800℃未満または1時間未満では素原料の熱分解が不
十分となり易く、1600℃を超えるかまたは100時
間を超えた場合には素原料が焼結して粒子の粗大化が起
こり易くなる。より好ましい仮焼温度および仮焼時間は
1000〜1300℃で2〜50時間である。
し、仮焼物を粉砕して得た混合酸化物について更に仮焼
・粉砕を行うという操作を所望回数行ってもよい。ま
た、各成分の素原料として酸化物を用いて上述した仮焼
・粉砕処理を行うことによって、目的とする混合酸化物
を得てもよい。
場合や素原料としての酸化物である場合の仮焼温度およ
び仮焼時間も概ね800〜1600℃で1〜100時間
が好ましい。800℃未満または1時間未満では素原料
の熱分解が不十分となり易く、1600℃を超えるかま
たは100時間を超えた場合には素原料が焼結して粒子
の粗大化が起こり易くなる。より好ましい仮焼温度およ
び仮焼時間は1000〜1300℃で2〜50時間であ
る。
うにして得た混合酸化物を造粒することによっても、あ
るいは各成分の素原料を造粒することによっても、調製
することができる。この造粒は、スプレードライ法等の
常法により行うことができる。造粒をスプレードライ法
で行う場合には、前記の混合酸化物もしくは素原料につ
いての水溶液またはアルコール溶液等にポリビニルアル
コール等のバインダーを添加した溶液を用いる。造粒条
件は溶液濃度、バインダーの添加量によっても異なる
が、造粒物の平均粒径が1〜100μm、好ましくは5
〜100μm、特に好ましくは10〜100μmになる
ように調節する。この造粒を行うことにより成形時の流
動性や充填性を改善することが可能であるが、造粒物の
平均粒径が100μmを超えると成形時の流動性や充填
性が悪く、造粒の効果がない。
を、焼結に先立って所望形状に成形する。成形は金型成
形,鋳込み成形,射出成形,加圧成形等により行うこと
ができるが、相対密度の高い焼結体を得るうえからはC
IP(冷間静水圧),HIP(熱間静水圧)等の方法で
加圧成形することが好ましい。成形体の形状はターゲッ
トとして好適な各種形状とすることができる。また、成
形助剤にポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポ
リワックス、オレイン酸等を用いてもよい。成形圧力は
10kg/cm2 〜100t/cm2 が好ましく、より
好ましくは100kg/cm2 〜100t/cm2 であ
る。また成形時間は10分〜10時間が好ましい。成形
圧力が10kg/cm2 未満である場合や成形時間が1
0分未満である場合には、相対密度の高い焼結体を得る
ことが困難になる。
酸化物焼結体を得る。焼結方法としてはHIP焼結,ホ
ットプレス焼結,常圧焼結等を適用することができる
が、経済性の面からは常圧焼結が好ましい。焼結温度は
1200〜1600℃が好ましく、より好ましくは12
50〜1550℃、更に好ましくは1300〜1500
℃である。1200℃未満では十分な相対密度を有する
酸化物焼結体を得ることが困難なため、後述するアニー
リングを施しても目的とする体積抵抗率を有する酸化物
焼結を得ることが困難である。また、1600℃を超え
ると組成のずれが生じ易くなる。焼結時間は焼結温度に
もよるが、1〜50時間が好ましく、より好ましくは2
〜30時間、特に好ましくは3〜20時間である。1時
間未満では焼結が十分に行われず、50時間を超えると
経済的でない。焼結時の雰囲気は空気または還元雰囲気
である。還元雰囲気としては、H2 ,メタン,CO等の
還元性ガス雰囲気、Ar,N2 等の不活性ガス雰囲気が
挙げられる。
び焼結工程を経て得た酸化物焼結体の体積抵抗率が5×
10-2Ω・cmを超えている場合には、以下に述べるア
ニーリング工程を行うことにより、体積抵抗率が5×1
0-2Ω・cm以下の酸化物焼結体を得ることができる。
の体積抵抗率が5×10-2Ω・cmを超えている場合
に、当該酸化物焼結体を還元することによってその体積
抵抗率を低下させて、目的とする体積抵抗率を有する酸
化物焼結体を得る。アニーリングは、焼結炉,ホットプ
レス還元炉等の炉中で真空下または還元雰囲気下に行わ
れる。還元雰囲気としては、H2 ,メタン,CO等の還
元性ガス、Ar,N2 等の不活性ガスの雰囲気が挙げら
れる。
リング温度は200〜1000℃が好ましく、より好ま
しくは200〜700℃、更に好ましくは200〜50
0℃である。200℃未満では十分な還元が行われず、
1000℃を超えると焼結体中のインジウム酸化物ある
いは亜鉛酸化物の昇華が起り、組成のずれを生じる。ア
ニーリング時間は1〜50時間が好ましく、より好まし
くは2〜30時間、更に好ましくは3〜20時間であ
る。1時間未満では十分な還元が行われず、50時間を
超えると経済的でない。
場合のアニーリング温度は200〜1000℃が好まし
く、より好ましくは300〜1000℃、更に好ましく
は400〜1000℃である。200℃未満では十分な
還元が行われず、1000℃を超えると経済的でない。
アニーリング時間は上記と同様に1〜50時間が好まし
く、より好ましくは2〜30時間、更に好ましくは3〜
20時間である。上述のようにしてアニーリングした後
の焼結体は、アニーリング前に比べてその色が黒色化す
る。
結工程を行うことにより、または、前述した焼結工程ま
で行った後に必要に応じて上記のアニーリング工程を行
うことにより、目的とする本発明のターゲットT1を得
ることができる。このターゲットT1は、体積抵抗率が
5×10-2Ω・cm以下であることから、直流スパッタ
リング法によって製膜を行う際のターゲットとして用い
た場合にも異常放電が誘発されたり割れが生じたりしに
くいものである。また、当該ターゲットT1は、シート
抵抗が800Ω/□〜10kΩ/□の透明導電膜を直流
スパッタリング法や高周波スパッタリング法等のスパッ
タリング法によって安定して製膜することが可能なター
ゲットである。
本発明の方法IIは、前述したように、インジウム(I
n)酸化物および錫(Sn)酸化物と、チタン(T
i),イリジウム(Ir),イットリウム(Y),クロ
ム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(H
f),タンタル(Ta),コバルト(Co),ビスマス
(Bi)およびマンガン(Mn)からなる群より選択さ
れた少なくとも1種の金属元素についての酸化物との混
合酸化物を得る原料調製工程と、前記原料調製工程で得
られた混合酸化物を成形する成形工程と、前記成形工程
で得られた成形物を焼結する焼結工程とを含んでいる。
が、インジウム(In)酸化物と上記の群より選択され
た少なくとも1種の金属元素についての酸化物との他に
錫(Sn)酸化物を含んでいる点で前述した方法Iと異
なるが、この点を除けば、原料調製工程、成形工程およ
び焼結工程はそれぞれ前述した方法Iと同様にして行わ
れる。したがって、新たに加わった錫(Sn)酸化物に
ついてのみここでは詳しく説明し、原料調製工程におけ
る他の点ならびに成形工程、焼結工程および必要に応じ
て行うアニーリング工程の詳細については省略する。
錫(Sn)酸化物を含んでいる混合酸化物を得るわけで
あるが、当該混合酸化物を得るにあたっては、インジウ
ム(In)酸化物についての素原料および上記の群より
選択された少なくとも1種の金属元素についての酸化物
の素原料の他に、錫(Sn)についての酸化物,塩化
物,無機酸塩,水酸化物等を前記錫(Sn)酸化物の素
原料として用い、目的とする組成のターゲットT2が得
られるようにこれらの素原料をそれぞれ所定量づつ使用
する。方法IIにおいて使用する各素原料の純度は、前述
した方法Iにおけると同じ理由から99%以上であるこ
とが好ましく、より好ましくは99.9%以上、特に好
ましくは99.99%以上である。
経て得た酸化物焼結体の体積抵抗率が5×10-2Ω・c
mを超えている場合には、前述した方法Iにおけると同
様に、アニーリング工程を行うことにより体積抵抗率が
5×10-2Ω・cm以下の酸化物焼結体を得ることがで
きる。このアニーリング工程は、方法Iにおけると同様
にして行うことができる。
行うことにより、または、焼結工程まで行った後に必要
に応じて上記のアニーリング工程を行うことにより、目
的とする本発明のターゲットT2を得ることができる。
このターゲットT2は、前述したターゲットT1と同様
に体積抵抗率が5×10-2Ω・cm以下であることか
ら、直流スパッタリング法によって製膜を行う際のター
ゲットとして用いた場合にも異常放電が誘発されたり割
れが生じたりしにくいものである。また、当該ターゲッ
トT2は、シート抵抗が800Ω/□〜10kΩ/□の
透明導電膜を直流スパッタリング法や高周波スパッタリ
ング法等のスパッタリング法によって安定して製膜する
ことが可能なターゲットである。
(In2O3)粉末(平均粒径1μm)268gと純度9
9.5%の酸化チタン(TiO2)粉末(平均粒径1μ
m)32gとを素原料として用い、これらをエタノール
およびアルミナボールと共にポリイミド製ポットに入
れ、遊星ボールミルで2時間混合した。得られた混合粉
末を空気雰囲気中、1000℃で5時間仮焼した後、得
られた焼成物を再びエタノールおよびアルミナボールと
共にポリイミド製ポットに入れ、遊星ボールミルで2時
間粉砕した。上述のようにして得られた粉末に水とポリ
ビニルアルコールを添加し、混合した後、スプレードラ
イヤーで造粒して、インジウム酸化物とチタン酸化物と
からなる平均粒径10μmの混合酸化物を得た。
により100kg/cm2 の圧力で予備成形を行った
後、冷間静水圧プレス成型機で4t/cm2 の圧力で圧
密化して、直径4.1インチ,厚さ5.3mmの円板状
を呈する成形物を得た。
で4時間常圧焼結して、酸化物焼結体を得た。次に、こ
の酸化物焼結体の表面研磨を行ってその大きさを直径4
インチ,厚さ5mmとし、これによって目的とする酸化
物焼結体からなるターゲット(相対密度95%;ターゲ
ットT1の1つ)を得た。上記のターゲットから20m
m×40mm×5mmのテストピースを切り出し、その
体積抵抗率を四端子法により測定した。また、このテス
トピースを用いて、セイコー電子工業(株)製のSPS
−1500VRを用いたICP分析(誘導結合プラズマ
発光分光分析)によりその組成分析を行い、この結果に
基づいてインジウム(In)の原子比In/(In+T
i)およびチタン(Ti)の原子比Ti/(In+T
i)を求めた。これらの結果を表2に示す。
mmの円板状を呈する酸化物焼結体からなるターゲット
を作製し、このターゲットを用いての直流マグネトロン
スパッタリングをターゲット印加電力5W/cm2 の条
件で連続100時間行い、この間における異常放電の誘
発の有無およびターゲットの割れの有無を観察した。こ
のとき、ターゲットのバッキングプレートとしては銅製
のものを用い、ボンディング材としてはインジウム金属
を用いた。なお、異常放電の誘発の有無はチャンバーの
ビューポートから目視により観察した。また、ターゲッ
トの割れの有無は、異常放電が誘発された場合にはその
直後にターゲットを目視検査し、異常放電が誘発されな
かった場合には寿命試験後にターゲットを目視検査し
て、確認するものとした。これらの結果を表3に示す。
mmの円板状を呈する酸化物焼結体からなるターゲット
(ターゲットT1の1つ)を作製し、このターゲットを
用いて下記条件の直流マグネトロンスパッタリングによ
り、5cm(縦)×5cm(横)×1mm(厚さ)の大
きさの無アルカリガラス(コーニング社製の#705
9)上に膜厚15nmの透明導電膜を製膜した。
て、そのシート抵抗および比抵抗を求めた。これらの結
果を表3に併記する。なお、透明導電膜の膜厚はスロー
ン社製のDEKTAK3030を用いた触針法により測
定し、そのシート抵抗は三菱油化社製のロレスタFPを
用いた四端子法により測定し、その比抵抗はシート抵抗
に膜厚を乗じることにより算出した。さらに、上記の透
明導電膜について、大気中において130℃,400時
間の条件の耐熱試験を行い、試験前のシート抵抗R0 に
対する試験後のシート抵抗Rの値R/R0 を求めた。こ
の結果を表3に併記する。
(1)〜(3)と同様にして原料の調製、成形および焼
結を行って、実施例毎に目的とする酸化物焼結体からな
るターゲット(ターゲットT1の1つ)を計2枚ずつ得
た。◎これらのターゲットについて、実施例毎に2枚の
ターゲットうちの一方を用いてその体積抵抗率の測定お
よび組成分析を実施例1と同様にして行い、他方のター
ゲットを用いてその寿命試験および当該ターゲットを用
いての透明導電膜の製膜を実施例1(4)または(5)
と同様にして行い、更に、各透明導電膜については実施
例1で求めたと同じ項目を実施例1と同様にして求め
た。これらの結果を表2または表3に示す。
れぞれ省いたこと以外は実施例1(1)〜(3)と同様
にして原料の調製、成形および焼結を行って、目的とす
る酸化物焼結体からなるターゲット(ターゲットT1の
1つ)を計2枚得た。これらのターゲットのうちの一方
を用いてその体積抵抗率の測定および組成分析を実施例
1と同様にして行い、他方のターゲットを用いてその寿
命試験および当該ターゲットを用いての透明導電膜の製
膜を実施例1(4)または(5)と同様にして行い、更
に、透明導電膜については実施例1で求めたと同じ項目
を実施例1と同様にして求めた。これらの結果を表2ま
たは表3に示す。
(3)と同様にして原料の調製、成形および焼結を行
い、焼結後さらに真空焼結炉を用いて真空中950℃で
2時間熱処理することによりアニーリングを行って、目
的とする酸化物焼結体からなるターゲット(ターゲット
T1の1つ)を計2枚得た。これらのターゲットのうち
の一方を用いてその体積抵抗率の測定および組成分析を
実施例1と同様にして行い、他方のターゲットを用いて
その寿命試験および当該ターゲットを用いての透明導電
膜の製膜を実施例1(4)または(5)と同様にして行
い、更に、透明導電膜については実施例1で求めたと同
じ項目を実施例1と同様にして求めた。これらの結果を
表2または表3に示す。
(In2O3)粉末(平均粒径1μm)250gと純度9
9.5%の酸化チタン(TiO2)粉末(平均粒径1μ
m)20gと純度99.5%の酸化錫(SnO2)粉末
(平均粒径1μm)30gとを素原料として用い、他は
実施例1(1)〜(3)と同様にして原料の調製、成形
および焼結を行って、目的とする酸化物焼結体からなる
ターゲット(ターゲットT2の1つ)を計2枚得た。こ
れらのターゲットのうちの一方を用いてその体積抵抗率
の測定および組成分析を実施例1と同様にして行い、他
方のターゲットを用いてその寿命試験および当該ターゲ
ットを用いての透明導電膜の製膜を実施例1(4)また
は(5)と同様にして行い、更に、透明導電膜について
は実施例1で求めたと同じ項目を実施例1と同様にして
求めた。これらの結果を表2または表3に示す。
て純度が90.5%のものを用い、他は実施例1(1)
〜(3)と同様にして原料の調製、成形および焼結を行
って、酸化物焼結体からなるターゲットを計2枚得た。
これらのターゲットのうちの一方を用いてその体積抵抗
率の測定および組成分析を実施例1と同様にして行った
ところ、表2に示すように体積抵抗率が本発明の限定範
囲外のものであった。体積抵抗率の測定結果および組成
分析結果を表2に示す。また、他方のターゲットを用い
てその寿命試験および当該ターゲットを用いての透明導
電膜の製膜を実施例1(4)または(5)と同様にして
行い、透明導電膜については実施例1で求めたと同じ項
目を実施例1と同様にして求めた。これらの結果を表3
に示す。
(3)と同様にして原料の調製、成形および焼結を行っ
て、酸化物焼結体からなるターゲットを計2枚得た。こ
れらのターゲットのうちの一方を用いてその体積抵抗率
の測定および組成分析を実施例1と同様にして行ったと
ころ、上記のようにして得たターゲットはその相対密度
が75%(表2参照)と低いことから、表2に示すよう
に体積抵抗率が本発明の限定範囲外のものであった。体
積抵抗率の測定結果および組成分析結果を表2に示す。
また、他方のターゲットを用いてその寿命試験および当
該ターゲットを用いての透明導電膜の製膜を実施例1
(4)または(5)と同様にして行い、透明導電膜につ
いては実施例1で求めたと同じ項目を実施例1と同様に
して求めた。これらの結果を表3に示す。
用量を298gとし、かつ、酸化チタン(TiO2)粉
末の使用量を2gとし、他は実施例1(1)〜(3)と
同様にして原料の調製、成形および焼結を行って、酸化
物焼結体からなるターゲットを計2枚得た。これらのタ
ーゲットのうちの一方を用いてその体積抵抗率の測定お
よび組成分析を実施例1と同様にして行ったところ、表
2に示すように、上記のようにして得たターゲットは体
積抵抗率およびチタン(Ti)の原子比が共に本発明の
限定範囲外のものであった。体積抵抗率の測定結果およ
び組成分析結果を表2に示す。また、他方のターゲット
を用いてその寿命試験および当該ターゲットを用いての
透明導電膜の製膜を実施例1(4)または(5)と同様
にして行い、透明導電膜については実施例1で求めたと
同じ項目を実施例1と同様にして求めた。これらの結果
を表3に示す。
用量を191gとし、かつ、酸化チタン(TiO2)粉
末の使用量を109gとし、他は実施例1(1)〜
(3)と同様にして原料の調製、成形および焼結を行っ
て、酸化物焼結体からなるターゲットを計2枚得た。こ
れらのターゲットのうちの一方を用いてその体積抵抗率
の測定および組成分析を実施例1と同様にして行ったと
ころ、表2に示すように、上記のようにして得たターゲ
ットはチタン(Ti)の原子比が本発明の限定範囲外の
ものであった。体積抵抗率の測定結果および組成分析結
果を表2に示す。また、他方のターゲットを用いてその
寿命試験および当該ターゲットを用いての透明導電膜の
製膜を実施例1(4)または(5)と同様にして行い、
透明導電膜については実施例1で求めたと同じ項目を実
施例1と同様にして求めた。これらの結果を表3に示
す。
7で作製した各ターゲットは、直流マグネトロンスパッ
タリングによって透明導電膜を製膜するためのターゲッ
トして用いた場合でも、異常放電の誘発やターゲットの
割れを起こしにくいものである。これは、各ターゲット
の体積抵抗率が0.8×10-2〜3.9×10-2Ω・c
mと低い(表2参照)からである。
透明導電膜は、表3に示したように比抵抗が1.0×1
0-3〜9.4×10-3Ω・cmと高く、そのシート抵抗
も0.8kΩ/□〜8.2kΩ/□と高い。このような
電気的特性を有する実施例1〜実施例17の各透明導電
膜は、抵抗変化率R/R0 が1.1〜1.3と低い(表
3参照)ことと相俟って、入力精度が向上したアナログ
式のタッチパネルを得るための透明電極膜またはその材
料等として好適なものである。
び比較例3で作製した各ターゲットは、直流マグネトロ
ンスパッタリング用のターゲットとして用いた場合には
連続18時間または50時間スパッタリングを行った後
に異常放電の誘発およびターゲットの割れが起こり、長
時間の製膜には耐えられない。したがって、これらのタ
ーゲットを用いた直流マグネトロンスパッタリングによ
って透明導電膜を製膜する場合には、ターゲットを頻繁
に交換する必要が生じ、生産上、非効率的である。
ゲットを用いた直流マグネトロンスパッタリングにおい
て異常放電の誘発およびターゲットの割れが起こるの
は、これらのターゲットの体積抵抗率が20.0×10
-2Ω・cmまたは7.3×10-2Ω・cmと高いことに
起因している。そして、比較例1で作製したターゲット
の体積抵抗率が20.0×10-2Ω・cmと高いのは、
素原料として用いた酸化インジウム(In2O3)粉末の
純度が90.5%と低いことに起因しているものと推察
され、比較例3で作製したターゲットの体積抵抗率が
7.3×10-2Ω・cmと高いのは、チタン(Ti)の
原子比が1.2at%と低かったことに起因しているもの
と推察される。
積抵抗率が61.3×10-2Ω・cmと極めて高く、D
C放電そのものが起こらなかった。比較例2で作製した
ターゲットの体積抵抗率が61.3×10-2Ω・cmと
高いのは、焼結温度が800℃と低かったことからその
相対密度が75%という低い値にとどまったことに起因
しているものと推察される。
率が0.2×10-2Ω・cmと低く、直流マグネトロン
スパッタリングのターゲットとして用いた場合でも異常
放電の誘発およびターゲットの割れが起こりにくいもの
であるが、このターゲットを用いたときに得られる透明
導電膜の比抵抗は0.6×10-3Ω・cmと低い。した
がって、シート抵抗が800Ω/□以上の透明導電膜を
得るためにはその膜厚を8nm以下にする必要があり、
このように薄い膜は島状構造の域を脱しないため、実用
的でない。また、表3に示した抵抗変化率R/R0 の値
から明らかなように、当該透明導電膜は耐熱性の低い膜
であり、この点からも実用的でない。
ート抵抗が概ね800Ω/□〜10kΩ/□と高い透明
導電膜を生産上有利な直流スパッタリング法によって安
定して製膜することが可能になる。
Claims (9)
- 【請求項1】 インジウム(In)と、チタン(T
i),イリジウム(Ir),イットリウム(Y),クロ
ム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(H
f),タンタル(Ta),コバルト(Co),ビスマス
(Bi)およびマンガン(Mn)からなる群より選択さ
れた少なくとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成
元素とし、前記群より選択された金属元素の総量の原子
比(全金属原子)/(In+全金属原子)が2.0〜4
0at%である酸化物焼結体からなり、体積抵抗率が5×
10-2Ω・cm以下であることを特徴とするターゲッ
ト。 - 【請求項2】 インジウム(In)および錫(Sn)
と、チタン(Ti),イリジウム(Ir),イットリウ
ム(Y),クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハ
フニウム(Hf),タンタル(Ta),コバルト(C
o),ビスマス(Bi)およびマンガン(Mn)からな
る群より選択された少なくとも1種の金属元素と、酸素
(O)とを構成元素とし、前記インジウム(In)の原
子比In/(In+Sn+全金属原子)が60〜95at
%、前記錫(Sn)の原子比Sn/(In+Sn+全金
属原子)が2.8〜20at%、前記インジウム(In)
と前記錫(Sn)との合量の原子比(In+Sn)/
(In+Sn+全金属原子)が62.8〜98at%、前
記群より選択された金属元素の総量の原子比(全金属原
子)/(In+Sn+全金属原子)が2.0〜37.2
at%である酸化物焼結体からなり、体積抵抗率が5×1
0-2Ω・cm以下であることを特徴とするターゲット。 - 【請求項3】 インジウム(In)酸化物と、チタン
(Ti),イリジウム(Ir),イットリウム(Y),
クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフニウム
(Hf),タンタル(Ta),コバルト(Co),ビス
マス(Bi)およびマンガン(Mn)からなる群より選
択された少なくとも1種の金属元素についての酸化物と
の混合酸化物を得る原料調製工程と、 前記原料調製工程で得られた混合酸化物を成形する成形
工程と、 前記成形工程で得られた成形物を焼結する焼結工程とを
含み、 インジウム(In)と、チタン(Ti),イリジウム
(Ir),イットリウム(Y),クロム(Cr),ジル
コニウム(Zr),ハフニウム(Hf),タンタル(T
a),コバルト(Co),ビスマス(Bi)およびマン
ガン(Mn)からなる群より選択された少なくとも1種
の金属元素と、酸素(O)とを構成元素とし、前記群よ
り選択された金属元素の総量の原子比(全金属原子)/
(In+全金属原子)が2.0〜40at%で、体積抵抗
率が5×10-2Ω・cm以下である酸化物焼結体からな
るターゲットを得ることを特徴とするターゲットの製造
方法。 - 【請求項4】 インジウム(In)酸化物および錫(S
n)酸化物と、チタン(Ti),イリジウム(Ir),
イットリウム(Y),クロム(Cr),ジルコニウム
(Zr),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),コ
バルト(Co),ビスマス(Bi)およびマンガン(M
n)からなる群より選択された少なくとも1種の金属元
素についての酸化物との混合酸化物を得る原料調製工程
と、 前記原料調製工程で得られた混合酸化物を成形する成形
工程と、 前記成形工程で得られた成形物を焼結する焼結工程とを
含み、 インジウム(In)および錫(Sn)と、チタン(T
i),イリジウム(Ir),イットリウム(Y),クロ
ム(Cr),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(H
f),タンタル(Ta),コバルト(Co),ビスマス
(Bi)およびマンガン(Mn)からなる群より選択さ
れた少なくとも1種の金属元素と、酸素(O)とを構成
元素とし、前記インジウム(In)の原子比In/(I
n+Sn+全金属原子)が60〜95at%、前記錫(S
n)の原子比Sn/(In+Sn+全金属原子)が2.
8〜20at%、前記インジウム(In)と前記錫(S
n)との合量の原子比(In+Sn)/(In+Sn+
全金属原子)が62.8〜98at%、前記群より選択さ
れた金属元素の総量の原子比(全金属原子)/(In+
Sn+全金属原子)が2.0〜37.2at%で、体積抵
抗率が5×10-2Ω・cm以下である酸化物焼結体から
なるターゲットを得ることを特徴とするターゲットの製
造方法。 - 【請求項5】 原料調製工程において、純度が99%以
上である素原料を用いて混合酸化物を得る、請求項3ま
たは請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 原料調製工程において、所定の原料組成
物を仮焼して仮焼物を得た後に該仮焼物を粉砕して粉末
状の混合酸化物を得る仮焼・粉砕処理および/または所
定の原料組成物を造粒して粒状の混合酸化物を得る造粒
処理を行う、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載
の方法。 - 【請求項7】 焼結工程での焼結温度が1200〜16
00℃である、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記
載の方法。 - 【請求項8】 焼結工程で得た焼結体をアニーリングす
るアニーリング工程を含む、請求項3〜請求項7のいず
れか1項に記載の方法。 - 【請求項9】 アニーリング工程でのアニーリング温度
が200〜1000℃である、請求項8に記載の方法。
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