JPH0920940A - 不溶相を含む合金およびその製造方法 - Google Patents

不溶相を含む合金およびその製造方法

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JPH0920940A
JPH0920940A JP7348722A JP34872295A JPH0920940A JP H0920940 A JPH0920940 A JP H0920940A JP 7348722 A JP7348722 A JP 7348722A JP 34872295 A JP34872295 A JP 34872295A JP H0920940 A JPH0920940 A JP H0920940A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は細かく分割された層を含む合金の新規な鋳造方
法に関する。ある融点を有する溶融金属の浴を用意す
る。この溶融金属の融点より高い融点を有する細かく分
割された固体金属を、その溶融金属中に導入する。細か
く分割された金属が溶融金属と反応し、溶融金属中に固
相を形成する。次いで溶融浴を混合して固相を溶融金属
中に分散させる。次いで、溶融合金を、固相を含む固体
物体に鋳造する。固相はマトリックス中に不溶性であ
り、細かく分割された固体の初期の大きさに関連した大
きさを有する。本発明の合金は、本質的に、アルミニウ
ム約3〜40重量%、ニッケル約0.8〜25重量%、
銅約0〜12重量%、残りが亜鉛および不可避な不純物
からなる。この合金は、亜鉛含有マトリックスおよびそ
のマトリックス全体に分散したニッケル含有アルミナイ
ド(aluminide)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不溶性金属相を含む合
金の製造方法に関するものであり、特に、ホットチャン
バーダイカスト技術により鋳造される亜鉛合金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ある種の合金系は、金属間析出物により
機械的特性を強化している。金属間化合物は、高温にお
ける合金の強度を増加するのに特に効果的である。一般
的に金属間化合物は、合金の凝固および冷却の際に最初
に形成される。次いで、金属間析出物の大きさおよび分
布を調整するために、均質化および析出熱処理を行な
う。金属間析出物がマトリックス中に不溶である場合、
析出物の大きさおよび分布を調整するのは極めて困難で
ある。
【0003】融点が比較的低いために、亜鉛および亜鉛
系合金の強度は、比較的小さな温度増加でも大きく低下
する。例えば、100℃におけるクリープ強度ならびに
引張強度および降伏強度は、一般的に室温強度の65〜
75%に低下する(ASMメタルハンドブック、第10
版、第2巻、529頁)。一次クリープ抵抗は、一般的
に、一次相(近共融組成物)の体積を減少させ、銅の様
な元素と合金化することにより改良される。
【0004】市販の亜鉛合金の中で、ZA−8(UNS
Z35636 Al8〜8.8%、Cu0.8〜1.
3%、Mg0.015〜0.030%、Cd最高0.0
04%、Fe最高0.06%、Pb最高0.005%、
Sn最高0.003%、残りZn)は、最も高い一次ク
リープ抵抗を有する(Zn−Al二元合金では、共融組
成物は6%Alである)。この効果は高体積部分(30
体積%)のセラミック粒子を含む亜鉛−アルミニウム合
金で確認されており、そこではクリープ率の同程度の差
がZA−8合金に関して観察されている(Tangら、“加
圧ダイカストZA−8/TiB2 、複合材料のクリープ
試験”、Advances in Science, Technology and Applic
ations of Zn-Al Alloys、Villasenorら編集、199
4)。
【0005】亜鉛合金におけるクリープ抵抗は、一次デ
ンドライトのサイズを小さくする加工技術により、また
はセラミック分散相を加えることにより改良されてい
る。デンドライトのサイズは、凝固速度を増加させる
か、あるいは半固体状態で合金を混合する(レオキャス
ティング)ことにより小さくしている。半固体金属のレ
オキャスティングは、1970年代にM. Flemings およ
びR. Mehrabianにより開発された。レオキャスティング
の例は、米国特許第3,902,544号明細書および
第3,936,298号明細書に記載されている。レオ
キャスティングでは、部分的に凝固した金属を攪拌して
デンドライトを破壊し、固体−溶体のマッシュを形成す
る。この固体−溶体のマッシュは、チキソトロピー性の
レオロジー特性を示し、射出成形およびダイキャスティ
ングにより固体体積部分の高い鋳造を行なうことができ
る。
【0006】上記レオキャスティングの開発者、その他
は、チキソトロピー性の半固体金属にセラミック粒子を
配合することも提案している(Mehrabian ら、“金属粒
子非金属複合材料の製造およびキャスティング”、Met.
Trans. A.、第5巻、(1974)1899〜1905
頁)。この技術の欠点は、金属/セラミック系が化学的
に不安定な場合があることである。セラミック粒子は金
属マトリックスと反応し、補強相を劣化させ、粒子/マ
トリックスの界面で好ましくない脆い相を形成すること
がある。セラミック添加のもう一つの欠点は、適当な補
強材の選択が、密度の差または濡れ現象に伴う混合の問
題によっても左右されることである。ある種のホウ化物
または炭化物の様な粒子は、マトリックス金属のコスト
と比較して、コスト的に不利である場合がある。
【0007】上記のレオキャスティングにより鋳造され
た材料の形態は一般的に、Zn−10Cu−2Sn、3
04ステンレス鋼およびSn−Pb合金に関して直径が
100〜400ミクロンの一次デンドライトにより特徴
付けられる。より細かい35〜70μmのオーダーの粒
子径が、ZA−27合金(UNS Z35841 Al
25.0〜28.0%、Cu2.0〜2.5%、Mg
0.010〜0.020%、Cd最高0.004%、鉄
最高0.06%、Pb最高0.005%、Sn最高0.
003%、残りZn)に関してLehuy 、Masounave およ
びBlain により報告されている(“攪拌鋳造亜鉛−アル
ミニウム合金のレオロジー挙動および微小構造”、J. M
at. Sci.、20(1985)、105〜113頁)。Le
huy らによれば、35%を超える固体の体積部分に対し
て集合が起こり、融解温度の増加と共に粒子径分布は低
下する傾向がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、不溶
性金属相の大きさおよび分布を制御する方法を提供する
ことである。本発明の別の目的は、半固体製法または
“マッシュキャスティング”により、不溶性金属相を含
む亜鉛系合金を製造する方法を提供することである。本
発明の別の目的は、高温におけるクリープ抵抗が改良さ
れた亜鉛合金を提供することである。本発明の別の目的
は、保持および凝固時間を容易に引き伸すことができる
安定した亜鉛合金の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、細かく分割さ
れた相を含む合金を鋳造する新規な方法を提供する。あ
る融点を有する溶融金属の浴を用意し、この溶融金属の
融点より高い融点を有する細かく分割された固体金属
を、その溶融金属中に導入する。細かく分割された金属
が溶融金属と反応し、溶融金属中に固相を形成する。次
いで溶融浴を混合して、固相を溶融金属中に分散させ
る。次いで、溶融合金を、固相を含む固体物体に鋳造す
る。固相はマトリックス中に不溶性であり、細かく分割
された固体の初期の大きさに関連した大きさを有する。
本発明の合金は、本質的に、アルミニウム約3〜40重
量%、ニッケル約0.8〜25重量%、銅約0〜12重
量%、残りが亜鉛および不可避な不純物からなるのが有
利である。この合金は、亜鉛含有マトリックスおよびそ
のマトリックス全体に分散したニッケル含有アルミナイ
ド(aluminide)を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】細かく分割した固体金属を、その
固体金属よりも低い融点を有する溶融合金に加えた場
合、固体金属および溶融合金は反応して新しい不溶相を
形成し得ることが分かった。本明細書では、不溶相と
は、通常の加熱処理による高温で24時間以内に固体マ
トリックス中に拡散し得ない相、として定義される。不
溶相は、固体金属の量が溶融物を過飽和させるのに十分
であれば、溶融合金の中で安定したマッシュ(mush)を形
成する。一般的に、その様なマッシュキャスティング技
術により製造される合金の最終的な機械的特性(引張強
度、クリープ強度)は、粒子径が細かくなるにつれて、
および不溶相の体積部分が増加するにつれて向上する。
【0011】本発明の方法は、細かく分割された、安定
した不溶相を含む合金を鋳造する独特な方法を提供す
る。細かく分割した固体を溶融金属中に導入する。溶融
金属の融点より高い融解温度を有する細かく分割された
固体は、溶融金属中に溶解しない。しかし、細かく分割
された固体金属は溶融金属と反応し、溶融金属中に固相
を形成する。金属が反応して金属間化合物相を形成する
のが最も有利である。溶融金属の浴を混合して固相を溶
融金属全体に分散させる。本明細書では、混合の工程
は、溶融金属中に分散した固相の一様性を高めるすべて
の工程と定義される。次いで、混合物を鋳造して固体の
物体を製造する。鋳造された固相は、細かく分割された
金属の初期の大きさに関連するサイズプロファイルを有
する。例えば、より小さな粒子を使用してより小さな固
相の種にすることができる。さらに、固相は固体物体の
マトリックスには不溶であり、優れた相安定性を与え
る。
【0012】不溶相粒子は、平均粒子径が約100ミク
ロン未満であるのが有利である。粒子径を約50ミクロ
ンに限定することにより、合金の強度がさらに増加す
る。強度を改良するために、粒子径を約20ミクロンに
限定するのがより有利である。最適な材料性能を得るに
は、不溶性粒子の粒子径を約1〜20ミクロンにするの
が最も有利である。
【0013】さらに、溶体組成が変化する様に、固体材
料は溶融合金の成分と反応し得るのが好ましい。出発合
金および細かく分割された固相の望ましい体積部分を適
切に選択することにより、マッシュ合金の熱的特性は、
様々な加工条件に特別に適合させることができる。
【0014】
【実施例】以上に、本発明を実施例によりさらに説明す
る。下記の実施例は、二元Zn−AlおよびZn−Ni
ダイアグラム(M. Hansen、二元合金の構成、(193
6)162〜68および963〜69頁)ならびにZn
−Al−Ni三元ダイアグラムの高Zn末端(Raynor
ら、“アルミニウム、遷移金属および2価金属により形
成される三元合金”、ACTA METALLURGICA 、第1巻、
(1953年11月)637〜38頁)を参考にして製
造した。
【0015】実施例1 粒子径3〜7ミクロンの純粋ニッケル粉末(INCO Limit
ed 123)を、500〜600℃に保持した純粋亜鉛に加
えた。ニッケルの添加は2〜5重量%で行ない、Ni−
Zn二元相ダイアグラムによりシグマ相(Ni3
22)が2.4重量%以上形成されると予想された。混
合物を30秒間攪拌し、グラファイト製の型に流し込ん
だ。試料の微小構造は、純粋亜鉛マトリックス中にシグ
マ相の細かい析出物を含んでいた(図1)。第二相の平
均粒子径は、20ミクロン未満であった。
【0016】類似の実験を粗いニッケル粉末(+75μ
m)で行ない、直径約75μmの純粋ニッケルの未反応
コアからなる大きな粒子が形成され、シグマ相はこれら
の粒子の周りに“太陽光パターン”で、および亜鉛相の
中に分散していた。
【0017】実施例2 ニッケル123粉末(1〜7重量%)を、亜鉛ダイキャ
スティング合金No. 3(UNS Z33520 Al
3.5〜4.3%、Mg0.02〜0.05%、Cd最
高0.004%、Cu最高0.25%、Fe最高0.1
00%、Pb最高0.005%、Sn最高0.003、
残りZn)に550℃で加えた。作成した冷却曲線か
ら、アルミニウムがAl2 Ni3 として溶液から次第に
除去され、亜鉛濃度の高い溶体が残されることが確認さ
れた。マッシュ合金の凝固点はニッケル含有量の増加と
共に上昇し、この合金はホットチャンバーダイカストに
は不適当になった。アルミニウム相の平均粒子径は20
〜30ミクロンで、マッシュの凝固および再融解の時に
安定していることが分かった(図2)。
【0018】ニッケルを小球(5〜10mmペレット)と
して加え、類似の実験を行なった。ニッケルが550℃
で亜鉛合金溶融物と反応するのに数時間かかり、得られ
たアルミナイド相は一般的に50〜75μmであった。
【0019】実施例3 Ni123粉末約5.5重量%を、亜鉛合金ZA−8
(UNS Z35636)に550℃で加えた。ニッケ
ル粉末が溶融物に取り込まれ、マッシュが形成された
後、温度を450℃に下げ、数時間攪拌した。マトリッ
クス相の平衡組成は、アルミニウム合金No. 3(一次亜
鉛+共晶)にほぼ対応し、Niの分散物はNi2 Al3
およびNiAl3 の金属間化合物を化学量論的な量で含
んでいた。Niの一部がZnに置き換えられていた(平
均1.5重量%)。アルミナイド相の平均粒子径は10
〜30μmであり、これは48時間を超える凝固および
再融解の後でも安定していた(図3)。
【0020】上記の実験を、実施例2と同様にしてニッ
ケル小球で繰り返した。粒子は一般的に、NiAl3
子で取り囲まれたNi2 Al3 粒子の固まりとして存在
し、大きさは10〜50μmであった。上記の相に微小
硬度測定を行なった。アルミナイド相のビカー微小硬度
は、Al2 Ni3 相およびAlNi3 相に対してそれぞ
れ約480Hvおよび820Hvであった。これらの値は、
一次亜鉛硬度70〜80Hvおよび共晶微小硬度80〜1
00Hvに良く対応している。
【0021】実施例4 Ni123粉末約5.5重量%を、亜鉛合金ZA−12
(UNS Z35631Al10.5〜11.5%、C
u0.5〜1.25%、Mg0.015〜0.030
%、Cd最高0.004%、Fe最高0.06%、Pb
最高0.005%、Sn最高0.003%、残りZn)
に550℃で加えた。温度を450℃に下げ、マッシュ
を数時間攪拌した。マッシュを凝固させ、グラファイト
製の型で試料を鋳造した。微小構造は、大体ZA−8組
成物(一次Zn−Al+共晶)のマトリックスおよび平
均直径が10〜20μmのNiAl粒子からなっていた
(図4)。マッシュの凝固点は約383℃で、これはZ
A−8合金の凝固点に近く、したがってホットチャンバ
ーダイカストに適している。
【0022】次いで、この合金を、コールドチャンバー
ダイカスト機械を使用し、平らな、および丸い引張棒の
形態に鋳造した。室温における1/4"丸棒引張試験の結果
は、ニッケルで補強した材料の強度および伸長が、同様
に鋳造したZA−8合金のそれよりも劣っていることを
示している(それぞれ、310 MPa、0.8%対380
MPa、4%)。120℃における高温試験で、はるかに
近い結果が得られた(それぞれ、170 MPa、5.5%
対180 MPa、30%)。
【0023】ニッケルで補強した合金の伸長が低下した
ことは、120℃におけるクリープ抵抗がZA−8合金
よりも改良されていることを示している。クリープ強度
に関しては、平らな引張棒を一定負荷20 MPaまたは3
0 MPaおよび一定温度120℃で試験した。これらの結
果は、最も高いクリープ強度を有する亜鉛−アルミニウ
ムダイキャスティング合金であるZA−8合金に十分匹
敵する(図5)。20MPaにおける結果は、ニッケル含
有マッシュ合金はクリープ率がZA−8合金より5倍改
良されていることを示している。
【0024】補強相の体積部分が高くなるとクリープ強
度がさらに改良されることが期待される。この実施例4
でZA−12合金に添加したニッケルの量は、ZA−8
組成物の鋳造マトリックスに近付けるために5.5重量
%であった。ニッケルのすべてがNiAl3 として消費
されたと仮定して、得られた金属間化合物相の体積部分
は約12体積%であった。したがって、以前に確認され
たTangらのTiB2 におけるよりも低い量の補強相でク
リープ抵抗が著しく改良されている。
【0025】実施例5 約12重量%のニッケル123粉末を、亜鉛合金ZA−
27(UNS Z35841)に550℃で徐々に加え
た。混合物を一定して攪拌したが、高体積部分のアルミ
ナイド相が形成され(>30体積%)、効率的な混合が
困難になった。前の2実施例の様に凝固させずに温度を
下げることはできなかった。微小構造は、2つの金属間
補強相を有するZA−8組成物に近いマトリックスを示
している(図6)。平均粒子径は、前の実施例と同様に
融解および凝固の後で75μmのオーダーであった。こ
れらの相は、SEMにより分析したところ、化学量論的
な量のNiAl3 およびNi2 Al3 からなることが分
かったが、“Ni2 Al3”相中に10重量%までの濃
度で銅が観察された。銅はマトリックスの強度に貢献
し、クリープ機構を阻止する上で重要な役割を果たすの
で、マトリックス中の溶体から銅を除去することによ
り、悪影響が生じた。
【0026】実施例6 実施例6は、本発明のニッケル粉末マッシュキャスティ
ング法で製造したマグネシウム−アルミニウム−ニッケ
ル合金に関して予想される結果を例示する。Al9重量
%、Zn0.7重量%、Mn0.2重量%を含み、残り
がマグネシウムであるAZ91合金を最初に融解させ
る。この合金に、攪拌しながら、追加のニッケル123
粉末4重量%を徐々に混合する。次いで、この溶融物
に、さらにアルミニウムをアルミニウム3原子対ニッケ
ル1原子の原子比で加える。アルミニウムはニッケルと
反応し、溶融したAZ91合金と固体Al3 Ni粒子の
安定したマッシュを形成する。Al3 Ni粒子はマトリ
ックス中に不溶であり、合金の高温クリープ抵抗を大き
く増加すると考えられる。
【0027】以上述べたこれらの実施例は、マグネシウ
ム、マグネシウム系合金、亜鉛および亜鉛系合金に細か
いニッケル粉末を添加することにより、安定したマッシ
ュ合金を製造できることを示している。また、本発明の
方法は、細かく分割したニッケル粒子を含むアルミニウ
ムまたはアルミニウム系合金にも有効であると期待され
る。本発明の方法は、マグネシウム系または亜鉛系合金
に使用するのが最も有利である。
【0028】本発明の方法は、従来の合金化技術では製
造できない亜鉛−アルミニウム−ニッケル合金に、特に
有効である。亜鉛−アルミニウム合金は、ニッケルの融
解温度より低い温度で蒸発するので、従来の合金化技術
はニッケルを含む亜鉛−アルミニウム合金には有効では
ない。好ましくは、得られたマトリックス相、したがっ
て合金の凝固点がホットチャンバーダイカストが可能な
範囲内に入る様にニッケルの添加を決定する。亜鉛−ア
ルミニウム合金系に関して、上記の実施例は、共融のど
ちらかの側で最終的な溶体組成物、つまり近ZA−8ま
たはNo. 3合金組成物、を製造できることを立証してい
る。さらに、一次相の体積を減少させることにより、近
共融マトリックス組成物も同様に優れた特性を有すると
思われる。ダイキャスティング用途に関して、本発明
は、純粋な亜鉛の凝固点(420℃)より低い、その凝
固点までの、あるいはさらにそれより高い凝固点を有す
る合金組成物に広げることができる。溶融金属は、鋳鉄
成分でダイキャスティングできる様に、480℃未満の
融点を有するのが有利である。さらに、鋳造目的に適当
な過熱度を得るために、合金は400℃未満で凝固する
のが最も有利である。
【0029】これらの実施例は、補強金属間化合物相の
粒子径が、添加される細かい固体粉末の大きさに関連す
ることも立証している。製造される固相の大きさを制御
するには、少なくとも1方向で75ミクロン未満の大き
さを有する粒子を使用するのが有利である。最良の結果
を得るには、10ミクロン未満の平均粒子径を使用す
る。最も細かいニッケル粉末(3〜7μm)の添加によ
り、最良の混合条件下で約10〜20μmの金属間粒子
径が得られる。マッシュ合金の最も優れた機械的特性
は、最も細かい微小構造で得られた。しかし、約1μm
ニッケル粒子で製造した合金は凝集する傾向があった。
粒子の成長は、最初の1時間の混合に限られ、その後、
マッシュは長い保持時間(48時間以上)の間、および
凝固および再融解操作の後も安定していた。ニッケル粒
子の大きさは約1〜75μmであるのが有利である。
【0030】下記の表1の範囲から選択した範囲を、亜
鉛系合金に使用するのが有利である。 表1 広い 中間 狭い アルミニウム 3〜40 6〜35 8〜30 ニッケル 0.8〜25 2〜20 3〜15 銅 0〜12 0〜8 0.5〜6 マグネシウム − 0〜0.2 0〜0.1 鉄 − − 0〜0.2 鉛 − − 0〜0.1 カドミウム − − 0〜0.1 スズ − − 0〜0.1 亜鉛 残り+ 残り+ 残り+ 不可避な不純物 不可避な不純物 不可避な不純物
【0031】アルミニウムは、合金の融点を下げ、クリ
ープ抵抗を増加するのに役立つ。クリープ抵抗には、少
なくとも約3重量%のニッケルを使用するのが有利であ
る。少なくとも約6重量%、最も好ましくは約8重量%
のアルミニウムを加えることにより、融点を420℃未
満に下げ、クリープ抵抗を効果的に増加する(亜鉛−ア
ルミニウム合金はニッケルの融点未満で蒸発する)。高
濃度のアルミナイド金属間化合物が望ましい場合、アル
ミニウムを約40重量%まで加えることができる。しか
し、好ましくない延性低下を防ぐためには、アルミニウ
ムは約35重量%までに制限するのが有利であり、最も
好ましくは約30重量%までに制限する。
【0032】ニッケルは、不溶性のニッケルアルミナイ
ドを形成するために添加する。クリープ抵抗を大きく増
加させるには、少なくとも約0.8重量%のニッケルが
必要である。好ましくは少なくとも約1重量%、最も好
ましくは少なくとも約2重量%のニッケルを加えて高温
クリープ抵抗を改良する。剛性があり、耐クリープ性の
合金を形成するには、約25重量%までのニッケルを加
えることができる。しかし、室温における延性を維持す
るには、合金中のニッケルを好ましくは約20重量%ま
で、最も好ましくは約15重量%までに制限する。
【0033】所望により、マトリックスの強度およびク
リープ抵抗を高めるために、約12重量%までの銅を加
える。延性を維持するには、銅を好ましくは約8重量%
に、最も好ましくは約6重量%に制限する。強度および
クリープ抵抗の増加には、約0.5重量%の銅を加える
のが最も有利である。
【0034】強度増加には、マグネシウムを約0.2重
量%まで加えることができる。例えば、少なくとも約
0.001重量%のマグネシウムを加えることは、合金
の強度増加に貢献する。過度の延性低下を防止するため
に、マグネシウムは約0.1重量%に制限するのが最も
有利である。
【0035】ステップロスを抑えるには、鉄を約0.2
重量%に制限するのが最も有利である。最後に、粒子内
腐食損失を防止するために、鉛、カドミウムおよびスズ
をそれぞれ約0.1重量%に制限するのが有利である。
【0036】亜鉛−ニッケル系を使用する場合、ニッケ
ルは亜鉛と反応してNi3 Zn22相を形成する。亜鉛−
アルミニウム−ニッケル合金に関して、2種類の基本的
に化学量論的な金属間化合物相が形成されたことが観察
された。亜共晶合金に関して、三元Zn−Al−Niダ
イアグラムの公知の区域(高亜鉛末端)に良く対応する
Ni2 Al3 だけが生じることが分かった。ニッケル添
加量に応じて補強相の収量が最大になり、亜共晶合金中
にNiAl3 が形成される。ZA−27合金中では、高
ニッケル添加量でNi2 Al3 相が生じることが分かっ
た。さらに、比較的少量の三元Zn−Al−Ni相も生
じることがある。この相の形成により、一次Zn−Al
中の溶体から銅も除去された。したがって、NiAl3
を形成し、それによって添加できるニッケル粉末の最大
量が制限され、その結果、補強相の体積部分も制限され
るのが最も有利である。この限界は、ZA−9合金に添
加するNiの約5.5重量%〜ZA−27に添加するN
iの約12重量%の間にあることが分かった。ニッケル
アルミナイドが形成される場合、溶融物を攪拌し、ニッ
ケルアルミナイドの分布を維持することが重要である。
【0037】マグネシウムを基材とする系は、亜鉛を基
材とする系に直接類似していると考えられる。マグネシ
ウム−アルミニウム合金は、ニッケル粒子と組み合わせ
て使用するのが最も有利である。ニッケル粒子は、溶融
したアルミニウムと容易に反応し、ニッケルアルミナイ
ドを含むマッシュを形成する。ニッケルアルミニウム合
金は、アルミニウム約3〜43%およびニッケル2〜1
0%を含むのが有利である。
【0038】当業者には明らかな様に、グラファイト、
切断した炭素繊維、切断した被覆ガラス繊維、およびセ
ラミック粒子の様な他の材料も、鋳造の前に、この安定
したマッシュに加えることができる。安定した固体−溶
体マッシュにより、軽い粒子の上昇が阻止され、マッシ
ュに加えられた材料が均一に分布される。また、米国特
許第3,753,694号明細書にBadia らにより記載
されている様に、溶融物に加える前に、グラファイト、
切断した炭素繊維、切断した被覆ガラス繊維、およびセ
ラミック粒子の様な粒子状固体にニッケル被覆したもの
を使用し、固体の迅速な濡れを促進し、溶融物中に取り
入れるのも有利である。
【0039】本発明の方法が効果的に働くと考えられる
系には、Zn−NiおよびZn−Al−Ni合金系に加
えて、Zn−CuおよびZn−Fe合金ならびに関連す
る三元および多元合金系も含まれる。
【0040】法律の規定により本発明の具体的な実施態
様を例示し説明したが、当業者には、請求項により規定
される本発明の形態内で変形が可能であり、本発明の特
定の特徴を、他の特徴を対応して使用せずに、有利に使
用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】細かいニッケル粉末を加え、マッシュを500
℃で30秒間混合することによりマッシュキャスティン
グしたZn−5Ni合金の顕微鏡写真(倍率約600
X)。
【図2】24時間保持後に鋳造した、ニッケル123粉
末5.5%を含む亜鉛合金No.3の顕微鏡写真(倍率約
100X)。
【図3】48時間保持後に鋳造した、ニッケル123粉
末5.5%を含む亜鉛合金ZA−8の顕微鏡写真(倍率
約200X)。
【図4】450℃で24時間後の、ニッケル123粉末
5.5%を含む亜鉛合金ZA−12の顕微鏡写真(倍率
約200X)。
【図5】120℃、負荷20 MPaにおける、Ni5.5
%を含むZA−12合金のひずみ 対 時間のグラフ。
【図6】550℃で48時間後に鋳造した、Ni12重
量%を含む亜鉛合金ZA−27の顕微鏡写真(倍率約2
00X)。
フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ、アレクサンダー、エバート、 ベル カナダ国オンタリオ州、オークビル、ショ アーライン、ドライブ、3217 (72)発明者 カーロス、マヌエル、ディアス カナダ国オンタリオ州、ミシソーガ、ラド リー、ロード、210 (72)発明者 ティース、エルケス カナダ国オンタリオ州、オークビル、デボ ン、ロード、2078 (72)発明者 トーマス、フランシス、スティーブンソン カナダ国オンタリオ州、トロント、インデ ィアン、ロード、593 (72)発明者 スコット、トーマス、キャンベル カナダ国オンタリオ州、オークビル、マン フィールド、ドライブ、1489 (72)発明者 ジョン、フランシス、ブレナン カナダ国オンタリオ州、ハミルトン、アイ アンウッド、クレセント、17 (72)発明者 アントニー、エドワード、モーリーン、ワ ーナー カナダ国オンタリオ州、バーリントン、オ ークウッド、コート、304

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細かく分割された相を含む合金を鋳造する
    方法であって、 ある融点を有する溶融金属の浴を用意する工程、 前記溶融金属の融点より高い融解温度を有する細かく分
    割された固体金属を前記溶融金属中に添加する工程、 前記細かく分割された固体金属を前記溶融金属と反応さ
    せ、溶融金属中に、溶融金属および細かく分割された固
    体を含んでなる固相を形成する工程、 前記溶融金属の浴を混合して前記固相をこの溶融金属中
    に分散させる工程、および前記溶融金属および分散した
    固相を鋳造し、前記固相および固体マトリックスを含む
    固体物体を形成する工程とを含んでおり、前記固相が、
    前記細かく分割された固体金属の初期の大きさに関連し
    た大きさを有し、この固相が前記固体マトリックス中に
    不溶であることを特徴とする合金製造方法。
  2. 【請求項2】細かく分割された相を含む合金を鋳造する
    方法であって、 マグネシウム系合金および亜鉛系合金からなる群から選
    択された合金である、ある融点を有する溶融金属の浴を
    用意する工程、 前記溶融金属の融点より高い融解温度を有する細かく分
    割された固体金属を、前記溶融金属中に添加する工程、 前記細かく分割された固体金属を前記溶融金属中で反応
    させ、この溶融金属中に、この溶融金属および細かく分
    割された固体を含んでなる固相を形成する工程、 前記溶融金属の浴を混合して前記固相をこの溶融金属中
    に分散させる工程、および前記溶融金属および分散した
    固相を鋳造し、前記固相および固体マトリックスを含む
    固体物体を形成する工程とを含んでおり、前記固相が、
    前記細かく分割された固体金属の初期の大きさに関連し
    た大きさを有し、この固相が前記固体マトリックス中に
    不溶であることを特徴とする合金製造方法。
  3. 【請求項3】ニッケル粒子を亜鉛−アルミニウム合金中
    に添加し、このニッケル粒子をこの亜鉛−アルミニウム
    合金のアルミニウムと反応させ、ニッケルアルミナイド
    および三元Zn−Al−Ni化合物からなる群から選択
    された金属間化合物を形成することを特徴とする請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】重量%で、アルミニウム3〜40%、ニッ
    ケル0.8〜25%、銅0〜12%、残りが亜鉛および
    不可避な不純物からなる合金であって、この合金が亜鉛
    含有マトリックスを有し、この亜鉛含有マトリックス全
    体にニッケルアルミナイドが分散しており、このニッケ
    ルアルミナイドが、平均1〜75μmの大きさを有する
    ニッケル粉末から形成されることを特徴とする合金。
  5. 【請求項5】重量%で、アルミニウム8〜30%、ニッ
    ケル3〜15%、銅0.5〜6%、マグネシウム0〜
    0.1%、鉄0〜0.2%、鉛0〜0.1%、カドミウ
    ム0〜0.1%およびスズ0〜0.1%を含み、ニッケ
    ルアルミナイドの大きさが平均1〜20μmであること
    を特徴とする請求項4に記載の合金。
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