JPH09209864A - 電動燃料ポンプにおけるベーパーロック防止機構 - Google Patents

電動燃料ポンプにおけるベーパーロック防止機構

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JPH09209864A
JPH09209864A JP2298397A JP2298397A JPH09209864A JP H09209864 A JPH09209864 A JP H09209864A JP 2298397 A JP2298397 A JP 2298397A JP 2298397 A JP2298397 A JP 2298397A JP H09209864 A JPH09209864 A JP H09209864A
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一生 花井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段式の電動燃料ポンプにおいてベーパーロ
ックの防止を各段について共通の部材を利用しまた特別
な加工を要せずコンパクトなポンプ構造で行うことがで
きるベーパーロック防止機構の提供。 【解決手段】 複数のポンプ室15,16を備えたポン
プ部4を有する多段式の電動燃料ポンプにおいて、ポン
プ室15,16のうちのいずれかのポンプ室における出
口穴19の面積と該ポンプ室の流路の断面積との比を適
宜設定することにより、出口穴19の上流側の燃料圧力
が燃料のベ―パ抜けに適した所定の圧力以上となるよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電動燃料ポンプに
おけるベ―パ―ロック防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動燃料ポンプにおいては高温時
にポンプ室内で発生しあるいは吸込み時に巻込んだ燃料
ベ―パを排出してベ―パ―ロックを防止するため例えば
特開昭第62−214294号公報に示されるように、
ポンプ室の一部にポンプ外に通ずるベ―パ―ジェットを
設ける構成が採用されている。このようなベ―パ―ジェ
ットは通常ポンプ室(多段式のポンプにおいては吸込み
側のポンプ室)の高圧側に1ヶ所設けられているが、ベ
―パが多量に発生した場合、例えば特に燃料として将来
よ多量の需要が予想される軽質ガソリンを利用したよう
な場合には、ベ―パ―はポンプの通路内に幅広く存在す
ることとなってベ―パジェットを通過し、その後流まで
も拡がり、最悪時にはベ―パ―ロックしてしまうことと
なっていた。
【0003】このような多量のベ―パを逃がすにはベ―
パジェットの径を大きくし又はより高圧側位置に設ける
ことによりベ―パの排出能力を向上させることが考えら
れるが、この場合にはベ―パ―ジェットを介する燃料の
漏れ量が大きくなるためポンプの吐出流量低下が大きく
なり、常温性能が低下する。
【0004】このため本出願人による実開昭第63−1
00686号公報の電動燃料ポンプでは、2段式の電動
燃料ポンプにおいて第1段のポンプ室のインペラの厚さ
及び羽溝深さを第2段のポンプ室のものよりも大きく設
定してポンプ能力を上げ、第1段のポンプ室内の燃料圧
力の上昇勾配を高めることにより発生ベ―パを早期に消
滅させあるいはベ―パ―ジェットからのベ―パ―排出を
効率的に行う構成を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
第63−100686号の電動燃料ポンプは第1段のポ
ンプ室のインペラの厚さ及び羽溝深さを第2段のポンプ
室のものよりも大きく設定するものであるから、各段に
ついて共通の部材を利用できず、特別な加工を要するが
上にポンプ全体の寸法が大きくなってしまうため、より
改良が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のベ―パ―ロック
防止機構は複数のポンプ室を備えたポンプ部を有する多
段式の電動燃料ポンプにおいて、前記ポンプ室のうちの
いずれかのポンプ室における出口穴の面積と該ポンプ室
の流路の断面積との比率を適宜設定することにより、前
記出口穴の上流側の燃料圧力が燃料のベ―パ抜けに適し
た所定の圧力以上となるように構成してある。また、前
記ポンプ部がウエスコ型式のものであり、前記出口穴の
面積と該ポンプ室の流路の断面積との比率は0.5以上
1.4以下の値に設定するのが好ましく、この構成は特
に燃料が一般的なガソリンである場合に最適である。さ
らに、燃料が一般的なガソリンであり、かつポンプが特
に自動車用の燃料ポンプである場合には前記ポンプ部は
ウエスコ型式のものであって、そのインペラの直径は2
5mm以上50mm以下の範囲であり、前記出口穴の面積と
該ポンプ室の流路の断面積との比は0.5以上1.4以
下の値に設定されていることが好ましい。
【0007】
【作用】本発明のベ―パ―ロック防止機構ではポンプ室
の出口穴の面積の設定によりポンプ部内に吸入された燃
料の圧力を所定の値に高める構成となっており、出口穴
以外の他部分の構造、形状に影響を及ぼすことなく、ベ
―パ―ロック防止機能を備えた電動燃料ポンプを構成で
きる。またポンプ部がウエスコ型式のものである場合に
出口穴の面積とポンプ室の流路の断面積との比率を0.
5以上1.4以下の値に設定することで、特に燃料とし
て一般的なガソリンを利用した場合に、燃料流の剥離に
よる渦の発生、あるいはキャテ―ション等を生ずること
なく、上記ベ―パ―ロック防止効果が得られ、またエン
ジンへの燃料供給用の電動燃料ポンプとして必要な燃料
流量及び圧力を維持することができる。さらに、燃料が
一般的なガソリンであり、かつポンプが特に自動車用の
燃料ポンプである場合には前記ポンプ部はウエスコ型式
のものであって、そのインペラの直径は25mm以上50
mm以下の範囲であり、前記出口穴の面積と該ポンプ室の
流路の断面積との比は0.5以上1.4以下の値に設定
することで、上記で述べた出口穴の面積とポンプ室の流
路の断面積との比率を0.5以上1.4以下の値に設定
したことに伴う作用に加えて、ポンプ部のサイズを自動
車の燃料タンク内への装着に適したサイズに設定でき
る。
【0008】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のベ―パ―ロッ
ク防止機構ではポンプ室の出口穴の面積の設定により、
出口穴以外の他部分の構造、形状に影響を及ぼすことな
く、ベ―パ―ロック防止機能を果たすことができるの
で、出口穴の加工を異ならせるのみでポンプ部の構成部
品が各段について共通の部材が利用でき、また特別な加
工を要しないので製造コストが安価で済み、さらにはポ
ンプ全体の寸法に影響しないため、コンパクトなポンプ
構造としうる利点を有する。また本発明の請求項2に記
載のベ―パ―ロック防止機構では請求項1の効果を特に
燃料として一般的なガソリンを利用した場合のベ―パ―
ロック効果を有効に得ることができる利点を有する。さ
らに本発明の請求項3に記載のベ―パ―ロック防止機構
では自動車の燃料タンクへの装着に適した実用的な自動
車用の燃料ポンプにおいて請求項2と同様なベ―パ―ロ
ック防止効果を得ることができる利点を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を添附の
図面を参照して説明する。まず第1実施形態を図1〜図
7を参照して説明する。図1に示した電動燃料ポンプは
図示しない燃料タンク内に浸漬状態で取付けられるいわ
ゆるインタンク型式のものである。図示した電動燃料ポ
ンプの筒状のケ―シング1の内部中央には電動モ―タ2
からなるモ―タ部が配置されており、ケ―シング1の下
部には電動モ―タ2の軸3により駆動されるウエスコ型
式のポンプ部4が配置されている。5はポンプ部4の燃
料入口6に取付けられたフィルタ―で、燃料はフィルタ
―5を介してポンプ部4によりケ―シング1内に汲上げ
られ、ポンプ部4を出た後電動モ―タ2の周囲を通り、
図示しないチェックバルブを経て、ケ―シング1の上部
に設けられた燃料出口7より吐出される。
【0010】次にポンプ部4の構成をさらに詳しく説明
すると、ポンプ部4は上記電動モ―タ2の軸3に固定さ
れた同一形状、寸法の第1インペラ8及び第2インペラ
9とを有しており、これらのインペラ8,9を取囲むポ
ンプ壁を構成する部材としてケ―シング1の下端にかし
めつけられたアウトレットボディ10と、このアウトレ
ットボディ10に対し図示しないネジにより固定された
インレットボディ11,環状の第1スペ―サ12,環状
のプレ―ト13及び環状の第2スペ―サ14を備えてい
る。ポンプ部4はこれらにより第1ポンプ室15と第2
ポンプ室16とを備えた2段式のポンプとして構成され
ており、第1ポンプ室15は図示した組付け状態でイン
レットボディ11と第1スペーサ12とプレート13と
により形成されて第1インペラ8の外周の羽根8aを取
囲む流路溝17により、また第2ポンプ室16は同様に
図示した組付け状態でプレ―ト13と第2スペ―サ14
とアウトレットボディ10とにより形成されて第2イン
ペラ9の外周の羽根9aを取囲む、上記流路溝17と同
一寸法形状の流路溝18により、それぞれ形成されてい
る。
【0011】また、インレットボディ11には上記燃料
入口6が、プレ―ト13には第1ポンプ室15から第2
ポンプ室16に至る円形の第1出口穴19(図2及び図
3参照)が、またアウトレットボディ10には第2ポン
プ室16から電動モ―タ2側に出る円形の第2出口穴2
0がそれぞれ設けられており、吸入燃料は燃料入口6よ
り第1ポンプ室15に入って同室内で昇圧され、第1出
口穴19より第2ポンプ室16に入ってさらに昇圧され
て、第2出口穴20を経て電動モ―タ2側に出る。ここ
で、本実施形態において、ベ―パ―ロックを防止する手
段として、図4に示すようにインレットボディ11には
小径のベ―パ―ジェット21が設けられている。このベ
―パ―ジェット21は流路溝17とポンプ外部とに連通
して同図4中紙面に直角方向で形成されており、同図に
示すように燃料入口6を基準として矢印で示した流れ方
向に所定の角度θの位置に設けられている。また本実施
形態においては、特に、流路溝17を通る燃料の圧力を
高めてベ―パ―ジェット21からのベ―パの抜けととも
に流路溝17を通る燃料中のベ―パを消失させるため
に、図2及び図3によりよく示される第1出口穴19の
断面積を図5及び図6に示した第1ポンプ室15の流路
断面積S(図6中においてa-b-c-d-e-f-a で囲まれた斜
線部分の面積)とほぼ同様に設定する構成が採用されて
いる。なお、これに対し燃料入口6の断面積と第1ポン
プ室15の流路断面積Sとの比及び第2出口穴20の断
面積と第2ポンプ室16の流路断面積S(第2ポンプ室
16の流路断面積は第1ポンプ室15と同一である)と
の比は約5に設定されており、この比は従来構造と同様
である。
【0012】次に上記実施形態の作用に関し説明する。
本実施形態の電動燃料ポンプでは、第1ポンプ室15の
第1出口穴19の断面積と第1ポンプ室15の流路断面
積Sとの比がほぼ1に設定されており、この比は第2ポ
ンプ室16と流路断面積Sとの比よりも小さくなってい
る。このため、図7に示すように燃料入口6から第1出
口穴19に至る間すなわち第1ポンプ室15内の燃料の
圧力上昇勾配が同図に従来の電動燃料ポンプ(本実施形
態と同様な構成において第1出口孔の面積と流路面積と
の比も他と同様に設定したもの)の圧力上昇勾配との比
較で示したように大きくなり、第2ポンプ室16内では
圧力上昇勾配を緩めて第2出口穴20位置で所定の圧力
となる(この圧力は燃料出口7から図示しない燃料噴射
弁に至る管路中に設けられたプレッシャ―レギュレ―タ
により調整されている)。
【0013】このような第1ポンプ室15における燃料
の圧力上昇勾配の増加により、第1ポンプ室15内の圧
力が高まって、ベ―パはベ―パジェット21から効率的
に外部に排出される。またこのような燃料の圧力上昇勾
配の増加によって燃料ベ―パが早期に消滅し、ベ―パの
発生が抑制される。
【0014】なお、従来の電動燃料ポンプでは参考とし
て、図2及び図3にそれぞれ対応する図17及び図18
(図示した以外の構成は本実施形態と同様であり、図中
本実施形態と同様な部材には同一符号を付して詳しい説
明を省略する)に示すように、第1出口穴19Aの断面
積と第1ポンプ室15の流路断面積Sとの比は先に述べ
たように約5に設定されており、第1出口穴19Aの断
面積は第1ポンプ室15の流路断面積Sよりもかなり大
きくなっている。通常このような第1出口穴19Aの断
面積は該第1出口穴19A位置において図7に示すよう
に燃料圧力が第2出口穴20位置における燃料圧力のほ
ぼ1/2 となるように設定され、同図7に示すように燃料
圧力は第2出口穴20に至りほぼ直線的に変化する。
【0015】つまり、本実施形態は第1ポンプ室15の
第1出口穴19の断面積を絞ることにより、第1ポンプ
室15内の燃料の圧力上昇勾配を従来に比して高め、結
果として第1出口穴19側の圧力を高めるようにしたも
のである。
【0016】なお、上記実施形態において、第1ポンプ
室15の第1出口穴19の断面積を第1ポンプ室15の
流路断面積Sとほぼ同様に設定したが、第1出口穴19
は図8及び図9に示すように第1ポンプ室15の流路断
面積Sよりも小さな断面積を有する第1出口穴19とす
ることもできる。図示した例では第1出口穴19の断面
積と第1ポンプ室15の流路断面積Sとの比は約0.5
となっている。
【0017】なお、以上の例では流路断面積Sとの比が
ほぼ1とこれよりも小さな断面積の第1出口穴19に関
して説明したが、このような第1出口穴19の面積の設
定は適用する燃料に応じて適宜行われ、燃料がより軽質
であれば断面積をより小さくして燃料の圧力上昇勾配を
より大きくする構成が採用される。特に、燃料が一般的
なガソリンであった場合には上記第1出口穴19の断面
積と流路断面積Sとの比は0.5〜1.4であるのが好
ましく、その理由を以下に説明する。
【0018】図10は第1出口穴19の断面積と流路断
面積Sとの比−ポンプ吐出流量特性を示すもので、プレ
ッシャ―レギュレ―タで制御されるポンプ吐出圧力を
2.55Kg/cm2 とした場合の特性曲線である。また図
11は第1出口穴19の断面積と流路断面積Sとの比−
第1出口穴19直前圧力特性を示すもので、図10と同
様プレッシャ―レギュレ―タで制御されるポンプ吐出圧
力を2.55Kg/cm2 とした場合の特性曲線である。な
おこのような吐出圧は車両用エンジンへの燃料供給用の
電動燃料ポンプの一般的な吐出圧力である。なおこの結
果は下記の仕様の電動燃料ポンプにおいて、燃料として
ガソリン(無鉛レギュラ―)(リ−ドベ―パ―プレッシ
ャ―:37.8°Cで0.75Kg/cm2 )を用いた実験
(燃料温度は25°C)で得られたものであり、第1出
口穴19の直前圧力が1.7Kg/cm2 (ちなみに燃料温
度が40°Cでは1.3Kg/cm2 )以上でベ―パロック
の防止に顕著な効果が得られることが判明している。 第1インペラ8の直径=第2インペラ9の直径 =35
mm 第1ポンプ室15の流路断面積S=第2ポンプ室16の
流路断面積S=9.24mm2 ベ―パジェット21の径=0.9mm ベ―パジェット21の位置θ=210° (ちなみに燃料入口6から第1出口穴19までの角度は
300°である。)
【0019】図10に示すように第1出口穴19の断面
積と流路断面積Sとの比が1.4近傍ではポンプ吐出流
量は殆ど変化せず、しかも図11に示すように第1出口
穴19の断面積と流路断面積Sとの比が1.4を越える
と第1出口穴19の直前の圧力が低下して1.7Kg/cm
2 よりも下がってしまう。このため比は1.4以下であ
る必要が有る。なお、このようなポンプでは出口穴を大
幅に拡大するとその出口穴部位で流れの剥離が生じて乱
流が発生し、このためにさらにベ―パを発生し易くなり
高温性が低下する。上記1.4以下の比では当然のこと
ながらこのような現象は生じない。
【0020】また、上記比の最小値であるが、このよう
なポンプでは第1出口穴19の径を絞りすぎた場合には
流路溝17内の燃料の流速と第1インペラ8の羽根部の
速度との速度差が大きくなり、燃料圧力は上がってもキ
ャビテ―ションが発生し易くなる。また第1ポンプ室1
5の第1出口穴19を絞り過ぎた場合、第2ポンプ室1
6の吸込みにより第1出口穴19での流速が速くなり、
第1ポンプ室15の第1出口穴19直前の圧力が逆に低
下する。これらの理由により高温性が悪化するため、上
記比は0.5以上である必要が有る。つまり第1出口穴
19の断面積と流路断面積Sとの比は0.5以上1.4
以下に設定する必要が有る。
【0021】また、上記実施形態は前述したように第1
インペラ8の直径=第2インペラ9の直径=35mmの場
合について示したが、ベ―パ―ロック防止効果はそれ以
外の値の直径においても同様に得られ、特に、自動車用
の燃料ポンプにおいて一般的に採用されているインペラ
の直径である25mm〜50mm(このような値の直径のイ
ンペラは自動車の燃料タンクへの装着に適したサイズの
ポンプを提供する)の範囲で同様な効果が得られること
が実験的に確認されている(実験は上記35mm以外に2
0mm,30mm,40mm,45mm及び50mmの各径につい
て行われた)。
【0022】次に本発明の第2実施形態を図12〜図1
5を参照して説明する。図12は上記第1実施形態の図
1に対応する図で、図1と同様な部材には同一符号を付
してその説明を省略する。本実施形態において第1ポン
プ室15の第1出口穴(図示しない)は図17及び図1
8に示した従来の第1出口穴19Aと同様な断面積に設
定されているが、図12及び図13に示すように第2出
口穴30にはオリフィス31が設けられており、このオ
リフィス31の開口面積は図14及び図15に示した第
2ポンプ室16の流路断面積S(図15にa-b-c-d-e-f-
a で囲んだ斜線部分の面積)とほぼ同様に設定されてい
る。このため第2出口穴30の流通面積は従来の断面積
の第2出口穴20よりも小さくなって、出口が絞られた
状態となり、ポンプ内の燃料の圧力上昇は図16に示す
ように従来と同様直線的ではあるが、その勾配が従来の
圧力上昇勾配よりも大きくなって、プレッシャ―レギュ
レ―タにより規制される所定の圧力に早期に到達する。
このような燃料の圧力上昇勾配の増加により第1ポンプ
室15内の圧力が高まって第1実施形態と同様燃料ベ―
パがベ―パジェット21から効率的に外部に排出され、
またベ―パが第1ポンプ室15内で早期に消滅する。
【0023】なお、上記第1実施形態に関連して説明し
た無鉛ガソリンを利用した場合の出口穴の断面積とポン
プ室の流路断面積との比率の範囲である0.5以上1.
4以下の値は本実施形態においても同様に適用でき、第
2出口穴29のオリフィス31の断面積と第1ポンプ室
15の流路断面積S=第2ポンプ室16の流路断面積S
との比率も同様に0.5以上1.4以下に設定すること
で良好なベ―パ―ロック防止効果が得られる。また、本
実施形態においても第1インペラ8の直径=第2インペ
ラ9の直径が25mm以上50mm以下の範囲を含む範囲で
良好なベ―パ―ロック防止効果が得られる。さらに、本
実施形態でも上記第1実施形態と同様、第2出口穴30
のオリフィス31の内径は適用する燃料に応じて適宜設
定され、燃料がより軽質であればより小径に設定され
る。
【0024】さらに、上記実施形態はいずれも2段式の
電動燃料ポンプに関して示したが、2段以上の多段式ポ
ンプについても同様な構成が採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による電動燃料ポンプを
一部を断面で示した正面図である。
【図2】図1に示したプレ―トの底面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図1に示したインレットボディの平面図であ
る。
【図5】図1に示した第1ポンプ部の要部拡大図であ
る。
【図6】第1ポンプ部の断面積のみを斜線で示した図5
と同様な拡大図である。
【図7】図1に示した電動燃料ポンプにおけるポンプ部
の流路に沿った入口からの回転角とポンプ部内の燃料圧
力との関係を従来例との比較で示した特性線図である。
【図8】第1実施形態の変形例を示すもので、図2に対
応するプレ―トの底面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】燃料としてガソリンを利用した場合の第1ポ
ンプ室の第1出口穴断面積と第1ポンプ室の流路断面積
との比−ポンプ吐出流量特性線図である。
【図11】燃料としてガソリンを利用した場合の第1ポ
ンプ室の第1出口穴断面積と第1ポンプ室の流路断面積
との比−第1出口穴直前の圧力特性線図である。
【図12】第2実施形態の電動燃料ポンプを示す、図1
と同様な正面図である。
【図13】図12に示したアウトレットボディの底面図
である。
【図14】図12に示した第2ポンプ部の要部拡大図で
ある。
【図15】第2ポンプ部の断面積のみを斜線で示した第
14図と同様な拡大図である。
【図16】図12に示した電動燃料ポンプにおけるポン
プ部の流路に沿った入口からの回転角とポンプ部内の燃
料圧力との関係を従来例との比較で示した特性線図であ
る。
【図17】従来例を示すもので、図2に対応するプレ―
トの底面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線断面図である。
【符号の説明】
4…ポンプ部 15…第1ポンプ室 16…第2ポンプ室 19,29…第1出口穴 20…第2出口穴
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】このため本出願人による実開昭第63−1
00686号公報の電動燃料ポンプでは、2段式の電動
燃料ポンプにおいて第1段のポンプ室のインペラの厚さ
及び羽溝深さを第2段のポンプ室のものよりも大きく設
定してポンプ能力を上げ、第1段のポンプ室内の燃料圧
力の上昇勾配を高めることにより発生ベ―パを早期に消
滅させあるいはベ―パ―ジェットからのベ―パ―排出を
効率的に行う構成を提案している。また、ベーパー自体
の発生を抑制する手段として、特開昭第63−3143
92号公報では単段のポンプ室を備えた電動燃料ポンプ
において、燃料の吸込穴から流路の所定の位置までの第
1の流路領域では、ポンプケーシングの内下面と羽根車
下面との間の隙間を吸込穴に向かうにつれ拡大(ポンプ
ケーシングの内下面を上向きに傾斜)、また吐出穴から
流路の所定の位置までの第2の流路領域では、ポンプケ
ーシングの内上面と羽根車上面との間の隙間を吐出穴に
向かうにつれ拡大(ポンプケーシングの内上面を上向き
に傾斜)させ、また第1の流路領域においてポンプケー
シングの内下面に段差状で溝を設け、ここにベーパ抜き
穴を形成する構成を提案しており、この構成により吸込
穴の断面積とこれに近接する流路の断面積との差(ここ
で言う断面積とは吸込穴の軸方向に対する直角方向の断
面積の差である)を小さくして吸込穴から流路への流れ
を円滑とし、キャビテーションの発生ひいてはベーパの
発生を抑制するようになっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
第63−100686号の電動燃料ポンプは第1段のポ
ンプ室のインペラの厚さ及び羽溝深さを第2段のポンプ
室のものよりも大きく設定するものであるから、各段に
ついて共通の部材を利用できず、特別な加工を要するが
上にポンプ全体の寸法が大きくなってしまうため、より
改良が望まれていた。また、特開昭第63−31439
2号公報の電動燃料ポンプでは流路の形状を特殊に設定
することで燃料の吸込穴から流路への流れを円滑化し、
それによってベーパの発生を抑制するものであり、同ポ
ンプにおいてもポンプケーシングの特別な加工が必要と
なり、製造コストが増大する問題点を有していた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のベーパーロック
防止機構は燃料吸込側の第1ポンプ室と吐出側の第2ポ
ンプ室とを備えたポンプ部を有する二段式の電動燃料ポ
ンプにおいて、前記第1ポンプ室の出口穴の断面積と前
記第1ポンプ室の流路の断面積との比を0.5以上1.
4以下でかつ前記第2ポンプ室の出口穴の断面積と前記
第2ポンプ室の流路の断面積との比よりも小さな値に設
定し、前記第1ポンプ室の前記流路をベーパ抜き穴を介
して外部に連通させたことを特徴とする。また、ポンプ
部はウエスコ型式のものであり、前記第1ポンプ室及び
前記第2ポンプ室のインペラは同一径でしかも25mm以
上50mm以下の範囲であることが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【作用】本発明のベ―パ―ロック防止機構では第1ポン
プ室の出口穴の断面積と第1ポンプ室の流路の断面積と
の比が0.5以上1.4以下となっており、この比は第
2ポンプ室の出口穴の断面積と前記第2ポンプ室の流路
の断面積との比よりも小さいので、燃料の圧力上昇勾配
が第1ポンプ室では大きく、第2ポンプ室では小さくな
って、最終的に所定の圧力に達する。第1ポンプ室には
ベーパ抜き穴が設けられており、燃料の圧力上昇勾配が
第1ポンプ室では大きくなっているのでベーパはベーパ
抜き穴から効率的に外部に排出され、しかも燃料ベーパ
が早期に消滅するのでベーパの発生が抑制される。また
第1ポンプ室の出口穴の断面積と第1ポンプ室の流路の
断面積との比が0.5以上1.4以下としたことによ
り、特に燃料として一般的なガソリンを利用した場合
に、燃料流の剥離による渦の発生、あるいはキャテ―シ
ョン等を生ずることなく、上記ベ―パ―ロック防止効果
が得られ、またエンジンへの燃料供給用の電動燃料ポン
プとして必要な燃料流量及び圧力を維持することができ
る。さらに、ポンプ部はウエスコ型式のものであり、第
1ポンプ室及び第2ポンプ室のインペラは同一径でしか
も25mm以上50mm以下の範囲とすることで、上記作用
に加えて、ポンプ部のサイズを自動車の燃料タンク内へ
の装着に適したサイズに設定できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のベ―パ―ロッ
ク防止機構では第1ポンプ室の出口穴の面積の設定によ
り、それ以外の他部分の構造、形状に影響を及ぼすこと
なく、ベ―パ―ロック防止機能を果たすことができる。
このため、従来の各段共通のポンプ室を備えた2段式燃
料ポンプに本発明を適用する場合には、第1ポンプ室の
出口穴の寸法設定だけで済み、流路溝の形状を変更する
特別な加工を要しないので製造コストが安価で済み、
さらにはポンプ全体の寸法に影響しないため、コンパク
トなポンプ構造としうる利点を有する。また特に燃料と
して一般的なガソリンを利用した場合のベ―パ―ロック
効果を有効に得ることができる利点を有する。また、本
発明の請求項2に記載のベ―パ―ロック防止機構では上
記効果を備えかつ自動車の燃料タンクへの装着に適した
実用的な自動車用の燃料ポンプを提供できる利点を有す
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、上記比の最小値であるが、このよう
なポンプでは第1出口穴19の径を絞りすぎた場合には
流路溝17内の燃料の流速と第1インペラ8の羽根部の
速度との速度差が大きくなり、燃料圧力は上がってもキ
ャビテ―ションが発生し易くなる。また第1ポンプ室1
5の第1出口穴19を絞り過ぎた場合、第2ポンプ室1
6の吸込みにより第1出口穴19での流速が速くなり、
第1ポンプ室15の第1出口穴19直前の圧力が逆に低
下する。また、同図11に示すように、第1ポンプ室1
5の第1出口穴19直後の圧力は、その直前の圧力と比
較して、第1ポンプ室15の第1出口穴19の面積と流
路断面積Sとの比が0.5よりも小さくなるほど小さく
なる。つまり、第1ポンプ室15の第1出口穴19の面
積と流路断面積Sとの比が0.5以下では第1出口穴1
9を通過した燃料の圧力が低下し、圧力が急激に下がる
とベーパが発生しやすくなり、上記と同様に高温性が悪
化する。このためにも第1ポンプ室15の第1出口穴1
9の面積と流路断面積Sとの比は0.5以上である必要
が有る。つまり第1出口穴19の断面積と流路断面積S
との比は0.5以上1.4以下に設定する必要が有る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】燃料としてガソリンを利用した場合の第1ポ
ンプ室の第1出口穴断面積と第1ポンプ室の流路断面積
との比に対する第1ポンプ室の第1出口穴直前の圧力特
性を第1ポンプ室の第1出口穴直後の圧力特性とともに
示した図である
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のポンプ室を備えたポンプ部を有す
    る多段式の電動燃料ポンプにおいて、前記ポンプ室のう
    ちのいずれかのポンプ室における出口穴の面積と該ポン
    プ室の流路の断面積との比を適宜設定することにより、
    前記出口穴の上流側の燃料圧力が燃料のベ―パ抜けに適
    した所定の圧力以上となるように構成したことを特徴と
    する電動燃料ポンプにおけるベ―パ―ロック防止機構。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ部はウエスコ型式のものであ
    り、前記出口穴の面積と該ポンプ室の流路の断面積との
    比は0.5以上1.4以下の値に設定されていることを
    特徴とする請求項1に記載の電動燃料ポンプにおけるベ
    ―パ―ロック防止機構。
  3. 【請求項3】 前記ポンプ部はウエスコ型式のものであ
    って、そのインペラの直径は25mm以上50mm以下の範
    囲であり、前記出口穴の面積と該ポンプ室の流路の断面
    積との比は0.5以上1.4以下の値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動燃料ポンプにお
    けるベ―パ―ロック防止機構。
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